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農業情報 平成28年4月号
農 業 情 報 平成28年4月号 山形県農林水産部農業技術環境課 (Tel.023-630-2437) 目 次 【担い手づくり】 ○平成27年度「農業経営革新支援講座」を開催 ................................................. 1 ○フレッシュモッツァレラチーズ加工研修会の開催 .......................................... 2 ○平成27年度卒業証書授与式を挙行 ................................................................. 3 ○「平成27年度農業経営実践講座閉講式」を開催 .............................................. 4 ○村山市若手すいか組織「村山すいか研究会」誕生 .......................................... 5 ○「最上地域農業担い手研修会」を開催 ........................................................... 6 ○青年クラブ「あぐり」の総会を開催 .............................................................. 7 ○東南置賜農業士会研修会・総会の開催 ........................................................... 8 ○西置賜農業士会冬季研修会を開催 ................................................................. 9 ○平成27年度庄内地方農業士会合同研修会を開催 ............................................ 10 ○「新規就農予定等セミナー」を開催 ............................................................ 11 【土地利用型作物】 ○中山間で輝け「雪きらり」 ......................................................................... 12 ○高品質良食味生産を目指して「平成28年度つや姫栽培技術研修会」を開催 .... 13 ○米作り運動実証圃担当者とのブロック別意見交換会を開催 ........................... 14 【園芸特産づくり】 ○新しい仕立て方でりんご産地の活性化を! .................................................. 15 ○最上地域に紅花を! ..................................................................................... 16 ○トルコぎきょう春出し栽培について現地検討会を開催 .................................. 17 【畜産振興】 ○「置賜の酪農経営塾」を開催 ...................................................................... 18 【地域づくり】 ○アレンジメントの体験指導で地域活動 ......................................................... 19 ○直売所の売上アップに結び付く販売促進について学ぶ .................................. 20 ○「凍みもち」販売拡大を目指して研修会を開催 ............................................ 21 ○飯豊町農業技術者会50周年記念式典の開催 .................................................. 22 ○「庄内直売組織連絡会議」が研修会と総会を開催 ........................................ 23 【最新の研究・技術】 ○水稲直播栽培について ................................................................................ 24 ○水稲育苗工程におけるイネばか苗病の感染時期と伝染源 ............................... 25 ○新たな米加工利用技術の研修会を開催 ......................................................... 26 【担い手づくり】 ○平成27年度「農業経営革新支援講座」を開催 所 属:農業大学校 氏 名:黒坂美穂 連絡先:0233-22-1527 平成27年2月29日、山形市の山形県高度技術研究開発センターを会場に、第一線の 経営者から農業経営戦略を学ぶ「農業経営革新支援講座」を開催しました。 今回は、「攻めの経営に学ぶ」をテーマに、有限会社トップリバー(長野県)代表 取締役の嶋崎秀樹氏、有限会社舟形マッシュルーム(山形県)代表取締役の長澤光 芳氏の2名から講演をいただきました。 嶋崎氏は、特に若い農業者に対し、自分で決めたことをやり遂げること、誰の元 で何を学べば成長できるかを考えることが大切であり、経営開始後は数年以内に “次代に継ぐことができる「農業経営者」”になることを意識するべきであると提言 しました。 長澤氏は、自身が有限会社を設立した経緯を通して、農業経営において「決断し、 責任を取れる人がいること」の重要性を強調しました。