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資料 - みやざき技術士の会
平成21年度第5回宮崎県技術研鑽セミナー資料 宮崎県の地質・地盤概説 平成22年1月23日 NPO法人みやざき技術士の会 ((株) 国土地質調査事務所 Eグループ 松川浩一) 1.地質年代(時間軸)による地質区分 表-1 宮崎県地質総括表 宮崎県地質図及び同説明書、1981 -1- 2.宮崎県内エリアによる地質区分 -2- 3.本セミナーで紹介する宮崎県の地質 ①中・古生層堆積岩(秩父帯・四万十帯)-九州中央山地、付加帯の地質 ②新第三紀堆積岩(宮崎層群)-波状岩 ③新第三紀火成岩(花崗岩類、火山岩類:大崩山・市房山・尾鈴山、えびの盆地北部) 人里離れた高い山(登山名所) ④ 第 四 紀 火 砕 流 堆 積 物 ( 加 久 藤 、 阿 蘇 、 姶 良 ) - 観 光 名 所 ( 高 千 穂 峡 、 陰 陽 石 )、 し らす台地 ⑤第四紀沖積層(県内主要都市の地盤:宮崎・延岡・日向・日南)-生活居住地域 4.各地質体の特徴(地質学的・地盤工学的) ①中・古生層堆積岩(秩父帯・四万十帯) 地形・地質学的 特徴 岩種・岩質 工学的特徴 ・古い地質時代の堆積岩 ・九州中央山地の主要地質体を形成 ・成因は付加帯 ・北東から南西方向に帯状に分布する ・付加帯の形成に伴う地殻変動を受けており、構造的に脆弱な箇所 が多い ・四万十帯の神門層や日南層群は構造的・成因的な要因で、地質体 全体が 脆弱化している(地質図では乱雑層という表現がなされてい る) ・秩父帯(砂岩、頁岩、石灰岩、チャート、緑色岩、砂岩頁岩互 層) ・四万十累帯(砂岩、頁岩、粘板岩、千枚岩、緑色岩、砂岩頁岩 互層、砂岩粘板岩互層 ・新鮮な岩盤は岩質が硬い(岩石圧縮強度:砂岩 80MN/m2 以 上、粘 板岩 20 ~ 50MN/m2、 頁岩 10 ~ 30 MN/m2、 チャート 100 MN/m2 以上)-大規模土木構造物でも十分な支持力が得られる ・斜面崩壊や地すべりが多い(秩父帯、四万十累帯-諸塚層群、神 門層、日南層群)-構造的に脆弱な地質体 -3- ②新第三紀堆積岩(宮崎層群) 地形・地質学的 特徴 岩種・岩質 工学的特徴 ・新しい地質時代の堆積岩 ・日南市から都農町までの丘陵性山地や台地・低地の基盤を形成 ・成因は浅海性堆積岩 ・青島や日南海岸沿いの波状岩が特徴的 ・地殻変動の影響が少なく、構造的に安定しているので、堆積構造 がそのまま地形や地質構造に現れている(日南海岸のケスタ地形) 礫岩、砂岩、泥岩、砂岩泥岩互層、凝灰岩 ・固結度が低く、岩質が軟らかい(岩石圧縮強度:砂岩 50MN/m2 以 下、泥岩 1 ~ 10N/m2) -軟岩に区分される ・風化速度が速い(スレーキング現象) ・構造的に脆弱な箇所では斜面崩壊や地すべりを起こす。 ・岩質が軟らかいため、掘削時に岩盤の境を誤認することがある。 ③新第三紀火成岩(花崗岩類、火山岩類) 地形・地質学的 特徴 ・第三紀の火成活動・火山活動で生成された岩盤 ・大崩山、市房山、祖母・傾山、尾鈴山、えびの盆地北部の山々な で人里離れた険しい山を形成し、登山名所となっている ・行縢山に代表される環状岩脈は景勝地となっている ・尾鈴山酸性岩には柱状節理が顕著に発達する。 ・ え び の 盆 地 北 部 の 火 山 岩 (肥 薩 火 山 岩 類 )は 、 一 部 で 熱 水 変 質 作 用 を受けて脆弱化している。 岩種・岩質 ・大崩山・市房山(花崗岩、花崗閃緑岩)、花崗斑岩岩脈 ・祖母・傾山(火山岩、火山砕屑岩) ・尾鈴山(溶結凝灰岩、花崗閃緑斑岩) ・えびの盆地の北部・西部山地(火山岩、火山砕屑岩(一部に変朽 安山岩)) 工学的特徴 ・岩質が極めて硬い(岩石圧縮強度:100MN/m2 以 上) ・構造的な影響がなく、安定している ・えびのの肥薩火山岩では過去に土石流が発生している(真幸の山 津波) ・えびのの変質岩や変朽安山岩は、熱水作用によって岩組織が化学 変化し、脆弱化しているので地すべりや掘削時に含有する重金属 類の取り扱いが問題となる。 ・ 花崗岩 が極度に風化すると砂状(マサ)となるので、法面や支持層 の選定では注意が必要。 -4- ④第四紀火砕流堆積物(溶結凝灰岩、しらす) 地形・地質学的 特徴 岩種・岩質 工学的特徴 ・ 加 久 藤 火 山 (え び の 盆 地 )、 阿 蘇 火 山 、 姶 良 火 山 ( 鹿 児 島 湾 ) の 各 カルデラから広範囲に噴出した大規模な火山活動の堆積物 ・加久藤火砕流堆積物は小林市から須木村にかけての分布する古い 堆積物で溶結凝灰岩から形成される(小林の陰陽石) ・阿蘇火砕流堆積物は、主に溶結凝灰岩からなり、五ヶ瀬川沿い に数十 m から 100m を 越える高さの絶壁を形成し、高千穂峡など の景勝地となっている ・姶良火砕流堆積物は、非溶結のしらすが主体であり、県南部・県 西部に広範囲に分布し、都城盆地やえびの盆地内の他、周辺の広 大なしらす台地を形成している。 ・小林火砕流堆積物(非溶結軽石凝灰角礫岩-しらす) ・加久藤火砕流堆積物(溶結凝灰岩) ・阿蘇火砕流堆積物(溶結凝灰岩) ・姶良火砕流堆積物(溶結凝灰岩、しらす) ・溶結凝灰岩の岩石圧縮強度は火砕流堆積物により異なる。 (加久藤溶結凝灰岩:20 ~ 90MN/m2、 阿蘇溶結凝灰岩:5 ~ 80MN/m2、 姶良火砕流堆積物:20MN/m2 以 下) ・溶結凝灰岩に発達する柱状節理は、岩盤生成時の冷却節理であり、 構造的には安定している ・絶壁を形成する加久藤溶結凝灰岩や阿蘇溶結凝灰岩では、トップ リングによる岩盤崩落の恐れがある。 ・姶良火砕流堆積物の非溶結部は一次しらすである。 ・ し ら す は 火 山 ガ ラ ス で 構 成 さ れ る た め 、 単 位 重 量 が 軽 く (1.1 ~ 1.5kN/m3)、 浸 食 抵 抗 が 低 い が 、 良 質 な 盛 土 材 料 と し て 利 用 さ れ て いる。 ・火砕流堆積物の下には古い段丘堆積物や表土が存在することがあ り、火砕流堆積物の層厚が薄い場合には支持層としての評価を十 分行う必要がある。 -5- ⑤第四紀沖積層(礫、砂、粘土・シルト、有機質土、(火山灰)) 地形・地質学的 特徴 岩種・岩質 工学的特徴 ・県内の主要都市に分布する未固結の地層。 ・ 河川の 運搬作用よる堆積物(礫、砂、粘土・シルト)や浅海成堆積 物(砂)の他、深い埋没谷の堆積物(粘土・シルト)が存在する。 ・丘陵地間の閉塞された谷部には圧縮性の有機質土が堆積している 地域がある。 ・沖積層の堆積状況は各都市や同じ地域でも場所により大きく異な る。 ・ 宮 崎 市 内 の 基 盤 岩 (宮 崎層 群 )深 度 は、 深 い とこ ろ で 60 ~ 70m に 達する。 礫、砂、粘土、シルト、有機質土、(火山灰) ・粘土層はN値が低く、場所により厚い軟弱地盤を形成する。 ・ 宮 崎 市街 地 、 日南 地 域 には N 値 0 の 厚い 軟 弱 な粘 土 層 が存 在 す る が、土質試験を実施すると、N値では想定できない高い強度が得 られる場合がある(宮崎シルト)。 ・沖積層は岩盤に比べて格段に強度が低いので、土木構造物の支持 層の選定に際しては十分な地盤調査を実施する必要がある。 ・圧縮性の高い有機質土の分布地域では、低盛土でも大きな沈下が 生じるので、工学的性質を十分把握する必要がある。 ・ゆるい砂地盤では地震時に液状化の恐れがある。 -6- 5.ジオパークについて (1)ジオパークとは ジオパークは地球活動の遺産を主な見所とする自然の中の公園です。ジオパークは、ユ ネ ス コ の 支 援 に よ り 2004 年 に 設 立 さ れ た 世 界 ジ オ パ ー ク ネ ッ ト ワ ー ク に よ り 、世 界 各 国 で推進されています。ジオパークは、以下のように定められています。 ・地域の地史や地質現象がよくわかる地質遺産を多数含むだけでなく、考古学的・生態学 的もしくは文化的な価値のあるサイトも含む、明瞭に境界を定められた地域である。 ・公的機関・地域社会ならびに民間団体によるしっかりした運営組織と運営・財政計画を持 つ。 ・ジオツーリズムなどを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成する。 ・ 博 物 館、 自 然 観察 路 、 ガ イド付 き ツ ア ー など に より 、 地 球科 学 や環境 問 題 に関 す る教育 普 及活動を行う。 ・それぞれの地域の伝統と法に基づき地質遺産を確実に保護する。 ・世界的ネットワークの一員として、相互に情報交換を行い、会議に参加し、ネットワークを 積極的に活性化させる。 こ れ ら に 加 え て 防 災 へ の 取 り 組 み も 重 視 さ れ る よ う に な っ て い ま す 。 