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講演資料はコチラから - 日本船舶技術研究協会

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講演資料はコチラから - 日本船舶技術研究協会
船舶分野におけ
ける国際標準化
への船技協の
の戦略的取組
今津 隼馬
東京海洋大学名誉教授
究協会 標準部会長
日本船舶技術研究
ISO/TC8/SC6(航海及び
び操船分科委員会)議長
国際標準
準化機構
● 工業分野(電気分野を除く)の国際的な標準(ISO規格)を策定す
るための民間の非政府機関(194
47年に設立)
● 本部は、スイスのジュネーブ
(我が国は1952年から日本工業標
● 1か国1機関のみが加盟できる(
準調査会(
準調査会(JISC:経産省の審議会
経産省 審議会
会)が加盟)。
会)が加盟)
● 主要な産業分野の標準化を、その
の内部組織の技術委員会
(Technical Committee: TC)が
が行っている。
が行っている
● TCは、投票権を有するメンバー(P member)及びオブザーバメン
バー(O
バ
(O member)から構成される。JISCは多くのTCでPメンバー。
。JISCは多くのTCでPメンバ 。
(注)電気分野については、1906年設
設立の国際電気標準会議(IEC) が、国際
標準の策定を行 ている
標準の策定を行っている。
2
ISO規格の
の重要性
開発した
た製品を国際標準にする
製品規格
例:DVD
D、Blu-ray、携帯電話通信方法、
ハイ
イ ジョン
イビジョンTV
評価方法規格
国際的に
に共通の試験方法 評価方法
に共通の試験方法、評価方法
• 評価方
方法が異なると不便かつ費用が嵩む
3
ISO規格の作成過程
 ISO規格作成作業
ISO規格作成作業=TC又はTC内に設置するSC(Sub-C
TC又はTC内に設置するSC(S b Committee)が実施
C
i )が実施
 Pメンバーはいつでも新規格作成作業を提案できる(N
NP)
 提案は、投票国の過半数の賛成と賛成国のうちPメンバ
バー4(16カ国)あるいは、Pメンバー5(17カ国以上)
の専門家登録を得ると成立する
 この作業は、通常はNP投票成立後、3年以内に行う。
O規格案作成の場合だけでなく、既存ISO規格の改正の
 下記のISO規格制定に向けた投票プロセスは、新規ISO
場合にも当てはまる。
場合にも当てはまる
 ISO規格は規格制定後、規格内容の経年による陳腐化を避けるため、定期見直しを実施する。見直し周期は
初回が3年以内で、2回目以降は5年毎。
 定期見直しの結果、要改正と判断された場合にはNP投
投票を省略し、直接改正作業に着手することが出来る。
3年以内
NP
CD
NP投票
3か月
必須
DIS
CD投票
2か月、3か月又は4か月
2か月
3か月又は4か月
TC8では省略を決定
FDIS (又はPRF)
DIS
S投票
5
5か月
必
必須
規格制定
FDIS投票
2か月
条件により省略可。省略した場合はPRF(最終校正)に進む
4
船技協が対応する
るISO IEC委員会
るISO・IEC委員会
船技協はISO/IECの船舶分野の
の国内審議団体としてJISCより委託
• 船舶及び海洋技術専門委員会:ISO/TC8
10のSC
• 海洋構造物分科委員会
: ISO/TC67/SC7
• 船舶振動作業委員会
: ISO/TC108/SC2/WG2
• スモールクラフト専門委員会
スモ ルクラフト専門委員会: ISO/TC188
• 船用電気設備及び移動式海洋構
構造物の電気設備分科委員会
:IEC/TC18
ISO/TC8を中心に現在400件以上の
の国際規格がある
5
ISO/TC8(船舶及び海洋技術専門委員会)
議長 米国
(Cap Charles H
(Cap.
