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プレゼンテ-ション資料
2004年9月10日
JPRC年次総会
富士通厚生年金基金の
資産運用戦略
富士通株式会社 グローバル人事部企画部長
兼 富士通厚生年金基金 資産運用部長
千田 彰子
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富士通厚生年金基金
1
本日のプレゼンテーション内容
会社概要
- 売上構成
- 主要製品・サービス
- 世界中で地域に密着した事業展開
年金資産運用を取り巻く環境の変化
- 運用規制の緩和・撤廃
- 退職給付会計の導入
- 株式市場の下落と超低金利
事業戦略
- 中期目標
- 富士通の事業方向
- 4つのチャレンジ
- 2004年度基本方針
- 2004年度の目標
年金資産運用のトレンド
- お任せ運用から自主運用へ
- 基本ポートフォリオとマネージャストラクチャ
- 株式から債券へのシフト
- オルタナティブ投資
The FUJITSU Way
富士通厚生年金基金の取組み
- これまでの歩み
- リバランスの意義と重要性
- 退職給付会計への制度面での対応
- 運用実績
- 規律ある資産運用管理の重要性
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2
会社概要
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3
会社概要
富士通はお客様にフォーカスしたITおよびネットワークソリューションを
グローバルに提供するリーディングカンパニーです。
z
z
z
z
z
z
設立: 1935年6月
上場証券取引所: 東京、大阪、名古屋、フランクフルト、ロンドン、スイス
連結売上: 4兆7000億円
従業員数(連結): 156,000名
研究開発費: 2,509億円
主要事業内容: ソフトウェア&サービス、プラットフォーム、電子デバイス
注記: 2003年度連結売上高; 従業員数は2004年3月末日時点
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4
売上構成
・ 主要セグメント別
その他
(3,301億円)
電子デバイス
(7,34.3億円)
ソフトウェア&サービス
(20,943億円)
6.9%
15.4%
43.9%
33.8%
プラットフォーム
(16,082億円)
・ 地域別
アジアその他
(4,593億円)
米州
(3,243億円)
欧州
(6,051億円)
注記: 2003年度 顧客所在地別連結売上高
9.6%
6.9%
12.7%
70.8%
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日本
(33,782億円)
5
主要製品・サービス①
„ ソフトウェア・サービス
z
z
z
z
z
システム構築 (システムインテグレーションサービス)
システムの導入・運用支援
コンサルティング
情報システムの一括運用管理 (アウトソーシング、IDCサービス)
情報システムに必要なネットワーク環境の提供およびネットワークを利用した各種
サービスの提供 (ネットワークサービス、インターネットサービス)
z 各種ソフトウェア
z 情報システムおよびネットワークの保守・監視サービス
z 情報システムの設置工事およびネットワーク工事
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6
主要製品・サービス②
„ プラットフォーム
z
z
z
z
z
z
z
z
z
各種サーバ (グローバルサーバ、UNIXサーバ、IAサーバ)
情報システムを構成する周辺装置 (ディスクアレイ、システムプリンタ)
パーソナルコンピュータ
記憶装置 (小型磁気ディスク装置、光磁気ディスク装置)
専用端末装置 (現金自動預払機、POSシステム)
携帯電話
交換システム (デジタル交換システム、IPスイッチングノード)
伝送システム (光伝送システム、光海底伝送システム)
移動通信システム (IMT-2000基地局システム、PDC基地局システム)
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7
主要製品・サービス③
„ 電子デバイス
z
z
z
z
z
z
z
z
ロジックIC (システムLSI、ASIC、マイクロコントローラ、FRAM搭載ロジック)
メモリIC (フラッシュメモリ、FCRAM)
化合物半導体
SAWフィルター
コンポーネント
液晶ディスプレイパネル
プラズマディスプレイパネル
半導体パッケージ
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8
世界中で地域に密着した事業展開
70カ国以上で営業・サポートを展開
従業員数 156,000人
富士通研究所での先進的基礎研究(日本、中国、欧州、米国)
12カ国で約70カ所の高セキュリティデータセンターを展開
欧州
日本
18,000
1
19
105,000 10
38
米州
8,500
3
2
アジア・パシフィック
24,500
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1
11
9
事業戦略