2008 年 6 月 に ド イツのオスナブリュックで開催された第 3 回ユネスコ国際ジオパーク会議では、会議の終 わ り に 採 択 さ れ た 宣 言 に 、「 地 質 災 害 に 関 し て 社 会 と 知 識 を共 有 す る た め に ジオ パ ーク が 役 に立つ」という趣旨の一文が盛り込まれました。 世界ジオパークと日本ジオパーク 世界ジオパークは、世界ジオパークネットワークの審査を受け、世界ジオパークネット ワークへの加盟を認定された地域です。日本ジオパークは、世界ジオパークネットワーク とは別に、日本ジオパーク委員会が認定する国内版のジオパークです。 日本国内の世界ジオパークは、洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島の 3 地域が 2009 年 に 認定されています。 日 本 ジ オ パ ー ク は 、 2008 年 の 審 査 で 、 ア ポ イ 岳 、 洞 爺 湖 有 珠 山 、 糸 魚 川 、 南 ア ル プ ス (中央構造線)、山陰海岸、室戸、島原半島の 7 地域が認定されました。 世界の中でも日本の地質は複雑で、多様性に富んでいます。また、地震や火山に代表さ れるように、地球が「生きている」ことによる様々な現象も実感できます。すなわち、日 本自体がジオパークとしての豊かな素性を備えていると言えます。 日本におけるジオパークの候補地は数多くあり、ジオパークを目指した活動も進んでい ます (日本ジオパーク連絡協議会のページをご覧下さい)。 日本ジオパーク委員会 -7- (2)日本のジオパーク 2009 年 10 月 28 日現在、日本には 11 地域の日本ジオパークが日本ジオパーク委員会に よって認定されています。 2008 年 12 月に、洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島、アポイ岳、南アルプス中央構造線 エリア、山陰海岸、室戸の 7 地域が日本ジオパークに認定されました。その後、洞爺湖有 珠山、糸魚川、島原半島の 3 地域が世界ジオパークネットワーク(GGN)に申請され、2009 年 8 月に中国泰安で開催された世界ジオパークネットワーク事務局会議において世界ジオ パークに認定されました。 2009 年 10 月には、恐竜渓谷ふくい勝山、隠岐、阿蘇、天草御所浦の 4 地域があらたに 日 本 ジ オ パ ー ク に 認 定 さ れ ま し た 。 ま た 、 同 時 に 山 陰 海 岸 ジ オ パ ー ク が 、 GGN へ 加 盟 申 請することが決まり、今後 GGN への申請手続きを進めていくことになります。 世界ジオパーク ●洞爺湖有珠山ジオパーク: 2000 年 に噴火した有珠山とその被害遺構、1944-45 年 にで きた昭和新山、約 10 万年前の大噴火で 形成されたカルデラ湖である洞爺湖がみどころ。 2000 年噴火に伴う地殻変動を目の当たりにできる。 「変動する大地との共生」がテーマ。 ● 糸魚川ジ オパー ク : 5 億 年に 渡る様々 な時代 の多様な 岩石・ 地層、日 本を二つに分け る大きな断層「糸魚川静岡構造線」 と地下の大きなへこみ「フォッサマグナ」がみどこ ろ。縄文文化と関わりが深いヒスイ、断層と塩の道など、ジオと人に関わるテーマが豊富。 ●島原半島ジオパーク :1990-95 年 に噴火した雲仙普賢岳とその被災の遺構と、「島原大 変肥後迷惑」と言われる 1792 年の 噴火の遺跡、雲仙地溝の活断層地形がみどころ。火砕 流の恐ろしさとともに火山の恵みを学 べる。 日本ジオパーク ●アポイ岳ジオパーク: 北海道日高山脈南西に位置するこのジオパークは、地球深部の マントルに由来する「かんらん岩」でできたアポイ岳をシンボルとしています。この岩石 がアポイ岳とその周辺に貴重な植物群落や海洋資源をもたらしています。 ●南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク :南アルプスの長野県側に位置し、中生 代の付加帯の堆積物や中央構造線の露頭が特色です。構造線の活動跡の岩石や、破砕帯が 下刻された V 字谷がみられます。 ●山陰海岸ジオパーク :京都、兵庫、鳥取の3府県にまたがるジオパークで、玄武洞、 ゾウやサイの足跡化石、神鍋火山、郷村断層、鳥取砂丘など、日本海の形成に関わる地殻 変動や火山活動などの記録や地形変化などをみることができます。 ●室戸ジオパーク :このジオパークでは、プレートテクトニクス理論を陸上で実証され た四万十帯付加帯、更新世の海水準変動と隆起によって形成された海成段丘、巨大地震に よって離水した海岸地形などの地質遺産をみることができます。 -8- 2009 年 10 月に認定された日本ジオパーク ●恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク :日本有数の恐竜化石発掘量を誇る発掘現場と、そこ から出た化石の研究成果を面白く教えてくれる恐竜博物館がある。縄文時代に火山が崩壊 して泥流が運んだ巨石「伏石」が田園地帯の中に点在し、城下町の中の段丘崖からは美し い水が湧く。 ●隠岐ジオパーク: 大陸から隠岐が分離して島となる過程でできた、様々な種類の岩石 がある。この岩石の多様性と、氷河時代には日本列島とつながっていたことを反映して、 氷河時代の生き残りの植物があるなど、生物多様性が高い。海に半ば沈んだカルデラ、日 本海の荒波が浸食してできた断崖など地形も見事。 ●阿蘇ジオパーク:世界有数の巨大カルデラ阿蘇の火山景観、今も活動的な中岳火口、火 山 信 仰 の 中 心 阿 蘇 神 社 、 1000 年 以 上 続 く 野 焼 き と 採 草 に よ る 美 し い 草 原 、 湧 水 と 温 泉 な -9- ど、火山と人が作り上げた景観とその歴史を楽しむジオパークである。 ●天草御所浦ジオパーク :アンモナイト、三角貝、恐竜、恐竜の足跡、ほ乳類など沢山 の種類の化石が出る島、御所浦島は島まるごと博物館である。歩いて、海上タクシーで、 島のあちらこちらで化石や地層を見ることができ、化石採集場では誰でも化石発掘体験を 楽しめる。 日本ジオパーク委員会 (3)霧島ジオパーク運動 2009 年 09 月 20 日宮日社説 連携密にし活動を広げよう 本県と鹿児島県境に位置する霧島連山を、世界ジオパーク(地質遺産)に認定してもら おうという官民の運動が県境を越えて広がっている。 ジオとは「地球」という意味だ。火山、断層など地球活動を核とする自然公園がジオパ ーク。 ユネスコの支援で世界ジオパークネットワーク(事務局・パリ)が2004年に設立さ れ、今年8月に初めて国内3カ所が世界ジオパークとして認定された。 ■貴重な火山の博物館■ 普 賢 岳 の 島 原 半 島 ( 長 崎 県 )、 火 山 活 動 が 盛 ん な 洞 爺 湖 有 珠 山 ( 北 海 道 )、 巨 大 断 層 が ある糸魚川地域(新潟県)がその3カ所。それらを含めて現在、世界ジオパークは19カ 国の63地域になった。 国内では前記の3カ所以外に南アルプス(長野など3県)など4カ所が日本ジオパーク として認定されている。 世界ジオパークに申請するにはまず国内のジオパークに認定される必要があり、霧島連 山はまずは国内認定を目指している。 霧島連山は、昨年噴火した新燃岳など大小20余りの火山と火口があり、約30万年前 の大噴火から現在までの地球の息吹を感じることができる。鹿児島大大学院の井村隆介准 教 授 は 「 貴 重 な 火 山 情 報 が 狭 い 範 囲 に 集 ま る 、 世 界 に 誇 れ る 『 火 山 の 博 物 館 』」 と 語 る 。 宮崎、鹿児島県の5市2町でつくる環霧島会議は認定を目指して昨年、両県や民間も巻 き込んで霧島ジオパーク推進連絡協議会を創設。今春、霧島市役所に霧島ジオパーク推進 室を新設した。都城市も職員1人を派遣している。 ■認定で問われる実績■ 同協議会は今年、日本ジオパーク申請を見送った。認定で重視されるガイドの養成や教 育との連携、ジオパークを進めるための組織が不十分と判断したためだ。 認定にあたっては、地質遺産がただ地域にあるだけでなく、それをどう生かしているか - 10 - という実績が厳しく問われている。そこが世界遺産と違うところで、霧島はその実績がま だまだ足りない。 今年世界ジオパークに認定された糸魚川地域は約20年前から地質解説の博物館やジオ ツーリズム、学校授業での講座などが行われ、市民が活動を盛り上げてきた。 霧島は、来年5月に日本ジオパークに申請予定だが、そのためには官民ともにさらに活 動の底辺を広げる必要がある。 