H. Piersall (1995 - 2015))
事務局 中国(2007 - )
タイトル
議長
事務局
SC1
救命 び防
救命及び防火
英
米国
SC2
海洋環境保護
日本(吉田公
公一氏)
米国
SC3
配管及び機械
米国
米国
SC4
甲板機械及び艤装
中国
中国
SC6
航海及び操船
日本(今津隼
隼馬先生)
日本(船技協)※
SC7
内陸航行船
独
独
SC8
船舶設計
韓国
韓国
SC11
短距離海上輸送
韓国
韓国
SC12
ラージヨット
イタリア
イタリア
SC13
海洋技術
中国
中国
351規格中86規格討議中(見直しを含む)
6
ISO/TC8(船舶及び海洋技術)
議長国:米 幹事国:中 独
議長国:米、幹事国:中・独
●
WG3(特殊海洋構造物及び支援船)デンマーク
WG4(海賊対策)英国
WG5(ISO28000シリーズメンテナンス)未定
(ISO28000シリ ズメンテナンス)未定
WG6(ISO30001原案作成・ISO30006, 7メンテナンス)
日本(日本舶用品検定協会 吉田公一氏)
WG7(ISO280005メンテナンス)米国
ISO/TC8の所掌事項
海上航行船舶、内陸航行船舶、沖合構造物、
海上航行船舶
内陸航行船舶 沖合構造物、船陸間インタフェース、その他IMOの要
船陸間インタフ
ス その他IMOの要
求に適合すべきすべての海洋構造物を含む船
船舶の建造及び運航で用いられる、設計、
建造、構造要素、ぎ装品、装備品、手法と技
技術及び海洋関係の標準化
●
メンバー
・Pメンバー(正メンバー)
24ヶ国(アジアは、日本、中国、韓国、インド、シンガポールの5ヶ国)
・Oメンバー(オブザーバー)
Oメンバ (オブザ バ )
28ヶ国(アジアは、インドネシア
ア、マレーシア、タイ他計7ヶ国)
・リエゾン(連携をとる団体)
ゾ
20団体(IMO、ILO、WMO、IAC
CS等)
ISO/TC8/WG3(船舶及び海洋技術/特殊
殊海洋構造物及び支援船)
議長国:デンマーク 幹事国:独
議長国:デンマーク、幹事国:独
○審議中のもの(重要案件)
提案国
新規 改正
新規or改正
規格名
独
新規
ISO29400, 洋上風
風力エネルギー-港湾及び海洋での作業
独
新規
ISO 29403
29403-2,
2, 洋上
上風力エネルギ
上風力エネルギー-油水分離器
油水分離器
独
新規
ISO 29404, 洋上風
風力エネルギー-供給情報の流れ
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
独
新規
ISO29406 洋上風
ISO29406,
風力エネルギー-作業者移送システム
中国
新規
洋上風力エネルギ
ギー-ナセル等関連部品の試験、計測
○特記事項
• ISO29400シリーズ対応のため、標準部会直属WGとし
して「洋上風力発電及び支援船に関する ISO規格検討
WG」を新設し、積極的な対応を実施中。ISO29400シリ
リーズは、洋上風車関係の港湾・海上での設置作業、
作業区域の分類作業者の資格、通信など、多岐にわたる
る範囲の標準化を計画している。
• ISO/TC8/WG3は基本的にドイツで開催されており、欧
は基本的にドイ
開催され おり 欧州主導で標準化が進んでいる。
欧
欧州主導
標準化が進ん
る
8
ISO/TC8/SC1(救命及び防火)
議長国:英 幹事国:米
議長国:英、幹事国:米
WG1(救命)デンマーク
WG2(安全器
器具)中国
WG3(防火)日本(製品安全評価センター・平岡達弘氏)
日本(製品安全評価センタ
平岡達弘氏)
○審議中のもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
米
新規
マルチガス検知器
アイスランド
新規
MOR(人員回収
収装置)に関する一般要件
日本
新規
膨脹型救助艇の整備要件
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
日本
新規or改正
改正
規格名
ISO 17339:2002 救命艇及び救助艇用シーアンカー
○特記事項
• 救命器具メーカーが議長を務めるWG1における規格の提案
案実績が顕著であり、欧州各国が中心となり議論を
進めている。また、WG2議長となった中国による積極的な標
標準化活動が予測される。
• 日本は、LSAコードへの引用を目的としたISO 17339:2002「救命艇及び救助艇用シーアンカー」の改正プロ
ジェクトリーダーを請け負うこととなった。我が国独自の技
