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2月研究部会 研究保育と研究討議 於 真田山幼稚園(天王寺

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2月研究部会 研究保育と研究討議 於 真田山幼稚園(天王寺
第4ブロック
研究部
№ 6
平成28年2月17日(水) 2月研究部会
研究保育と研究討議 於 真田山幼稚園(天王寺区)
【研究保育当日の保育のねらい】
3歳児
お話の世界を楽しみ、自分たちなりに考え、表現したことを見てもらう楽しさを感じる。
4歳児
自分なりに感じたことや考えたことを伝えたり、イメージを共有したりする喜びを味わう。
5歳児
友達とイメージを共有しながら一緒に考えたり、表現したりすることを楽しむ。
真田山幼稚園は、今年度の研究目標を「心を動かす体験を通して、聞く・話す・伝え合う喜びを味わうための環
境や働きかけを工夫する」とし、環境や援助・指導のあり方の工夫や教育課程の見直しに取り組まれています。
3歳児(もも組)・4歳児(はな組)
生活発表会で発表した劇遊びを、クラス
で交換して遊び、お客さんになって見せ合
っていました。自分たちが取り組んできた
劇遊びを他のクラスの友達が演じたこと
で、多くのことに気付き、感じたことを楽
しそうに話す姿が見られました。
また、生活発表会の経験が生かされ、お
話の役になりきって、自分の言葉で友達と
のやりとりを楽しんでいました。
4歳児(ほし組)
生活発表会で楽しんできた「にげだしたパンが
し」のその後のお話をグループに分かれて考えて
いました。
どうやったらパンがしが食べられるの
かと、動物たちが知恵を出し合い、作戦を考えて
いました。役になりきって考えることで、登場人
物の気持ちになり、表情やしぐさだけでなく、自
分なりの言葉となって表れ、やりとりを楽しんで
いる様子が見られました。
5歳児(そら組)
5歳児(やま組)
生活発表会で取り組んだ「じごくのそうべえ」
のお話から「鍋焼きじごく」へとイメージを広げ、
2つのグループに分かれてそれぞれで考えた表現
を発表していました。見ている人に伝えたいとい
う気持ちから、声をそろえようとしたり、伝わり
やすい言葉を考えたりしていました。発表すると
きには、その表情から、自分たちで劇遊びをつく
ったんだという喜びが伝わってきました。
ペープサートや紙芝居、劇遊びなど、グループ
に分かれて、自分たちで考えたお話を発表しあっ
ていました。自分たちで相談しながらお話をすす
めていき、見てもらう喜びを感じて、自信をもっ
て発表していました。
活動後のクラスでの話し合いでは、友達の意見
に耳を傾ける姿や、お互いのよいところを認め合
う言葉がたくさん聞かれました。
<研究討議(分科会)>
幼児の年齢ごとに少人数の8つのグループに分かれ、下記の視点をもちに討議しました。
【研究保育の視点】
第1ラウンド…聞く・話す・伝え合う喜びを味わっている姿を見つけよう
第2ラウンド…教師の働きかけの意図を見つけよう
第3ラウンド…今後の課題や見通し
3歳児(もも組)・4歳児(はな組)分科会
第1ラウンド
3歳児・・・劇遊びでは、役になりきって表現していた。
自分たちで遊んだお話を4歳児が演じているのを見て、うれしそうに、また担任と「同
じかな?」
「違うかな?」と話しながら、楽しんでいた。
4歳児・・・劇遊びでは、言葉を自分なりに考え、一人一人がうれしそうに言っていた。
話し合いでは、3歳児の話に対して自然に「ありがとう」という言葉が出ていた。
第2ラウンド
・教師がお話の世界を壊さないよう、優しく落ち着いた声かけをしていた。
・3歳児・・・子どもの言葉をそのまま繰り返すことで、話した子どもは受け止めてもらえた喜びを
感じていた。また、そうすることが、他児への周知にもなっていた。
・4歳児・・・劇遊びの中、話し合い、どちらの活動においても、4歳児なりに工夫し、言葉が出てく
るような投げかけをしていた。
第3ラウンド
各自が自身の保育を振り返って、課題や今後の見通しを話し合った。
・子どもの言葉を多く引き出せるように、教師が話すぎず、子どもから出てくる言葉を待つ。
・一人一人の子どもの力を伸ばしていけるよう、それぞれ子どもの表現を認め、子どもの思いを受け止
めていく。
4歳児(ほし組)分科会
第1ラウンド
