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サンタ新聞2010年 (約4.1MB)
2010 年 12 月 24 日 クリスマスイブ 活動報告 あの日、まるでサンタたちを迎えるように、街には雪がちらついていました。 広い公園に、次々と現れる赤い服。日常の中の、非日常の風景。 集まったサンタたちは、みんな頬を赤くして、出発を待っていました。 その顔を見ながら、私が思い出していたのは、 この日のために重ねてきたミーティングの様子でした。 供たちのために世界中 子 を飛び回る優しいサンタさん。 そんなサンタさんが、 プレゼントを持って 会いに来てくれたら・・・ 毎年 12 月 24 日の星空に どれほどお願いしたことでしょうか。 子 供たちの夢は、幼い頃に見た夢は、 将来大人になっても思い出してほしい。 いつまでも笑顔を絶やさないでほしい。 「私たちが、世界中の子供たちを 笑顔にしたい !!」 そんな想いで、ダブルスマイルサンタは スタートしました。 9 月から開かれてきた、ミーティング。 そこではこのダブルスマイルサンタプロジェクトのコンセプトを説明し、 当日の流れや支援先のケニアについて、情報の共有を行ってきました。ダブルスマイルとは、 「日本も海外も関係ない、同じ空を見ている子どもたちにダブルでスマイルを届けたい」 との意味をこめた言葉。 集まった私たちは初めて、子どもたちと過ごすイブのことだけでなく、ケニアの子どもたちへの 繋がりを考えたように思います。実はサンタたちの大半は口コミや、告知を見て集まってきた、 何の関係もない学生や社会人たちです。顔を合わせるのもミーティングが初めて。 しかし理想のサンタ像について話し合うこと、親御さんへの広報の方法を考えること、 ミーティングを行う横で、子どもたちに贈る手紙を作ること。 お互いのことを何も知らなくても、作業を通して一体感が生まれました。 最終ミーティングでは、実際に子役とサンタ役を割り振って、 会話のシミュレーションを行いました。子どもたちの行動は予想がつかず、本当に難しかった。 しかし特別なイブの予感に、私たちは明るい高揚感に包まれていました。 夕日が落ち、濃くなってきた空に星が見えてきたころ。私たちはお届けに向かい始めました。 サンタたちは 1 チーム 3 人程度に分かれ、それぞれ 1、2 件のご家庭に、お届けを任されます。 お届けするまでの時間の使い方は自由。街へ出てカップルや小さな子に飴を配ったり、 道行く人と「メリークリスマス!」と声を掛け合いながら、イブを楽しみます。移動中、 珍しそうに見られることもよくあり、写真を撮られたりもしました。 気がつくと、お届け時間が迫っています。 「道がわからへん!」 「時間まちがった!」 などのハプニングを抱えつつも、私たちは無事、お届け先に到着できました。 こうしてサンタは、あなたの家の扉を開けたのです。 やがて、21:00。寒さに震えながら、連絡を繋ぎ続けてくれていたコアスタッフのもとに、 少しずつお届けサンタが帰ってきました。出発前よりもさらに頬を赤くしたサンタたちは、 口々にそれぞれのエピソードを話し合います。 「『…サンタさん、きたあぁ!!!』ってなあ、すごい勢いで飛び出してくんねん! ご家庭もめっちゃ優しいとこやってさあ…」 「女の子がサンタ服着て、待ってくれててん!ほんまかわいかった…」 そう語るサンタたちからは、満足感があふれていました。 こぼれおちそうなスマイルがありました。 本当に嬉しいとき、寒さも疲れもなくなるんだと、あのとき私たちは実感していました。 1 日だけの奇跡にわくわくしていた、子どもの頃。 でも大人になって、いつのまにかサンタさんも来なくなって。イブの夜、 どきどきしながらプレゼントを待つこともなくなりました。 だけど大人になっても、同じくらい素敵なクリスマスを過ごすことができる。 子どもたちにお届けしたプレゼントは、ご家庭にも、ケニアの子どもたちにも、 そして私たち自身にも、スマイルを広げることができたように思います。 来年もその先も、10 年後のクリスマスも笑顔の奇跡が起こり続けますように。 