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Keysight Technologies U8903B 高性能オーディオアナライザによる

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Keysight Technologies U8903B 高性能オーディオアナライザによる
Keysight Technologies
U8903B 高性能オーディオアナライザによる
Bluetoothオーディオ測定
Application Note
02 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
Bluetooth®オーディオ解析の重要性
Bluetoothオーディオの利用は、日常生活の至る所で見られます。携帯電話では、通話や音楽鑑賞
にBluetoothハンズフリーヘッドセットが使用されています。Bluetoothオーディオは、自動車用
のインフォテインメントシステムにも使用されていて、携帯電話からカー・オーディオ・システ
ムに音楽をストリーミングできます。こうしたデバイスに対して、製品開発、出荷検査、製造テ
ストの一部として、Bluetoothオーディオの測定と解析が必要です。Bluetoothオーディオは、オー
ディオ測定/解析エコシステムインタフェース全体の構成要素でもあり、これにはアナログオー
ディオとデジタルオーディオが含まれます(図1)。ここでは、U8903B 高性能オーディオアナライ
ザのBluetoothオーディオ測定アプリケーションを中心に説明します。
アナログ
デジタル
オーディオ
解析
Bluetooth
図1. オーディオ解析インタフェース
U8903B 高性能オーディオアナライザのBluetoothオプション
図2に、U8903B 高性能オーディオアナライザのBluetooth
( カード)オプションを示します。このオプ
ションには、2個のN型(メス)コネクタがあり、これらのコネクタを2台のBluetoothオーディオ被試験デ
バイス(DUT)に接続できます。このBluetoothオプションの目的は、U8903BとDUT間に無線(OTA)また
は物理ケーブル接続経由でBluetoothリンクを確立することです。接続が確立されると、ACレベル、周
波数測定、歪み(THD)、THD+Nなど、Bluetoothオーディオ解析が実行できるようになります。U8903B
Bluetoothオプションには、Bluetoothジェネレーター (BG)とBluetoothアナライザ(BA)が付属していま
す。Bluetoothオプションには、RF信号解析およびBluetoothプロトコル解析は含まれていません。その
ため、Bluetoothリンクが確立できないと、DUTのオーディオ解析が実行できなくなります。
03 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
フロントパネル
(変更なし)
Bluetoothオプション
(N型コネクタインタフェース)
図2. U8903B Bluetoothオプション
リアパネル
使用可能なオーディオBluetoothプロファイル
U8903B Bluetoothオプションは、HFP(Hands-Free Profile)、A2DP(Advanced Audio
Distribution Profile)、AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)をサポートしています。
HFP(Hands-Free Profile)は、元々、ハンズフリーヘッドセットから携帯電話を制御するために使
用されていました。HFP設定では、オーディオゲートウェイ(AG)が、入力と出力の両方でオーディ
オのゲートウェイデバイスとなります。通常、オーディオゲートウェイとして機能するデバイスに
は、携帯電話とパーソナルコンピューターがあります。ヘッドセット(HS)は、オーディオゲート
ウェイのリモートオーディオ入力/出力メカニズムとして機能するデバイスです。図3に、AGと
HSを示します。HFPは双方向通信で、AGとHSの両方が相互に通信できます。
双方向通信
図3. Hands-Free ProfileのAGとHS
オーディオゲートウェイ(AG)
ヘッドセット(HS)
04 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)を使用すると、HFPに使用されるモノラルエンコー
ドよりもはるかに品質の優れた、ステレオ(左チャネルと右チャネル)オーディオ信号の送信が可
能になります。A2DPアプリケーションの例として、お気に入りの音楽を携帯電話からBluetooth
スピーカーにストリーミングする場合が挙げられます。A2DPで定義されるオーディオデバイスの
役割は、ソースとシンクのふたつがあります。ソースは、シンクデバイスに供給されるデジタル・
オーディオ・ストリームの音源として機能するデバイスです(図4を参照)。
®
ステレオ音楽
シンク
(スピーカー)
ソース
図4. A2DPでのソースとシンク
AVRCP(Audio Video Remote Control Profile)は、他のデバイス上でのメディア再生をリモート制
御する際に使用されます。例えば、リモートBluetoothヘッドセットは、AVRCPコマンドを使用
して携帯電話上でスキップ、先送り、休止、再生、音量の増減ができます。ほとんどのBluetooth
オーディオデバイスには、通常、AVRCPとA2DPがあります。AVRCPで定義されている役割は2つ
あります。1つはコントローラー(例えば、ステレオヘッドセット)、もう1つはターゲットデバイ
ス(例えば、携帯電話)です。
音楽ストリーミング
再生/停止、中止、
音量増減
ターゲット
コントローラー
図5. AVRCPのコントローラーとターゲット
05 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
Bluetoothオーディオレシーバーの解析方法の例
これは、U8903B Bluetoothオプションを使用してBluetoothオーディオレシーバーの性能をテス
トする方法の例です。DUTは、アナログオーディオ出力を備えたBluetoothオーディオレシーバー
です。オーディオレシーバーは、ソースからBluetoothオーディオ信号を受信し、それをアナログ
オーディオに変換します。図6に、測定セットアップを示します。U8903Bは、Bluetoothオーディ
オ・テスト・トーンを生成してDUTに送信し、DUTから受信したアナログオーディオの品質を解
析します。
Bluetoothオーディオ出力(RF)
U8903B
オーディオアナライザ
(Bluetoothソースとして)
アナログ
オーディオ
入力
DUT
Bluetoothオーディオ
レシーバー
アナログ
オーディオ
出力
図6. Bluetoothオーディオレシーバーの性能を
解析するための測定セットアップ
詳細手順
以下に、U8903BのBluetoothオプションの操作方法に関する簡単な手順ガイドを示します。
1.