また年配の人も安心して働 ける施設づくりや、ゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)の取組みを紹介し、他に無 い規格で商品を差別化し、さらにそれを先行して行うことで需要と知名度を得てい る状況を説明しました。 講演の後は、両講師をパネリストとして、農業経営アドバイザーの小笠原和博氏 のコーディネートによるパネルディスカッションを行いました。今回の講座では、 新規就農者やこれから就農予定の若手の受講者が多く、「新事業を始める際の判断材 料はどうするか」、「取り扱う品目をどのように目をつけたか」といった率直な質問 がいくつも挙がり、講師のお二人からは鋭く、現実的なアドバイスが寄せられまし た。 参加した約100名の受講者からは、「改めて色々考えさせられた。今後の経営に活 かしていきたい」、「農業経営者としての心得を学んだ」等の声が聞かれました。 今後も本校では、農業情勢に対応し、経営発展のヒントとなる農業経営者向けの 講座を開催します。 有限会社舟形マッシュルーム代表取締役 長澤光芳氏の講演 有限会社トップリバー代表取締役 嶋崎秀樹氏の講演 1 ○フレッシュモッツァレラチーズ加工研修会の開催 所 属:農業大学校 氏 名:秋場宏之 連絡先:0233-22-1527 平成28年3月15日、農業大学校多目的研修室において農業ビジネス支援研修の一環 として県内初のチーズ加工研修を開催しました。県内各地の酪農家の皆さんをはじ め農業ビジネス支援研修生や県関係者など12名が、最近需要が伸びているフレッ シュモッツァレラチーズを試作しました。 事前に牛乳の殺菌と専用乳酸菌の添加を行い、研修では凝固酵素を投入するとこ ろから始めました。約3時間で凝固したカード(フレッシュチーズの一種)が出来上 がり、その後、カットしたカードをお湯で柔らかくし練り上げ、丸い形のフレッシ ュモッツァレラチーズや長く伸ばしたストリングチーズを作りました。参加者は、 チーズ製作を初めて行う人がほとんどで、いい体験ができたとの感想をいただきま した。6次産業化へのきっかけ作りになればと期待しています。 農業大学校では、安定した品質を確保するため、これまで試作を繰り返しており、 ホテルのシェフから評価をいただいたり、学生の卒業論文研究に取り上げたりしな がら技術を蓄積しています。農大産生乳を使ったフレッシュモッツァレラチーズの 将来の製造販売を目標に、今後もしっかりと取り組んでいきます。 今回のような研修会は、次年度以降も開催する計画です。 多目的加工実習室で初めての研修会 温湯の中でカードを練り成型 2 ○平成 27 年度卒業証書授与式を挙行 所 属:農業大学校 氏 名:鴨田一作 連絡先:0233-22-1527 平成28年3月4日、平成27年度山形県立農業大学校卒業証書授与式を挙行しました。 来年度から校名が「農林大学校」に変更になるため、「農業大学校」としての卒業式 は平成27年度が最後となります。 今年度の卒業生は、稲作経営学科10名、果樹経営学科15名、野菜経営学科13名、 花き経営学科3名、畜産経営学科8名、農産加工経営学科7名の計56名です。 今年度は卒業生の約5割が就農し、農業関連企業等への就職や4年制大学への3年次 編入学など、それぞれの新たな道に進んで行きます。 本校で学んだ知識や経験、共に学生生活を過ごした仲間や研修先で出会った人々 と培った人脈を活かして、地域農業の活性化に貢献することを期待しています。 卒業生代表の答辞 平成27年度卒業証書授与式 3 ○「平成27年度農業経営実践講座閉講式」を開催 所 属:村山総合支庁農業技術普及課 氏 名:石塚 和 連絡先:023-621-8278 平成28年3月16日、平成27年度農業経営実践講座の閉講式を開催し、受講者、関係 機関合わせ28名の出席がありました。閉講式では、始めに普及課から今年度、7コー ス延べ78名の参加があった各講座の実績報告と新規就農者への情報提供を行いまし た。 引き続き行った全体研修会では、山形市農業協同組合セルリー部 会田和夫部会 長を講師に、セルリー栽培を始めた理由やこれまでの経緯、農業をする上で心がけ ていること等についてご講演をいただきました。「日々の作業について常に疑問を持 ち、考えることが重要であること」や、「長年にわたって農業を続けるには仲間の存 在が必要であること」等、今後の農業経営の参考となる話があり、出席した受講生 にとって、非常に有意義な講演となりました。 当課では、新規就農者や若い担い手の方々が栽培や加工、経営管理等の実践的知識 を習得し、個々の経営に活かしていけるように、引き続き、講座の充実を図りなが ら支援して行きます。 会田氏による講演 4 ○村山市若手すいか組織「村山すいか研究会」誕生 所 属:村山総合支庁北村山農業技術普及課 氏 名:齋藤克哉 連絡先:0237-47-8635 平成28年2月22日、村山市の若手すいか生産者23名で組織する、JAみちのく村山営 農センター「すいか研究会」(初代会長 朝烏剛氏)が発足しました。 当地域は、「夏すいか日本一」のトップブランド産地として知られています。しか し、近年は高齢化等により栽培者や栽培面積が年々減少し、ブランド産地の衰退が 懸念され、早急な対策が課題となっています。特に、次世代を担う後継者育成が最 重要課題に上げられている中で、危機感を持った若手生産者の有志が仲間に呼びか け、農協や北村山農業技術普及課からの支援を受け発足しました。 研究会では、講習会や現地巡回を通しての技術研鑽と新技術の習得による栽培技 術の向上、さらには会員相互の親睦を深める活動や県内外の若手組織との交流によ る仲間づくりを目指しています。また、会の活動が産地、地域の活性化の一翼を担 う事も期待されています。 研究会活動を成功させる事は、産地の縮小に歯止めをかけ、今後の更なる発展に つながるものと期待されます。