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岩国市の鳥類と しては、 日本野鳥の会山口県支部が ー962 年に発足し

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岩国市の鳥類と しては、 日本野鳥の会山口県支部が ー962 年に発足し
Ⅱ 岩国市の生物
5
鳥類
岩国市の鳥類 としては、日本野鳥の会山口県支部が 1962年 に発足 し、1985年 に岩国地区も幹事を
中心に、探鳥会の開催、春・秋のシギ・チ ドリ調査、冬のガン・ カモ調査等で、活動 し始めてから岩
国地区の鳥相が明らかになつてきた。1999年 から岩国地区幹事を本稿文責村中政文が受け継ぎ、現在
も探鳥会、各種調査を行 つている。この調査デー ター を基に、本稿 をまとめ記載 してい くこととする。
(1)岩 国市内の探鳥地
岩 国市 マップ
図1
岩 国市 内の探 鳥地 (原 図は岩 国市 マ ップ)
(2)探 鳥地の紹介
①尾津ハス田周辺で見 られる野鳥
尾津の蓮田は、中国地方でも重要な旅鳥の中継地点であり、 ここで採食 し、休息する水辺の旅鳥は
数千羽を数 えられる。2010年 には、岩国市地区のハス 田一帯や門前川河 日が、世界 自然保護基金
Ⅱ 岩国市 の生 物
伸脚F)ジ ャパ ン (東 京 )か ら 「シギ・ チ ドリ類 な どの重要渡来地」 に選 ばれ るな ど、岩 国市 で最
も有名 な探鳥地である。その ため、春・ 秋 の渡 りの時期になると、毎 日の よ うに広島県 か らバー ドヴ
オ ッチャー が押 し寄せてい る。
1990年 代 においては、ハマ シギの群れ数千羽な ど、た くさんの渡 り鳥 を観察す るこ とができたが、
米軍基地沖合移設 工事期間中は、野鳥数 ・種類 とも激減 し、ハ ス 田周辺 の鳥相 が変 わ つて しま うので
はないか と心配 していた。 しか し、徐 々にではあるが野鳥数・ 種類 とも回復傾 向である。近年では、
ギ ンム ク ドリ Cプ リハ シセ イ タカシギな ど珍鳥 と呼ばれ る野鳥 の飛来 もあ り、全国的にもバー ドヴォ
ッチ ャー注 目の探鳥地にな つている。
留鳥
鳥 鳥
夏 冬
鳥 鳥
漂 旅
迷サ
島
ゴイサギ・ ダイサギ・ コサギ・アオサギ・カルガモ・ ミサ ゴ・ トビ・ツ ミ・ハイタカ・ オ
オタカ・バ ン・ コチ ドリ・イカルチ ドヅ 。シロチ ドリ・ キジバ ト・ ドバ ト・ コグラ・ハ ク
セキ レイ eセ グロセ キ レイ eヒ ョ ドリ 。モズ 。イツヒヨ ドリ・ エナガ・ツ ジスガラ 。ヤマ
ガラ Cシ ジュカラ・ メジロ・ホオジロ・ヵフラヒワ・スズメ・ムク ドリ・ハ シボツガラス・
ハ シブ トガラス
アマサギ・チュウサギ・タマシギ・ツバ メ・ コシアカツバ メ・イワツバ メ・オオ ヨシキ リ・
マガモ・ コガモ・ クイナ 。ケ リ・ タゲ ジ・ タヒバ リ・ ミツサザイ・ジ ョウビタキ・ ノビタ
キ・シロハ ラ・マ ミチャジナイ・ングミ・カシラダカ・ ミヤマホオジロ 。アォジ・ ォオジ
ュ リン・ア トリ・マ ヒワ・ ウン・シメ・ コクマルガラス・ ミヤマガラス
ヒノミリ・ ウグイス・
ヘ ラサギ 。メダイチ ドリ 。オオメダイチ ドジ・ムナグロ 。ダイゼン・ キョウジョシギ・ ト
L/ハ マシギ・ コオバシ
ウネン・ ヒバ リシギ 。オジロ トウネ ン・ ウズラシギ・ハマシギ・サノ
ギ・オバシギ・ ミユ ビシギ・ヘ ラシギ・エ リマキシギ 。キ リアイ・オオハ シシギ・シベ ヅ
アオオハシシギ・ ツルシギ・アカアシシギ・ コアオアシシギ 。アオアシシギ・ クサシギ 。
タカブシギ 。キアシシギ・イツシギ・ ゾジハ シシギ・オグロシギ・オオンジハシシギ・ ダ