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10
中期目標
売上原価率 : 各年1%の低減 [ 5兆円×1%=500億円 ]
D/Eレシオ : 1倍以下 [ 有利子負債 < 株主資本 ]
(03年度 12,771億円
8,271億円)
1503億円
営業利益
497億円
純利益
03年度
3000億円
1000億円
04年度
05年度
06年度
強いインフォメーションテクノロジ(最先端/高性能/高信頼)をベースに
品質の高いプロダクト、サービスによるトータルソリューションを
継続的に提供していく
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11
富士通の事業方向
インテグレーションモデルの優位性追求
お客様
トータルソリューション
技術・サービス
ソフト・サービス
ライフサイクルマネジメント
多様化
[インテグレーション]
プラットフォーム
TRIOLE
[インテグレーション]
変化の加速
New IDM
New Integrated Device Manufacturer
水平分業の限界
[インテグレーション]
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お客
客様
様
お
電子デバイス
お客
客様
様
お
複雑化
お客
客様
様
お
[インテグレーション]
12
4つのチャレンジ
■利益を固定費と考える
■原価(率)を下げ続ける
■経営スピードを上げ続ける
(2)新しい事業を創り、育てる
■グローバルビジネスに再挑戦
■ユビキタス分野でのビジネス創出
(3)フォーメーションの革新
見える化、簡素化
マネジメントシステムの革新
(1)既存ビジネスの徹底した体質強化
(4)
■お客様から見て最適なフォーメーションの実現
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13
2004年度 基本方針
お客様、従業員、株主のため
お客様、従業員、株主のため
「強い会社」をめざす
「強い会社」をめざす
確実に利益成長を実現していく会社
商品/技術のリーダシップを発揮する会社
人財と優れたマネジメント力を持つ会社
2004年度は「スタートライン」
“守り”から“攻め”へ
会社のリズムを変える
商品・人材・技術で戦う
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14
2004年度の目標
2004年度(連結)
売上高
売上高
営業利益
営業利益
純利益
純利益
49,500億円
49,500億円
2,000億円
2,000億円
700億円
700億円
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15
The FUJITSU Way
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富士通厚生年金基金
16
The FUJITSU Way
‘Mission’ 目標
FUJITSUは、常に新しい価値の創造に努め、
強いインフォメーションテクノロジをベースに、
お客様の求める高性能・高品質のプロダクト、サービスによる
トータルソリューションを永続的に提供することにより、
利益と成長を実現し、国際社会・地域社会との共存共栄を図ります。
‘Values’ 指針
お客様
社員
品質
環境
利益と成長
お客様の夢
私たちの夢を
かたちにします
一人ひとりが
“FUJITSU”の信頼と
プレゼンスを高めます
すべてを
グリーンにします
お客様、社員、株主の
期待に応えます
主役になります
‘Code of Conduct’ 行動の規範
1. 人権を尊重します
4. 知的財産を保護します
2.
5. 収賄等は行いません
法令を遵守します
3. 機密を保持します
6. 公正な商取引を行います
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富士通厚生年金基金
17
富士通厚生年金基金の概要
設立時期
1970年8月1日
設立形態
連合型 (加入会社数:85社)
加入者数
102,780 人
受給者数
12,100 人 (待期者数:17,300 人)
成熟度
11.8% (待期者含む: 28.6%)
資産残高
9,183 億円
※2004年3月末時点
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18
年金資産運用を取り巻く環境の変化
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富士通厚生年金基金
19
年金資産運用を取り巻く環境の変化①
~運用規制の緩和・撤廃~
時期
項目
内容
1990年4月
運用拡大スタート
投資顧問への委託解禁
1994年4月
生保保証利率引下げ
5.5%⇒4.5%
※以降段階的に0.75%まで引下げ
1997年12月
資産配分規制の完全撤廃
5・3・3・2規制を段階的に撤廃
1998年3月
時価基準による資産評価へ以降
総合収益主義への完全移行
2000年
退職給付会計の導入
年金運用結果が企業業績にリンク
2002年4月
確定給付企業年金法制定
代行返上が可能になる
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富士通厚生年金基金
