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タイトル 内務省による検閲体制と〈分割還付〉 本 : 渡辺順三 『史的唯物論
タイトル 内務省による検閲体制と〈分割還付〉 本 : 渡辺順三 『史的唯物論より観たる近代短歌史』における切取り 削除を具体例 附・大塚金之助「無產者短歌」の異同 の検証 著者 田中, 綾; TANAKA, Aya 引用 北海学園大学人文論集(59): 178(一)-152(二七) 発行日 2015-08-31 ★逆ノンブル★ ︵ 一 ︶ 者 の 一 人 で あ っ た 大 塚 金 之 助 は 、 冒 頭 の 日 記 の 年 の 一 月 、 執 筆 最 中 に 身 柄 を 東 京 麹 町 署 に 留 置 さ れ 、 二 月 に 治 安 維 持 法 経 済 学 者 で あ り 、 野 呂 栄 太 郎 が 企 画 し た 日 本 資 本 主 義 発 達 講 座 全 七 巻 ︵ 岩 波 書 店 、 一 九 三 二 | 三 三 年 ︶ の 執 筆 め て る い 。 た 渡 辺 君 渡 に 辺 好 順 意 三 を 著 謝 し 近 て 代 お 短 い 歌 て 下 さ 不 い1 ︶ 許 。 宅 下 げ 。 / こ れ は 今 度 で 二 度 目 の 差 入 だ の に や は り 不 許 だ か ら 、 も う あ き ら 一 九 三 三 ︵ 昭 和 八 ︶ 年 十 月 三 日 、 火 曜 日 。 大 塚 金 之 助 ︵ 一 八 九 二 | 一 九 七 七 年 ︶ は 、 当 時 の 読 書 記 録 に こ う 書 き つ け は じ め に 刑 務 所 内 の 大 塚 金 之 助 へ の 二 度 の 差 入 不 許 キ ー プ 内 ワ ロ 務 ー レ 省 ド タ 警 リ 保 ア 局 短 、 歌 検 閲 、 内 閲 、 発 売 附 ・ 大 塚 金 之 助 布 禁 止 、 無 產 者 短 歌 割 還 付 、 切 取 り 削 除 、 割 還 付 本 の 異 本 、 大 塚 金 之 助 、 渡 辺 順 三 、 178 の 異 同 の 検 証 田 中 綾 渡 辺 順 三 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 に お け る 切 取 り 削 除 を 具 体 例 に 内 務 省 に よ る 検 閲 体 制 と 割 還 付 本 北海学園大学人文論集 の 旨 大 を 塚 お 金 知 之 ら 助 せ へ 下 の さ 一 い 度 。 目 せ の つ 差 か 入 く は 送 、 つ 一 て 九 下 三 す 三 つ 年 た 六 の 月 で 十 す 二 か 日 ら4 、 ︶ 。 月 曜 日 。 渡 辺 近 代 短 歌 集 不 許 に つ き 宅 下 。 渡 辺 氏 に そ 除 そ で 本 し あ 、 て っ 切 、 た 取 四 が り 頁 、 内 削 除 ︵ 務 が 裏 省 行 面 警 わ も 保 れ 併 局 た せ 図 も て 書 の 全 課 を 八 検 頁 閲 係 に ︶ 割 よ の 還 る 付 本 切 検 取 閲 と り で 呼 削 、 称 除 翌 昭 す る が 和 こ 命 八 と ぜ 年 と ら 一 す れ 月 る た に 。 の 安 だ 寧 っ 秩 た3 序 ︶ 。 妨 以 害 下 で 、 発 発 売 禁 処 布 禁 前 止 の 処 も の と を な っ 無 た 削 。 価 は 一 円 八 十 銭 で 三 千 部 、 印 税 は 五 百 四 十 円 順 三 の 自 叙 伝 烈 風 の 中 を ︵ 東 邦 出 版 社 、 一 九 七 で 三 あ 年 っ ︶ に た よ と い る と う2 ︶ 、 。 生 同 計 一 が 九 苦 三 し 二 か 年 っ の た 十 渡 月 辺 末 家 に に 改 と 造 っ 社 て に 、 入 こ 稿 の し 大 、 金 初 は 版 慈 は 雨 定 第 59号(2015年8月) 和 七 渡 ︶ 辺 年 順 三 十 ︵ 二 一 月 八 二 九 十 四 七 | 日 一 印 九 刷 七 二 十 年 二 ︶ の 月 書 三 名 十 は 一 、 日 正 発 確 行 に は 四 、 六 判 上 的 製 唯 物 奥 論 付 よ で り は 観 た 見 る た 近 る 代 短 の 歌 表 記 ︵ ︶ 改 で 造 あ 社 る 、 。 一 の 九 ち 三 の 二 渡 ︵ 辺 昭 177 差 入 が 不 許 可 で あ っ た こ と の 理 由 を 、 本 稿 で 、 詳 し く 検 証 し て い く こ と と す る 。 同 一 九 三 三 年 、 十 一 月 二 日 に よ う や く 出 所 と な っ た が 、 プ ロ レ タ リ ア 短 歌 運 動 を 牽 引 し て い た 渡 辺 順 三 か ら の 二 度 の た 。 そ れ を 機 に 、 の ち に 別 の 筆 名 で 口 語 短 歌 を 発 表 す る こ と に も な っ た の で あ る 。 確 か に 、 刑 務 所 内 と い う 孤 絶 さ れ た 空 間 で の 記 憶 を と ど め る に は 、 口 語 短 歌 は 備 忘 録 が わ り に な る 有 用 な 詩 型 で も あ っ 和 初 期 に お け る 口 語 短 歌 変 革 期 を 見 守 る 一 人 と な っ て い た 。 か ら は 遠 ざ か っ て い っ た 。 代 わ り に 、 プ ロ レ タ リ ア 短 歌 運 動 の 画 期 と な っ た 歌 論 無 産 者 短 歌 ︵ 後 述 ︶ を 発 表 し 、 昭 大 正 末 期 、 ア ラ ラ ギ 島 木 赤 彦 選 に 筆 名 で 短 歌 を 投 じ て い た 大 塚 金 之 助 は 、 ド イ ツ 留 学 を 経 て 、 し だ い に ア ラ ラ ギ 被 疑 者 と し て 起 訴 、 豊 多 摩 刑 務 所 に 収 容 さ れ て い た 。 ︵ 二 ︶ 内務省による検閲体制と 少 人 数 で あ り 、 実 際 、 一 九 二 七 年 当 時 の 図 書 課 人 員 は ︵ 三 ︶ 的 大 正 末 期 ま で 、 内 務 省 側 と 出 版 社 側 は い わ ゆ る な 慣 例 に よ っ て 、 互 い に 検 閲 ル ー ル を 保 っ て い た8 内 ︶ 。 閲 二 日 四 々 と 名 刊 い 行 う し を 、 か 重 内 い ね 々 な る に か 膨 懇 っ 大 談 た な す と 数 る い の か う9 出 た ︶ 。 版 ち 出 物 で 版 に 発 社 対 禁 側 し 処 と 、 呼 検 を 吸 閲 遠 を 実 ざ 合 務 け わ 担 る せ 当 て 者 好 検 は 意 態 で あ っ た 。 二 〇 〇 九 年 ︶ で 強 調 さ れ た 、 一 九 二 七 ︵ 昭 和 二 ︶ 年 の 内 閲 制 度 の 廃 止 は 、 一 つ の 大 き な 流 れ と し て 看 過 で き な い 事 内 務 省 に よ る 発 売 布 禁 止 処 に つ い て は す で に 多 く の 研 究 が あ る が 、 近 刊 の 紅 野 謙 介 検 閲 と 文 学 ︵ 河 出 書 房 新 社 、 一 切 取 り 削 除 さ れ た 八 頁 の 検 証 な ら ぬ 思 い が う か が え よ う 。 