産地を牽引するリーダーの育成に向け、関係機関と 一致団結して支援していきます。 朝鳥会長 すいか研究会員 5 ○「最上地域農業担い手研修会」を開催 所 属:最上総合支庁農業技術普及課 氏 名:田口奈津子 連絡先:0233-29-1326 平成28年3月9日、新庄市民プラザにおいて、最上地域農業士会と当課の共催によ る「最上地域農業担い手研修会」を開催しました。この研究会は、新規就農者のス ムーズな就農と定着を支援するため開催したもので、新規就農者や4月から就農予定 の農業大学校の学生等を中心に、最上地域の農業士、市町村担当者など36名の参加 がありました。 始めに、奥山税理士による農業関連の税制度についての講演があり、奥山税理士 のユーモアを交えながらの分かりやすい解説に、参加者は熱心に耳を傾けていまし た。次に農業振興課から青年就農給付金(経営開始型)制度についての情報提供を 行いました。 最後に、農業士の方々から「1年のうちにはいい時も悪い時もある。悪い時に決し て諦めず1年間頑張ること」「自己流ではなく、教科書どおり栽培すること」等のア ドバイスと「給付金に頼らず、1年でも早く目標所得を達成してほしい。」と激励の 言葉がありました。 当地域の新規就農者数は、2年連続で50名を超えました。新規就農者が地域になじ み、経営を確立・維持していけるよう、当課は、今後も巡回指導や情報提供と共に 仲間づくりを支援していきます。 農業税制度の基礎について学ぶ 新規就農者・農業士 6 ○青年クラブ「あぐり」の総会を開催 所 属:置賜総合支庁農業技術普及課 氏 名:鈴木良美 連絡先:0238-57-3411 平成28年3月23日に当管内の青年クラブ「あぐり」の総会が開催され、今年度の事 業報告及び来年度の事業について活発に話し合われました。 「あぐり」は当管内の20代を中心とした農業者11名で構成されており、会長の横 沢賢一郎さんを中心に毎月の定例会で事業内容を話し合い、研修やプロジェクト、 情報交換などの活動を行ってきました。 27年度は、7月に山梨県の試験場や先進農業者を視察し、シャインマスカットを中 心としたぶどうの栽培技術について学んできました。10月には、当管内の産直ネッ トワークで開催している朝市に参加し、自慢の農産物の販売を行い大変好評でした。 プロジェクト研究では、りんごの品質向上を目指して、土壌とりんごの品質の関 係について調査を行いました。この他、毎年クラブ内で米の食味コンクールを行っ ており、優勝者は全国の食味コンクールに出品しています。 また、会員はそれぞれが自分の部門をもって農業経営を行っていますが、野菜生 産と農産加工を行っている菅原夏未さんは、3月10日に開催された県の青年農業者の 意見発表会に「あぐり」の代表として出場し、自分の経営について意見発表を行い ました。その結果、みごと優秀賞を獲得し、来年度開催される東北大会への出場が 決まりました。 このように「あぐり」では、会員が自主的に技術向上や仲間作りの活動を活発に 行っています。意欲ある若手農業者のみなさん、「あぐり」の仲間と一緒に楽しく活 動しませんか。 青年クラブ「あぐり」の総会 朝市での販売の様子 7 ○東南置賜農業士会研修会・総会の開催 所 属:置賜総合支庁農業技術普及課 氏 名:齋藤 梓 連絡先:0238-57-3411 平成28年3月9日に赤湯温泉「むつみ荘」にて東南置賜農業士会研修会・総会が開 催されました。研修会には当農業士会会員だけでなく、新規就農者や農業法人等の 若手生産者、関係機関など約40名の参加がありました。 研修会では、「クボタグループの輸出米戦略」をテーマに株式会社クボタ アグリ ソリューション推進部 担当部長 高橋元(たかはし げん)氏から御講演頂きま した。TPP大筋合意もあり、米の輸出を行う際の経費や今後の見通し等について質問 が多く出されました。 また、研修会終了後に行われた総会では、今年度の事業報告や来年度の計画の他、 2月9日に設立された「やまがた元気な農業チャレンジネットワーク」の活動につい て話題提供が行われました。 当課では、農業士会の活動とともに、今後の活動が期待される「やまがた元気な 農業チャレンジネットワーク」の活動を支援していきます。 「クボタグループの輸出米戦略」 についての講演 8 ○西置賜農業士会冬期研修会を開催 所 属:置賜総合支庁西置賜農業技術普及課 氏 名:土門 薫 連絡先:0238-88-8212 平成28年3月4日に長井市内で、西置賜農業士会冬期研修会(西置賜経営改善研修 会)を開催し、指導農業士、青年農業士を中心に農業法人経営者等約20名の参加が ありました。 最初に、「農業における雇用環境の変化とその対応策」と題して社会保険労務士の 堀越俊一郎氏より基調講演をいただきました。堀越氏からは、人を雇用する上で留 意すべき雇用環境の整備や農作業の事故防止について、事例紹介を含めながら講演 いただきました。また、若手従業員を採用する上でのポイントやマイナンバー制度 の概要とその対応策について説明をしていただきました。 続いて、「地域を担う農業経営体として」と題して農事組合法人成田農産の飯澤和 郎代表理事より事例発表をいただきました。法人設立までの経過、農地中間管理事 業を活用した地域の農地集積、若手の雇用による後継者育成等の取組みについて発 表いただきました。 最後に、平成28年度の経営体育成に係る県施策等について当課より情報提供を行 いました。 それぞれの発表に対して、活発な質疑応答があり有意義な研修となりました。 堀越氏による基調講演 飯澤氏による事例発表 9 ○平成 27 年度庄内地方農業士会合同研修会を開催 所 属:庄内総合支庁農業技術普及課 氏 名:菅原眞一 連絡先:0235-64-2103 平成28年3月11日に「いこいの村庄内」(鶴岡市)で鶴岡田川地区と酒田地区の農 業士会が合同で、研修会を開催しました。 