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第1章(PDF形式, 1.54MB)

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第1章(PDF形式, 1.54MB)
第
1
京都市生物多様性プラン策定にあたって
生物多様性とは
地球上には,動物や植物,菌類など約 175 万種の生きものが生息・生育していることが確認され
ており,これに未知の生物種を加えると総種数は 3,000 万種ともいわれています。生物多様性は,
「全
ての生物の間に違いがあること」と定義され,こうした生きものの「種」の多様性に加え,生きも
のが棲む「生態系」(自然環境)と「遺伝子」の多様性があります。
「種」を詳しく見てみると,同じ「種」, 例えば「人」でも,一人ひとり体格等が異なっています。
このような違いは「遺伝子」によってもたらされているのです。また,いろいろな「種」が集まっ
て暮らしている環境 , 例えば森を見てみると,同じ森でも「川のそばにある森」,「まちなかにある
森」,「山奥の森」などさまざまなタイプの森があることがわかります。そしてそれぞれの「森」に
棲んでいる「種」の組み合わせは,場所によって異なります。このように,いろいろな種が集まっ
て暮らしている環境のことを「生態系」と呼んでいます。
生態系の多様性
さまざまなタイプの
自然環境があること
(森林,草原,河川,池沼など)
種の多様性
さまざまな種類の生きものが
生息・生育していること
(動物,植物,菌類など)
1
遺伝子の多様性
同じ生きものの種類の中にも,
遺伝子による違いがあること
(形,模様,生態など)
章
第1章
第
章
コラム:生物多様性ってなに?
すが,
ること」と定義されていま
「全ての生物の間に違いがあ
生物多様性条約では,
※
え
こと1」ともいえます 。例
りの
なが
とつ
個性
かな
の豊
たち
き物
「生
,
言いかえれば
で見たとき
,生きものの違いを「種」
うに
のよ
エル
マガ
,ア
ば,メダカやドジョウ
ら,「仲よく生き
力したり競争したりしなが
に協
互い
,お
のは
きも
の多様性です。生
のは,ヘビが
した。仲よく生きるという
2」ように少しずつ数を増やしてきま
られる
,「仲よく生きら
ヘビはカエルを食べますが
す。
みま
も含
こと
うな
カエルを食べるよ
まで全部食べたりはしま
ヘビはカエルがいなくなる
き,
ると
てい
でき
係が
れる」関
きていくことが
るカエルがいなくなり,生
であ
も餌
ヘビ
ると
をす
せん。そんなこと
るのは,こういう「仲
きものが一緒に暮らしてい
の生
多く
,
。今
です
から
できなくなる
ます。
くりだしてきた結果といえ
がつ
もの
生き
ての
を全
よく生きられる」関係
現されて
ので,いろいろな言葉で表
持つ言葉です
※生物多様性は非常に広い意味を
います。
1 環境省・自然環境局・自然環境計画課・生物多様性施策推進室ホームページより引用「生物多様性
Biodiversity」
2 岩槻邦男 = 語り,Hideki Inoue・KentaroMatsui= 取材・文:生物多様性 Q & A.ソトコト 2009
年 11 月号,pp.46-47
2
第
私たちを守る生物多様性の恵み
章
2
この地球とそれに育まれた生物多様性は,長い歴史の中で,人を含むさまざまな生きものの関わ
り合いの中でつくられた,かけがえのないものです。私たち日本人も,豊かな自然の中で,ほかの
生きものと関わり合うことで,日本独自の文化をつくりあげてきました。
私たちの暮らしと周りの自然や生きもの(生物多様性)との関わりを改めて見てみると,私たち
が生物多様性からさまざまな恩恵を受けていることが分かります。この恩恵のことを「生物多様性
の恵み」と呼んでいます。
私たち人間の暮らしや事業活動などは,多様な「生態系」
,多様な「種」
,多様な「遺伝子」がつ
くりだす「生物多様性の恵み」に支えられ , 成り立っていますが,普段の暮らしの中でそのつなが
りや恵みを意識することは少くなってきています。
このように多岐にわたる生物多様性の恵みを,分かりやすく説明するために用いられているのが
「
,調整サー