夏以降、観光マップ、火山防災マップを作製して配布したり、山岳ガイドの意見交換会 や小中学校の教師への研修会を開いたりしている。学校教育のプログラムにどう「霧島」 を生かすのかも関係者で具体的に詰めるべきだろう。 両県の取り組みの足並みをそろえ、同じ方向に力強く進むためにもより一層、連携を密 に し な く て は な ら な い 。「 ジ オ パ ー ク 」 の こ と を ま ず は 知 る こ と 、 そ し て 知 ら せ る こ と 。 火山に負けない熱気で活動を盛り上げたい。 霧島ジオパーク推進連絡協議会ホームページより - 11 - 講演の内容 四万十累層群の特徴 -宮崎県内に分布する付加体- 地球科学用語の解説 付加体の形成 四万十累層群の分布と岩相 工学的評価における留意点 富士工業株式会社 山 元 隆 一 技術士(建設部門) (1)プレートテクトニクス 1960年代後半以降に発展した地球科学の学説。 地球科学用語の解説 地殻を構成するプレート群 プレート(Plate)とは? 地球の表面は厚さ数10~200km程度の固い 岩石の層で覆われ、その層はいくつかのブロッ クに分割されている。この板状の固い岩石の層 をプレートと呼ぶ。 テクトニクス(Tectonics)とは? 構造運動のこと。 日本列島周辺のプレートの動き 0.9cm/y 8.5cm/y 6.6cm/y フリー百科事典『ウィキペディア』より引用 全国地質調査業連合会HPより引用 1 (2)地殻変動 地殻に応力が加わることで、長期間にわた り地殻の位置が年間数mmから数cm程度移動 する現象である。地殻を構成するプレート運 動や断層運動と密接に関係している。 Google Earthの衛星写真に加筆 (3)断 日本全国の地殻変動状況 層 地下の地層もしくは岩盤に力が加わって割れ、 割れた面に沿ってずれ動いて食い違いが生じた 状態をいう。 (宮崎市田野町鰐塚渓谷) 『国土交通省国土地理院HP』より引用 (4)構造線 断層のなかで特に大規模なもの、すなわちそ の延長が100キロ~数千キロメートルに及ぶ大 断層を構造線と呼ぶことがある。地質学では古 い用語なのだが、中央構造線、仏像構造線のよ うに断層名として定着しているものは、現在でも 使われている。 低角度の逆断層を衝上断層(thrust fault)と呼ぶ。 (「日本地質学会地質基準委員会:地質学調査の基本(P149)」より引用) 2 フリー百科事典『ウィキペディア』に加筆 付加体の形成 (「日本地質学会地質基準委員会:地質学調査の基本(P49)」より引用) 同じような岩石がずっと繋がって分布している部分を「地帯」とよび、 それぞれ固有の名詞をつけて○○帯とよんでいる。 付加体とは? 海洋プレートが沈み込んで、表面の堆積物が 陸側プレートに押し付けられてできた地質体。 その付加体を構成する堆積物を付加堆積物 とよぶ。 (「木村学・木下正高:付加体と巨大地震の発生(P68)」より引用) 3 四万十帯は代表的な付加体(帯状構造が特徴) ※中央構造線より南側の外体の地下は、 ほとんど四万十帯の連続である。 古い地層 新しい地層 (「木村学・木下正高:付加体と巨大地震の発生(P138)」より引用) (「村田明広:宮崎県の四万十帯の地質(P6)」より引用) メランジュ(付加体に特徴的にみられる) ぐちゃぐちゃな地質体。 泥岩の基質中に様々な 大きさの砂岩などのブロッ クが含まれているものを乱 雑層(一部は混在岩)とよ ぶ。 乱雑層が地質図に表示 できるほど分布していれば、 成因を問わない用語である メランジュとよぶことができ る。 四万十累層群の分布と岩相 ※「四万十帯=ぐちゃぐちゃ」は誤解。 なぜ四万十(しまんと)? フリー百科事典『ウィキペディア』によると・・・ 1926年、地質学者の江原真伍によって四万十川流域に 分布する地層群が「四万十統」と名付けられ、後に日本列 島南部に分布する中生代以降に形成された付加体からな る地層群の総称として用いられるようになった。 「地層の名前を付ける時は、地名を使う」ことが地質学の ルール? ・秩父帯の秩父 ・仏像構造線の仏像(高知県土佐市) など 四万十という地名はない??? 四万十帯は北帯(下部四万十累層群)と南帯(上部 四万十累層群)に大別される。 仏像構造線 延岡衝上 四万十市が誕生! (平成17年4月10日に旧中村市と旧西土佐村が合併) (「日本の地質『九州地方』編集員会:日本の地質9九州地方」より引用) 4 「宮崎県地質図(北部地域を抜粋)」 Yahoo!