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九州ベトナム経済交流調査団 報告書

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九州ベトナム経済交流調査団 報告書
報 告 書
九州ベトナム経済交流調査団
(社)九州経済連合会/九州経済国際化推進機構
報 告 書
九州ベトナム経済交流調査団
目
次
1. 結果概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2. 参加者名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
3. スケジュール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
4. 視察、会談概要
(1)
ロテコ工業団地及び「MUTO VIETNAM」視察
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
(2)
ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)視察
(3)
ジェトロホーチミン訪問
(4)
ホーチミン日本商工会等との懇談会
(5)
ZEN PLAZA視察
(6)
野村ハイフォン工業団地(車中)視察
(7)
ハイフォン港視察
(8)
ベトナム計画投資省 シン副大臣訪問
(9)
ベトナム商業省 ルェ副大臣訪問
(10)
日本大使館、ベトナム日本商工会等との懇談会
(11)
タンロン工業団地視察
(12)
国際協力銀行ハノイ事務所訪問
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
(13)
ベトナム工業省 ハオ副大臣訪問
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
(14)
ベトナム商工会議所(VCCI) ロック会頭訪問
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
(15)
ホアラックハイテクパーク及び「NOBLE」視察
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23
(16)
関係者住所一覧
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.参考:ベトナムカントリーペーパー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
別添: ベトナム関係機関との会談議事録
計画投資省(MPI)シン副大臣との会談議事録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
商業省ルェ副大臣との会談議事録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
工業省ハオ副大臣との会談議事録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ベトナム商工会議所ロック会頭との会談議事録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
27
31
36
40
44
九州ベトナム経済交流調査団 結果概要
― 政府関係者より九州とベトナムとの継続的経済交流について協力的発言 ―
― ベトナム商工会議所会頭より長期的な関係構築について発言 ―
■期間 平成 19 年 1 月 21 日(日)∼1 月 28 日(日)
■目的 ベトナムと九州地域との経済交流の方向性と可能性について考察。また、ベトナム商工
会議所との継続的経済交流構築を模索するため、九州の産官関係者30名が訪越。
■主な訪問先(ハノイ、ホーチミン、ハイフォン)
・ ベトナム計画投資省 シン副大臣 他
・ ベトナム商業省 ルェ副大臣 他
・ ベトナム工業省 ハオ副大臣 他
・ ベトナム商工会議所 ロック会頭 他
・ 工業団地(ロテコ、VSIP、野村ハイフォン、タンロン、ホアラックハイテクパーク)
・ 関係機関(JETROホーチミン、JBIC)
【結果概要】
○これまで九州企業・産業界にとって関係強化が遅れていたベトナムについて、現地情報の収
集、意見交換、視察を実施することにより、急発展するベトナム経済及び同国に対する海外か
らの直接投資の急増等の実態について、実地見聞を得ることができた。
○政府機関においては、計画投資省シン副大臣、商業省ルェ副大臣、工業省ハオ副大臣と面談
し、九州側からベトナム商工会議所との継続的経済交流を目的として訪越していること、関係
政府にはその目的達成に向けた協力を打診。各省から「便宜的な協力」「情報提供」等につい
て言及。「ベトナム商工会議所との関係促進を進めて頂きたい」旨発言。
○ベトナム商工会議所においては、ロック会頭と面談。団長から「今後継続的にパートナーシップ
を形成していきたい」旨の発言に対し、ロック会頭から「長期的な関係を築いていきたい」との
返事があった。
○調査団の成果・課題として
◆ 九州経済界として、オール九州を代表する企業が勢揃いした初の本格的海外経済調査団
の派遣となり、国際活動プレゼンスの向上に大きく寄与。
◆ 越側から、先の安倍総理訪問、御手洗経団連ミッション後、最初の経済訪問団が九州から
であった点は評価された。
◆ 今後の経済交流促進のためのベトナム政府機関、経済主要関係機関及び在越日系関係
機関等とのネットワーク形成に成功した。
◆ ベトナム商工会議所との継続的経済交流構築については、その具現化に向けた更なる調
査が必要であること、ベトナム政府及び産業界側が海外投資誘致及びODA獲得を期待し
た対応等から、今後効果的交流戦略を再構築することが課題。
1
(参考:現地情報まとめ)
1 概要
(1)生産
・ ベトナムの発展段階は、1960 年代の日本に良く似た状況である(在ベトナム日本大使
談)。
・ ここ5年間は、軽工業から重工業(鉱業・機械工業等)へシフトしており、さらにハイテク産
業への段階的工業化戦略をもつ(工業省副大臣談)。外資主導の戦略を打ち出しており、
海外からの直接投資、特に日系企業に対する進出期待大(計画投資省、商業省、工業省、
ベトナム商工会議所談)。
・ ベトナム国内の日系工業団地には、電機・自動車関連等の大手企業が既に多数進出。
・ 日系工業団地内では通関手続等のワンストップサービスを実施している。
(2)インフラ
・ 主要都市内の道路(ハノイ、ホーチミン)は、整備進行中(不十分)であり、本格的な高速
道路整備はほとんど進んでいない(国際協力銀行ハノイ首席談)。しかし、日系工業団地
と主要都市を結ぶ幹線道路には特段の問題はない。
・ 空港は、ハノイ・ホーチミン市内からそれぞれ車で 1 時間弱とアクセスの問題なし。
・ 港湾は、ベトナム北部最大のハイフォン港でも水深6メートル程度で浅いが、今後掘削・
拡張整備を予定している。
・ 電力供給については、水力発電の比重が高いため、安定供給に大きな課題があるが、
一部日系工業団地内では独自に改善策を得ている。
(3)労働力
・ 人口約 8,300 万人のうち、20 歳以下が5割、40 歳以下が8割と若年労働力が豊富である。
また、工業団地前の掲示板で従業員募集すると、100 人に対し 2 倍から 5 倍の求職者が
集まる状況である。
(4)消費
・ ベトナムでは、欧米・韓国製に比べ、日本製の自動車・バイクが目立つ。また電機も日系
メーカーの製品を扱う中小小売店が多い。(インド市場と比較した場合、日本製品の浸透
度が高い)
・ これまでのベトナムの3種の神器は、バイク、テレビ、洗濯機(冷蔵庫)だったが、普及率
の向上に伴い、現在の3種の神器は、携帯電話、エアコン、3 階立ての家といわれている。
しかしながら消費市場はまだまだ未成熟の印象。
・ ベトナム国民の貯蓄性向は高く、貯蓄は越僑からの送金も含め、数十∼数百万円程度を
有する家計も多いとのこと。
(5)法制
・ ベトナムの WTO 加盟により、外国投資法が見直され、06 年 7 月から共通投資法、統一企
業法が発効するなど法整備が進んでいる。しかし日系企業が現地生産を行う上で煩雑な
手続きがあった、また法解釈に曖昧な部分があり、所管省庁との調整コストがかかったと
の声も聞かれた。
≪結論≫
生産、インフラ、労働力等、どの切り口からみても、ベトナムの発展ポテンシャルは高く、投
資・取引先として、今後有望な選択肢のひとつ。
2
3
バンコク
約1,500km / トラック輸送
所要日数 : 約3 日
06年12月、第2メコン橋開通
ハノイ ⇔ バンコク
ムクダハン
ビエンチャン
ハノイ
ダナン
ホ−チミン
サバナケット
ドンハ
東莞
深セン
約1,800km
鉄道輸送・トラック輸送
所要日数:約3∼5日
ハノイ ⇔ ホーチミン
約1,400km / トラック輸送
所要日数:約2日
ハノイ ⇔ 東莞
南寧
中国とアセアンの掛橋として注目されるハノイ
2 総括
(1)ベトナム投資の優位性と留意点
≪優位性≫
○ 政治的・社会的安定
○ 対日感情が良好
○ 低廉で質の高い労働力が豊富
○ 83百万人市場の潜在成長性
○ 中国とアセアンを結ぶ地政学的位置
○ 日越関係が良好
≪留意点≫
○ 進出の目的を明確にする
○ 文化の違いを認識する
○ 十分な企業化調査の実行
○ 余裕を持った事業計画(特に社員導入
教育)
○ 部品の現地調達品の確認
○ 進出目的にあった進出形態の選択
○ インフラの整った土地の選択
○ 人脈の掌握(地縁、血縁)
合弁の場合は、良いパートナーを選ぶ
○ 交渉は安易な妥協をせず、忍耐強く行う
(ODA,貿易,投資額,日越共同イニシアティブ)
※日本 ODA 額;908億円/06年,累計;1兆982億円
(2)日系企業の進出理由・問題点
≪進出理由≫
○ 中国とのリスクヘッジ
○ 大企業追随とアジアからのシフト
○ 部品調達先・販路としての中国の活
用
○ 投資環境の好転(米越通商協定の
締結他)
○ ベトナム国内市場狙い
≪問題点≫
○ 現地部品調達が困難
○ インフラ整備が不十分
○ 政府の不透明な政策運営
○ 通達・規則内容の周知徹底が不十分(施
行細則が交付されないケースがある)
○ 技術者・中間管理職の人材確保が困難
○ 労働力不足と最低賃金値上げ
(3)南北の比較
※ 業種・業態により、進出地域の南北選択の見極めも重要。例えば、ハイテク関連・加工
輸出型産業は北部、食品加工等国内マーケット向け業種は南部などの立地適性の検討
必要。
≪北部≫
≪南部≫
○ 高温多湿で四季あり(夏暑く、冬寒
○ 熱帯気候、一年中「夏」
い)
○ 圧倒的に豊かな農業環境
○ 農業にとって過酷な自然環境
○ 何もしないで食べていける
○ 共同作業に慣れている
○ おおらかで南国気質(一見人懐っこい)
○ 集村形態
○ 飢えと寒さを知らない(粘りがない)
○ 仲間意識が強い(懐に入れば強固な
○ 散村形態(他人行儀)→都会的
信頼関係)
○ 宵越しの金は持たない(その日暮らし
○ 外敵の侵入に強い(→SARS)
で刹那的な一面も)
○ 倹約的で堅実
○ 米国流資本主義を謳歌
○ 中国的で日本的(何だかほっとする)
○ 北を気にした行政(過度に官僚的)
○ 生活に緊張感がある
○ 北部人への恨みと諦め
○ 資本主義の経験が乏しい
○ 理論に弱く、計画性に乏しい
○ 官僚的(?)