サンタはそう願っています。 ∼ 2010 年 12 月 24 日 クリスマスイブ∼ 去年のクリスマスイブから一年間、サンタたちはこの日のために何度も集まり、 準備をしてきました。 クリスマスイブ以外のサンタたちは、大学生や会社員、公務員、教員、消防士、 普段は別々の生活をして暮らしています。 でも、みんな、 「子どもを笑顔にしたい!」 という気持ちは同じです。 その気持ちを、 クリスマスイブに持ち寄って、ひとつの目的のために、大阪の街を駆け回りました。 そして、道行く子どもたち、 ご家庭のお子さんから笑顔を頂き、 また1年間、 この日のために、 笑顔で準備をしたいという想いにさせて頂きました。 私は今年、初めてご家庭にお届けすることができました。昨年までは、本部で連絡調整をしていたので、 他のサンタからの感想でしかお子さんの「笑顔」 を聞いていませんでした。 しかし、目の前で、満面の笑みを浮かべてはしゃぎ、いつもよりも素直に親御さんの言うことを聞いている お子さんの顔を見ると、予想以上に嬉しく、幸せな気分になり、 自然とこちらがお子さん以上の満面の笑みになっていた気がします。 こんな素晴らしいクリスマスイブを迎えられたのは、 この企画に賛同し、 ご依頼をして頂いたご家庭のみなさん、お届けしてくれたサンタクロースたちのおかげです。 大阪の街に、たくさんの笑顔をプレゼントして頂き、本当にありがとうございました。 まだまだ未熟なサンタクロースたちですが、 これからも応援の程よろしくお願いします! WorldSeed代表 岡見 厚志 当日は三人一組で目的地に行くことになっていて、他の二人は見知らぬ人でしたが目的が同じなのですぐに打ち解けました。 道中も子供たちが手を振ってくれたり、こちらから飴を渡してあげたりとほっこりした気分で向かいました。 いよいよ家に入る段になると緊張しましたが、とてもかわいいお子さんが二人で出迎えてくれて嬉しかったです。 プレゼントを渡し、少しおしゃべりをしましたが、絵のプレゼントを渡してくれたのが特に嬉しかったです。 心暖かな気分で、帰路では三人で本当に参加してよかったという話をしました。 本物のサンタじゃなくても子供たちを喜ばせたい気持ちは同じです。 とても楽しい時間を過ごさせて下さった、コアメンバーの方達、親御さん、そして子供たち、 この企画に協力して下さったすべての方達に…ありがとうございました! (出水 孝典) "サンタさんだー♪" 街中に笑顔があふれたあの日。1年前に初めてダブルスマイルサンタに参加させてもらって、 毎日がクリスマスやったらいーのに…って本気で思った。 働き出して小さな社会でしか生きれてなかったあたしに、自分が動けば何でもできるんやって教えてくれた活動。 本当に特別な日になった。そして今回も、学生、社会人関係なく集まった仲間たち、 大人も子供もみんながとびっきりの笑顔の輪でつながった!!!サンタさん、たくさんの出会いと笑顔をありがとう☆ (橘 晶子) サンタさんがプレゼントを届けに来る。 こどもたちの思い描くクリスマスを実現しようというこの企画を見つけたときから当日までずっとわくわくどきどきしていました。 残念ながらわたしは家の中に入ることが出来ず、外で待っていたのですが『サンタさんやー!』 と言うこども達の喜びの声が今も 耳に残っています。 こどもたちだけでなく、わたし自身も沢山のプレゼントが貰えたクリスマスでした。 素敵な1日を本当にありがとうございました◎ (柿本知春) 僕が訪問したのは、パーティーのご家庭でした。 多くの子ども達のキラキラした笑顔、それを見ておられる親御さん達の笑顔を見て、 とてもキュンキュンした気持ちになりました。 そして最初に扇町公園に帰り、帰ってくるスタッフ達を待っていたのですが、みんな笑顔で、それぞれの温かい気持ちも一緒に 持ち帰って来てくれました。外はとても寒かったけど、僕らスタッフはみんな、笑顔で温かかった。 きっと僕らはあの夜、 「笑顔の魔法」にかけられたのかもしれませんね。 (野村 壮典) 今回のダブルスマイルサンタは会社に有給休暇を取って参加しました(前の年は有給取れず)。 