・イメージを共有してグループで話し合っていた。率直に意見を言い合ったり、自分たちで決めたこ
とを実際に試してみたりする姿があった。
・相手がいるから楽しくなる活動の中で、相手の反応を見ながら、やりとりをする姿が見られた。友
達と顔を見合わせたり、表情や身振りで伝え合ったりして、非言語でのやりとりもあった。
・発表会でやり遂げたことが、自信をもって言葉で話したり、同じイメージをもって、役になりきっ
て遊んだりする姿につながっていた。
第2ラウンド
・グループでの話し合いでは、教師がタイミングよく子どもたちの話し合いに入ることで、
「聞く」
「話
す」を「伝え合う」につなげていた。
・発表会をやり遂げた自信や満足感、友達との信頼関係、共通体験、今までの話し合いの経験、友達
や先生からの認めなど、日頃の保育の積み重ねが、聞こう、話そうとする意欲につながった。
・教師が子どもの足りない言葉を補ったり、話し合いの中で体を動かしたりすることで、多くの言葉
が出てくるよう援助することが4歳児では大切である。
第3ラウンド
研究部としての今後の課題について話し合った。
・目指す子ども像につながる教師の働きかけを、検証していく必要がある。
・多岐にわたって集めていた子どもたちのつぶやきを、分析し、視点を定めていくべきである。
5歳児(そら組・やま組)分科会
第1ラウンド
・友達と一緒に「見ている人に自分たちの考えたお話を伝えるにはどうしたらいいか」ということを
考え、話し合って何度も練習していた。
・目的意識をもって、自分の役割を果たし、それを喜び合い、楽しみながら遊びを進めていた。
・お客さんになっている友達も真剣に静かに、聞く喜びを味わって友達の演技を楽しんで見ていた。
第2ラウンド
・教師と子どもたちの信頼関係がしっかりとできており、子どもたちを信頼して、教師は見守り、待
つ、と
いう援助をしていた。そのことが子どもの主体性につながっていく。
・教師の日頃の教育的意図をもった言葉かけが、子どもたちの言葉となってやりとりの中に多くでて
きた。毎日の積み重ねが子どもたちの言葉や姿、取り組む姿勢となって表れてくる。
・生活発表会で、自分たちで作り上げる楽しさを感じていたからこそ、目的をもって、自分たちでお
話を作り、発表しよう、見てもらおうとする気持ちをもち、取り組むことができた。
第3ラウンド
本日の保育を学びとし、大切にしたいことを考えた。
・子どもたちは、自分の思いを言語化することで、自分の思いを整理している。言語化していくこと
を積み重ねることで、自分で考える力が身に付き、思考力の芽生えを育むことにつながっていく。
考える力が育つと、折り合いをつけながら遊ぶことや、深い学び、協働、進んでしようとする力、
主体的な学びへとつながり、小学校入学以降に大切な力を培っていくことになるのではないか。
担当指導主事より指導講評
○生活発表会がゴールではなく、事後の活動を充実させることで、お話の世界を深めていくことができ
ていた。
○話し合い活動と表現活動が、相互に作用し、両方ともに深めていくことができた。
○振り返り活動では、雰囲気が落ち着いていたことで、しっかりと聞き、話すことができていた。また、
自分の考えを具体的な言葉で伝えていて、言語力が育ってきている印象を受けた。落ち着いた雰囲気
の中で、「話したい」
「聞きたい」という意欲が高まるのを感じた。
○子どもの言葉の育ちに大切な4つのこと
1.子どもの心を動かす活動・・・楽しい活動、言葉を育てる活動など
2.子どもの言葉を育てる援助・・・よい聞き手、よい話し手、言葉を引き出す援助
3.話す・聞く・伝え合う場・・・遊びの中で、振り返り活動の中で
4.言語環境の整備・・・絵本、紙芝居、掲示物、言葉を育む具体物など
真田山幼稚園は、1 学期の言葉に関する園の取り組みを、論文にまとめ、日本教育公務員弘済会大阪支
部の教育論文・学校部門に応募し、最優秀賞を受賞されました。
テーマは「伝え合う喜びを味わう、聞く、話す、考える言語活動」で、第4ブロックの研究内容と重
なっているので、論文の概要を部員にプレゼンテーションして頂きました。
子どもの生きた実践を、まとめていく考え方や方法を学ぶ事ができました。専門委員会での話し合い
やまとめの仕方に多くの示唆を頂きました。
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