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平成 26年度特別会計財務書類の検査の結果
平 成 26年 度 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 の 結 果 会 計 検 査 院 1 特別会計財務書類の検査 特別会計に関する法律(平成19年法律第23号。以下「法」という。)第19条第1項の規 定に基づき、所管大臣は、毎会計年度、その管理する特別会計について、資産及び負債 の状況その他の決算に関する財務情報を開示するための書類を企業会計の慣行を参考と して作成し、財務大臣に送付しなければならないこととなっている(以下、この書類を 「特別会計財務書類」という。)。そして、同条第2項の規定に基づき、内閣は、特別会計 財務書類を会計検査院の検査を経て国会に提出しなければならないこととなっている。 会計検査院は、平成27年11月6日に、内閣から、特別会計に関する法律施行令(平成1 9年政令第124号。以下「施行令」という。)第35条第2項の規定に基づき、平成26年度特 別会計財務書類の送付を受けた。 2 検査の観点、着眼点、対象及び方法 (注1) (注2) 会計検査院は、正確性、合規性等の観点から、17府省庁等が所管する15特別会計の平 成26年度特別会計財務書類が、法、施行令、特別会計の情報開示に関する省令(平成19 年財務省令第30号)、同省令第1条の規定に基づき定められた特別会計財務書類の作成基 準(平成20年財務省告示第59号。以下「作成基準」という。)等に従った適切なものとな っているかなどに着眼して検査した。 検査に当たっては、作成基準において、特別会計財務書類が、歳入歳出決算、国有財 産台帳等の計数を基礎として作成されることとなっていることから、これらの資料及び (注3) その他の関係資料を確認するなどして検査したほか、15特別会計を所管する16府省庁等 において会計実地検査を行った。 - 1 - (注1) 17府省庁等 国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総 務、法務、外務、財務、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、 国土交通、環境、防衛各省 (注2) 15特別会計 交付税及び譲与税配付金、地震再保険、国債整理基金、 外国為替資金、財政投融資、エネルギー対策、労働保険、年金、食 料安定供給、森林保険、国有林野事業債務管理、貿易再保険、特許、 自動車安全、東日本大震災復興各特別会計 (注3) 16府省庁等 国会、裁判所、内閣、内閣府、復興庁、総務、法務、外 務、財務、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、国土交通、 環境、防衛各省(平成26年度に東日本大震災復興特別会計の予算が 措置されなかったことなどにより、特別会計財務書類を作成しなか った会計検査院を除く。) 3 検査の結果の概要 検査の結果、作成基準等と異なる処理をしていて、特別会計財務書類の計上金額の表 示が適切とは認められないものが、表のとおり、17府省庁等が所管する4特別会計におい て7事項見受けられた。この7事項の内容を示すと、次項「4 特別会計別の検査の結果」 のとおりである。 (注4) なお、上記の7事項については、全て6省において所要の訂正が行われた。 (注4) 6省 総務、財務、厚生労働、経済産業、国土交通、防衛各省 - 2 - 表 特別会計財務書類の計上金額の表示が適切とは認められないものの概要 番号 特別会計名 (勘定名等) 所管 財務書類の種別 計上金額の表示が適切とは認められな い科目等名 退職給付引当金 負債合計 資産・負債差額 退職給付引当金繰入額 財務省及び国土 業務費用計算書 交通省 本年度業務費用合計 資産・負債差額 Ⅱ 本年度業務費用合計 増減計算書 Ⅶ 本年度末資産・負債差額 附属明細書 1 貸借対照表の内容に関する明細 連結業務費用計 委託費 算書 その他の経費 事項 備考 ① (注) 後掲 4(1) ② 後掲 4(2) ③ (注) 後掲 4(3)ア ④ (注) 後掲 4(3)イ ⑤~⑦ (注) 後掲 4(4) 貸借対照表 1 2 財政投融資 (財政融資資金) エネルギー対策 内閣府、文部科 連結区分別収支 Ⅰ 業務収支 (エネルギー需給(連 学省、経済産業 計算書 結)) 省及び環境省 2 連結対象法人別の業務費用の明細 附属明細書 4 連結対象法人別の区分別収支の明 細 貸借対照表 自動車安全 (自動車検査登録) 業務費用計算書 資産・負債差額 増減計算書 3 国土交通省 附属明細書 貸借対照表 自動車安全 (空港整備) 業務費用計算書 資産・負債差額 増減計算書 附属明細書 貸借対照表 4 東日本大震災復興 国会、裁判所、 会計検査院、内 閣、内閣府、復 興庁、総務省、 法務省、外務 省、財務省、文 部科学省、厚生 労働省、農林水 産省、経済産業 省、国土交通 省、環境省及び 防衛省 業務費用計算書 資産・負債差額 増減計算書 退職給付引当金 負債合計 資産・負債差額 退職給付引当金繰入額 本年度業務費用合計 Ⅱ 本年度業務費用合計 Ⅵ 本年度末資産・負債差額 1 貸借対照表の内容に関する明細 退職給付引当金 負債合計 資産・負債差額 退職給付引当金繰入額 本年度業務費用合計 Ⅱ 本年度業務費用合計 Ⅵ 本年度末資産・負債差額 1 貸借対照表の内容に関する明細 資産・負債差額 負債及び資産・負債差額合計 装備品等購入費 庁費等 その他の経費 本年度業務費用合計 Ⅱ 本年度業務費用合計 Ⅶ 本年度末資産・負債差額 区分別収支計算 Ⅰ 業務収支 書 2 業務費用計算書の内容に関する明 細 附属明細書 3 資産・負債差額増減計算書の内容 に関する明細 4 区分別収支計算書の内容に関する 明細 (注) このほか、当該事項に連動して、当該特別会計(勘定)の連結財務書類及び勘定を合算した財務書類の関連箇所 に誤りが生じているものがある(誤りが生じている財務書類の種別は、次項「4 特別会計別の検査の結果」におい て、各特別会計(勘定)の〈表示が適切とは認められない事項の説明〉に示す。)。 - 3 - 4 特別会計別の検査の結果 (1)財政投融資特別会計(財政融資資金勘定) (単位:百万円) 財務書類の科目等 貸借対照表 計上金額 適切な計上金額 退職給付引当金 本会計年度 3,511 3,380 負債合計 本会計年度 140,446,099 140,445,968 本会計年度 1,002,972 1,003,104 本会計年度 196 64 本会計年度 1,565,179 1,565,047 本会計年度 △ 1,565,179 △ 1,565,047 本会計年度 1,002,972 1,003,104 本年度増加額 183 52 本年度末残高 2,618 2,487 資産・負債差額 業務費用計算 退職給付引当金繰入額 書 本年度業務費用合計 資産・負債差 Ⅱ 本年度業務費用合計 額増減計算書 Ⅶ 本年度末資産・負債差額 事項 ① ① 附属明細書 1 貸借対照表の内容に関する明細 (2) 負債項目の明細 ⑥ 退職給付引当金の明細 退職手当に係る引当金 ① 〈表示が適切とは認められない事項の説明〉 事項① 貸借対照表の「退職給付引当金」の算定に当たり、退職手当の基本額に係る退職給付引当金 は、作成基準等により、勤続年数別の平均俸給月額に本会計年度末(平成26年度末)に自己都 合退職した場合の退職手当に適用される支給率を乗ずるなどした額を計上することとなってい るのに、誤って25年度末に自己都合退職した場合の退職手当に適用される支給率を乗ずるなど した額を計上しており、また、このことに伴い、業務費用計算書の「退職給付引当金繰入額」 の計上金額が誤っていたもの(財務省) なお、上記に連動して、合算貸借対照表、合算業務費用計算書及び合算資産・負債差額増減計算書の関 連箇所に誤りが生じていた。 - 4 - (2)エネルギー対策特別会計 エネルギー需給勘定(連結) (単位:百万円) 財務書類の科目等 連結業務費用 委託費 計算書 その他の経費 計上金額 適切な計上金額 本会計年度 148,413 163,858 本会計年度 180,059 164,614 委託費 本会計年度 △ 67,108 △ 82,553 その他の支出 本会計年度 △ 201,497 △ 186,051 事項 ② 連結区分別収支計算書 Ⅰ 業務収支 2 業務支出 (1) 業務支出(施設整備支出を除く) ② 附属明細書 2 連結対象法人別の業務費用の明細 委託費 相殺消去 △ 75,055 △ 59,610 その他の経費 相殺消去 △ 27,011 △ 42,456 連結対象法人での業務費用 相殺消去 △ 26,521 △ 41,966 委託費 相殺消去 75,055 59,610 その他の支出 相殺消去 29,501 44,946 ② ② 4 連結対象法人別の区分別収支の明細 ② 〈表示が適切とは認められない事項の説明〉 事項② 連結業務費用計算書では、作成基準等により、特別会計と連結対象法人との間の連結内部取 引に該当する科目について消去することとなっているのに、誤って連結内部取引に該当する 「その他の経費」を消去せず、「委託費」を同額過大に消去していたもの(経済産業省) - 5 - (3)自動車安全特別会計 ア 自動車検査登録勘定 (単位:百万円) 財務書類の科目等 貸借対照表 計上金額 適切な計上金額 退職給付引当金 本会計年度 24,121 23,632 負債合計 本会計年度 24,923 24,449 資産・負債差額 本会計年度 90,048 90,523 本会計年度 1,961 1,486 本会計年度 31,610 31,136 本会計年度 △ 31,610 △ 31,136 本会計年度 90,048 90,523 本年度増加額 1,877 1,402 本年度末残高 18,086 17,597 業務費用計算 退職給付引当金繰入額 書 本年度業務費用合計 資産・負債差 Ⅱ 本年度業務費用合計 額増減計算書 Ⅵ 本年度末資産・負債差額 事項 ③ ③ 附属明細書 1 貸借対照表の内容に関する明細 (2) 負債項目の明細 ② 退職給付引当金の明細 退職手当に係る引当金 ③ 〈表示が適切とは認められない事項の説明〉 事項③ 貸借対照表の「退職給付引当金」の算定に当たり、退職手当の調整額に係る退職給付引当金 は、作成基準等により、本会計年度末(平成26年度末)に適用される国家公務員退職手当法 (昭和28年法律第182号)第6条の4の規定に基づく調整月額を用いるなどした額を計上すること となっているのに、誤って27年4月以降に適用される調整月額を用いるなどした額を計上してお り、また、このことに伴い、業務費用計算書の「退職給付引当金繰入額」の計上金額が誤って いたもの なお、上記に連動して、連結貸借対照表、連結業務費用計算書、連結資産・負債差額増減計算書、合算 貸借対照表、合算業務費用計算書及び合算資産・負債差額増減計算書の関連箇所に誤りが生じていた。 - 6 - イ 空港整備勘定 (単位:百万円) 財務書類の科目等 貸借対照表 計上金額 適切な計上金額 退職給付引当金 本会計年度 68,956 67,227 負債合計 本会計年度 852,154 850,425 資産・負債差額 本会計年度 2,082,521 2,084,250 本会計年度 △ 1,270 △ 2,999 本会計年度 281,188 279,460 本会計年度 △ 281,188 △ 279,460 本会計年度 2,082,521 2,084,250 本年度増加額 △ 717 △ 2,446 本年度末残高 53,028 51,299 業務費用計算 退職給付引当金繰入額 書 本年度業務費用合計 資産・負債差 Ⅱ 本年度業務費用合計 額増減計算書 Ⅵ 本年度末資産・負債差額 事項 ④ ④ 