サンタをさせてもらっての感想は、 ズバリ!感無量w サンタを成功させようと尽力を尽くすコアスタッフ、当日本物のサンタになった仲間たち。 そして、それを最高の笑顔で迎えてくれた子供たちと親御さん(ホント理想的なあったかい御家族さんでした)に、 『ありがとう!』 って言いたいです。実は、サンタとしてお家にあがらしてもらってほんの一時、 その素敵な家族の輪の中に入ってクリスマスをお祝いさせてもらった時に、子供たちのサンタに対する思いや親御さんたちの 我が子に対する思い、 スタッフの思い、いっしょに行動を共にし緊張をし合った仲間の思いが重なっちゃって、 リビングにて、顔は笑顔やったんだが涙が止まらなかったです。正直、 こんな感動をもらったクリスマスイブは初めてでした。 ダブルスマイルサンタにかかわった全てのみなさまに 『ありがとう!』 (岡本 洋明) この度はダブルスマイルサンタにご参加頂きありがとうございました。 私はこの企画が、仲間が、 ご依頼者様が本当に大切で、大好きです。 逃げ出したくなることもありました。それでも、楽しみにしています 寒い中ありがとう。頑張って そんな暖かい言葉を頂けることが泣きたくなるほど幸せで、力がでました。 初めてご依頼を頂いた日は嬉しくて何度も何度もメールを読みました。 当日の想いは様々な気持ちが混ざりあって言葉にできません。ただ、 スタッフの皆が笑顔で帰ってくる度に、 嬉しくて泣き笑いの連続でした。 どんな辛さも、 この笑顔があれば乗り越えられる。本当にそう思います。 コアスタッフとして運営に関われたことは私の誇りです。 本当にありがとうございました。 (運営スタッフ 竹内 奈緒) ご家庭からご感想をいただきました !! ∼サンタクロースが突然おうちにやって来た !! その時・・・!? ∼ 子どもたちはサンタさんは夜寝ているときに来ると思ってた様で、 サンタさんが家に来た時にはびっくりしながらも嬉しそうでした。 サンタさんが来てくれたときの為に、 用意していたクッキーをサンタさんへ恥ずかしそうに手渡しすると、 サンタさんからいただいたプレゼントを開けるのに夢中でした。 サンタさんからプレゼントを受けとるとき の子どもたちの笑顔は本当に温かく微笑ましかったです。 サンタさん楽しい夢の時間をありがとう ございました。 子どもたちからサンタさんへ 『おりこうさんにしてるから 来年も来てね。』 ありがとうございました。 Oさん 「サンタさんが我が家に来て」 最初にお話を聞いたとき、楽しそうだね、 でも小学校3年生が信じるだろうかと不安でした。 ところが当日、本人は大喜び! ! サンタさんを目の前に緊張して、 でも嬉しそうに写真を撮ってました! ! サンタさんが帰った後も興奮冷めやらぬ様子で、 プレゼントを開け 「すげー! !本当にサンタさんにお手紙届いてるんや! ! (うちは毎年手紙を書かせてるので) それにちゃんと僕の名前も知ってたし! ! ほんまに本物のサンタさんやねんな! !」 と大興奮でした! ! 来年もお願いしようと思ってます。 Sさん 今回友人の誘いで、 ダブルスマイルサンタに賛同しました。 最初にお話を聞いたときは子どもの年齢(12歳・8歳)が 大きいので、サンタさんを喜ばないかな?と思いましたが、 友人の熱意を受け決めました! 当日は、予想に反して子どもたちは大喜び、 名前を呼んで貰えたことが嬉しかったようで、 照れながらも楽しい時を過ごせました。 サンタさんが帰った後、 「めっちゃイケメンサンタやったな」 「もっと、おじいさんやとおもってたのに…いがいと、わかかった」 「きっとサンタの、 まごちゃうかな?」 と家族で大盛り上がり。 この活動が今後も続き大きく育つことを期待し応援します。 当日は寒い中、我が家まで足を運んでくれたサンタさんありがとう! この活動に熱い気持ちを寄せるスタッフの皆様へ心よりの感謝を込めて、 ありがとうございました! Tさん 「お母さん、今年もお手紙サンタさん来るかなあ」 小学校1年生の息子が、そう言い出したのは2010年の9月頃のことでした。 