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The International Symposium on Physics of Unstable Nuclei
会議出席報告
物理学第二教室 原子核理論研究室
日野原 伸生
2007.7.19
21世紀COE 外国旅費補助・出張報告会
会議の概要
http://www.inst.gov.vn/ispun07/
• ベトナムで開催される不安定核に関する会議
(前回は2002年にベトナム・ハロン湾で開催(ISPUN02) )
• トピックス:原子核構造、原子核反応、宇宙核物理
• 参加者数:90名 (日本19人、ベトナム17人、中国13人、イタリア10人・・・)
• 口頭発表者数 66名 + ポスター
• 開催期間: 2007年7月3日 – 7月7日
• 開催地: Hoi An (ホイアン), Vietnam
https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/
不安定核とは?
• β崩壊・α崩壊などで崩壊する放射性同位元素
• 安定核 約300個に対して不安定核 10,000個(予想)
http://www.rarf.riken.go.jp/
不安定核の物理
• 中性子過剰核 (N >> Z)
– 中性子スキン・ハロー
– ソフト・ダイポール励起モード
–
(中性子スキンの励起による集団運動)
– 魔法数(シェル構造)の変化
• 陽子過剰核(N~Z)
– 陽子放出
– 変形の発達・変形共存
– np-pairing
RIA white paper http://www.phy.anl.gov/ria/
不安定核の物理 ~最近の動向~
RIBF (RI Beam Factory) 計画
理化学研究所
238Uの破砕反応により
3,000 – 4,000種のRIビームを発生
2006年12月 – SRCからファーストビーム
2007年3月 -ウランビーム取り出し
2007年6月 -新同位体元素(125Pd)発見
Z=46, N=79
Microscopic Dynamics of
Shape Coexistence Phenomena
around 68Se and 72Kr
Nobuo Hinohara
Takashi Nakatsukasa
(Kyoto University)
(University of Tsukuba)
Masayuki Matsuo (Niigata University)
Kenichi Matsuyanagi
Jul. 07, 2007
(Kyoto university)
International Symposium on Physics of
Unstable Nuclei
変形共存現象
変形共存とは・・・
一つの原子核で複数の平均場解(真空)
それぞれが異なった変形状態に対応する
ポテンシャルエネルギー
異なる平均場が量子トンネル効果により
相互作用
四重極変形度
オブレート変形
‡ 平均場間を行き来する大振幅集団運動のダイナミクス
‡ 観測される量子状態は異なる変形が混ざった(変形混合)状態
プロレート変形
N~Z~40 陽子過剰核領域
M.V.Stoitsov et.al. PRC68(2003)054312
オブレート
N=Z: 中性子・陽子のシェル効果がコヒーレントに
効いて球形・変形状態を安定化
一粒子エネルギー
オブレート・プロレート両方の
変形が発達
50
42
40
36
オブレート・プロレート両方で
変形シェルギャップが存在
34
34
20
四重極変形度
38
プロレート
68Se, 72Krでの変形共存
68Se
(N=Z=34)
72Kr (N=Z=36)
実験データ
プロレート・オブレートに
対応する状態が
観測されている
平均場理論計算
72Kr
Excitation Energy (keV)
68Se
Bouchez et al. Phys.Rev.Lett.90(2003) 082502.
Fischer et al. Phys.Rev.C67 (2003) 064318.
オブレート・プロレートに
ポテンシャル極小点
オブレート変形のエネルギーが
最小
Skyrme-HFB: Yamagami et al. Nucl.Phys.A693 (2001) 579.
厳密解は求められないの?
•
80Zr: 40Ca
core、
50個の一粒子状態の模型空間を仮定
• (25C10)2 ~1013 次元 (基底の数)
シェルモデルHamiltonianの直接対角化による方法は困難
(オブレート・プロレート付近の一粒子状態が関与)
系を記述する本質的な自由度を理論から求められないだろうか?
変形共存の理論的な問題
• 変形混合の自由度(集団経路)は?
非軸対称変形
?
軸対称
軸対称
経路によってポテンシャルバリアの
高さは異なる
• 変形混合の程度は?
– ポテンシャルバリアの高さ
– 集団運動の慣性質量
両方の評価が重要
Adiabatic Self-consistent collective coordinate (ASCC)法
• 大振幅集団運動の微視的理論
• 集団運動の本質的な自由度を理論から仮定無しに抜き出す
集団座標q, 集団運動量p
集団経路の求め方
1. ポテンシャル極小点を平均場近似で求める
2. RPAでこの状態の線形応答を計算
固有振動モードの方向に系を動かす
3. 拘束付平均場近似で状態を求める
4. RPAでこの状態の線形応答を計算
固有振動モードの方向に系を動かす
各点で収束が得られるまでiterationが必要
集団経路
68Se
72Kr
集団経路
どちらの原子核でも非軸対称領域を通る
集団経路が得られた
大振幅ダイナミクスの記述
集団Hamiltonian: 集団運動の自由度だけで記述されたHamiltonian
これらのすべての量は集団経路上で、ASCC法によって計算できる
集団Hamiltonianの再量子化
集団波動関数
68Se:
エネルギースペクトルと集団波動関数
集団波動関数 (0+ 状態)
01+
02+
変形混合によりオブレート変形と
プロレート変形は完全に混ざる
実験データ
ASCC法計算結果
794
969
835
568
Fischer et al. Phys.Rev.C67 (2003) 064318.
225
532
667
433
134
B(E2) e2fm4
72Kr:エネルギースペクトルと集団波動関数
集団波動関数 (0+ 状態)
01+
02+
1828
1000
1337
1152
Bouchez et al., PRL90, 082502 (2003)
Fisher et al., PRC67, 064318(2003)
Gade et al., PRL96, 189901 (2006)
713
228
1510
122
997
30.75
B(E2) e2fm4
まとめ
‡ 68Seと72Krのオブレート・プロレート変形共存での集団経路を
求めた
Æ 非軸対称変形の自由度 が二つの変形状態を結ぶことがわ
かった
‡ ASCC法を用いて 68Se と 72Kr の低励起状態のスペクトルを初
めて導出した。
‡ 特に68Seの0+状態ではオブレートとプロレート変形が完全に混
ざった波動関数が得られた。
議論
電磁遷移と変形混合の関係についての質問があった。
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