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スクラップや手戻りを 削減する 4 つのステップ

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スクラップや手戻りを 削減する 4 つのステップ
スクラップや手戻りを
削減する 4 つのステップ
すべての製品情報をデジタル化することが、
スクラップを削減するための正しい選択です。
ビジネスフィットネスの
達成
メーカーでは、スクラップがあらゆる場所から発生しま
す。たとえば、サブアセンブリのサプライヤに注文した
部品が完成アセンブリに適合しないことや、不用となり
廃棄した物理的な試作品などがあるでしょう。また、完
成後に引き渡した製品で顧客が単に気に入らなかったも
のや、費用と手間のかかるリコールを招く不良品の場合
もあります。
どのケースでも、スクラップ、さらには問題の修正に必要なやり直しにより追加費用や時間、
あるいはその両方がかかります。業界アナリストによると、多くのメーカーにとって原材料と労
働力が最大の原価中心点であり、すべてのスクラップがこの 2 つの領域に悪影響を与えます。
問題点 : スクラップの発生
間違った材料、正しく無い公差、人間工学に関する誤りなど、スクラップの発生原因は多数存在
します。以下に重大な要因をいくつか示します。
n不用な試作品 ̶ 物理的な試作は製品開発に不可欠ですが、試作を減らすほど無駄もなくなり
ます。PTC のお客様であるレース用エンジン メーカーは、物理的な試作品の数を減らし開発
時間を数週間削減できました。
n不適合部品 ̶ 今日の製品設計チームは各国に分散しているため、設計や製造で不可避な最終
段階での変更が、大きなリスクとなっています。たとえば、ある下請け業者が最新のファイ
ルやメールを受け取らなかったために、機能しない部品を製造してしまう場合があります。
n材料の変更 ̶ 下請け業者は、注文品がない場合、よく代替品を提案しますが、この新しい情
報が社内の調達部門と製造グループの間のどこかで正しく伝わらないことがあります。
上記の要因以外にも無数のエラーによる影響で、中小企業は多大なダメージを受ける可能性があ
ります。米消費者製品安全委員会 (U.S. Consumer Product Safety Commission) の Web サイ
トを見ると、米国だけでも製品リコールがいかに広範囲に及ぶかが分かります。ウィキペディア
には、最初のリコールの 1 つとして 1959-60 年製キャデラックの製造欠陥に関する記述があ
ります。これについて、1990 年出版の『The Struggle for Auto Safety』(Mashaw / Harfst 著 )
の 150 ページから次の箇所が引用されています。「...10 ∼ 15 mph (24 km/h) で 90 度方向
転換中に、
多数の車でステアリング リンク機構 ( ピットマン アーム ) に障害が発生しました。... こ
のアームは、低速方向転換時の圧力に持ちこたえるために通常採用されるアームより多少もろい
金属でできていました。... ゼネラルモーターズ (GM) 社のこの期間におけるピットマン アーム
交換ユニットの販売数は、前年と翌年の 6 倍でした」
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解決策 : 4 つのステップ
スクラップや手戻りを削減する取り組みは、設計と製造のあらゆる局面に関係するため、企業全
体の戦略として定義し計画する必要があります。
まず、製品を完全にデジタル形式で表現してから、バーチャル プロトタイプの作成と機能のシ
ミュレーション、公差解析と寸法テストを実施し、企業全体での情報伝達ワークフローを実現す
る必要があります。
中小企業にとって、この目標は困難かつ高価なものに思われるかもしれません。しかし、設計と
製造の統合における進歩と、中小企業向けのインストール後そのまま使える製品ライフサイクル
管理 (PLM) システムのおかげで、そのように決めてかかる必要はありません。以下に、多くの
中小企業が採用するスクラップや手戻りの削減手順を示します。
手順 1 : 製品の完全なデジタル表現
製品の完全なデジタル表現とは、製品のライフサイクルで入力 / 生成されたあらゆるデジタル
データを、製品開発の初期の構想段階からサポート停止まで、その製品とともに保持することを
意味します。このようにすると、
CAD モデルに使用した同じデータを、シミュレーションや解析、
製造に使用でき、PLM に格納もできます。
完全なデジタル表現によりすべての統合が実現するため、製品開発プロセスの各ステップは、他
のステップのアクションにより情報が伝達されます。たとえば、完全なデジタル化環境では、
CAD ソフトウェアでの変更が CAM ファイルへ自動反映され、CAD や CAM アプリケーショ
ンでの変更が PLM に格納されたデータへ反映されます。PLM のインテリジェント ソリューショ
ンでは、この相互作用で PLM アーキテクチャに過度の負荷がかかることはありません。こうし
た機能では、各ファイルのコピーが複数存在するかのように見えますが、実際には 1 つの中心 PTC の Pro/ENGINEER Tolerance Analysis Extension
ファイルが作成、更新、共有、格納されているだけです。ユーザーごとに異なるビューが表示さ を利用すると、重要な寸法の累積公差をあらかじめ
れるのは、重複データによるものではなく、同じデータへのリンクによるものです。また、中心 短時間で確認できます。
ファイルの変更と更新はすべて、ロックアウトとリカバリのメカニズムにより管理されます。
手順 2 : バーチャル プロトタイプの作成と機能のシミュレーション
多くの可動部品で構成される今日の製品やアセンブリには、はめ合いや動作に関して厳しいテス
トが要求されます。品質と性能を確保するには、物理的な試作が欠かせませんが、試作品は一度
使うとスクラップになるため不経済でもあります。試作を減らす、あるいは無くすことが、各メー
カーの大きな目標です。
製品の完全なデジタル表現により、物理的な試作品の一部をバーチャル化できます。完全なデジ
