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2003年4月にボックスをヒット

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2003年4月にボックスをヒット
富士通厚生年金基金の資産運用戦略
2004 年 9 月
千 田
彰 子
1.年金資産運用を取り巻く環境の変化
振り返ってみると、年金資産運用を取り巻く環境は、1990 年以降著しく変化した。
90 年 4 月に運用拡大がスタートし、投資顧問への委託が解禁された。94 年 4 月には生保
保証利率引下げ(5.5%→4.5% 以降段階的に 0.75%まで引下げ)、97 年 12 月には資産配分
規制(5・3・3・2 規制)の完全撤廃、98 年 3 月に時価基準による資産評価へ切り替えによ
る総合収益主義への完全移行。2000 年の退職給付会計の導入により、年金運用のパフォー
マンスが企業業績に反映されるようになり、2002 年 4 月には、確定給付企業年金法制定に
より代行返上が可能となった。
このような環境変化の中で、従来の信託銀行や生保へのお任せ運用から、基金が主体的
に運用戦略を構築する自主運用へと移り変わり、これにより、各運用機関が基金のニーズ
に対応すべく運用が多様化した。一部の基金では、中長期の期待リターンを獲得するため
の最適ポートフォリオを構築し、短期的な相場観に左右されない厳格な軸をつくり、中長
期的視野から一貫した方針を策定、また、その基本ポートフォリオ維持のためのリバラン
スルールの策定と実行。そして、その最適ポートフォリオに併せて、一貫した運用スタイ
ルを持つマネジャーの組合せによりマネジャーストラクチャーを構築した。
さらに、2000 年以降退職給付会計の導入により年金債務がオンバランス化されてからは、
年金問題はまさに経営問題となり、事業会社における資産運用や年金ガバナンスのあり方
が本格的に議論されるようになった。株式の下落と超低金利が長い市場環境化で、株式の
高いボラティリティにより、ポートフォリオを維持するためのリバランス行動が滞り、退
職給付会計導入後の3年連続の下落により多大なインパクトを受けた企業も少なくなかっ
た。また、債務側への対応として、年金制度の変更、たとえば、給付削減による要求リタ
ーンの低下、キャッシュバランスプラン導入による債券ベースの負債認識、さらには代行
返上により、年金債務の削減を余儀なくさせられた。その結果、債券のニーズが高まって
きたものの、長期間にわたる超低金利状態から金利上昇リスクはますます高まってきた。
また、従来の債券の代替投資としての生保一般勘定やヘッジ付外債などから獲得できるリ
ターンの限界もあり、ファンド・オブ・ヘッジ・ファンズやマーケット・ニュートラルな
どのヘッジファンドを中心としたオルタナティブといわれる領域へ資金が流入した。
1
ここで、オルタナティブ投資について、少し触れよう。従来の伝統的 4 資産による運用
は、分散投資により 90 年代までは一定の成果をあげてきた。しかし、経済循環のグローバ
ル化、未曾有の超低金利政策、市場ボラティリティの増大により、2000-2002 年度におい
ては全体でもマイナスリターンの結果となり、伝統的 4 資産で運用収益を追求することの
限界からオルタナティブ投資のニーズが高まった。オルタナティブ投資には、大きく分け
て 3 つの分野がある。ひとつは、短期的な経済循環から隔離させ、非流動性を対価に長期
的なハイリターンを期待できるプライベートエクイティ、2 つ目は、株式と債券の中間的な
リスクリターン特性をもち安定的なインカム収益を確保する不動産、そして、ショート(空
売り)を活用した収益獲得、市場が下落しても収益を確保したいというニーズからヘッジ
ファンドへの投資である。
厚生年金基金連合会の実態調査(2003 年 3 月時点)によると、ヘッジファンドに投資し
ているのは 103 基金(資産残高 4770 億円)、プライベートエクイティ投資は 12 基金(資
産残高 579 億円)、不動産関連商品は 21 基金(資産残高 482 億円)である。
2.富士通厚生年金基金の取り組み
このような資産運用環境の変化の中で、富士通厚生年金基金が 95 年度以降、実際に取り
