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「RFIDを取り巻く現状と課題」

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「RFIDを取り巻く現状と課題」
RFIDを取り巻く現状と課題
㈱富士総合研究所
ICタグプロジェクトチーム
紀伊 智顕
2004/8/3
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1.RFID関連市場の近年の動向
①RFID関連出荷金額の推移
出荷金額(百万円)
伸び率(%)
80%
20,000
72%
18,000
16,000
出荷金額
伸び率
14,000
31%
12,000
8%
10,000
6,858
6,105
6,000
5,485
4,853
43%
60%
15,602
13,548
40%
9,839
-12%
8,000
17,314
38%
20%
15%
11%
5,236
0%
-20%
3,195
4,000
2,000
-40%
-48%
0
-60%
1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
分類:リーダライタ、RFID、応用機器、付属品を対象
出典:(社)日本自動認識システム協会「自動認識市場規模調査」H15.1∼12
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ICタグPT
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②RFIDの想定マーケット(1)
(クローズドマーケット)
企業内、ある一定のエリアなどの限られたフィールドで導入・活用。
ユーザの要求によりRFID性能・システム仕様をカスタマイズ可能。
RFIDは回収・再利用が前提となるため、高価格は障害にならない。
すでに導入が進み、効果が得られている事例もある。
製造工程管理
図書館・カルテ管理
クローズドマーケットでの
RFID適用例
資産管理
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航空手荷物
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③RFIDの想定マーケット(2)
(オープンマーケット)
製品・企業・業種・国家に限定されないグローバルな活用。
あらゆる場面で利用可能であるよう、規格の標準化が必要。
すべてのシーンで1つのRFIDを共用するため、使い捨てが前提と
なり、低価格化が必要。
実現のためには、様々な課題を克服する必要がある。
食品トレーサビリティ管理
商品・在庫管理
オープンマーケットでの
RFID適用例
SCM
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リサイクル
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④主な導入例(国内)
フランドル
「ルスーク」の全51店で携帯型の読取機を使用。業務の約
35%を占める在庫管理などの物流業務の負荷が大幅削減し
た。棚卸も1時間販前後が約15分に短縮。
阪急百貨店
梅田本店婦人靴売場でICタグを使った在庫管理を実験。
JANコードを使った従来のシステムでは在庫の有無や保管
場所の確認に時間がかかるが、ICタグ導入により、色、サイ
ズの有無まで瞬時に検索可能。
JR貨物
2004年1月に9万個の全コンテナにICタグを導入し、駅構内
のコンテナ位置を把握するシステムを運用開始。総投資額
は60億円、従業員200人削減、業務費7億円削減を見込む。
元気寿司
50分以上回っている皿を発見、自動で廃棄するICタグシステ
ム。タグは500円/個、読み取り装置やコンベヤー、皿洗い機
等システム全体1店舗当たり1千万円台。
富里市立図書館など 蔵書にICタグを取り付け、貸出・返却作業の合理化や棚卸作
業の省力化、盗難防止などを図る。
(出展) 富士総研作成
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⑤主な導入例(海外)
ラスベガス空港
香港空港
メトロ
テスコ
ウィーン図書館
旅客から預かる手荷物をICタグで追跡するシステム。5年間
で1億個のタグを25セント(約30円)/個で購入。
搭乗手続き後の手荷物の行き先別仕分けにICタグシステム
を導入。3年間で約5000万枚の使用を見込む。
2004年11月までに上位100社にタグ装着を要請、2006年3月
には300社に拡大する計画。
小売業務処理に無線タグを導入すると発表。開始は2004年
11月からで、グループ4部門向け10箇所の中央倉庫と250店
向けの輸送用パレットや梱包商品に無線タグをつける。
2003年3月に、棚にあるひげそり刃のパッケージの数をICタ
グで常に監視する万引き防止システムを導入。プライバシー
侵害を懸念した消費者団体が8月から不買運動を展開。
2003年4月の改装にあわせ、書籍24万点とCD・DVD6万点
にICタグを取り付け、貸出・返却作業の合理化や棚卸作業
の省力化、盗難防止などに活用。
(出展) 富士総研作成
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⑥ウォルマートの動き
時期
納入業者数
2004年4月
8社(21品目)
2005年1月
トップ100社
自発導入37社
導入場所
物流センター1カ所+7店舗
2005年6月
物流センター6カ所+250店舗
2005年10月
物流センター13カ所+600店舗
2006年1月
トップ300社
使用するRFID
UHF帯
Class1?