○ 仲間意識が乏しい(自己中心的)
○ サイゴンへの憧れとコンプレックス
○ 政府、官庁への強い不信感(戦争の
○ 理屈っぽい性格(理論派)
傷)
4
参 加 者 名 簿
企業・団体名
役 職
氏 名
(業種)
会長
鎌田 迪貞
(経済団体)
(国)
<団長>
1
(社)九州経済連合会
/九州経済国際化推進機構
<団員>
2
九州経済産業局
国際部長
斉藤 光好
3
福岡県
商工部次長
松家
4
(社)九州経済連合会
専務理事
古賀 武司
(経済団体)
常任幹事/専務理事
橋本 洸
(経済団体)
5
九州商工会議所連合会
/福岡商工会議所
繁
(地方自治体)
6
福岡県農業協同組合中央会
専務理事
安河内 毅
(農業団体)
7
住友商事九州㈱
取締役社長
吉元 利夫
(総合商社)
8
双日株式会社 九州支店
支店長
竹下 量
( 〃 )
9
三井物産㈱ 九州支社
九州支社長
松山 良一
( 〃 )
10 三菱商事㈱ 九州支社
業務経理部業務チーム チームリーダー
池田
( 〃 )
11 九州電力㈱
海外事業部海外事業開発第 1 グループ長
立川 康之
(エネルギー)
12 九州電力㈱
秘書課 会長秘書
高野 浩司
( 〃 )
13 石川島播磨重工業㈱ 九州支社
支社長
竹園 良雄
(プラント関係)
14 西日本技術開発㈱
取締役(土木副本部長)
久田 幹夫
( 〃 )
15 ㈱ワイビーエム
代表取締役会長
吉田 哲雄
(機械製造業)
16 (有)イベロジャパン
代表取締役
芝山 温
17 九州旅客鉄道㈱
代表取締役専務
本多 修一
(鉄道・運輸等)
18 西日本高速道路株式会社九州支社
総務企画部 企画調整グループサブリーダー
上田 武志
( 〃 )
19 西日本鉄道㈱
自動車本部 副本部長
上中 哲次
( 〃 )
20 ㈱日立システム九州
取締役社長
市山 信也
(情報通信)
21 ㈱麻生
取締役
橋本 新平
(人材・医療・環境)
22 (有)山田銘木店
代表取締役社長
山田 賢一
(木材加工)
23 国際協力銀行 大阪支店
総務課長
高橋 信介
(金融)
24 九州経済産業局
国際部国際事業課 国際事業係長
松林 義和
(国)
25 九州経済産業局(福岡市)
国際部国際企画調査課 企画調査係長
姉川 雄一
( 〃 )
26 福岡県
国際経済観光課 課長補佐
重松 典子
(地方自治体)
27 福岡県
商工政策課 企画主幹
江崎 雅彦
( 〃 )
28 (社)九州経済連合会
総務企画本部長
平井
29 (社)九州経済連合会
総務企画本部主査(企画グループリーダー)
久保 文一
( 〃 )
30 (社)九州経済連合会
総務企画本部国際グループ調査役
福島 香世
( 〃 )
※ (独)中小企業基盤整備機構 国際化支援アドバイザー 首藤章三氏 25∼26日現地参加
5
敦
彰
( 〃 )
(経済団体)
スケジュール
日程
1/21
(日)
開始
8:00
10:10
13:45
17:30
19:00
終了
11:40
16:15
18:00
20:00
スケジュール
福岡空港
福岡 →
台北 →
空港 →
夕食
集合
台北
ホーチミン
ホテル
交通/会場
(CI-111)
(CI-685)
バス
「ソングーレストラン」
【ホーチミン:ニューワールドホテル・サイゴン泊】
1/22
(月)
8:40
9:30
12:00
13:00
15:30
17:30
9:30
11:30
12:40
14:30
17:00
19:30
ホテル → ロテコ工業団地
◇ロテコ工業団地視察
昼食
◇ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)視察
◇JETROホーチミン訪問(ブリーフィング)
◇ホーチミン日本商工会等との懇談会
バス
「ソンベゴルフクラブ」
JETROホーチミン
ニューワールドホテル・サイゴン
【ホーチミン:ニューワールドホテル・サイゴン泊】
1/23
(火)
1/24
(水)
1/25
(木)
1/26
(金)
9:40
10:00
12:00
13:00
15:30
17:20
10:00
12:00
13:00
15:30
16:00
19:20
9:00
9:40
10:30
12:00
13:30
9:40
12:00
13:30
17:00
8:00
11:45
14:00
15:30
11:45
13:20
15:15
17:00
18:00
20:30
9:00
9:30
11:45
13:30
15:00
16:15
17:30
9:30
11:00
13:10
14:30
15:30
17:00
19:00
OP
1/27
(土)
1/28
(日)
8:30
11:35
16:45
9:20
15:15
19:50
ホテル → ZEN PLAZA
◇ZEN PLAZA視察(概要説明・館内視察)
昼食
ホーチミン市内視察(サンフラワー訪問)
→ ホーチミン空港
ホーチミン → ハイフォン
【ハイフォン:ハーバービュー泊】
ホテル → 野村ハイフォン工業団地
◇野村ハイフォン工業団地視察(車中より)
◇ハイフォン港視察(ブリーフィング含む)
ハイフォン港 → バイチャイ港
ハロン湾視察【船内昼食】
【ハロン:ハロン・プラザ泊】
バイチャイ → ハノイ
昼食
◆計画投資省 シン副大臣 訪問
◆商業省 ルェ副大臣 訪問
◇在越日本大使、JETROハノイ、ベトナム日本商工
会等との懇談会
【ハノイ:デウー泊】
ホテル → タンロン工業団地
バス
「マンダリン」
バス
(VN-282)
バス
バス
バス
ソフティルメトロポールホテル
計画投資省
商業省
デウーホテル
バス
◇タンロン工業団地視察
◇在越日本大使館服部大使主催昼食会(15名)
◇国際協力銀行訪問(ブリーフィング)
◆工業省 ハオ副大臣
◆ベトナム商工会議所 ロック会頭 訪問
◆ベトナム商工会議所との懇談会
【ハノイ:デウー泊】
A ホアラックハイテクパーク視察+ハノイ市内視察
B ホアラックハイテクパーク視察
C フリー
【ハノイ:デウー泊】
ホテル → ハノイ空港
ハノイ → 台北
台北 → 福岡
6
大使館/「エンペラー」
国際協力銀行
工業省
ベトナム商工会議所
「サンホーレストラン」
バス
CI-684
CI-110
ロテコ工業団地および「MUTO VIETNAM」視察
日 時 2007年1月22日(月)9:30∼11:30
場 所 Loteco IZ., Bien Hoa City, Dong Nai Province(ハイフォン市)
対応者 ロテコ社 副社長 沢崎健三 氏
MUTO VIETNAM
社長 二村道行 氏
概 要
○ ロテコ社 会議室におけるロテコ工業団地ブリーフィング
・
・
・
・
・
敷地面積100haは、すべて完売している状況。
現在のテナント数50社、内11社が日系企業。なお日系企業の土地占有率は、
45%。ベトナムスズキのみで16ha。
第Ⅱ期計画もあるが、拡張敷地が国防省所有であり、現在、同省の市街地移転先
候補にあがっているため、見通しが立たない状況。
同工業団地の投資ライセンス取得は、1996年取得したが、その後のアジア通貨危
機もあり、当初の入居は低調であったが、2001年の米越通商協定を機に投資が加
速し、2005年に完売。
インフラ面では、当初、近隣のビエンホアⅡ内の変電所から電力供給を受けていた
が、距離の問題もあり、不安定な状況であった。出資している双日㈱の特別損失の
関係で、変電所整備が遅れたためであるが、2004年6月にようやく敷地内に変電
所設置がなされ、電力供給が安定した。
2015年、新国際空港をロテコ近郊の「ブンタウ」に建設予定。
7
MUTO VIETNAM 工場視察
企業概要
設立 1995年6月
出資者 武藤精工、豊田通商
社員数 1,400名
主力製品 金型設計、製作、プラスチックパーツ製造、DVDビデオ用ボディ製造 他
主たる納入先 武藤精工(日本)、キヤノンベトナム等
特徴等
・ 本社はビエンホアⅡに構えており、昨年2月ロテコへ進出。68%を親会社である武
藤精工へ、6%をキャノン向け輸出している。なお、北部工場もあり、そちらはほぼ
100%キャノン向けとなっている。中国、タイ、ベトナムの3ヶ国で進出先を検討し、
製品の性格から最も国民が器用で真面目であるベトナムを選定した。
・ 人材育成については、技術学校で、30名3ケ月の研修の後、日本側(武藤精工)に
て、3∼6ケ月の技術研修を行っている。
・ 中間管理職クラスの採用は、留学生の採用に努め、2年間武藤精工で勤務した後、
ベトナム国内企業で採用している。
・ また、幹部スタッフ及び技術スタッフには、3回/週日本語研修を行っている。
・ 大学卒は、プライドが高く、後々トラブルとなるケースもあり、能力の高い高卒を採用
するほうが良い。
・ 会社方針は、「今日の糧より未来の糧へ」だが、ベトナム人は、なかなか長期的な視
点で物事を捉えることができないため、危機管理能力に欠ける。
・ 近時、インテルの投資が決まり、特にマネージャークラスの現地人材引き抜き対策
が急務となっている。
・ 日本からの指示をベトナム語に訳すことに大変苦労している。
8
ロテコ工業団地および視察先(MUTO VIETNAM)について
o 双日60%、ベトナム側40%出資のLOTECO社が開発。ベトナム南部初の日系主体の工業団地
o ベトナム南部ホーチミン市の北東約30kmに位置し、市内からは車で約40分
1
工業団地名
2
3
4
5
開設年
事業主
事業形態
工業団地住所・連絡先
6
7
現地日本人担当者
立地
8
9
10
11
残り面積/総開発面積
土地リース期間
土地リース価格
賃貸工場の有無
12
付帯設備
13
14
15
16
17
18
電力供給
電力料金
工業用水
下水廃水処理
通信設備
地盤・水害対策
19 労働コスト
20 入居企業数
21 入居に適する企業
22 主な入居企業、その他
ロテコ工業団地(ハイフォン市)
LOTECO IZ (Long Binh Techno Park)
1996年9月6日(投資ライセンス取得)
ベトナム側:40%、日本側(双日):60%
IZ
Loteco IZ., Bien Hoa City, Dong Nai Province
Tel:+84(61)891105,991014
Fax:+84(61)892030
e-mail:[email protected]
日本人役員2名常時駐在
ホーチミン市北東から:約30km
ホーチミン市から:約40分
タンソンニャット国際空港から:33km
サイゴン新港から:25km
ブンタウ港から:40km
幹線道路へのアクセス:国道1号線、国道51号線に近接
総開発面積:100ha(うち輸出加工区30ha)、分譲面積83ha
2046年まで
応相談。契約時一括払いの場合は割引あり(管理費別途0.075ドル/㎡/月)
有り
標準工場リース価格:2.4ドル/㎡/月(期間5年)
輸出加工区(EPZ)が併設。団地内に税関とドンナイ省工業団地管理局(DIZA)の
出張所があり、建設許可、許認可、会社設立などワンストップサービスあり
3.2MWの自家発電所と40MWの外部電源(国営電力会社)にて供給
0.069ドル/kWh
供給可能量6,000㎥/日
処理能力5,500㎥/日
600回線所有(国際電話を含む)(増設予定)
工場建物に杭打ち不要
砂・粘土質の地盤は支持力10トン/㎥
ワーカー:79万ドン(約50ドル)(法定最低賃金)
49社(2006年4月現在)
廃水基準等に従えば、基本的に進出を拒む業種なし
・ムトー精工、原田工業、NECトーキンほか全49社。日系12社ほか、韓国系25社、
台湾6社、シンガポール2社、マレーシア1社、豪州1社。
【その他】
・ドンナイ省工業団地管理局を通じてワンストップサービスを享受できる
・税関事務所常設。常駐の税関職員によって通関手続きが円滑に行われる。
※ MUTO VIETNAMの概要
会社名:MUTO VIETNAM CO.LTD
設立:1995年6月
出資者:武藤精工97,35%、豊田通商2.65%
社員数:1,400名
工場用地:ロテコ40,000㎡、ビエンホアⅡ12,000㎡
工場延床面積:ロテコ第1工場8,500㎡、ビエンホアⅡ第1工場2,800㎡、第2工場1,600㎡、第3工場7,900㎡
主力商品:金型設計、製作、プラスティックパーツ製造、DVDビデオ用ボディ製造他
主たる納入先:キャノンベトナム、NEC−トーキンベトナム、パナソニック、サンヨーベトナム、ソニーベトナム他
9
ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP) 視察
日 時 2007年1月22日(月)13:00∼14:30
場 所 Loteco IZ., Bien Hoa City, Dong Nai Province(ビンズオン省)
対応者 VSIP 橋本竜氏(車窓視察案内 三菱商事ホーチミン事務所 上松瀬能秀氏)
概 要
○ VSIP社 会議室における工業団地ブリーフィング
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
1994年 シンガポール・ベトナム両国首相の合意により、シンガポールのセムコー
プインダストリーズが率いるコンソーシアムとベトナム国営企業デベロッパーベガメッ
クスの合弁事業として1996年創業
管理運営委員会が設立されており、投資手続きはほぼ団地内で完結できるように
なっており、団地内に税関もある。なお、委員会トップには、ズンナイ省の幹部が就
任している。
ビンズオ省は、2005年度のGDP成長率が15.4%と、国内で最も高く、また投資
環境も整っている。ベトナム初の総合開発プロジェクトとして、VSIP周辺地区の再開
発プロジェクトが進んでいる。
VSIPは、第Ⅰ期から第Ⅲ期まで完売しているが、VSIPⅡは2007年1月に第Ⅰ期
分譲開始。
ミーフック工業団地
N
ビンズオン
W
VSIPⅡ
S
ドンナイ省
トゥーザウモット
ビエンホア
南北統一鉄道
アマタ工業団地ホーチミン∼ハノイ
ロテコ工業団地
ロンビン工業団地
VSIP
VSIP
ビエンホア第 2 工業団
ロンタン工業団地
サイゴンハイテクパーク
リンチュン輸出加工区
新サイゴン港
タンタオ ホーチミン
工業団地
10
ホーチミン
サイゴン川
タンソンニャット空港
国際コンテナターミナル
サイゴン
タントゥアン輸出加工
ニョンチャック工業団
新国際空港建設予定
(2015 年)
ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)について
o 筆頭株主はセムコープ社、ほか三菱商事が参加
o ベトナム南部ホーチミン市の北約17kmに位置し、市内からは車で約40分
1
工業団地名
2
3
4
5
開設年
事業主
事業形態
工業団地住所・連絡先
6
7
現地日本人担当者
立地
8
9
10
11
残り面積/総開発面積
土地リース期間
土地リース価格
賃貸工場の有無
12
13
14
付帯設備
電力供給
電力料金
15
16
17
18
工業用水
下水廃水処理
通信設備
地盤・水害対策
19
労働コスト
20
21
22
入居企業数
入居に適する企業
主な入居企業、その他
ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)
Vietnam - Singapore Industrial Park
1996年(操業開始)
シンガポール・ベトナム(筆頭株主はセムコープ社、ほか三菱商事参加)
IZ
VSIP Building., 8 Dai Lo Huu Nghi, Vietnam Singapore Industrial Park, Thuan An
Dist.