タル化はまた、使用中の 3 次元 CAD ソフトウェアに応じて、3 次元モデルを「シュリンクラッ
プ」機能により小さな管理可能なサイズにし、設計チームや製造チームの遠距離のメンバーへメー
ル送信することができ、時間とコストが大幅に節約されます。シュリンクラップでは、モデルか
ら不要データが除外されるため、開発企業内の特定の職務に関連するデータのみを共有できます。
たとえば、自動車の座席メーカーは、バーチャル プロトタイプとして車体は利用したいが、エ
ンジンや駆動系コンポーネントには関心がない場合があります。シュリンクラップによって、そ
うしたメーカーは必要なデータのみを送信できます ( 一方、車体メーカーとは共有したくないエ
ンジンの設計など、重要な知的財産は保護されます )。
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手順 3 : 寸法と公差の解析
製品設計では、寸法公差が常に重要なパラメータとなります。部品に関しては状況により違いが
いくらでも発生します。たとえば、製造では、CNC ドリル ビットの切れ味が昼より朝 8 時の
ほうが良い、あるいは冷却液の純度がシフトによって変わる場合があります。また、エンドユー
ザー環境では、極端な温度により収縮や膨張が起こる場合があります。
公差の設定は、一方でコスト競争力を問われるため困難な作業です。厳しい公差は、その製品の
品質、あるいは「安心」にとって良いのかもしれませんが、厳しすぎると、その公差の実現に時
間と加工が余分に必要となるため、費用がかかりすぎる場合があります。理想的な公差の設定と
は、製品の質と経済性の間で最高の妥協点を見つけることです。これは、スクラップや手戻りを
最小限に抑えるという点で重要な考慮事項です。公差解析が正確であることはもちろん、設計者
がモデルへ割り当てた公差値は、その製品が開発プロセス全体を通じどの段階にあっても、その
モデルとともに保持されることが重要です。
手順 4 : エンドツーエンドの情報伝達
設計、製造、調達、サービス、営業、マーケティングの各部門に加え、サプライヤ、顧客、設計パー
トナーは、製品開発情報を共有し、必要に応じて各自の値を追加する必要があります。情報を十
分に共有するには、製品開発プロセスに密接に関連のある当事者間で、依頼、問い合わせ、承認
などのアクションの移動を自動化する情報ワークフローを利用します。
このワークフローには、レビューや要求が見過ごされないよう、アラート、アラーム、エスカレー
ションといったメカニズムを設ける必要があります。また、このワークフローを製品検証や変更
管理などの関連製品開発プロセスと関連付けることで、有益な情報を蓄積し製品開発知識を増や
すことができます。
ベンダーの視点から :
PTC の CAD ソリューションと PLM ソリューション
多くの中小企業にとって、PTC の Pro/ENGINEERR 3 次元 CAD ソフトウェアは、製品を完全
にデジタル表現するための起点となります。Pro/ENGINEER は業界標準の 2 次元 / 3 次元ファ
イル形式をサポートするため、始めから終わりまでの統合デジタル アーキテクチャの中核とし
て利用可能です。また、多数のシミュレーションと解析のモジュールをサポートするため、テス
トのため別のアプリケーションへ切り替え、重要データの所在が分からなくなるといったことも
ありません。
PTC の Windchill® PLM アーキテクチャでは、製品開発データと製造部品表 (BOM) 情報をすべ
ての関連ビジネス アプリケーションと同期するために必要な、情報伝達ワークフローを利用で
きます。
PLM で手戻りを削減している中小企業の例として、イギリスを拠点とする、工業、自動車、農
業用の冷却装置メーカー Eton SRF 社があります。イギリスを拠点とする同社の設計チームは、
トルコにある製造施設との製品設計ファイルの交換に、FTP 接続を利用していました。
トルコの製造エンジニアが製品設計に変更を加えても、そうしたアクションに応じてイギリスの
設計者のファイルが更新されるワークフローがなかったため、その変更は記録されていませんで
した。そのため、製品やコンポーネントの設計のバージョンが複数出回り、設計や製造済みコ
ンポーネントのやり直しが頻繁に発生していました。そこで Eton 社は、変更管理用に PTC の
Windchill® PDMLink® を 5 ライセンス導入しました。すると、1 週間ですべての重要な製品デー
タが管理され、最初の月で手戻りが 75% 減少し、トルコとイギリス間の交通費が 90% 削減さ
れました。
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手作業から自動化へ
前述の問題 ( バーチャル プロトタイプ、広範囲の情報伝達、スクラップ、やり直し ) は最近まで、
企業にとってそれほど切迫したものではありませんでした。ほんの 10 年前、製品は今よりシン
プルで、製品開発プロセスには多少のゆとりがあり、設計の問題点や製造時の不具合を解決する
時間がありました。今日の企業は、
24 時間 365 日休む余裕もありません。消費者・企業間 (C2B)
市場と企業・企業間 (B2B) 市場では、需要が瞬時に変化し、より革新的な新製品を武器に新た
な競争相手が突如として台頭する場合があります。市場投入期間は今や、月や年単位でなく週単
位で検討され、設計の問題点、製造時の不具合、製品開発の非効率が即座に浮き彫りになります。
スクラップや設計のやり直しは、そうした非効率の代表であり、これらの削減に継続的に取り組
まなければ、すぐに競争面で不利になります。企業は数年前まで、机の引き出しで図面を管理す
る設計者や、
どの部品にどの ECO ( 設計変更指示 ) が適用されたか記憶しているエンジニアなど、
個々のベテラン社員に製品開発の情報やプロセスを任せることができました。しかし、中小企業
が今日のペースや競争に遅れをとらないためには、そうした信頼を今こそデジタル形式の製品開
発に置き換え手作業を自動化すべきで、その決断は早いに越したことはありません。
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