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平成22年度事業報告書 - 公益財団法人 神奈川芸術文化財団
平成22年度事業報告 公益財団法人神奈川芸術文化財団 2 平成22年度事業報告 神奈川県民ホール(以下「県民ホール」という)、神奈川県立音楽堂(以下「音 楽堂」という)の指定管理期間は平成18年度から平成22年度までの5年間であり、平成 22年度はその最終年であった。しかし、神奈川芸術劇場(以下「芸術劇場」という) が平成23年1月に開館するに伴い、県民ホールについては本館と芸術劇場を一体とし運 営する指定管理者として平成27年度まで運営を行なうこととなり、平成22年度はその 初年度であった。また、かながわアートホール(以下「アートホール」という)につ いては指定管理の2年目であった。 各施設とも設置目的に沿って効率的な施設維持管理運営を行うとともに、来館者に 対するサービスの向上を図った。 文化事業においては、「第17回神奈川国際芸術フェスティバル」を平成22年4月18 日から7月22日にかけ、県民ホール本館、県立音楽堂を会場として8演目8公演1展示 を開催し、入場者数は8,508人であった。 また、平成23年1月11日に芸術劇場が開館し、開館記念式典を開催したほか、その祝 祭にふさわしく県民ホール本館、芸術劇場、音楽堂において「第18回神奈川国際芸術 フェスティバル~はじまり、はじまる~」を平成23年1月29日芸術劇場の杮落とし公演 「金閣寺」を皮切りに開催した。 このフェスティバル開会期間中の3月11日には東日本大震災が発生し、その影響で県 民ホール本館におけるびわ湖ホール・東京二期会・谷桃子バレエ団・神奈川フィル ハーモニー管弦楽団共同制作歌劇「アイーダ」「バロックな午後~ツィンマーマンの カフェでバッハを」、芸術劇場における「杉本文楽 曾根崎心中」、「はなれ瞽女お りん」が中止となり、地点「Kappa/或小説」について12回公演中11公演、「春風亭小 朝独演会」については3公演中2公演が中止となった。 その結果、実施した公演は、6演目37公演となり、入場者数は22,544人となった。 文化事業として、芸術文化の創造・振興事業、芸術文化の鑑賞普及事業全体として は、上記フェスティバル以外の主催、共催公演も含め、125演目195公演11講座7展示 を実施し、入場者数は124,898人となり、神奈川県における芸術文化の創造と普及活動 を積極的に行なった。 また芸術文化に関する情報の収集提供、調査研究及び人材育成に関する事業として 県民ホール本館・芸術劇場、音楽堂、アートホールに事業情報、アーティスト情報な どを取り上げるとともに県域の文化情報を紹介し、提供するための情報誌「神奈川芸 術PRESS」の発行を行うほか、インターネットを活用した情報提供としてホームページ の運営を行った。 3 (1)芸術文化創造振興事業・施設維持運営事業 ア 県民ホール(本館・芸術劇場)の運営 (ア)文化事業 A.本館 ※表中★印は、第17回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ☆印は、第18回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ※表中■印は文化庁「芸術拠点形成事業」 ●印は文化庁「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」 ▲印は文化庁「文化芸術振興費補助金(舞台芸術共同制作公演)」 県民ホール本館が実施した主催、共催公演は47事業(56演目59公演/7展覧会/5講座)入場者数は 59,243人であった。 本年度は、第17回神奈川国際芸術フェスティバルの事業に加えて、KAAT神奈川芸術劇場の開館を 記念し、後半の主な事業を第18回神奈川国際芸術フェスティバル~はじまりはじまる~の事業と し、祝祭的な大型の舞台芸術、室内楽プロジェクト、現代美術展を企画し、多彩な事業を実施し た。 [大ホール] 第17回神奈川国際芸術フェスティバル事業、神奈川県民ホール開館35周年記念事業として、県民 (公募による合唱および児童合唱で参加)や県下の音大生(金管楽器で参加)と、神奈川フィルを はじめプロとの共演による大規模な合唱を伴う管弦楽曲「カルミナ・ブラーナ」を中心としたプロ グラムによる演奏会を開催し、開館35周年を祝った。バレエ公演では、20世紀物語バレエの傑作と されながら上演がまれな名作「オネーギン」を県民に紹介できた。さらに、恒例となり定着してい る年末の華やかなガラコンサートをより充実した内容で実施した。 びわ湖ホールと継続して実施している共同制作オペラは、今回、KAAT神奈川芸術劇場の開館を記 念し実施される第18回神奈川国際芸術フェスティバル事業として、祝祭的で華やかな「アイーダ」 を取り上げたが、東日本大震災の影響により公演中止となった。 共催公演として、世界の一流歌劇場のオペラ公演や国内外のバレエ公演を実施した。オーケスト ラ公演は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団による多彩な公演を実施した。 [小ホール] これまで様々なアンサンブルを継続して紹介しているが、第17回神奈川国際芸術フェスティバル 事業としてチェロによるアンサンブルのコンサートを実施、この公演は追加公演も行った。さら に、第18回神奈川国際芸術フェスティバル事業として、正倉院の復元楽器によるアンサンブルのコ ンサートを実施し、古の響きを紹介した。 そのほか、若手演奏家による室内楽コンサート、普及入門型のコンサート、パイプオルガンを活 用した多彩な事業を実施し、愛好家の方から初めてクラシック音楽を鑑賞する方まで幅広く鑑賞の 機会を提供した。 3月に実施予定であった室内楽の最後のコンサートは、東日本大震災の影響により、公演中止と なった。 [ギャラリー] 昨年に引き続き、日本を代表するディレクター浅葉克己の展覧会を実施した。また若手の日本人 映像作家、泉太郎の国内初となる大規模な個展を実施した。さらに、同会場を舞台に、音楽、エレ クトロニクス等ジャンルを超えた連携事業に取り組み、多岐にわたる芸術表現の鑑賞機会を県民に 提供する一方、神奈川県美術展の開催などに取り組んだ。 事業実施にあたっては、観客の公演や演奏会の内容への理解を深める目的で、プレレクチャーや 関連企画を実施した。 