300 mFFS、1 kHzトーンを生成するようにBluetoothオーディオジェネレーターのチャネル
1(BG1)を構成します(図7参照)。
– []ボタンを押して上のウィンドウを強調表示
– [Interface]を押して、アナログジェネレーター (AG1)からBluetoothジェネレーター (BG1)
に変更
– {Waveform Config} � {Amplitude}を選択 � [300]を押し、{mFFS}を選択。{Return}
を押す
– {Frequency}を選択 � [1]を押し、{kHz}を選択。{Return}を押す
チャネル1
(BG1)
振幅
戻る
図7. Bluetoothジェネレーターの設定
06 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
詳細手順(続き)
2.
U8903BとDUT間のBluetoothリンクを設定します。
– {Link Config} � {Device Scan} � {Device Search}を選択
U8903Bは、周囲のBluetoothデバイスの検索を開始します。複数のデバイスを検出する
可能性があります。検索プロセスが終了すると、U8903Bは、検出したBluetoothデバイ
スのリストを表示します。図8に示すように、矢印キーを使用して目的のDUTを選択し
ます。
図8. Bluetoothデバイスのスキャンと
検索
3.
ペアリングしてDUTのA2DPプロファイルを接続します。
– {Device Action} � {Pair Device}を選択
– {Profile Connection}を選択 � []キーを使用して{Connect A2DP}を選択 � [Enter]。
A2DPプロファイルが正常に接続されると、図9に示すように、“Connection Info”表示で
A2DPが強調表示されます。
図9. ペアリングとA2DPプロ
ファイルの接続
4.
DUTでメディア(A2DP)を開きます。
– {A2DP Operation}を選択 � [   ]キーを使用して{Open Media Connection}を選択
� [Enter]
メディアを開くアクションが成功すると、使用中のコーデックとサンプリングレートが
Connection Infoボックスに表示されます(図10)。
07 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
詳細手順(続き)
図10. A2DPのメディアのオープン
5.
Bluetoothリンクの設定が完了しました。DUTは、Bluetoothテストトーン(300 mFFS、
1 kHz)をU8903Bから受信できます。次に、Bluetoothジェネレーター (BG1)ウィンドウに
戻り、BG1をオンにします。DUTからのアナログオーディオをU8903Bで測定/解析するに
は、アナログ・アナライザのチャネル(AA1とAA2)をオンにし、必要な測定機能を設定しま
す。図11に、測定結果の例を示します。
アナログオーディオ測定
ACレベル対周波数応答
図11. 測定と周波数応答の例
THD対周波数応答
THD+N対周波数応答
まとめ
U8903B 高性能オーディオアナライザに搭載されたBluetoothオプションは、Bluetoothデバイスのオーディオ性能を測定するための優れたソリュー
ションです。A2DPプロファイル用にBluetoothリンクを設定するには、4つの簡単なステップ(検索、ペアリング、接続、メディアのオープン)を実
行する必要があります。Bluetoothオプションは、注文時にあらかじめ設定できます。
U8903B 高性能オーディオアナライザと新しいBluetoothオプションの詳細については、
www.keysight.co.jp/find/audioanalyzer を参照してください
08 | Keysight | U8903B Bluetoothオーディオ測定 - Application Note
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Published in Japan, April 20, 2016
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