176 割還付> 本 (田中) 過 酷 な 境 遇 に あ っ て も 、 寸 暇 を 惜 し ん で 新 知 識 と 語 学 習 得 に 熱 情 を か た む け る 経 済 学 者 の 、 差 入 本 に 対 す る な み な み る 。 二 差 入 そ 願 れ に が 不 所 許 内 と に し 入 る つ し て が 領 つ 置 く ︵ 。 ︵ 倉 以 庫 下 に 入 略7 ︶ ︶ れ 。 る こ と ︶ さ れ る 。 こ の 際 に 第 二 回 の せ い り が 行 は れ て 、 不 許 の 本 を 決 定 す 当 一 時 の 差 刑 入 務 本 所 は 内 差 へ 入 の や か 本 ら の 受 差 付 入 へ 来 に る つ 、 い こ て ゝ 、 で 大 一 塚 応 自 本 身 を の せ 記 い 述 り を し 引 、 用 受 し 付 て け お な き い た も い の 。 は 差 入 や へ す ぐ 返 す 。 か が っ 、 た 続 こ け と て を 、 留 冒 守 頭 宅 に の 引 家 用 族 し あ た て に 十 書 月 き 三 送 日 っ て 付 い け た6 で ︶ 。 、 渡 辺 順 三 近 代 短 歌 不 許 で 宅 下 げ と 、 結 局 は 受 け 取 れ な の 差 そ 入 し あ て り 、 。 二 差 度 入 目 が の あ 差 つ 入 た は と 、 い 同 ふ 年 こ 九 と 月 を 二 、 〇 同 日 君 、 へ 水 は 曜 が 日 き の で 記 お 録 礼 と を し 出 て し 、 て 渡 下 辺 さ 順 い 三 。 氏 今 よ 手 り 紙 、 が 出 近 せ 代 ま 短 せ 歌 ん か 、 ら5 ︶ 平 と 賀 あ 元 る 義 。 歌 だ 集 北海学園大学人文論集 に 、 当 局 の 命 に よ り 左 の 頁 削 除 第 59号(2015年8月) 奥 付 さ て 、 渡 辺 順 三 の 割 還 付 本 四 を 九 見 頁 る と 一 、 四 表 一 紙 頁 裏 に 二 一 七 枚 五 の 頁 張 り 三 紙 〇 が 七 あ 頁 る 。 。 と 縦 は 七 い ・ え 七 、 セ 印 ン 刷 チ 面 × に 横 は 四 裏 ・ 表 三 が セ あ ン る チ の の で 紙 、 片 年 末 の 刊 行 で あ り 、 そ れ が 適 用 さ れ た こ と が う か が え る 。 渡 辺 順 三 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 は 、 そ の 割 還 付 ル ー ル が 定 着 し つ つ あ っ た 一 九 三 二 ︵ 昭 和 七 ︶ 175 う も の で あ る 。 閲 割 還 と を 付 こ 進 ろ め が が る 運 、 こ 用 そ と さ の で 、 れ る 内 業 こ 閲 務 を と と が 滞 な 一 ら っ 九 せ た 二 な 。 七 い 切 年 よ 取 に う っ 廃 図 た 止 っ 著 と て 書 な い 等 り た を 、 こ 出 同 と 版 年 は 社 秋 想 に か 像 返 ら さ 還 、 れ し 禁 よ 、 止 う 切 処 。 取 り と 削 さ 除 れ し た た 当 も 該 の 頁 は の 販 み 売 を し 切 て 取 も る よ と い い 、 う と い ︵ 四 ︶ 内務省による検閲体制と 削 除 指 定 ① 四 九 頁 割還付> 本 (田中) と 実 と 際 な に る1︶0 は 。 四 九 | 五 〇 頁 一 四 一 | 一 四 二 頁 二 七 五 | 二 七 六 頁 三 〇 七 | 三 〇 八 頁 の 八 頁 が 切 取 り 削 除 さ れ た こ ︵ 五 ︶ 174 北海学園大学人文論集 二 〇 一 四 年 ︶ に 詳 し く 、 こ の 渡 辺 順 三 の 本 文 を 図 版 で 示 し な が ら 次 の よ う に 解 説 し て い る 。 ち な み に 、 大 正 期 以 降 の 与 謝 野 晶 子 の 死 ぬ る を 人 の × × × と は × か ×獣 の た ×道 み ×に に 死 ×ね 人 ×︶ の よ 血 と を は 流 し × × × × か ら は 出 で ま さ ね × × × × × × は 戦 ひ に 第 59号(2015年8月) 君 死 に た ま ふ こ と な か れ 君 死 に た ま ふ こ と 勿 れ の 引 用 に 関 し て は 、 牧 義 之 伏 字 の 文 化 ︵ 森 話 社 、 の よ う に 復 元 し な が ら 解 説 し て い る 。 前 出 の 渡 辺 順 三 烈 風 の 中 を 一 五 四 頁 で は 、 与 謝 野 晶 子 の 詩 の 引 用 と 、 そ の 伏 字 が 問 題 で あ っ た と 、 伏 字 部 を 次 173 渡 辺 順 三 は 、 個 人 主 義 の 萌 芽 に む し ろ 着 目 し た と 述 べ て い る 。 晶 子 の 詩 は 当 時 一 部 の 人 達 か ら 非 難 さ れ た が 、 個 人 的 な 立 場 か ら 、 肉 親 的 情 愛 か ら 戦 争 に 反 対 し て ゐ る 詩 で あ り 、 当 該 頁 に は 、 与 謝 野 晶 子 が 日 露 戦 争 に 出 征 す る 弟 に 向 け た 詩 君 死 に た ま ふ こ と な か れ1︶1 が 伏 字 で 引 用 さ れ て い る 。 戦 争 以 降 、 し だ い に 変 化 が 起 こ っ て き た こ と が 述 べ ら れ て い る 。 主 義 的 傾 向 へ の 移 行 ま ず 、 削 除 指 定 一 件 に 目 あ の た る 四 内 九 容 頁 で 。 あ 第 り 一 、 篇 明 治 明 中 治 期 以 、 後 与 の 謝 短 野 歌 寛 の ・ 晶 的 子 発 を 展 筆 頭 の と 第 す 一 る 章 の 明 星 五 、 の 圧 明 倒 星 的 な 派 人 の 気 衰 が 微 、 と 日 自 露 然 ︵ 六 ︶ 内務省による検閲体制と 割還付> 本 (田中) な お 、 裏 頁 に あ た る 五 〇 頁 も 、 参 ま で に 図 示 し て お く 。 伏 字 の 有 無 に 関 わ ら ず 、 こ の 詩 自 体 の 引 用 が 検 閲 担 当 者 の 目 に と ま っ た の だ ろ う 。 と を 慮 っ て 、 伏 字 に し た と え ら れ る 。 や 大 み こ ゝ ろ 牧 義 之 伏 字 の 文 化 五 三 | 五 四 頁 ︵ 七 ︶ 172 作 品 で あ る が 、 引 用 に 際 し て は 、 す め ら み こ と な ど 、 天 皇 を 指 し 示 す 語 句 が 不 敬 罪 に あ た る こ 死 に た ま ふ こ と 勿 れ が あ る 。 ︵ 略 ︶ 詩 君 死 に た ま ふ こ と 勿 れ は 、 そ の 内 容 に 関 し て 発 表 当 時 か ら 論 議 を 呼 ん だ あ る 出 版 物 が 発 行 さ れ た 当 時 は 本 文 に 伏 字 を 施 さ ず に 発 行 で き た も の の 、 後 の 時 代 に そ の 文 章 を 引 用 す る 場 合 に 君 、 手 を 加 え な け れ ば 刊 行 が で き な か っ た 、 と い う 事 例 を 示 し て い る 。 