日常生活のたわいもない会話の中で、 急にサンタさんの事を話しだしたので、驚いたのですが、 すぐに「もちろん今年も来てくれるよ。だって、今年もすっごくいい子やろ? サンタさんはいつも見てはるよ?」 と、伝えました。 昨年のクリスマスに、 ダブルスマイルサンタプロジェクトにお世話になり、 自宅までサンタさんたちが来てくれたとき、息子は発熱中で朦朧としていて、 プレゼントをもらっても、ボーッとした様子でした。手渡してもらったのは、 手紙と小さな本。手紙には「いつもがんばっているので、きょうのよる、 プレゼントをとどけます。サンタクロース」 と、 本物のサンタクロースが夜中に来る予告が書かれていました。 息子は半信半疑な様子でしたが、 朝起きるとツリーの下にプレゼント包みがありました。 息子はそのことをしっかり覚えていて、 今年もお手紙サンタさんを心待ちにしておりました。 お手紙サンタさん=サンタクロース協会日本支部のメッセンジャー。 リアルの人。 夜中にプレゼントを持ってくるサンタさん=見たことはないけれど、 プレゼント配達資格を持つサンタクロースの中でもえらい人。 というような認識を持っているらしく (笑)、 息子はサンタクロースが世界中の子ども達にプレゼントを配っているという ストーリーを、強く信じています。最後になりましたが、 このような素晴らしい企画に参加させていただき、 ありがとうございました。 今年は可愛いサンタさんが来て下さったのですが、 優しい言葉がけや、サンタになりきった振る舞いが 子どもには嬉しいようで、 「今年もお手紙もってきてくれたなー♪」 と大はしゃぎでした。 参加している私まで温かい気分になり、 また、海外の子どもにも笑顔をプレゼントしてくれる ダブルスマイルサンタプロジェクトは素晴らしいです。 今後の皆様の活動の発展をお祈りしています。 Hさん 僕は昨年度のダブルスマイルサンタで、仲間たちと一緒に 子どもたちに夢を届けに行きました。 届けに行った先のひとつは我が家。 子どもも妻も僕がサンタに扮してきたことに全く気付かず、 子どもたちだけでなく、妻にもクリスマスプレゼントを渡すサプラ イズをし、子どもにとって、何より自分にとってすごく大きな意味の あるクリスマスイブになりました。 そして今年度、今度はサンタではなく、 プレゼントを受け取る子どもたちの父親として参加。 寒い中待っててくれたサンタには心から感謝しています。 サンタと親、両方の立場を経験させてもらいましたが、 どっちも幸せと笑顔でいっぱいになるんですよね。 きっと、 プレゼントを持ってきてくれるだけが サンタさんなんじゃなくて、 そこに居合わすすべての人が、 その瞬間、サンタクロースに なっているんじゃないかなと思いました。 これからもたくさんの人と夢を共有する。 そんな企画であり続けてほしいと思います。 Sさん ケニアは東アフリカにおける代表的な国家のひとつで、赤道直下 に位置しています。首都はナイロビ。国土面積は 586,600 平方キロメー トル。日本の約 1.5 倍です。赤道直下の国と聞くと、とても暑いイメー ジですが、ナイロビなどは標高が高いため平均気温は 18 度前後と過 ごしやすく、雨期になると長袖が必要なくらいです。気候は、大き く雨季と乾季に分かれており、3 ∼ 5 月が大雨期、11 ∼ 12 月が小雨 期となっています。雨期は日本の梅雨のように1日中雨が降ってい るのではなく、激しい雨が短時間に集中して降ります。 ケニアには、42 の部族が暮らしており、60 以上の言語や方言があ ると言われています。国民のほとんどは 2 つ以上の部族語に加えて、 スワヒリ語と英語を話すことができます。英語が公用語なのは、イ ギリスの植民地だったためです。また、ケニアには伝統的な文化と 様々な民族の影響を受けて誕生した近代的な文化があります。首都 のナイロビは東アフリカで最大規模のIT設備をもち、ビジネスの 中心となっています。 その半面、ナイロビから車で数時間ほど行った地域では、伝統的 な習慣に従い、夜はライオンに襲われないように槍を持ち警戒をす るような生活を送っています。 