20
年金資産運用を取り巻く環境の変化①
~運用規制の緩和・撤廃~
お任せ運用
運用委託先の制限
- 信託銀行、生保会社に限定された委託先
資産配分規制
- 簿価による5・3・3・2規制
基金独自の判断
が難しい
取引関係の介入
自主運用
各基金固有の運用スタンスを主体的に反映
- 基金間の認識の差を反映し、運用が多様化
- 運用の多様性を受け止められる投資顧問の参入
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21
年金資産運用を取り巻く環境の変化①
~運用規制の緩和・撤廃~
基本ポートフォリオ
中長期的視野からの一貫した運用ディシプリン
- 中長期の期待リターンを獲得するための最適ポートフォリオ構築
- 短期的な相場観に影響されないための厳格な軸
リバランス
- 基本ポートフォリオ維持のための資産再配分活動
マネージャストラクチャ
役割の明確化
- 中長期的に一貫した運用スタイルを持つマネージャの選定と組合せ
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富士通厚生年金基金
22
年金資産運用を取り巻く環境の変化②
~退職給付会計の導入~
オフバランス
母体企業の低いコミットメント
- キャッシュフローのみが費用として計上
- 隠れ債務
退職給付会計
年金ガバナンスのあり方
- 年金(退職給付)は経営問題
- 事業会社における資産運用のあり方
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富士通厚生年金基金
23
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富士通厚生年金基金
2004年3月
2004年1月
2003年11月
2003年9月
2003年7月
2003年5月
2003年3月
2003年1月
国内債券
2002年11月
2002年9月
2002年7月
2002年5月
2002年3月
2002年1月
2001年11月
2001年9月
2001年7月
2001年5月
2001年3月
2001年1月
2000年11月
2000年9月
2000年7月
2000年5月
1
2000年3月
1.4
2000年1月
1.5
1999年11月
1999年9月
1999年7月
1999年5月
1999年3月
年金資産運用を取り巻く環境の変化③
~株式市場の下落と超低金利~
株式のブレと債券の金利上昇リスクが基金のポートフォリオ運用に与える影響を抑制
する必要がある。
国内株式
1.3
1.2
1.1
基金実績
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
24
年金資産運用を取り巻く環境の変化③
~株式市場の下落と超低金利~
金利上昇の兆候
金利安定期
9.00
8.00
金利下落期
84年1月~90年9月
期間平均リターン
年率5.23%
7.00
90年10月~03年5月
期間平均リターン
年率6.28%
03年6月~12月
期間平均リターン
年率▲4.44%
6.00
5.00
金利上昇
リスク
4.00
3.00
2.00
1.00
金利のボトム:0.55%
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富士通厚生年金基金
2004年1月
2003年1月
2002年1月
2001年1月
2000年1月
1999年1月
1998年1月
1997年1月
1996年1月
1995年1月
1994年1月
1993年1月
1992年1月
1991年1月
1990年1月
1989年1月
1988年1月
1987年1月
1986年1月
1985年1月
1984年1月
0.00
25
年金資産運用のトレンド
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富士通厚生年金基金
26
年金資産運用のトレンド③
~株式から債券へのシフト~
債券運用のニーズ
国内株式の高いボラティリティ
- 基本ポートフォリオ運用を維持するためのリバランス行動の滞り
- 退職給付会計導入後の3年連続の下落によるインパクト
年金制度の変更
- 給付削減による要求リターンの低下
- キャッシュバランスプラン導入による債券ベースの負債認識
- 代行返上
債券運用の問題
金利上昇リスク
- 超低金利状態
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富士通厚生年金基金
27
年金資産運用のトレンド③
~オルタナティブ投資~
債券運用の問題点
金利上昇リスク
- 超低金利状態
従前の代替投資の限界
- 生保一般勘定
- ヘッジ付外債 等
オルタナティブ投資へ
ヘッジファンドへの資金流入
- ファンド・オブ・ヘッジ・ファンズ
- マーケット・ニュートラル
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富士通厚生年金基金
28
年金資産運用のトレンド②
~オルタナティブ投資~
従来の伝統的4資産
によるポートフォリオ運用
分散投資により90年代までは
一定の成果をあげてきたが、
2000-02年度においては全体
でもマイナス収益の結果。
経済循環のグローバル化
未曾有の超低金利政策
市場ボラティリティの増大
伝統的4資産の限界?