「生態系サービス」という考え方であり,
「ミレニアム生態系評価 3」では「供給サービス」
ビス」
,
「文化サービス」
,
「基盤サービス」の 4 つに分類しています。
4 つの生態系サービスと,これに対応する「生物多様性の恵み」の具体例をまとめると以下のよ
うになります。
供給サービス
供給サービスとは,自然等が食料,繊維,木材等,私たちの暮らしに必要なものを供給
してくれる恵みのことです。かつては,里山で伐採した木を燃料として使用したり,落ち
葉を畑や水田の肥料として使ったり,また山でとれた獣,川でとれた魚のほか,山菜など
を食材として利用してきました。
現在は,例えば衣料も,その多くが石油などの化石燃料から作られていますが,この石
油もまた,長い年月をかけて生きものと環境が作り出した供給サービスの 1 つです。食材
となる牛や豚についても,食べる飼料はトウモロコシ等の穀類で,
畑で育てられたものです。
また,建築資材としての木材の利用は少なくなってきています
が,その代わりに使われる資材の多くは,生きもの由来の化石燃
料等を原料としています。
私たちの衣食住は,このように程度の差はありますが,ほぼ全
て生物多様性の恵みによってもたらされています。
3 ミレニアム生態系評価:国際連合の提唱によって,世界 95 ヵ国の専門家約 1,300 人が参加し,行
われた地球規模の生態系に関する環境アセスメント(2001 年〜 2005 年)。
3
第
章
調整サービス
調整サービスとは,森林が二酸化炭素を吸収し,固定することで気候を調節したり,森が雨水
を保水し少しずつ流れ出すことにより自然災害(洪水や土砂災害)の発生を防止したり,土が水
質浄化機能を果たすことで安全で栄養豊かな水を供給するなどの恵みのことです。本市におい
ても,森林が雨水を安全な地下水として浄化・供給しています。また,樹木やその根で支えられ
る土壌が一時的に水を吸収し,少しずつ流し出すことで,大雨で一気に雨水が町に流れ出すこ
と(洪水)を防いでくれています。木の根がしっかりと土を
支えていることは,水を蓄えるだけでなく,土砂崩れのよう
に土が流れ出すことも防いでいます。
このように,調整サービスは自然災害や急激な気候変動 CO2の固定
雨水の保水
水の浄化
を抑えるなど,
縁の下の力持ちのように,
私たちの安全で安心な暮らしを守ってくれているのです。
文化サービス
文化サービスとは,さまざまな生きものや地域の風土が織りなす豊かな自然によってもた
らされる心身の安らぎや満足感,あるいは刺激のように,私たちの精神を豊かにしてくれる,
目には見えない恵み(価値)のことです。長い歴史を持つ本市では,五穀豊穣を祝う伝統行
事や,地域の祭りで使われる祭祀品などにも地域の資源が多く用いら
れてきました。その原料を調達し,加工する過程までを含め,産業や
文化として今でも根付いています。さらに,着物や襖絵などのモチー
フとして用いられる花鳥風月のデザインもまた,私たちが生物多様性
の恵みを享受していることを実感し,それを美しいと感じる文化の証
といえるでしょう。
このほか,ハイキングや森林浴のように,森林を利用したレクリ
エーションも,私たちに安らぎや癒しを与えてくれる点で,生物多様
性がもたらす文化的な恵みの 1 つといえます。
基盤サービス
基盤サービスとは,3 つのサービス(供給サービス・調整サービス・文化サービス)を維
持するために必要な恵みのことです。例えば,枯れ木や落ち葉を微生物
が分解することにより土壌をつくりだす,植物が光合成を行うことにより
酸素や有機物を生産するなど,生物多様性が,人をはじめ,動植物が生
きていくために欠かせない,全ての生きものを支える基盤としての環
境をつくりあげていることを,基盤サービスといいます。
つまり,人や生きものの暮らしの全てを底辺から支える生物多様性の恵
みが基盤サービスであり,その恵みの上に 3 つのサービスが成り立っているのです。
4
第
近年,生態系サービス(生物多様性の恵み)が,低下しつつあることが分かって
きました。ミレニアム生態系評価では,地球上の生態系サービス 24 項目のうち,
15 項目ものサービスが「低下」,あるいは「持続できない形で利用されている」と
結論づけられました。