典 型 的 な 事 例 の 一 つ に 、 与 謝 野 晶 子 の 反 戦 詩 北海学園大学人文論集 び 前 、 出 弁 の 護 渡 士 辺 を の 順 開 四 三 業 字 す 烈 る を 風 の 、 の だ 改 中 が 造 を 、 社 渡 側 一 辺 が 五 順 四 三 × 頁 が × で 引 × は 用 × 、 し そ た と の の 伏 引 は 字 用 小 に し 学 し た た 中 訓 が の 導 、 一 時 そ 首 代 れ の の で 伏 短 も 字 歌 い が で け 問 あ な 題 る か だ 。 っ っ た た の と で 解 あ 説 る し て 。 い る1︶3 。 三 首 目 の 天 皇 陛 下 第 59号(2015年8月) 削 除 指 定 ② 西 日 心 歌 に 矢 村 二 壇 投 代 陽 件 稿 東 吉 目 に し 村 、 の 投 、 は 矢 削 稿 卒 、 代 除 し 業 一 東 指 、 後 八 村1︶2 定 は 八 木 東 九 と 一 に 京 ︵ い 四 五 下 明 う 一 首 谷 治 小 頁 採 区 二 題 ら 練 二 の は れ 塀 ︶ 部 、 第 て ︵ 年 か 現 、 で 一 ら 、 千 あ 篇 意 秋 葉 る 第 識 葉 県 。 一 章 的 原 生 の に ︶ ま れ 最 短 小 後 歌 学 。 東 に を あ 作 の 京 た る 訓 の り よ 導 青 、 う と 山 に な 師 十 な っ 範 、 学 っ た 生 た 。 活 に と そ 派 入 い の の う 後 学 運 。 、 後 動 、 の 東 と ち 京 文 諸 に 朝 章 歌 大 日 世 人 学 新 界 の 聞 の 夜 の に 間 石 俳 3 部 川 句 、 や で 安 法 木 和 成 学 選 歌 二 を を 郎 学 朝 熱 、 一 四 一 頁 ︵ 八 ︶ 171 内務省による検閲体制と な お 、 裏 頁 に あ た る 一 四 二 頁 も 、 参 ま で に 図 示 し て お く 。 ︵ 九 ︶ 解 釈 が 揺 ら ぐ と こ ろ で も あ る 。 し ろ 、 優 秀 な が ら も 俸 給 十 円 程 度 の 代 用 教 員 の 胸 中 を 代 弁 し て い た の で は な い だ ろ う か 。 そ う な る と 、 渡 辺 順 三 の 司 額 で よ あ り る も 管 高 理 く 職 、 で し あ か っ も た 、 と 優 い 秀 う な 。 代 ま 用 た 教 、 員 師 よ 範 り 学 も か を な 卒 り 業 高 し 額 た だ 正 っ 教 た1︶5 員 。 で 矢 あ 代 っ 東 た 村 矢 は 代 こ 東 の 村 一 の 連 俸 で 給 、 自 二 身 十 の 四 生 円 活 で は は 、 な 当 く 時 、 の む 平 当 時 、 ま だ 若 い 教 員 で あ っ た 矢 代 東 村 の 俸 給 は 実 際 に は 二 十 四 円 で あ り 、 三 十 円 の 俸 給 を も ら っ て い た の は 上 の 現 は れ は じ め 、 ニ ヒ リ ズ ム 短 歌 と 評 さ れ て き た こ と へ の 疑 義 を 呈 し て い る 。 た の が 矢 代 東 村 自 身 で あ る と い う 解 釈 や 、 渡 辺 順 三 の 無 削 除 本 で の 記 述 小 市 民 的 な 生 活 か ら 来 る 虚 無 的 な 世 界 観 170 割還付> 本 (田中) が 多 い が 、 娘 で あ る 小 野 弘 子 は 、 評 伝 矢 代 東 村 ︵ 短 歌 新 聞 社 、 二 〇 一 二 年 ︶ で 、 三 十 円 の 俸 給 を も ら っ て い 円 の 俸 給 を も ら ひ 天 皇 陛 下 の あ り が た き こ と を 教 へ 居 る か も は 、 現 在 で も 矢 代 東 村 の 代 表 作 の よ う に 引 用 さ れ る こ と こ れ ら は 矢 代 東 村 の 第 一 歌 集 一 隅 よ り ︵ 白 日 社 、 一 九 三 一 年 ︶ 所 収 の 、 一 九 一 四 ︵ 大 正 三 ︶ 年 作 品 で あ る 。 三 十 洋 服 は す れ て 光 れ り そ の 顔 は つ か れ て 青 し 教 員 あ は れ 苦 し 苦 し は や く 教 員 や め て し ま ひ 大 声 に ひ と つ 怒 鳴 り て み た し 三 十 円 の 俸 給 を も ら ひ × × × × の あ り が た き こ と を 教 へ 居 る か も 見 よ こ の 机 に ゐ な ら ぶ 教 へ 員 ず の 生 顔 活 と の い こ ふ と 顔 ば の か 如 り 何 に へ 疲 て れ 居 た り1︶4 る か を 教 員 い ま 教 育 の こ と を 北海学園大学人文論集 第 59号(2015年8月) 削 除 指 定 ③ 二 七 五 頁 ︵ 一 〇 ︶ 169 内務省による検閲体制と な お 、 裏 頁 に あ た る 二 七 六 頁 も 、 参 ま で に 図 示 し て お く 。 ︵ 一 一 ︶ 書 き 方 で あ り 、 こ の 部 も そ の よ う な 頁 で あ っ た 。 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 に は 、 大 塚 金 之 助 に つ い て の 言 及 が い く つ か 見 ら れ る が 、 い ず れ も 敬 意 を 表 し た 進 し 、 ︻ 燃 え あ が り 充 ち ひ ろ ︼ が る で あ ら う で あ る 。 一 九 三 〇 年 メ ー デ ー の 、 ま た 、 伏 字 こ の 巻 末 記 の 引 用 は 、 戦 後 改 稿 版 の × 近 × 代 短 を 歌 復 元 ︵ す 真 る 理 と 社 、 、 ︻ 一 白 九 色 四 テ 九 ロ 年 ル ︶ ︼ に を は の 引 り 用 こ さ え れ て て わ い れ な ら い の が 歌 、 は め マ ざ マ ま し 部 く 躍 は 一 九 二 九 年 五 月 一 日 躍 進 し 、 × × × × × × × × × が る で あ ら う 。 168 割還付> 本 (田中) 終 本 り 輯 に は 種 年 々 刊 の ○ の 助 第 言 一 を 輯 惜 だ し 。 ま 一 れ 九 な 三 か 〇 つ 年 た の 大 メ 塚 ー 金 デ 之 ー 助 の 氏 第 及 二 び 輯 装 を 幀 待 の て 労 。 を × と × ら × れ × た × 永 を 田 の 一 り 修 こ 氏 え に わ 深 れ く ら 感 の 謝 歌 す は る め 。 ざ ま し く で あ っ た 。 そ の 巻 末 記 に 、 大 塚 金 之 助 へ の 謝 意 も 記 さ れ て い た の だ っ た 。 こ の 年 の プ ロ レ タ リ ア 短 歌 集 は 発 行 と 同 時 に 発 売 布 禁 止 処 を 受 け た が 、 十 八 人 の 計 二 九 二 首 を 収 録 し た 歌 集 堂 書 店 ︶ が 刊 行 さ れ た 。 そ の 歌 集 巻 末 記 を 全 文 引 用 し 、 さ ら に 八 人 の 収 録 作 品 を 引 用 し た 部 で あ る 。 一 三 九 件 二 目 九 の ︵ 削 昭 除 和 指 四 定 ︶ 年 二 五 七 月 五 二 頁 〇 日1︶6 は 、 、 渡 第 辺 二 順 篇 三 編 で 新 、 興 一 短 九 歌 二 運 九 動 年 メ 発 ー 達 デ ー 記 の 念 巻 の 末 合 十 同 章 歌 集 戦 線 プ 統 ロ 一 レ へ タ リ の ア も 短 の 歌 で 集 あ ︵ る 紅 。 