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親子で身のまわりの自然について考えてみませんか?
清水小学校 親子で身のまわりの自然について考えてみませんか? 平成27年 4月 川瀬 今年の入学式は残念ながら雨模様でしたが、桜の花がき れいに咲き誇る中での入学式になりました。昔から日本人 は桜の花に対しては独特の思いをもって眺めてきました。一斉に咲いて一斉に散る桜の花の潔さが日本人の心 に合うようです。多少の違いはあれ、地域で一斉に桜の花が開花します。これは日本の多くの桜(ソメイヨシ ノ)は科学的に見るとほぼ同じDNAだからだと言われています。簡単に言えばクローンだということです。 今、私達の身のまわりにはクローン技術で増やされているものが結構あります。昔から行われている「挿し 木」「挿し芽」「接ぎ木」「株分け」などは実はクローンです。これらの方法で増やされた植物は科学的には 同じDNAを持つことになります。日本の桜もこれらの手法でどんどんと苗木が作られ、全国的に植樹されて広 がってきました。だから開花の条件が整うと一斉に開花するのだそうです。日本は南北に長い国土で、南から 北に桜前線が一気に北上します。 岐阜県は柿やバラの産地としても有名です。柿の実の中の種をまいても、育った実る柿は渋柿です。柿の木 は接ぎ木で増やします。新しい品種が開発されると、その枝を他の柿の木に「接ぐ」ことで継いだ先からは新 しい品種の柿の木になります。バラの品種改良も同様で、品種改良で新しい花が開発されると、その枝を「接 ぎ木」して増やします。接ぎ木をするとDNAが同じですから、色や形、その他の特徴も同じバラの花が咲きます。 今は科学技術が進歩して品種改良も試験官の中、実験室でできる時代ですが、昔の人はそのような知識もな い中で、地道に「挿し木」「挿し芽」「接ぎ木」「株分け」といった方法で長い年月をかけ て品種を改良し、増やし、育ててきました。このように考えて花を眺めるとなにか不 思議な気がしませんか。 ここ20~30年ほどは動物の世界でもどんどんとクローン技術が利用され始めてい ます。技術的には人のクローンでさえ可能になる時代もそう遠くはないと言われています。 実際にそのような時代は来てほしくない気もしますが・・・。 4月4日には昨年に続いての皆既月食でした。残念ながら天候が悪く、観測できたのは北日本の一部地域だけ だったようですが、皆既月食がこのように短い間隔をおいて見られるのは珍しいようです。ちなみに次回、日本 で皆既月食が観測できるのは平成30年だそうです。 気候的にも暖かくなり、風邪などの心配をしなくても夜空を眺められる時期になりました。春は黄砂の関係や 空気中の水分の関係もあって、空気の透明度が低く、星空を眺めるには必ずしも条件がよいとは言えません。 しかし春を代表する星座「獅子座」「乙女座」はぜひ一度、眺めておきたいものです。4月はそれらを見つけ るのにちょうどよい目印になる木星が見えています。図は4月中旬、8時頃の東の空の様子です。東の空を少し ずつ高く目を移動させるとひときわ明るく輝 く星が見えると思います。それが木星です。 4月15日 20時 その少し下に獅子座、さらに下に乙女座が見 東の空 られます。時間とともに東の空からだんだん と高くなってくるので、木星さえ見つけてお けば、おおよその見当がつくと思います。 今は金星が夕方の西の空に大変明るく輝い ています。「宵の明星」です。他には下旬か ら5月にかけて、明け方の東の空に水星がこ れもまた大変に明るく輝いて見えると思いま す。 今年度もその時時の理科や自然に関わった 話題を紹介していこうと考えています。最近 は「理科離れ」といった言葉も聞かれます が、清水では自然も多く、大変に恵まれた環境 の中で生活できます。しかし、子どもたちの生活は必ずしもそれらに敏感だとはいえないと思います。せっかく の自然です。大切にするとともに、自然にも目を向けられる子どもに育ってほしいと願っています。 清水小学校 親子で身のまわりの自然について考えてみませんか? 