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Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラと Agilent G1888A ヘッドスペース

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Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラと Agilent G1888A ヘッドスペース
Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラと
Agilent G1888A ヘッドスペースサンプラの
比較
技術概要
Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラは、エレクトロニックニューマティックコント
ロール (EPC) を搭載しています。これは全体的な機器性能を高めるために追加されたも
のですが、この追加により、Agilent G1888A ヘッドスペースサンプラと 7697A ヘッドス
ペースサンプラのあいだで、いくつかの大きな違いが生じるケースがあります。ニュー
マティックコントロールを搭載する利点の 1 つが、バイアル加圧の圧力をコントロール
する際に、GC からのコントロールが必要なくなるという点です。機器後部のバイアル加
圧ラインに接続する必要があるのは、ガス供給ラインだけです。図 1 に 7697A ヘッドス
ペースサンプラのフローパス、図 2 に G1888A ヘッドスペースサンプラのフローパスを
示しています。
PS - 圧力センサー
FS - 流量センサー
SV - スイッチングバルブ
PV - プロポーショナルバルブ
バイアル加圧ガス
ベント
キャリアガス
内蔵エレクトロニックニューマティックコントロール
バイアル加圧とベントのコントロールに対応
流量コントロールモジュール
SV2
PS
PV1
FS
PS
SV1
加圧バルブ
ベントバルブ
PV2
6 ポートバルブ
トランスファーライン
4
3
ループ
5
2
1
プローブ
6
GC へ
図 1. スタンバイモードの Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラのフローパス (標準据付時、
オプションのキャリア PCM なし)
2
圧力トランスデューサー
イン
加圧ガス、
イン
キャリアガス、
キャリア
加圧
サンプル
ループ
SV1
加圧バルブ
PV2
1
ベントバルブ
6
2
5
3
4
プローブ
GC へ
E E
E E
E
E
図 2. スタンバイモードの Agilent G188A ヘッドスペースサンプラのフローパス
3
ループ注入モード
ニューマティックコントロールを内蔵する 7697A ヘッドスペースサンプラでは、サン
プルループの背圧コントロールが可能です。G1888A ヘッドスペースサンプラでは、
ベントバルブの開閉により、サンプルループを通過してバイアル内部を周囲圧力まで
ベントします。7697A ヘッドスペースサンプラのデフォルト設定のループ注入モード
では、背圧コントロールが用いられています。このコントロールモードでは、最終的
なループ圧力を徐々に低下させ、ヘッドスペースバイアルからサンプルをループへ
徐々に通過させ、ベントします。この最終圧力設定は、初期バイアル圧力により異な
ります。7697A ヘッドスペースサンプラで背圧コントロールを用いれば、従来よりも
優れたレスポンスが得られます。図 3 と表 1 では、ループの背圧コントロールの有無
を比較しています。
16
14
ループ背圧 (psi)
12
10
8
6
4
背圧コントロールあり
背圧コントロールなし
2
0
0.02
1.01
2.01
3.01
4.00
5.00
5.09
6.09
7.09
8.08
時間 (分)
図 3. 背圧コントロール有無の比較
表 1. 背圧コントロール有無の比較
化合物
背圧コントロール
面積値 (pA*S)
背圧コントロールなし
面積値 (pA*S)
面積値の増加率
エタノール
357.98
251.93
70.38
n-プロパノール
701.04
458.82
65.45
4
9.08
背圧コントロールの影響と修正方法
背圧コントロールモードで 7697A ヘッドスペースサンプラを使用すると、注入の際に
カラム上により多くのサンプルが保持されます。これにより、カラムのオーバーロー
ドが生じ、ピーク形状の悪化につながることがあります。その場合は、ループ注入
モードを「デフォルト」から「カスタム」に変更し、最終圧力を低くすれば、修正
することが可能です。0 psig と入力すれば、最終バイアル圧力を周囲温度の変動に依
存させることができます。2 psig などの低い圧力を入力すれば、圧力はデフォルト条
件よりも低くなりますが、サンプルの導入量を調整することが可能です。
Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラメソッド開発
ビューアー
Agilent 7697A ヘッドスペースサンプラメソッド開発ビューアーを使えば、 G1888A
ヘッドスペースサンプラと 7697A ヘッドスペースサンプラで利用できるパラメータの
違いを見ることができます。
温度設定