オルタナティブ投資のニーズの高まり
短期的な経済循環
から隔離させたい
プライベート
エクイティ
非流動性を対価に
長期的なハイリターン
長期的
安定的なインカム
収益を確保したい
不動産
株式と債券の中間
のリスクリターン特性
中期的
市場が下落しても
収益を確保したい
ヘッジファンド
ショート(空売り)を
活用した収益獲得
短期的
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29
年金資産運用のトレンド②
~オルタナティブ投資~
分散効果
従来の資産運用
(伝統的資産)
国内
株式
伝統的資産
における分散
国内
株式
オルタナティブ投資
(更なる分散)
国内
株式
小型株
小型株
プライベート
エクイティ
不動産
国内
債券
国内
債券
ヘッジ付外債
国内
債券
ヘッジ付外債
外国
株式
外国
株式
エマージング株
外国
株式
エマージング株 プライベート
エクイティ
小型株
外国
債券
外国
債券
非国債
外国
債券
非国債
小型株
ヘッジファンド
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30
年金資産運用のトレンド②
~オルタナティブ投資~
厚生年金基金連合会による実態調査(2003年3月末時点)
商品
ヘッジファンド
プライベートエクイティ
不動産関連商品
基金数
資産残高
103基金
4,770億円
12基金
579億円
21基金
不動産関連商品
8.3%
プライベートエクイティ
9.9%
482億円
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富士通厚生年金基金
ヘッジファンド
81.8%
31
富士通厚生年金基金の取組み
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32
富士通厚生年金基金の取組み①
簿価主義から時価主義へ
含み損を実現させ、運用効率改善(信託銀行)
1995
年度
バランス型運用から特化型運用へ
投資顧問を適材適所に配置し、役割を明確化
競争の明確化
パフォーマンス評価の徹底
運用委託報酬体系の見直し
時価ベースでの算定
資産クラス別・運用スタイル別報酬の設定
1996
年度
資産配分規制の適用除外認定
5・3・3・2規制の適用除外
ALM分析による運用方針策定・実施
長期基本ポートフォリオの構築
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富士通厚生年金基金
33
富士通厚生年金基金の取組み②
年金制度改革
最終給与比例から累積給与比例へ
1997
年度
1998
年度
生保一般勘定をバランス型運用へ
生保においても競争原理を導入
新たなマネージャ・ストラクチャの確立
マネージャの集約
重複委託を排除、ハイレベルな競争原理へ
パッシブ・コア・マネージャの導入
効率的なリバランス執行のためのインフラ
地域特化型の導入
グローバルと異なるアクティブ収益機会
ヘッジ付外債の導入
国内債券代替としてフルヘッジアクティブ外債導入
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34
富士通厚生年金基金の取組み③
1999
年度
ニュー・ベネフィット・プラン
雇用の多様化への対応
第3加算制度の導入
運用実績を反映し給付改善を行える仕組みを採用
パフォーマンス測定の内製化
コンサルティング会社よりシステム移管
2000
年度
外国債券運用の更なる分散
投資対象領域の拡大(国債のみ→クレジット債券等まで)
現物移管によるコスト削減
法改正によりただちに現物移管を実施
セキュリティ・レンディングによる収益獲得
リスクを最小限に抑えつつリターン追及
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富士通厚生年金基金
35
富士通厚生年金基金の取組み④
2001
年度
オルタナティブ投資の開始
プライベート・エクイティ導入による運用効率性改善
小型株マネージャの採用
株式における更なる収益機会の追求を目的として拡張
為替オーバーレイ戦略の採用
国内債券代替としてのヘッジ付外債にアクティブ為替を導入
2002
年度
自家運用の開始
投資信託(ファンド)に限った売買
運用スタイルの細分化
バリュー、グロースに加えてリサーチを新設
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36
富士通厚生年金基金の取組み⑤
2003
年度
年金ガバナンスの強化
母体に「企業年金室」を設置
リサーチインフラの強化
マネージャ分析ソフトウェアの採用
海外マネージャ調査活動
代行返上
2004年3月に将来分返上を認可
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富士通厚生年金基金
37
富士通厚生年金基金の今後の取組み
年金制度改正
(人事サイド)
退職給付会計
(財務・経理サイド)
2004
年度
年金ALM
↓
基本ポートフォリオ策定
↓
マネージャストラクチャ
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代行返上