平成27年 5月2日 5月7日 5月 川瀬 八十八夜 立春から数えて八十八日目。この日を境に、季節が春から夏に移ります。昔から茶 摘みの時期でもあることから、歌にも“夏も近づく八十八夜・・・”と歌われています。 水星が最も高く見える日。この時期は金星と水星が夕方の西の空に輝いています。水星はより太 陽に近い軌道を回っているので、見ることのできる時間は短く、高さも金星に比べると低くて見 づらい星ですが、太陽に近い分、金星よりも明るく輝いています。 少し前、5年生で天気についての学習をしました。その中で天気に関わる言葉を聞いたり調べたりしてきまし た。発表して黒板に記録すると、黒板に書ききれないほどの言葉が出てきました。その中にはツバメやカエルな ど、身近な生き物の行動に関わるもの、雲の動きや種類に関するものなど、本当に身近なもので天気を予想して きたことが分かりました。中には「古傷が痛むと天気が悪くなる」といったものもありました。さらに池田山が 3回白くなると雪が降るなど、揖斐郡ならではのものもありました。 今はインターネットも発達し、何時でも簡単に天気図をはじめ、多くの情報を手に入れることができます。し かし昔の人は天気の予想を身近な現象をもとに行っていたからこそ、このように多くの言葉が生まれ,語り継が れてきたのだと思います。天気予報は私達の生活に欠かせないものです。昔から言われてきた言葉の中には科学 的に裏付けされているものも少なくありません。まさに“昔からの知恵”だと思います。家庭でもお祖父さんや お祖母さんも混じえて話題にしてみると面白い話も聞くことができるかもしれません。 理科の授業では「日本の天気は西から東に進む」ことを雲の動きや天気図の変化学習しました。もちろん例外 はたくさんありますが、特に春や秋の天気の変化では西から東に移動することがはっきりと見ることができます。 これは中国大陸で発達した高気圧(揚子江高気圧)が比較的短 かい間隔で日本列島を通り、太平洋側に移動する事によります。 昔からこの時期の天気の特徴として「三寒四温(短期間で暑い 日、寒い日が繰り返すこと)」等と言われているのもそのため です。また、最近では黄砂やPM2.5の問題が日本でも問題にな りますが、これらの原因となる物質も、この高気圧とともに中 国大陸から移動してきたものです。 岐阜で言えば「大阪から6時間、九州から12時間で天気が やってくる。」というのがものすごく大雑把(おおざっぱ)な 天気予報になります。朝、出がけに帰りの傘を考える時には参 考になると思います。 日本上空の風邪の動きの画像 http://earth.nullschool.net/jp/ 先日、全国学力・学習状況調査が6年生を対象に行われました。最近、色々なところで“理科離れ”という言 葉が聞かれます。それもあって、今年度より理科も調査に加えられました。 テスト問題はすでに新聞などでも公表されているので目にした人も多いと思います。問題を見て驚いたのは、 普段、学校で行われている問題とはずいぶんと傾向が違うことです。ごく身近な現象を扱い、いくつかの分野に またがった既習事項を使って問題を解く問題が多く出題されています。 ●時計の振り子について、振り子(5年)、電磁石(5年)、温度と金属の体積の変化(4年)電池のつなぎ 方(34年)の学習を使って解く問題 ●アイスミルクティーを作る場面を使って、状態変化(3年)、濾過・再結晶やメスシリンダーの使い方(5 年)の学習を使って解く問題 ●雲や星の動きから、星や月の動き(4年)、天気の変化(5年)、温度の測り方(3年)の学習を使って解 く問題といった具合です。 ここからは今後、理科の学習で求められていく力がどのようなものかを知ることができます。まさにこれから 求められているのは、より生活に密着した知識や学習した知識を総動員して身近な現象について考える力だと思 います。この通信でも身近な理科に関係するような記事を毎月紹介していきますが、ご家庭でも身近な自然や科 学について話題にすることで関心が高まり、学校での学習と身近な自然や科学が結び付けられたらと思います。