玉 北海学園大学人文論集 第 59号(2015年8月) 削 除 指 定 ④ 三 〇 七 頁 ︵ 一 二 ︶ 167 内務省による検閲体制と 象 と し て 特 に 周 匝 な る 査 閲 を 必 要 と し な け れ ば な ら な い 九 月 一 日 ︵ 一 三 ︶ の 作 品 が 多 く 引 用 さ れ て 動 激 発 せ し む る の 危 険 を 包 含 す る 所 の も の で あ る 。 出 版 警 察 の 対 農 民 の 言 葉 を 以 て 歌 は る べ き こ と が 強 調 さ れ 、 し か も 短 歌 形 式 は 理 論 を 超 越 し て 直 接 に 感 情 に 愬 へ る も の 出 版 警 察 報 の そ の 号 に よ る と 、 渡 辺 順 三 や 坪 野 哲 久 ら が 論 を 構 築 し て い っ た プ ロ レ タ リ ア 短 歌 運 動 で は 、 で 労 あ 働 り 者 、 が 注 意 す べ き 対 象 と し て 引 用 さ れ て い た の で あ る 。 野 哲 久 の 第 一 歌 集 九 月 一 日 ︵ 紅 玉 堂 書 店 、 一 九 三 〇 年 一 月 一 日 発 行 = と し て 、 例 と し て 歌 集 直 接 に 大 衆 の 中 に 投 じ て 、 無 批 判 的 に 大 衆 の 感 情 を 一 月 二 七 日 付 で 安 寧 秩 序 妨 害 で 発 売 布 禁 止 ︶ 動 と の ち い 勃 ょ う マ 興 う 人 マ ど 物 を と こ の つ い の 作 け う 時 品 た 報 期 で 部 告 、 あ が 内 っ は あ 務 た 実 っ 省 こ 際 た 警 と に 。 保 だ は そ 局 ろ の う 中 出 。 輝 し の 版 い 警 五 察 、 報 お 出 れ 版 第 た 十 警 ち 察 七 の の 号 ︵ で 対 あ 象 一 り と 九 、 し 三 引 て 〇 用 見 年 二 誤 た 月 り る ︶ で プ に18 は ロ 、︶ あ レ っ タ 最 た リ 近 が ア に 、 短 於 問 歌 け 題 運 る は 動 プ や ロ は の レ り 章 タ で リ 坪 、 ア 野 特 短 哲 に 歌 久 坪 運 166 割還付> 本 (田中) 伝 単 、 ビ ラ 撒 き 、 連 絡 と り に ヅ 太 い 仕 事 を や つ て の け た 渡 場 、 こ の 渡 場 は お い ら の 命 だ ︵ 坪 野 哲 久 ︶ 月 島 の 渡 場 越 え て 夜 の 闇 を 連 絡 と り に ビ ラ 撒 き に 君 の 輝 か し い 仕 事 に 眼 を み は る 短 歌 の う ち 、 検 閲 担 当 者 が 注 目 し た の は 、 引 用 さ れ た 坪 野 哲 久 の 次 の 二 首 と 思 わ れ る 。 巻 一 末 九 記 三 を 〇 全 年 文 版 引 は 用 、 し 一 、 六 ま 〇 た 人1︶7 収 の 録 計 の 五 十 九 六 三 人 首 の の 短 収 歌 録 を で 引 、 用 一 し 〇 た 〇 部 頁 近 で い あ 歌 る 集 。 で あ る 。 削 除 指 定 の 三 〇 七 頁 に 引 用 さ れ た で あ り 、 渡 辺 順 三 編 の 合 同 歌 集 最 後 の 四 件 目 の 削 除 指 定 三 〇 プ 七 ロ 頁 レ タ は リ 、 ア 第 短 三 歌 篇 集 プ 一 ロ 九 レ 三 タ 〇 リ 年 ア 版 短 が 歌 、 運 同 動 年 発 九 達 月 に マ の ル ク 四 ス 、 書 第 房 二 か 回 ら 年 刊 刊 行 歌 さ 集 れ の 、 刊 そ 行 の 北海学園大学人文論集 な お 、 裏 頁 に あ た る 三 〇 八 頁 も 、 参 ま で に 図 示 し て お く 。 と が 想 像 さ れ る 。 こ れ ら を 勘 案 す る と 、 坪 野 哲 久 の 短 歌 の 内 容 が と く に 厳 し く チ ェ ッ ク さ れ て お り 、 そ れ が 削 除 処 5 ︶ 前 帯 に 深 く か く し た 赤 ビ ラ を 手 渡 す ま で は 娘 ぢ や な い お 前 第 59号(2015年8月) 4 2 1 ︶ ︶ ︶ 警× お お 官 い れ も ら ら 止 の か め 党× ら き 、 搾 れ お つ ぬ い た 革× ら 金 命× の が 歌 協 御× 、 議 下× 自 会 賜× 由 、 金 × 歌 お か い 民× か ら た げ の ち て 組 を わ み 救 れ 合 ふ ら し と は た 云 踊 土 ふ る 台 お 骨 情 だ よ び く と も す る か よ へ と つ な が っ た こ 165 い る 制 て は 順 。 度 注 た 否 意 の に 認 の だ 九 、 を 理 っ 月 坪 宣 由 た 一 野 伝 と 。 日 哲 す し 久 る て か も は ら 九 の 、 の 月 ︵ 引 一 、 1 用 日 ︵ ︶ は 4 皇 な か ︶ 室 い ら 官 の 。 の 憲 尊 引 の 厳 用 取 を 歌 締 冒 を を 書 呪 す き 詛 る 写 す も し る の て も み の 、 よ ︵ 、 2 う ︵ ︶ ︵ 5 革 ル ︶ 命 ビ 其 意 の 他 識 階 を × 級 × 意 動 識 す は を る 伏 宣 も 字 伝 の の 意 動 、 味 す ︵ ︶ 。 る 3 な も ︶ お の 戦 、 争 ︵ の 反 3 五 対 ︶ 点 、 に で 徴 関 あ 兵 し ︵ 一 四 ︶ 内務省による検閲体制と 部 数 で あ っ た こ と は 確 か だ ろ う 。 と 記 さ れ て い る 。 そ の よ う な 中 、 初 版 三 千 部 ︵ 一 五 ︶ と い う 数 字 は 、 当 時 勢 い の あ っ た 改 造 社 が 版 元 と は い え 、 少 な か ら ぬ 版 一 〇 〇 〇 部 か ら 一 二 〇 〇 部 、 人 気 作 家 の 文 学 書 で も せ い ぜ い 一 八 〇 〇 部 か ら 二 〇 〇 〇 部 ど ま り で あ っ た ︵ 二 九 四 頁 ︶ 原 稿 料 ︵ 八 木 書 店 、 二 〇 一 五 年 ︶ に よ る と 、 一 九 三 二 ︵ 昭 和 七 ︶ 年 当 時 の 出 版 界 は 不 況 で あ り 、 一 流 学 術 書 が 初 れ た さ は て じ 、 め 割 本 に 還 稿 付 を で 本 記 示 す し に に た あ よ 異 た う 本 り に 、 、 が 古 こ 存 書 の 在 店 著 す で 書 る 改 の め 初 て 版 つ は ま り 的 三 、 唯 千 物 部 論 割 よ と 還 り い 付 観 う 本 た 発 る 行 が 近 部 一 代 数 種 短 で 類 歌 あ で っ は た な を 。 い 入 浅 こ 手 井 と し 清 が た ・ 判 市 明 と 古 し こ 夏 た ろ 生 。 、 切 監 取 修 り 削 作 除 家 さ の 二 も う 一 種 類 の 割 還 付 本 164 割還付> 本 (田中) ★ 改 頁 あ り ★ 北海学園大学人文論集 だ が 、 縦 は 七 ・ 三 セ ン チ で あ り 、 七 ・ 七 セ ン チ よ り 若 干 小 さ め で あ る 。 