はじめに「TPPの大筋合意を踏まえた農業経営への方策」と題して、指導農業 士で井上農場代表の井上馨氏から、水田面積の拡大や園芸品目の導入、農産物の直 接販売や加工販売、そして部門別責任制と労務管理など、経営者として取組んでき たことと、これからの経営発展プランについて講演をいただきました。 参加者からは、米価が下落基調にある中での販売方策、後継者の育て方や複合経 営部門の役割分担方法に関して質問があり、活発な意見交換が行われました。 次に庄内総合支庁農業振興課担当者から、TPP合意による畜産と米への影響に ついて説明し、引き続き県内の直売施設で注目されている農産加工品を試食しなが ら情報交換しました。 地域の農業を振興し、継続して活性化していくには、新たな農業政策を生かせる 経営力の高い手農業者、とりわけ若手農業者を育てることが鍵になります。 当課では農業のトップランナーが集まる農業士会と連携し協力しながら、引き続 き地域のリーダーとなる農業者を育成・支援していきます。 10 ○「新規就農予定者等セミナー」を開催 所 属:庄内総合支庁酒田農業技術普及課 氏 名:柴田 雅孝 連絡先:0234-22-6521 平成28年3月15日、当課を会場に、酒田市・遊佐町で就農を希望している方を対象 とした「新規就農予定者等セミナー」を開催しました。このセミナーの目的は、先 進農業者からの事例発表と就農へのアドバイス、関係機関担当者からの支援事業の 紹介や、個別相談を通じて、参加者の円滑な就農・定着を促すことです。当日は、 新規就農者と就農予定者の8名が参加しました。 はじめに、酒田地区農業士会会長の堀弥志男氏より、現在までの経営の取組みに ついて講演を頂きました。堀氏は、経営規模を拡大してきた中で、「規模拡大しなけ れば機械更新はしない」「青申会に入るなど経営管理技術は若いうちに身につける」 等、自らの経営方針の紹介がありました。また、就農を目指す参加者に対して、「経 営は守りに入っては駄目」「先輩の話をよく聞き、相談すること」等のアドバイスを 頂きました。 次に、公益財団法人やまがた農業支援センターや、県立農業大学校、県や市町の 担い手支援担当者が、新規就農者に対する研修や支援事業を紹介しました。 最後に、個別相談会を開催し、参加者はさらに詳細な相談を行いました。 当課では、これから農業を始める方がスムーズに就農できるように、今後も研修 会や相談を通じて支援します。 個別相談の様子 11 【土地利用型作物】 ○中山間で輝け「雪きらり」 所 属:村山総合支庁北村山農業技術普及課 氏 名:小林英明 連絡先:0237-47-8635 尾花沢市では、中山間地における「米」の独自ブランドの育成、有利販売による 所得向上を目的に「中山間地域に適した尾花沢産米研究会」を設立し、今年度から 活動しています。品種として「山形95号」を採用し、愛称は一般公募の中から「雪 きらり」となりました。 普及課では、研究会の設立当初より、事務局として参加し、「雪きらり」の安定生 産に向けて、現地巡回や検討会を開催し、生産者一人一人に合せた技術指導を行っ てきました。 2月23日に総括検討会を開催し、普及課から「雪きらり」の玄米タンパク値は平均 で6.6%(乾物換算、静岡製機AG-RDを使用)、玄米千粒重は23.8gとなり、粒張りが良 く、おいしい米に仕上がったことを報告しました。 一方で高温の影響でやや生育が旺盛となり、部分的に倒伏が見られたことから、 施肥量や栽植密度を見直し、次年度に向けた栽培基準を作成し、高品質でばらつき の無い米づくりを目指すことを提案しました。 次年度は面積が4haから12haに拡大することから、「雪きらり」の栽培基準の作成 や栽培適地の選定を行い、新規の栽培者も含めて、今年以上の食味・品質が確保で きるように、市、地元JAとともに現地指導を展開していく予定です。 また、研究会では、「雪きらり」がより親しみやすいものとなるようにオリジナル のロゴやシンボルマークを作成し、PRしていく計画です。 研究会では、自分達の「雪きらり」の実力を確認するため、(一財)日本穀物検定 協会に食味分析を依頼し、先日、A評価という判定結果をいただきました。研究会一 同「次は特A評価をとりたい」と新たな目標もできました。尾花沢の中山間地から、 新たなブランド米が誕生するのももうすぐです。 全国へ、はばたけ「雪きらり」 首都圏での求評(大山商店街) 現地巡回(刈取判定) 12 ○「平成28年産つや姫栽培技術研修会」を開催 所 属:最上総合支庁農業技術普及課 氏 名:高橋航平 連絡先:0233-29-1331 最上地域での「つや姫」は、県全体の栽培面積の約1割にあたる856haが栽培され ています。当課では、平成28年度の「つや姫」栽培に向けて、栽培認定生産者678名 を対象にしたつや姫栽培技術研修会を開催してきました。 3月24日、最上総合支庁で行った最後の研修会では、「つや姫」の栽培管理のポイ ントや、つや姫認定制度に基づいた注意点、「つや姫」のブランド化、種苗法などに ついて研修を行いました。 最上地域では、3月初旬から農業協同組合や米穀集荷業者において同様の研修会が 次々に開催され、高品質良食味の「つや姫」を生産する意識が高まっています。 他地域に比べて栽培条件が厳しい最上地域ですが、きめ細かな栽培管理の実践で 他地域に負けない高品質の「つや姫」生産に取り組んでいきます。 栽培技術研修会の様子 13 ○米づくり運動実証圃担当者とのブロック別意見交換会を開催 所 属:庄内総合支庁農業技術普及課 氏 名:中場理恵子 連絡先:0235-64-2103 庄内地域では、昭和48年の良質米高位多収実証運動から、長年にわたり生産者と 関係者が一丸となって米づくり運動に取り組み、庄内産米の高品質化や安定生産を 進めてきました。 平成27年度からは「おいしさかがやく庄内米・こめづくり運動(事務局全農山形)」 として取り組んでおり、毎年50か所程度の実証圃を設置して、良食味米や新品種の 栽培技術、直播栽培や飼料用米の多収技術等水田経営のカギとなる技術実証に取り 組んでいます。 