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清 田 それでは始めさせていただきます。 本日の私からの説明は、2点

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清 田 それでは始めさせていただきます。 本日の私からの説明は、2点
記者会見要旨
日
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会
清
見
時:2016 年 10 月 28 日(金) 15:30~16:00
所:東証 ARROWS プレゼンテーション・ステージ
者:取締役兼代表執行役グループ CEO 清 田 瞭
田 それでは始めさせていただきます。
本日の私からの説明は、2点ございまして、
「2016 年度第2四
半期決算」と「JPX 日経中小型株指数の算出」についてでござい
ます。
Ⅰ.四半期決算について
まず、1点目ですが、「2016 年度第2四半期決算」についてご
説明します。
お手元の決算短信と決算概要をまとめました参考資料を、適宜、
ご覧いただければと思います。
当第2四半期(累計)の「営業収益」ですが、市況が活況であ
った昨年と比べると、売買に連動する取引関連収益等が前年同期
を下回り、前年同期比 50 億円減(△8.7%)の 528 億円となりま
した。
「営業費用」ですが、新デリバティブ売買システムの稼働に向
け、旧システムの加速償却を行ったことに伴い、減価償却費が増
加したことなどから、前年同期比 22 億円増(+9.8%)の 255 億
円となりました。
続きまして、連結の損益でございますが、先ほど申しましたと
おり、
「営業収益」は減少、
「営業費用」は増加しましたことから、
当第2四半期(累計)の営業利益は、前年同期比 70 億円減(△
19.9%)の 282 億円 、四半期利益(親会社の所有帰属分)は 42
億円減(△17.9%)の 195 億円となりました。
このように、過去最高益を記録した前年度との比較では、減収
減益となっておりますが、本年4月に公表しました業績予想値に
対しては、ほぼ想定どおりでございます。
具体的に申しますと、業績予想値の2分の1を100とした場
合、営業収益の達成率は 97.9%、営業利益は 104.7%です。
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このように、現時点では、当初の業績予想と同程度の水準を維
持しておりますが、最近の「市況動向」を勘案し、業績予想の前
提となる想定売買代金等について、若干の見直しをすることとし
ました。
具体的に申しますと、
・現物は、3.1 兆円という想定を 2.9 兆円に
・デリバティブは、3.8 億枚という想定を 3.3 億枚に、
それぞれ下方修正します。
こうした想定売買代金等の修正の結果、4 月に公表しました業
績予想のうち、
「営業収益」については、1080 億円から 1060 億円
に修正しますが、同時に「営業費用」の削減に取り組むこととし、
「営業利益」、「当期利益」、そして「配当額」については、据え
置くこととします。
Ⅱ.JPX 日経中小型株指数の算出について
続きまして、2点目の「JPX 日経中小型株指数」の算出につい
てご報告いたします。
ご承知のとおり、私どもは日経新聞社さんと共同で、2014 年1
月から「JPX 日経インデックス 400」を算出・公表しております。
これまで、本指数に連動する ETF は国内外併せて 30 本程度が
上場するとともに、年金基金等が本指数に連動した資産運用を行
うなど、投資者の皆さまに広く受け入れられています。
一方、本指数は、選定要素の一つに時価総額を用いていること
から、構成銘柄が大型株中心となる傾向があり、中小型株が選定
されにくいという面も否定できません。
そこで、今般、わが国上場企業の多数を占める中小型株を対象
として、持続的な企業価値の向上、株主を意識した経営を行って
いる企業を構成銘柄とする新たな指数、
「JPX 日経中小型株指数」
を算出・公表することとしました。
新指数の導入によって、これまで以上に資本効率等を意識した
経営が広がり、わが国証券市場の更なる発展や活力向上に繋げて
まいりたいと考えております。
今後、関係者のご意見も踏まえ、正式名称も含め詳細を検討し、
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来年3月末を目途に算出・公表することを目指してまいります。
私からは、以上でございます。
記
者 金融庁の金融審議会で、超高速取引、HFT 業者の登録制議論が
進められており、日本取引所に調査権限を与えるという議論が
出ていますが、日本取引所、東証に求められる HFT による取引
の監視強化について、どのようなご見解をお持ちですか。
清 田 金融審議会で何度かの論議を重ねている、HFT と言われる超高
速取引ないしはアルゴリズムといった数理的な手法を用いた取