イシャクシギ・ホ ウロクシギ・チュウシャクシギ・ヨシャクシギ・タシギ・セイタカシギ・
ツノミメチ ドリ・アマツノミメ・ コムク ドリ
レンカク・ プリアヽシセイタカシギ・ ヒメコウテ ンシ・ オオカラモズ 。オガワコマ ドリ・ カ
ラムク ドリ・ ホシムク ドヅ、ギンムク ドリ
セイタカシギ (旅 鳥)
ソリハシセイタカシギ
(迷 鳥)
②城山周辺で見られる野鳥
標高 200mの 城山山頂 にそびえる岩国城天守閣周辺では、広葉樹 の 自然林 も豊富で、種類数は少ない
が数多くの野鳥の姿を、1年 間を通 して確認することができる。特 に、シジュウカラ、ヤマガラなど
のカラ類を多 く見かけることができる。 1960年代には、カ ッコウの鳴き声が聞 こえたそ うであるが、
現在は、山口県でもカッコウの鳴き声を聞くことができる地域は、極 わずかになつた。
城山山頂までには、 ロープ ウェイで通 うことができるが、紅葉谷公 園か らの山頂までの遊歩道を歩
けば、春には ミツサザイ・ キ ビタキなどの美 しい さえず りを聞くことができる。
吉香公園付近では、イカルの群れや アオバズクなども姿も見られることもある。
114
Ⅱ 岩国市の生物
どの季節 で も、城 山周辺 では、20種 類 の野鳥 を観察 できる、岩国市 内では身近な探鳥地である。
留鳥
夏鳥
冬鳥
旅鳥
トビ・オオタカ・ハイタカ・ツ ミ・ キジ・ アォバ ト・ キジバ ト・アオグラ・ コグラ 。キ
セキ レイ・セグロセキ レイ・ ヒヨ ドジ 。モズ・ ウグイス・ ミツサザイ・エナガ・ ヤマガ
ラ・ シジュウカラ・ メジロ・ ホオジ ロ・カフラヒフ・イカル・スズメ・ カケス・ハ シボ
ノガ ラス・ハシブ トガラス
ホ トトギス・ ツバメ・ コシアカツバ メ・イワツバメ・ キ ビタキ・ オオル ジ・ コサメ ビタ
キ・ サシバ
ジ ョウビタキ 。キクイタダキ・ シロハ ラ・ツグミ・カシラダカ・ ミヤマホオジロ・ アオ
ジ・ ア トリ 。マヒワ・
ハチクマ・ ノビタキ・エ ゾビタキ・ アマツノミメ
アオバズ ク (夏 鳥)
③生見川ダム周辺で見られる野鳥
美和町にある生見川ダムは、1983年 完成、1985年 よ リダム管理業務 を開始 して以来、日本野鳥 の会
山 口県支部 では、岩国地区の探鳥会をダム堰堤 か ら長浴大橋周囲約2キ ロを探鳥 コース として毎年2
月に行 つてい る。
ダム湖に集まる冬鳥のオシ ドリの群れは、多い年には数千羽にも達することもある、オシ ドリを観
察するには、岩国市内では絶好の探鳥地である。
ベニマ シヨ 。ル リビタキなど珍 しい野鳥も、必ず毎冬には確認することのできる探鳥地でもある。
近年、外来種 であるノウシチ ョウも観察 されている。
留鳥
夏鳥
冬鳥
旅′
島
外来種
ア ビ・ カイツブ リ・カワウ・アオサギ・ コサギ・ ミサ ゴ・ トビ 。オオタカ・ハイタカ・
ツミ・ハチクマ Cコ ジュケイ・ヤマ ドリ・ キジ・アオバ ト・キジバ ト・ャマセ ミ・カワ
セ ミ・ アオグラ・ コグラ 。キセ キ レイ 。セ グロセキ レイ・ ヒヨ ドリ 。モズ・ イ ソヒヨ ド
リ・ タグイス・ ミツサザイ・エナガ・ ヤマガラ・シジュウカラ・ メジロ・ ホオジロ・カ
フラヒワ・イカル・スズメ・カケス・ハシボゾガラス・ハ シブ トガラス
サシバ・ ホ トトギス・ ンバ メ・ コシアカツノミメ・イワツノミメ 。キ ビタキ 。オオル ヅ・ コ
サメ ビタキ・サ ンコウチ ョウ
オシ ドリ Cマ ガモ・ トモエガモ・ ノス リ・ハヤブサ・ル リビタキ・ジョウビタキ 。キク
イタダキ・シロハ ラ・ツグミ・カシラダカ・ ミヤマホオジロ・アオジ・ア トリ・マ ヒフ・
オオマシヨ・ベニマシヨ・ ウノ・ シメ・ ヒレンジャク
ハチクマ・コル リ 。ノビタキ・エ ゾビタキ・ アマツノミメ