大ホール 主催公演(3事業3演目3公演5,361人) 公演名 神奈川県民ホール開館35周年記念 東京バレエ団「オネーギン」全3幕 ★■ 神奈川県民ホール開館35周年記念 カール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」 ★■ ファンタスティック・ガラコンサー ト2010「絢爛のオペラ&バレエ」● 神奈川県民ホール・びわ湖ホール 谷桃子バレエ団・神奈川フィルハーモニー管弦楽団共 同制作 歌劇「アイーダ」全4幕 ☆▲ 小ホール 開催日 入場者数(人) 5月23日(日) 1,529 6月6日(日) 1,842 12月29日(水) 1,990 (当初予定) 3月20日(日)~21日(月祝) 0 地震の影響により2公演と も中止 主催公演(5事業17演目19公演5,514人) 公演名 スーパー・アンサンブル・トゥデイ! 「スーパー・ チェロ・アンサンブル・トウキョウ」 ★■ 開催日 入場者数(人) 7月17日(土) 2回公演 (2プログラ ム) 672 10月7日(木) 170 季節の風コンサート■ 荒絵里子と秋風アンサンブル 季節の風と ティータイムコ ンサート バロックな午後 ~ツィンマーマンのカフェでバッハを パイプオルガン夏休みスペシャル (当初予定) 3月26日(土) 0 地震の影響により中止 8月21日(土) 324 2月11日(金祝) 218 季節の風コン サート(ミニ) ヴァレンタイン・スペシャル 公演名 パイプオルガン・クリスマスコンサート2010 「聖夜に響く きらめきのオルガン&ブラス」■ 一柳 慧プロデュース 千年の響き アンサンブル・ニュートラディション演奏会☆● 開催日 12月18日(土) 19日(日) 入場者数(人) 682 3月5日(土) 2回公演 777 Vol.296 4月23日(金) 190 Vol.297 6月17日(木) 2回公演(2プログラム) 530 パイプオルガン・プロムナードコンサート● Vol.298 8月 5日(木) 340 Vol.299 9月17日(金) 2回公演(2プログラム) 491 Vol.300 11月19日(金) 2回公演(2プログラム) 500 Vol.301 Vol.302 1月21日(金) 3月 4日(金) 300 320 ギャラリー 主催(5事業 5展覧会11,879人、1演目2公演215人) 開催日 入場者数(人) デザインの港2―浅葉克己展 東洋的核なもの 西洋的核なもの 宇宙的核なもの★ 7月7日(水) ~22日(木) 1,525 日本現代工芸美術展 特別展 板谷波山の系譜 東陶会に見る関東の系譜 7月7日(水) ~22日(木) 1,282 第46回神奈川県美術展 1期展 9月8日(水) ~19日(日) 3,723 第46回神奈川県美術展 2期展 9月22日(水) ~10月3日(日) 2,581 企画名 (主催展覧会) 泉太郎 こねる 11月 2日(水) ~27日(土) 2,768 11月24日(水) 25日(木) 215 (主催公演) アート・コンプレックス2010 一柳慧×山下洋輔×有馬純寿スーパーセッション■ 大会議室 主催(1演目1講座 109人) 公演名 一柳 慧プロデュース 千年の響き アンサンブル・ニュートラディション <プレレクチャー>知る・聴く・楽しむ 一柳慧が語る「正倉院復元楽器の世界」● 開催日 入場者数(人) 2月13日(日) 109 ※事業としては、小ホール主催事業「一柳 慧プロデュース 千年の響き アンサンブル・ニュートラディション演奏会」に含まれるアウト リーチ講座。 大ホール 共催公演(18事業18演目19公演 29,160人) 公演名 開催日 入場者数(人) 熊川哲也K-BALLETカンパニー 「眠れる森の美女」 5月26日(水) 1,763 神奈川フィルハーモニー管弦楽団創立40 周年記念演奏会 「復活」 5月29日(土) 1,795 神奈川フィル・ポップスオーケストラ 魅惑のスタンダードポップス ~40年を振り返る~ 7月 3日(土) 1,828 トリノ王立歌劇場 プッチーニ「ラ・ボエーム」全4幕 7月25日(日) 1,492 9月 4日(土) 5日(日) 2,310 英国ロイヤル・オペラ ヴェルディ「椿姫」 9月12日(日) 2,074 アートダンスカナガワNo.8 AQUA~ゆらぎの連鎖~ 10月17日(日) 1,028 熊川哲也K-BALLETカンパニー 「コッぺリア」 10月23日(土) 1,660 第59回神奈川文化賞・スポーツ賞 贈呈式・祝賀音楽会 11月3日(水祝) 1,827 キエフ・オペラ ビゼー「カルメン」 11月23日(火祝) 699 ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場オペ ラ モーツァルト 「魔笛」 11月27日(土) 1,195 松山バレエ団 「くるみ割り人形」全幕 12月11日(土) 1,720 第19回首都オペラ公演 ザンドナーイ 「フェランチェスカ・ダ・リミニ」全4幕 公演名 開催日 入場者数(人) レニングラード国立バレエ 「くるみ割り人形」全幕 12月24日(金) 849 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 名曲シリーズ ベートーヴェン「第九」 12月26日(日) 2,191 (社)日本バレエ協会関東支部神奈川ブ ロック 第28回自主公演 「クリスタルシンフォニー」「ジゼル」全幕 1月16日(日) 1,860 神奈川フィルハーモニー管弦楽団ポップスオー ケストラ 魅惑のミュージカルガラコンサート ~恋そして愛で綴る名曲選~ 1月29日(土) 1,209 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 シネマ・クラッシックス 2月5日(土) 1,956 フィレンツェ歌劇場 プッチーニ「トスカ」 3月13日(日) 1,704 小ホール 共催公演(12事業15演目15公演 3,218人) 公演名 開催日 入場者数(人) 細川久恵オルガンリサイタル まなざし 4月17日(土) 158 第29回 かながわゴールデンコンサート 2010 5月9日(日) 癒しのショパン~パイプオルガンで聞く魅惑 の調べ 806 22日(土) 5月15日(土) 334 公演名 開催日 入場者数(人) ショパン生誕200年記念 イリーナ・メジューエワ Plays ショパン 5月29日(土) 293 スーパー・アンサンブル・トゥデイ! 「テレム・カルテット」★ 7月3日(土) 191 横浜シティオペラコンサートシリーズ´10 「英語による歌曲への誘い」 7月4日(日) 172 横浜シティオペラコンサートシリーズ´10 「スペイン・フランス歌曲への誘い」 7月11日(日) 279 フェリス・音楽の花束 「室内楽を楽しもう」 7月6日(火) 122 Ferris Concert vol.51 フェリス・音楽の花束 「トークでつづるコンサート」 7月15日(木) 195 大萩康司 ギターリサイタル2010 ~Felicitations!