左 の 張 り 紙 は 、 一 章 に 挙 げ た 割 還 付 本 の 表 紙 裏 の 張 り 紙 と は 異 な る 文 例 で あ り 、 横 幅 は 同 じ 四 ・ 三 セ ン チ 取 り 削 除 が 徹 底 さ れ て い な か っ た 実 例 が あ っ た の だ 。 た 、 と い う 記 述 は 着 目 す べ き で あ ろ う 。 そ の た め か 、 奥 付 も ま っ た く 同 じ 割 還 付 本 で あ り な が ら 、 実 際 に は 切 を 要 す る 。 し か し な が ら 、 事 情 に 通 じ た 第 59号(2015年8月) 上 林 自 身 は 雑 誌 と い ふ ゴ ム 判 を 表 紙 に 捺 し た 。 切 取 つ た 部 改 造 の 切 取 り 作 業 に 全 動 社 員 員 さ ば れ か た り た で め な 、 く 単 、 行 雇 本 わ も れ ま て っ 日 た の く 浅 同 い 様 な 給 作 仕 業 が ら な も さ 作 れ 業 た に か あ ど た う っ か て は い 一 ︵ 引 用 は 上 上 は 林 林 、 曉 係 全 曉 の 集 伏 警 官 第 字 に 十 渡 巻 初 し た 筑 出 。 摩 は 書 房 文 、 藝 一 九 一 六 九 六 五 年 四 よ 年 り 四 。 月 三 号 二 二 | 三 三 六 頁 ︶ 163 引 き 裂 く と 、 面 白 い ほ ど 造 作 な く 、 ベ リ ベ リ と 引 き 裂 け た も の で あ る 。 ︵ 略 ︶ 切 取 り の 終 つ た 雑 誌 に は 、 削 除 済 た 発 禁 の 部 を 、 破 り 取 る の だ つ た 。 私 達 は 一 尺 尺 大 の 板 切 を め い め い 用 意 し て ゐ た 。 そ れ を ペ ー ジ に 当 て が つ て 乗 し て 各 警 察 署 へ 出 動 し て 行 つ た 。 ︵ 略 ︶ 私 達 は そ れ を 一 冊 一 冊 め く つ て 、 何 ペ ー ジ か ら 何 ペ ー ジ ま で と 指 定 さ れ 切 取 布 の 許 可 が 降 り る と 、 全 社 員 が 、 給 仕 に 至 る ま で 動 員 し て 、 時 に は 人 夫 ま で 引 連 れ て 、 数 台 の ト ラ ッ ク に お き た い 。 に あ た っ た 。 一 九 二 七 年 か ら 三 四 年 ま で 改 造 社 に 勤 め て い た 上 林 曉 が 、 当 時 の 削 除 作 業 を 活 写 し て い る の で 、 引 用 し て 検 閲 を 受 け 、 発 売 布 禁 止 と し て 四 頁 ︵ 計 八 頁 ︶ が 切 取 り 削 除 指 定 さ れ た 後 、 改 造 社 の 社 員 が 当 該 頁 の 切 取 り 作 業 ︵ 一 六 ︶ 内務省による検閲体制と 割還付> 本 (田中) 一 頁 と 一 四 二 頁 は 切 取 ら れ て い な か っ た ︵ 下 の 写 真 参 照 ︶ 。 ︵ 一 七 ︶ 162 筋 の 命 に 依 り 削 除 さ れ た は ず だ っ た が 、 実 際 に は 一 四 そ し て 、 張 り 紙 の 通 り 、 一 四 一 頁 一 四 二 頁 は 其 の ★ 楕 円 の せ て ま す 北海学園大学人文論集 さ て 、 渡 辺 順 三 が 、 豊 多 摩 刑 務 所 内 の 大 塚 金 之 助 に 二 度 差 入 を 試 み た 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 三 無 削 除 本 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 の 存 在 第 59号(2015年8月) れ て い た こ と で あ る 。 こ の 異 本 の 存 在 に 関 し て は 、 今 後 の 内 務 省 検 閲 研 究 の 一 つ の 興 味 深 い 課 題 と い え る だ ろ う 。 い が 、 一 章 で 挙 げ た 割 還 付 本 と 一 カ 所 だ け 異 な る の は 、 書 籍 の 地 ︵ 下 部 ︶ に 、 青 い イ ン ク で 改 ⃝ の 印 が 捺 さ は 、 切 取 161 切 取 っ た 頁 は 、 警 視 庁 の 係 員 に 手 渡 し 、 枚 数 チ ェ ッ ク も な さ れ て い た は ず な の で 、 こ れ は 偶 然 で あ っ た の か も し れ な ︵ 一 八 ︶ 内務省による検閲体制と 差 入 本 に つ い て 、 一 ︵ 一 九 ︶ 本 は 一 頁 一 頁 げ ん み つ な 検 閲 を 経 る の で 、 一 本 の 赤 線 、 一 字 の 書 き 入 れ が あ つ て も 不 都 合 で あ さ ら に 論 拠 の 二 つ 目 と し て 、 再 び 、 大 塚 金 之 助 が 刑 務 所 内 か ら 留 守 宅 の 家 族 あ て に 送 っ た 書 簡 を 探 し て み た い 。 の で は な い だ ろ う か 。 及 び 装 幀 の 労 を と ら れ た 永 田 一 修 氏 に 深 く 感 謝 す る の 一 文 が 切 取 ら れ る 以 前 の 、 手 持 ち の 無 削 除 本 を 、 差 入 し た に 留 置 さ れ て い た 。 そ の 獄 中 の 友 を 励 ま す べ く 、 ま た 、 二 七 五 頁 の 種 々 の 助 言 を 惜 し ま れ な か つ た 大 塚 金 之 助 氏 た ら そ の 三 の は 五 獄 残 人 中 念 が の だ 出 席 友 と し と 挨 て は 拶 労 誰 し を で た ね あ と ぎ ろ い ら う う2︶0 い か ︵ 、 傍 最 点 後 大 は に 塚 引 渡 金 用 辺 之 者 順 助 に 三 は よ が 、 る ま ︶ 。 こ さ の に 著 そ を の し 年 て の 今 一 日 月 あ 十 ら 日 し に め 連 た 行 獄 さ 中 れ の 、 友 二 を 月 こ 四 の 日 会 当 に 時 招 、 き 得 麹 な 町 か 署 っ の 出 版 記 念 会 は 、 一 九 三 三 年 二 月 四 日 に 麹 町 内 幸 町 の レ ス ト ラ ン ・ ツ ク バ で 開 催 さ れ 、 土 岐 善 麿 、 山 田 清 三 郎 碓 田 の ぼ る 手 錠 あ り 評 伝 ・ 渡 辺 順 三 ︵ 青 磁 社 、 一 九 八 五 年 ︶ に よ る と 、 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 160 割還付> 本 (田中) 間 に 、 渡 辺 順 三 手 ず か ら 無 削 除 本 を 渡 し た 人 々 も 少 な く な か っ た の で は な い だ ろ う か 。 て の 日 付 設 定 で あ り 、 改 造 社 ら し い 戦 略 の 一 つ と 思 わ れ る 。 