引手法は、マーケットにおける存在感が大きくなっています。
その動向を把握するための制度をどう構築するかというのは、
我が国だけではなくて、アメリカやヨーロッパでも検討が進め
られています。HFT、アルゴリズム取引等を「HFT」と総称して
お話しさせていただきますと、HFT について何らかの規制をとい
うときに、日本だけ突出して規制が緩いとか、ないしは突出し
て規制が厳しいということは避けたいということもあり、金融
審では、ヨーロッパやアメリカの規制の動きについて情報収集
をした上で議論が進められているようです。HFT からの注文は証
券会社の顧客の注文として証券取引所に流れてきて売買される
ため、現状では何か起きたときに証券会社を経由して取引内容
を確認していますが、複数の証券会社を経由した HFT の注文は
実態を把握しにくいことから、ヨーロッパやアメリカでは HFT
を登録制にして、登録した投資家の取引については、取引を直
接規制するということではなくて、何か起きたときに市場全体
でその HFT がどういう動きをしているかということを俯瞰的に
検証できるような仕組みをつくりたいということで論議が進ん
でいると聞いております。その点に関して言えば、私どもマー
ケットの管理者としては、むしろ喜ばしいというふうに考えて
おります。
そういった枠組みをつくることによって、これから入ってく
る HFT も、既に参加している HFT も、不当に疑われることなく
自由に取引できる。また、HFT を市場の流動性供給者として利用
している HFT 以外の投資家の方々にとっても、マーケットの中
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で何か変なことが起きれば HFT も含めてきちっとした監視が行
われるということで、市場の信頼性、透明性が確保される。そ
ういった面で、取引所としては枠組みを構築することについて
は歓迎したいというふうに思っております。
ただ、証券会社が投資家、顧客を選ぶわけでございまして、
証券取引所が顧客を選んでいるわけではないので、第一義的に
は、やはり証券会社のところできちっとした顧客管理をしてい
ただいていると考えています。しかし、問題が起きたときに取
引所が俯瞰的に取引内容等を直接分析できるという枠組みにつ
いては、市場の信頼性の向上につながると考えており、我々と
しても積極的に協力して関与していきたいというふうに思って
おります。
記
者 本日パブコメの募集が開始されている決算短信の簡素化につ
いて伺います。これによって投資家に何らかの不利益が出てし
まったり、企業の情報の開示姿勢が後退するとか、そういった
デメリットが起こらないかどうか、ご所感をお聞かせください。
清
田 この件は、昨年設置された金融審議会ディスクロージャーワ
ーキング・グループで、検討されました。金融商品取引法に基
づく開示として有価証券報告書・四半期報告書、会社法上求め
られる事業報告書、そして、東京証券取引所の上場規則に基づ
く決算短信に重複している部分があって、上場企業の過重負担
になっているということについてどうするかという論議の中で
出てきた結論として、有価証券報告書と決算短信との情報の重
複をできるだけ軽減するということで、決算短信については、
基本的には投資家、市場に対する速報性というものがベースに
求められているわけでございますので、簡素化できるものは簡
素化するというところになったわけです。決算短信については、
これまでは東証の上場規則によって、フォーマットというんで
すか、書式を決めて、上場企業に強制ということで使用を求め
ていたわけですけれども、それをまず外すということで、その
書式については、一応こういったものを使ってもらいたいとい
う要請はあっても、必ずしも、その様式に沿わなくてもいいと
いう自由度を高める。だから、上場企業の公表について、ある
程度、上場企業サイドに裁量権というか、自由度を渡すという
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仕組みに変えようということです。
いわゆるサマリー情報、これについて、確たる内容の発表は
してくださいということは、引き続き要請することとしており、
それに添付する財務諸表については、このサマリー情報の中で
触れられている情報から読み取れないような重要な情報が財務
情報に入っているような場合には同時に開示してくださいねと
いう要請はしていくわけでございます。
ただし、サマリー情報とほとんど内容が変わらないような状
況であれば、財務諸表の開示については、準備が整うまで、若
干遅れることについては容認する。したがって、裁量権が企業
サイドにある程度広がるという仕組みに変えるということでご
ざいまして、その他については、これまでとそう大きな変わり
はありません。財務諸表の公表についても、今までどおり要請
は要請で行う。ですから、明確に変わったのは、サマリー情報
は今までは義務だったものが、一応、要請に変わるということ
