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D-Case を利用したことによる開発プロセスにおける効果の考察

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D-Case を利用したことによる開発プロセスにおける効果の考察
D-Case を利用したことによる
開発プロセスにおける効果の考察
1/18
目次
1
本ドキュメントの主旨................................................................................................... 4
2
関連研究 ........................................................................................................................ 4
3
2.1
参考文献[1]との比較 .............................................................................................. 4
2.2
参考文献[2]との比較 .............................................................................................. 4
2.3
参考文献[3]との比較 .............................................................................................. 5
2.4
参考文献[4]との比較 .............................................................................................. 5
2.5
参考文献[5]との比較 .............................................................................................. 6
評価計画 ........................................................................................................................ 7
3.1
3.1.1
開発の背景 ...................................................................................................... 7
3.1.2
開発成果物 ...................................................................................................... 7
3.1.3
評価対象の期間 ............................................................................................... 7
3.1.4
評価者 ............................................................................................................. 8
3.2
4
5
評価の対象 ............................................................................................................. 7
評価の手法 ............................................................................................................. 8
評価結果 ........................................................................................................................ 9
4.1
開発成果物の規模................................................................................................... 9
4.2
開発成果物の例 .................................................................................................... 10
4.2.1
D-Case .......................................................................................................... 10
4.2.2
ユースケース図 ............................................................................................. 11
4.2.3
要求図 ........................................................................................................... 11
4.2.4
ブロック定義図(設計モデル) .................................................................... 12
4.2.5
パラメトリック図.......................................................................................... 12
4.2.6
内部ブロック図 ............................................................................................. 13
4.2.7
ブロック定義図(実装モデル) .................................................................... 14
4.2.8
ステートマシン図.......................................................................................... 15
4.2.9
検証シナリオ................................................................................................. 16
4.3
工数の計測結果 .................................................................................................... 16
4.4
工数の比較 ........................................................................................................... 17
考察 ............................................................................................................................. 18
2/18
変更履歴
変更日
変更内容
2014/01/27
作成
3/18
1
本ドキュメントの主旨
本ドキュメントでは、D-Case を利用したことによる開発プロセスにおける効果を考察する。
2
関連研究
Assurance Case、Safety Case あるいは D-Case を UML や SysML などの既存の開発環境
と連携させるいくつかの試みがなされている。参考文献[1]~[5]に対して、本手法との類似
点、本手法の相違点、参考文献の訴求点を整理する。
2.1
参考文献[1]との比較
参考文献[1]:

Stefen Wagner et al, A Case Study on Safety Cases in the Automotive Domain:
Modules, Patterns, and Models, In Proc. of ISSRE2010
本手法との類似点:

Safety case の議論構造パターンを提示している点
本手法の相違点:

D-Case の議論構造パターンの提示に加え、ノードの記述スタイルのガイドとテンプレ
ートにより、SysML モデルの開発に必要な情報を提供

開発フローをコントロールすることで、D-Case や SysML モデルの作成効率を高める
ことも目的にしている点
参考文献の訴求点:

安全性ケースを自動車に搭載されるシステムの機能安全に適用

ASCET SD や Matlab/Simulink などの既存の開発環境のモデルを安全性ケースに利用
2.2
参考文献[2]との比較
参考文献[2]:

John Birch, Roger Rivett, Ibrahim Habli, Ben Bradshaw, John Botham, Dave
Higham, Peter Jesty, Helen Monkhouse, Robert Palin: Safety Cases and their
Role in ISO 26262 Functional Safety Assessment. In the proceedings of the 32nd
International
Conference
on
Computer
Safety,
(SAFECOMP), Toulouse, France, September 2013.
本手法との類似点:

Safety case の議論構造パターンを提示している点
4/18
Reliability
and
Security
本手法の相違点:

D-Case の議論構造パターンの提示に加え、ノードの記述スタイルのガイドとテンプレ
ートにより、SysML モデルの開発に必要な情報を提供

開発フローをコントロールすることで、D-Case や SysML モデルの作成効率を高める
ことも目的にしている点
参考文献の訴求点:

Safety case を自動車に搭載されるシステムの機能安全に適用

既存の開発環境の成果物を Safety case に利用
2.3
参考文献[3]との比較
参考文献[3]:

Ewen Denney, Ganesh Pai, Ibrahim Habli: Perspectives on software safety case
development for unmanned aircraft. DSN 2012: 1-8
本手法との類似点:

Safety case の議論構造パターンを提示している点
本手法の相違点:

D-Case の議論構造パターンの提示に加え、ノードの記述スタイルのガイドとテンプレ
ートにより、SysML モデルの開発に必要な情報を提供

開発フローをコントロールすることで、D-Case や SysML モデルの作成効率を高める
ことも目的にしている点
参考文献の訴求点:

Safety case を無人航空機のソフトウェア開発の安全性評価に適用

既存の開発環境の成果物を Safety case に利用
2.4
参考文献[4]との比較
参考文献[4]:

名古屋大学山本研究室、産総研 D-Case と SysML/UML 連携の実証実験

http://www.dcase.jp/pdf/yamamoto20130419.pdf
本手法との類似点:

D-Case の議論構造パターンを提示している点
5/18
本手法の相違点:

D-Case の議論構造パターンの提示に加え、ノードの記述スタイルのガイドとテンプレ
ートにより、SysML モデルの開発に必要な情報を提供

開発フローをコントロールすることで、D-Case や SysML モデルの作成効率を高める
ことも目的にしている点
参考文献の訴求点:

D-Case を SysML/UML による開発環境に適用

SysML/UML で開発したモデルを D-Case に関連付けることによる、D-Case の理解の
向上や SysML/UML モデルの体系的な管理といった効果
2.5
参考文献[5]との比較
参考文献[5]:

Patrick J. Graydon, John Knight, Elisabeth A. Strunk, Assurance Based
Development of Critical Systems, In Proc. IEEE DSN 2007
本手法との類似点:

Assurance case の議論構造パターンを提示している点
本手法の相違点:

D-Case の議論構造パターンの提示に加え、ノードの記述スタイルのガイドとテンプレ
ートにより、SysML モデルの開発に必要な情報を提供

開発フローをコントロールすることで、D-Case や SysML モデルの作成効率を高める
ことも目的にしている点
参考文献の訴求点:

安全性達成のための議論構造パターンの提示
6/18
3
評価計画
3.1
評価の対象
3.1.1 開発の背景
クルーズコントロールシステムの前モデル(以降「前機種」)を約半年前に開発した。クル
ーズコントロールシステムの次期モデル(以降「次機種」)では、前機種の仕様を活用して、
次機種を派生開発(差分開発)することを想定している。前機種との変更点は、ISO 26262
準拠のため、機能安全の機能を追加する点である。
本評価の開発対象をクルーズコントロールシステムの次機種とする。
3.1.2 開発成果物
次機種の開発における開発成果物は以下の通りである。

D-Case

ユースケース図

要求図

ブロック定義図

パラメトリック図

内部ブロック図

ステートマシン図

検証シナリオ
3.1.3 評価対象の期間
開発期間を以下のように分割し、それぞれの期間に要した工数を計測した。
表 1 評価対象の期間
ID
期間
1 アイテムの定義
2 ハザードの識別
3
4
5
6
内容
前機種の D-Case および SysML モデルを再利用し、アイテム
を定義する。
HAZOP, FTA, FMEA によるハザード分析を行う。
機能安全要求に基づく
D-Case の大まかな構造を検討し、機能安全要求に基づいて
分解
ゴールを分解する。
ユースケース図と要求
図の更新
技術安全要求に基づく
分解
ユースケース図と要求図を作成する。
技術安全要求に基づいてゴールを分解する。
ブロック定義図とパラメ ブロック定義図、パラメトリック図、内部ブロック図、ステート
トリック図の更新
マシン図を作成し、D-Case に関連付ける。
7/18
7 検証結果による保証
8
モデルシミュレーション
による検証結果
検証シナリオを D-Case に関連付ける。
検証シナリオを実行する。
3.1.4 評価者
前機種における開発担当者 1 名が次機種の開発も担当した。別の 1 名がレビューを実施し
た。
3.2
評価の手法
下記のモデリングガイドとテンプレートをすべて利用する場合と利用しない場合において、
クルーズコントロールシステムの派生開発(差分開発)に伴う工数の比較を行う。 1

