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「スマホ使用時の姿勢と体調不良」(vol.66)

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「スマホ使用時の姿勢と体調不良」(vol.66)
理学療法士
上田 政孝
近年、小さい子供から大人までスマートフォン(スマホ)を利用されている方は多い
かと思われます。スマホは通話・メール・カメラだけではなく、インターネット検索・L
INE・フェイスブック・ゲーム・動画等多機能が利用でき、コンパクトで非常に便利な
ツールの一つとなっています。しかし、便利な半面その使用方法によっては体調不良を引
き起こす原因になっていると言われています。
スマホを使用しインターネットやゲーム・動画等を長時間利用してしまい、気付くと肩
や首が凝る。背中が張る。頭痛がする。といった経験をした方も多いと思います。
夢中で操作していると俯いたり、前傾姿勢になってしまいがちです。そのような姿勢で
は首・肩・腰が無理な負荷で頭部を支える為、筋肉の血液循環が悪くなってしまいます。
これが凝り感や頭痛等の原因と考えられています。
人の頭部の重さは体重の約1割と言われている為、体重が50kgの人では約5kgあ
ります。首を前に倒すような前傾姿勢ではその何倍もの負荷が筋肉や関節にかかる事にな
ります。人の背骨は頭の重さを分散させる為、横から見た時にS字になっており、これを
生理的弯曲と言います。この弯曲を維持する事がとても大切です。生理的弯曲が崩れた姿
勢をとり続ける事で慢性的な凝りや痛み、頭痛を引き起こす、引いては姿勢を保持する為
に必要な体幹筋力の低下や関節の変位を招く危険性も考えられます。そのようなリスクを
避ける為にも良い姿勢を維持するように心がけましょう。
①使用時の姿勢
1)座位
・骨盤を立て坐骨に体重がかかるようして座る。
・顎を軽く引き背筋を伸ばし、画面と目線を同じ高さにする。
・軽くお腹を凹ませる。
2)立位
・耳—肩の中心—骨盤の出っ張り—膝のお皿の後ろ—外くるぶしの前
方が一直線になるようにする。
・画面と目線の高さを合わせる。
医療法⼈社団めぐみ会
南大沢メディカルプラザ
リハビリテーション科
②肩や首のストレッチで筋肉の凝りをほぐす
1)首の前側の筋肉を伸ばす
右腕を下ろした状態で腋下に左手の4指を入れ、
親指と4指で胸の筋肉を掴み、そこから首を左に倒し、首が軽く
突っ張る程度まで首を反らす。
呼吸は止めず30秒程度伸ばす。(反対側も同様に行う)
2)肩の筋肉を伸ばす
両手を背中に回し、右手で左の手首を持ち後方に引く。
そのまま首を左に倒し呼吸は止めず、30秒程度伸ばす。
(反対側も同様に行う)
3)肩甲骨の筋肉を伸ばす
両手を組んで前方に突き出して首を軽度前に倒し呼吸は止めず30秒
程度反動をつけず伸ばす。
※注意点:首周囲は大きな動脈や、生命に関わる機能が多いデリケートな部分で
すので、場合によっては症状の悪化を招く危険性があります。その為、まずは整形
外科等医療機関の受診をおすすめ致します。
③姿勢保持の為の筋力トレーニング
1)首を後ろに引くトレーニング
頭を真っ直ぐにし、両手を組んで後頭部に当て、首を後ろに引く。
両手で首が後ろに倒れないように押し返す。15秒キープし元の
状態に戻す。
2)体幹のトレーニング
息を吐ききり、お腹を凹ませた状態で30秒程キープする。
(呼吸は止めない)まずは一日数回行い。慣れてきたら回数を増やす
医学的に人の身体は3か月で変化すると言われています。その為、
悪い姿勢を放置し続けると慢性的な体調不良を引き起こしてしまう事が考えられます。スマ
ホの使用だけに限らず、悪い姿勢には生活習慣が大きく関係していると思います。これを機
に普段から良い姿勢を意識し予防に努めてみてはいかがでしょうか。
医療法⼈社団めぐみ会
南大沢メディカルプラザ
リハビリテーション科
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