技術要件を改正案に織り込むため、適宜対応する。
9
ISO/TC8/SC2(海洋環境保護)
議長国:日本
(日本舶用品検定協会、吉田公一氏)
幹事国:米
○審議中のもの(重要案件)
提案国
新規or改正
WG3(環境へ
への対応)韓国
WG4(船上ゴ
ゴミ)米国
WG5(船底防
防汚)日本(海上技術安全研究所・千田哲也氏)
WG6(SCR触媒)ノルウェー
WG7(船体性
性能)ノルウェー
JWG1(水中音
音響)日本(日本舶用品検定協会・吉田公一氏
規格名
日本
新規
ISO 13073-3 殺生
生物性活性物質の人体への影響評価
日本
新規
ISO16554 商船か
から水中に発せられる音響の測定及び報告
ノルウェー
新規
ISO 19030 船体及
及びプロペラ性能の変化測定手法
ノルウェ
ノルウェー
新規
ISO 18611 SCR用
用尿素水溶液
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
独
新規 改正
新規or改正
新規
規格名
油水分離器のた
ためのタンク及び配管の最適化
○特記事項
• ノルウェーの参加が近年になって積極的であり、我が国の手
手法とは異なる性能測定手法をISO化しようとしている。
• 我が国提案として制定されたISO 13073-1「防汚物質の海洋環
環境リスク評価法」及び-2「防汚塗装の海洋環境リスク評
価法」に引き続き、造船所における作業者被曝を評価するISO
O規格を提案している。新規提案投票中であり、早期の制
定を目指す
10
ISO/TC8/SC3(配管及び機械)
議長国:米
幹事国:米
○審議中のもの(重要案件)
提案国
WG1(配
配管及び換気システム)米国
WG5(圧
圧力真空リリース弁)デンマーク
WG7(加
加熱 換気及び空調)米国
加熱・換気及び空調)米国
WG13(
(船用弁面間寸法)
日本(海
海上技術安全研究所・村上睦尚氏)
WG14(
(LNG船用低温環境用バルブ)
新規or改正
規格名
日本
新規
ISO 17602 船用弁
弁面間寸法
韓国
新規
LNG船用低温環
環境用弁4件
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
独
新規or改正
新規
規格名
油水分離器のため
めのタンク及び配管の最適化
○特記事項
• 我が国提案であるISO 8277:2013「配管及び機関-情報転送」
」が昨年6月に制定され、ISO 17602「船用弁面間寸法」も
制定間近である。今後も、配管及び機械関係で我が国が提案・開発できるISO規格を積極的に模索する。
• LNG船などの低温環境に用いる各種バルブに関する規格案が
が韓国から提案されている。我が国が用いる手法とは大き
く異な ているため 我が国にと て問題のない規格となるよ
く異なっているため、我が国にとって問題のない規格となるよ
よう是正する
11
ISO/TC8/SC4(甲板機械及びぎ装)
議長国:中国
幹事国:中国
WG4(係
係留及び曳航装置)韓国
WG5(空
空気式防舷材)中国
WG6(船
船上揚貨設備)中国
WG7(海
海洋コンテナ固縛)中国
WG8(深
深海係留用合成繊維ロープ)中国
○審議中のもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
中国
新規
船上クレーン6件
件
中国
新規
寒冷区域航行船
船に備える甲板機器の試験要件
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
中国
新規or改正
新規
規格名
揚貨設備関係規
規格
○特記事項
• 議長及び幹事国を務める中国が鋭意規格開発を進めている。船上クレーン(中国提案)はIMOの審議とも関係してお
り要注意。
• 日本は、ISO 17357-1「空気式防舷材-第1部:高圧式」のプ
プロジェクトリーダーを務め、同規格は本年1月に制定され
た。
12
ISO/TC8/SC6(航海及び操船)
議長国:日本(東京海洋大学 今津隼馬氏)
幹事国:日本(日本船舶技術研究協会)
WG1(ジ
ジャイロコンパス)日本(東京海洋大学 宮本佳則氏)
WG15(
(操縦性能)独
WG16(
(船内LAN)日本(寺崎電気産業 諸野普氏)
WG17(
(速力試運転解析)日本(東京大学 髙木健氏)
○審議中のもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
日本
改正
