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3.47MB - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
自己組織化プロセスが拓く バイオミメティクス機能材料 千歳科学技術大学 バイオミメティクス研究センター 高分子学会バイオミメティクス研究会 バイオミメティクス推進協議会 ISO TC266 biomimetics 国内審議委員会 文部科学省科学研究費新学術領域「生物規範工学」 北海道大学名誉教授・東北大学名誉教授 下村 政嗣 自己組織化:物質、スケールに依存しない構造形成 チューリングパターン ベナール対流 Wine Legs オルガネラ 寒気吹き出し 銀河系 監修者 :国武 編集幹事 :下村 山口 フロンティア出版 二分子膜 豊喜 政嗣 智彦 2007年 監修者 :国武 豊喜 編集幹事 :下村 政嗣 山口 智彦 NTS出版 2009年 日常生活に見られる自己組織化パターン Dissipative structures formed in casting proces Coffee stain フィンガリング不安定性 ベナール対流 マランゴニ対流 スティック・スリップ現象 3相界面における 脱濡れ現象 (dewetting) 蛍光顕微鏡 高分子溶液 スライドグラス 100 mm 湿式成膜(キャスト)による 高分子のパターン化 自己組織化による高分子のパターン化 フィンガリング不安定性からストライプが形成される様子(おおよそ3秒間隔で撮影) 100 mm 1 mm 液晶性ポリアセチレンから形成 されるストライプパターン シリカ微粒子(粒径100nm)が形成 するストライプパターン シリカストライプのSEM像 自己組織化による高分子のパターン化 Continuous Sliding of Receding Meniscus Polymer solution 自己組織化による高分子のパターン化 結露現象を使った“ハニカム構造フィルム”の作製 呼気像 (Breath Figure) 結露 (dewing) 自己組織化による高分子のパターン化 ベナール対流 陽極酸化ポーラスアルミナ 鋳型 益田「ナノホールアレー」プロジェクト 三菱レイヨン モスアイフィルム 分子組織化学によるバイオミメティクス Membrane Mimetics 我が国発の生体膜模倣化学 T. Kunitake te.al, "A totally synthetic bilayer membrane", J . Am. Chem. Soc., Volume 99, pp. 3860–3861 (1977). 平成26年度 文化勲章 2015年 京都賞 二分子膜の高分子化・材料化 km バイオミメティクスの歴史 m 生態系バイオミメティクス バイオミメティック・アーキテクチャー バイオミメティック・スマートシティ コウモリ模倣ソナー 黎明期 mm 新幹線の空力デザイン パンタグラフのデザイン 昆虫型ロボット ゲル・人工筋肉 機械系バイオミメティクス 面状ファスナー(VERCRO) シュミット・トリガー 新潮流 材料系バイオミメティクス 数mm 蓮の葉→超撥水 蛾の眼→無反射 ヤモリの指→接着 モルフォ蝶→構造色 mm 自然史学 分類学 “niche”(未開拓)だった ”サブセルラー・サイズ構造“ のSEM観察 nm サブセルラー・ サイズ 博物学と ナノテクノロジー の連携 数十nm 分子系バイオミメティクス 1935年 ナイロン 繊維・高分子 1940 1950 Biomimetic Chemistry 1960 総 合 的 工 学 体 系 と し て の 生 物 規 範 工 学 人工酵素 ナノテクノロジー 人工光合成 人工生体膜 超分子化学 分子認識 1970 1980 1990 2000 2010 年 自己組織化材料によるバイオミメティクス Lotus leaf effect 107° Honeycomb structure 153° Pillared structure Cassie-Baxter state 20mm 自己組織化材料によるバイオミメティクス モスアイ構造:無反射表面 Moth-eye 三菱レイヨン モスマイト 複眼 モスアイ構造 モスアイ構造なし モスアイ構造あり 生物表面ナノ・マイクロ構造の多機能性 無反射性 撥水性 Anti-fogging モスアイ構造なし モスアイ構造あり モスアイ構造 * 防汚性 低摩擦性 E.Ivanova, et.al, Small (2012) 下澤、比較生理生化学(2016) 自己組織化:“好い加減さ“とロバストネス 自己組織化:分泌系バイオミメティクス バイオミメティック・バイオフィルムとしてのナノスーツ 防汚・保護膜としてのバイオフィルム 自己組織化:分泌系バイオミメティクス 冷却 なめくじ:バイオフィルム SLUG:Self-Lubricating organoGel 常温 モスアイ効果 表面構造による 超撥水性・光散乱防止 昇温 A.Hozumi, J. Mater. Chem. A, 3 (2015) 12626. 