になるわけです。
JPX、東証としては、できるだけ今までどおりの内容を、投資
家やメディア等も含めた社会が期待するタイミングで、タイム
リーディスクロージャーという精神のもとに、引き続きお願い
したいという意向は伝えていく。また、市場関係者や投資家か
ら我々にも要請されてきたいろいろなご意見については、上場
企業に対して伝えていくというスタンスではやっていきたいと
思っております。
特に一部、先ほどご指摘のように、ディスクロージャーの後
退ではないかと懸念する声があることも、私どものほうにも伝
わってきておりますので、極力、上場企業に対しては、引き続
き重要な情報のタイムリーなディスクロージャーをお願いする
というスタンスは変わりません。
記
者 今日は盛り返しましたけれど、しばらく薄商いが続き、売買
代金が少なかったかと思うんですけれども、どういう投資家の
心理を反映したものなのか、あるいはどういうマクロ環境を反
映したものなのかという、見方を教えていただけますでしょう
か。
清
田 7月までは、ポケモン GO なんかの特需もあって、比較的高い
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水準の市場出来高でした。チャイナショックによってボラティ
リティと出来高が増えた昨年は別格ですけども、例年、8月は
夏枯れと言われ、出来高が少なくなる傾向があります。9月に
は出来高が盛り返すのではないかと期待されたんですけども、
盛り返されない。
一つには、日銀の包括的な検証というものを控えていて、動
きにくかったということがあるように聞いております。もう一
つは、やはりアメリカの利上げ、大統領選の行方が読めなかっ
たところもあって、日本株だけではなく、世界的にも市場の動
きは緩やかだった時期にぶつかっていたと思う。
ただ、10 月に入って、日本では引き続き極めて市場出来高が低
い状態が続いております。皆様方の報道の記事の中でも時々触れ
られているように、やはり日銀の ETF 買いによって買い支えが行
われており、直近は回復をしていますけれども、海外の投資家が
大きく売り越していたにもかかわらず、株価が大きく下がらなか
ったということは、それがボラティリティを低下させている可能
性もあります。
ボラティリティが低いと、市場参加者が減っていく可能性があ
ると指摘されており、その影響も出ているかもしれないというふ
うには感じております。
ただ、直近では、日本企業の業績が、警戒されていたほど悪く
ないという見方が株価の安定につながってきた。アメリカも企業
の業績が悪いと言われていたのが、直近のグーグルにしても、ア
マゾンにしても、非常にいい結果が出ているということもあって、
全体に悲観的な見方よりはいい結果が出ているので、株式市場の
エネルギーが回復してきている。
その動きを支援しているところには、この2週間ぐらいで進ん
できた円高の修正というべきなのか、円安というべきなのか、そ
れがあって、日本人の投資家の中でも、日本株にもう一度という
気持ちが出始めている。この動きが持続するという確信があれば、
出来高も増加していくのではないか。
大きく値下がりすれば買いたいと思って、待っている投資家が
結構いると思うんですけれども、ボラティリティが低くて株価が
下にいかないので買うチャンスがなくて買えないという人たち
が、もう下にいくんではなくて上にいくという確信が出てくれば、
今度は上を買ってくるという可能性がありますので、マーケット
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としては、どちらか方向性が出れば、再びエネルギーが回復する
可能性はあると私は思っております。
アベノミクスが始まって以降も、1日当たりの平均売買代金が
沈んでいた期間が何回かあります。その都度、もうアベノミクス
相場は終わったんじゃないか、日本株ももう終わりかなというよ
うなことを書く方もいらっしゃったりするんですけども、それを
裏切って、比較的活況を呈してきたわけですから、市場というの
はわからない。
市場に対して動きが出る要因が幾つかあります。11 月のアメリ
カの大統領選挙の行方も見えてきたと、原油価格も落ち着いてき
たというようなことも含めて、全体としてグローバルにリスクオ
フからリストオンに動く可能性が出てきた環境の中で、これから
少し、市場エネルギーの回復を期待したいと思っています。
記
者 高速取引業者の規制の件で、海外の各取引所との交渉の場や
協定等はあるのでしょうか。
清
田 海外の取引所や海外の規制当局と直接何らかの調整をしてい
るということではございません。ただ、海外の取引所や規制当
局が進めている規制の全体像について、金融庁もそういった内
容は把握して、海外の規制のレベルとそう大きな齟齬がない規
制をということで検討なさっているのだと思います。
以
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