近年、気象変動の大きい年も多いことからさらに技術力を高めて、産米の品質、 食味、収量を安定させることが求められています。 そこで、当課では全農山形と協力し、実証圃の担当生産者やJA営農指導員と各JA ごとに3月24日~30日に意見交換会を行いました。 平成27年の実績を点検しながら行った意見交換の中で、「地域のモデルとなる実証 圃としてしっかり取り組んでいく。」「強風に負けない丈夫な苗を浅植えし初期生育 を確保していく。」など今年の栽培にかける意欲的な意見が出されました。また、新 品種「山形112号」の施肥や茎数確保対策なども検討され、新品種への意気込みの強 さも感じました。 各地域において運動の中枢を担うメンバーで栽培技術の改善ポイントを整理しよ うと行ったこの意見交換は、目標を見据えて米づくりをスタートする良い契機にな り、平成28年に取り組む実証圃の成果が期待されます。 活発に検討した意見交換会の様子 (JAあまるめ 3月25日) 14 【園芸特産づくり】 ○新しい仕立て方でりんご産地の活性化を! 「朝日ロンバス栽培研究会」の活動始まる 所 属:村山総合支庁西村山農業技術普及課 氏 名:佐々木恵美 連絡先:0237-86-8215 りんごの「朝日ロンバス栽培」(ロンバスは「ひし形」の意味)は、「JM2」等の半 わい性台木を利用し、雪による枝折れ防止と枝の誘引用を兼ねたV字型のパイプを 支柱に設置し、早期に開心形に仕立てる手法です。整枝がシンプルで新規参入者が 取組みやすいこと、成園化が早く新品種導入に有利なことから、朝日町では、りん ごの改植推進の施策として支援を行っており、現在、約10haの導入があります。 今年度、導入者が主体となり、さらなる栽培方法の研究と生産者間の情報共有を 目的に「朝日ロンバス栽培研究会」(阿部為吉会長、会員22名)が発足し、平成28年 3月9日の「せん定検討会」を皮切りに活動を開始しました。今年は生育期間を通じ て、導入園地の巡回や情報交換を行う計画です。 西村山農業技術普及課では、研究会と連携してモデル園地を設置して経済性評価 等を行い、一層の普及を支援していく計画です。 「朝日ロンバス栽培研究会」園地巡回 によるせん定指導(3月 朝日町) 15 ○最上地域に紅花を! 所 属:最上総合支庁農業技術普及課 氏 名:堀 雅彦 連絡先:0233-29-1325 平成28年3月23日、最上総合支庁において、農業技術普及課主催の「紅花栽培研修 会」を開催しました。 紅花は県の花として知られており、中でも「最上べにばな」は古くから口紅や染 料として利用されてきましたが、近年は栽培面積が減少し、目にする機会が減って います。そこで、「最上べにばな」にちなみ、最上地域での紅花栽培を呼びかけたと ころ、平成28年は21の組織や個人が紅花を栽培することになりました。 研修会の参加者は30名を越え、栽培のポイントについての研修と意見交換を行い ました。参加者の関心は非常に高く、播種の方法とその後の管理法のほか、花の利 用方法などについて活発な質疑応答が交わされました。 主要な道路沿いや直売施設付近で紅花を栽培し、県内外の人にPRしていくとと もに、将来は染料の原料や薬用植物としての栽培も視野に入れて、紅花の栽培拡大 に向け支援を行っていきます。 「紅花」の栽培ポイントについて研修 16 ○トルコぎきょう春出し栽培について現地検討会を開催 所 属:庄内総合支庁農業技術普及課 氏 名:恩田美和 連絡先:0235-64-2103 トルコぎきょうは、庄内地域で春から秋にかけて出荷されている花きの主力品目 です。 秋に定植し、6月に出荷する春出し栽培は、燃油の高騰による収益性の低下等から、 近年、栽培面積が伸び悩んでいました。 そこで、当課ではこの課題を解決するために、平成26年の秋に、ハウスの天面と 側面のカーテンを二重にし、その間に(サンドイッチ状に)空気を入れる「空気膜 カーテン」をハウス内部に設置し、保温効果を高める実証を行いました。その結果、 使用燃油量をこれまでの保温方法と比べて5割程度減らす効果があることがわかりま した。 さらに、平成27年の秋には、新たに「空気膜カーテン」を設置した生産者と連携 し、この保温効果と電照による日長調節を組み合わせて管理し、出荷時期を早めて 収益性を高める実証に取り組みました。 この成果を確認するため、平成28年3月17日に現地検討会を開催しました。会場の 実証ハウス(庄内町茗荷瀬)には、庄内地域のトルコぎきょう生産者、JAの花き 担当者等15名が集まり、「空気膜カーテン」設置費用とハウス内の温度経過や生育状 況等を検討しました。生産者から「最終的にどの程度収益が向上するかをみて、春 出し作型の拡大を検討したい。」「設置費用がかかるため、経営評価が必要。」等の意 見が出されました。 当課では実証結果の取りまとめを行い、トルコぎきょう生産者の所得向上を支援 していきます。 実証ハウス内で「空気膜カーテン」による トルコぎきょうの生育状況(3月中旬) 保温方法と生育状況を確認 17 【畜産振興】 ○「置賜の酪農経営塾」研修会を開催 所 属:置賜総合支庁農業技術普及課 氏 名:伊藤修平 連絡先:0238-57-3411 平成28年3月15日に置賜総合支庁(農業振興課、農業技術普及課、西置賜農業技術 普及課の三課連携)の主催で、酪農経営の担い手を対象とした「置賜の酪農経営塾」 研修会を南陽市えくぼプラザで開催しました。 置賜地域は山形県の主要な生乳の生産地域であることから、酪農経営の安定と基 盤強化を目的として、平成23年度から各種研修会を開催しています。 今回は、エボニック ニュートリション&ケアのクラウディア パリス先生を講師 に招き「飼料のアミノ酸バランスを整えるメリット」という演題で通訳を交えて講 演をいただきました。 