今年度、海外支援で訪れた村はナイロビから西へ約 300km 離れた エルドレット県のカボンゴ村です。この地域に住む人々の多くは、 約 20 年前に1エーカーの土地を購入し、他の地域から移り住んで来 て農業を行っている小規模農民で、様々な民族が入り混じって住ん でいます。2007 年 12 月に行われた大統領選挙後の暴動で、一部の 民族が襲撃を受け、国内避難民が多く出た地域です。この暴動の後、 日本政府と IOM(国際移住機関)の支援を受けた平和構築のための プロジェクト活動を通して、平和構築活動や収入向上活動のために、 農民自らが組織した「カゾキグループ」と共に道直しの活動を行い ました。 EASTERN WESTERN NYANZA RIFT VALLEY Eldoret NORTH EASTERN NAIROBI CENTRAL COAST みちぶしんびと 今年度の協力団体である道普請人さん(以下、敬称略)は、「開発 途上国の問題は、現地に適したやり方で、そこに住む人々自身で解決 していく」ことの実現を目指しています。これまでケニア、パプア ニューギニア、フィリピン、ウガンダ、タンザニア、コンゴ共和国、 カメルーン、ベトナム、ザンビアで活動を展開しています。 道普請人が活動を展開する国を含め、開発途上国の多くは農業国で ありながら、農村に通じる道のほとんどは未舗装の状態です。この未 舗装の道は、雨の少ない乾季には道路面が硬く、車の通行が可能です。 しかし、雨期になると道に水が溜まって泥田状態になったり、深い轍 ができたりして通行が困難になります。農村部の道は「1本道」状態 になっており、代替の道が存在しないため、わずか数メートル通れな くなるだけで村全体の死活問題になりかねません。病院や学校に行く ことができなくなります。せっかく収穫した農作物を市場に運ぶこと ができずに腐らせてしまい、現金収入が得られなくなります。このこ とが開発途上国における農業技術が発達しない大きな原因であり、ひ いては貧困の原因となっています。 この問題を解決するために道普請人は、簡単な方法で人々を幸せに するにはどうしたらいいのかを考えた末、人力施行が主体となり、材 料を低予算で現地調達することが可能な「土のう」を用いた道路整備 手法を開発しました(道を1メートル改修するのに、アスファルトだ と 5000 円以上かかりますが、「土のう」なら平均して 500 円で直す ことができます )。この手法を住民に伝えることで、住民自らで道の 整備や継続した維持管理が可能となり、雨期でも道の通行性の確保が 可能になりました。1年を通して子どもでも安心して通行ができるよ うになることで、直した道の先に幼稚園ができた村もあります。道直 しの技術と同時に、いつ・どの作物がどの品質で高い値段で売れるの かといった、市場の動向を踏まえた有利な商業型農業を実践する能力 を身につけることで、活発な経済活動が可能となりより多くの現金収 入が得られるようになります。その結果、子どもの教育費や薬代を負 担することができます。 また、住民にとって簡単な技術や工夫を伝え、その生活改善を目に 見える形で貢献することで、人々の自信とやる気を引き出し、道以外 の身の周りの問題に対しても自分たちで解決していこうという姿勢を 引き出します。この様な住民の意識変化は暮らしを豊かにし、貧困削 減に繋がります。今年度、海外支援で訪れたケニアでは、住民自らが 土のうを用いた橋の修復や、新たにため池を造り、雨期を利用した魚 の養殖を始めようとしています。 自分たちで生活環境を改善しようとする大人のたちの姿を見て、子 どもたちはその考え方や行動をすることは当たり前のことだと感じる ようになるかもしれません。もしかしたら、今後土のうを用いた道の 改修作業や、それを通して新たに可能となる農業が仕事の選択肢とし て新たに増えるかもしれません。道普請人の活動は大人たちに技術を 伝え意識変化を促すだけでなく、子どもたちの未来にとっても多くの 可能性を秘めています。 ケニアでの1週間は驚きと戸惑いの連続でした。