38
リバランスの意義と重要性①
なぜリバランスが重要なのか
時間の経過とともに、アセット・アロケーションが基本資産配分から乖離
基本資産配分への
リバランスを実施 (リバンシング)
→ 逆張り的な戦略 (ボックス相場において奏功)
リバランスを実施せず (ドリフティング)
→ 順張り的な戦略 (右肩上がりの相場で有利)
当基金のスタンス
市場環境を予測する能力については慎重な前提をおくため、市場環境に
依存しないリバランスルールを策定したい。
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39
リバランスの意義と重要性②
リバランス・ルールの策定
シミュレーションを行う前提
1984年12月*以降、TOPIX, NRI-BPI, MSCI-kokusai, SSB-W ex Japanの4指数を
用いて、基準配分 (国内株式45%, 国内債券20%, 外国株式25%, 外国債券10%)
からスタートし、各資産に各指数の四半期毎のリターン実績を掛け合わせてリタ
ーンを測定。
* データ参照期間は4指数が存在する1984年12月以降。
当基金でもっともウェイトの高いアセットクラスである国内株式が急上昇後下落した
84から92年度までの期間と、ボックス圏を推移していた93年以降に分けた分析も行
っている。
マーケット・インパクトを含む売買コストは、株式 1.2%、債券0.2%と仮定。
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40
リバランスの意義と重要性③
リバランス・ルールの策定
シミュレーション
ケース
A
B
C
D
E
F
G
∼ リバランスのタイミング
基準配分に戻すタイミング
毎四半期末
年1回−第4四半期末
年1回−第3四半期末
年1回−第2四半期末
年1回−第1四半期末
なし
なし
乖離の上下限を超えている場合に
上限または下限まで調整するタイミング
−
第1、第2、第3四半期末
第1、第2、第4四半期末
第1、第3、第4四半期末
第2、第3、第4四半期末
毎四半期末
なし
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41
リバランスの意義と重要性④
リバランス・ルールの策定
シミュレーション
∼ 4通りの乖離幅
基準配分
国内株式 国内債券 外国株式 外国債券
45.0
20.0
25.0
10.0
乖離の上下限 2w
47.0/43.0 20.9/19.1 26.2/23.8 10.5/9.5
(±2.0)
(±0.9)
(±1.2)
(±0.5)
乖離の上下限 3w* 48.0/42.0 21.4/18.6 26.7/23.3 10.7/9.3
(±3.0)
(±1.4)
(±1.7)
(±0.7)
乖離の上下限 4w
49.0/41.0 21.8/18.2 27.3/22.7 10.9/9.1
(±4.0)
(±1.8)
(±2.3)
(±0.9)
乖離の上下限 5w
50.0/40.0 22.3/17.7 27.8/22.2 11.2/8.8
(±5.0)
(±2.3)
(±2.8)
(±1.2)
* 例えば、2wは株式の基準配分から±2%の乖離幅のパターンを意味する。
他のアセットクラスの乖離幅も、同比率で設定している。
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42
リバランスの意義と重要性⑤
シミュレーションの結果
全参照期間
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
ケース
F-5w
F-4w
F-3w
E-5w
C-5w
E-4w
C-4w
E-3w
F-2w
C-3w
D-5w
D-4w
E-2w
D-3w
C-2w
D-2w
B-5w
B-4w
B-3w
A
B-2w
G
92年度まで
リターン
(年率)
10.52%
10.47%
10.33%
10.31%
10.28%
10.28%
10.26%
10.20%
10.19%
10.18%
10.16%
10.12%
10.10%
10.08%
10.07%
10.03%
9.89%
9.88%
9.80%
9.76%
9.76%
8.75%
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
ケース
F-5w
F-4w
C-5w
F-3w
D-5w
C-4w
D-4w
C-3w
F-2w
D-3w
D-2w
E-5w
C-2w
E-4w
B-4w
B-5w
E-3w
B-3w
E-2w
B-2w
A
G
93年度以降
リターン
(年率)
8.69%
8.62%
8.46%
8.46%
8.43%
8.39%
8.33%
8.28%
8.27%
8.27%
8.19%
8.19%
8.17%
8.17%
8.17%
8.16%
8.10%
8.07%
8.05%
7.99%
7.97%
6.81%
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順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