講演では、飼料給与設計において牧乾草と配合飼料等の組合せで10種類の必須 アミノ酸を充足させようとすると、給与飼料全体のタンパク質含量が高くなり、資 源、コストが無駄になることから、バイパスメチオニンの給与が効果的であること が紹介されました。 生産者、関係機関の33名が受講し、これまでの研究成果に裏打ちされた講師の講 義に熱心に耳を傾け、参加者からの質問も多数あり有意義な研修会となりました。 農業技術普及課では、安定的な酪農経営のためには効率的な飼料給与が重要であ ることから、研修会による情報提供等を通じて引き続き支援していきます。 研修会の様子 18 【地域づくり】 ○アレンジメントの体験指導で地域活動 所 属:農業大学校 氏 名:植松優子 連絡先:0233-22-1527 平成28年2月29日、農業大学校花き経営学科1年生3名が、新庄市内のパリス保育 園でフラワーアレンジメントを行い、園児に花の魅力を伝えました。 大学校で栽培したアルストロメリアと啓翁桜を持ち込み、最初に、学生が花の名 前や特徴を説明し、アレンジメントの見本を作って見せました。園児達は、花の名 前をすぐ覚えて、大きな声で繰り返してくれました。 学生は、それぞれ3つのテーブルに分かれ、準備した切り花を配りながらアレン ジメント作りを指導しました。園児達は、小枝にした「啓翁桜」を自由にスポンジ に挿し、好きな色のアルストロメリアを楽しそうに選んで飾っていきました。 花に触れている園児達の表情は笑顔がいっぱいで、学生たちにとっても楽しく充 実した交流となりました。実際始めるまでは、アレンジメントの指導ができるのか、 子供たちが喜んでくれるのか、学生は心配の様子でしたが、園児達の表情と感謝の ことばに安心したようでした。 花き経営学科では、地域の子供達を対象に、春は花壇苗植え、秋は花苗の寄せ植 え、そしてアレンジメント作成の指導を行ってきました。今後も、この「花育」の 取組みが、学生の地域との関わりや花き振興につながるよう指導していきます。 完成したアレンジメントで 喜びいっぱいの園児 学生が栽培した切り花を学生が説明 19 ○直売所の売上アップに結び付く販売促進について学ぶ 所 属:村山総合支庁農業技術普及課 氏 名:石垣哲 連絡先:023-621-8292 東南村山直売・農産加工ネットワークは、直売及び農産加工活動の活性化を目指 して、情報交換・相互交流しながら技術向上に励んでいる組織です。現在、14の直 売組織と9つの農産加工者によって構成されており、当課は事務局として、事業の企 画、運営を支援しています。 直売活動が年々活発になる中、ネットワーク会員から「消費者目線に立った販売 について、現在の方法でいいのか不安である」との声が上がっていました。そこで、 平成28年3月18日、東南村山直売・農産加工ネットワークの研修として、地元に密着 した直売所「地物産直 錦や(宮城県仙台市)」の立ち上げ・運営に関わってこられ た錦エステート株式会社 営業部部長 樋野公宏氏を講師に迎え、「直売活動におけ る販売促進について」と題して研修会を開催しました。 研修会では、これまで講師が関わった直売所での販売促進の取り組みとして、「商 品数を増やし陳列方法を工夫すること」、「試食とレシピ紹介を行うこと」、「POPを 活用すること」の3点について、実施しての成果や消費者の反応を話していただきま した。例えば山形で身近な食材の「おかひじき」は仙台では馴染みがないために販 売が低迷していましたが、試食やPOPを工夫することでヒット商品となった事例が 紹介されました。参加者からは「直売所では同じものが大量に並ぶ時期があるが、 どのようにして販売しているのか」、「近隣にスーパーもあるが、リピーター確保の ためにどのような取り組みを行っているのか」といった活発な質疑応答がなされま した。 直売活動を振興する上で、「直売所らしさ」を活かした販売は、これからますます 重要になってきます。今後も、消費者への直売所のPRや商品提案など、地域農産物 の利活用促進に向けた取り組みを進めていきます。 活発な質疑応答 20 ○「凍みもち」販売拡大を目指して研修会を開催 所 属:村山総合支庁西村山農業技術普及課 氏 名:山本愛 連絡先:0237-86-8130 「凍みもち」は、西村山地域の代表的な加工品です。うるち米をおかゆ状に炊い てから、凍み大根と同じように冬の寒さと冷たい風で乾燥させた保存食で、田舎の おかあさんを連想させる味として、農産物直売所では年間を通して根強い人気があ ります。 当課では、凍みもちの更なる認知度アップと販売拡大をねらいに、加工方法の事 例収集やPR支援等を行ってきました。 その一環として、平成28年3月3日に寒河江市内直売所等を会場に「商品ディスプ レイ研修会」を開催しました。直売所やイベントでの販売拡大をねらいに開催した 本研修会では、ディスプレイコーディネーターを講師に、①凍みもち販売コーナー の改善、②陳列と展示に関する基礎知識の講習、③イベント販売を想定したディス プレイ実習を行いました。 凍みもちを加工販売する4事業者15名が参加し、特に、作り手がわかるPOPの設置 や、食べるシーンを連想させるディスプレイ方法について熱心に指導を受けていま した。 当課では、農産加工の販売拡大に向けて、これからも実践者の加工技術及び販売 技術のスキルアップを支援していきます。 直売所での売場改善指導 イベント販売展示例 21 ○飯豊町農業技術者会50周年記念式典の開催 所 属:置賜総合支庁西置賜農業技術普及課 氏 名:鈴木 嘉光 連絡先:0238-88-8215 平成28年2月29日に飯豊町中津川地区の「フォレストいいで」において、標記記念 式典が開催されました。 飯豊町農業技術者会は、昭和41年に当時町職員であった上田信次郎氏が、融雪遅 延対策等を重視して営農活動に関係する機関・団体(町、農協、農業共済組合、普 及組織)に呼びかけたことを契機に発足し、これまで50年間継続して地域農業の振 興に向けた技術指導、気象災害対応等に尽力してきました。 