ンタシチ ョウ
115
Ⅱ 岩国市の生物
コゲラ (留 鳥)
ル リビタキ♀ (冬 鳥)
④錦川流域 (今 津川 “円前川)周 辺で見られる野鳥
清流錦川には、数多くの野鳥が生息 してい る。特に冬季の河 口付近では、カモ類が万単位で訪れる
など、じつ くり野鳥を観察することができる。
ここでは、錦川上流域 (判 │1付 近)、 中流域 (美 川付近)下 流域(今 潮 ││・ 門前サ
IDで 観察すること
ができる主な野鳥について紹介することとする。
I錦 川上流域
カワガラス…。
留鳥なので必ず観察す ることができる。
ー
マセ
・
ミ
ヤ
近年、個体数 が減つてきた。川 に架かる電線によく留まつている。
Ⅱ錦川中流域
オシ ドヅ ー・根笠橋周辺に、冬季になると数百羽の群れでや つてくる。警戒心が強いので、遠 く
から観察するとよい。
Ⅲ錦川下流域 (今 潮 ││・ 門前川河 日も含む)
…・ マガン・ ヒシクイ・アカツクシガモ・ツクシガモ・マガモ・カルガモ・ コガ
モ・ トモニガモ・ ヨシガモ・オカ ヨシガモ・ ヒ ドリガモ・アメリカ ヒ ドリ
ガモ・オナガガモ・ シマアジ・ハ シビロガモ・ ホシハジロ 。キンクロハ ジ
ロ・スズガモ・ クロガモ・ ビロー ドキンクロ・ ウミアイサ
シギ・チ ドリ類 …・ミヤヨ ドリ・ コチ ドリ・ メダイチ ドリ・ムナグロ・ ダイゼン・ キョウジヨシ
ギ・ トウネ ン・ハマシギ・ トウネ ン・アオアシシギ 。キアシシギ 。ダイシ
ャクシギ・ チュウシャクシギ・ コシャクシギ・ホ ウロクシギ
ガン・カモ類
ぐ
チュウシャクシギ (旅 鳥)
116
ゴイサギのコロニー
hF
(今 津川河 日)
H
岩区I市 の生物
⑤寂地峡周辺で見られる野鳥
寂地山 (1337m)は 、山口県で一番標高の高い山で、山頂付近はゴジュウカラ・ メボツムシクイな
ど亜高山帯ならでは鳥相であり、麓の宇佐地区では、年間 60種 類以上の野鳥が確認 されるなど、山 口
県の山野の野鳥のほとんどがこの地区で確認できるほどの野鳥の宝庫である。
島根県との県境にある深谷地区では、数年前までブッポ ウツタの繁殖地 として知 られていたが、深
谷大橋 のペ ンキ塗 り替え工事により、飛来 しなくなつて しまつたが、 しかし、橋 の数 メー トル先の電
線にオオル ヅが姿を現 してくれるなど、バー ドヴォッチャーには、今だ人気の探鳥地となつている。
アオサギ・ダイサギ・ トビ・オオタカ・ハイタカ・ツミ・コジュケイ・ヤマ ドリ 。キジ・
留鳥
アオバ ト・キジバ ト・フクロウ・ヤマセ ミ・カワセ ミ・アオグラ・ コグラ・アカグラ・
オオアカグラ・ ヒバ リ 。キセ キ レイ・セ グロセキ レイ・ ヒヨ ドヅ 。モズ・カワガラス・
ミツサザイ・ トラツグミ・ コガラ・ ヒガラ・ ゴジュウカラ・ ウグイス・エナガ・ヤマガ
ラ・シジュウカラ・ キバ シ リ 。メジロ・ホオジロ・カフラヒワ・イカル・スズメ・ヤマ
ドリ・ カケス・ハシボツガラス・ハ シブ トガラス
夏鳥
ササ ゴイ・アマサギ・チュ ウサ ギ・サシバ・コチ ドリ・カッコウ・ホ トトギス・ ツツ ド
リ・ ジュ ウイチ 。アオバズク・ ヨタカ・アカショウビン・ブ ッポ ウソウ・ ツバ メ・ コシ
アカツバ メ・イワツバ メ・ サ ンショウクイ・ヤブサメ 。センダイムシクイ・ メボソムシ
クイ 。キ ビタキ・オオル ヅ・コサメ ビタキ・サンコウチ ョウ
マガモ・オシ ドリ・クマ タカ・チ ョウグンボ ウ・ノス リ・チュウヒ・ハヤブサ・ ウズラ・
冬鳥
トラフズク・ア リスイ・アヽクセ キ レイ・ ビンズイ・ タヒバ リ・・ ヒレンジャク 。キ レン
ジャク・カャクグリ・ル リビタキ 。ジョゥビタキ 。キクイタダキ・ シロハ ラ・ツグミ・