~ 10月2日(土) 230 久保浩 ライナー・ホフマン 2台ピアノの夕べ 10月15日(金) 192 フェリス女学院140周年記念山手の丘コン クール 表彰式・入賞者記念演奏会 11月10日(水) 11日(木) 200 パイプオルガン・コンサート&体験見学ツ アー 1月26日(水) 46 第4回神奈川国際アニメーション映像祭 5月4日(火祝) ~9日(日) 720 「美術の地上戦」 OVER TONE Ⅱ 12月7日(火) ~18日(土) 1,750 ギャラリー 共催(2事業2展覧会2,470人) B.神奈川芸術劇場 ※表中★印は、第17回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ☆印は、第18回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ※表中■印は、文化庁「芸術拠点形成事業」 ●印は、文化庁「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」 神奈川芸術劇場は平成23年1月11日に多くの県民を招いて開館記念式典を行い、こけら 落としに能楽『翁』(野村万作、野村萬斎、他)を上演し、国内でもトップクラスの舞 台機構を有する舞台芸術専用劇場として開館した。これ以降、オープニングラインナッ プ「NIPPON文学シリーズ」企画がスタートし、順調な滑り出しとなった。3月11日の東日 本大震災の影響により、中止となった公演もあったが、提携公演を含む7事業57公演を実 施した。 [ホール] 開館記念式典当日の能楽『翁』に続いて、1月29日から2月14日まで芸術監督・宮本亜 門の企画、演出による『金閣寺』を上演した。三島由紀夫の原作による同名小説を舞台 化した作品は、主演に森田剛を迎え、「NIPPON文学シリーズ」を代表する舞台として全 17公演をほぼ完売した。 続いて3月12日から13日まで、3回の公演を予定していた落語、『春風亭小朝 独演 会』は、12日の2公演は地震の影響で中止となったが、13日1公演については実施する ことができた。 3月23日〜27日まで計10公演を予定していた「杉本文楽『曾根崎心中 付り観音廻 り』」は、チケットは完売となっていたが、地震の影響により中止となった。 [スタジオ] ホール公演『金閣寺』にさきがけて提携公演『浮標』を上演した。長塚圭史による新 しいプロデュース・カンパニーによる舞台は長期に渡る大スタジオでの稽古を経たこと により、その高い完成度が各方面で評価された。 続く2月2日〜15日まで(全15回)は横浜を拠点に活動を続けている劇団「チェル フィッチュ」(主宰/作・演出:岡田利規)による新作『ゾウガメのソニックライフ』 を主催公演として上演した。演劇ファンのみならず、美術、ダンスなど幅広い層から高 い支持を得た。 2月16日〜27日までは、館内の全ての施設を多角的に使用して『国際舞台芸術ミーティ ング in 横浜(TPAM in Yokohama)』を開催した。これまで14回にわたり東京で実施さ れてきた「芸術見本市」を新たなコンセプトにより、開催地を横浜に移して初めて行わ れた企画で、事務局を神奈川芸術劇場に置き、海外から多くのアーティストやプロ デューサーも来日し、神奈川県民ホールを始め、市内の8つの文化芸術関連施設が参加す るなど、神奈川芸術劇場の存在を内外にアピールすることができた。 3月11日〜21日まで大スタジオで上演が予定されていた三浦基が主宰する劇団「地点」 の新作『Kappa/或小説』は、芥川龍之介の原作小説を舞台化した作品であったが、地震 の影響により3月13日の1回のみの上演となった。また、3月25日〜27日まで計5回の上演 を予定していた「たいらじょう『はなれ瞽女おりん』」は、全公演が中止となった。 ホール主催公演(3事業3演目19公演 18,919人) 公演名 神奈川芸術劇場開館記念式典 (能楽『翁』)■ 『金閣寺』 ☆■ 『春風亭小朝 独演会』☆ 杉本文楽 『曾根崎心中 付り観音廻り』☆● 開催日 入場者数(人) 1月11日(火)1回公演 797 1月29日(土) ~2月14日(月) 計17回公演 17,452 (当初予定) 3月12日 (土)~3月13日(日) 計3回公演 地震の影響により3月13 日(日)1回公演のみ実 施 (当初予定)3月23日 (水)〜3月27日(日) 計10回公演 670 0 地震の影響により全公 演中止 大スタジオ主催公演(2事業2演目16公演 2,882人) 公演名 チェルフィッチュ 『ゾウガメのソニックライフ』 ☆● 地点 『Kappa/或小説』 ☆■ たいらじょう『はなれ瞽女おりん』 ☆ 開催日 入場者数(人) 2月2日(水) ~15日(火) 計15回公演 2,812 (当初予定)3月11日(金) ~21日(月祝) 計12回公演 70 地震の影響により3月13 日(日)1回公演 (当初予定)3月25日(金) ~3月27日(日) 計5回公演 地震の影響により全公 演中止 0 提携公演(1事業1演目8公演 1,590人) 企画名 ≪大スタジオ≫ 葛河思潮社 第一回公演 『浮標(ぶい)』 開催日 入場者数(人) 1月17日(月) 〜1月23日(日) 計8回公演 1,590 その他の主催公演(1事業1演目14公演 700人) 企画名 『親指こぞう』 開催日 11月26日(金)~28日 (日)けやきホール(三 重県鈴鹿市) 5公演 12月3日(金)~5日 (日)アイホール(兵庫 県伊丹市)5公演 12月10日(金)~12日 (日)プラザノース(埼玉 県さいたま市)4公演 ※ 当財団のプロダクションで、他館からの依頼により上演したもの 入場者数(人) 700 (イ) 施設維持運営事業 A.本館 利用者や来館者へのサービス向上の観点から、施設の維持管理については、「安全」「清潔」 「快適」を、運営については「親切」「安心」「満足」をキーワードに高品質な施設運営を心が けている。平成18年度から開館日を増加し利用者ニーズに対応している。また、実践的な避難誘 導訓練やこまめな施設補修等を行った。さらに、チケット購入の利便性を提供するためチケット センターの運営(芸術劇場および音楽堂との共通運用)を行うほか、中高生職場体験への協力な ど親しみやすい施設運営に取組んだ。 