Gen.2?
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対象物
パレット/
ケース
家電等大型
製品は個品
販売時RFID貼付を
消費者に告知
廃棄は消費者が判断
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2.RFID開発の現状と今後の展開
①周波数帯別RFIDの例
DNP社製ACCUWAVE
(13.56GHz):85mm×48mm
SCS社製S-ラベル(2.45GHz):46mm×9mm
エイリアン社製UHFタグ:100mm×13mm
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②周波数別RFID特性
周波数帯
長波(LF)
∼135KHz
通信方式
読み取り距離
短波(RF)
13.56MHz
電磁誘導方式
数cm
1m程度
極超短波(UHF)
マイクロ波
2.45GHz
433MHz
800/900MHz
電波方式
3∼8m程度
2m程度
読み取り速度
低
高
電波の回り込み
高
低
水の影響
低
高
主な用途
家畜管理、
無線ICカード、
物流管理、
物流管理 等
食堂清算 等 製造工程管理、
盗難防止、
図書館管理、 リサイクル管理 等
入退室管理 等
その他
携帯電話、アマチュア 無線LAN、電子レ
無線と同じ周波数
ンジと同じ周波数
平成16年度中に制度化
される予定
(出展) 富士総研作成
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③周波数別の通信イメージ
UHF(900MHz帯)では「最大で3∼8m程度」と、
かなりの通信距離があり、交信エリアも広い。
アンテナ
13.56MHz
(1m程度)
RFID
アンテナ
2.45GHz
(2m程度)
900MHz帯
(3∼8m程度)
125KHz
(数cm程度)
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3.RFID普及における課題
①RFID普及への主な課題
RFIDの低価格化
規格の標準化
プライバシーの保護
UHF帯の開放
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②RFIDの低価格化
普及が進めば安くなる…
先行普及が期待される米国では、今後1∼2年間で5セ
ント程度までRFID単価が低下すると予想。ただし、1社あ
たり数十億個規模の量産体制が前提。
経済産業省が3∼5円のRFIDを開発する「響プロジェク
ト」を平成16年度より開始。
それでも、1∼2円程度のバーコードとコスト差がある。導
入に対する対費用効果の見極めが必要。
物流現場での幅広い導入には「ソースタギング」の解決
も必要。
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③規格の標準化
EPC globalとISO規格の統一が必要
既存データ体系(バーコード等)との共通化も必要
課題
①RFID・リーダ間の通信仕様の標準化
②商品を表す番号体系(商品コード)の標準化
発番機関コード
企業コード
品目コード
シリアル番号
(各企業で内容管理)
(各企業で内容管理)
例:車体番号
例:プリウス
ロット番号
メリットシャン
識別子の共有
プー
それぞれのコードのデータ長は特段定めず、必要に応じ共通の識別子を挿入。その識別子としては、国際的に広く共有されている
ISO15418として規格化された識別子を活用。
発番機関コード
ISOで標準化されているIACコード(ISO15459)を活用
(例)JAN→45又は49、CII→LA、D-U-N-S→UN
(JAN, CII, Duns な
ど)
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(A㈱、Bブランドな
例:トヨタ
ど)
花王・・・
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④RFIDに関連したISO規格
ISO15963
(ユニークIDに
関する仕様)
RFID
ISO18000
-1~7
ISO15962
(データ形式・
データ処理方法
に関する仕様)
(無線通信方式
に関する仕様)
通信
R/W
通信
ISO15961
(APIのコマンド体系
に関する仕様)
ホスト・アプリ
ケーション
ISO18000-1
参照構成および規格化するパラメータの定義
ISO18000-2
135KHz以下の無線通信方式
ISO18000-5
5.88GHz帯の無線通信方式
ISO18000-3
13.56MHz帯の無線通信方式
ISO18000-6
860∼960MHz帯の無線通信方式
ISO18000-4
2.45GHz帯の無線通信方式
ISO18000-7
433MHz帯の無線通信方式