どちらのシステムも、オーブン、ループ、トランスファーラインの温度を許容範囲内
とする必要があります。適切な温度ゾーン設定を決める際には、ホワイトペーパー
「Thermal Zone Considerations for the Agilent 7697A Headspace Sampler (Agilent 7697A
ヘッドスペースサンプラの温度ゾーンに関する考慮事項)」を考慮に入れてください。
5
タイミング設定
G1888A ヘッドスペースサンプラから 7697A ヘッドスペースサンプラへ移行する際に
は、バイアル平衡化、注入時間、GC サイクルタイムなどのタイミング設定に影響は
生じません。7697A ヘッドスペースサンプラでは、ヘッドスペースのフロントパネル
に、
「圧力平衡化」という追加のパラメータが表示されます。圧力平衡化は、バイア
ル加圧時にバイアル圧力の平衡化に割り当てられる時間を示すものです。使用可能な
デフォルト値は 0.10 分です。これに相当する値は、ソフトウェアで「ホールド時間」
として設定することもできます。バイアル加圧、ループ注入、ループ平衡化に関して、
時間で設定するパラメータはなくなっています
バイアルおよびループの設定
7697A ヘッドスペースサンプラでは、バイアルサイズ、注入モード、注入圧力、ルー
プ注入モードなどの特定のバイアルおよびループ設定が必要となります。これらの設
定は、すでに説明した背圧コントロールを実行するのに必要なものです。
デフォルトの注入モードは、圧力に対して固定の流量で注入するモードです。ヘッド
スペースは固定流量を用いてバイアルを既定値まで加圧します。デフォルトのループ
注入モードでは、初期バイアル圧力を用いて、サンプルループ注入に最適な流量と最
終バイアル圧力が計算されます。各パラメータで利用できるモードの詳細については、
7697A ヘッドスペースサンプラの操作マニュアルをご覧ください。
7697A ヘッドスペースサンプラの振とうスピードでは、加速度と振動数の両方が考慮
されます。加速度については、7697A ヘッドスペースサンプラの振とうレベル 4 が
G1888A ヘッドスペースサンプラの
「高」に相当します。7697A ヘッドスペースサンプ
ラの振とうレベル 3 が G1888A ヘッドスペースサンプラの「低」に相当します。振動
数については、7697A ヘッドスペースサンプラの振とうレベル 5 が、G1888A ヘッド
スペースサンプラの「高」か「低」のいずれかに相当します (1 分あたり 100 回)。
キャリア設定
GC からのキャリアガスコントロールが据付時のデフォルトモードです。オプションの
EPC モジュールを使用している場合は、HS または GC+ HS コントロールも利用できま
す。HS または GC + HS コントロールに対応するシステム設定の詳細情報については、
7697A ヘッドスペースサンプラ上級操作マニュアルをご覧ください。
6
高度な設定
シングル、マルチ、濃縮という 3 つの抽出モードを利用できます。
「抽出後ベント」で
は、抽出後の使用済みサンプルバイアルの残留圧力のベントを実行することができま
す。複数のサンプルバイアル間で、ヘッドスペースサンプラがサンプルプローブ、サ
ンプルループをパージし、ベントします。キャリーオーバーが見られる場合は、注入
後パージ設定を編集し、パージ流量を増やすかパージ時間を長くすれば、残留してい
るサンプルガスをシステムから一掃することができます。内蔵の電子ニューマティッ
クコントロールを使えば、リークを検知することも可能です。
「許容リークチェック」
のデフォルト値を選択することも、任意の値に調節することもできます。7697A ヘッ
ドスペースサンプラでは、オプションのバーコードリーダーアクセサリが用意されて
います。
「バーコードコード」と「バーコードチェックサム」の設定が可能です。こ
れらの高度な設定の詳細については、7697A ヘッドスペースサンプラ上級操作マニュ
アルをご覧ください。
シーケンスアクション
シーケンスアクションでは、1 回の操作やシーケンス操作でサンプルバイアルをハン
ドリングする際に生じる可能性のある、特定のタイプの HS または GC エラー (バイア
ルの不在、不適切なバイアルサイズ、リーク検知、システムの準備が未完了など) を
コントロールすることができます。そうしたエラーが検知された場合は、
「継続」
「ス
キップ」
「一時停止」
「中断」といったアクションを設定し、ヘッドスペースをコント
ロールすることができます。
たとえば、
「システムの準備が未完了」エラーでは、HS の準備が完了したときに、GC
の準備が完了しているかどうかがチェックされます。新たな注入に対して GC の準備
ができていない場合、HS は指定されたアクションに従って動作します。デフォルト
設定は「中断」です。
7
www.agilent.com/chem/jp
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されることがあります。
アジレント・テクノロジー株式会社
© Agilent Technologies, Inc. 2013
Printed in Japan
July 18, 2013
5990-1542JAJP
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