ISO8728, ジャイロ
ロコンパス他 5規格
日本
改正
ISO15016, 速力試験
験データの解析による速力性能及び出力性能の評
価に関する指針
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
日本
新規
有化のための船内データサーバ 他2規格
実海域データ共有
日本
新規
電子傾斜計
○特記事項
•TC8/SC6の分野は日本産業界が世界をリードしており、且つ日本が議長国及び幹事国に就任しており、日本の影響力
が極めて大きい 。
• ISO15016の改正作業は、 IMOにおけるEEDI検査と証書ガイドライン策定作業を念頭に、国内造船所の試運転を基礎
とした現在のISO規格と国際試験水槽会議(ITTC)法とのマ
マッチングを実施中。
マッチングを実施中
• 今後提案予定の「実海域データ共有化のための船内データサ
サーバ他2規格」は、日本舶用工業会/スマートナビ
ゲーションシステム研究会における調査研究成果を基礎とす
する予定。
13
WG5(防
防汚塗装及び検査方法[PSPC])韓国
WG8(溶
溶接)中国
WG9(ド
ドア)中国
ISO/TC8/SC8(船舶設計)
議長国:韓国
幹事国:韓国
○審議中のもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
中国
改正
ISO16145-5, 船舶
舶の防食塗装及び検査方法-第5部:バラス
トタンクの塗装損
損傷面積の評価計算方法
中国
新規及び改正
ISO6042,鋼製風雨
雨密一枚戸 他 4規格
○今後提案見込みのもの(重要案件)
提案国
新規or改正
規格名
韓国
韓
新規
海洋
海洋FLNG設備の
設備の低温流出及び/又は発火に対する保護塗料
低 流 及
発
対す 保護 料
の抵抗測定
中国
新規
めの振動防止設計法
舶用機械のため
○特記事項
• TC8/SC8は、いずれのWGの議長も韓国及び中国。ISO規格案
案の提案は中国が多数を占めている。
• IMO基準に基づく船舶の防食塗装及び検査方法を定めたISO16145シリーズ(主に韓国提案)はほぼ策定が終了した。
14
船技協の国際規格標準への対応体制
船舶技術戦略委員会
分科会等
救命及び防火分科会
環境分科会
標準部会
機械及び配管分科会
甲板機械及びぎ装分科会
ISO等戦略WG
洋上風力発電及び
支援船に関するISO
O
規格検討WG
航海分科会
構造分科会
海事セキ リティ 分科会
海事セキュリティー分科会
振動分科会
 標準部会のもとに12の分科会等を設置
電気設備分科会
 分科会等の審議を経て、船舶関係の国際
規格及び国内規格の策定に対応
バルブ及びこし器分科会
 国際競争力強化に向けてISO等戦略WG
舶用品標準化推進協議会
舟艇分科会
15
ISO等戦
戦略WG
日本の海事産業の国際市場確
確保と国際競争力強化のため
に 船舶分野における国際標準
に、船舶分野における国際標準
準化への対応のあり方を検討
検討項目
向の整理
1. 国際標準化に関する傾向
2. 目標達成のための基本方
方針と対応
(1)戦略的規格提案等の
の実施
(2)対応体制の強化
1 国際標準化
1.国際標準化
化に関する傾向
国際社会における国際標準
準化の動きと問題
① 国際標準化の必要性増
国際標準化 必要性増
増大
② 実質的に法的拘束力を持
持つISO規格等の増大
③ ISO規格等策定の迅速化
化(投票段階の簡素化等)
④ 中国及び韓国の台頭
⑤ 国際標準化に関する人材
材確保の困難性
① 国際標準化
化の必要性増大
経済のグローバル化
異なる標準の場合
・企業にとって製造コストの上昇
・消費者にとって互換性の問題
消費者 と
換性 問題
利益と利便の二面から、国際
標準化が重視される傾向
国際条約による要件化
世界貿易機関(WTO)
貿
貿易の技術的障壁協定(TBT協
技術的障壁協定
協
協定
協定)
政府調達協定(GP協定)
国際標準を用いること義務化
国際標準に適うものがあれば
際標準 適うも があれば
それを国際入札で優先
18
② 実質的に法的拘束力を持つISO規格等の増大
 IMOからISO等に対しの国際規
規格策定要請
 既に作成されたISO規格等をIMOの国際条約等で引用
 ISOとしても、IMOとのリンクし
した国際規格作成を重視
• ISO規格等は法的に強制力を持つものではないが、IMOで策定された国
際条約等において引用等されることにより、実質的に法的強制力を持つ。
• 明確に法的な強制力を有さなくと