ケース
E-5w
E-4w
E-3w
E-2w
F-2w
C-3w
C-2w
F-3w
C-4w
F-4w
F-5w
C-5w
D-2w
D-3w
G
D-4w
A
D-5w
B-2w
B-5w
B-3w
B-4w
リターン
(年率)
8.94%
8.91%
8.88%
8.77%
8.56%
8.54%
8.52%
8.51%
8.50%
8.50%
8.45%
8.41%
8.40%
8.37%
8.33%
8.32%
8.25%
8.24%
8.23%
8.19%
8.17%
8.17%
43
リバランスの意義と重要性⑥
低リターンのケース
ケース
コ メ ン ト
G
調整を全く行わないケースGは、他と比較して著しく低い(年率ベースで1%以上の格
差がある)。アセット・アロケーション管理が、いかに重要であるかが分かる。
A
毎四半期末に基準配分に戻すのがケースAであるが、基準配分への調整をあまり頻
繁に行うと、売買コストがかかるばかりでなく、ある程度持続性のある相場上昇をとり逃
がしてしまうようである。
B
毎四半期末に基準配分に戻すのがケースBであるが、年度末は、年1回の基準配分
に調整するタイミングとしては、適当でないようである。
D
毎2四半期末に基準配分に戻すのがケースDであるが、上四半期末も、年1回の基
準配分に調整するタイミングとしては、適当でないようである。
2w
(B∼F)
B∼Fのそれぞれのケースにおいて、2wのリターンは相対的に低い。2wは、乖離幅とし
ては狭過ぎて、ケースAと同様の傾向となる。
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44
リバランスの意義と重要性⑦
以上により、選択肢として、ケースC、E、Fの3∼5wが残る。
このうち、CかEかの選択は、基準配分へ戻すのを毎年6月末にするか12月末にするか
というタイミングの問題であるので、CとEの平均値とFの比較を行うこととした。
全参照期間
92年度まで
93年度以降
順
位
順
位
順
位
1
2
3
4
5
6
ケース
F-5w
F-4w
F-3w
C,E-5w
C,E-4w
C,E-3w
リターン
10.52%
10.46%
10.33%
10.29%
10.27%
10.19%
1
2
3
4
5
6
ケース
F-5w
F-4w
F-3w
C,E-5w
C,E-4w
C,E-3w
リターン
8.69%
8.62%
8.46%
8.32%
8.28%
8.19%
1
2
3
4
5
6
ケース
C,E-3w
C,E-4w
C,E-5w
F-3w
F-4w
F-5w
リターン
8.71%
8.71%
8.67%
8.50%
8.46%
8.45%
結果として、以下のことが明らかになった。
ウェイトの最も高い国内株式の急上昇・下落期と、ボックス圏とでは、順位が逆転する。
全参照期間については、急上昇・下落期の占める割合が大きいので、急上昇・下落期の順位が
そのまま反映される結果となっている。
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45
リバランスの意義と重要性⑧
結 論
基金のアセット・アロケーション管理のルールとしては
F-3w が最も適当である。
急上昇・下降期、ボックス圏期のどちらの場合でも、相対的に高い水準のリターンを確保
できるのは、ケース F-3w、ケース C-5w、またはケース E-5wである。
このうち、ケース C-5wかケース E-5wかの選択は、基準配分への調整のタイミング(6月
末にするか12月末にするか)の問題であるが、現段階では、このタイミングの判断は容易
でない。
これに比べて、F-3wについてはこのようなタイミング選択の問題は生じない。
従って、基金としては当面、ケース F-3wのルールでアセットアロケーション管理を行うのが
適当。 同時に、ケース C-5w、ケース E-5w等を選択した場合のシミュレーションについて
も、今後も引き続き行い、その上で運用の効率上、適当と判断された場合には、ルールを
変更することも考えていく。
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46
退職給付会計への制度面での対応①
2000年 4月より、国際基準に立脚した会計基準の適用
☆ 退職給付に係る負債を「退職給付引当金」としてB/S に計上
・ 退職給付引当金 = 退職給付債務 (PBO) − 年金資産 − 未認識債務
☆ 「退職給付費用」は発生主義により把握
・ 退職給付費用
= 勤務費用 + 利息費用 − 期待運用収益 + 未認識債務の償却額
・ 新基準導入による未認識債務 (会計基準変更時差異)の償却費 (富士通
の場合は10年償却)の企業収益に及ぼす影響大。
企業の格付けに大きく影響し、資金調達コストに反映される。
PBOの圧縮
資産運用の効率化
* [Projected Benefit Obligation] 将来の退職給付 (年金給付および退職金) の見込額 (将来の昇給を織り込み
予想退職時の給付額を算定) のうち、入社してから現在までの勤務期間分 を現在価値に換算したもの。