離漿 氷点以下 ナメクジ効果 分泌液による防汚 付着力低下 SLUG処理 千歳科学技術大学キャンパス 未処理 生物表面模倣による難付着・低抵抗表面の開発 NEDO エネルギー・環境新技術先導プログラム 日立製作所 ナノスーツ法による鮫体表のSEM観察 名称 ガラパゴスザメ ネムリブカ 2mm 2mm 全体図 ノコギリザメ ネコザメ 2mm 2mm 40 1mm 1mm 1mm 2mm 500μm 50μm 500μm 鱗一つ 拡大図 300μm 遊泳性 高 サメの体表構造の3D解析 中 中 流体機器の流れ制御に適用 流体シミュレーション 上昇流 低 200μm ANTIX Surface 機能材料 無着氷雪 人類の叡智 低摩擦 防汚 低流体抵抗 無反射 抗菌 放熱 耐熱 最適化:プロセス・マテリアル 材料設計 有機、無機、高分子、金属、ハイブリッド、コンポジット ナノインプリント 3Dプリント 自己組織化 ナノ 解決すべき課題 (耐久性、ロバストネス、 ライフサイクル・アセスメント) ミリ ミクロン 情報科学が繋ぐ 生物学と工学 発想支援型画像検索システム 生物多様性ビッグデータ 光学特性 濡れ性 防汚・ セルフクリーニング 計算科学による 材料・構造設計支援/最適化 最適な構造・機能デザイン “壮大なるコンビナトリアル・ケミストリー(進化適応)” 透過障壁 センチ 熱(放散)特性 生物表面の多機能性 機械特性 計 測 技 術 ロバストネスと自己組織化 非厳密性、フェイルセーフ 柔軟性、強靱性、階層性 自己修復性 ボトムアッププロセス 常温・常圧プロセス ユビキタス元素 観 察 技 術 バイオミメティクス 生物シーズからの着想 規範生物学 工学ニーズからの開発 情報学による生物から工学への技術移転 自然史学 インフォマティクス フィジカル空間 サイバー空間 生物学 情報学 オントロジー強化型シソーラス 類似画像検索システム BioTRIZ 生物多様性 インベントリー データジャーナル 自然史博物館 水族館・動物園・植物園 バイオミメティクス インフォマティクス 材料、デバイス、機械、建築、都市設計 のためのシミュレーションと最適化技術 生物規範工学 産業技術 フィジカル空間 工学 マテリアルズ インフォマティクス 材料・構造・物性 データベース 生物の技術体系 常温・常圧 自己組織化 階層的構造化 太陽エネルギー 化学エネルギー 完全なる炭素循環社会 = 技術とは 自然界に働きかけ 生き残る“術” CHOPiNS 人間の技術体系 高温 高圧 リソグラフィー 持続可能 = 化石燃料 原子力 Fe, Al, Si 希少元素 ? 機能発現のパラダイム 蓮(表面構造) vs テフロン(物質) 生産プロセスのパラダイム バイオミネラリゼーション vs 焼結 (自己組織化) (高温過程) 進化適応と生物多様性は 壮大なるコンビナトリアル・ケミストリーによる “物理・化学の法則・原理の組み合わせ最適化 “ 何億年にも亘る試作と評価の結果 パ ラ ダ イ ム 変 換 “ヒト社会の技術体系”健全化の 指導原理としての 規範生物学 第1章 生物の形や仕組みはテクノロジーにいかせる 第2章 生物表面の多機能性や高機能性に学ぶ 第3章 情報の受信と発信の仕組みに学ぶ 第4章 生物の構造とメカニズムに学ぶ 第5章 生物の設計とものつくりに学ぶ 第6章 生物の相互作用やシステム、生態系から学ぶ 第7章 様々な分野や学問が融合するバイオミメティクス 第8章 バイオミメティクスとこれからの社会 書籍名:トコトンやさしいバイオミメティクスの本 (今日からモノ知りシリーズ) 著者:下村 政嗣 (編著), 高分子学会 バイオミメティクス研究会 文部科学省科学研究費「生物規範工学」編集 出版社:日刊工業新聞 書店価格:1,620円 単行本: 160ページ 2016年3月 高分子学会 会員割引!!! 20