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1Japanese book manish 56
スズキ 会社概要 二輪車の製造会社で、ハリヤナ州グルガオンに工場 がある。生産工場の年間生産能力は、初期の頃は10 スズキ株式会社(Suzuki Motor Corporation; 以下 万台であったが、需要の増加とともに生産能力の拡 「スズキ」と表記)は、正式には、鈴木式織機株式 大をする用意が整っている。同社は、工場を稼動さ 会社として1909年に鈴木道雄によって創業した、同 せるために約4,400万ドルを投資している。 社は、二輪車、四輪車、船外機、ボート、電動車い す、電動スクーターおよび産業機器を製造している。 スズキ・インディアは、2006年3月に操業を開始 2004年−2005年度の売上高は220億ドルであり、全 し、これまでにヒート125とゼウス125Xの2種類の 世界の従業員数は13,000人を超える。 125ccバイクを発売している。これらのバイクは製 造面で現地化が進んでおり、日本のスズキから輸入 インドにおけるスズキ している部品は数種類のみである。同社のディーラ ー網はインドの17州に及んでいる。 下記は、スズキがインドで展開している子会社。 スズキ・モーターサイクル・インディア 56 マルチ・ウドヨグ マルチ・ウドヨグ(Maruti Udyog Ltd.)は、日本 スズキ・モーターサイクル・インディア(Suzuki のスズキの子会社で、約20年にわたってインドにお Motorcycle India Private Limited; 以下「スズキ・イ ける乗用車市場のリーダーをつづけている。同社の ンディア」と表記)は、日本のスズキの子会社で、 生産工場は、ニューデリーからおよそ25 km離れた 従業員は契約社員を含めて約650人である。同社は、 グルガオン地域にあり、年間60万台の生産能力を有 の技術者たちは、日本本社のエンジニアと一緒にワ ールドカーのスイフトのデザインを手懸け、それを インドの条件に適合するようにもした。 マルチ・ウドヨグの、インドの自動車産業成長の エンジンとしての貢献や、インド中産階級のすべて の世代のライフスタイルとスピリットへの影響は広 く認められている。 昨年、日本政府は、インドにおいて日本ブランド を高めたということでマルチ・ウドヨグに経済産業 している。 大臣賞を授与した。同社は、この名誉ある賞を授与 された6社のうちの1社であったが、そのうちの海外 マルチ・ウドヨグは、マルチ800、オムニ、それ 企業2社のうちの1社でもあった。 に国際ブランドのアルト、ワゴンR、ゼン、オフロ ーダーのジプシー、エントリーカーのエスティーム、 JDパワーによるインド自動車業界の顧客満足度調 プレミアムカーのバレノ、MPV、ベルサといった10 査で、顧客はマルチ・ウドヨグを6年連続でナンバ 種類のブランドで展開している。 ー・ワンに選んでいる。マルチ・ウドヨグは、顧客 満足度ナンバー・ワンに選ばれた世界で唯一の車の マルチ・ウドヨグは、2005年−2006年度に マーケットリーダーである。 561,822台を販売しており、インドにおける乗用車 市場の約55.1%を獲得している。これまでの累計で 同社は、JDパワーのセールス満足度調査でも2年 550万台以上の車を生産・販売してきた。マルチ・ 連続でナンバー・ワンに選ばれている。このセール ウドヨグのこれまでの輸出台数は40万台以上で ス満足度調査は、JDパワーの初期クオリティ調査で ある。 同社はいつも品質優良としてランクされている。 近年、同社は、スズキのR&Dのアジアの拠点とし ビジネス・ワールド誌による権威ある調査でも、 て自社開発をするという思い切った展開を図った。 同社は、最も尊敬されている会社6社の中に選ばれ 50人を超えるマルチ・ウドヨグの技術者を本社で研 ており、グローバルな格付け機関であるACニール 修を受けさせて、その経験をマルチ・モデルのリフ センによる、2005年度の企業イメージモニター調査 レッシュとアップグレードに活用した。またマルチ でもインドのトップ・スリーにランクされている。 57 業界のリーダーシップを維持しているマルチ・ウ マルチの売上はここ何年もの間、一貫して増加し ドヨグは、マスメディアを通じたメッセージや最新 てきている。2002年−2003年は15億4,590万ドル、 鋭の運転教習および研究所を通じて安全運転や交通 2003年−2004年は19億6,990万ドル、2004年− 管制を支援している。 2005年は23億6,680万ドルであり、2005年−2006年 は26億380万ドルとなり、年平均成長率が14%であ マルチ・ウドヨグは、ディーラーとの協力の元、 った。 インド国内に自動車教習所のネットワークを構築し ている。国際基準に沿った実地訓練、学科、シミュ レーター訓練などをする最新鋭の教習所交通の安全 同社は、ボンベイ証券取引所とインド証券取引所 に上場している。 を図るという狙いがある。 今後の計画 マルチの販売チャネルのパートナーは、インド国 内230の都市に382ヵ所の販売店を所有し運営管理 スズキとマルチは、今後5年間にインドにおいて1 している。サービス・ネットワークは、2,100ヵ所 億3,000万ドルを超える新規投資を計画している。 の公認サービス店舗によって支えられて、1,094の この新規投資は、自動車組立工場の建設、ディーゼ 都市や町をカバーしている。 ル・エンジンやトランスミッション工場の新設、そ 同社のサービス事業には、中古車の販売・購入 (ツルー・バリュー)、マルチ・インシュランス、マ ルチ・ファイナンスがある。こういったサービス事 業は、顧客にトータルなモビリティ・ソリューショ ンを便利で透明なやり方で提供するだけでなく、会 社のディーラーの採算性を高めることにも役立って 58 いる。 れと今後5年間に導入する5つの新モデルのためで ある。