a 施設概要 ・開 館 昭和50年1月17日 ・所在地 横浜市中区山下町3-1 ・施 設 大ホール(2,432席・車椅子6席・立見50席)・小ホール(433席)・ 大会議室(240人)・小会議室・リハーサル室・楽屋・ギャラリー(5室)・ 駐車場 b 主要施設別利用状況 ギャラリー 大ホール 小ホール 大会議室 年間日数 365日 365日 365日 休館日数 5日 8日 8日 17日 16日 0日 343日 341日 357日 延べ室数 1,680室 主催事業 16日 53日 19日 延べ室数 495室 共催事業 43日 42日 14日 延べ室数 91室 一般利用 208日 212日 1,044日 延べ室数 1,044室 計 B 267日 307日 295日 1,630室 空き日 A-B 76日 34日 62日 50室 利用率 B/A 77.8% 90.0% 82、6% 97.0% 455,352人 57,597人 38,537人 85,868人 保守点検日数 利用可能日数 A 利用日数 入場者数 ※休館日等を利用した保守点検・工事日数は53日 合計入場者数 その他施設 8,436人 その他施設…小会議室、リハーサル室等 645,790人 c 種目別利用状況 大ホール種目別利用状況 小ホール種目別利用状況 その他 その他 発表会 0.7% 発表会 16.7% クラシック系 33.3% 集会・大 会系 19.9% 集会・ 大会系 14.1% 1.8% ポピュラー系 ポピュラー系 35.2% d 利用料収入 249,416,690円 7.1% 6.3% クラシック系 64.9% B.神奈川芸術劇場 神奈川芸術劇場は、NHK横浜放送会館と合築で整備された施設であり、NHKとの調整を十分に行っ た上で、平成22年7月末の竣工・引き渡し以降、各種設備の確認、習熟訓練等を重ねるとともに、備品の 搬入等を計画的に進め、新たな施設にふさわしい開館を準備した。快適な鑑賞空間や創造活動の場を提供 できるよう、利用者等の安全・安心を心がけ、警備や清掃、また客席案内等の適切な手順の確立に努め た。 22年度は自主事業中心の施設運営であったが、23年度以降の施設利用に向けた下見への対応等を行うと ともに、見学や視察の受け入れ、また、県民対象の内覧会等により新たな施設の認知度の向上に努めた。 a 施設概要 ・開 館 平成23年1月11日 (引渡し 平成22年7月30日) ・所在地 横浜市中区山下町281 ・施 設 ホール(最大約1,300席)・大スタジオ(約220席) 中スタジオ・小スタジオ・アトリエ 等 駐車場(地下) b 主要施設別利用状況 ホール 大スタジオ その他施設 年間日数 245日 245日 休館日数 8日 8日 163日 124日 利用可能日数 A 74日 113日 利用日数 主催事業 51日 52日 共催事業 0日 0日 提携事業 0日 45日 一般利用 0日 0日 51日 97日 空き日 A-B 23日 16日 利用率 B/A 68.9% 85.8% 保守点検日数 計 B 入場者数 20,307人 合計入場者数 45,441人 6,959人 18,175人 その他施設…中スタジオ、小スタジオ、アトリエ等 ※上記利用状況は7月30日の引渡し日からの統計 c 種目別利用状況 ホール種目別利用状況 古典芸能 3.9% 大スタジオ種目別利用状況 その他 舞踊 1.0% その他 5.1% 9.8% 2.0% 式典 パフォーマンス 5.9% 舞踊 演劇 7.8% 演劇 91.8% 9.8% 62.7% 講座系 d 利用料収入 10,925,937円 イ 神奈川県立音楽堂の運営 (ア)文化事業 ※表中★印は、第17回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ☆印は、第18回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ※表中●印は、文化庁「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」 音楽堂で実施した主催・共催公演は、鑑賞普及事業のアウトリーチ事業を含め、30事業40演目46公演10企画、入場者数 は34,939人であった。 第17回神奈川国際芸術フェスティバルでは、音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ第5弾「アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル」を皮切りに、親しみやすい内容のオーケストラコンサート、世界最高峰合唱団公演を実施。 関連企画の「合唱指揮者セミナー」には県内アマチュア合唱関係者が多数集い、「合唱の殿堂」ならではの企画として好 評を得た。 通年事業としては、10年目の区切りを迎えたオーケストラ公演「井上道義の上り坂コンサート」を「前夜祭」付きの2日 間特別企画で実施した。このほか、アウトリーチも交えた夏休みの子ども企画、恒例のクリスマス音楽会「メサイア」演 奏会、海外著名弦楽四重奏団やピアニストの演奏会等、多彩な観賞機会を提供した。 神奈川芸術劇場の開館を記念する第18回神奈川国際芸術フェスティバルでは、伝統音楽の魅力と可能性を紹介する「音 楽堂で聴く雅楽」で新ホールのオープンを祝った。 主催公演(11事業17演目17公演 11,229人) 開催日 入場者数(人) 4月18日(日) 960 5月22日(土) 808 6月17日(木) 432 スウェーデン放送合唱団 公開リハーサル 6月19日(土) 182 スウェーデン放送合唱団★ 6月19日(土) 981 タラフ・ドゥ・トランシルヴァニア 8月13日(金) 608 大野和士のオペラ・レクチャーコンサー ト 8月27日(金) 972 子どもと楽しむ夏・音楽堂 仲道郁代ピアノ・コンサート 「ピアノ探検!ショパン発見」● 8月29日(日) 933 子どもと楽しむ夏・音楽堂 関連アウトリーチ 6月28日(月) 600 公演名 音楽堂ヴィルトォーゾ・シリーズVol.5 アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル ★ クラシックな休日を♪in音楽堂 藤岡幸夫指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 スペシャルコンサート ★ スウェーデン放送合唱団首席指揮者、 ペーター・ダイクストラ氏による合唱指 揮者・指導者のための公開セミナー 公演名 開催日 入場者数(人) 井上道義の「上り坂コンサート」Vol.10 関連アウトリーチ 9月17日(金) 133 井上道義の「上り坂コンサート」Vol.10 公開リハーサル 10月14日(木) 269 井上道義の上り坂コンサートVol.10 前 夜祭 10月15日(金) 745 井上道義の上り坂コンサートVol.10 10月16日(土) 634 第45回クリスマス音楽会 「メサイア」演奏会● 12月12日(日) 760 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団 &コルネリア・ヘルマン(ピアノ) 12月17日(金) 639 エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル 1月15日(土) 810 音楽堂で聴く雅楽☆ 2月19日(土) 763 共催公演(17事業21演目29公演 22,326人) 公演名 開催日 入場者数(人) 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 