カシラダカ・ ミヤマホオジ ロ 。アォジ・ クロジ・オオジュ リン・ア トリ・マ ヒワ・ハギ
マシヨ・ベニマシヨ・ ウン・シメ・イスカ・ コクマルガラス・ ミヤマガラス
旅鳥
チゴハヤブサ・ハチクマ・ハ リオアマツバ メ・ ヒメアマツバ メ・ヤツガシラ・ショウ ド
ウツバ メ・ ノゴマ・ コル ジ・ ノビタキ・マ ミジロ・アカハ ラ・マ ミチャジナイ・ メボソ
ムシクイ・ サメビタキ・エ ゾ ビタキ・アマンバメ・ ヒメアマンバ メ・ コイカル
セ グロアジサシ (台 風により飛来)
珍鳥
\
ヽ
│
▼
V、
本
▲ ヽて
r
オオル リ♀
(夏 鳥)
コガラ (留 鳥 )
⑥羅漢山周辺で見 られる野鳥
標高 ■09mの 羅漢山の麓にある羅漢高原は、初夏に探鳥 に訪れると、ホ トトギス科の野鳥であるカ
ンコウ・ホ トトギス・ ジュ ウイチ・ ツツ ドリの 4種 類すべての鳴き声を聞くことのできる、岩国市唯
―の探鳥地である。
秋には、ハチクマの渡 りの観測地 として、1989年 から探鳥会を続けている。
トビ 。オオタカ・ハイタカ・ ツ ミ 。キジ・アォバ ト・ キジバ ト・アオグラ・コグラ・ ア
留鳥
カグラ 。キセキ レイ 。セ グロセキ レイ・ ヒヨ ドリ・モズ・ コガラ・ ヒガラ・ ウグイス・
Ⅱ 岩国市 の生 物
夏鳥
冬鳥
ミツサザイ・エナガ・ヤマガラ 。シジュウカラ・ メジロ 。ホオジロ・カフラ ヒフ・イカ
ル・スズメ・ ヤマ ドリ・カケス・ハ シボツガラス・ハシブ トガラス
サシバ・カッコウ 。ホ トトギス・ツツ ドリ・ジュウイチ・ツバメ・ コシアカツバ メ・ イ
ワツバ メ・ ヤブサメ・センダイムシクイ・ キビタキ・オオル リ・ コサメビタキ
ジョウビタキ 。キクイタダキ・ シロハ ラ・ツグミ・ カシラダカ・ ミヤマホオジロ・アオ
ジ 。ア トリ 。マヒフ・イスカ・ チ ョウゲンボ ウ 。ノス リ
チ ゴハヤブサ 。ハチクマ 。ノビタキ・ エ ゾビタキ・ アマツバ メ・ ヒメアマンバ メ 。メボ
ツムシクイ
日本野鳥の会探鳥会における羅漢山のハチクマの飛来数調査 (1989∼ 2010年 )
1989,9。 25
326】 可
55男 可
2可 可
59ヨ 可
23ヨ ]
34ヨ 可
53可 可
1992.9.27
1996.9。 22
1999,9。 19
2002.9。 23
2006.9.23
2009.9.23
1990.9.23
1993.9,26
1997,9,21
4可 可
85可 可
127刃 ヨ
17
2003.9.23
2007.9.22
20B]
13可 可
51可 可
2000.9。
1991.9.29
1994.9,25
1998.9.20
854刃 可
0ヨ ヨ
46可 ヨ
2001,9,24ぐ B圧 ウ 272可 可
2005,9.23
1月 可
2008,9。 23(T0 224可 可
(2004.9.23、 2010.9。 231ま F高 天 朝
観測 日の
イ
則ヲ
【鉄勃他)
( )内 は観測前 日/当 日の天気 F:晴 れ、T:台 風
日本野鳥 の会 山 口支部岩国地区の調査 では過 去 のハ チクマ飛来・通過時期か ら、毎年 9月 23日
「秋分 の 日」を含む 1週 間の うちの 1日 を定点観測 日として、羅漢 山周辺 でのハ チクマの渡 りを観
察 している。 そ結果、毎年 の飛来数 は、飛来 が確認 できない年 もあるが、多 い年 には 354羽 を確認
できたことも有 る。 その理由は、ハ チクマ の飛来経路 が図 2に 示す人 工衛星図 か らわかるとお り、
1万 キ ロ以上の長 い飛来距離 で渡 りを行 うため、その年 の飛来時期 が、その年 の天候 な どに左右 さ
れ るため、同 じでないこ とによるもの と思われ る。観測地 の羅漢 山は見晴 らしが良 く、上昇気流 も