ケニアといえば、サファリ、マサイ族… …その程度しかイメージできませんでした。 しかし、実際に私が見てきたケニアは、街にはビルや工場が立ち並び、 一方で村には牛や鶏が道を横切っているような風景が見られました。 また、ほとんどの人が携帯電話を持っています。 私が1週間滞在したのはCORE(道普請人さんのケニアNGO登録名)のオフィスがあるエルドレットという街です。 COREでは現在6つの農民グループの支援を中心に活動されていて、今回私はその一つであるカゾキグループと一緒に 活動させていただきました。 カゾキグループでは現在、土のうを使った橋づくりと魚の養殖池づくりをされています。 私もグループの女の人たちに交じって作業をさせてもらいました。 土をスコップですくって土のう袋に入れ、口を縛って1ヶ所に集める。 これを繰り返します。 1つ16kg程度ある土のうをひょいと頭に乗せて、子どもを抱きながら運ぶお母さんたちの姿はとても勇ましかったです。 グループの人たちは、活動が始まって、 「これまでは家にいて、一人で家事などしていたが、今は皆と集まって何かをするのが楽しい」 「雨が降ると道が崩れて子どもたちが学校まで遠回りしていたが、みんなで作った道を子どもたちが通って学校に行っている のが嬉しい」 というような意識の変化があったそうです。 COREでは「開発途上国の問題は、現地に適したやり方で、そこに住む人々自身で解決していく」 ことの実現を目指して 活動支援を行っておられます。 海外支援をするにあたり、現地の人との信頼関係の築き方や、活動へのアプローチの仕方はどのようにしておられるのかを 尋ねました。一番大切なことは現地の人自身のwill(意思)を形成することだそうです。 「その土地のものでその土地の人たちが作り、少しでも生活が楽になるように、 もう一歩これが足りないというものを提供する。 技術提供も国際協力も人から始まる。だから、同じ目線で、思いやりを持って共に活動することで信頼関係が築かれる。 実践は訓練、経験は力になり、努力して身につけたことは自分たちの力で続けていける。」 継続して活動するには、現地の人を元気づけ、勇気づけて、仕事と楽しさの共存を実感してもらうことが大事であり、 それらが現地の人々の意識向上につながるそうです。 カゾキグループでの活動期間中、私はグループの人のお宅にホームステイさせていただきました。 水道も電気も通っていない環境で、不便だと感じることが何度もありました。 水はミネラルウォーターしか飲むことができず、お風呂はたらいに1杯のぬるま湯です。 電子機器の充電はできず、夜はランプの明かり1つで過ごします。 でも、そんな環境下だからこそ家族が協力し合って生活している様子が見えました。 子どもたちが学校帰りに薪を拾いながら帰ってくる姿や、 食事の後にランプの明かりだけで勉強している姿、 そしてその明かりに家族全員が集まっている様子が温かくて、 私もその場にいられることが嬉しかったです。 フレンドリーで、優しくて、マイペースなケニアの人々は、 英語もまともに話せない私を全員で歓迎してくれました。 案内された村や家は、 日本の生活とはかけ離れた環境でしたが、 現地の動植物をうまく活用して自然と共存した生活をしていました。 その中で、不便なことや自分たちの力だけでは乗り越えられない困難が出てきたときに、 同じ目線に立って解決する手助けをするのがCOREを始め、 私たちのようなボランティアの役目なのではないかと思います。 ケニア訪問スタッフ 石田 智美 (ちんとも) NPO法人 道普請人のHPで 今回の活動内容がご覧いただけます。 