百科事典より引用 「宮崎県地質図(南部地域を抜粋)」 「日本の地質『九州地方』編集委員会編:日本の地質9(九州地方)」を参考に作成 四万十累層群の表情(露頭写真) 頁 岩 砂 岩 日向市の米ノ山から西方を望む。 場所:椎葉村松尾 地質:下部四万十累層群(諸塚層群:乱雑層) 5 場所:椎葉村岩屋戸 地質:下部四万十累層群 (諸塚層群:乱雑層に含まれる砂岩泥岩互層) 場所:椎葉村松尾 地質:下部四万十累層群(諸塚層群:乱雑層) 褶 曲 場所:北川町 地質:下部四万十累層群(北川層群:頁岩) 場所:日向市 地質:上部四万十累層群(日向層群:乱雑層) 砂岩優勢 頁岩優勢 場所:椎葉村大河内 地質:上部四万十累層群(日向層群:乱雑層) 場所:西米良村村所 地質:上部四万十累層群(日向層群:砂岩頁岩互層) 6 場所:南郷村鬼神野溶岩渓谷 地質:上部四万十累層群(日向層群:枕状溶岩) 場所:日南市酒谷 地質:上部四万十累層群(日南層群:頁岩) ①四万十累層群の岩石特性 (一般的に)地質時代の古いものほど岩石の強度が高い。 工学的評価における留意点 「宮崎県における岩石および岩盤特性(Ver.1.02)P47」より引用 日南層群の頁岩は、著しい節理や風化の進行によって 試験体の採取や作成が困難(=データ数が少ない)。 ②四万十累層群(乱雑層)の地盤モデル化 × 地向斜理論(地殻変動と地質特性を説明する 垂直地殻変動に関する理論) 「宮崎県における岩石および岩盤特性(Ver.1.02)P93」より引用 7 ③四万十累層群の崩壊形態 四万十累層群には、地層境界(層理面),割れ目(片理面,劈開),破砕帯 などの弱面が存在する場合が多い。 切土のり面における地山条件と崩壊形態 「土木学会:軟岩評価-調査・設計・施工への適用-(P276)」より引用 乱雑層の場合、特殊なケースも・・・ ※四万十累層群に限らず、岩盤は不利な方向にある1つの弱面の存在で 破壊(崩壊・地すべり)に至る性質がある。 ※地層境界が弱面となり、崩壊に 至る場合がある。 場所:諸塚村古園(塚原ダム下流) 地質:下部四万十累層群(諸塚層群) 場所:椎葉村松尾 地質:下部四万十累層群(諸塚層群) おわりに 土木構造物の設計・施工においては、対象と なる地盤(土,岩盤)の未来を予測しなければな らない。その未来を知りたいとき、過去を調べる ことが重要なファクターとなってくる。もちろん、過 去を調べるときには現在を十分に知る必要があ る。地盤の過去-現在-未来の状態が一本の 線で結ばれた時にはじめて、様々な問題に柔軟 に対処できるのではないでしょうか。 8 目 次 山岳トンネルのトラブル事例と 近年の動向について 1. 2. 3. 4. 宮崎県内のトンネル状況(工事,設計,補修) トラブルの原因・要因 トラブル事例 近年のトンネル技術動向 日向測量設計( 日向測量設計(株) 黒木 繁盛 1. 宮崎県内のトンネル状況(工事,設計,補修) 国道218 号北方延岡道路(計画中) 国道218号北方延岡道路(計画中) ・蔵田第一,第二トンネル,南久保トンネル 広域農道 ・4期地区2 ) 期地区2工区トンネル(坂下JV 工区トンネル(坂下JV) ・1号トンネル(設計) 東九州自動車道(6 東九州自動車道(6本) ・陣が峰トンネル南工区(前田) ・古江トンネル北工区(熊谷) ・古江トンネル南工区(フジタ) ・熊野江トンネル(五洋) ・須美江トンネル(ハザマ) ・家田第一トンネル(東洋) 国道10 号延岡道路(6 6本) 国道10号延岡道路( ・北川第三トンネル(三井住友) ・差木野第一トンネル(鹿島) ・差木野第二トンネル(飛島) ・大峡トンネル(飛島) ・祝子トンネル(ハザマ) ・宇和田トンネル(前田) 国道327 号 国道327号 ・野地トンネル(フジタJV ) ・野地トンネル(フジタJV) ・石原第一・第二トンネル(調査・設計中) 国道219 号 国道219号 ・横野トンネル(松本JV ) ・横野トンネル(松本JV) 国道447 号 国道447号 ・真幸トンネル(設計) 問題となる地山の例 問題となる地山の例 ・崖錐 ・未固結地山 ・第三紀泥岩 ・強風化岩など ・温泉余土 ・蛇紋岩 ・泥岩など ・熱水変質帯 ・破砕帯 ・貫入岩 ・地質調査不足による 設計段階における地質,帯水域の誤認 ・施工段階における調査不足 ・施工サイクル等の誤算 ・施工時の油断など 東九州自動車道(6 東九州自動車道(6本) ・丸目トンネル(三井住友JV ) ・丸目トンネル(三井住友JV) ・芳ノ元トンネル(五洋) ・北河内トンネル(青木あすなろ) ・猪八重トンネル北工区(前田) ・猪八重トンネル南工区(ハザマJV ) ・猪八重トンネル南工区(ハザマJV) ・年見第一トンネル(梅林) 補修・補強関連 ・若宮トンネル(地すべり) ・雲海トンネル(漏水) ・五ヶ瀬トンネル(補修工事) ・赤木谷トンネル(漏水・空洞調査) ・針金橋トンネル(変状調査) ・なかおづるトンネル(変状調査) なかおづるトンネル(変状調査) ・青鹿ダム仮排水路トンネル(補修) 主な地山性状 2. トラブルの原因・要因 3. トラブル事例 問題となる現象 (1) 地形によるトラブル(坑口地すべり・偏圧) ・偏土圧の作用 ・支保や覆工の変状 ・地すべり・切羽 崩壊 ・地すべり・切羽崩壊 ・坑壁の押出し・盤膨れ ・長期に及び変形・土圧 ・支保・覆工変状など ・熱水・温泉噴出 ・有毒ガス噴出 ・火薬の自然発火など 1 (2) 地質に起因するトラブル ・鍋立山トンネル(中工区) 膨張性地山(泥岩を主体とする寺泊層,椎谷層,西山層),メタンガス噴出 原因:褶曲による地山の脆弱化 qu/γH=0.1程度, 高い膨潤性・ガス圧(1.6MPa)etc 対策工:3Rのセメント改良, 掘削断面の変更,早期断面閉合 TBMで導坑60m掘削後、100m 押戻される。 田中和広他:鍋立山周辺の泥火山の活動と膨張性地山の成因,地学雑誌Vol.118 田中和広他:鍋立山周辺の泥火山の活動と膨張性地山の成因,地学雑誌Vol.118 ・日暮山トンネル(上信越道) 膨張性地山,湧水(泥岩) 最大変位 天端沈下3.1m,内空変位3.0m 田中和広他:鍋立山周辺の泥火山の活動と膨張性地山の成因,地学雑誌Vol.118 田中和広他:鍋立山周辺の泥火山の活動と膨張性地山の成因,地学雑誌Vol.118 ・湖北トンネル(新和田有料道路トンネル, 岡谷側) ・湖北トンネル(新和田有料道路トンネル,岡谷側) 断層破砕帯より出水→地表直径30m ,高さ80m 80m区間が崩落 区間が崩落 断層破砕帯より出水→地表直径30m,高さ 原因:中央構造線と静岡~糸魚川構造線の交点部 → 破砕帯の粘土化(遮水) ・牛鍵トンネル(東北新幹線) 2005年 ,上半切羽1860m 1860m,上半切羽から ,上半切羽から460m 460m後方で崩壊 後方で崩壊 2005年5月31日 31日 延長2070m 延長2070m,上半切羽 原因:水田下の不透水層に亀裂が入り、地下水位が上昇 北陸新幹線 飯山トンネル 土被り190mで直径70m, 深さ40mの陥没発生 2 ・○○トンネル(盛岡市) 地質:緑色岩メランジュ 低土被り,未固結地山 ・安房トンネル(中部縦貫道) 高圧帯水層,熱水帯(最高73 ℃) 高圧帯水層,熱水帯(最高73℃ ・岩盤温度が高いため、 部分的に断熱材を覆工背面に施工。 ・最大180m3/minの湧水,3,000m3の土砂流出 ・1995年取付け道路工事で水蒸気爆発発生 上半盤 支持力不足 インバート施工済 ・第二東名○○トンネル (TBM先進導坑方式) 第二東名○○トンネル( TBM先進導坑方式) ・八甲田トンネル(東北新幹線) 管理型処分場の建設 掘削残土から酸性水の浸出,重金属類の溶出が問題 ・国道289 号甲子(かし) かし)トンネル(福島県南会 ・国道289号甲子 津郡~西白河郡),仙台地下鉄東西線でも 同様の対策を採用 (3) 既設トンネルでの事故事例 (3) 既設トンネルでの事故事例 2009年10月14日長野県飯田市鳩打随道 林道鳩打(はとうち)線のトンネルに崩落が発生 (補正予算の見直しで工事発注を延期) 新潟中越地震による覆工崩落 国道17号和南津トンネル 1996年2月10日北海道古平町豊浜トンネル 地質:新第三紀・中新世の火砕岩類(尾根内層) 岩塊重量:2万7千トン,被災者:20名 1997年8月25日北海道島牧村第2白糸トンネル 地質:新第三紀・中新世の火砕岩類(尾根内層) 土量:2万m3,1993年にも同箇所にて被災 2000年10月9日JR北九州トンネル 覆工崩落,L=3.3m,W=226kg 昭和30年代の水路トンネルの変状 エフロレッセンスが氷柱状になっている 3 (4) 宮崎県のトンネル 1) 九州自動車道 加久藤トンネル 