生まれや す い地形 として、ハ チクマ の滑空には良い ところとして選定 した。 また 、最近 の調査 で、
調査 日前 日の天候 に大きく左右 され る傾 向が あるよ うだ:例 えば、2001年 、2008年 の よ うに調査
日前 日が台風で、調査 日が快晴 の場合 は、特に飛来・ 通過数 が多 くなるよ うだ。
ハ チクマ とは
夏鳥 として、 ロシアバイカル湖 か らサハ リン地域や 中国東北部 か ら渡来 し、東南 アジア 、イ ン ド
で越冬す るといわれ るタカ科 の野鳥 である。 トビ程度 の大きさで、雄は顔 が灰色 で虹彩 は暗色、尾
に太 い 2本 の黒帯があ り、風切 の先端 にも太 い黒帯がある。雌 は虹彩 が黄色 で 、尾や風切 の黒帯は
雌 よ り細 いのが特徴 である。両生爬 虫類や昆虫を食 べ 、特 にハ チ の子・ 中で も地峰 とい われ るク ロ
スズ メバ チ類 な どを好 んで食 べ 、林 内の地上で蜂 の巣を掘 り返 していた り、蜂 の巣 を足に掴 んで飛
んでいた りす る姿を見る こともある。 なぜ蜂 に束Jさ れないのか 僚Jさ れても平気なのか)は よく分
か つていない。
Ⅱ 岩 国市 の生物
ハチクマ (旅 鳥)
ノビタキ (旅 鳥)
66547
66549
66550414
66551 b
66552b
66553b
華
66554b
ヽ
図2
2007年 春 のハ チクマ渡 り衛星追跡結飛 7羽 の記録
時 田賢― (我 孫子市鳥博 )外 12名
(日 本鳥学会 2007年 度大会講演要 旨集
)
Ⅱ 岩国市の生物
⑦通津 日由宇川周辺で見られる野鳥
通潮 │卜 由宇川河 日付近では、冬季に数種類のカモ類を観察することができる。種類数は少ないが、
通潮 │1河 口では、ウミアイサの群れ、由宇川河 日では数千羽のヒ ドリガモを観察す ることができる。
カモ類 …・ マガモ・カルガモ・ コガモ・ トモエガモ・ ヨシガモ 。オカ ヨシガモ・
ヒ ドリガモ・ オナガガモ・ハシビロガモ・ カフアイサ・ ウミアイサ
ヒドリガモ (冬 鳥)
コガモ♀ (冬 鳥)
③島 田川周辺で見られる野鳥
周東地区か ら光市に流れる島田川中流域周辺でも、冬季に数種類のカモ類を観察することができる
カモ類 …・ マガモ・ カルガモ・ コガモ・ ヒ ドリガモ・オナガガモ・ハ シ ビロガモ・カフアイサ
(3)ま とめ
米軍基地沖合移設 工事後、尾津 の蓮 田にシギ Cチ ドリの
群れ が戻 り始 め、以前 の蓮 田での野鳥 の賑わい を見るこ と
ができるよ うにな つてきた。 一方、開発 の進んだ愛宕 山で
は、生息 していた フク ロ ウが生活場所 を失 い 、近 くの住宅
の木 の うろに巣をかけて 、2年 間繁殖 したが、 どこか に移
り住 んで しま つた。
岩 国市内の野鳥 の種類数 は、30年 前 とそれほ ど変化はな
いが 、個体数は種類 によつては激減 してい る種 もある。特
に珍鳥 といわれ る珍 しい野鳥 が 出現す ると、す ぐに情報が
飛び交 い、次 の 日には県外ナ ンバー の車 が押 し寄せ 、野鳥
フクロウ
(留 鳥)
にス トレスを与えて、寄 りつかなくなつてしま うとい う事例が、ここ数年 で多くなつてきている。
野鳥を観察するためのマナーについて、バー ドヴォチャーはしつか りと自覚 して、岩国市の野鳥を
これからも見守つて欲 しい と思 う。
※本文掲制 瞑は、 日本鳥類 目録改訂第 6版 (2000年 )に 沿 うもの とする。
参考文献
高野信 二 :2007, フィール ドガイ ド日本の野鳥増補改訂版
120
374頁 財団法人 日本野鳥の会
(東 京)
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