附属明細書 1 貸借対照表の内容に関する明細 (2) 負債項目の明細 ③ 退職給付引当金の明細 退職手当に係る引当金 ④ 〈表示が適切とは認められない事項の説明〉 事項④ 貸借対照表の「退職給付引当金」の算定に当たり、退職手当の調整額に係る退職給付引当金 は、作成基準等により、本会計年度末(平成26年度末)に適用される国家公務員退職手当法 (昭和28年法律第182号)第6条の4の規定に基づく調整月額を用いるなどした額を計上すること となっているのに、誤って27年4月以降に適用される調整月額を用いるなどした額を計上してお り、また、このことに伴い、業務費用計算書の「退職給付引当金繰入額」の計上金額が誤って いたもの なお、上記に連動して、連結貸借対照表、連結業務費用計算書、連結資産・負債差額増減計算書、合算 貸借対照表、合算業務費用計算書及び合算資産・負債差額増減計算書の関連箇所に誤りが生じていた。 - 7 - (4)東日本大震災復興特別会計 財務書類の科目等 貸借対照表 (単位:百万円) 適切な計上金額 事項 計上金額 資産・負債差額 本会計年度 △ 5,707,222 △ 5,707,177 負債及び資産・負債差額合計 本会計年度 2,706,730 2,706,731 本会計年度 83 1,815 本会計年度 366,281 その他の経費 本会計年度 4,620 4,497 本年度業務費用合計 本会計年度 2,740,196 2,742,119 本会計年度 △ 2,740,196 △ 2,742,119 本会計年度 △ 5,707,222 △ 5,707,177 庁費等の支出 本会計年度 △ 314,340 △ 314,453 その他の支出 本会計年度 △ 4,620 △ 4,497 83 1,815 ⑥ 業務費用計算 装備品等購入費 書 庁費等 資産・負債差 Ⅱ 本年度業務費用合計 額増減計算書 Ⅶ 本年度末資産・負債差額 ⑥ 366,595 ⑤⑥ ⑤ 区分別収支計算書 Ⅰ 業務収支 2 業務支出 (1) 業務支出(施設整備支出を除く) ⑤ 附属明細書 2 業務費用計算書の内容に関する明細 (1) 所管別の業務費用の明細 装備品等購入費 防衛省 庁費等 厚生労働省 2,229 2,352 ⑤ 防衛省 2,493 2,745 ⑥ 309 186 ⑤ △ 283 △ 174 その他の経費 厚生労働省 3 資産・負債差額増減計算書の内容に関する明細 (4) 無償所管換等の明細 財産の無償所管換等(渡) 総務省一 般会計 誤謬修正等 物品 物品 (記載なし) ⑦ △ 160 4 区分別収支計算書の内容に関する明細 (1) 所管別の区分別収支の明細 庁費等の支出 厚生労働省 △ 2,384 △ 2,507 その他の支出 厚生労働省 △ 309 △ 186 ⑤ 〈表示が適切とは認められない事項の説明〉 事項⑤ 業務費用計算書の「庁費等」は、作成基準等により、使途別分類が物件費に該当する科目の 支出済歳出額を基に算定して計上することとなっているのに、誤って物件費に該当する科目の 支出済歳出額の一部を「その他の経費」に計上していたもの(厚生労働省) 事項⑥ 業務費用計算書の「装備品等購入費」及び「庁費等」は、作成基準等により、歳出決算の支 出済歳出額からその中に含まれる資産として計上されるものを控除することとなっているの に、誤って支出済歳出額に含まれない前年度以前の取得物品等の一部も控除して計上金額を 誤っていたもの(防衛省) 事項⑦ 附属明細書の「無償所管換等の明細」は、作成基準等により、内訳がある場合には、区分し て記載すべきこととなっているのに、誤って誤びゅうに係る修正金額を区分せずに「財産の無 償所管換等(渡)」に含めていたもの(総務省) なお、上記に連動して、連結貸借対照表、連結業務費用計算書、連結資産・負債差額増減計算書及び連 結区分別収支計算書の関連箇所に誤りが生じていた。 - 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