組んできたことをご紹介させていただきたい。
(1)これまでの取り組み
1995 年度には、簿価から時価主義へ移行した。これに伴い、信託銀行のファンドの中で
潜在的に存在していた含み損を実現させ、運用効率を改善させた。また、投資顧問を適材
適所に配置し、役割を明確化し、バランス型運用から特化型運用へ移行した。さらに、運
用マネジャーのパフォーマンス評価(定量評価)を徹底させ、明確な競争原理を取り入れ
た。また、運用委託報酬体系を時価ベースで算定し、資産クラス別・運用スタイル別報酬
を設定。1996 年度には、資産配分規制(5・3・3・2 規制)の適用除外認定を受け、ALM
分析による運用方針と長期基本ポートフォリオを策定し実行した。
1997 年度は、年金制度改革により、最終給与比例から累積給与比例へ移行。生保一般勘
定をバランス型運用に振り替え、生保においても競争原理を導入した。 翌年 1998 年度に
は、新たなマネジャーストラクチャーを確立。重複委託を排除し、ハイレベルな競争原理
を導入して、マネジャーの集約を図った。 効率的なリバランス執行のためのインフラをつ
くるためにパッシブ・コア・マネジャーを導入し、グローバルマンデートと異なるアクテ
ィブな収益機会を得るために地域特化型を導入、さらに、国内債券の代替としてフルヘッ
ジアクティブ外債運用を開始した。
2
1999 年度には、労働市場の流動化、就業ニーズの多様化への対応を目的としたニューベ
ネフィットプランの導入。 運用実績を反映し、給付改善を行える仕組みを採用するために、
第三加算制度を導入した。コンサルティング会社よりシステムを移管し、パフォーマンス
測定を内製化。2000 年度は、投資対象領域を拡大し債券運用では投資対象を国債のみから
クレジット債券まで広げた。また、法改正によりただちに現物移管を実施。セキュリティ
ーレンディングにより収益を獲得し、リスクを最大限に抑えつつ、リターンを追求した。
2001 年度には、オルタナティブ投資を開始した。まずは、プライベートエクイティの投
資を開始し、さらなる運用効率性を追求した。また、株式における更なる収益機会の追求
を目的として小型株マネジャーを採用し投資範囲を拡張した。カレンシーオーバーレイ戦
略を採用し、国内債券代替としてのヘッジ付外債にアクティブ為替を導入した。
2002 年度は、自家運用を開始。投資信託(ファンド)に限定して売買を開始。運用スタ
イルを細分化し、バリュー、グロースに加えてリサーチを新設した。
2003 年度には、母体に「企業年金室」を設置し、年金ガバナンスを強化。基金内にマネ
ジャー分析ソフトウェアの採用、海外マネジャー調査活動を開始した。代行返上について
は、2004 年 3 月に将来分返上の認可をいただいた。
(2)リバランスの意義と重要性
当基金の運用戦略の中で、特に、リバランス・ルールを策定し、それを愚直に実行した
ことが、結果として、その後のパフォーマンスに貢献している。そこで、リバランスにつ
いてふれさせていただきたい。
基金全体のアセット・アロケーションは、実際には、市場の変動により、時間の経過と
ともに資産配分の基本方針から乖離する。長期的な観点からの運用という趣旨は損なわず、
リスク管理の観点からみて許容し得るリバランスのルールというものは多様な方法が考え
られるが、当基金では、過去データをベースにしたシミュレーションをもとにリバランス・
ルールを策定した。これは中間的にみて逆張り戦略を含んだ内容となっている。タクティ
カルなアセット・アロケーションは意図するところではないが、基準配分からの乖離を調
整するルールを考える上で、部分的にこれに近い内容を取り込む形になっている。
ただし、オーバーウエイトをニュートラルな方向に戻す範囲において利用しているので
あって、基準ポートフォリオに対して、積極的に乖離をとる運営は行っていない。この結
3
果として、リバランス行動そのものは、逆張り的な戦略に見える。他方、一定期間乖離を
許容しているのは、順張り的な投資行動なのである。
もちろん、現実にはリバランスをしない方がリターンが高くなったとか、リバランスの
頻度をより高くした方がよいリターンが得られたとか、様々なケースが出てくるであろう。
これは相場環境によってかなり変わってくる。右肩上がりか、ボックス相場かで違ってく