実 際 、 検 閲 処 を 言 い 渡 さ れ た の は 翌 年 一 月 で あ り 、 そ の 年 末 年 始 に は 内 務 省 警 保 局 図 書 課 の 検 閲 担 当 者 も 休 む た め 、 検 閲 は 日 を お い て 年 明 け に 行 わ れ る だ ろ う こ と を 予 想 し 七 閲 日 ま ま そ 印 た で の 刷 、 に 論 は は 拠 十 じ の 二 め 時 一 月 に 差 つ 三 と 十 で が し 一 も あ て 日 述 り 、 発 べ 、 す 行 た そ で が の に で 、 間 こ あ に れ り は 、 的 無 多 歳 唯 削 く 末 物 除 の 多 論 本 研 端 よ 究 の り が で 折 観 市 言 、 た 場 及 か る に さ つ 近 流 れ 官 代 通 て 短 し い 歌 て る の い が 休 た 、 日 の と を 奥 い 発 見 付 う 売 越 は 例 布 し は た 一 い 禁 日 九 く 止 付 三 つ と に 二 も 言 あ ︵ 確 っ え 昭 認 て て 和 さ も 設 七 れ 実 定 ︶ て 際 さ 年 い の れ 十 る1︶9 納 て 二 。 本 い 月 か る 二 ら 。 十 検 お そ ら く 、 り 削 除 指 定 前 の 無 削 無 除 削 本 除 本 で あ で っ あ た っ と た 本 の 稿 か で 、 は そ 仮 れ 説 と を も 立 、 て 削 て 除 お し き た た 後 い の 。 割 還 付 本 で あ っ た の だ ろ う か 。 北海学園大学人文論集 ★ こ こ の 無 産 は こ れ で O K ➡ 巻 第 五 号 、 一 九 二 七 年 五 月 ︶ と 渡 辺 順 三 の 引 用 の 異 同 を 明 ら か に し て お き た い 。 以 下 、 今 後 の プ ロ レ タ リ ア 短 歌 研 究 の た め に も 、 画 期 と な っ た 大 塚 金 之 助 の 歌 論 無 産 者 短 歌 ︵ 初 出 香 圓 第 一 記 述 を う の み に し 、 そ の 検 証 を 怠 っ て き た 後 代 の わ れ わ れ の 責 を こ そ 問 う べ き で あ ろ う 。 と は い え 、 そ れ だ か ら こ そ 渡 辺 順 三 の 旧 著 を 過 小 評 価 す る こ と は 避 け な く て は な る ま い 。 む し ろ 、 渡 辺 順 三 の 著 書 の わ く ゆ 、 る 切 孫 取 引 り き 削 ︶ 除 か さ ら れ も た 検 証 す 割 る 還 こ 付 と 本 が で で き あ る2︶2 っ 。 て も 、 そ の 影 響 が 少 な く な か っ た こ と は 、 そ の 後 の 短 歌 の 踏 襲 ぶ り ︵ い い ろ い ろ 不 備 も あ り 、 欠 点 も あ つ た と 自 省 し て い る が 、 昭 和 初 期 に お け る 体 系 的 な 近 代 短 歌 と し て は 類 書 が 少 な 第 59号(2015年8月) り し て 、 甚 だ 遺 憾 な も の で あ つ た の で 、 今 度 は 全 面 的 に 書 き 改 め た ︵ 三 九 二 頁 ︶ と 解 説 し て い る 。 159 か ら 、 い ろ い ろ 不 備 も あ り 、 欠 点 も あ つ た 。 殊 に あ の 時 代 と し て 、 伏 字 が 多 く 、 さ ら に 四 頁 の わ た つ て の 制 除 が あ つ た し て 上 梓 し て い る 。 そ の あ と が き で 、 一 九 三 二 年 刊 の 前 の 近 代 短 歌 は 、 資 料 の 不 足 や 、 ま た 私 自 身 の 力 の 不 足 先 に も 少 し 触 れ た が 、 戦 後 の 一 九 四 九 年 に な っ て 、 渡 辺 順 三 は 本 書 を 大 幅 に 書 き 改 め 、 真 理 社 か ら 近 代 短 歌 と お わ り に 戦 後 版 近 代 短 歌 と 、 以 降 の 短 歌 の 記 述 へ の 影 響 た が っ て 、 二 度 に 渡 っ て 差 入 れ ら れ た 本 が 割 還 付 本 で あ っ た 可 能 性 は 低 い も の と 思 わ れ る 。 れ て い た な ら ば 、 切 取 り 削 除 の 跡 が な ま な ま し く 残 っ て い る る 。 全 部 消 す 。 ︵ 中 略 ︶ ロ シ ア 語 講 座 4 号 は 書 き 入 れ あ り 不 許 割 還 で 付 あ 本 つ21 た︶ も 。 、 傍 不 線 都 や 合 字 の に 書 見 き ら 入 れ れ た が こ あ と っ で て あ も ろ 問 う 題 。 視 し さ ︵ 二 〇 ︶ 内務省による検閲体制と 割還付> 本 (田中) 無 產 者 短 歌 初 出 ︵ 二 一 ︶ 158 こ こ に 、 そ の 異 同 を 示 し て お き た い 。 な か っ た と い う 事 実 も あ る 。 作 三 集 の 大 著 塚 第 書 金 九 の 之 巻 中 助 所 で の 収 引 名 の 用 を の プ 無 誤 ロ 產 り レ 者 が タ 短 あ リ 歌 っ ア ︵ た 短 三 。 歌 九 そ 運 一 の 動 | 引 三 用 に 九 は 確 四 そ と 頁 の し ︶ ま て と ま 位 突 他 置 き の づ 合 昭 け わ 和 た せ 短 歌 る 歌 論 ま で で 無 、 も 產 渡 孫 者 辺 引 短 に き 歌 よ さ る れ は 引 た 、 用 ま 数 文 ま カ 自 で 所 体 あ で が り は 疑 、 あ わ 大 る れ 塚 が る 金 、 こ 之 渡 と 助 辺 が 著 順 附 ・ 大 塚 金 之 助 無 產 者 短 歌 本 文 と 、 渡 辺 順 三 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 で の 引 用 の 異 同 北海学園大学人文論集 ★ 画 像 作 字 あ り ︵ 左 か ら 9 行 目 ︶ ★ て ゐ る 。 [ は 之 私 は 私 自 は か 編 ら の 頃 好 興 注 2 發 意 味 ] 見 に あ よ る し つ 二 た た つ 。 、 の 一 無 つ 產 は は 文 淺 歌 語 野 集 歌 純 を 、 一 手 後 氏 に の し は た 口 。 語 の 一 歌 歌 つ 。 は 今 田 は こ 邊 こ の 駿 の 表 一 後 題 氏 を の を 見 問 よ 靑 題 木 と 集 し 之 、 傍 線 部 が そ れ ぞ れ の 異 同 箇 所 で あ る 。 一 〇 五 | 一 〇 六 頁 に 、 ② ③ と 同 文 の 引 用 あ り 。 九 六 三 | 六 四 年 、 以 下 ④ 渡 辺 順 三 定 本 近 代 短 歌 定 本 版 上 下 と 巻 す ︵ る 春 ︶ 秋 下 社 巻 、 の 一 二 第 59号(2015年8月) し 來 が う て に ︶ 示 と そ 至 、 す し の つ た た に り ︵ ︵ 出 無 、 日 の 本 產 誌 光 方 て 向 四 口 ︶ 月 を 號 語 働 。 そ 見 ︶ 歌 守 。 に 解 れ つ 私 他 放 は て は の ゐ 氏 如 動 代 る が 何 に 義 こ な で こ る 意 の あ に 短 を 立 る 歌 向 場 。 進 に け で [ 出 期 つ あ 編 る 注 を 待 つ 1 企 す あ 。 ] て る つ 他 た よ た 面 こ り が に と も ︵ 氏 を 大 日 は 喜 な 光 、 ぶ る 作 期 で 待 び 五 あ を る か 經 月 。 け 濟 一 日 そ る ③ 下 同 下 渡 傍 辺 引 點 文 の 戦 順 用 全 部 後 三 あ 部 的 唯 版 引 近 り 。 用 物 引 代 論 と 用 短 版 あ す 歌 り る の と 。 ︶ 注 す 二 ︵ 入 る 六 真 り ︶ 〇 理 で 二 | 社 、 二 二 、 三 四 六 一 | 一 九 二 頁 四 四 二 に 九 五 か 頁 、 年 ら に ② 、 部 、 と 以 ② 渡 辺 順 三 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 ︵ 以 五 月 一 日 発 行 ︵ 以 下 、 初 出 と す る ︶ 。 ︻ 比 較 テ 香 ク 圓 ス ト 第 ︼ 一 巻 第 五 号 、 香 圓 社 、 一 九 二 七 年 て の 大 熊 論 信 を 行 發 氏 表 は 一 し 、 時 古 典 し い 義 發 に 展 對 を 立 す げ る つ も つ2︶3 の あ と る し 。 て 氏 の は 代 代 文 義 學 の と 理 し 論 て を の 基 短 礎 歌 づ に け つ よ い 無 產 短 歌 ★ 引 用 文 は 12 級 に し て ま す ★ 送 り も 変 大 塚 金 之 助 著 作 集 第 九 巻 岩 波 書 店 、 一 九 八 一 年 よ り ︵ [ 編 注 ] の 内 容 は 割 愛 ︶ ① 初 出 157 ★ ︵ 二 二 ︶ 内務省による検閲体制と 何 物 傳 で 統 も 短 な 歌 い の 。 大 そf 部 の︶ 短 は 歌 は 古 典 口 語 義 歌 な な る る と と 文 代 語 歌 義 な な る る と と 有 有 產 產 階 階 藝 神 の 以 發 外 現 の 傳 す の 統 る 立 短 有 こ 場 歌 產e と は に 短︶ の 於 歌 み 會 け に が る 對 、 義 根 短 す 的 本 る 歌 藝 的 根 の 本 表 極 的 現 の 的 批 形 立 對 式 場 立 を 、 で は 與 用 あc 、 へ 語 り︶ マ有 し 、 、マ 產 格 無 め 產 短 る 、 階 歌 の 氣 で 魄d と ︶ あ 、マ マの 無 立 產 る 。 神 場 で を あ 短 根 る 歌 本 。 と 的 こ の に の 對 理 立 立 解 場 で せ を あ し 一 る め 貫 。 こ 、 從 つ て 短 歌 の 階 私 は 問 題 を 無 性 產 に 立 口 脚 語 し 歌 て こ の 無 歌 產 集 を に 取 力 入 點 れ が る あ の で る あ る に 。 お き 、 藝 三 割還付> 本 (田中) と を 知 つ て ゐ る 筈 だ か ら だ 。 の 階 性 、 に あ る の だ か ら だ 。 氏 は 、 右 の 如 き 態 度 が 正 し く な い こ と 、 否 、 不 可 能 で あ る こ は 氏 の 態 度 を か く 固 定 的 決 定 的 の も の と は へ ぬ 。 な ぜ な ら ば 、 氏 は 今 發 展 の 上 り あ げ る 作 品 の 長 所 を 攝 取 し て 自 己 の 營 養 と す る と の 態 度 で 之 は あ る の か 。 否 、 私 ︵ e あ 有 ︶ り 產 。 的 短 唯 歌 物 論 定 。 版 本 版 戦 後 で 版 は 、 定 こ 本 の 版 。 と も に 、 ︵ f ︶ 戦 後 版 ︵ 二 三 ︶ 156 的 唯 物 論 版 戦 後 版 定 本 版 と も に 読 点 い か と し て ゐ る 。 す る と 、 無 產 が と と 疾 病 と の 中 に 血 と と を も つ て 作 の 至 の 入 中 つ み れ 大 に て 、 るa 熊 ︶ 氏 プ マ氏 突 は ロ にマ の 發 、 レ あ 立 す タ る 場 る 舊 リ 。 は 來 ア そ 之 く の の し を 新 短 も て 歌 無 ら の し ⋮ 傳 產 い に ⋮ 統 格 現 的 口 れ だ と 短 語 を つ い 歌 歌 看 つ ふ あ 聲 は ブ せ る が ル 口 口 ぬ ジ 語 こb 語 ョ 歌 す と︶ ア に マ 、マ を で の 力 看 に こ も 點 の の が す い 二 だ あ る て つ 。 る こ ゐ を 口 と る 緊 語 、 と 歌 と 事 現 す こ し で 在 る そ て は の 。 、 問 あ 口 結 口 題 る 語 論 語 に ま 歌 に 歌 取 ︵ ︵ ︵ ︵ c b a d り ︶ ︶ ︶ ︶ 、 原 原 原 原 。 的 文 文 文 文 唯 の の の の 物 マ マ マ マ 論 マ マ マ マ 版 。 。 。 。 初 初 初 初 出 出 出 出 戦 で で で で 後 は は は は 版 、 、 、 、 読 あ こ 所 定 り と で 点 本 。 。 あ な 版 。 。 る し 。 と 。 も に あ ★ 画 像 作 字 あ り ︵ 6 行 目 ︶ ★ 北海学園大学人文論集 ★ 画 像 作 字 あ り ︵ 3 行 目 ︶ ★ 覺 醒 を 、 從 つ て 吾 々 の 解 放 を 、 命 衞 よ な 階 り が 階 無 で あ ら 產 あ き 傳p 意 靑 ︶ 柔 る ら 統 識 年 策 。 め 歌 だ 男 が 科 に 女 こ 學 行t に ︶ も を く か 先 氏 つ も ら づ て 藝 を み 何 いy 引 取 よ ︶ る を 止 ら り 。 も め れ 自 こ 革 よ て ら 無 の 命 。 いr 無q ︶ 產 歌 す 無 る 產︶ 階 べ 產 に き 階 を 意 の 囚z 奪 識 ︶ 自 は は ひ を 持 由 れ 員 を︶β る で 極 せs つ 、 こ あ に 。︶ の お と る 於 工 だ く は 。 て 場 ら 、 傳 有u ︶ せ そ 統 產 働 そ し る れ 短 階 こ だ 歌w で て と け 歌︶ をv あ α ×︶ り に だ 吾︶ 。 々 の × な 農 の 中 す が 民 意 に べ ら で 識 は き 抗 あ の 革x り ︶ ︵ ︵ ︵ ︵ r q t s ゆ ︶ ︶ ゐ ︶ ︶ 傳 る く 定 統 短 的 的 。 的 本 歌 唯 版 。 唯 唯 。 物 物 物 論 で 論 論 版 は 版 版 、 で 戦 階 戦 は 後 級 後 、 版 意 版 識 返 せ 定 。 定 、 本 本 。 版 版 と も に 、 と も に 、 ︵ p 氏 こ ︶ の 段 的 ま 落 唯 で か 物 を ら 論 、 版 ⋮ ⋮ 四 第 59号(2015年8月) は 何 故 に 彼 の 性 作 だ る 。 も の を 作 る か と 。 短 歌 の 階 四 ︵ o ︶ 的 唯 物 論 版 戦 と の 戦 後 し 一 後 版 て 行 版 中 目 定 定 略 本 。 無 本 產 版 版 青 年 と と 男 も も 女 に に 諸 、 、 を 解 階 現n o 之 愼 有︶ ︶ 有 放 產 革 產m の 的 に ま 階 命 階︶ 熱 に 對 し 見 し く で 短 あ 短 に る て 屈 歌 る 歌 基 。 無 從 理 の い 短 產 的 論 秘 て 歌 階 な は む 、 の 問 る そ 如 は に ふ 理 の 何j 唯 敎 想 短 に︶ 物 は 歌 と 論 す 人 現 は 何 の る 革 故 立 は 何 維 命 に 場 を 持 的 と に 作 で 、 を 立 る あ 集 物 ち か る 團 質 、 的 的 と 、 基 。 礎 を 無 無 產 產 出 か も 階 階 的 ら 會 で 短 短 あ き を 歌 歌 りk 、 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ヴ ァ ル ニ ン グ ホ フ ︶ に は 輝 い て く れ ぬ の だ 。 な く し て は こ の 太 陽 は そ れ が 義 務 だ 。 