Tel:+84(650)743898
Fax:+84(650)743868
2名駐在
ホーチミン市から:約17km
サイゴン港から:1時間
周辺主要物流拠点(港・コンテナターミナル)は全て20km圏内
1∼3期完売
2054年まで(第3区画)
49ドル/㎡(第1区画)、45ドル/㎡(第2・3区画) (別途管理費用0.07ドル/㎡/
有り
標準工場リース価格:4.8ドル/㎡/月(別途管理費用0.20ドル/㎡/月)
団地内に通関事務所(職員常駐)あり。銀行、郵便局、日本食レストランなど。
自家発電所と国営電力の2つの供給源。85MW
月額基本料金1ドル/kva
高圧22kv : 0.075ドル∼0.08ドル/kWh
低圧380kv: 0.105ドル∼0.11ドル/kWh
供給可能量20,000? /日
完備
1200回線
団地内に雨水排水溝あり。
地耐圧は、場所にもよるが、大体12トン/? 位
ワーカー:60∼70USD
エンジニア:160∼220USD
中間管理職:400∼500USD
21カ国227社(うち日系55社)(2006年8月現在)
軽工業、組立加工、輸出加工型企業
・日東電工、ロート製薬、コニカ、Kimberly Clark など。
【その他】
・日本企業の窓口は三菱商事が担当
・団地内に管理運営委員会が設置され、行政手続等をサポート。
・隣接する技術学校から新卒採用可能。
11
ジェトロホーチミン訪問(ブリーフィング)
日 時 2007年1月22日(月)15:30∼17:00
対応者 ジェトロホーチミン 所長 吉岡賢治氏、海外投資アドバイザー 浜野幸夫氏
㈱八ちゃん堂ベトナム 副社長 宮崎茂穂氏
概 要
ジェトロホーチミン会議室において、吉岡所長のご挨拶の後、
① 浜野アドバイザーよりベトナム投資環境について説明頂き、メンバーと活発な意見交換
を実施。
・ 現在、ベトナムはASEANでNo.1になることを目指し、工業化を進めている。(目標:
2010年国民当たりGDP 1,100ドル)
・ 都会の労働力不足は問題となりつつある。地方での就職先が増加したことで都会へ
の出稼ぎが減少したことが要因。有効求人倍率が4∼5倍が、2倍程度になってい
る。
・ 現在、ホーチミンよりもハノイへの進出企業が増加。その理由は、多大な優遇措置を
受け、大企業がハノイへ進出していること。そして部品調達のための企業が追随して
いること。
② 八チャン堂ベトナム宮崎副社長よりタントゥアン輸出加工区への進出等についてご説明。
・ ホーチミン郊外で、栽培・収穫した「なす」を加工して、日本へ輸出。
・ ホーチミンは、気候条件において「なす」の栽培に大変適している。
・ ワーカーは、質も良く、定着率も良いが、中間管理職の確保に苦労している。
ホーチミン日本商工会等との懇談会
日 時 2007年1月22日(月)17:30∼19:30
場 所 ニューワールドホテルサイゴン
出席者
ホーチミン日本総領事館 総領事 塩崎修氏
JETRO ホーチミン 所長 吉岡賢治氏
ホーチミン日本商工会会長 石田泰氏
リコーOB(サンフラワー)久保園栄蔵氏
双日ホーチミン事務所 所長 小須田森仁氏
住友商事ホーチミン事務所 所長 大西範和氏
三菱商事ホーチミン事務所 所長 柏木利夫氏
ミッションメンバー
12
塩崎総領事挨拶
ZEN PLAZA 視察(ブリーフィング含む)
日 時 2007年1月23日(火)10:00∼12:00
場 所 54−56 Nguyen Trai Street.,District 1、Ho Chi Minh City
対応者 ZEN PLAZA 社長 福川資朗氏
概 要 ショッピングセンターZEN PLAZAにおいて、福川社長より会社の概要等について
のブリーフィングの後、施設内視察を実施。
・ 1995年、福岡の「はせがわ」が出資し、ベトナム企業との合弁で、オフィスビルとして会社
設立したが、軌道にのらず、合弁企業から商業ビルとしての提案があり、1999年8月に百
貨店としてオープン。連日、数万人が来場。ただし、当初は、スーパーとも雑貨屋ともつか
ないものだったとのこと。
・ その後、現社長の努力(テナント誘致、社員教育等)により、堅実に売上げを伸ばし、05年
度より黒字化。現在220名の従業員。
・ ベトナム人の嗜好としては、いいものやアンティークよりも常に「新しいもの」を好む。
・ ホーチミン約800万人の人口に対して、未だ百貨店は市内4ヶ所しかないので、市場は大
きい。※4つの百貨店・・・PARKSON(マレーシア)、ダイヤモンドプラザ(韓国)、タックスセ
ンター(国営)、ZENPLAZA(日本)
<会社の歩み>
1999年8月
2002年8月
2002年10月
2003年9月
ベトナム初のデパートとして、ファッション通りとして有名な1区のグエンチャイ通りに開業
日系100%投資会社※として認可を取得し、小売ライセンスも付帯
デザイナーズブティックオープンに合わせ、第一回自社主催ファッションショー開催
ファッションを中心としたショッピングセンターZEN PLAZA として全面改装オープン
ベトナム初で唯一のベトナムヤングデザイナーブティック(現在総勢25名)をオープン
2003年12月 京都の清水寺本堂内にて初の歴史的なベトナムファッション奉納を執り行う
日越外交関係樹立30周年記念事業として外務省・在越日本大使館の後援を受ける
2004年11月 ファッション関連アイテムをさらに増やした売場へと改装オープン
ホーチミン市観光総局より、旅行者への特別推奨店22店の一つに選ばれる
2005年7月 1 階メザニンへ、新たにベトナムヤングデザイナーブティックをオープン
ターゲットをヤングに照準、ストリートカジュアルファッションを中心にアクセサリー類も充実
2005年9月 新装開店し、29の新しいショップ(内8店舗は ZEN PLAZA のみの展開)を迎え、よりフ
ァッション性を重視した売場展開をスタート。
2006年3月 ベトナム国内外の有名認知ブランド500社の一つとしてベトナム商工省から表彰
※当初、㈱はせがわ出資で設立、2003年より㈱やずや出資となる。
13
参 考
14
野村ハイフォン工業団地 (車中) 視察
日 時
場 所
2007年1月24日(水)9:50∼10:10
anagement Building Nomura - Hai Phong Industrial Zone, Au Duong District,
Hai Phong City, Vietnam
国道3号線
中国・南寧へ
タイグエン省
ビンフック省 進出企業例
Thai Nguyen
トヨタ、ホンダ、イノアック、
日信工業、名古屋精密金型、テルモ
国道1号線
ビンフック省
Vinh Phuc
ティエンソン工業団地
(キャノン第3工場)
ノイバイ工業団地
(ヤマハ)
国道2号線
バクザン省
Bac Giang
クエボ工業団地
(キャノン第2工場、日本板硝子)
◆
国道18号線
クアンニン省
Quang Nihn
ノイバイ国際空港
ハノイ市
タンロン工業団地
国道18号線
バクニン省
Bac Nihn
カイラン港
国道5号線
国道6号線
サイドンB工業団地
ハタイ省
Ha Tay
フンイェン省
Hung Yen
ナムザック工業団地
ハイズオン省
Hai Duong
◆
カットビー国内空港
ハイフォン市
Hai Phong
距離、時間の目安
・タンロン工業団地∼ハイフォン港
(130km、約2時間)
・タンロン工業団地∼カイラン港
(160km、約2.5時間)
・野村ハイフォン工業団地∼ハイフォン港
(16km、約40分)
タイビン省
Thai Bihn
国道1号線
ホーチミンへ
野村ハイフォン工業団地
ハイフォン港
ハイズオン省 進出企業例
ブラザー、アドバネクス、
住友電装、荏原
15
ディンブー工業団地
トンキン湾
約50km
ハイフォン港 視察(ブリーフィング含む)
日 時 2007年1月24日(水)10:30∼12:30
場 所 No,8A,Tran Phu st,Hai Phong
対応者 ハイフォン港湾局 副局長 チュオン・バン・タイ氏
概 要 タイ局長よりハイフォン港の概要説明後、質疑応答を行い、その後、日本のODAに
より整備中の、チュアベイ港を視察。
タイ副局長発言ポイント
・ 今回のミッションが、ベトナムとの継続的交流を模索していただけることについて、感謝。
・ ハイフォン港は、北部最大の港であるが、日本に比べると話にならないものである。現在、
ベトナム港湾に対して、日本からの援助を受けており、高い効果を得ているところ。ハイフォ
ン港に対しては、1億7千万ドルの支援を頂いている。
・ ハイフォン港は、100年の歴史があるが、戦争のため発展には困難を極めてきた。米越戦
争時に旧ソ連から支援を得ていたが、あくまでも戦争に必要な港湾のグレードアップであっ
たため、コンテナヤードは存在していなかった。終戦後、日本からのODA支援の他、コンサ
ルタント、企業からの支援も受け、ハイフォン港は発展中の段階にある。
・ ハイフォン市の年間貨物取扱量は、昨年1,650万トン、内1,100万トンがハイフォン港
の取扱量。さらにそのうち、1/2がコンテナである。また、輸入先の殆どが日本からのもの
であり、輸出に関しては、60%が南北便である。
・ 新しい港の建設計画(幅10km、水深15m∼18m)を予定しており、現在ベトナム政府が
F/Sを行っている。完成後は、既存のハイフォン港とチュアベイ港は国内専用港となる予
定。
16
ベトナム計画投資省 シン副大臣 訪問
日 時 2007年1月25日(木)14:00∼14:15
場 所 計画投資省 会議室
対応者 シン副大臣、タン外国投資局長、ホァン法政部副部長、バー外国投資局投資促進
国際協力部、フン工業団地・輸出加工管理部北部工業団地担当副部長兼ベトナム
工業団地誌副編集長、市川 匡四郎アドバイザー
概 要 別添議事録参照
ベトナム商業省 ルェ副大臣 訪問
日 時 2007年1月25日(木)15:30∼17:00
場 所 商業省 会議室
対応者 ルェ副大臣、チュンアジア太平洋局長、ハーイ通商促進局副局長、ハー輸出支援セ
ンターセンター長
概 要 別添議事録参照
17
越日本大使館 服部大使、ベトナム日本商工会等との懇談会(ブリーフィング含む)
日 時 2007年1月25日(木)18:00∼19:30
場 所 デウーホテル ヴァンケットルーム 「アイリス」
参加者
日本大使館 特命全権大使 服部則夫氏、書記官 中島義人氏
JETROハノイ 所長 石渡健次郎氏
ベトナム日本商工会 会長 景山幸郎氏(キヤノンベトナム社長)
ベトナム日本商工会 事務局長 矢代博昭氏(伊藤忠商事ベトナム代表)
みずほコーポレート銀行ハノイ支店 支店長 浅野耕治氏
双日ハノイ駐在員事務所 ベトナム代表 松田一郎氏
住友商事ハノイ事務所 ベトナム代表 池田龍三氏
三井物産ハノイ事務所 ベトナム代表 朝比奈志郎氏
三菱商事ハノイ事務所 次席 小泉裕氏
(独)中小企業基盤整備機構 首藤章三氏 他 団員31名(通訳秋葉氏含む)
次 第
(1) 開会(司会進行:九経連 総務企画本部長 平井)
(2) 開会挨拶:団長 九州経済連合会 鎌田会長
(3) 挨拶:日本大使館 服部大使
(4) 挨拶:ベトナム日本商工会会長 景山会長(キヤノンベトナム社長)
(日本商工会の活動についてを含む)
(5) JETROブリーフィング(15分)
(6) 現地日系企業プレゼン (5分×2社)
①
キヤノンベトナム
社長
景山幸郎 氏
②
みずほコーポレート銀行 ハノイ支店長 浅野耕治 氏
(7) 懇談会参加商社紹介
(8) 質疑応答
(9) 乾杯
:九州経済産業局齋藤国際部長
(歓談・交流会)
(10)閉会
服部大使
18
タンロン工業団地視察
日 時
場 所
2007年1月26日(金)9:30∼11:00
Thang Long Industrial Park, Dong Anh District,
Hanoi, Vietnam
対応者 タンロン工業団地 社長 小俣武市氏、取締役 福田繁夫氏
概 要
タンロンインダストリアルパーク社会議室におけるブリーフィング
・タンロン工業団地の経営を行っているのは、住友商事子会社(58%)とベトナム建設省の関