聖響 音楽堂シリーズ ロマン派の響き 第2回 4月10日(土) 498 第26回かながわ音楽コンクール ヴァイオリン部門本選 4月11日(日) 800 延べ数 第33回全日本おかあさんコーラス関東支 部 神奈川県大会 4月24日(土) 1000 延べ数 第26回かながわ音楽コンクールユースピ アノ部門 本選 4月25日(日) 600 延べ数 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 聖響 音楽堂シリーズ ロマン派の響き 第3回 5月1日(土) 508 第25回ヨコハマコンペティション PARTⅠ(神奈川県芸術舞踊祭 No.93)創作部門 6月4日(金) 300 延べ数 6月5日(土) 600 延べ数 6月12日(土) 1000 延べ数 13日(日) 1000 延べ数 26日(土) 1000 延べ数 27日(日) 1200 延べ数 7月24日(土) 579 第77回 NHK全国学校音楽コンクール 神奈川県コンクール 8月3日(火) ~6日(金) 4200 延べ数 第53回神奈川県合唱コンクール 9月4日(土) 5日(日) 1800 延べ数 第20回神奈川オペラフェスティバル’ 10 第1夜 オペラ・ガラ・コンサー ト~思い出の名場面をもう一度~ 9月23日(木祝) 630 第50回「音楽堂・おかあさんコーラス」 10月5日(火) ~8日(金) 3800 延べ数 第25回ヨコハマコンペティション PARTⅡ(神奈川県芸術舞踊祭 No.93) シニア部門【クラシック】【モダン】 11月19日(金) ~21日(日) 1250 延べ数 第44回神奈川県名流三曲祭 11月28日(日) 500 延べ数 第34回神奈川県合唱フェスティバル 2月11日(金祝) 500 延べ数 2月20日(日) 561 ダンスカナガワフェスティバル(神奈川 県芸術舞踊祭№92)ジュニアの部・シニア 備考 の部 第53回神奈川県合唱祭 神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 聖響 音楽堂シリーズ ロマン派の響き 第4回 ジュニア部門【クラシック】【モダン】 プレガルディエン(テノール)& シュタイアー(ピアノ) リートリサイ タル (イ) 施設維持運営事業 平成22年度は、前年度同様臨時開館等の柔軟な対応を行い、利用率を高める努力を行った が、年度の最後に起こった東日本大震災の影響で、利用の取りやめや延期が相次ぎ、最終的な 利用率は例年より低くなった。しかし年間来館者数は前年度より約14,000人多い166,107人にの ぼり、第一期の指定管理期間中で最高人数となった。開館56年目を迎えた音楽堂を安全に利用 していただくために、丁寧な点検と小破修繕を行うと共に、居心地良さの向上に努めた。震災 の施設設備への影響はなかった。 a 施設概要 ・開 館 昭和29年11月4日 ・所在地 横浜市西区紅葉ヶ丘9-2 ・施 設 ホール(1,054席・立見52席)・リハーサル室・楽屋 b 主要施設別利用状況 ホール 年間日数 365日 休館日数 51日 貸出不能日 0日 利用可能日数 A 利用日数 311日 主催事業 18日 共催事業 33日 一般利用 191日 計 B 242日 空き日 A-B 69日 利用率 B/A 77.8% 入場者数 166,107人 ※休館日等を利用した保守点検・工事日数は20日 c 種目別利用状況 民謡・邦舞・三 曲 1% 映画・演劇・演 芸 4% 洋舞 3% 集会・大会系 16% ポピュラー系 4% d 利用料収入 34,443,379円 クラシック系 72% ウ かながわアートホールの運営 (ア)文化事業 アートホールで実施された主催公演は4事業20演目20公演、入場者数は1,207人であっ た。 神奈川フィルハーモニー管弦楽団によるカジュアルコンサートにおいては広く県域からの 鑑賞応募があった。 キッズコンサートでは子どもが音楽の楽しさを体験し、将来にわたって鑑賞するきっかけ を作る機会を提供した。 ストリートライブ@区民まつりをほどがや区民まつりの開催に合わせて実施、ストリート ミュージシャンにホール正面広場を演奏活動の場として提供し地域の賑わいを創出した。 アートホールが所蔵するCDやDVDをホールで鑑賞するCDコンサートは、近隣住民が 気軽にアートホールを利用しさまざまなジャンルの芸術に親しむ機会を提供した。 主催公演(4事業20演目20公演 1,207人) 開催日 入場者数(人) カジュアルコンサート 7月10日(土) 1月16日(日) 493 アートホール キッズコンサートVOL.2~5 7月3日(土) 8月4日(水) 10月16日(土) 12月27日(月) 459 ストリートライブ @ほどがや区民祭 10月16日(土) 約50名(屋外のため) 毎月・定期的開催 205 公演名 CDコンサート 「音楽がいっぱい」 (サウンドリスニング) 共催公演(1事業1演目2公演 500人) 公演名 開催日 入場者数(人) Yokohama HOOOD!! 2010 ~ストリートミュージシャン フェスティバル横浜~ 10月30日(土) ~31日(日) 500 (イ) 施設維持運営事業 かながわアートホールの指定管理者として施設の維持管理を行うにあたり利用者サービス向上に 努めた。音楽情報コーナーの運営や見学ギャラリーにおける神奈川フィルリハーサル公開などによ り県民が芸術を身近に感じることのできる機会を提供、また「ほどがや区民まつり」へ協力を通し て地域との連携を行った。 a 施設概要 ・開 館 平成4年4月21日 ・所在地 横浜市保土ケ谷区花見台4-2 ・施 設 ホール(最大300席)・第1~第5スタジオ・見学ギャラリー・ 音楽情報コーナー b 主要施設別利用状況 ホール 年間日数 365 日 休館日数 9 日 利用可能日数 A 利用日数 その他施設 333 日 主催共催事業 26 日 神奈川フィル利用 86 日 一般利用 180 日 計 B 292 日 空き日 A-B 41 日 利用率 B/A 87.7 % 入場者数 28,325 人 ※空き日等を利用した保守点検・工事日数は23日 合計入場者数 21,164 その他施設…スタジオ5室・音楽情報コーナー分 c 種目別利用状況 ホール種目別利用状況 日舞・邦楽 0.3% 洋舞 2.8% 洋楽 1.1% その他 11.1% 演劇・オペラ 1.4% 合唱 5.5% オーケストラ等 49.4% ピアノ 28.5% ※洋楽…ジャズバンド等、洋舞…ダンス、バレエ、その他…太極拳等 d 利用料収入 14,244,040円 49,489 人 (2) 芸術文化の鑑賞普及事業 県民の芸術文化に対する関心、理解をさらに深め、新しい芸術文化の世界を紹介することを目 的に舞台芸術講座、シンポジウム、アウトリーチ事業等の普及事業を展開した。 