http://michibushinbito.ecnet.jp/studytour.html 収益のご報告 ・お届け料 ・お届け料以外の寄付金 ・総収益 (総収益) :75,000円 :18,750円(18件) 93,750円 (振込手数料) ・寄付金:93,750円ー420円=93,330円 ・93,330円をドルへ両替→11,10,68US$ ・11,10,68US$をケニアシリングに両替→90,742Ksh ・CORE(道普請人ケニアオフィス)口座へ90,742Kshを送金 (視察で訪れたカゾキグループの道路補修活動資金及び グループへの助成金として使用) ・協賛金 :93,750円 ・協賛団体様 :地域環境デザイン研究所ecotone ※US$・・・ユーエスドル=アメリカドル Ksh ・・・ケニアシリング=ケニアの通貨 ※1US$=約83円 1Ksh=約1.01円 お届け件数 :36家庭 支援先 :NPO法人 道普請人 寄付金での活動内容 未舗装の道路1.2キロのうち100m程度の土嚢での道づくり (整備) 魚の養殖敷設(現地での新しい収入源となります) 寄付金 使途明細 ・ 土嚢袋 :2,000袋×12Ksh/袋=24,00Ksh ・マラム※1の購入と運搬 :18台×3,500Ksh/台=63,000Ksh ・現地移動時の燃料費 :2,500Ksh :1,000Ksh ・グループ活動費※2 :242Ksh(700Kshのうちの一部を負担) ・振込/両替手数料 ※1:土嚢袋の中につめる砂のこと ※2魚を養殖する際の稚魚代、エサ代等の一部 2011 も っ と 年 12 笑顔 月 にな 24 今まで とは 全く クリス 違う マス イブ 、 にな る ! 日は ! れる ミーティングに ご家庭の方も 参加できる !? これまでは、クリスマスイブまで の準備活動は、私たちサンタス タッフだけで行ってきました。 でも、 「子どもを笑顔にしたい!」 という想いを抱いているのは私たちだ けではありません。ご家庭のみなさんは、 私たちよりも「子どもを笑顔にしたい」とい う気持ちは大きいはずです。そんなご家庭のみな さんの想いを今よりも取り入れて、よりよいクリス マスイブにするために、みなさんにもミーティングに 参加して頂く機会を設けようと思っています。「子ども を笑顔にしたい!」という想いのサンタと、親御さんが一 緒になり、協力しあってつくり上げるクリスマスイブ… 今までにはないクリスマスイブになるはずです! お子さんからの 手紙にお返事を 書きます !! ご家庭のみなさんから、色々な話を聞 いているなかで、サンタさん宛にお手紙 を書いているお子さんの多さに気付きま した。 「その手紙へのお返事はどうしてるんだろ う?」という疑問と同時に「サンタさんか ら直接もらったら絶対に嬉しいはず!」 という想いが生まれました。 そこで、2011 年は事前にお子さんからお手 紙をお送り頂き、当日プレゼントと一緒に、 お子さんに直接お渡しすることにしました! サンタさんから直接、手紙のお返事をもらえると いう体験は今までにはない、最高の思い出になるの では…? お問い合わせはこちら WorldSeed 代表 岡見 厚志 〒581-0003 大阪府八尾市本町 1-5-10 本町プラザ 301 岡見方 E-mail:[email protected] ※来年度の詳細は後日メールや mixi などで情報を発信してい きますので、そちらをご確認下さい。 環境、貧困、教育、福祉…。社会問題は多様にあり、それぞれの問題を解決するために 多様な活動が行われています。それらの団体が繋がりを持ち、分野という垣根を飛び越 えた協力関係を築くことにより大きなムーブメントにして社会を変えていきたい。 そのような思いで団体運営を行っています。そしてそのために、 自らも活動を行うことを モットーにしています。 実働を伴ったネットワークは活動の困難さ・楽しさなどをともに感じることができ、 よ り深い関係を築いていけます。World Seed はそのような実働の伴った多分野ネットワ ークの構築を目指したNPO 団体です。 このダブルスマイルサンタプロジェクトでも道普 請人さんなどの他団体さんと協力し、笑顔のあふれるクリスマスイブを目指し、活動を 進めてきました。 World Seedではこの他にも、環境活動、教育分野の活動等様々な活動を展開中です。 これからもWorldSeedの活動にほんの少しでも御関心を頂けると幸いです。 ※環境活動や教育分野の活動に関しての詳細は WorldSeed のホームページかブログからご覧頂けます。