過去 50 年間にわたり,主に食糧,水,木材,繊維,燃料の急速な需要増大に対
応するため,人はかつてない速さで大規模に生態系を改変してきました。その結果,
人間の福利と経済発展に多くの利益がもたらされてきましたが,これらの利益は多
くの生態系サービスの劣化ももたらしました。
一方で,里山のように人が手を加えることにより高い生物多様性が維持されてき
たところでは,ライフスタイルの変化等により経済的価値が低下し,維持管理され
なくなったため,従来の環境が失われつつあり,生態系サービスの劣化が懸念され
ています。
日本の里山・里海評価4では,過去 50 年間の里山・里海の生態系の変化が分析さ
れました。分析は,地域の特性を考慮し,日本を 5 つのクラスター 5(地域グループ)
に分けて行われました。本市が含まれる西日本クラスターの分析結果は,次ページ
の表のとおりです。
報告書では,このままでは,生態系サービスは 21 世紀前半までに,さらに低下
していくと予想されており,これを防ぐには,政策や社会の制度,私たちの暮らし
方を大きく変えていく必要があると警告されています。
4 日本の里山(伝統的な田園景観)・里海(人間の手が加わった沿岸・海洋生態系)を対象とした生態
系評価
5 1.北海道,2.東北,3.北信越,4.関東中部,5.西日本
5
章
コラム:生態系サービス(生物多様性の恵み)の低下
第
章
最近 50 年間の生態系サービスの人間による利用及びサービス向上あるいは劣化
基盤サービス(人に直接利
用されないサービス)は,
供給・調整・文化サービス
の提供を通じて発現される。
したがって,評価はしない
。
(ダブルカウントになるため)
データに
データに
よる裏づ
基づく
けなし
凡 例
過去 50 年間において単調増加
過去 50 年間で増加と減少のどちらも含む
過去 50 年間において単調減少
過去 50 年間において , 増加と減少の混
合 , あるいは , ある地域で増加し他の地
域では減少
過去 50 年間において変化なし
評価不能(データ不足 , 未検討)
(日本の里山・里海評価−西日本クラスター,2010.里山・里海:日本の社
会生態学的生産ランドスケープ−西日本の経験と教訓−,国際連合大学,東
京から引用して作成 )
6
第
生物多様性の危機
章
3
生物多様性国家戦略 2012-2020 においては,日本の生物多様性の危機を次のように 4 つの危機と
して整理しています。ここでは,この 4 つの危機を京都市の現状を踏まえ,解説していきます。
第1の危 機
第 1 の危機は,人が生きものを乱獲したり,生きものの生息・生育地を宅地などに改変するなど
開発を行うことにより,もたらされる生物多様性への影響をいいます。本市においても,森や草地,
農地であった自然を切り拓き,私たちが生活するために「街」へと改変してきました。河川や河川
敷では,かつては洪水などにより川の道筋が変わるなど,ダイナミックに変化する環境があったた
め,こうした環境に適応した生きもの(カワラサイコ,カワラヨモギ,カワラノギク,カワラハハ
コなど)が生育していました。人の生活と安全を守るために河川を直線化し,ダム・堰をつくり,
護岸工事等を進めた結果,洪水・氾濫がなくなったことから,変化に富んだ環境を好む生きものの
種数が減ってきています。
また,自然に親しむため,多くの人が訪れることにより,結果的に環境に影響を及ぼしてしまう
ことがあります。例えば,湿地などの環境を踏み固めてしまうことにより,本来の環境が損なわれ
てしまいます。このように私たちが生きるため,安全に生活するため,余暇のために行う活動につ
いて,その度合いが強まることにより,生物多様性の状況を改変してしまうような影響を与えるこ
とがあります。
市街化による環境の単調化
①
③
②
④
①カワラサイコ , ②カワラヨモギ , ③カワラノギク , ④カワラハハコ
7
第
章
第 2 の危 機
第 2 の危機は,人が自然の利用や手入れ等の働きかけをやめてしまうこと等で起きる問題をいい
ます。例えば,里山(農地や集落に隣接する雑木林や草地等)は,数年~十数年に一度,薪や炭と
して木を伐採したり,農地の肥料として使うために落ち葉を集めるなど,人の手が定期的に入るこ