俺 俺 の 太 陽 を ひ 取 る 、 て は 若 い 吾 。 等 に の 權 利 あ り 。 は こ こ か ら 出 立 す る 。 否 て の 短 歌 問 編 注 3 ] ︵ ︵ β α 全 ︶ ︶ 囚 無 戦 は 產 的 後 れ 階 唯 版 て ゐ 級 物 を 論 で る 、 版 は 。 。 、 ︵ z ︶ ゐ る 的 。 唯 物 論 版 戦 吾 後 吾 版 。 戦 後 版 定 本 版 定 本 版 と も に 、 と も に 、 154 問 題 は こ こ に 來 る 。 問 題 は こ こ か ら 出 立 す る 。 口 語 歌 の 問 題 ︵ y ︶ 戦 後 版 的 類 で 物 は 論 、 版 × × 戦 ︵ 後 革 版 命 ? 定 ︶ 本 階 版 級 と 。 も に 、 ︵ x ︶ 傳 統 的 短 唯 歌 物 論 。 版 定 本 版 で は 、 × × 階 級 。 ︵ ︵ w v ︶ ︶ 有 戦 產 的 後 を 唯 版 。 物 論 で 版 は 、 戦 × 後 × 版 ︵ 轉 覆 定 ? 本 ︶ 版 。 と も に 、 ︵ u ︶ 的 唯 物 論 版 戦 後 版 定 本 版 と も に 、 ★ 画 像 作 字 あ り ︵ 1 行 目 ︶ ★ 北海学園大学人文論集 七 年 九 月 号 が 、 日 本 近 代 文 学 館 や 早 稲 田 大 学 中 央 図 書 館 な ど の 蔵 書 で は 切 取 ら れ て い な い こ と が 述 べ ら れ て い る ︵ 一 九 二 頁 ︶ 。 19 18 書 ︶ ︶ き た 内 で と 務 修 え 省 正 ば 警 さ 、 保 れ 前 局 て 出 編 お ︵ り 8 出 、 ︶ 版 も の 警 と 紅 察 は 野 報 謙 十 介 5 五 [ 日 検 復 閲 刻 だ と 版 っ 文 ] た 学 、 可 龍 能 で 渓 性 も 書 も 、 舎 高 中 、 い 里 一 。 介 九 山 八 の 一 小 年 説 所 収 夢 。 殿 が 切 取 り 削 除 処 を 受 け た 改 造 一 九 二 頁 ︶ と 述 べ ら れ て い る 。 な お 、 ︵ 16 ︶ と 同 じ く 国 会 図 書 館 の デ ジ タ ル デ ー タ で は 、 奥 付 の 発 行 日 が 九 月 廿 五 日 と 明 ら か に 手 さ れ 続 け て き た が 、 山 本 司 が 調 査 し た と こ ろ 、 実 際 に は 一 六 〇 人 で あ っ た こ と が 明 か さ れ 、 今 後 訂 正 が 必 要 で あ ろ う ︵ 一 五 八 九 三 〇 年 版 17 ︶ 山 本 司 の 初 評 巻 伝 末 ・ 記 坪 野 で 哲 久 作 者 百 人 九 間 十 性 人 と で 美 あ の る 探 究 と 者 誤 記 ︵ し 角 た 川 た 書 め 店 、 、 そ 二 の 〇 後 〇 の 七 ほ 年 と ︶ ん で ど 、 の 渡 書 辺 籍 順 で 三 が 百 九 プ 十 ロ 人 レ タ と リ そ ア の 短 ま 歌 ま 集 誤 記 一 い る 。 そ の 経 緯 は 不 明 。 16 ︶ 国 立 国 会 図 書 館 で 第 59号(2015年8月) 15 ︶ 小 野 弘 子 14 ︶ 東 村 の 歌 集 13 ︶ た だ し 、 烈 風 の 中 を 一 矢 隅 代 よ 開 東 り さ 村 れ で で て 九 は は い 四 、 俸 る | デ 九 へ 給 ジ 五 て を タ 頁 を ル 。 り 月 デ 給 ー で タ あ と で る し は 。 て 、 お 奥 り 付 、 の 引 発 用 行 間 日 違 が い と 五 思 月 わ 三 れ 十 る 一 。 日 と 、 明 ら か に 手 書 き で 修 正 さ れ て 153 12 ︶ 巻 頭 の 目 次 で は こ の 小 題 だ が 、 本 文 一 一 七 頁 で は 、 3 、 安 成 二 郎 、 西 村 陽 吉 、 矢 代 東 村 等 一 五 四 頁 で は 、 引 用 の 後 ろ か ら 二 行 目 が ふ こ と 勿 れ ︵ 勿 れ が 漢 字 ︶ で あ る 。 だ × が ×人 、 ×を 殺本 文 ×し て ×死 は ね ×︶ ひ × ら よ が と な は の と 誤 記 さ れ て お り 、 注 意 が 必 と 要 、 で あ 等 る 。 も 書 か れ て い る 。 な か れ 表 記 で あ り 、 晶 子 原 文 の マ マ 。 渡 辺 烈 風 の 中 を 11 ︶ 渡 辺 の 引 用 の マ マ 。 与 謝 野 晶 子 の 詩 の 初 出 明 星 一 九 〇 四 ︵ 明 治 三 七 ︶ 年 九 月 一 日 発 行 号 で は 、 タ イ ト ル は 君 死 に た ま と 記 さ れ て い る が 、 記 憶 違 い か と 思 わ れ る 。 10 ︶ 前 出 の 渡 辺 順 三 烈 風 の 中 を 一 五 四 頁 で は 、 四 九 頁 と 一 四 一 頁 の 二 頁 ︵ 裏 面 も 併 せ て 四 頁 ︶ が 削 除 処 を 受 け た 9 8 ︶ ︶ 紅 千 野 代 謙 田 介 図 書 検 館 閲 蔵 と 内 文 務 学 省 一 委 八 託 三 本 頁 関 。 係 資 料 集 千 代 田 区 立 千 代 田 図 書 館 、 二 〇 一 一 年 、 三 頁 。 ︵ 二 六 ︶ 内務省による検閲体制と に つ い て は 、 原 典 の 貴 重 さ を 尊 重 し 、 旧 字 表 記 で 統 一 し た 。 ︵ 二 七 ︶ な お 、 本 稿 で の 活 字 表 記 は 、 同 会 報 で の 表 記 に 倣 い 旧 字 は 新 字 に 改 め た が 、 巻 末 の 大 塚 金 之 助 無 產 者 短 歌 の 異 同 教 示 と ご 高 配 を た ま わ っ た 。 こ こ に 改 め て 謝 意 を 記 し て お き た い 。 割還付> 本 (田中) 筆 し た も の で あ る 。 大 塚 会 会 報 収 載 に あ た っ て は 、 磯 﨑 道 雄 さ ま 、 そ し て 、 大 塚 会 事 務 局 の 方 々 に ひ と か た な ら ぬ ご 152 八 月 刊 行 ︶ に 、 大 塚 金 之 助 と 、 渡 辺 順 三 的 唯 物 論 よ り 観 た る 近 代 短 歌 本 稿 は 、 経 済 学 者 ︵ 一 橋 大 学 名 誉 教 授 ︶ 大 塚 金 之 助 ゆ か り の 方 々 に よ る 大 を 塚 め 会 ぐ る の 小 会 報 の 題 第 で 四 執 三 筆 号 し ︵ た 二 拙 〇 稿 一 に 五 補 年 指 摘 し な か っ た 。 23 22 ︶ 五 ︶ 八 年 た つ 所 と つ 収 え ︶ ば こ な 、 こ ど 一 。 條 な 徹 ど は 第 、 二 初 章 出 で プ は ロ レ つ タ ゝ リ ア 短 こ 歌 ゝ 運 動 の 表 ︵ 記 土 で 屋 あ 文 る 明 が 代 、 表 本 稿 昭 で 和 は 短 主 歌 に 引 用 の 近 異 代 同 短 に 歌 っ た た め 、 繰 返 し 記 号 は ・ 第 三 巻 春 秋 社 、 一 九 21 20 ︶ ︶ 二 7 四 ︶ と 二 同 | じ 二 く 四 五 三 月 頁 五 。 日 典 付 拠 留 は 守 宅 短 あ 歌 て 研 書 究 簡 よ 一 り 九 。 三 大 三 塚 年 金 三 月 之 号 助 と 著 あ 作 る 集 。 第 十 巻 、 一 四 五 頁 。