【事業一覧】 ※表中■印は、文化庁「芸術拠点形成事業」 ア 県民ホール (ア)本館 神奈川県民ホール本館では、舞台芸術に対する一般県民の垣根を低くし、関心を喚起させると共に、 造詣を深められることを目的に舞台芸術講座を4回開催した。主催公演とリンクさせて、一流の出演者や 研究者を講師に迎え、さらに実演も行うことで、他にない充実した内容のプログラムを実現した。 また都市部に集中しがちな芸術公演を県下全域で享受できるよう、県域の拠点施設である県民ホール がソフトを提供しながら、市町村と共同で「地域支援事業」を実施した。 舞台芸術講座(主催事業 1事業4講座4回 976人) 開催日 公演名 内容 入場者数(人) 4月10日(土) 大会議室 ≪小ホール≫ 第77回舞台芸術講座 ユカリューシャが語る ロシアバレエとオネーギンの 魅力■ 講師:斎藤友佳理 (東京バレエ団プリンシパル) 長野由紀(ナビゲーター) 113 6月5日(土) 小ホール ≪小ホール≫ 第78回舞台芸術講座 ロベルト・シューマン 生誕200年記念 レクチャー&コンサート おめでとうシューマン! 童心と憧れの音楽を祝って■ 講師:前田昭雄(ウィーン大学名誉教授) 前田朋子(ヴァイオリン) 金子薫(ピアノ) ほか 282 ≪大会議室≫ 第79回舞台芸術講座 シリーズ・日本の伝統<4>「文楽」へ ようこそ■ 講師・実演:豊竹咲甫大夫(太夫) 鶴澤寛志太郎(三味線) 197 講師:青島広志 (作曲家、東京芸術大学講師) 小渡恵利子(ソプラノ) 杉野麻美(メゾソプラノ) 小野勉(テノール) 384 10月10日 (日) 大会議室 ≪小ホール≫ 2月19日(土) 第80回舞台芸術講座 青島広志のたのしいオペラ講座 小ホール 歌劇「アイーダ」の魅力■ 県民ホール地域支援事業(共催事業 1事業1演目1公演 341人) 開催日 公演名 チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ” 子どもたちのオペラ『ブリンジバー 12月 18日 (土) ル』 (会場:杜のホールはしもと・ホール) 内容 入場者数(人) プログラム前半は、地元相模原の子ども達との共 演によるコンサートを演奏した。後半では、第二 次大戦中、チェコのテレジン収容所で上演されて いた子どもたちのオペラ「ブリンジバール」を上演 した。同時に、ロビーでの関連展示等も実施され た。悲しい状況下において上演されていた作品 を通して、平和の尊さ、人々に希望を与え得る芸 術の尊さを参加者、観客に伝えた。 341 (イ)神奈川芸術劇場 公演に関連した内容を扱った講座や新しい劇場そのものについて建築的な視点から解説し見学する講座 を実施するとともに、舞台芸術の要素を体験するワークショップ、また、芸術監督自ら他の劇場の芸術監 督とともに劇場について話す催しを実施することにより、幅広い方に舞台芸術や劇場についてより深く理 解していただく場を提供できた。 教育普及事業(主催事業1事業6講座6回 447人) 開催日 2月6日(日) アトリエ 2月26日(日) ホール 3月6日(日) 中スタジオ 公演名 内容 地点・三浦基ワークショップ 俳優の「発語」をめぐって ~芥川龍之介の 講師:三浦基(「地点」代表・演出家) ことばを解体する■ 第一部:対談「劇場って何?」 ゲスト:蜷川幸雄(彩の国さいたま芸術劇場芸術監 KAAT オープントーク Vol.1 『劇場って何? 督)・宮本亜門(KAAT芸術監督) 第二部:座談会「芸術監督って何?」 芸術監督って何?』■ ゲスト:宮田慶子(新国立劇場芸術監督)・串田和美 (まつもと市民芸術館芸術監督)・岩城京子(KAATクリ エイティブパートナー)・宮本亜門 KAAT舞台芸術講座 「KAAT建築探検」■ 講師:長谷川祥久(香山壽夫建築研究所) 入場者数(人) 20 317 41 KAAT舞台芸術講座 3月13日(日) 「杉本文楽 曾根崎心中」 関連講座 講師:神津 武男 (早稲田大学高等研究所客員研究 『浄瑠璃本をよむ ―「曾根崎心中 付り観音 員) 中スタジオ 69 廻り」(黒部本)より―』■ 3月20日(日) 前川知大の劇作ワークショップ■ 中スタジオ 講師:前川知大(「イキウメ」主宰) 0 3月30日(水) バックステージツアー■ 日ごろなかなか見られない劇場内を案内 0 県民ホール地域等連携事業(共催事業 1事業1演目1公演 4,471人) 開催日 公演名 2月16日(水) 〜2月27日 (日) ≪ホール・スタジオ・本館ギャラ リー・会議室ほか≫ 国際舞台芸術ミーティング in 横 浜(TPAM in Yokohama) 内容 各国の劇場・ホールの制作担当者、フェスティバ ルのディレクター、プロデューサー、エージェン ト、プロモーター、カンパニーの制作者などが集 まる国際的な舞台芸術イベント「芸術見本市」と の関連国際会議を横浜に招致して開催。 ※他会場は含まず、神奈川県民ホール本館及び神奈川芸術劇場での入場者数のみ 入場者数(人) 4,471 イ 神奈川県立音楽堂の運営 (ア)文化事業 ※表中★印は、第17回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ☆印は、第18回神奈川国際芸術フェスティバル対象事業 ※表中●印は、文化庁「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」 音楽堂で実施した主催・共催公演は、鑑賞普及事業のアウトリーチ事業を含め、30事業40演目46公演10企 画、入場者数は34,939人であった。 第17回神奈川国際芸術フェスティバルでは、音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ第5弾「アンネ=ゾ フィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル」を皮切りに、親しみやすい内容のオーケストラコンサート、世 界最高峰合唱団公演を実施。関連企画の「合唱指揮者セミナー」には県内アマチュア合唱関係者が多数集い、 「合唱の殿堂」ならではの企画として好評を得た。 通年事業としては、10年目の区切りを迎えたオーケストラ公演「井上道義の上り坂コンサート」を「前夜 祭」付きの2日間特別企画で実施した。このほか、アウトリーチも交えた夏休みの子ども企画、恒例のクリス マス音楽会「メサイア」演奏会、海外著名弦楽四重奏団やピアニストの演奏会等、多彩な観賞機会を提供し た。 神奈川芸術劇場の開館を記念する第18回神奈川国際芸術フェスティバルでは、伝統音楽の魅力と可能性を紹 介する「音楽堂で聴く雅楽」で新ホールのオープンを祝った。 