Comments
Description
Transcript
平成16年度第3回北区アゼリアプラン推進区民会議 議事
平成16年度第3回北区アゼリアプラン推進区民会議 議事要旨 平成16年 7月29日(木) 午前10時より 男女共同参画センター多目的室AB 出席:大谷恭子会長、鶴田敦子副会長、浅倉むつ子委員、山田昌弘委員、厚美薫委員、荒木正信委員、木村芙紗 子委員、栗原正則委員、佐藤恵美子委員、田辺恵一郎委員、永井清之委員、盛下茂樹委員、鹿沼順委員、吉岡真 理子委員、阿部子ども家庭部長、橘男女共同参画推進課長 欠席:西郷泰之委員 傍聴者:女性1名 子ども家庭部長挨拶 暑い中、また台風が接近中の折、会議にご出席いただきありがとうございます。 本日は基本理念について議論していただくことになっている。これは難しい問題であるが、忌憚のないご意見 をいただいた上で、委員共通のご理解をいただき、その後に具体的な施策についての議論になると思う。来年の 中間答申に向けて鋭意ご議論をいただきたい。よろしくお願いいたします。 議事 1 基本理念について 会長:基本理念についての議論は抽象的なものになりがちだが、より具体的なものにしていきたい。内閣府等か らの資料が机上配布されているが、これは基本理念を検討するにあたり、大枠ははずさないとの趣旨で委員共通 の理解にしていくためである。 机上配布の資料について説明願いたい。 (1)男女共同参画に関する基本的考え方(内閣府ホームページより) 事務局:この資料は、内閣府に対して男女共同参画に関し様々な質問・意見が寄せられたことに対する回答であ る。 「男女共同参画は男女に差があることを認めず人間を中性化するという考え方ではないか」との問いに対し、 「男 女共同参画は、男女に差があることを認めず人間を中性化するという考え方ではない。生物学的には男女に違い があるということは当然として認めた上で、一人一人の個性を尊重し多様な選択を認め合い、性別に関わりなく、 個人の能力を十分に発揮できる社会の実現を目指すものである。 」 「 「男は仕事、女は家庭」が当たり前といった固 定的な性別役割分担意識は、女性にとっても男性にとっても個性と能力を発揮する上で抑制的に働く場合があり、 その意味において問題である。」という考え方を示している。 「男女共同参画は「男らしさ」 「女らしさ」を否定する考え方ではないか」との問いに対し、 「男女共同参画は、 個人がその内面において何を「男らしさ」、「女らしさ」と考えるかについて関与しようとするものではなく、ま た、伝統や文化などを否定するものでもない。ただし、例えば何が「女らしい」、「男らしい」かという価値判断 が社会制度、慣行等に反映されることによって、一人一人の個人がその個性や能力を十分に発揮することが妨げ られることなどがある。男女共同参画社会は長い伝統や文化などを失うことなく大切にしながら、男女の人権が 侵される部分を改善すること、個性・能力を発揮する上での阻害要因を是正することなどにより実現されるもの である。」としている。 「男女共同参画社会は、家族の絆が強く、離婚率も低い従来の日本の安定した家族を不安定にするのではない か」との問いに対し、「「男女共同参画社会の形成は、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護そ の他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うこと ができるようにすることを旨として、行われなければならない。」(男女共同参画社会基本法第6条)というもの 1 である。したがって男女共同参画社会は、自ら選択してその意思により家族を構成した自立的個人が、お互いに 尊重し合い、協力し合うことによって、形式的ではなく実質的に絆の強い家族をつくろうとするものである」と している。 その他は資料をご高覧いただきたい。 北区においても、内閣府の考えに基づき男女共同参画を考えていることを申し添える。 会長:この資料は具体的にまとめられており、大変参考になる。この資料は一般的な疑問点についてQ&A形式 でまとめられたものだが、これでも不明な点があれば遠慮なく質問していただきたい。 (2)男女共同参画は日本社会の希望(内閣府より) 委員:男女共同参画への疑問点に対応するため、内閣府に「男女共同参画社会の将来像検討会」を設け、報告書 を作成した。他の国の審議会とは違い、委員は男女同数であり、マスコミ・弁護士・経済界等様々な委員を加え て設立された。 この報告は、なぜ国が男女共同参画を進めなければならないのかを整理している。男女共同参画が進まないか ら経済活動の低迷、少子高齢化などの問題が進んでいるということは政府・官僚では共通化されつつある。例え ば、女性を登用している企業は成長率が高く、そうでない企業の成長は落ちているという統計は出されている。 米国では女性管理職の割合が高いが、国全体の成長率も高い。 少子化についても、男女共同参画が進まないことによって起こることは学問・官僚ベースではすでに明らかに されている。男女共同参画が進んでいるとされている米国・北欧では出生率が上がっているが、そうではない日 本・韓国・イタリア・スペイン等では出生率は落ちている。男性一人だけが働いて子どもを何人生むことができ るのだろうか。 地域社会では、昔は自営業者は多かったので適度に参加はできたのだろうが、現在はサラリーマン家庭が多い ので、専業主婦しか参加しなくなっている。しかし長はあくまでも男性なので、やる気のある女性は参加しなく なっている。男性を地域に戻し、活躍している女性を評価することをしなければ地域社会はもたない。 経済的にみても、共働き家庭の消費は多い。