対象システムの D-Case モデリングガイド

対象システムの SysML モデリングガイド

D-Case テンプレート

SysML テンプレート
1
本評価は、D-Case を利用する場合と利用しない場合の比較ではなく、モデリングガイド
とテンプレートを利用する場合と利用しない場合の比較である。
8/18
4
評価結果
4.1
開発成果物の規模
次機種の開発における開発成果物の規模は表 2、表 3、表 4の通りである。
表 2 モデルの個数
モデル
個数
D-Case
1
ユースケース図
1
要求図
1
ブロック定義図
2
パラメトリック図
2
内部ブロック図
1
13
ステートマシン図
1
検証シナリオ
表 3 D-Case の規模
ノード
個数
Goal
24
Strategy
10
Context
74
Evidence
14
SolvedBy
47
InContextOf
74
表 4 開発対象の SysML の規模
モデル
モデル要素
アクター
ユースケース図
3
ユースケース
11
関連
21
サブジェクト
1
D-Case への関連付け
8
機能要件
要求図
個数
13
非機能要件
8
関係
34
D-Case への関連付け
12
9/18
ブロック定義図
(設計モデル)
パラメトリック図
ブロック
16
関連
34
D-Case への関連付け
12
制約ブロック
12
コネクタ
25
D-Case への関連付け
4
ブロック
3
コネクタ
4
ブロック定義図
ブロック
16
(実装モデル)
関連
32
状態
100
遷移
113
内部ブロック図
ステートマシン図
検証シナリオ
検証シナリオ
1
システム検証
1
D-Case への関連付け
4.2
12
開発成果物の例
開発成果物の例を以下に示す。なお、モデリングガイドとテンプレートをすべて利用する
場合と利用しない場合で、同じモデルを作成している。ただし、二つの場合において、モ
デル要素名の表現の些細な相違や、モデル要素の配置場所の些細な相違はあったが、内容
は同じであるため、同じモデルとみなした。
4.2.1 D-Case
図 4-1 D-Case
10/18
4.2.2 ユースケース図
uc [パッケージ] Design [UC_CC]
CC
CC 起動
車速の監視
CC 停止
<<include>>
目標車速の設定
<<include>>
<<include>>
<<include>>
<<include>>
<<include>>
目標車速の加速
ドライバ
車速制御
<<include>>
目標車速の減速
<<include>>
CC 一時休止
<<include>>
<<include>>
CC 動作状況の監視
スロットル
<<include>>
<<include>>
CC 再開
CC 緊急停止
PCS
図 4-2 ユースケース図
4.2.3 要求図
req [パッ ケー ジ] Design [REQ_CC]
<<Requirement>>
CC
ID = REQ_01
車両は運転者を支援する走行制御機能を搭載する
<<derive>>
<<derive>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
CC起 動( Cruise)
目 標車速 の設 定( Set)
目標 車速 の減 速( Decel)
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
目標 車速 の加 速( Accel)
CC一 時休 止
<<derive>>
<<derive>>
<<Requirement>>
<<derive>>
<<Requirement>>
CC復 帰
CC停 止( Cruise)
<<derive>>
<<derive>>
<<Requirement>>
CC停止( PCS)
<<derive>>
<<derive>>
<<Requirement>>
加 速度 の抑 制制 御
<<Requirement>>
車速 の監 視
<<Requirement>>
CCの緊急 停止
<<Requirement>>
CC動作 状況 の監視
ID = REQ_02
ID = REQ_03
ID = REQ_04
ID = REQ_05
ID = REQ_06
ID = REQ_07
ID = REQ_08
ID = REQ_09
ID = REQ_21
ID = REQ_22
ID = REQ_23
ID = REQ_24
CC停止中に運転者
が「Cruise」ボタ
ンを押すと、CCが
起動する
CC起動中に運転者
が「Set」ボタンを
押すと、現在の速
度を設定値として
保持する
CC起動中に運転者が
「Decel」ボタンを
押すと、設定値の速
度が下がる
CC起動中に運転者
が「Accel」ボタ
ンを押すと、設定
値の速度が上がる
CC起動中に運転者
がブレーキを踏む
と、CCを一時休止
する
CC一時休止中に運
転者が「Resume」
ボタンを押すと、
一時休止前の設定
でCCを再開する
CC起動中に運転
者が「Cruise」
ボタンを押す
と、CCを停止す
る
CC起動中にPCS
から停止要求
があると、CC
を停止する
加速度が閾値
を超えない制
御を行う
車速を監視す
る
異常を検知す
るとCCを緊急
停止する
CCの動作状況
を監視する
<<derive>>
<<derive>> <<derive>>
<<Requirement>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<derive>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