とも国際的な標準として実質的に関係者
が従わざるを得ないものになるこ
ことに留意。
ことに留意
実質的に法的拘束力を持つISO規格
格(製品規格や評価方法規格)等が増大
19
③ ISO規格等策定の迅速
速化(投票段階の簡素化)
産業界の技術革新、新たな領域
域のビジネス創生等に迅速に対応
規格制定手続きの簡略化
 投票段階の簡素化
• 新規作業計画(NP)
省略可
• 委員会原案(CD)
• 国際規格案(DIS)
• 最終国際規格案(FDIS)
省略可
 投票期間の短縮
国際規格案(DIS) 5ヶ月間→3ヶ月間
国際規格案(DIS):
5 月間 3 月間
ISO等規格制定の迅速化
(最短でNP3ヶ月+DIS3ヶ月+α)
☞自国の提案を通す観点からは有利
☞
☞他 提案 精査 観点
☞他国提案の精査の観点からは不利
20
④ 中国及び
び韓国の台頭
船舶分野の国際標準化に関す
する国際的な勢力
従来
近年
欧州及び米国が強力
中国及び韓国が台頭
☞ ISO規格等の制定をとおし
した自国の利益反映を目的として、
国際標準化
国際標準化への取組みを
取組 を積極化
☞ 中国・韓国の製品に有利な
なISO規格の制定
☞ 議長及び国際幹事ポストの
の獲得
21
⑤ 国際標準化に関す
する人材確保 困難性
する人材確保の困難性
 国際標準化は自社製品の国際市
市場確保の観点から有効なツール
 このツールを上手く使うには、実行
行する適切な人材が必要
–専門
専門的知見
–国際
際会議対応能力
専門的知見と国際会議対応能力を
際 議
を兼ね備えた人材は限られている
各企業においてISO規格等に対応
応を特化した人材配置は困難
国際会議への人員の派遣は他の業
業務もあり容易ではない
22
2 基本方
2.基本方
方針と対応
① 戦略的規格提案等
関係業界の国際競争力強化
化に資する
化に資するISO規格等の提案を
規格等の提案を
積極的に実施するとともに、
、他国の提案についての動向を
いち早く捉え有利となるよう
うに働きかける
② 対応体制の強化
①の実施を確実に行うため
めの体制強化(6項目)を行う
23
① 戦略的規
規格提案等
重点分野を設定
点
を 定
日本が注力している案件、研究開発
発の実施動向、ビジネスの中長期的動向を
踏まえ 当面の間 次の分野を重点
踏まえ、当面の間、次の分野を重点
点分野とする。
点分野とする
• 海洋環境分野
(EEDI、EEOI関係、LNG燃料船関係
、
、
燃
係、防汚塗料関係、大気汚染防止関係、
、防汚
、 気汚 防
、
船体付着生物対策関係等)
* EEDI : Energy Efficiency Design Index
EEOI : Energy Efficiency Operational Indicator
• 海洋開発分野
(洋上風力発電及び支援船、関連イ
インフラ関係等)
• その他の国際競争力確保に関係
係する分野
(船用弁関係 航海設備関係等)
(船用弁関係、航海設備関係等)
☞ この他でも日本発の国際規格提
提案を行うものは重点分野として扱う。
☞ 他国からの提案については、日本
本の海事産業の国際競争力の強化の
観点から精査し、必要な修正等を
を行っていく。
24
① 戦略的規格提
提案等への対応
a. 日本発ISO等提案
☞ 新規日本提案に関する取組(今後提案予定
定のアイテム)
規格番号
名称
提案時期
重点分野
ISO 17339
救命艇及び救助艇用シーアンカー(改正)
2014年5月
その他(救命及
び防火)
-
船内情報-実海域データ共有化のための船内データサー
バー要件(新規)
バ
要件(新規)
2015年3月
その他(航海)
-
船内情報-船舶機関、船体、荷役部のデータ標準(新規)
2015年3月
その他(航海)
-
高品位船内電話に関するISO規格(新規)
2014年11月
その他(航海)
ISO11674
船首方位制御装置(オートパイロット)(改正)
2014年11月
その他(航海)
ISO16329
高速船用船首方位制御装置(オートパイロット)(改正)
2014年11月
その他(航海)
b. 他国によるISO等提案への対応
☞ 船技協
船技協、海技研等は情報収集し、関係業界
海技研等は情報収集し 関係業界
界に問題提起(既存の分科会において実施
界に問題提起(既存の分科会において実施、
またeメールの活用)
☞ 必要に応じ作業部会等を速やかに設置
25
② 対応体
体制の強化
a. 関係者におけるISO等に関する認識
識の共有
b 役割分担を明確化したうえでの取組
b.
