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9 順番が守れるように
授業時:対人関係能力の育成 9 順番が守れるように 状況の把握 ○自分の番がわからなくなり,いつも教師や友だちに促 されて発表や行動をしています。 ○順番が守れずに割り込みをしたり,ぼんやりしていて 順番を抜かされたりします。そのことで友だちとトラ ブルになることがあります。 考えられる原因 ○自分の順番や位置を覚えられないのかな。 ○次々と注意がそれて混乱してしまい,誰の番なのか わからなくなってしまうのかな。 教師の願い(取り組みの目標) ○自分の位置や順番がわかり,様々な活動に参加すること ができるようにしたい。 ○順番を守る大切さに気づかせたい。 子どもの気づき(動機づけ) ○僕が割り込みをしていたか ら,友だちが怒っていたんだ ね。でも,時々順番がわから なくなることがあるんだよ。 子どものめあて(目標の具体化) ○順番がわからなくなったら,先生や友だ ちに聞く。 ○割り込みはしない。割り込みをしてしま ったら相手の気持ちを考えて謝る。 ポイント ○ここでは,体育や学級活動の時間などに簡単に取り入れられるゲーム的要 素のあるメニューを取り上げました。これは,教師にノート等を見てもら う際の順番や発表のときの順番など,学習場面でも応用できることです。 学習場面で順番を守ることは,遊びの場面にもつながります。どちらも大 切にしたい指導場面です。 授業時:対人関係能力の育成 メニュー①:ボール回しゲーム ねらい:自分の並ぶ順番がわかって,楽しくゲームに参加できる。 ≪準備≫ ○同人数のグループ(7∼10人)を作る。 ○「なぜ順番を守るとよいのか」 「順番を守らないとどんなことが困るのか」につい て学級活動等の時間に事前に話し合うようにする。 メ 1 ニ ュ ー の 進 め 方 「ボール回しゲーム」の遊び方を知る。 ○A さんの前後にお手本となる子を並ばせておく。 ○「股の下から後ろの友だちにボールを転がしたら列の後ろに並びます。 1番目の人が再び先頭になったらゴールです。」 ○「ボールをこうやって転がすよ」と B さんがボールをころがしてから 列の後ろに並びます。 ○「転がしたら B さんの後ろに並ぶよ」と並ぶ場所に連れて行きます。 ○B さんに A さんへの言葉かけを促す。 「後ろから『A さんここだよ』って呼んであげてね。」 2 「ボール回しゲーム」をして遊ぶ。 前 ○協力して取り組んでいるグループには「○グループは上手に協力しているね」 と,A さんのいるグループには「うまくできるようになったね」と励ましや 賞賛のことばかけをする。 3 ゲームについて振り返る ○「なぜ順番を守るとよいのか」「順番を守らないとどんな所が困るのか」など 事前に話し合ったことを思い出させるようにする。 ○A さんのいるグループの子に感想を聞くようにする。 A さんはボールを こ転がしたらすぐ に B さんの後ろに 行けました。転が し方も並び方も上 手でしたよ。 B さんが教えてくれたので順 番がわかりました。楽しかっ たのでまたやりたいです。 B さんのおかげで, A さんが迷わない ですぐに並べまし たね。みんな楽し しくできましたね。 ≪その他の配慮≫ ○ゲーム内容が理解できたら,並ぶ順番を変えていき,いろいろな友だちとかかわれ るようにします。 ○本ゲームのバリエーションとして,・頭上渡し ・後ろから前へ などがあります。 ○リレー,一本橋じゃんけんなども順番を守るゲームですので,取り入れてみましょ う。(38ページの資料参照) 授業時:対人関係能力の育成 メニュー②:ことばリレーゲーム ねらい:ことばの順番を覚えて,楽しくゲームができる。 ≪準 備≫ ○10人ほどのグループを作る。 ○「みんなで楽しくゲームをするには,どんなことに気をつけたらよいか」について 事前に話し合っておくようにする。 メ 1 ニ ュ ー の 進 め 方 「ことばリレーゲーム」の遊び方を知る。 ○題目を何にするか決める。A さんの意見を取り上げるようにする。 ○ウォーミングアップで実際にゆっくり言いながら練習してみる。 すいか すいか Dさん・・・すいか Eさん・・・すいか すいか もも もも もも メロン メロン りんご りんご もも メロン バナナ ○順番がわからなくなったら,1回だけお助けカードを出して友だちにきいてもよ いことを伝える。 2 「ことばリレーゲーム」をして遊ぶ。 ○Aさんが決めた題目で,Aさんから始める。一回りしたら途中でお助けカードを つかった子の題目に変えてスタートする。 ○1回お助けカードを使用してしまい,2度目につかえてしまったら,その子の題 目からスタートする。 ○担任も中に入って意図的にことばをつまらせ,子どもたちに安心感を持たせるよ うな演出をしてみる。 ○失敗してもゲームの楽しさが味わえるような雰囲気を作る。 ○何回かやったら,席にすわる順番やルールを変えて行う。 3 ゲームについて振り返る。 子どもたちの感想を聞いてみる。 間違えたこともあっ たけど,とても楽しか ったです。 順番を覚えるって,案外 やさしかったです。また やってみたいです。 みんなが集中してや っていたので気持ち が一つになった気が します。 ≪題目≫果物,野菜,動物,給食のメニュー,県名,テレビ番組,川や山の名など, 子どもたちの発想で,いろいろなものを取り上げてみるとよいでしょう。 ≪その他の配慮≫ ボール回しゲームは体の移動によって順番を意識します。このことばリレーゲーム は記憶力を使い順番に言うことがポイントです。対象児のタイプによってゲームを選 ぶとよいと思います。対象児を含め,学級のみんなが楽しく取り組めるということが 基本となります。 授業時:対人関係能力の育成 資 料 ≪ その他のメニュー【1】 子 ど も の リレー遊び 活 動 ≫ 教 師 の 支 援 ☆ 人に合わせられる子と組ませ,二人組 ①2チーム∼4チームに分ける。 になることで順番が守れるようにす る。自分の番が終わったら並ぶことを ②二人組で「ボール運びリレー」 全体の約束とする。 ・ボールを棒ではさんで運ぶ ・ボールを新聞紙で運ぶ ☆ 順番を守って並ぶ練習をするために, ・ ボールを体ではさんで運ぶ 1回で終わりにするのではなく,2・ 3回繰り返すとよい。 ③ 一人ずつ取り組むリレー 「障害リレー」 ・平均台やフラフープ・マットなどを ☆ 順番が乱れがちになったら,枠を作っ 組み合わせる。 たり,ラインを引いたりしてそこに並 「物運びリレー」 ・カードを1枚ずつ運んで絵などを完 ぶようにする。 成させる。 ・お手玉をかごに入れたら戻る。 ≪ その他のメニュー【2】 子 ど も の 活 1本橋ジャンケン ≫ 動 師 ①チームに分かれる。 教 の 支 援 ☆ 自分は誰の次かを確認し,意識するよ うにする。ジャンケンして負けたらす ②一本橋(長いもの・あるいは石灰で橋を ぐに戻って並ぶように声かけする。 書く)の両端に並ぶ。 ③一人ずつ進んでいき,相手チームとぶつ ☆ 間を空けずに次々とつながって行く方 かったらジャンケンをする。勝ったらそ 法や, 前の 人が負 けた ら橋を 進ん でい のまま進み,負けたら自分のチームに戻 くやり方もやってみる。 って並んで自分の番を待つ。 *ヘビのような曲がりくねった道を使っ た「ヘビジャンケン」も楽しく遊べます。