連会社(42%)の合弁であるタンロンインダストリアルパーク社。住友商事はベトナムのほか
にインドネシア、フィリピンでも工業団地を経営している。
・本工業団地は2000年6月に第1期、2005年1月に第2期工事が終了し、195ha の敷地
に 49 社が立地。現在第3期 79ha を造成中。さらにハノイ市東方に第2タンロン工業団地を
計画している。(第3期の土地使用権(50 年)は 75 ドル/㎥)
・本工業団地にはキャノン、パナソニックなど日系有力企業が多く立地している。
・日系企業のベトナム進出は、金額ベースで見ると2000年を境に、南部から北部に移行し
つつある。
・海外企業のベトナム進出は、韓国が南部中心でホーチミン市付近には約3万人が在住し
ており、北部には大宇、LG関係者5千人程度が在住。米国はフォードなど北部が中心。中
国企業もここ2年ほど弱電を中心に進出が増加。
・ベトナムの優位性は、豊富な人材、政府の優遇策、政治・社会の安定、ASEANの中心に
あり中国と国境を接している地理的条件、の4つ。ただし、人材面では中間管理職が大きく
不足。また、電力不足は深刻で中国、ラオスから購入している状態。
・中越国境は、トラックの相互乗り入れは行われておらず、積み替えが必要。
19
タンロン工業団地について
工業団地名
事業形態
タンロン工業団地(TLIP)
58%:SUMIT GLOBAL MANAGEMENT II
(住友商事 100% 子会社)
42%:ドンアイン・メカニカル・カンパニー
(ベトナム建設省傘下の国営企業)
開発規模
総開発面積:274ha・82 万坪
第一期 127ha 完売 (’00 年 6 月完工)
第二期 74ha 完売 (’04 年 12 月完工)
第三期 79ha
(’07 年 9 月竣工予定)
立地
ハノイ市とノイバイ国際空港のほぼ中間地点の高速道路沿い
ノイバイ国際空港から 14km(13 分)
ハノイ市内中心部まで 16km(30 分)
土地リース期間、価 2047 年まで。価格は現地問合せのこと。賃貸工場あり。
格
入 居 に 適 す る 業 ・ 装置産業型
種
・ 研究開発・デザイン併設型(優秀な人材確保が容易、光ファイバー
が敷設済みなど、通信が整備されているため)
現況
入居企業数:63 社(うち日系 60 社)
主な日系企業− キヤノン、デンソー、住友ベークライト、東陶機器、
松下電器産業、HOYA、ヤマハ発動機、三菱鉛筆 等
従業員総数 :27,695 人 (2006 年 10 月)
総投資額
:10.8 億米㌦(2006 年 8 月)
2005 年輸出額: 7.3 億米㌦(ベトナム全体の 2.3%)
※ ベトナム北部フンイェン省に「第二タンロン工業団地(TLIPⅡ)」を建設中
住友商事では、ハノイ市中心部から南東 33km のフンイェン省にて、第二タンロン工業団
地の設立を決定。2009 年から販売開始予定。
<詳細>
1))総投資額 : 約 US$ 51.1 百万
2)出資比率 : 住友商事 80%、TLIP20%
3)開発規模 : 販売面積 150.7ha
20
国際協力銀行ハノイ事務所訪問(ブリーフィング)
日 時 2007年1月26日(金)13:30∼14:30
場 所 6th Floor ,63 Ly Thai To Street ,Hanoi, Vietnam
対応者 主席駐在員 唐沢雅幸氏
概 要
ベトナム最新政治経済事情に関するブリーフィング
・第 10 回共産党大会(2006 年 4 月)において、経済開放路線の継続と成長、貧困削減、環境
配慮に重点を置いた新5ヶ年計画が採択された。そのほか、党員・政治局員への定年制の導
入や汚職対策など透明性の高い政治運営を内外にアピール。ただし、汚職は税関、公安、教
育などの分野を中心に広く、浅く存在すると言われている。
・セクターでは製造・水産・サービス、所有形態では民間・外国資本が経済を牽引している。
・堅調な海外投資、ODA に加え、越僑の送金が増加しており、為替は安定し、証券市場は活況。
(資金は不動産から証券市場に移りつつある。)
・現在での労働者の約4割が国営企業に勤務しており、引き続き国営商業銀行、国営企業改
革の推進が課題。
・日本は貿易、投資、ODA の各分野で引き続き主要なパートナーであるが、貿易面では米・韓、
投資面では台・香・韓との関係が急速に緊密化しており、日本の相対的な地位は低下。
21
ベトナム工業省ハオ副大臣訪問
日 時 2007年1月26日(金)15:00∼15:35
場 所 工業省会議室
対応者 ハオ副大臣ほか4名
概 要 議事録は別添のとおり
ベトナム商工会議所(VCCI)ロック会頭訪問
日 時 2007年1月26日(金)16:15∼16:45
場 所 ベトナム商工会議所応接室
対応者 ロック会頭、フォン氏、日本代表事務所 顧問 佐藤英昭氏、事務局長 児島あき氏
概 要 議事録は別添のとおり
22
ホアラックハイテクパーク及び「NOBLE」視察
日 時 2007年1月27日(土)10:00∼11:30
場 所 KM 29, Lang Hoa Lac Highway, Ha Tay Province ,Viet Nam
対応者 ホアラックハイテクパーク内 NOBLE 社長 荒木正昭氏
三井物産 ハノイ事務所代表 朝比奈志郎氏
三井住友建設 ハノイ駐在員事務所所長 利根川実氏
概 要
ホアラックハイテクパーク内NOBLE社会議室におけるブリーフィング後、工場見学。(工場内
写真撮影禁止)その後、ホアラック概要について管理事務所にて朝比奈代表、利根川所長か
ら説明。
【NOBLE企業視察】
企業概要
設
立 2005年11月
従 業 員 数 250名(日本人2名)
生 産 品 目 ICB(Integrated Control Block)商品
部品購入先 帝国通信工業株式会社(本社)他NOBLEグループ
輸 出 先 帝国通信工業株式会社(本社)
特徴等
・ 本社は川崎市の帝国通信㈱。ここではビデオカメラ、デジタルカメラの部品作り、組み立て
を行っている。
・ 部品は NOBLE グループのタイ、インドネシアから調達しているが、今後キヤノンに付随して
進出している現地部品会社から調達する予定がある。
・ 最も苦労した店はベトナムの法律が不明瞭な部分が多いところで、手続きに大変時間がか
かることである。
・ 現在はハノイ市内から車で1時間程度かかるが、来年には道路が整備され、20分程度に
短縮される予定である。
23
【ホアラックハイテクパーク概要説明】
・ ホアラックハイテクパークは科学技術庁の直轄工業団地であるため、PR・開発に関してのノ
ウハウが全くない。
・ また、入居を予定していたアメリカのインテルがサイゴンハイテクパークに急遽入居先を変
更したことが大きなマイナスイメージとなっている。
・ しかし、リース料や税制については大変優遇された工業団地であり、日越共同イニシアティ
ブにも謳われている国策である。(他工業団地は4免7減であるが、ここは4免9減)
・ 現在現在の進出企業は3社(日本、台湾、ベトナム)であり、10社までは特に優遇措置があ
る。
・ 「ハイテクパーク」とは言うものの、その定義はあいまいであり、必ずしも IT 企業のみではな
い。極端に言えば「煙突から煙を出すような企業」以外は入居可能である。
24
ホアラックハイテクパークについて
施設名
沿革
開発規模
立地
税制優遇措置
ホアラックハイテクパーク
ベトナム政府はハイテク産業育成を目標の一つに掲げており、研究・
産業・ビジネスが密接にリンクした科学技術都市の建設を目指し、
2001 年、ハノイ市西方 30km のハテイ省ホアラック地区に唯一の中
央政府直轄のハイテクパークとして着工。
開発規模:約 1,650ha
ハイテク工業団地ゾーン、研究開発教育ゾーン
ソフトウエアパークゾーン、ハイテクサービス・ビジネスゾーン
付帯設備:住居、管理棟、銀行、学校、税関分室、郵便局、
ゴルフ場等レクリエーション施設等計画済み
ハノイ空港から 47km
… ノイバイ街道、ランホアック街道(140m 幅 6 車線に拡張工事
中)
ハイフォン港から 130km
最高水準の法人所得税減免措置(通常の現行法人所得税は 28%)
… 利益発生後 4 年間免税、その後 9 年間 5%、
その後、投資ライセンス期間(全 50 年)満了まで 10%
【日本政府からの支援】
昨年 11 月 19 日の日越首脳会談において、ズン首相より、3 大プロジェクト『南北高速道路、
南北高速鉄道及びホアラックハイテクパークへ』の協力要請があった。これに対し、安倍総理よ
り、3 案件に関し調査団を派遣し、ハイテクパークに企業の視察ミッションを派遣することを表
明。
日本政府では、JICA 開発調査によるマスタープラン作成や、JETRO の F/S 調査を通じ、
従来からホアラックハイテクパークの開発に協力してきている。
【日本企業の協力】
昨年 11 月、三井物産㈱、㈱三井住友銀行、三井住友海上火災保険㈱の 3 社は、ベトナム科
学技術省との間で、ホアラックハイテクパークへの進出企業誘致を目的として相互に協力する
趣旨の覚書を締結。従来の進出企業とは一線を画するハイテク型産業を誘致することにより、
ベトナム政府の国家方針に合致するハイテク産業の発展育成に貢献することを企図している。
25
【関係者住所一覧】
所
属
ロテコ工業団地 ロテコ社
ロテコ工業団地内
MUTOVIETNAM
役 職
氏 名
副社長
沢崎 健三
社長
二村 道行
VSIP
(ベトナム・シンガポール
工業団地)
橋本 竜
(訪問順・敬称略)
住 所
Route No.15A, Long Binh Ward,Bien Hoa City, Dong
Nai Province
〃
Vietnam Singapore Industrial Park J.V., Co.,Ltd
No.8 Dai Lo Huu Nghi,
Vietnam Singapore Industrial Park
Thuan An District, Binh Duong Province
JETROホーチミン
所長
吉岡 賢治
14th Fl, Sun Wah Tower
115 Nguyen Hue St., Dist.1
Ho Chi Minh City
ホーチミン総領事館
総領事
塩崎 修
13-17, Nguyen Hue Street,
District 1, Ho Chi Minh City
#1407, Sun Wah Tower
115 Nguyen Hue Str., Dist.1
Ho Chi Minh City
ホーチミン日本商工会
会長
石田 泰
ZEN PLAZA
社長
福川 資朗
ハイフォン港
副局長
チュオン・バン・タイ
No,8A,Tran Phu st.,Hai Phong
計画投資省
副大臣
カオ・ヴィエット・シン
2,Hoang Van Thu Hanoi
商業省
副大臣
ファン・ティー・ルエ
31 Trang Tien Str. Hanoi
特命全権大使
服部 則夫
JETROハノイ
所長
石渡 健次郎
ベトナム日本商工会
会長
景山 幸郎
Room305, 63 Ly Thai To St., Hanoi
タンロン工業団地
社長
小俣 武市
Thang Long Industrial Park,
Dong Anh Dist., Hanoi
主席駐在員
唐沢 雅幸
6th Floor, 63 Ly Thai To Street, Hanoi
副大臣
ドゥ・フー・ハオ
ベトナム商工会議所
会頭
ヴェ・ティエン・ロック
ホアラックハイテクパーク
三井物産 ハノイ事務所
代表
朝比奈 志郎
ホアラックハイテクパーク
内 NOBLE
社長
荒木 正昭
日本大使館
国際協力銀行
ハノイ支店
工業省
26
54-56 Nguyen Trai. Dist1. Ho Chi Minh City
27 Lieu Giai Str.,Ba Dinh Dist.,Hanoi
3rd Floor, 63 Ly Thai To, Hanoi,
54 Hai Ba Trung Str.,Hanoi
International Trade Center -9 Dao Duy Anh,Hanoi
1st Fl, Tran Gia Bldg.