組の強化
c. ISO等に関する人材の確保・育成
d. 議長、国際幹事等のポストの確保
e. 日本における国際会議の積極的開催
催とそのための支援体制確立
f. 国際連携に関する枠組みの構築及び
び活用
26
② 対応体制の強
強化への対応1/2
a. 関係者におけるISO等に関する認識の共有
☞ 船技協は新たな方法(既存委員会等の活用、マ
マルチレベルの情報提供等)で情報提供を行う。
☞ ウェブサイト等電子媒体を活用した情報提供に
ブ
についても検討する。
b. 役割分担を明確化したうえでの取組の強化
<関係業界における取組み>
☞ 個々のISO規格等の提案・検討について専門家による対応の確保
☞ 日本原案の場合、規格原案作成、国内調整、国
国際対応を 貫して担当する専門家確保
国際対応を一貫して担当する専門家確保
☞ 企業活動等におけるISO規格等の位置付け、ISO
O等への取組に関する検討
<船技協、海技研等における取組み>
☞ 船技協は、海技研等と調整し、個々の案件対応
応にとどまらず横断的・継続的対応を図る
☞ ISO等の動向に関する情報収集・分析を行い、関
関係業界等に対し問題提起を行う
☞ 関係業界と協力しISO規格等の規格策定の対応
応等 適切に実施できるよう務める
応等、適切に実施できるよう務める
☞ ISOコーディネーターを特定し、研修への参加、国
国際会議への出席等の計画を立てる。
27
② 対応体制の強
強化への対応2/2
c. ISO等に関する人材の確保・育成
☞ セミナ
セミナー、研修等の情報提供実施、参加計画
、研修等の情報提供実施、参加計画
画立案
☞ 積極的かつ継続的に関連する国際会議に参
参加させる
d. 議長、国際幹事等のポストの確保
☞ 重点分野を中心に国際幹事等のポストの確保
保を行う
e. 日本における国際会議の積極的開催とそのた
ための支援体制確立
☞ ISO/TC8総会を5~10年の頻度で日本で開催
催
☞ 毎年1回以上のISO等の国際会議を主催
f. 国際連携に関する枠組みの構築及び活用
び
☞ 日中韓3カ国会合を毎年開催(3回に一回は日本で開催)
☞ 日常的に情報交換実施
28
2014年度の
の取組
① 戦略的規格提案等の実施
(1) 日本発国際規格の制定
例:電子傾斜計の試験に関
するISO規格等日本提案に
よる国際規格の制定に取り
組む
組む。
(2) ISO等への積極
ISO等 の積極的な対応
例:船体及びプロペ
ペラの推進効率に係
るISO規格等他国に
による国際規格提案
等について日本の関
関係業界等への影響
を的確に把握して対
対応する
対応する。
(3)JIS規格の制定
日本の関係業界等が必要
とするJIS規格の制定を
行う。
(4) 調査研究の実施
上記(1)~(3)を効果的または確実に実施するため、調査研究を実施する(後述)。
② 対応体制の強化
(a) 情報共有の促進
ISO等の規格審議状況等
に関する関係者との情報
共有を、関係分科会等に
おいて行う他、セミナー
等の説明会等の開催によ
り実施する
り実施する。
(c) 人材育成の促進
人材育成を図るため、
研修会の開催 国際
研修会の開催、国際
会議へ参加促進等を
行う。
(e) 国際会議開催誘致
関係小委員会、作業部
会等の主催及び誘致を
行う。
(f) 国際的協力体制の活用
日中韓MOUに基づくス
タッフ会議等の開催また
は参加を行い、情報共有
を行うとともに、日本提
案への理解促進を図る。
29
日本発の国際規格の
の制定
<日本提案の国際規格のうち2013年に制定したもの:4件、内新規3件>
規格番号
内容
制定年月
重点分野
ISO13073-2
殺生物性活性物質を用いた船舶
舶の防汚方法の
海洋環境リスク評価法(新規)
2013年6月
海洋環境
ISO16145-4
自動塩分濃度測定法(新規)
2013年2月
海洋環境
ISO16425
船内LAN装備指針(新規)
2013年2月
その他(航海)
ISO8277
船舶配管設備の主要データの構
構成と表示(改
正)
2013年6月
その他(バルブ)
<日本提案の国際規格のうち2014年に制定したもの:1件(改正)>
規格番号
ISO17357-1
内容
高圧式ラバーフェンダー(改正
正)
制定年月
重点分野
2014年1月
その他(甲板機
械)
30
日本発の国際規格の
の制定
<審議中のもの1/2>