2) 九州横断鉄道 高森トンネル 延長:6.2km(Ⅰ期:H2~5,Ⅱ期:H11~15) 延長:6.48km(1973~1981) 地質:加久藤カルデラ,四万十類層群砂岩,粘板岩, 地質:阿蘇外輪山,古第三紀中新世安山岩,凝灰角礫岩,溶結凝灰岩 えびの層群安山岩凝灰角礫岩,ところどころに破砕帯を含む 湧水状況(鹿島HPより) 断層破砕帯にて最大21.8t/minの湧水発生→井戸枯れ(1,080戸断水) 葛原トンネル入口と内部(酒蔵)の様子 (http://4travel.jp/traveler/godzilla/album/10327049/より) 葛原トンネル:神楽酒造 高森トンネル湧水公園と内部の様子 上野第一,第二トンネル:雲海酒造(非公開) (http://www8.ocn.ne.jp/~kouchan/spa/tonnel1.htmより) (1) 二重支保工の採用 4. 近年の技術動向 ・膨張性地山,地すべり地帯などにおいて縫返しを先取りする形で採用 ・一次支保工は変形・座屈しても良い → 二次支保工,覆工で補強 ・北陸新幹線 飯山T 飯山T,上信越道 日暮山T 日暮山T,東海北陸自動車道 飛騨T 飛騨T, 道道夕張新得線 赤岩T 赤岩Tなど 二重支保工の採用 超近接トンネル ウォータータイトトンネル 吹付けモルタルの粉じん 低減 吹付けモルタルの粉じん低減 覆工コンクリート締固め,養生 耐震トンネル設計 既設トンネルの補修・補強 赤岩トンネルの事例(トンネルと地下 2006.11) (2) 超近接トンネルの増加 (3) ウォータータイトトンネル ・戸吹T ・戸吹T,大門寺T ,大門寺T,北山T ,北山T,五ヶ丘T ,五ヶ丘T,湧波T ,湧波T,豊見城T ,豊見城T,今里第一T ,今里第一T,識名T ,識名Tなど ・トンネル用地の問題 ・南流山T ・南流山T,八王子城跡T ,八王子城跡T,愛川T ,愛川Tなど 南流山トンネルの事例 下り線(先進坑) 上り線(後進坑) 330 インバートコンクリート(t=600) 11800 250 500 5200 00 59 上半 下半 11800 1500 700 0 8550 0 50 50 8300 00 59 5200 吹付コンクリート(t=250) 0 25 0 700 八王子城跡トンネル(トンネルと地下,2007.11 ) 八王子城跡トンネル(トンネルと地下,2007.11) 14060 鋼製支保工H-200 増しコンクリート 25 522 250 高規格鋼製支保工HH-200 吹付コンクリート(t=250) 覆工コンクリート(t=500) 1500 大門寺トンネル 100 660 ハイ・イータス工法 4 (4) 覆工コンクリートの締固め・養生 (5) 山岳トンネルの耐震化 ・中越地震,中越沖地震,四川大地震による被害など 蔵田第二トンネル公告(H21.12.7 ,総合評価方式) 蔵田第二トンネル公告(H21.12.7,総合評価方式) ◆ 工事目的物の性能・機能に関する事項(合計70点) ③ 品質の向上 ③-1 耐久性の向上:覆工コンクリートの充填性、剥落及びひび割れ抑止等に関する耐久性向上対策(ひび 割れ発生スパン数) : 5点( 5段階評価) ③-2 出来映えの向上:周辺環境と調和がとれた面壁コンクリートの出来映えの向上。 : 2点( 3段階評価) 鹿場第一トンネル公告(H21.12.16 ,総合評価方式) 鹿場第一トンネル公告(H21.12.16,総合評価方式) ◆企業の高度な技術力に関する事項(15点/40点) ○性能・強度等 ①トンネル覆工コンクリートの耐久性を確保する為に行う品質管理手法及び施工方法の具体的な対策 ②コンクリート橋台を構築するにあたり、耐久性を確保するために必要なコンクリートの配合設計・製造・施 工・検査等の品質確保に関する留意点と具体的な対応策 日経コンストラクション(2009.12.11 ) 日経コンストラクション(2009.12.11) (6) 既設トンネルの補修・補強 ・東・中・西日本高速道路株式会社 設計要領第3集「トンネル編(保全編)」,2009.7 ・鉄道総合技術研究所 トンネル補修・補強マニュアル,2007.1 ・ジェオフロンテ研究会 トンネル補修・改築マニュアル(案),2008.3 ・土木研究所資料 道路トンネル変状対策工マニュアル(案),2003.2 ・日本道路協会 道路トンネル維持管理便覧,1993.11 5