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47
退職給付会計への制度面での対応②
雇用の多様化への対応
雇用の多様化への対応
∼
∼高度な専門家へのインセンティブ
高度な専門家へのインセンティブ
∼
∼キャリア・プランを様々な形で反映できるような仕組み
キャリア・プランを様々な形で反映できるような仕組み
貢献を反映させる仕組み
貢献を反映させる仕組み
∼
∼賃金後払い的な性格の払拭
賃金後払い的な性格の払拭
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48
退職給付会計への制度面での対応③
~ニューベネフィットプラン~
歳支
支給
給終
終了
了
歳
55
55
キャッシュプラン
現金支給
・高度な専門家へのインセンティブ
・リクルート ツール
↑
選択
↓
退職時
一括支給
一括支給
新卒 入社後満2年
通年 入社後満1年
・コア人材の採用
・長期勤務インセンティブ
歳拠
拠出
出終
終了
了
歳
55
55
ペンションプラン
年金拠出
↑
選択
↓
年金支給
年金支給**
* 55歳以上対象のオプション・メニュー
支給開始時期の選択が可能
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49
退職給付会計への制度面での対応③
~第3加算制度~
現
年
60才からの
終身年金
金
(第一加算
)
年率 5.5%
を約束
行
改定後
従来通り 5.5%を約束
会社拠出分
55%
第三加算
従業員拠出分
45%
現行第一加算年金の従業員
拠出部分を分離・独立させ、
本人掛金元利合計額 (5.5%)
を移管。
資産運用実績を反映して給付
改善を行える仕組み。
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50
退職給付会計への制度面での対応③
~第3加算制度~
期待収益率
リ ス ク
資 産
標準
期待収益率
偏差
注1)
リスク
基本ポートフォリオ
国内株式
国内債券
外国株式
外国債券
8.53%
1.90%
7.45%
5.91%
18.36%
3.97%
16.85%
10.46%
第1加算 (含代行)
6.7%
10.7%
45%
20%
25%
10%
第2加算 (退職金移行分)
4.8%
6.6%
22%
50%
18%
10%
第3加算 (本人掛金)
第4加算 (ペンション・プラン)
2.9%
4.8%
2.7%
6.6%
9%
22%
77%
50%
7%
18%
7%
10%
基金計
6.0%
9.3%
38%
30%
22%
10%
注1)
注2)
02年度
注2)
期待収益率から振れる度合いを示す。
このうち、一般勘定は 65%。
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51
富士通厚生年金基金のマネージャストラクチャ
国内株式
パ
ッ
シ
ブ
国内債券
外国債券
パッシブコア
バリュー
2社
アクティブ
1社
2社
成長株
グローバル株
1社
米国株
リサーチ
ア
ク
テ
ィ
ブ
外国株式
生保一般勘定
アクティブ
2社
(バリュー1社・グロース1社)
米国小型株
3社
2社
1社
2社
欧州株
小型株
ヘッジ付外債
1社
エマージング株
5社
2社
2社
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52
富士通厚生年金基金の運用実績
1999年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
累積
基金実績
16.84%
-8.73%
-3.45%
-14.48%
24.84%
9.92%
基金平均(注)
13.09%
-9.83%
-4.16%
-12.10%
16.20%
-0.18%
3.75%
1.10%
0.71%
-2.38%
8.64%
10.10%
超過収益
(注)基金平均は厚生年金基金連合会調査によるもの。
1999年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
累積
国内株式
35.48%
-24.55%
-16.22%
-24.81%
51.13%
-2.68%
国内債券
2.08%
4.69%
0.95%
4.26%
-1.74%
10.52%
外国株式
3.05%
-6.67%
3.54%
-32.68%
24.07%
-16.83%
外国債券
-17.88%
26.28%
8.44%
15.47%
0.15%
30.04%
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53
規律ある資産運用管理の重要性
基本ポートフォリオ
運用とリバランス
効率的なマネージャ
ストラクチャの追求
優秀なマネージャの発掘
及び新運用戦略の検討
各方面における情報収集
とコミュニケーション
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54
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