81A Tran Quoc Toan, Hoan Kiem, Hanoi
KM 29, Lang Hoa Lac Highway,
Ha Tay Province
ベトナム カントリーペーパー
1.概況
(1) 一般概況
面
積
人
口
首
府
言
語
通
貨
行政区分
32万9,241k㎡(九州4.0万k㎡、九州の約8倍、日本の約0.9倍)
約8,312万人 (九州1,344万人、九州の人口の約6倍、日本の約0.7倍)
ハノイ(人口308万人、面積921k㎡)
ベトナム語、ほかに少数民族語
ドン
59省、5直轄市(ハノイ、ホーチミン(573万人)、ハイフォン(177万人)、ダナン(76万人)、カントー(112万人))
政
体
元
首
共 産 党
政府組織
社会主義共和国
国家主席 グエン・ミン・チエット(06.06就任)
書記長
ノン・ドゥック・マイン書記長(01.04就任)
◇行政機関:内閣(首相 グエン・タン・ズン)(06.06就任)
◇立法機関:国会(一院制(498人)、任期5年)(議長 グエン・フー・チョン)(06.06就任)
◇司法機関:最高人民裁判所(長官 グエン・ヴァン・ヒエン)(06.06就任)
出所:外務省HP
(2) 2005 年の経済概況
・ベトナム経済の実質 GDP 成長率は、1990 年代後半にアジア経済危機の影響を受け鈍化
したものの、2003 年 7.3%、2004 年 7.8%、2005 年 8.4%と、近年は高水準を維持している。
ベトナムのマクロ経済指標
実質GDP成長率
名目GDP
一人当たりGDP
失業率
輸出総額
対前年増加率
輸入総額
対前年増加率
1US㌦=ドンレート
単位
%
10億ドン
US㌦
%
億US㌦
%
億US㌦
%
ドン
1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
5.8
4.8
6.9
7.1
7.3
7.8
8.4
399,942 441,646 481,295 535,762 613,443 715,307 837,858
375
402
413
440
489
552
612
7.4
6.4
6.3
6.0
5.8
5.6
5.3
115
145
150
167
201
265
324
23.3
25.5
3.8
11.2
20.6
31.4
22.5
117
156
162
197
253
320
370
2.1
33.2
3.7
21.8
27.9
26.6
15.7
13,943 14,168 14,725 15,280 15,510
出所:ベトナム統計総局、ジェトロHP
27
2.貿易
(1) 九州と日本の対ベトナム貿易額の推移
・2005 年の日本とベトナムの貿易額は、日本からの輸出が 3,964 億円(前年比 15.3%増)、
日本への輸入が 5,016 億円(前年比 20.3%増)、うち九州からの輸出が 161 億円(前年比
28.8%増)、九州への輸入が 281 億円(前年比 32.5%増)で、いずれも過去最高を記録。な
お、日本の貿易額に占める九州のシェアは、輸出が 4.1%、輸入が 5.6%。
(億 円 )
(億 円 )
300
6 ,0 0 0
九州 輸出
九州 輸入
日本 輸出
日本 輸入
5 ,0 0 0
200
4 ,0 0 0
3 ,0 0 0
100
2 ,0 0 0
1 ,0 0 0
0
0
00年
01年
02年
03年
04年
05年
出所:財務省「貿易統計」
備考:九州の輸出入が左目盛り、日本の輸出入が右目盛り
(2) 九州の対ベトナム貿易品目の動向
・九州からベトナムへの輸出品目は、日本全体と比較すると、鉄鋼、薄板などの金属品、有
機化合物、ゴム製品などの化学品の割合が高く、電気機械の割合は低くなっている。ベ
トナムから九州への輸入品目は、日本全体と比較すると、石炭などの鉱物性燃料、家
具、木製品などのその他の製品、食料品の割合が高い。
2%0%
6% 3%
その他の製品
金属品
1%
2%2%
9%
14%
7%
3%
一般機械
17%
輸出品目
(2005年)
外側;九州
内側;日本
その他の製品
食料品
50%
24%
1%5%
9%
電気機械
原燃料
18%
1%3%
15%
18%
繊維製品
17%
23%
繊維品
2005年 九州の比率が高い輸出品目 (単位:百万円)
品目
九州輸出額 九州/日本
鉄鋼
7,500
14.0%
薄板
6,334
27.7%
建設、鉱山用機械
1,485
10.9%
有機化合物
1,055
22.0%
ゴム製品
682
21.6%
食料品
541
19.4%
出所:財務省「貿易統計」
28
その他の原料
品
化学品
金属品
20%
その他
20%
電気機械
35%
輸入品目
(2005年)
外側;九州
内側;日本
16%
輸送機械
16%
食料品
2%5%
2%
1%
12%
鉱物性燃料
1% 0%
4%
化学品
10%
2%
3%
一般機械
輸送機械
その他
2005年 九州の比率が高い輸入品目 (単位:百万円)
品目
九州輸入額 九州/日本
石炭、コークス、れん炭
6,586
28.8%
家具
6,172
25.2%
木及びコルク製品
2,555
23.1%
特殊織物及び同製品
928
10.3%
綿製タオル類
881
18.1%
(3) ベトナムの貿易相手国
・ベトナムからの輸出先は米国が 18.8%で第1位、次いで日本、中国の順。
・ベトナムへの輸入元は中国が 13.9%で第1位。次いで、台湾、日本と続き、アジアの比率
が高い。
国別動向(ベトナムの 2004 年世界貿易)(単位:憶㌦、%)
輸出相手国
その他
39.7
15.0%
EU
47.9
18.1%
輸入相手国
輸出合計
265.0億ドル
2004年
EU
25.8
8.1%
日本
35.0
13.2%
中国
ASEAN
27.4
37.8 台湾オーストラリア10.3%
14.3% 9.1 18.2
3.4%
中国
44.6
13.9%
その他
54.5
17.0%
米国
49.9
18.8%
台湾
37.0
11.6%
輸入合計
319.5億ドル
2004年
ASEAN
77.6
24.3%
6.9%
韓国
米国 33.3
11.3 10.4%
3.5%
日本
35.5
11.1%
出所:ベトナム統計総局
3.投資
(1) 九州企業の対ベトナム投資の推移
・九州からベトナムへの進出件数は 2005 年時点で 10 件(九州の全進出件数 668 件の
1.5%、ASEAN への総進出件数 132 件の 7.6%を占める)。
・全国的には進出企業は増加傾向にあるが、九州の企業の出足は今のところ鈍い。
ベトナムへの進出企業件数の推移
1996年以前
1997∼2000年
2001∼2005年
九州
5
3
2
全国
174
74
113
計
10
構成比
1.5%
361 20.5%
出所:(財)九州経済調査協会「九州・山口地場企業の海外進出 1986∼2005」、東洋経済新報社「海外進出企業総覧 2005[国別
編]」 備考:構成比・・九州及び全国の全進出件数のうち、ベトナムに進出した件数の割合
九州企業のベトナム進出事例
業種
進出先
不明
その他製造 ハノイ
化学
ビエンホア
その他製造 ホーチミン
木材・木製品 ホーチミン
輸送用機械 ハノイ
食料品
ホーチミン
卸売・小売 ホーチミン
窯業・土石 ハノイ
情報サービス ダナン
食料品
企業名
磯屋
ホウエイ
久光製薬
九州オルガン針
南日本家具工芸
合志技研工業
八ちゃん堂
はせがわ
東陶機器
オーリッド
進出年
1992年
1993年
1994年
1994年
1994年
1996年
1996年
2000年
2002年
2005年
進出形態
事業内容
海産物の製造販売
支店・事務所 業務用タオル、おしぼりの生産
単独
医薬品の製造・販売
その他
家庭用ミシン針の製造
支店・事務所 木材・木材加工品
合弁
二輪車用マフラー、フレーム生産
単独
冷凍茄子の生産
合弁
サービスアパートメントの運営
単独
衛生陶器の製造・販売
単独
ITの開発、エントリーセンターの運営
不明
出所:(財)九州経済調査協会「九州・山口地場企業の海外進出 2005」から作成
29
4.航空路線
ベトナムとの航空路線
福岡−ホーチミン 週3便(出所:JTB 時刻表 2006 年 4 月号)
5.入国者数
・九州への外国人入国者数のうちベトナム人は 1,239 人(2005 年)で、構成比は 0.2%。
・ しかしながら、ベトナムからの入国者は大きく増加しており、5年前の 2000 年に比べ3倍
に増加。
ベトナムからの入国者数の推移
(単位:人、%)
ベトナムからの入国者数
全 国
九 州
全国比
構成比
2000年
14,247
415
2.9
0.1
2001年
16,374
401
2.4
0.1
2002年
18,144
450
2.5
0.1
2003年
20,768
653
3.1
0.1
2004年
23,852
1,022
4.3
0.2
2005年
26,213
1,239
4.7
0.2
出所:法務省「出入国管理統計」
備考:全国比・・全国に占める九州の割合(%)、
構成比・・九州の全入国者数に占めるベトナムの割合(%)
30
計画投資省(MPI)との会談議事録
日 時:2007年1月25日(木) 14:00∼15:15
場 所:計画投資省 会議室
出 席者:先方 シン副大臣、タン外国投資局局長、ホァン法政部副部長、バー氏(外国投資局
投資促進国際協力部)、フン工業団地・輸出加工管理部北部工業団地担当副部
長兼ベトナム工業団地誌副編集長、市川匡四郎アドバイザー
当方 鎌田九経連会長、斉藤国際部長以下ミッション参加者、松永公使、中島書記官
(鎌田会長)
私は 2 ヶ月前、安倍首相や日本経団連の御手洗会長らと一緒に訪越した。
そのとき、チェット国家主席、ズン首相、フック大臣らとお会いし、経済発展計画や、南北を結ぶ
高速鉄道や高速自動車道などのインフラ整備、ハイテク工業団地への企業誘致、原子力発電所
の建設などの巨大プロジェクトの計画をお聞きし、人材育成についても協力要請をいただいた。
日本側からは、安部首相や御手洗会長から、ベトナムの開発発展計画に対し、出来る限りの協
力したい旨の提言があった。こうした両国首脳の会談をお聞きし、日越のパートナーシップに基づ
く今後の交流の方向性について、多くの示唆を得ることができたと感じた次第。
現在の日越 関係は、極めて良好な関係にあるが、今月から交渉開始予定の経済連携協定
(EPA)が締結されれば、日越関係は更に改善され、経済交流は飛躍的に拡大するものと期待し
ている。中でも物品貿易の自由化、特に電機・電子機器、自動車などの部品・素材にかかる関税
の引き下げが実現すれば、関税負担の軽減のみならず、生産拠点としてのベトナムの魅力向上
にもつながると思われる。
こうした状況の中、日本の各地方それぞれの産業界でもベトナムとの経済交流の期待が高
まっている。私どもの九州地域は、7つの県から構成、日本の南西部に位置し、古くからアジアと
の交流を活発に行ってきた。九州地域の GDP・人口・面積は、日本の 1 割に相当し、オランダ一
国に匹敵する経済規模を有する。
特に九州地域は、ものづくりを得意とする地域であり、TOYOTA や NISSAN、HONDA 等の自動
車 ・バイクの組立工場が集積。松下(PANASONIC)、SONY、TOSHIBA、FUJITSU-HITACHI、
NEC など IT 産業やハイテク家電製品の工場も多数集積している。
さらに環境リサイクル、食品加工、エネルギー等、極めて多様な産業集積があり、ベトナムとの
経済・技術交流の可能性は極めて高いと考える。
今回の調査団は、名簿のとおり、中央政府機関の出先、地方公共団体、様々な業種の企業、
農業団体、経済団体の 30 名で構成。
21 日からベトナムに入り、日本からの進出企業が多く集まる工業団地や輸出加工区、港湾施
設などを視察し、ベトナムの投資環境、ビジネス環境の素晴らしさを実感した。今回の視察を契
機に、経済、技術交流の更なる拡大を模索したい。
私ども九州地域代表団は、両国間の経済交流促進のため、ベトナム商工会議所との会談をお
願いしているが、このような意見交換の場を今回で終わらせず、今後も継続的に持ちたいと考え
ている。大臣におかれては、経済団体間のこうした話し合いをご支援いただき、そこで交わされた
31
意見を取り上げていただくようお願いする。
最後に、このような機会を作っていただいたシン副大臣に心から感謝申し上げ、私の御礼のご
挨拶とさせていただく。
(シン副大臣)
ベトナム投資省を代表し、九州とベトナムの発展のためにこのようなミッションを派遣いただい
たことに心から御礼申し上げる。
先ごろはベトナムのズン首相が日本を訪問、また、日本の安倍首相にも訪越いただいたことに
よって、日越関係はさらに進展。
2007 年 1 月 11 日にベトナムは WTO に正式に加盟し全ての国と平等に輸出入が可能な状態
となった。2006 年は、APEC の成功や GDP 成長 8.2%、前年比 2 割増の 400 億ドルの輸出、さら
に過去最高となった 120 億ドルの外国からの投資を誇った年でもある。 また、世界からたくさん