<<derive>> <<derive>>
<<derive>><<derive>>
<<derive>>
<<derive>> <<derive>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
<<Requirement>>
車速 制限
加 速の 加速 度制 限
操作 の容易 性
操作 の即 応性
ドラ イバに よる 運転 操作 の尊重
設定 情報 の保 持
ID = REQ_11
ID = REQ_12
ID = REQ_14
ID = REQ_15
ID = REQ_16
ID = REQ_17
ID = REQ_18
ID = REQ_13
ワンタッチ
でCCを操作
できる
ドライバが設
定すると、CC
が1ms以内に
応答する
目標速度と20km/h
以上の差があると
きは、0.080G以上
の加速度で加減速
する
100時間以
上、連続稼
働する
ドライバによるアクセル操
作、ブレーキ操作、ステア
リング操作を最優先とする
設定情報を
不正に変更
しない
CCの設定車
速を50~
100km/hに制
限する
加速は0.35G
未満とする
加 減速性 能
連 続稼働
図 4-3 要求図
11/18
4.2.4 ブロック定義図(設計モデル)
bdd [パッケージ] Design [BDD_car]
<<Block>>
車両
Values
Operations
1
1
1
1
1
1
1
1
1
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
アクセル
ブレーキ
CCコ ン ト ロ ー ラ
PCSコ ン ト ロ ー ラ
前方障害物検知センサー
車速センサー
電子制御スロットル
スロットル アクチュエータ
CC操 作 UI
Values
Values
Values
Values
Values
Values
Values
Values
Values
Operations
Operations
O perations
Operations
O perations
O perations
Operations
O perations
Operations
1
1
<<Block>>
1
1
1
1
1
<<Block>>
<<Block>>
車速制御
電子制御ブレーキ
ブレーキ アクチュエータ
Values
Values
Values
O perations
O perations
O perations
<<Block>>
<<Block>>
車速のモニター回路
Values
<<Block>>
車両力学制御
Values
Operations
Operation
1
<<Block>>
CC動 作 状 況 の モ ニ タ ー 回 路
Values
Operations
図 4-4 ブロック定義図
4.2.5 パラメトリック図
par [パッケージ] Design [PAR_車両ブロック]
pwr =
Kp ( Vp - Vt )
+ Ki ∫(Vp - Vt ) dt
設定車速の制限:
50km/h ≦ vt ≦ 100km/h
<<allocate>>
<<allocate>>
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
アクセル
ブレーキ
CCコ ン ト ロ ー ラ
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
車速センサー
電子制御スロットル
スロットル アクチュエータ
Values
Values
Values
Values
Values
Values
Operations
Operations
Operations
Operations
accelPower
breakPower
accelPowerTarget
Operations
breakPowerTarget
powerOFF
ccBtn
ccPower
speed
speed
throttleTorque
Values
throttleTorque
breakTorque
<<Block>>
speed
speed
Operations
<<Block>>
Values
Values
ブレーキ アクチュエータ
pwr
pwr
Operations
<<allocate>>
<<allocate>>
Values
speed
Operations
pwr
<<Block>>
車両力学制御
Values
powerOFF
<<Block>>
電子制御ブレーキ
breakTorque
accelPower
CC動 作 状 況 の モ ニ タ ー 回 路
ccBtn
Operations
accelPowerTarget
<<Block>>
Operations
車速制御
breakPower
車速のモニター回路
Operations
pwr
pwr
<<Block>>
ccPower
breakPowerTarget
powerOFF
<<Block>>
CC操 作 UI
Values
加速の加速度制限:
a < 0.35G
Values
加減速性能:
a > 0.080G
Operations
<<allocate>>
ccBtn
Operations
<<allocate>>
<<allocate>> <<allocate>>
セダンの場合
Cd = 0.44
ワゴンの場合
Cd = 0.50
セダンの場合
A = 1.8 m^2
ワゴンの場合
A = 2.0 m^2
セダンの場合
mass = 1700 kg
ワゴンの場合
mass = 2500 kg
<<allocate>> <<allocate>>