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⑤プライバシーの保護
経産省と総務省が「プライバシー保護ガイドライン」を共同で策定し、
本年6月に公表。
RFIDが商品に装着されていることを認識せずに消費者が所持し、
その商品の属性などの情報を望まない形で読み取られ、不当に利用
される危険性への対応策を規定。
概 要
(1)RFIDが装着してあることの表示・説明などの義務付け
(2)RFIDの読み取りに関する消費者の最終的な選択権の留保
(3)その他
①読み取りを停止した時に社会的利益や消費者利益が損なわれる場合の情報提供
②個人情報データベースとRFIDの情報を連係する場合の個人情報保護法の適用
③個人情報をRFIDに記録した場合における、当該情報の取り扱いに関しての規定
④情報管理責任者の設置
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等
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⑥UHF帯の開放
UHF帯の利用はRFIDの国内普及の必須条件
通信距離の長さや電波の周り込み特性等、他の周波数帯に比べて
利用特性が高い。
米国EPC globalが推奨しており、世界標準に最も近い。
米国での先行導入・普及により、生産量の増大や技術革新がもたらさ
れ、コストの低下が期待される。
現在の電波法の規定では、個々のRFID利用箇所について、隣接する
携帯電話に対する影響度を審査した上で、総務省の利用許可が必要。
電波法の改正による950MHz帯の
RFIDへの開放が待たれる
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⑦RFID導入による運用形態の変更
積み付け・検品回数は
増えたが、作業時間は半減
このままRFIDを導入しても、
読取精度は悪い
運用形態を変更
積付個数を半減
4(横)×3(奥)×2(縦)=24個
既存バーコード
RFID導入
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2(横)×3(奥)×2(縦)=12個を2回
積み付け
検品
合計
60秒
120秒
180秒
30秒×2
7秒×2
82秒
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⑧読取精度向上のための工夫例
家電実証実験H14
家電実証実験H15
シングルゲート
ダブルゲート
読取精度/スピード
の向上
評価用プログラムの改良
新規プログラムを開発
128バイトを一括読み取り
必要な項目のみ読み取り
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4.今後のRFID普及の見通し
①RFIDの将来市場予測
発表機関
国内
海外
総務省
(経済波及効果)
将来の予測規模
9∼31兆円
(2010年度)
㈱矢野経済研究所
37.7億円
(2003年度)
242.8億円
(2010年度)
アクウェリアス社
270億円
(2003年度)
3500億円
(2010年度)
ABI社(米国)
ヤンキーグループ
(米国)
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現在の市場規模
31億ドル
(2008年度)
42億ドル
(2008年度)
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②普及に向けての動き
現在のRFIDを巡る状況はやや過熱気味。過剰な期待に
対する反動で、一時的な失望感が広がる可能性有り。
その一方で、クローズドマーケットでの普及、オープン
マーケットでの導入により、RFID性能の弱点をカバーす
る運用など、様々なノウハウが蓄積。
タグバブル
一般普及への課題を克服、
本格的な普及
RFIDを取り巻く環境が
10∼100円
成熟する3∼5年後から
3∼5円
本格的な普及期が到来。
タグの価格
産業界における
ICタグの注目度
(出展) 富士総研作成
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2004年
2005年
2006年
2007年
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お問い合わせ先
株式会社富士総合研究所 リサーチ・アンド・サイエンス部門
ICタグプロジェクトチーム 紀伊リーダー
〒101-8443 東京都千代田区神田錦町2−3竹橋スクエア8F
E-mail:[email protected]
URL:http://www.fuji-ric.co.jp/
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