の援助をいただき、特に日本からは 44 億ドルの ODA を投入いただき、これらの援助でインフラの
整備を進めているところ。そして、投資環境の整備のため、共通投資法をはじめとする法整備に
も着手している。
今回、日本の中でも最もベトナムに近い九州の皆さまにお越しいただいたが、まだまだ日本か
ら特に九州からの投資額は低いと感じている。ぜひ今回の訪越でベトナムをしっかりと見て、知っ
ていただき、九州からベトナムへの投資額を増やしていただきたい。もちろん、計画投資省として
便宜的に協力を惜しむものではなく、各地方自治体とも協力していきたい。
私は1週間前に成田空港を利用したが、ベトナムのインフラはまだまだであることを実感した。
特に高速道路や新幹線の整備に力を入れたいと思っており、日本からの援助を是非お願いした
い。
今回訪越され、それぞれの訪問先でベトナムへの投資についての魅力や不安要素を見聞きさ
れていることと思う。特にベトナムの行政手続きの煩雑さについては各所で話しがあったのでは
ないだろうか。申請や審査に長い時間がかかるなど、様々な問題を抱えている。
そのような中で、2007 年、ベトナム政府が実現したいと思っていることは 3 点。第 1 に国の総力
をあげて GDP 成長率 8.5%を達成すること、第 2 に行政手続きを改善して風通しをよくし、窓口を
一つにすることによってワンストップサービスを実現すること、第 3 に汚職贈賄をなくし、透明性を
高めること。この 3 つを実現させ、外国からの投資がさらに増えることを期待する。
新暦のお正月は既に過ぎ、旧暦のお正月はもうすぐ。新しい年が皆さまにとって良い年となるよ
う、企業家の皆さまにとって利益の多い年となりことを祈念して挨拶に代えさせていただく。
−14:25 副大臣退席(ダナンでの会議に出席のため)−
(タン局長)
外国投資の代表として、また投資の窓口として、九州からの訪問団をお迎えしたことを大変嬉
しく思う。2007 年 1 月から開始された日本の新しいプロジェクトについて、ここでご報告できること
を嬉しく思う。先週東京において交通運輸、土地、造船業、インフラについての交渉があった。私
も、お隣の市川氏もその交渉に参加し、つい先日ベトナムに戻ってきたところ。
1 月 2 日、タイグェン省スンホア湖周辺の開発事業に日本企業「A社」へ投資のライセンスがお
りた。投資額は 1 億ドル。2007 年最初の投資ライセンスがおりた相手が日本であったことを嬉しく
思う。2 月 3 日、岡山で電車の設備を生産している会社・B社がハイフォンで工場をオープンする
32
予定。
ハノイのミーリンという大変景観の美しい地域に、日本企業「C社 」が5つ星の高級ホテルをオ
ープンするため、昨日ハノイの地方自治体と会談を行った。十分な資料提出があれば来週には
ライセンスがおり、プロジェクトがスタートする予定。ミーリンは大変すばらしい場所で、近くには新
しくできた国際会議場もあり、外国の投資家に大変人気のある地域であり、ハノイ市は投資先に
日本を選んだ。
先ごろアサヒビールが訪越し、サイゴンビールを戦略的パートナーとする旨の提言があった。
そして今日は鎌田会長をはじめとする大勢の九州からの調査団をお迎えすることができ、必ず
やこの投資の関係が発展していくことを大変嬉しく思う。
(越側各人紹介、「投資」という雑誌記者が同席していることを説明。)
(ホアン氏は先週 EPA 交渉のため東京へ出張していた)
∼質疑応答∼
(平井本部長)
事前アンケートにより九州側参加者からの質問をお預かりしている。
① 投資環境整備計画の全体像およびその資金的裏づけと時期、なかでも昨年の投資計画法の
改正について
② 電力・交通基盤等、今後のインフラ整備について
③ 中小企業との関係強化についての方針の有無
④ 今後のベトナムの環境問題について
(タン局長)
2007 年にベトナム政府が実現させたいことは、8.5%の経済成長、ワンストップサービスを実現さ
せる行政改革、賄賂収賄の追放の 3 点。しかし、行政改革と賄賂収賄の追放の実現によって経
済成長は自然とついてくるものと考えるので、この 2 点を重点的に取り組むこととしている。
健全な投資環境、経済環境実現のためには、まず法整備が必要。昨年は、企業に関する重要
ないくつもの法律を公布した。共通投資法と入札法とその他の法律。これらの法律は各企業に共
通の基盤、共通のビジネス条件を与え、国際ルールに整合することを保障するもの。特に WTO
のルールに沿ったものとなっている。これらの法律はベトナムが WTO に加盟すること視野に入れ
て策定した。そして、ベトナムに投資する企業にとって、国営企業、国内企業も外国の企業も平等
で、風通しの良い、また、国際的な決まりごとに批准するためのものである。
このように投資基盤ができたので、次に私達が行うべきことは、外国からの投資誘致。そこで、
経済開発における資金調達のため、国営企業の株式会社化を促進している。これは、投資法や
入札法を効果的に施行し、民間・外国資本を効率的に活用することや、現在ベトナムが受けてい
る投資や援助を効率的に活用することを目的とする。
このような法整備により民間セクターの推進を図り、結果として、昨年は民間企業が多数新設
され、ベトナム経済に大きな貢献を果たした。現在は 30 万の民間企業が存在している。
外国からの投資についても、門戸を開き、投資環境の整備に特に力を入れており、外国投資
家がベトナムにおいて利益的かつ長期的な活動が行えるよう努力している。
国際関係については、全面的な友好関係戦略をとり、ベトナムは世界各国を友人として、日本
を含む各国政府の援助をお願いしている。
33
(ホアン副部長)
投資法の新しい点について基本的部分を簡単に申し述べる。
投資法、企業法、入札法が 2006 年 7 月 1 日に国会で採択された。それに続き、政府はこれら
を具体化するための規定(細則)を 2006 年末に策定した。
第 1 に、投資法では投資にかかる障害を取り払った。たとえば外国企業に比べて国内企業を
優遇するようなローカライゼーションの問題、あるいは輸入率を制限し、国内原料の使用を義務
づけるなどについての問題を削除した。
第 2 に、市場参入の問題。先ごろベトナムは WTO の正式会員になり、日越間の投資協力形式、
BIT(二国間投資協定)協力が自由になったことにより、投資環境がより開かれたものとなってい
く。
第 3 に、投資形態が多様化したこと。以前は合弁、100%出資、契約(事業協力型の BCC、移
管・譲渡型の BOT など)の 3 形態しかなかったが、今は株式会社、共同経営、ビジネス開発など
様々な形態をとることが可能となった。
第 4 に、優遇される投資分野が拡大したこと。ここでは省くが、細則に、優遇される分野、地域
の具体的なリストを示している。
第 5 に、投資ライセンス取得の手続きについて。以前に比べるとかなり簡素化したことにより、
中央でしか発行できなかったライセンスを各地方、各省の人民委員会、管理委員会で出すことが
可能となった。ほとんどのプロジェクトは投資登録すればライセンスを出してもらえる。また、以前
は 500 万ドル以上から必要だった審査が 2000 万ドルまでは審査不要になり、審査内容も非常に
簡素化された。たとえば、以前は審査していた投資家の財政能力や事業の効率性については、
必要なくなった。ライセンス取得にかかる日数も短縮され、審査を要しないプロジェクトの場合 15
日、審査する場合も 45 日で取得できるようになった。
そして、投資手続きをより具体化し、計画投資省は 188 の細則を交付し、企業登録用の雛形を
作成したことによって、この雛形に則って書類を作成して担当機関に提出するだけでライセンス
取得の申し込みができるようになった。
以上、以前の法整備との改善点を簡単に申し上げた。
(タン局長)
私から二番目の質問にお答えする。
インフラの未整備が対ベトナム投資の妨げとなっている原因の一つだという認識は十分持って
いる。1987 年に最初の投資法ができてから 20 年経っているが、その間ずっとベトナム政府はイン
フラ整備に最大限の力を入れている。
道路、橋梁について、ベトナム政府はこれまで日本を含む各国の正式 ODA により多額の資金
を調達し、交通運輸、港湾の多くの設備を整備してきた。2006 年 12 月に完成したバイチャイの東
西回廊、その他にも、インフラ建設に外国からの直接投資を呼びこむ政策の策定や水力発電所、
上水道設備、港湾設備の整備にも取り組んできた。
特に発電所など重要な設備は BOT などの直接投資により整備され、また港湾、ホーチミン市
のコンテナ港は合弁形態で整備されている。他にも外国投資によってインフラが整備され、その
設備は効率的に利用されている。
2006∼2010 年の 5 カ年間の最重要事項として、政府は既存のインフラの整備をあげており、そ
のためには国内全ての資金源を使うということを提示。中でも特に民間の資本と外国からの投資
を奨励している。これまでのベトナムの発展を象徴するような設備としてあげられるのは、北部か
ら南部への 500KV の送電線。
34
将来的にベトナム首相が日本政府に支援を提起したのは、南北の新幹線、高速道路、ハイテ
クパークのインフラ整備。これらは現在政府が一番関心を抱いている問題。また、港湾(大水深)
や発電所の建設、既存インフラの補修改善について、各国政府の正式な援助を引き続き呼びか
ける。もちろん社会インフラのほかに、労働力の向上や貧困撲滅についての政策も合わせて全
面的に進めていく所存。
三番目の質問について、ベトナムは、大企業の投資のほか中小企業の参入についても心から
奨励し期待している。特にベトナム企業は日本の中小企業との協力関係を求めている。現在の
ベトナムの経済規模から見て、日本の中小企業との連携は適合性が高く、自動車、バイク、船、
電機、電子、通信などの分野を発展させていくうえで大いに助けとなる。
2010 年までの 5 カ年計画では特に環境問題についても留意している。経済と社会の発展に環
境保護を結び付けて考えている。ベトナムの環境基準は国際基準、つまり世界各国の基準と整
合させ、外国投資家にはベトナムの、アジアの、ひいては世界の環境保護と結びつけた経済社
会発展に寄与してもらえると嬉しく思う。
以 上
35
商業省ルェ副大臣との会談議事録
日時:2007年1月25日(木)15:40∼17:00
場所:商業省会議室
出席者:先方 ルェ副大臣、チュンアジア太平洋局長、ハーイ通商促進局副局長、ハー輸出支援
センターセンター長
当方 鎌田九経連会長、斉藤国際部長以下ミッション参加者、松永公使、中島書記官
(鎌田会長)
お忙しいところお時間を頂きありがとうございます。九州の情報や参加者メンバー表をお手元に
配布させていただいていますのでご参照下さい。
(ルェ副大臣)
九州からミッション団の皆さんに来ていただいたことにお礼申し上げる。今回のミッションが成功
裏に終了することを心から祈念している。私は日越 EPA 交渉に参加するため、一週間前に日本
に行っており、先週末に帰ってきたばかり。
2006年ベトナムは経済、外交の面において成功を収め、日本を含む外国と友好的な関係を
築いている。その結果、経済成長率8.5%を達成した。農業、工業、商業がすべてうまく発展し
ている。また、貿易、海外からの投資とも順調に伸びており、特に輸出は22%の増加となった。
また、2007年1月11日 WTO に正式加盟し、APEC 首脳会議も成功裏に開催するなど諸外国
との友好関係を築く基礎になったと思う。
現在、日本とベトナムはかつてないほど良好な関係にある。両首相の相互訪問もあり、両国は
さらに友好を深めていくことで一致している。2006年の日本との貿易額は100億ドル。輸出50
億ドル、輸入も50億ドル。世界の中でも多い国となっている。投資は第3位でよい効果が出てい
る。ホンダ、トヨタ、三菱など日本企業は早くからベトナムに進出しているが、最近ではキヤノンな
ども進出している。日本の大企業はベトナムの経済発展に大きく寄与しており。特にこの2年間
輸出が増えたのは日本企業の投資のおかげだと考えている。ベトナム政府はベトナムにおける
日本企業の活動を高く評価しており、さらに投資環境を向上させて、日本企業の活動を支援して
いきたいと考えている。昨年11月に安倍首相のベトナム時訪問には120社以上が同行されるな
ど、日本企業のベトナム進出の意欲を感じている。質問があればぜひお受けしたい。
(九州側)
小売分野への外資開放の考え方について教えて頂きたい。開放されるとしたら時期はいつご
ろでしょうか。
(ルェ副大臣)
WTO に加盟したことでベトナムは2009年1月1日に完全に市場開放することになった。ただ
し、センシティブな品目は保護されることになる。例えばガソリン、石油、砂糖、米、タバコ、薬品、
希少な鉱物など。また、市場開放は2009年からだが、2007年までにも合弁企業には段階的な
開放を行う。2007年には50%未満、2008年100%未満、2009年完全開放。小売は商業省
の認可を条件に開放する予定。
(九州側)
家電量販店でも許可がいただけるのでしょうか?