<<allocate>>
<<allocate>><<allocate>>
densityOfAir = 1.2 kg/m^3
12/18
thrust =
pwr / actualSpeed
drag =
-1/2 * Cd * A
* densityOfAir
* actualSpeed^2
a=
(thrust + drag) / mass
actualSpeed =
∫ a dt + v0
図 4-5 パラメトリック図
4.2.6 内部ブロック図
ibd [Block] 車速のモニター回路 [IBD_車速のモニター回路]
1
speed
Attributes
<<flow>>
Operations
speed
1
車速読み取り
車速
車速
1
異常判定
A ttributes
判定結果
判定結果
Operations
図 4-6 内部ブロック図
13/18
異常通知
A ttributes
Operations
powerOFF
<<flow>>
powerOFF
4.2.7 ブロック定義図(実装モデル)
bdd [パッケージ] Simulation [BDD_CC]
<<Block>>
1
<<Block>>
Dynamics
Driver
Values
<<Block>>
Values
acceleration
densityAir
stream
time
velocity
Car
Values
1
Operations
area
cd
mass
1
1
Operations
<<Block>>
Operations
PcsController
~Dynamics
calc
Dynamics
Values
Operations
1
1
1
1
1
1
1
1
1
<<Block>>
<<Block>>
1
1
<<Block>>
<<Block>>
<<Block>>
AccelPedal
BreakPedal
CcPanel
SpeedSensor
ThrottleActuator
Values
Values
Values
Values
Values
accelPosition
BreakActuator
Values
torque
breakPosition
torque
Operations
Operations
Operations
Operations
Operations
Operations
1
1
1
1
<<Block>>
1
<<Block>>
1
1
<<Block>>
1
1
1
1
1
<<Block>>
<<Block>>
AccelController
BreakController
Values
Values
Ki
Kp
maxPower
power
sumDPower
targetPower
Ki
Kp
maxPower
power
sumDPower
targetPower
Operations
Operations
ArbitrationController
CcController
Values
isWorking
Ki
Kp
maxPower
maxTargetVelocity
minTargetVelocity
power
sumDVelocity
targetVelocity
targetVelocityIncreme
velocity
Operations
accel
decel
set
valid
図 4-7 ブロック定義図
14/18
1
Values
1
accelPower
accelTargetPower
accPower
breakPower
breakTargetPower
throttlePower
<<Block>>
CcMonitor
Values
Operations
Operations
1
<<Block>>
SpeedMonitor
Values
Operations
1
1
1
4.2.8 ステートマシン図
stm [Block] CcController [statechart_0]
running
tm(1)/
if (this->isWorking) {
double diffVelocity = (this->targetVelocity - this->velocity) / 3.6; // [m/s]
this->sumDVelocity += diffVelocity;
this->power += Kp * diffVelocity + Ki * this->sumDVelocity;
if(this->power > this->maxPower) this->power = this->maxPower;
if(this->power < -this->maxPower) this->power = -this->maxPower;
}
else {
this->power = 0.0;
}
cycle1ms
init
evPowerOFF
evAccPowerRequest(this->power) to itsArbitrationController
On
Off
evAccCruiseBtn
evAccCruiseBtn
Unset
evAccBreakPedal
Sleeping
evAccResumeBtn
evAccOFF
evAccSetBtn[valid(this->velocity)]/
set(this->velocity);
evAccSetBtn/
set(this->velocity);
Working
evAccSetBtn/
set(this->velocity);
evAccAccelBtn/
accel();
evAccDecelBtn/
decel();