記念式典には、これまで従事された関係者約50名が参集し、現会長の手塚JAお きたま飯豊地区代表支店長の主催者挨拶に続き、来賓の飯豊町後藤町長等から祝辞 が寄せられました。 記念講演では飯豊町で長年、農業改良普及員として活躍された齋藤恒助氏より 「“いのち”をつなぐ農業技術者会の足跡」と題した講演があり「技術者会は、会員 各自の経営や技術の総合力をもって現場対応する営農戦略集団であり、その取組み 活動は、いつの時代も“新しく良き時代の構築”である」と話されました。 飯豊町農業技術者会は、現在も毎月の定例会で農作物の生育状況や地域農業等の 情報交換を行っています。また、4専門部会を設けて実証調査ほの設置や園芸研修会 の開催、先進事例調査など地域の農業振興に向けた活動を精力的に展開しています。 講演する齋藤恒助氏 50周年記念式典の出席者一同 22 ○「庄内直売組織連絡会議」が研修会と総会を開催 所 属:庄内総合支庁農業技術普及課 氏 名:富樫恵美 連絡先:0235-64-2103 平成28年3月2日、庄内地域にある21の直売所で組織する「庄内直売組織連絡会議」 が、当課研修室で研修会と総会を開催し、25名が参加しました。研修会は、お客様 に喜ばれる商品開発や特徴ある店づくり、県外へのPR活動などを進めて、直売所の 魅力アップを図ることを目的に開催したものです。 福島県玉川村にある道の駅たまかわ「こぶしの里」駅長である穂積俊一氏を講師 として招き、「村自慢の特産品を全国へ、魅力ある直売所の秘密」と題し、乳児も哺 乳瓶で飲める濃縮していないトマトジュースや、さるなしパウダーを使ったお菓子 など特徴ある商品の試食・試飲を交えながら直売所で利益をあげるポイントや他県 でのセールス手法について講演いただきました。 参加者からは、「直売所でどのように商品開発をしているのか」、「他県への売り込 みで販売額をアップさせるためにどういったことが必要なのか」など、多くの質問 が出されました。 研修会後に開催された総会では、平成28年度の活動について協議され、各直売所 が連携して庄内の魅力を発信していくことを確認しました。 研修会で熱心に講演を聞く参加者 23 【最新の研究・技術】 ○水稲直播栽培について 所 属:農業総合研究センター土地利用型作物部 氏 名:浅野目謙之 連絡先:023-647-3500 稲作経営の大規模化には、移植栽培と直播栽培を組み合わせて春や秋の作業を省 力化しつつ労働力を分散することが必要です。新しい直播技術である鉄コーティン グ湛水点播直播栽培は、育苗作業の省力と収穫期間の拡大により作業分散が可能と なり、鳥害も少なく、年々取り組む生産者が増えています。また、圃場を耕起、代 かきせずに乾田状態で直播する不耕起V溝乾田直播栽培に取り組む生産者も増えてき ています。一方で、これらの新しい直播栽培技術は未確立な点も多く、収量が安定 しないため本県に適応した技術確立と栽培マニュアルの作成が喫緊の課題でした。 そこで、平成25年~27年の3年間の研究成果をもとに、「はえぬき」の鉄コーティ ング湛水点播直播栽培及び不耕起V溝乾田直播栽培において収量580kg/10aを確保し、 高品質安定が可能な直播栽培マニュアルを作成しました。本マニュアルは、播種時 期や播種量、水管理、雑草や病害虫防除、生育診断技術、適正な生育量や収量構成 要素などを示しています。さらに、経営試算と大規模経営モデルの提案等、総合的 に取りまとめたものです。 今後の稲作経営は農業者の高齢化等により担い手当たりの水田経営面積が年々拡 大すると予想され、経営規模が拡大するほど移植栽培と直播栽培の組み合わせ、高 品質安定生産による経営の安定が求められます。直播栽培の円滑な導入による経営 の安定化及び大規模化への資料として本マニュアルを活用していただきたいと考え ています。 鉄コーティング直播作業 不耕起V溝乾田直播作業 24 ○水稲育苗工程におけるイネばか苗病の感染時期と伝染源 所 属:農業総合研究センター食の安全環境部 氏 名:越智 昭彦 連絡先:023-647-3500 イネの主要な病害であるばか苗病は、カビの一種である病原菌の感染により発生 し、苗の異常伸長や、黄変を引き起こす重大な病害で、近年、特定の育苗施設や農 家で、ばか苗病が繰り返し発生する事例が増えてきました。これらの原因は、育苗 期間中における病原菌の感染と考えられたことから、当センターでは、平成25年~ 27年の3年間、県内の育苗施設を対象に調査を行いました。その結果、病原菌の感染 は、浸種・催芽・出芽・育苗のいずれでも起きており、特に出芽から育苗の工程で、 感染頻度が高いことが判明しました。 さらに、過去にばか苗病が発生した育苗施設では、使用している育苗箱の約半数 から、また、出芽終了時の育苗器本体からも、それぞれ病原菌が検出されました。 この他、苗床に使用していた自家製の籾殻くん炭からも病原菌が検出されました。 以上のことから、ばか苗病の防除には、育苗時の衛生管理が重要と考えており、 現在は効果的な対策技術の開発に取り組んでいます。 ばか苗病の発病苗 (左)と健全苗 (右) 自家製の籾殻くん炭からの病原菌の検出(左) 滅菌処理した籾殻くん炭(右) 25 ○新たな米加工利用技術の研修会を開催! 所 属:農業総合研究センター食品加工開発部 氏 名:髙砂 健 連絡先:023-647-3500 平成28年3月17日、当センターで、平成27年度山形県農産加工開発研究協議会の第 2回研修会を開催し、県内各地から農産加工業者、食品製造業者など47名が参加しま した。 「新たな米の加工利用技術」をテーマに、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総 合研究機構 食品総合研究所食品工学研究領域計測情報工学ユニット長の杉山純一氏 から新規食品素材「米ゲル」の特徴と製造、二次加工品への活用方法について講演 および実演いただきました。