るのであるが、このような市場環境を予測しつつ、リバランス・ルールの設定を変更し得
るほどの能力があるのであれば、それ以前にタクティカルなアセット・アロケーションを
実施しているのであろう。当基金においては、相場の予測能力については慎重な前提を置
くこととしているため、このような市場環境に依存しないリバランス・ルールを策定し、
実行してきた。具体的なリバランス・ルールの策定方法は、以下の通りである。
[リバランス・ルールの策定]
①
前
提
*1984 年 12 月*以降、TOPIX, NRI-BPI, MSCI-kokusai, SSB-W ex Japan の 4 指数を
用いて、基準配分 (国内株式 45%, 国内債券 20%, 外国株式 25%, 外国債券 10%)
からスタートし、各資産に各指数の四半期毎のリターン実績を掛け合わせてリタ
ーンを測定。
* データ参照期間は4指数が存在する 1984 年 12 月以降。
*当基金でもっともウェイトの高いアセットクラスである国内株式が急上昇後下落
した。84 から 92 年度までの期間と、ボックス圏を推移していた 93 年以降に分け
た分析も行っている。
*マーケット・インパクトを含む売買コストは、株式 1.2%、債券 0.2%と仮定。
② リバランスのタイミングと乖離幅
基準配分からスタートし、各資産に各指標の四半期ごとにリターン実績を掛け合わ
せて、次のケースA∼Gのタイミングで調整を行い、リターンを測定した。
図表
1−1
ケース
A
B
C
D
E
F
G
リバランスのタイミング
乖離の上下限を超えている場合に
基準配分に戻すタイミング 上限または下限まで調整するタイミング
毎四半期末
−
年1回−第4四半期末
第1、第2、第3四半期末
年1回−第3四半期末
第1、第2、第4四半期末
年1回−第2四半期末
第1、第3、第4四半期末
年1回−第1四半期末
第2、第3、第4四半期末
なし
毎四半期末
なし
なし
4
さらに、ケースB∼Fについては、それぞれ下記の 4 通りの乖離幅についてシミュ
レーションを行った。
図表
1−2
リバランスの乖離幅
基準配分
乖離の上下限 2w
乖離の上下限 3w
乖離の上下限 4w
乖離の上下限 5w
国内株式 国内債券 外国株式 外国債券
45.0
20.0
25.0
10.0
47.0/43.0
(±2.0)
48.0/42.0
(±3.0)
49.0/41.0
(±4.0)
50.0/40.0
(±5.0)
20.9/19.1
(±0.9)
21.4/18.6
(±1.4)
21.8/18.2
(±1.8)
22.3/17.7
(±2.3)
26.2/23.8
(±1.2)
26.7/23.3
(±1.7)
27.3/22.7
(±2.3)
27.8/22.2
(±2.8)
10.5/9.5
(±0.5)
10.7/9.3
(±0.7)
10.9/9.1
(±0.9)
11.2/8.8
(±1.2)
③ シミュレーション結果
シミュレーションの結果から、リターンの高い方からランキングを行った。
全参照期間
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
ケース
F-5w
F-4w
F-3w
E-5w
C-5w
E-4w
C-4w
E-3w
F-2w
C-3w
D-5w
D-4w
E-2w
D-3w
C-2w
D-2w
B-5w
B-4w
B-3w
A
B-2w
G
93年度以降
92年度まで
リターン
(年率)
10.52%
10.47%
10.33%
10.31%
10.28%
10.28%
10.26%
10.20%
10.19%
10.18%
10.16%
10.12%
10.10%
10.08%
10.07%
10.03%
9.89%
9.88%
9.80%
9.76%
9.76%
8.75%
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
ケース
F-5w
F-4w
C-5w
F-3w
D-5w
C-4w
D-4w
C-3w
F-2w
D-3w
D-2w
E-5w
C-2w
E-4w
B-4w
B-5w
E-3w
B-3w
E-2w
B-2w
A
G
5
リターン
(年率)
8.69%
8.62%
8.46%
8.46%
8.43%
8.39%
8.33%
