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地下油層内に棲息する地殻微生物の調査研究(225KB)

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地下油層内に棲息する地殻微生物の調査研究(225KB)
知的基盤創成・利用促進研究開発事業(平成18年度~平成19年度)
「地下油層内に棲息する地殻微生物の調査研究」
高温高圧下での作業の困難さのため研究が大きく遅れていた
「陸域の大深度地下に棲息する地殻微生物」を採取する技術を開発し、
環境問題やエネルギー問題に対応した大深度地下利用技術の開発に道を拓く
研究目的(知的基盤ニーズ)
これまで高温高圧下での作業の困難さから整備が遅れていた地下油層内に棲息する地殻微生物に対して、
これらを含む地下油層試料の直接採取技術を開発し、継続的な供給を可能にすると同時に、直接採取した地
下油層試料から地殻微生物を分離・解析し、油層内地殻微生物に係わる知的基盤に資するデータを得ること
を目的として実施した。
研究開発のポイント
極限環境微生物の解析・分離技術と、油井及び油井のハンドリング技術をベースに、
次の研究を実施した。
(1)無菌的かつ圧力・温度を保持した坑底試料の採取技術に関する検討(図2・3)
(2)各種油層の坑底試料の採取
(3)各種油層の坑底試料に棲息する地殻微生物群の分子生物学的解析
(4)各種坑底試料に棲息する有用微生物群の分離・培養(図4)
(5)各種坑底試料の化学分析
地上菌
耐圧性菌
好圧菌
絶対好圧菌
増殖率
※大気圧下、1時間放置で死滅
大気圧
圧力
図1 探索が期待される好圧菌
Reservoir Fluid
坑井元で採取可能な試料(坑口試料)
VS
大深度地下油層で採取する試料(坑底試料)
Buffer Fluid
Pressure Compensating Fluid
Nitrogen
急速減圧 急速減温 坑壁付着 坑壁付着微
の影響
の影響
生物の影響
坑口試料
受
受
受
受
坑底試料
無
無
無
小
ケーシング
《油層内地殻微生物群の違い》
図2 採取方法による微生物群の特徴
油層
坑底
図3 坑底試料サンプラー仕様
メタン生成に関与する微生物群
の分離・培養
分離元の油田の原油および易分解性有機物
を利用して水素を生成する微生物、および
水素とCO2からメタンを生成する微生物と
培養条件
微生物攻法(MEOR)に
有効な微生物群の分離・培養
分離元の油田の原油および易分解性有機物を
利用して
バイオサーファクタント
バイオポリマー
を生成する微生物 と培養条件
※75℃以上の高温での培養も実施
嫌気性油分解に有効な微生物群
の分離・培養
上記の微生物について
嫌気性油分解への適用を考察
図4 各種坑底試料に棲息する有用微生物群の分離・培養
研究開発成果としての知的基盤
①無菌的かつ圧力・温度を可能な限り保持した状態で地下油層試料(油層水)を直接採取する技術
(坑底試料サンプラー及びサンプリングオペレーション)を構築した。
②当該技術を利用して採取した八橋油田(秋田)の 4 坑井の地下油層試料(油層水)について
以下の知的基盤情報を得た。
・地下油層試料(油層水)に棲息する微生物群の 16S rDNA パーシャルシークエンス
(真正細菌 11 種、古細菌 1 種)
・地下油層試料(油層水)に棲息する微生物(分離菌 7 種)
・地下油層試料(油層水)の化学成分分析データ
今後期待される知的基盤としての利活用効果
本研究で得られた地殻微生物群に関するデータは限定的であるが、可能な限りナチュラルな状態(急激な
圧力・温度変化を回避した状態)で地下油層試料を直接採取し、地下油層内に棲息する地殻微生物を分離す
る技術の構築により、坑底試料の継続的な採取が可能となった。
それにより、①地下油層内に棲息する地殻微生物群を利用した天然ガス鉱床の再生技術の開発(地中バイ
オメタン変換)
、
②微生物石油増進回収技術の開発、
③嫌気性油分解技術の開発、
に資することが期待される。
また、油井の微生物腐食の原因微生物や対策技術の構築に有用な知的基盤となり得る。
【研究代表者(分担者)等プロフィール】
研究代表者名・現所属機関
藤原 和弘 ・ 中外テクノス株式会社
共同実施者名・現所属機関
前田 治男 ・ 国際石油開発帝石株式会社
本件問い合わせ先
中外テクノス株式会社 環境事業本部 バイオ事業推進室
〒733-0013 広島市西区横川新町 9-12
Tel:082-295-2234 Fax:082-295-2240 E-mail:[email protected]
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