また、東北農政局の齊藤司課長補佐から新規需要米の うち米粉用米の情勢について情報提供がありました。 平成27年4月に適用された「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」の施行規 則改正により、米粉の他にピューレー状及びゼリー状の一次加工品をパン・麺等に 利用することが新規用途米穀制度の対象となり、「米ゲル」加工技術などの新技術に よる米加工品のコスト低減、用途拡大が図られています。参加者からは、「米ゲル」 の利用方法や製造のポイントなどについて多くの質問が出されました。 食品加工開発部からは米加工の研究成果として、「水挽き米粉」の製造方法と「水 挽き米粉」を使用した米粉パンの紹介を行いました。 当センターでは、米加工を含む農産加工の基盤強化と推進に向け、これら研修会 の開催や相談業務を通じ、県産農産物の高付加価値化のための活動を支援していき ます。 新規食品素材「米ゲル」の製造実演 「米ゲル」の特徴と活用についての講演 26 参考:地域毎の情報 目次 【農業大学校】 ○平成27年度「農業経営革新支援講座」を開催 ................................................. 1 ○フレッシュモッツァレラチーズ加工研修会の開催 .......................................... 2 ○平成27年度卒業証書授与式を挙行 ................................................................. 3 ○アレンジメントの体験指導で地域活動 ......................................................... 19 【農業総合研究センター】 ○水稲直播栽培について ................................................................................ 24 ○水稲育苗工程におけるイネばか苗病の感染時期と伝染源 ............................... 25 ○新たな米加工利用技術の研修会を開催 ......................................................... 26 【村山農業技術普及課】 ○「平成27年度農業経営実践講座閉講式」を開催 .............................................. 4 ○直売所の売上アップに結び付く販売促進について学ぶ .................................. 20 【西村山農業技術普及課】 ○新しい仕立て方でりんご産地の活性化を! .................................................. 15 ○「凍みもち」販売拡大を目指して研修会を開催 ............................................ 21 【北村山農業技術普及課】 ○村山市若手すいか組織「村山すいか研究会」誕生 .......................................... 5 ○中山間で輝け「雪きらり」 ......................................................................... 12 【最上農業技術普及課】 ○「最上地域農業担い手研修会」を開催 ........................................................... 6 ○高品質良食味生産を目指して「平成28年度つや姫栽培技術研修会」を開催 .... 13 ○最上地域に紅花を! ..................................................................................... 16 【置賜農業技術普及課】 ○青年クラブ「あぐり」の総会を開催 .............................................................. 7 ○東南置賜農業士会研修会・総会の開催 ........................................................... 8 ○「置賜の酪農経営塾」を開催 ...................................................................... 18 【西置賜農業技術普及課】 ○西置賜農業士会冬季研修会を開催 ................................................................. 9 ○飯豊町農業技術者会50周年記念式典の開催 .................................................. 22 【庄内農業技術普及課】 ○平成27年度庄内地方農業士会合同研修会を開催 ............................................ 10 ○米作り運動実証圃担当者とのブロック別意見交換会を開催 ........................... 14 ○トルコぎきょう春出し栽培について現地検討会を開催 .................................. 17 ○「庄内直売組織連絡会議」が研修会と総会を開催 ........................................ 23 【酒田農業技術普及課】 ○「新規就農予定等セミナー」を開催 ............................................................ 11