8.28%
8.27%
8.27%
8.19%
8.19%
8.17%
8.17%
8.17%
8.16%
8.10%
8.07%
8.05%
7.99%
7.97%
6.81%
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
ケース
E-5w
E-4w
E-3w
E-2w
F-2w
C-3w
C-2w
F-3w
C-4w
F-4w
F-5w
C-5w
D-2w
D-3w
G
D-4w
A
D-5w
B-2w
B-5w
B-3w
B-4w
リターン
(年率)
8.94%
8.91%
8.88%
8.77%
8.56%
8.54%
8.52%
8.51%
8.50%
8.50%
8.45%
8.41%
8.40%
8.37%
8.33%
8.32%
8.25%
8.24%
8.23%
8.19%
8.17%
8.17%
低リターンのケース
ケース
コメント
G
調整を全く行わないケースGは、他と比較して著しく低い(年率ベース
で1%以上の格差がある)。アセット・アロケーション管理が、いかに重
要であるかが分かる。
A
毎四半期末に基準配分に戻すのがケースAであるが、基準配分への調整
をあまり頻繁に行うと、売買コストがかかるばかりでなく、ある程度持
続性のある相場上昇をとり逃がしてしまうようである。
B
毎四半期末に基準配分に戻すのがケースBであるが、年度末は、年1回
の基準配分に調整するタイミングとしては、適当でないようである。
D
毎2四半期末に基準配分に戻すのがケースDであるが、上四半期末も、
年1回の基準配分に調整するタイミングとしては、適当でないようであ
る。
2W
(B∼F)
B∼Fのそれぞれのケースにおいて、2wのリターンは相対的に低い。
2wは、乖離幅としては狭過ぎて、ケースAと同様の傾向となる。
以上により、選択肢として、ケースC、E、Fの3∼5wが残る。
このうち、CかEかの選択は、基準配分へ戻すのを毎年6月末にするか 12 月末にするか
というタイミングの問題であるので、CとEの平均値とFの比較を行うこととした。
92 年度まで
全参照期間
順
位
1
2
3
4
5
6
ケース
F-5w
F-4w
F-3w
C,E-5w
C,E-4w
C,E-3w
リターン
10.52%
10.46%
10.33%
10.29%
10.27%
10.19%
順
位
1
2
3
4
5
6
ケース
F-5w
F-4w
F-3w
C,E-5w
C,E-4w
C,E-3w
93 年度以降
リターン
8.69%
8.62%
8.46%
8.32%
8.28%
8.19%
順
位
1
2
3
4
5
6
ケース
C,E-3w
C,E-4w
C,E-5w
F-3w
F-4w
F-5w
リターン
8.71%
8.71%
8.67%
8.50%
8.46%
8.45%
結果として、以下のことが明らかになった。
*ウェイトの最も高い国内株式の急上昇・下落期と、ボックス圏とでは、順位が逆転
する。
*全参照期間については、急上昇・下落期の占める割合が大きいので、急上昇・下落
期の順位がそのまま反映される結果となっている。
6
④ 結
論
基金のアセットアロケーション管理のルールとしては
F-3w が最も適当である。
*急上昇・下降期、ボックス圏期のどちらの場合でも、相対的に高い水準のリターン
を確保できるのは、ケース F-3w、ケース C-5w、またはケース E-5w である。
*このうち、ケース C-5w かケース E-5w かの選択は、基準配分への調整のタイミング
(6 月末にするか 12 月末にするか)の問題であるが、現段階では、このタイミングの
判断は容易でない。
*これに比べて、F-3w についてはこのようなタイミング選択の問題は生じない。
*従って、基金としては当面、ケース F-3w のルールでアセットアロケーション管理を
行うのが適当。同時に、ケース C-5w、ケース E-5w 等を選択した場合のシミュレー
ションについても、今後も引き続き行い、その上で運用の効率上、適当と判断された
場合には、ルールを変更することも考えていく。
上記のシミュレーション結果に基づいてリバランス・ルールを策定し、これを当基金の
運用方針に織り込んでいる。実際のアロケーション管理も、毎四半期末のアロケーション