sensoring
evSpeedChanged/
this->velocity = params->velocity;
図 4-8 ステートマシン図
15/18
evAccAccelBtn/ evAccDecelBtn/
decel();
accel();
4.2.9 検証シナリオ
stm [Block] Driver [statechart_1]
init
evSimulationEnd to itsDynamics
evAccSetBtn to itsCcPanel
evSimulationStart to itsDynamics
evCarPowerOFF to itsCar
tm(10)/
for (int idx = 0; idx < 50/3; ++idx) {
itsAccPanel->GEN(evAccAccelBtn);
}
evCarPowerON to itsCar
tm(10000)
tm(10)
evAccelPedalPressDown(1.0) to itsAccelPedal
tm(10)
evAccAccelBtn to itsCcPanel
tm(5100)
evAccelPedalTakeOff to itsAccelPedal
tm(1000)
evAccCruiseBtn to itsCcPanel
図 4-9 検証シナリオ
4.3
工数の計測結果
開発成果物の作成(レビューも含む)に要した工数は表 5、表 6の通りであった。なお、
アイテムの定義、ハザードの識別はテンプレートに依らないので、共通とした。
表 5 モデリングガイドとテンプレートを使用しない場合の工数
ID
期間
工数 [人時間]
レビュー回数 [回]
1 アイテムの定義
4.5
2
2 ハザードの識別
30
6
3 機能安全要求に基づく分解
20
3
11.5
5
3
2
12
3
7 検証結果による保証
1
1
8 モデルシミュレーション による検証結果
1
1
83
23
4 ユースケース図と要求図の更新
5 技術安全要求に基づく分解
6 ブロック定義図とパラメトリック図の更新
合計
表 6 モデリングガイドとテンプレートを使用する場合の工数
ID
期間
工数 [人時間]
1 アイテムの定義
4.5
16/18
レビュー回数 [回]
2
2 ハザードの識別
30
6
6
3
6.5
2
1
1
7.5
2
7 検証結果による保証
1
1
8 モデルシミュレーション による検証結果
1
1
57.5
18
3 機能安全要求に基づく分解
4 ユースケース図と要求図の更新
5 技術安全要求に基づく分解
6 ブロック定義図とパラメトリック図の更新
合計
4.4
工数の比較
期間別の工数の様子を図 4-10に、期間別のレビュー回数の様子を図 4-11に示す。
工数 [人時間]
モデリングガイドとテ
ンプレート
不使用
31%削減
使用
0
10
20
アイテムの定義
機能安全要求に基づく分解
技術安全要求に基づく分解
検証結果による保証
30
40
50
60
70
80
90
ハザードの識別
ユースケース図と要求図の更新
ブロック定義図とパラメトリック図の更新
モデルシミュレーション による検証結果
図 4-10 期間別の工数
レビュー回数 [回]
モデリングガイドとテ
ンプレート
不使用
使用
24%削減
0
5
アイテムの定義
機能安全要求に基づく分解
技術安全要求に基づく分解
検証結果による保証
10
15
20
ハザードの識別
ユースケース図と要求図の更新
ブロック定義図とパラメトリック図の更新
モデルシミュレーション による検証結果
図 4-11 期間別のレビュー回数
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25
図 4-10と図 4-11から、モデリングガイドとテンプレートの活用により、工数を約 31%削
減し、レビュー回数を約 24%削減したことが分かる。
機能安全要求に基づく分解、ユースケース図と要求図の更新、技術安全要求に基づく分解、
ブロック定義図とパラメトリック図の更新においては、テンプレートが工数削減に寄与し
ている。これはレビュー回数が 13 回から 8 回に減っていることと関係する。
検証結果による保証、モデルシミュレーションによる検証結果においては、もともとあ
まり工数がかからなかったので、テンプレートの工数削減の寄与が大きくはなかった。
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考察
前章で示したように、モデリングガイドとテンプレートをすべて利用する場合は、利用し
ない場合と比較して工数を約 31%削減し、レビュー回数を約 24%削減した。工数とレビュ
ー回数を削減できた要因は以下の通りである。

D-Case の構造がテンプレートで定義されていることにより、D-Case のストラテジー
ノードやゴールノードなどの書き直しが発生しなかった。

SysML 要求図に記載する必要のある機能安全に関する機能要件を D-Case から容易に
導けたことにより、要件定義に要する工数を削減できた。

SysML ブロック定義図に記載する必要のあるブロックを D-Case のコンテキストノー
ドから特定できたため、システム設計に要する工数を削減できた。

SysML パラメトリック図に記載する必要のある制約を D-Case のゴールノードから特
定できたため、効率的に制約を洗い出すことができた。
以上の結果から、モデリングガイドとテンプレートには一定の効果があると考える。
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