とにより維持されてきました。人の手が入ることで林内は , 日光が入りやすく,また人が多く出入
りするため,大型の獣が少ないといった特徴があり,このような環境に適応した多くの動植物がい
ました。こうして,人が利用しながら,培ってきた性質を持つ里山が,京都では 1,000 年以上にわ
たって維持されてきました。
ところが,人の手が入らなくなると,木や下草が伸び,林の中に日光が届かず,次第に暗い環境
になっていきます。これらは,自然の移り変わり(遷移)のプロセスではありますが,長い時間を
かけて維持されてきた多くの生きものたちの生息・生育場所が,今までにないスピードで失われて
います。
里山は,小さな面積の農地,林,草地がモザイク状に繰り返し現れる環境として維持されること
により,こうした複雑な環境が多くの生きもののすみかとなっていました。しかし,近年の農業の
大規模化により,耕作地が大きなひと続きのまとまりとして整備されたことで,単調な環境となり,
生息・生育できる生きものの数が減ってきています。このように里山は第 2 の危機のみならず,第
1 の危機にも直面しているのです。
手入れされた健全な林と手入れされずに荒廃した林
健全な林
荒廃した林
8
第
第 3 の危機は,人間が近代的な生活を送るようになったことで,元来その環境に生息していなかっ
た生きもの等が持ち込まれて,もたらされる生物多様性への影響をいいます。具体的には,園芸
等を目的とした植物の持ち込みや,ペットや家畜としての動物の持ち込みのほか,例えばオオキ
ンケイギクのように意図せず他のものと一緒に持ち込まれたものなどもあります。しばしば話題
になる特定外来生物 6(アレチウリ,アライグマ,オオクチバス等)は , 日本にもともと棲む動植
物よりもはるかに生命力が強く,天敵となるような生きものがいないため,爆発的にその数を増
やし,もともと生息・生育していた生きもの(在来種)を減少させ,場所によっては絶滅させる
といった影響が出ています。
①
②
①アレチウリ , ②アライグマ
第 4 の危 機
第 4 の危機は,地球温暖化など地球環境の変化による生物多様性への影響をいいます。地球温暖
化のほか,強い台風の頻度が増すことや降水量の変化などの気候変動,海洋の一次生産の減少及び
酸性化などの地球環境の変化は,生物多様性に深刻な影響を与える可能性があり,その影響は完全
に避けることはできないと考えられています(『生物多様性国家戦略 2012-2020』より抜粋)
。気温
や降水量などの条件が変わると植物の開花や結実の時期や分布自体にも変化が生じます。また,渡
り鳥や回遊魚などの季節的な生活サイクルへの影響や,昆虫による受粉や鳥による種子散布といっ
た関係も崩れてしまうかもしれません。こうした生きもの間の関係については未解明な部分も多く
ありますが,1 つの関係性が崩れると残りの関係性も崩れていくと予想されており,多くの種の絶
滅のリスクが高まると予測されています。
6 特定外来生物とは外来種(移入種)のうち「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関
する法律」で規定された種のことで,在来種を捕食するなど,特に生態系への被害が認められる
種で,現在 105 種が指定されている。
9
章
第 3 の危 機
第
章
4
生物多様性を守る意味
私たちが生物多様性を守る意味は大きく,次の 4 つです。
●全ての生命が存立する基礎となる
全ての生物は,生態系という 1 つの環の中で深く関わり合い,つながり合って生きていま
す。多様な生態系は,未来にわたり,全ての生命の存在にとって欠かすことのできない基礎
となっています。
●人間にとって有用な価値を有する
私たちの生活は,多様な生物の利用により成り立ってきました。今後,さまざまな形で生
物を利用する可能性があり,生物多様性は,未来の豊かな暮らしにつながる有用な価値を有
しています。
●豊かな文化の根源となる
京都は,人と自然が一体となった自然観を有し,自然を尊重し,自然と共生する暮らしの
中で多様な文化を形成してきました。生物多様性は,京都特有の豊かな財産ともいうべき文
化の多様性を支えるものであり,その根源となっています。
●将来にわたる暮らしの安全性を保証する