主催公演(11事業17演目17公演 11,229人) 開催日 入場者数(人) 4月18日(日) 960 5月22日(土) 808 スウェーデン放送合唱団首席指揮者、 ペーター・ダイクストラ氏による合唱指 揮者・指導者のための公開セミナー 6月17日(木) 432 スウェーデン放送合唱団 公開リハーサル 6月19日(土) 182 スウェーデン放送合唱団★ 6月19日(土) 981 タラフ・ドゥ・トランシルヴァニア 8月13日(金) 608 大野和士のオペラ・レクチャーコンサー ト 8月27日(金) 972 子どもと楽しむ夏・音楽堂 仲道郁代ピアノ・コンサート 「ピアノ探検!ショパン発見」● 8月29日(日) 933 子どもと楽しむ夏・音楽堂 関連アウトリーチ 6月28日(月) 600 公演名 音楽堂ヴィルトォーゾ・シリーズVol.5 アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル ★ クラシックな休日を♪in音楽堂 藤岡幸夫指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 スペシャルコンサート ★ 公演名 開催日 入場者数(人) 井上道義の「上り坂コンサート」Vol.10 関連アウトリーチ 9月17日(金) 133 井上道義の「上り坂コンサート」Vol.10 公開リハーサル 10月14日(木) 269 井上道義の上り坂コンサートVol.10 前夜 祭 10月15日(金) 745 井上道義の上り坂コンサートVol.10 10月16日(土) 634 第45回クリスマス音楽会 「メサイア」演奏会● 12月12日(日) 760 ゲヴァントハウス弦楽四重奏団 &コルネリア・ヘルマン(ピアノ) 12月17日(金) 639 エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル 1月15日(土) 810 音楽堂で聴く雅楽☆ 2月19日(土) 763 共催公演(17事業21演目29公演 22,326人) 開催日 入場者数(人) 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 聖響 音楽堂シリーズ ロマン派の響き 第2回 4月10日(土) 498 第26回かながわ音楽コンクール ヴァイオリン部門本選 4月11日(日) 800 延べ数 第33回全日本おかあさんコーラス関東支 部 神奈川県大会 4月24日(土) 1000 延べ数 第26回かながわ音楽コンクールユースピ アノ部門 本選 4月25日(日) 600 延べ数 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 聖響 音楽堂シリーズ ロマン派の響き 第3回 5月1日(土) 508 6月4日(金) 300 延べ数 6月5日(土) 600 延べ数 6月12日(土) 1000 延べ数 13日(日) 1000 延べ数 26日(土) 1000 延べ数 27日(日) 1200 延べ数 7月24日(土) 579 第77回 NHK全国学校音楽コンクール 神奈川県コンクール 8月3日(火) ∼6日(金) 4200 延べ数 第53回神奈川県合唱コンクール 9月4日(土) 5日(日) 1800 延べ数 9月23日(木祝) 630 10月5日(火) ∼8日(金) 3800 延べ数 11月19日(金) ∼21日(日) 1250 延べ数 第44回神奈川県名流三曲祭 11月28日(日) 500 延べ数 第34回神奈川県合唱フェスティバル 2月11日(金祝) 500 延べ数 2月20日(日) 561 公演名 第25回ヨコハマコンペティション PARTⅠ(神奈川県芸術舞踊祭No.93) 創作部門 ダンスカナガワフェスティバル(神奈川 県芸術舞踊祭№92)ジュニアの部・シニア 備考 の部 第53回神奈川県合唱祭 神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会 聖響 音楽堂シリーズ ロマン派の響き第 4回 第20回神奈川オペラフェスティバル 10 第1夜 オペラ・ガラ・コンサー ト∼思い出の名場面をもう一度∼ 第50回「音楽堂・おかあさんコーラス」 第25回ヨコハマコンペティション PARTⅡ(神奈川県芸術舞踊祭No.93) シニア部門【クラシック】【モダン】 ジュニア部門【クラシック】【モダン】 プレガルディ ン(テノ ル)& シュタイアー(ピアノ) リートリサイタ ル (3)芸術文化に関する情報の収集提供、調査研究及び人材育成に関する事業 ア 芸術文化に関する情報収集、調査研究 従来当財団が県から受託してきた「神奈川芸術PRESS」および県総合文化芸術情報ホームページ「か な@」を情報収集提供事業として指定管理になったことにより更なる再編充実を図った。 情報誌「神奈川芸術PRESS」については芸術劇場開館に向けて、版型も新たに再編し、県民ホール本 館、芸術劇場、県立音楽堂、かながわアートホールの事業情報、アーティスト情報などを取り上げる とともに県域の文化芸術情報についても紹介し、読み物としても楽しめるよう内容を充実させ、広く 情報提供を行なった。(年6回発行予定) 一方、県総合文化芸術情報ホームページ「かな@」については、インターネットを活用した情報提 供として、県民ホールや芸術劇場のホームページのリソースを有効活用しながら、県内の文化芸術情 報の発信を行なった。 (ア) 情報誌「神奈川芸術PRESS」の発行 情報収集提供事業として、情報誌「神奈川芸術PRESS」を作成・配布し、県民ホール本館、 芸術劇場、県立音楽堂、かながわアートホールの広報や県域の文化事業の周知に努めた。特 に芸術劇場開館時には、増刷し、開館及び開館事業の周知を行なった。 発行 : 5月号~3月号 B4判12ページ 年間40万部 号 5月号 7月号 9月号 11月号 1月号 3月号 内容 インタビュー・事業紹介 特集 宮本亜門(演出家・芸術劇場芸術 「神奈川芸術劇場(KAAT)のミッションと展 監督)「神奈川芸術劇場に託す夢」 望」、生誕200年記念ショパンに注目!、神奈 川国際芸術フェスティバル、ホールニュース 大野和士(指揮者)「まちと劇場と 人、つなぐ音楽の力」 神奈川芸術劇場(KAAT)2011年1月オープ ン、劇場を育てる 生きているデザインの極 意、海・夏に注目!、ホールニュース 上野水香(バレエダンサー)ファンタ 神奈川芸術劇場(KAAT)2011年1月オープ スティックス・ガラ・コンサート2010 ン!、オープニングラインナップ発表!、秋の 「絢爛のオペラ&バレエ」公演に出 アートに注目!、ホールニュース 演 岡田利規(演劇作家、小説家、チェ 神奈川芸術劇場(KAAT)誌上バックステージ ルフィッチュ主宰)現在進行形の ツアー、クリスマスに注目!、県民ホールと音 「空気」を形にしたい 新作『ゾウガ 楽堂年末年始のおすすめ!