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第4回 - 高知医療センター

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第4回 - 高知医療センター
がんセンター長
志摩泰生
消化器外科
はた 。やすひろ】
【
臓別
膵鑑
麹
1992年高知医大卒業ァ放 射線医学教
室 入局。 1994∼ 1996年高知 県立 中
央病 院放射線科。1998年高知 医大大
学 院 卒 業。 1998∼ 2005年 医 療 法 人
宝生会PL病院放射線桃 2005∼ 2006
年ゲ ー トタワー GTク リニ ック。2007
年 よ り現 職。
癌の見つけ方と
が必要な病変
今 回のテー マ は様臓癌です。膵臓癌 は,両
か ら水平脚 に回まれる実質臓器,体 部は牌静
像診断技術の向上 した今 日でも早期発見は難
脈 の前面 ,膵 尾部 は牌 門部 で 同定 できます。
しく,手 術 ので きる症 例 は20%程 度 とも言
棒臓は膵頭部に対 して膵尾部 が頭側 に位置 し
われています。手術ができた症例 で も再発が
多 く,代 表的な難治性癌の一つです。
てい るので,CT画 像 では複数 のス ライ スを
膵臓 は後腹膜腔 の 前傍腎腔 に位置 し,胃 の
裏側にあ ります。棒臓は薄 く,形 態,大 きさ,
観察 して連続性を確認す る必 要 があ ります。
1)膵 臓 の形態のアンバ ランス
前述 したよ うに,離 臓はバ ランスが生理的
実質 の濃度 にも,個 人差,年 齢差があ ります。
一般的 に
,若 年者 の膵臓 は比較的均一 な軟部
周 囲へ の突 出 (写真 1),限 局性萎縮 (写真
組織濃度で,加 齢 と共 に脂肪浸潤によ り,表
2)が ある場合は,障 癌を考慮する必要があ
面の 凹凸が日立つ傾向 にあ ります。膵臓 の大
り,さ らに他の所見を探 します。
に も変化 に富むため判断が難 しいのですが,
きさの 目女は,日 本消化器病学会で,椎 体 の
幅 の 3分 の 1以 下が萎縮,椎 体 の幅 の 4分 の
3以 上が腫大 と定義 されています。
解病変のCT診 断 のためには, 5mm以
2)造 影早期像での低信号領域
解癌は線維成分の多 い腫瘍であ り, ダ イナ
下の
ミックC T 動 脈優位相 では, 比 較的良好 な造
ス ライス 幅 でダイナ ミックCTを 撮影す る必
影効果を呈する膵実質 に対 して造影効果が乏
要があ ります。膵頭部は,十 二指腸の下行脚
しく, 柵 対的 に低信 号 として捕 出され ます
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3 ) 主 膵管 , 総 胆管 の拡張
腫瘍 の漫潤 によ り生 じる主藤管 や総胆管の
拡張 が順瘍の問接所見 として認め られる場合
があ ります (写真 4,5)。 主障管の拡張の 目
安 は 3mm以 上です。なお,障 実質 と牌静脈
の間隙 の脂肪層 が主解管 と類似す る ことが あ
るので,注 意 が必要 です。
拡張障管 が認 め られた場合は,解 頭部方向
に拡張を辿 り,拡 張原因を 同定 します。慢性
頭部直前 ま
膵炎 では障石 が認め られます。子し
頭部癌
で拡張を辿 ることができる場合は,孝し
の疑 いがあ ります。高齢者 の膵管全体 の軽度
拡張 は生理的な変化の場合 もあ ります。
4)周 囲血管 の不整や描 出不良
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ダイナ ミックCTで も膵実質 とコン トラス
トが不明瞭な艦痛 もあ ります。そ の場合 に手
掛 か りとなるのは,前 述 の障管 ・胆管 の拡張
と共に,碑 動脈や牌静BrKの
描 出不良や日径不
整,動 脈周囲のわずかな軟部組織影 です (写
真 6)。 腹腔動脈 や上腸 問膜動脈 の辺 縁 を ト
レー スすると,微 細な病変 に気付 くきっかけ
にな ります。特 に上 腸問膜動脈周囲の脂肪織
は,腹 腔 内脂肪織 の乏 しい痩 せた方でも存在
するため, L腸 問膜動脈周囲 に軟部組織 が存
在す る場合 (Thick vessel sign)は,何 か し
らの異常が疑われ ます (写真 フ)。解癌 の神
経叢浸潤 が背部痛 の原因 となる場合 があるの
で,昔 部痛 の精査 の場合,上 腸間膜動脈 や腹
腔動脈根部周囲の詳細 な観察が必要です。
5)脂 肪沈着 の不均 一
単純 C T が 腹部 のス クリー ニ ン グ として行
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われる場合, こ の所見 がTf‐
癌 を指摘す るポイ
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ン トにな ります。生理的な脂肪沈着 によ り川
凸が存在す る障実質 の一部 に脂肪沈着 が認 め
られず,限 局性 にのっべ りとした部分 が存在
する場合,膵 癌 の存在 を考慮 してダイナミッ
クCTの追加検査が望まれます (写真 8)。
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届と鋪 別を要する病変 ‐■
1 ) 腫 寝形成性膵炎
限局性 に生 じた慢性艦炎 が腫瘤状を里 した
ものです。病変部分 よ りFt側の膵管が拡張 し,
膵癌 と類似 した造影 パ ター ンを呈 します。樺
管閉塞 による腫瘍 マー カー (CA19 9など)の
上昇が認め られる場合 もあ ります。際管 の狭
窄所見が膵癌に比べると乏しく,腫痛部分を IⅢ Ⅲ
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艦管 が貫 くpancreatic duct penetrating sign
が鑑別の手助けになる場合 もあ りますが,鑑
別 に青慮 し,岡 腹 される場合 もあ ります。経
過観察の場合 も慎 重な対応が必要です。
2)lPMN dntraductal papillary白
mucinous neoplasm:
解管 内乳 頭粘液 性腫瘍 )
胃や腸へ の分化傾 向を有す る
病理学的 に 「
粘液産生上皮の平L頭上増殖 を特徴 とす る肝官
内腫瘍Jと 定義 されてい ます。距瘍 の主な 占
拠部位 によ り,主 障管型 と分枝型 ,混 合型 に
分類 されます。ほ とん どの ものは粘液産生が
多 く,CT上 ,主 艦管型 は閉塞 帰転 のない膵
管全体 の拡張,分 枝型 はぶ どうの房状の袋胞
を阜 します (写真 10)。 主解管の径,嚢 胞作,
壁在結節 の大 きさ,膵 液細胞診 を参照に良悪
性 が判定 され,手 術 もしくは経過観察が選択
されます
3)MCN(Mucinous cysttc
neOJaSm:粘 瀬性嚢胞腫場)
粘 液性 嚢胞性 腫瘍 は ,線 維被 腹 を持 ち ,輛
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膵尾部 に膵炎 の所見 (仮性嚢胞 ,解 石)
を認めるが ,ダ イナミ ックCTで 仮性嚢
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体部 の移行部 に造影不良な領域
(膵癌)を 認 める。
壷藤曽全長の拡張 と,棒 頭部のJSlど
うの房状の嚢胞病変が認め られる。
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