すでに輸入代理店をベトナムにもっている会社が新たに工場を建てるとか製品を販売するとき
には、ベトナム企業を守るための何らかの規制があるのでしょうか。
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(ルェ副大臣)
さきほど述べたとおり、特定品目以外は2009年から開放される。許可については具体的な申
請があって初めて判断するので、現時点で許可ができるかどうかは申し上げられないが、原則的
には民間企業は小売店を開くことができることになっている。
ベトナムには多くの日本の代理店があるが現行法で活動している。49%を超えない合弁企業
でまず進出して、完全開放までに徐々に持分を増やす企業もある。
(斉藤部長)
WTO 加盟をお喜び申し上げます。経済産業省からは昨年5月に片山政務官がルェ副大臣と
会談され、12月には山本副大臣がガン副大臣と会談されている。私が今回参加したのは、山本
副大臣から、九州の有力な企業、自治体が参加するミッションが形成されるので参加するように
命令があったため。
日本の GDP は世界の第2位で、その10%が九州。豪州、イラン、オランダと同程度。主力産
業は自動車、半導体であるが農業、食品加工も含め他の産業もあり、非常にバランスのよい発
展をしている。多くの中小企業が存在するので、ベトナムとの様々な経済交流が可能ではないか
と考えている。経済交流は産業界が中心だが、そこで解決できない問題が生じたときにサポート
することが政府の役割だと考えている。
明日ベトナム商工会議所(以下 VCCI)との会談を行う予定だが 、管轄の省庁を教えてほし
い。
(ルェ副大臣)
VCCI は政府機関にも属さない NGO。企業団体の集合体で企業の権利を守っている。国家予
算も使っていない。
(鎌田会長)
明日 VCCI と会談を行うが、今後も継続していきたいと考えている。意見交換の際に問題が出
たときには副大臣のご支援をいただきたい。
(ルェ副大臣)
商業省は国の機関。VCCI は商業の促進を目指す企業の団体で、他国の商工会議所と変わ
るところはない。九経連と VCCI が関係を築くことを歓迎する。政府に対する問題があれば商業
省が解決に尽力したい。各企業との問題の解決は VCCI が当たることになる。
斉藤部長に申し上げたいが、ベトナムでは経済関係の交渉は商業省が担当する。日本では外
務省が窓口になる。従って、九州地域の企業は今後、経済関係の交渉があれば、外務省に連絡
して頂き、日本とベトナムの経済関係が良くなるようにお願いしたい。先ごろ、横田、田辺の間の
商品サービス、マーケット開放について問題があり、双方の企業の問題解決に政府が尽力する
ことがあった。ベトナムの農産物をより多く日本に輸出したいとの思いからそうなった。交渉の中
には両国の首相が話しをして双方が少し歩み寄った。
(松永公使)
大使館は日 本政府全体を代表している。外務省も経済産業省も農林水産省も一体となって
EPA 交渉に当たっている。経済産業省出身の田辺審議官も横田大使と一体となって交渉に当
たっている。
(九州側)
社会インフラの整備、道路、港湾電力などを行われるとのことだが、その次にはそのような分
野の産業を育成していくのか。
ベトナムへの投資には95年からの第1次ブーム、2002年頃からの第2次ブームがあるが、
今の状況を継続するためにも第1次ブームが去ったことに対する教訓はなにか?
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(ルェ副大臣)
まず道路、鉄道、港湾などのインフラ整備に集中し、第2段階として工業生産、機械、農産物食
品加工産業育成に取り組む。3つ目にはサービス分野(金融、銀行、会計、運輸、商品のクオリ
ティーに関する分野、観光)に取り組みたい。それが終わることで完全な工業国になっていきたい。
その中では、スキルを有する優秀な人材を育成することが重要と考えている。ベトナムのインフラ
はまだまだ未整備なものが多く、ODA で日本から多くの協力をいただいている。安倍首相訪問
時には、調査団が2千キロにも及ぶ長いベトナム縦断道路の調査をし、国土交通省と覚書を交
わしたと記憶している。長期的なプロジェクトだがベトナム経済発展のための大きな力になると確
信している。さらに日本からの投資は電力の分野がある。電気不足の問題もあり、集中して取り
組む。
日本のサービス業は非常に強い。金融、銀行、会計などの商品は非常に強い。今回、皆さん
が来られており、松永公使もおられる機会にぜひ日本のハイテク技術について教えてほしい。
また、日本からベトナムに投資できる大きな案件、長期的な案件としては、空港、港湾がある。
これはベトナムが特に立ち遅れている分野であるが、整備が始まれば早いスピードで進むと思う。
ベトナムには大きなコンテナ港がない。日本の技術、経験によって援助をいただければ大きな実
りになる。またベトナムは貨物専用飛行機を有しておらずすべてリースになっている。投資額が
大きく、長い期間が必要だが日本の投資は可能だと思う。ベトナムに足りないもの投資を受けれ
ば、高い効果が挙げられると思う。
91から98年まで投資は増えたが額は少なかった。原因は3つある。まず、受け入れポテン
シャルが低かったこと。これはまだ米国の経済制裁が生きていたのが大きかった。2つ目は外国
投資に関する法規が整備されていなかったこと。このため、外国企業の信用を得にくかった。3つ
目にはアジア経済危機がある。
これに対し、2004年からは投資が急速に増加している。2007年には約100億ドルの投資
が入っている。原因は3つと考えられる。1つ目は生産が増えた結果、輸出入が増えて、収入が
増えて経済が開放されたこと。2つ目は法律整備の結果、共通投資法ができ外国企業が差別さ
れない状況になったこと。3つ目はベトナムの信用が上がったこと。政治的にも社会的にも信用
度が高まり投資家も安心して投資できるようになった。このような理由で2001年に比較すると7
∼8倍の投資額となっている。ベトナムの環境は整っている。治安もいい。日本企業が中国から
ベトナムに拠点を移すことやインド、タイに投資を考えていた企業がベトナムに投資こともあると
聞いている。
(九州側)
経営力、技術力などを高めるための人材育成政策について聞きたい。
(副大臣)
人材育成には関心を持っている。管轄は若年層の教育は教育省、職業訓練は労働省が管轄
しているので、そこと一緒に動くのがよいと思うが、政府としては人材育成を強い興味を持ってい
る。若者が何かひとつでも技術を持って企業にとって有用な人材となるようにと考えている。
(九州側)
来週福岡県のミッションで13社18名がハノイに来る予定なので、ぜひご協力をお願いしたい。
(九州側)
優秀な情報処理技術者が大変不足している。過去は韓国、中国、インドと協力してきたが、多
くの企業の間で次はベトナムだという話になっている。情報処理技術者の育成についての考えを
聞かせていただきたい。
(副大臣)
ベトナムの IT 技術は非常に早い速度で成長している。FPT というソフトウェア会社があり、ソフ
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トや部品を輸出している。ポテンシャルは高く、若い人材も多くいる。日本と協力できればよい。
(会長)
貴重な時間を頂き感謝している。インフラ、人材、サービスなど色々な話を聞かせていただい
た。今回のミッション参加者は、様々な分野から関心を持って参加しており、大変有益なものだっ
たと思う。
(副大臣)
色々な情報はお渡しする。
VCCI とも関係の促進などを進めていただきたい。
以 上
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工業省ハオ副大臣との会談議事録
日時:2007年1月26日(金)15:00∼15:35
場所:工業省会議室
出席者:先方 ハオ副大臣ほか4名
当方 鎌田九経連会長、斉藤国際部長以下ミッション参加者、中島書記官
(ハオ副大臣)
九経連会長鎌田様、本日はこのように大勢のミッション参加者を迎えることができて大変嬉しく
思う。工業省は工業に係るすべての機関を管理する機関。その中には重工業、軽工業、加工業、
消費材料工業が含まれる。昨年、管轄する産業の成長率は 17%で、輸出額の 76.7%を占める。ベ
トナムは農業製品輸出国から工業製品輸出国に変わりつつある。
工業省としては外国投資を誘致し、重工業、機械、化学、軽工業などのまだ弱い分野を発展さ
せていきたいと考えている。簡単だが、本省の説明とし、時間も大変短いので、皆様の関心のあ
る問題にお答えしたい。
(鎌田会長)
ハオ副大臣には大変お忙しい中、お時間をいただき心から感謝申し上げる。それにもかかわ
らず私どものスケジュールの関係で時間が短くなったことを残念に思う。
昨年 11 月の安倍総理のベトナム訪問にあわせ、日本経団連の御手洗会長とともに私どももベ
トナムを訪問した。それ以来日本の経済界ではベトナムに対する関心が大変高まっている。それ
を受け、今回のミッション団が組織された。両国首脳の間で交わされたインフラ整備、人材育成、
ハイテク工業団地に対する企業誘致などに関心のある企業、団体が今回のミッションに参加して
いる。
九州はアジア、ベトナムに大変近い地域にあり、私の名刺にも地図があるのでぜひご参照い
ただきたい。今回の参加メンバーについては名簿をご覧いただきたい。それでは団員から事前に
集めた質問をさせていただきたい。
(九州側)
1.インフラ投資事業への民間参入の可能性とその際の保障について
2.現在ベトナム政府が検討されている電力計画第 6 次マスタープランの策定状況について
(ハオ副大臣)
1.国内外の民間企業参入は、ベトナム政府としては奨励の方向で進めている。日越両政府にお
いて、南北の高速道路についてお互いで研究を進めるという合意があった。その他では、都市部
から山岳部、農村部への道路敷設プロジェクトも考えに入れている。これは自動車、鉄道の両方
を考えていい。また電力インフラは、BOT、BTO 形式による外国からの投資を誘致したい。これは、
国立のプロジェクト(IPP)によるものと考えている。保障についてはそのプロジェクトの重要度、性
格によって違ってくるので一概にお答えできない。
2.電力の第 6 次マスタープランは、工業省で策定のうえ、政府に提出しており、決定を待ってい
るところ。マスタープランは、電気エネルギーの安定的なバランスのとれた供給を目指す立場か
ら、現在中心の水力発電から火力発電に移行させていきたいと考えている。火力発電には天然
ガスによるものと石炭によるものがあるが、今回のマスタープランにおいては石炭を原料とする
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発電所について 3 つのポイントがある。一つ目はクアンニン省・ハイフォン市、二つ目は中部、三
つ目はメコンデルタ。この 3 つの地域において 3,000∼4,000 メガワットの能力を見込めると考えて
いる。10∼15 年後には石炭による発電がメインとなると考えている。ただし、南部では石炭の供
給ができないので、オーストラリア、インドから輸入したものを使用することになる。
2015 年からベトナム初の原子力発電を予定。最初は 2,000 メガワットだが 2020 年には 4,000
メガワットを目指している。
他にもマスタープランの中には送電線の建設も考えられている。最終的には国内に電力マー
ケットを形成したい。まずは工場などに電力を販売し、後には電力を供給することができるような
マーケットにしていきたい。最終的には国は電力を送ることだけの独占権を有する形となる。まず
国の電力会社を株式会社にするところから始め、その際には、大きな水力発電所だけが国有と
なる。この場合、海外の投資家は、直接発電所を建設することもできるし、間接的に株を所有す
ることによってこの事業に参画することも可能。すでにいくつかの会社を株式会社化しており、株
式は市場で高い評価を受けている。
(斉藤部長)
昨年 12 月に山本副大臣がハオ副大臣にお会いしているとのことでぜひよろしく伝えるように申
し付かってきた。今年の夏くらいにベトナムの行政府の改革があり、商業省と工業省が合併され
るという話を聞いている。その際には、ハオ副大臣と工業省の皆様が九州とベトナムの産業界の
交流にご支援をいただけるようお願いしたい。
(ハオ副大臣)
我々もその件は耳にしているだけだが、これからも日本の経済産業省と良い関係を築いてい
けると確信している。7 月以降国会において、その件が話し合われることになるだろう。
(九州側)
現在のベトナムは軽工業のイメージが強いが、お話にあった重工業化についてどのようなイメ
ージをお持ちか。
(ハオ副大臣)
実際には、最初の段階では豊富な労働力を使うことができる繊維や食品加工などの軽工業を
進めてきた。しかし、ここ 5 年ほどは徐々に重工業へのシフトが進んでいる。例としては、エネル
ギー、石炭、石油、電気、鉱物など。