多様で健全な森林等の整備・保全,環境保全型農業の推進などは,土砂の流出や崩壊防止,
安全な飲み水や食料の確保に寄与しています。生物多様性の観点から,自然と人の利用のバ
ランスを健全に保つことは,世代を超えて効率的に暮らしの安全性を保証することにつなが
ります。
~「生物多様性国家戦略 2012-2020」より抜粋し,一部改変~
10
第
プラン策定の背景と意義
章
5
● プラン策定 の 背 景 と 意 義
生物多様性は,全ての生命が存続する基盤であり,人間の安全で豊かな暮らしを支えるとともに
地域独自の文化の多様性の源となっています。しかし,地球温暖化に伴う環境の変化,人間が行う
開発等による生態系の破壊,人間活動の縮小による里山等の劣化,外来種等による生態系のかく乱
等の深刻な危機に直面しています。
とりわけ,京都の生物多様性は,木材や食料の供給,水害の発生を予防する等,人々の安全で豊
かな暮らしを支えるとともに,食(京料理,京野菜など),祭祀,庭園,茶道,生け花などのさま
ざまな伝統文化を育んできました。
しかしながら,手入れが行き届かず,林内が暗い藪となるなどの里山の荒廃や,祇園祭の粽に用
いるチマキザサなど固有生物の減少等,自然環境の保全や伝統文化の継承を揺るがすような生物多
様性に係る問題が発生する中,京都市として体系的・総合的な取組の推進が必要な状況です。
このように,生物多様性は市民生活や市政のあらゆる分野に関連するものであることから,本プ
ランは,自然・環境と共生し,その恵みにより魅力的な文化を築き上げてきた京都の歴史を踏まえ,
生物多様性と京都の文化との関わりに重点を置いたものとします。
●プラン策定 の 経 緯
国では,1993(平成 5)年に生物多様性条約を締約し,1995(平成 7)年に「生物多様性国家戦略」
を策定し,2008(平成 20)年には,「生物多様性基本法」を制定しました。このうち,「生物多様
性基本法」では,地方自治体に,生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する基本的な計画(生
物多様性地域戦略)の策定を努力義務として求めています。
京都市では,「はばたけ未来へ!京プラン」(京都市基本計画)の中で「京都の自然環境を後世に
伝えていくため,京都の地域特性を考慮した生物多様性の保全に向けた取組を進めていく」として
おり,これを着実に推進するため,「京都市生物多様性プラン」(生物多様性地域戦略)を策定する
こととし,京都市環境審議会(以下「審議会」という。)に生物多様性保全検討部会(以下「部会」
という。)を設置しました。
部会において,プランの目指すべき目標や施策への方向性について,幅広く検討を進め,2014(平
成 26)年には,審議会から「京都市生物多様性プラン」骨子について提言をいただきました。
本市では,この提言やパブリックコメントにおける意見等を踏まえ,本プランを策定しました。
11
第
章
京都市生物多様性プラン策定の経緯
国内の動き
年代
1993(平成5)年
生物多様性条約を締約
できごと
1995(平成7)年
生物多様性国家戦略
現在,3 回の改定を経て生物多様性国家戦略 2012-2020 を策定
2008(平成20)年
生物多様性基本法を公布・施行
⇒地方自治体に,生物多様性地域戦略の策定を努力義務として求めている
2010(平成22)年
名古屋市で生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)開催
⇒生物多様性保全への関心が高まる
↓
京都市の動き
年代
2011(平成23)年
できごと
京都市基本計画「はばたけ未来へ!京プラン」を策定
⇒「京都の優れた自然環境を後世に伝えていくため,京都の地域特性を
考慮した生物多様性の保全に向けた取組を進めていく」ことを掲げる
2013(平成25)年 3 月
審議会に部会を設置
⇒部会を 4 回開催し,生物多様性プランについて検討 2014(平成26)年 1 月
審議会から本市に対してプラン骨子について提言
2014(平成26)年 2 ~3 月 パブリックコメント実施
2014(平成26)年 3 月
プラン策定
12
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