を翌月4営業日までに把握し、基準配分の乖離の上下限の定職した場合には、ただちにリ
バランスを行っている。その際には、ニューマネーやパッシブ・コア・マネジャーを利用
することによって売買コストを極力抑えるよう工夫している。
(3)マネジャーストラクチャー
当基金では、マネジャー評価について「競争原理」を導入し、同じ委託形態、運用スタ
イルについて、複数のマネジャーを採用してきた。
運用の効率性という観点からは、最善の 1 社に絞るべきという考え方もあるかもしれな
い。しかし、第 1 に、マネジャ−間の相対比較により、運用の特色や体制など定性面の特
徴をより明確に把握することができるということ、第 2 に、マーケットに関する情報提供
などのクライアントサービスの向上を期待できるという理由から、現段階では、複数マネ
ジャーを配置している。ただし、競争原理の導入は、本来であれば、マネジャーを選別し
ていく課程において重視されるべきものであって、運用報酬や二重の売買によるコスト増
を排除する意味でも、将来的には、1スタイル1社に集約することを目指していきたい。
マネジャーの評価については、時間加重収益率によるパフォーマンスの定量評価はもち
ろんであるが、定性面での評価も重視している。例えば、新規のマネジャーを採用すると
きには、過去のパフォーマンスの算定にあたって、マネジャーごとに前提条件が異なる場
7
合があり、比較が困難と考えるからである。
定性評価で特に重視しているのは、People(人材)、Process(意思決定プロセス)、
Business(経営)の 3 つである。
People については、十分な知識や経験を有するプロフェッショナルが必要な人数だけで
配置されているかを確認し、運用責任者、主要なファンドマネジャーやアナリストの経歴
等を厳密にチェックする。また、全体的に退職率が高いとか、責任あるポジションにある
人が入れ替わっている場合には、要注意である。
Process については、付加価値はプロセスの中の特にどの部分で得られるのか、また、過
去の実績においても、その通りに付加価値が得られているかを確認することが重要である。
Business は、明確な経営方針が掲げられているか、確立された顧客基盤の上に着実な経
営が行われているか等、経営の質を確認している。
(4)これまでの実績と今後について
ALM分析に基づいたアセットアロケーションの策定、各アセットクラスでのマネジャ
ーストラクチャーの構築、そして、リバランスをルール通り忠実に実行してきたことが功
を奏して、過去5年間累積ベースで業界第1位の成績を収めることができた。
富士通厚生年金基金の運用実績
基金実績
基金平均
(注)
超過収益
1999 年度
2000 年度
2001 年度
2002 年度
2003 年度
累積
16.84%
-8.73%
-3.45%
-14.48%
24.84%
9.92%
13.09%
-9.83%
-4.16%
-12.10%
16.20%
-0.18%
3.75%
1.10%
0.71%
-2.38%
8.64%
10.10%
(注)基金平均は厚生年金基金連合会調査によるもの。
1999 年度
2000 年度
2001 年度
2002 年度
2003 年度
累積
国内株式
35.48%
-24.55%
-16.22%
-24.81%
51.13%
-2.68%
国内債券
2.08%
4.69%
0.95%
4.26%
-1.74%
10.52%
外国株式
3.05%
-6.67%
3.54%
-32.68%
24.07%
-16.83%
外国債券
-17.88%
26.28%
8.44%
15.47%
0.15%
30.04%
8
今後も、①基本ポートフォリオ(運用とリバランス)、②効率的なマネジャーストラクチ
ャーの追求、③優秀なマネジャーの発掘および新たな運用戦略の検討
の 3 点に重点を置
きながら、規律あるアセットマネジメントを行っていきたい。また、海外のグループ会社
の年金も含めた連結ベースの年金の資産運用、さらに、企業財務全体からみたバランスを
考慮した戦略的なアセットマネジメントも検討していきたい。
<参考文献>「企業年金の資産運用」税務経理協会(千田彰子一部執筆)
9
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