現在、外国から 35 億ドルの投資を受けたボーキサイトに関する大きなプロジェクト(※)が進ん
でいる。また、ハーティン省の鉱山についても 40 億ドルの投資を受けている。石油の精製事業は
20 億ドルのプロジェクトとなっている。さらに肥料など化学品の分野でもプロジェクトが進んでいる。
現在のベトナムの工業は軽工業がメインというより、軽工業から重工業へのシフトの途中にある。
投資額も軽工業よりも重工業が多くなっている。
また、重工業化と平行して、ハイテク工業化も進めていく。この分野では海外からの投資を呼
びかけており、インテル、富士通、キャノンなどに呼びかけ、ハイテク技術を使った IT 機器やレー
ザープリンターなどのプロジェクトを呼びかけている。さらにハイテクのナノ技術を使うような新素
材分野にも進出していきたい。メカトロニクス工業の拠点としてはホーチミン市やハノイのホアラッ
クハイテクパークの 2 つの拠点を考えている。
海外投資を誘致するほか、国内の労働力を使う一般的な重工業に力を入れている。さらにベト
ナムの工業が離陸できるように重工業のほかハイテク技術にも力を入れていきたい。
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(九州側)
時間となったのでこれで失礼させていただくが、今後質問や問い合わせなどの窓口になってい
ただける方をご紹介いただきたい。
(ハオ副大臣)
国際協力局が窓口になる。皆様のご質問等には喜んでお答えする。
ベトナム工業省指導部を代表し、九州からお越しになった鎌田会長と皆様に感謝申し上げる。
近い将来、皆様の関心に見合ったパートナーを見つけていただけることを切望する。
(鎌田会長)
ハオ副大臣にあらためて感謝申し上げる。九州はものづくりを得意とする地域で、自動車、ITの
ほか、先ほど話に出たバイオ、ナノ、ロボットなど多くの産業を有しているので、今後も様々な分
野で交流をさせていただきたく、よろしくお願いしたい。
以 上
(※)これは日本からの投資であり、日軽金が水酸化アルミ二ウム工場の建設(総投資額400億
ドル程度)を予定している。次頁新聞記事参照。
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ベトナム商工会議所ロック会頭との会談議事録
日時:2007年1月26日(金)16:15∼16:45
場所:ベトナム商工会議所 会議室
出席者:先方 ロック会頭、ベトナム投資発展グループ フォン会長ほか
当方 鎌田九経連会長、斉藤国際部長以下ミッション参加者、
(鎌田会長)
本日は、皆様、大変お忙しい中、私ども「九州ベトナム経済交流調査団」を暖かく迎えていただ
き、感謝申し上げる。
私ども訪問団は、日本の南西部に位置し、日本の GDP の 1 割を占める九州地域の政府関係
者、経済界の代表者で構成。具体的には、日本の政府機関の地方支局である九州経済産業局、
鉄道・運輸、プラント・機械、環境・エネルギー、木材加工、情報通信、医療、金融、総合商社、農
業団体、経済団体などの民間企業・団体 30 名で構成。
私は 2 ヶ月前、安倍首相や日本経団連の御手洗会長らと一緒にベトナムを訪問。そのとき、チ
ェット国家主席、ズン首相はじめ、政府経済閣僚らとお会いし、大変な歓迎を受けた。
ただこの時は、2 日間の滞在日程だったため、ベトナム経済界の皆様と充分交流する機会がな
かった。ベトナムへの投資・経済交流を加速的に進めるにあたり、どのような分野の交流が実行
的なのかを見極めるため、九州の企業家自らがベトナムを訪問し、皆様方と直に意見交換を行う
ことが重要と考え、今回再訪した次第。
九州地域は、GDP・人口・面積は、オランダとほぼ同じ規模。
TOYOTA や NISSAN、HONDA 等の自動車・バイクの組立工場が集積しており、また松下
(PANASONIC)、SONY、TOSHIBA、FUJITSU-HITACHI、NEC などハイテク家電製品の工場も多
数集積。特にポテンシャルの高い自動車、半導体産業、環境、食品加工、エネルギー等の多様
な分野からベトナム産業界との実のある経済交流の機運が高まっている。
日越友好関係は、かつてないほど良好な段階にあり、今月から交渉開始予定の我が国との経
済連携協定(EPA)が締結されれば、ベトナムと日本、そして九州との経済交流は飛躍的に拡大
するものと期待している。特に、物品貿易の自由化は、関税負担の軽減のみならず、生産拠点と
してのベトナムの魅力向上にもつながる。この点、特に電機・電子機器、自動車などの部品・素
材にかかる貴国の輸入関税を WTO ルールに整合的な形で引き下げていただくようお願いした
い。
最後になったが、両国の経済交流促進のため、このような意見交換の場を今回で終わらせず、
今回の派遣を契機として、今後も継続的にパートナーシップを形成していきたい。本日の会合が、
ベトナム経済界と九州経済界の友好関係を築く、記念すべき第一歩となることを祈念しつつ、私
の挨拶としたい。
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(ロック会頭)
ベトナム商工会議所を代表し、今日、九州ベトナム経済調査団の皆様鎌田会長をはじめ皆様
方の訪問に心からお礼申し上げる。
日本政府安倍首相また日本経団連御手洗会長に引き続き、皆様方がベトナムへ来られたこと、
そして、このミッションが成功裡に具体的な結果を収め、帰国後、ベトナムとのパートナーシップに
ついて、より具体的な方向性を見つけられることを心より期待申し上げる。
皆様方の九州地域について、ベトナムではかなり有名。すでに投資または協力関係において
大きな発展を遂げられてきている。鎌田会長が話されたように九州はハイテク工業のセンターで
あり、また大きなグループ企業の生産拠点ともなっている。
個人的に九州には思い出があり、初めて九州に行き、そして帰国したら男の子が生まれた。お
そらく九州で食べた刺身のおかげで子供ができたのではないかと思う。
本日、同席しているフォン氏は VCCI の役員会のメンバーで、ベトナム最大の輸出加工区の担
当でもある。現在、日本の大きなグループ企業がフォン氏の担当している輸出加工区に投資して
いる。今後、投資家の皆様方が、ハイテクの技術を携え、この輸出加工区に進出する際には、協
力させていただきたい。
鎌田会長もご存知のとおり、APEC を成功裏に終了させた後、ベトナムは WTO に加盟。また、
アメリカの国会において、ベトナムとの通商協定が永遠に正常化されることが決定した。かつてベ
トナムがこれほど国際的な注目を浴びたことはなく、ベトナムにこれほど多くの経済ミッションが来
ることはなかった。
2006 年末∼2007 年初において、投資額も突起するほど伸びている。2000 年の初めには世界
の大国である日本、アメリカ、EU から対ベトナム投資が増えている。私たちは、このベトナム投資
をしてくださる外国投資家の皆様方のそのメインは、日本の皆様方であってほしいと思っている。
先ごろ、ベトナム・日本両首相は、相互の関係を「戦略的パートナーシップ」と確定した。また、
包括的経済連携協定(EPA)も交渉中。この戦略的パートナーという言葉は、私たちにとって特別
な意味がある。以前は、ロシア、旧ソ連との関係をそのように言っていた。しかしながらこの新し
い時代では、日本を戦略的パートナーと呼び、他の国々は戦略的パートナーとは呼ばず、他の
表現を使っている。それは取りも直さず日本のことを特別に考えているということ。ベトナム政府
指導者たちが政治的にベトナム・日本の関係を考えているということになる。
私たち VCCI、また日本の九州経済連合会の責任として、将来的には、日本およびベトナムの
経済界がこの関係をより重要であると考え、日本の対ベトナム投資額が益々増えることについて
責任をもっていくべき。将来的には日本の対ベトナム投資額が益々上がることについて責任を
持っていくべきである。そして、将来的には、日本の対外投資額の中で、一番多い国がベトナム
であってほしいと思っている。今のベトナムに対する投資額は、日本は第 4 位だが、将来的には、
ぜひ 1 位になってほしいと思う。
私の知る限りでは、皆様方もご存知のとおりベトナムは政治的・社会的に大変安定しており、
また若くて優秀な労働力を有している。人口の 6 割以上が 30 歳未満。
また、ベトナム市場のメリットとして、中国に近いということ。個人的に外国投資家の方々にお
会いすることがあるが、彼らが持つ戦略としては、ベトナムに投資して、中国に輸出する。投資し
製造して、中国に輸出するという形態をとっている。というのは、そのようにした方がより少ないリ
スクで効果が得られるからである。中国−ベトナムで生産をすれば、中国の西南部に輸出するこ
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とができ、中国の華東地域で生産するよりもずっと効果的だからである。
ここで付け加え、VCCI の役割は、日本の商工会議所、経団連そしてジェトロのような役割を全
て合わせて持っている。今朝、韓国の労働省のミッションをお迎えした。そのミッションには、経営
者連合会の方たちがいた。VCCI は、国内以外に支局があり、本日、日本支局から佐藤氏と児島
氏に来ていただいている。
今日は、私たちは初めてお会いしたので、ぜひ長期的に関係を築いていきたいと思っている。
その中で、もし皆様方に何か特定の関心があれば話合いをしていきたい。皆様方がどのような分
野にどのように投資をする気持ちがあるのか、もしお持ちであれば喜んで情報提供、支援する。
特に土地、場所について用意がある。もし皆様方からベトナム政府に何かお願いしたい事などあ
れば、ぜひ私どもの方へお伝えいただきたい。私どもから首相または政府に報告する。外国投資
家からのお願い、特に日本の皆様方のお願いは通したいと思う。
それではベトナムの工業団地について、フォン氏より簡潔に説明したい。
(フォン氏)
まず、ロック会頭から私に本日、この場に出席させていただき皆様方へのご挨拶の機会を得た
ことをお礼申し上げる。私は、北部の 5 省と都市を含む地域において、色々な工業団地を統括し
ており、その総面積は、2,000ha になる。
現在、私どもの工業団地に入っている外国企業は 300 社程だが、そのうち 100 社が日本から
来ている企業。有名な大きなグループ企業を挙げると、例えばA社、電子機器のB社、こちらは私
どもの工業団地内で 3 億ドルの投資を行っている。また、日本でも有名な医療機器メーカーであ
るC社も入っている。日本の企業の皆様方がこのように多く来ていただけるのは、私どもが土地、
インフラの条件を提示するだけではなく、特有の優れたサービスがあるからであろう。それは無償
での会社設立をすることができること、コンサルタント事業をしていることである。また、言語の違
いについては、私どものところでは日本に事務所を構え、日本人のスタッフを抱えることによって、
その困難を克服している。また、ベトナム投資促進センターをつくり日本のスタッフを置き、いつで
も何か困ったことがあれば、そのセンターに行けば解決することが可能。
本日は、時間があまり多くないので詳しい話をすることはできないが、日本企業の皆様方また
海外投資の皆様方には、是非私どもの工業団地にお入りいただきたい。もし時間があれば私ど
もの日本人スタッフが皆様方の会社に出向き、スタッフが行っている事業を具体的にご説明する
ことも可能。一言付け加えると、ベトナム商工会議所の正式なメンバーになれたことを大変誇りに
思う。正式なメンバーになれたというだけではなく、ベトナム商工会議所は外国投資家、それは日
本の企業も含まれるが、皆様方の権利を守ってくれる組織でもある。ベトナムで外国企業が活動
するにあたり、VCCI の援助があれば、必ずや成功することができるし、そういった意味ではベトナ
ムは来るべき場所であるし、また、投資するのに大変魅力的である場所であるということをここで
強調したい。
改めて皆様のご来訪を感謝申し上げる。ぜひ将来的に具体的な協力関係が築ければいいと思
う。
(ロック会頭)
皆様方の良いパートナーになる。
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(鎌田会長)
会頭、副会頭から大変温かいお言葉を頂戴した。
特に交流を継続的に続けたいということ、そして色々問題があるときには VCCI から政府にも取
り次いでいただけるということも頂戴した。
会頭から日越の戦略的パートナーということに触れられたが、実は私どもも昨日ベトナム駐在
の服部大使から日越の戦略的パートナーという言葉、これがどんなに重い言葉であるかというこ
と、ベトナム政府の決断或いは日本政府の決断そういったものについて重々お聞きしたところで
ある。
そういった戦略的パートナーとしての自覚を持ちながら私どもも日本とベトナムが共に、発展す
る交流を願っており、これからもよろしくお願いする。
以 上
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