このことから、男女共同参画社会の実現は政府だけではなく経済 界からも要望がきており、非常に熱心に活動している。 独身男性で専業主婦を望む割合は現在18%である。一方、専業主婦になりたいと思う独身女性の割合は19% である。男性の側から見ると、男一人で稼ぐことの難しさを物語っている。 しかし、制度・慣行を見ると、男性一人が長時間働く制度になってしまう。両立支援・子育て支援が重要であ る。 まとめると、現在の日本の低迷は男女共同参画が進まないからである。男女共同参画社会を進める際に様々な 障壁があり、これを克服することにより日本社会が活性化するという報告をまとめた。 会長:2020年を目途に男女共同参画社会を実現することによって希望の持てる社会が訪れていると推測した とのことである。 経済界が男女共同参画を求めていることを知った。経済の低迷を救う一つの方策と思っているのだろうか。 委員:経済界は危機感が強い。今は優秀な女性が働きやすさを求めて海外や外資に流出している。このあたりも 懸念されている。 委員:すでにモデルになっている人がいると対応しやすい。逆に前例がなければ厳しいと思う。 会長:以上、内閣府から出された資料について検討した。特に後者「男女共同参画社会の将来像検討会」につい て区民会議委員が関与したというのは心強い。 委員: 「男女共同参画社会の将来像検討会報告書」の障壁の部分で「ライフスタイルに中立でない制度」とあるが。 委員:日本の殆どの制度は男性が40年間働いて妻が専業主婦であることを前提としている。前提とは、最も利 益を得ることを意味する。年金制度・税制にしてもそのようにいえる。それを徐々に改めていかなければならな い。これは女性のためだけでなく男性も恩恵を受けるものである。 2 委員:様々な数値目標が規定されているが、これを受けて年次計画が別に定められるのか。 委員:これは検討会の答申であって、希望的観測である。 審議会参画率や議員数などは徐々に上がっており、2020年位には30%を達成しなければおかしいという 視点で数値を明らかにしたものである。さらに、数値を明示しないと説得力がないので、この数値を達成しない と日本社会の希望はないという意味を込めて数値を提示した。 会長:大企業における役員・経営層に占める女性の割合は現時点ではどのくらいなのか。 委員:現状では出ていない。中小企業の管理職で7%程度では。日本の企業は年功序列の制度がまだ強いので男 性が多いことが考えられる。今活躍している女性が企業に残っていれば15・6年後には相当増えているはずだ との予測に基づいている。 委員:女性が企業を起こしても大企業に伍していくことは難しいのでは。 委員:昔と現在は企業形態が違っている。昔の自営業は建設・土木関係が多かった。それらは男性が多かったが、 現在はIT化によって女性の割合も多くなることが予想される。 同じ能力なのに男性は出世するが女性はそうではないのならやる気をなくす。さらに、家庭を理由に仕事をや める女性が多い。この2つの障壁をなくせば女性の登用は増えるのでは。 委員:厚生労働省においても男女共同参画の流れが普及してきた。「時短促進法」があと2~3年で廃止となる。 今後は単に時短だけではなく仕事と生活の両立と言うようになってきた。様々な職業を転々としてきた人もその ことにより不利益を被らないようにしなければならない。男性も女性も多様な就労形態が広がっていく。雇用慣 行が変わっている。 法科大学院においては、家庭を持っている男性が多数入学してきた。働きながら学ぶような生易しいものでは ないので、仕事をやめて入学してくる。つまり妻が働いているのである。 会長:男性が「専業主夫」になることは多くなるのだろうか。 委員:一生涯「専業主夫」ではなく一時期休業して家庭に入ったりすることが珍しくなくなることを想定してい る。米国では夫婦の7割が共働きで2割が専業主婦、5%が専業主夫である。 (3)基本理念についての提案1 委員:国・都・他区などの条例を見直して、何が基本になっているのかを洗い出した。 男女共同参画社会基本法、北区基本構想、基本計画(平和や人権の尊重がうたわれている) 、世界的な動き等に ついて我々は流れをつかんでいなければならない。 基本理念に盛り込む際のポイント (1) 人権の尊重、男女共同参画社会を実現していくために個人の尊重や男女が直接・間接を問わず、性別による 差別的取扱いを受けないことが重要だと思うし、個人の能力を妨げられない、国籍・年齢・障害の有無に関わ らず個人として尊重されることが重要と考える。 (2) 社会的な制度慣行について、通常はそのまま受け止めてはいるが、思い込みが生じることがあるので、影響 を見たり、考えていくことが必要である。 (3) ともに社会の構成員として互いに意見交換・参画ができているかを考えていくべきである。 (4) 仕事と生活の両立ができるような支援が求められる。 (5) 学校教育・生涯教育における男女共同参画の推進が求められる。 (6) 北区には外国人も多い。日本人だけの問題ではない取り組み、地域としての取り組みが必要である。 (4) 基本理念についての提案2 委員: 「男女が対等な関係の下に、お互いの生涯にわたる健康と、女性の妊娠、出産等に関する権利の尊重」を提 案したい。 さらに、間接差別が重要である。この文言はもう少し概念を整理しながら盛り込むべきである。 3 会長:以上の議論を踏まえて、これからは分科会形式にしたい。次の3グループに分かれて議論願いたい。 1班 鶴田副会長、鹿沼委員、荒木委員、木村委員 2班 浅倉委員、吉岡委員、永井委員、盛下委員、佐藤委員 3班 山田委員、田辺委員、厚美委員、栗原委員 労働に関心のある委員、教育に関心のある委員、地域社会に関心のある委員というように大雑把に分けた。 次回会議は、9月1日(水) 午後6時より行います。 4