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近代建築3巨匠と現代建築 「現代有機的建築」 R09037
近代建築３巨匠と現代建築 「現代有機的建築」 R09037 菅間保奈美 1. はじめに 以下、分析し述べることとする。 “現代建築”という言葉から思いつくもの とは何だろうか。そしてそれは、東京の街 を歩けば会える気がするのは私だけだろう か。 表参道？青山？六本木ヒルズ．．？ 3. 分析 Ⅰ そこで今回私は、東京の街にある有名な建 築物を現代建築と置き、近代の巨匠が手が □ 有機物そのもののかたちや構造を模っ ている有機的現代建築 けた近代建築とを比較し、探究することに した。 2. 背景・目的 東京とは日本の中心であり、様々な情報や 流行がとびかう優秀でとても忙しい街だ。 また、ひとたびこの都会にくり出せば、す れ違う人々の多さや、圧倒されるほど背の 高いビルの存在。煌びやかで美しいネオン Ex. 1950 年 ｼﾞｮﾝｿﾝ･ﾜｯｸｽ･ﾀﾜｰ の光たち．．そのどれもが自分が来たことを 歓迎してくれる。 樹木に似せて構築された建築。中央の幹か そしてこれらは極めて人工的で、無機的な ら各階の床版が枝のように出ていて、支柱 ものだろう。 はマッシュルーム構法をとっている。 しかし私は、それらのものに対し、少し視 点を変えて見てやることによって有機的な 側面を見つけ出そうと考えた。 果たして、東京の街に有機物をモチーフと 果たして、この有機的建築とは一体何なの だろうか。 かつて F・L・ライトが常に唱えていた“有 機的建築”と何が合致していて、どこら辺 が異なっているのだろうか。 する有機的建築は見つかるのか．．？ 表参道に、有機的建築を発見！ Ⅱ □ 一見、有機建築とかけ離れて見えるが、 TOD'S 表参道ビル 「平坦」「装飾」「無個性」でないため、 建物に表情や動きを感じられる有機的 現代建築 Ex. 1956 年 ﾌﾟﾗｲｽﾀﾜｰ アパート事務所を含む小さな摩天楼。 イタリアの皮革メーカーの店舗で、外壁は ガラス摩天楼ということでミース的、現在 表参道のケヤキ並木にあわせ、ケヤキの木 の超高層に近い印象を受けるが、企業のオ を表したコンクリートで作られている。 フィスビルであるにも関わらず、個性的な コンクリートとガラスの境界が非常にフラ 見た目から様々な表情を見受けることがで ットで、凄くシャープな建物。 きる。 まさに自然の木そのままに不規則に建ち上 また、そこで使われる事務机やオフィスチ がったこの鉄筋コンクリートの幹は実際に ェアー、応接セットなどといったものまで この建物を支えている。 ライト自らがデザインした。 単なる飾りではなく構造であるところがこ の建築の肝である。 東京には、一見お堅いビルに見える建物が 数多く存在する。しかし実は、さまざま表 情や動きをもつ建物もあるはずだ。 ここでひとつ例を紹介する。 プラダ ブティック青山 4．結論 日本の住宅は、今も昔も変わらず木造が主 流である。そして、自然との調和をこよな く愛し求めてきた。この点から考えると断 然、３巨匠の中で最も関係が深いのはライ トであると言える。 しかしながら現代における有名な建造物や ビル、集合住宅などを考えると、鉄筋コン クリートやガラスをふんだんに使ったもの があちらこちらに存在するのが見受けられ る。これは、ミース的であり、コルビュジ ェ的であると考える方が自然だ。 特に最近では、ガラスを全面に使ったお店 や会社や施設などがひと際目のつく存在で あり、増えたのも事実である。 スイスの二人組建築家ヘルツォーク＆ド 商品を上手にカッコよく宣伝するショーウ ムーロンが設計。 ィンドウとしての役割は言うまでもなく、 明るく広々とした空間から生まれる、暖か ガラスの冷たい印象を感じさせない暖かく さや、エネルギー。そして何より、お洒落 異様で不思議なオーラを放つ建物。 でスタイリッシュな感じがするところが、 人気の秘密に違いない。 まずは何より、詩的で美しいという印象が 私たちを圧倒するだろう。 しかし、これらは無機的だと言えるだろう か。 それは、光輝くクリスタルを想像させ、ま 自然味を感じさせないのであろうか。 た、菱形のカーテンウォールは、日本の城 私は、答えは“NO”であると言いたい。 壁の写しとも感じ取れる。 窓から差し込むあたたかな日差しは、窓越 しに見える空や街の風景は、ライトの言う 様々な表情をこちらに見せてくれる、何と 有機的ではないのだろうか。 も豊かで動きある建築物であると言える。 また、お洒落や流行との調和を目指してつ くられた青山や表参道にあるショップはど うであるのか。 まずは、明るく広い空間に、綺麗に並べら 参考文献 れたハイセンスな洋服や小物が彩り、華と なる。 ｼﾞｮﾝｿﾝ･ﾜｯｸｽﾀﾜｰ そして、かわいい洋服を着たマネキンや店 フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 員さん、お客さんたちが集まれば、たちま ちお洒落な空間が完成する。 TOD’S 表参道ビル http://www.arcstyle.com/tokyo/251_tods 有機建築が、建築が必要とするすべての要 .html 素をもつものだとしたら、これも立派な有 機的建築のひとつだと言えるだろう。 ﾌﾟﾗｲｽﾀﾜｰ http://www.greatbuildings.com/gbc.html ﾌﾟﾗﾀﾞﾌﾞﾃｨｯｸ青山 5. おわりに http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/SW/p rada_aoym/index.html □ 人工的・無機的とは ・人が作ること、人手が加わったこと その他 ・生命力がない http://flw.icg.co.jp/organic/index.htm l だとしたら、有機建築とはどんな意味をも つのだろう。 “有機的建築とは、外からあてがわれた形態 に合わせて造られるようなものではない。 その建築が必要とする全ての要素が調和し、 内から外へと発展していく建築である。” フランク・ロイド・ライト ．．私は有機建築とは“生きている建築” “命 ある建築”なのだと考える。 建築史