、ホールニュース メのソニックライフ』 森田剛(歌手、俳優)「強烈な感情 の核を表現したい」神奈川芸術劇 場『金閣寺』に主演 KAATオープニングラインナップより、日本現 代演劇の最先端を観る、第18回神奈川国際 芸術フェスティバル「はじまり、はじまる」、ホー ルニュース 三谷幸喜(劇作家、脚本家、映画 監督)「僕らとおなじ小市民が狂気 に走る怖さ」神奈川芸術劇場『国民 の映画』を演出 4月のKAAT大スタジオ公演から 前川知大 (劇作家、演出家、劇団イキウメ主宰)に迫る、 ぬくもりのある木のホール「神奈川県立音楽 堂」、ホールニュース イ 人材育成 専門の人材や施設、機材等を擁する創造型劇場として、アートマネージメントの専門職員や舞 台技術、劇場運営を志す人などの育成を行うため、「舞台技術ワークショップ」及び「劇場イン ターンシップ」を実施した。 「舞台技術ワークショップ」(2月23日~25日開催、参加者数61名)では「創造を支える劇場 技術」をテーマに、新しい劇場の舞台技術的側面の紹介とともに、それがどのように創造活動に 関わっていくかについて、実際のプロダクションや機材等の実例を参照しつつ、講義と実習を 行った。 「劇場インターンシップ」(3月開催、参加者数12名)では、アートマネジメント等に関心の ある方を受け入れ、劇場職員による業務内容の解説を行うとともに、実際の業務を体験する機会 を提供した(地震の影響により途中で中止)。 人材育成事業(主催 2事業2演目 73人) 公演名 ≪ホール他劇場内各所≫ 舞台技術ワークショップ 内 容 開催日 2月23日~25日開催 講義と実習 ≪ホール他劇場内各所≫ 3月3日~14日随時開催 解説と業務体験 劇場インターンシップ 入場者数(人) 61 12 (4) その他事業 ア 管理組合の運営 神奈川芸術劇場及び日本放送協会横浜放送会館合同施設のうち、指定された敷地・建物 の清掃、保全、保守、植栽、塵芥処理及び消毒業務等の施設維持管理業務を行った。 イ 友の会の運営 芸術文化の普及、鑑賞機会の提供の拡充を目ざし、芸術を愛する方々により親しみを 持っていただくための友の会「かながわアーツ倶楽部」を運営し、会員への情報提供や サービス提供を行った。 また、7月よりインターネットから登録でき、会費を無料とした気軽に入会できる新会員 組織「かながわメンバーズ(KAme)」を創設し、「かながわアーツ倶楽部」も新会員組織 に移行してサービスを一元化することで、友の会の運営内容の充実を図った。「かながわ メンバーズ(KAme)」は、22年度末現在で入会者として19,883名を得ている。 ウ 賛助会員制度の設立 公益財団法人認定を受けて、年間を通じて寄付を受け付ける法人及び個人の賛助会員制 度を新たに設け、芸術劇場に新たなご協賛芳名ボードを設置するなど、新規開拓を含め積 極的に寄付金獲得を図った。 エ 神奈川国際芸術フェスティバルの実施(再掲) (ア)第17回 神奈川国際芸術フェスティバル 主催公演(7事業7演目7公演1展示 8,317人) 共催公演(1事業1演目1公演 191人) 公演名 音楽堂ヴィルトォーゾ・シリーズVol.5 アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン・リサイタル ★ クラシックな休日を♪in音楽堂 藤岡幸夫指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 スペシャルコンサート★ 神奈川県民ホール開館35周年記念 東京バレエ団「オネーギン」全3幕 ★■ 神奈川県民ホール開館35周年記念 カール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」 ★■ スウェーデン放送合唱団★ スーパー・アンサンブル・トゥデイ! 「テレム・カルテット」★ スーパー・アンサンブル・トゥデイ! 「スーパー・チェロ・アンサンブル・トウ キョウ」 ★■ デザインの港2―浅葉克己展 東洋的核なもの 西洋的核なもの 宇宙的核なもの★ 開催日 入場者数(人) 会 場 4月18日(日) 960 県立音楽堂 5月22日(土) 808 県立音楽堂 5月23日(日) 1,529 県民ホール大ホール 6月6日(日) 1,842 県民ホール大ホール 6月19日(土) 981 県立音楽堂 7月3日(土) 191 県民ホール小ホール 7月17日(土) 2回公演 (2プロ グラム) 672 県民ホール小ホール 1,525 県民ホールギャラリー 7月7日(水) ~22日(木) (イ)第18回 神奈川国際芸術フェスティバル 主催公演(6事業6演目37公演 22,544人) 開催日 入場者数(人) 会 場 1月29日(土) ~2月14日(月) 計17回公演 17,452 神奈川芸術劇場ホール チェルフィッチュ 『ゾウガメのソニックライフ』 ☆● 2月2日(水) ~15日(火) 計15回公演 2,812 神奈川芸術劇場 大スタジオ 音楽堂で聴く雅楽☆ 2月19日(土) 763 一柳 慧プロデュース 千年の響き アンサンブル・ニュートラディション演奏会 ☆● 3月5日(土) 2回公演 777 県民ホール小ホール 670 神奈川芸術劇場ホール 0 県民ホール大ホール 70 神奈川芸術劇場 大スタジオ 0 神奈川芸術劇場ホール 0 神奈川芸術劇場 大スタジオ 公演名 『金閣寺』 ☆■ 『春風亭小朝 独演会』☆ (当初予定) 3月12日 (土)~3月13日(日) 計3回公演 地震の影響により3月 13日(日) 1回公演のみ実施 (当初予定) 神奈川県民ホール・びわ湖ホール 3月20日(日)~21日 谷桃子バレエ団・神奈川フィルハーモニー管 (月祝) 弦楽団共同制作 歌劇「アイーダ」全4幕 ☆▲ 地点 『Kappa/或小説』 地震の影響により2公 演とも中止 (当初予定)3月11日 (金)~21日(月祝) 計12回公演 ☆■ 杉本文楽 『曾根崎心中 付り観音廻り』☆● たいらじょう『はなれ瞽女おりん』 ☆ 県立音楽堂 地震の影響により3月 13日(日)1回公演 (当初予定)3月23日 (水)〜3月27日(日) 計10回公演 地震の影響により全 公演中止 3月25日(金) ~3月27日(日) 計5回公演 (5)その他公益目的推進事業 ア 駐車場の運営等 神奈川県民ホール(本館・芸術劇場)への自動車での来館者のための駐車場の管 理運営業務等を、効率的に行う。 イ 県民ホール等の施設を活用する事業 県民ホール(本館・芸術劇場)、音楽堂、アートホールについては、財団主催事 業や音楽等の芸術文化のための利用に供することを中心に運営することとし、公益 目的の利用が見込まれない場合は、施設を有効に活用し、学術会議あるいは講演会 などのための利用に供し、その利用により得た利用料金などの収益を公益目的事業 の財源にすることにより、公益目的事業の一層の充実を図る。 特に、規模の大きな大会などに対しては、収容力が大きいというメリットを活 かし、県民ホール大ホールの活用を積極的に誘致していく。