13件、内新規6件
規格番号
内容
制定目標
重点分野
ISO/NP13073-3
殺生物性活性物質を用いた船舶
舶の防汚塗料
の塗装及び除去作業における人
人健康へのリ
スク評価法(新規)
2016年3月
海洋環境
ISO/DIS16554
商船から水中に発せられる音響
響の測定及び
報告(新規)
2014年7月
海洋環境
ISO/PRF17602
船用弁面間寸法(新規)
2014年3月
その他(バルブ)
ISO/PRF19292
炎式火災探知機(新規)
2014年3月
その他(救命及び
防火)
ISO/NP18079-5
ISO/NP18079
5
膨脹式救命設備の整備要件-第
第5部:膨脹
型救助艇(新規)
2015年5月
その他(救命及び
防火)
ISO/NP19697
電子傾斜計(新規)
2015年6月
その他(航海)
注: ISO規格は提案後、各種投票等を経て、NP→CD→D
DIS→FDIS又はPRF→ISO規格制定の順に審議が進捗する
31
日本発の国際規格の
の制定
<審議中のもの2/2>
規格番号
内容
制定目標
重点分野
ISO/NP 22472
航海情報記録装置(VDR)装備指
指針(改正)
2016年1月
その他(航海)
ISO/DIS15016
試運転速力補正方法(改正)
2014年12月
海洋環境
その他(航海)
ISO/FDIS8728
船用ジャイロコンパス(改正)
2014年5月
その他(航海)
ISO/PRF16328
高速船用ジャイロコンパス(改
改正)
2014年3月
その他(航海)
ISO/PRF22090 1
ISO/PRF22090-1
真船首方位信号伝達装置(THD
D)
-第1部:ジャイロコンパス方式
式(改正)
2014年3月
その他(航海)
ISO/PRF22090-2
D)
真船首方位信号伝達装置(THD
-第2部:地磁気方式(改正)
2014年3月
その他(航海)
ISO/PRF22090-3
D)
真船首方位信号伝達装置(THD
-第3部:GNSS方式(改正)
2014年3月
その他(航海)
注: ISO規格は提案後、各種投票等を経て、NP→CD→D
DIS→FDIS又はPRF→ISO規格制定の順に審議が進捗する
32
調査研究(国際規格関
関係)
<国際規格の提案に向けた調査研究>
テーマ
(実施期間)
背景
2013年度の成果
目標
ISO-1
復原性監視装置の国際規格
化(2011~2013年度)
船舶の安全性向上のため復原性
に係る情報に関する国際規格が
必要
電子傾斜計の試験方法に関す
るISO規格原案の作成
ISO-3
海洋環境、海洋開発に関す
るISO規格制定への戦略的対
応
(2013~2015年度)
ISOにおける海洋環境及び海洋開
発に関連する規格策定の増加傾
向の動向を踏まえ、我が国海事
産業の国際競争力を活かすISO戦
略が必要
海洋環境、海洋開発等に係る
ISOへの戦略的取組方針につ
いて、専門的観点からの検討
を行うとともに 同方針案に
を行うとともに、同方針案に
基づく対応、結果のレビュー
及び課題の明確化等を実施
ISO-2
電子傾斜計、高品位船内電
電子傾斜計
高品位船内電
話等航海に関する機器のISO
規格制定(2014年度)
電子傾斜計に関し、IMOの性能
基準に対応する試験規格(ISO規
格)が必要。また、船内電話等
に関しても、信頼性を確保する
ために試験規格が必要
-
日本製品の使用に合致した新
規国際規格を制定することで
規国際規格を制定することで、
日本の関係者による世界市場
への展開を円滑にする。
ISO-44
ISO
シーアンカー等救命設備に
関するISO規格等の制定
(2014年度)
IMO作成の救命設備コードにお
IMO作成の救命設備コ
ドにお
ける引用を目的としたISO 17339
「救命艇及び救助艇用シーアン
カー」の改正
ISO 17339の改正において日
本製品をベースにした規定を
盛り込む
-
ISO-55
ISO
船内情報等新技術に関する
ISO規格等の制定
(2014年度)
舶用機器を高度に連携させたシ
ステム構築に向けた検討(ス
マートナビゲーションシステ
ム)が関係業界において推進中
スマートナビゲーションシス
スマ
トナビゲ シ ンシス
テムの実現に向け必要となる
新規国際規格(ISO規格)の
策定
-
調査研究成果に基づ
く電子傾斜計に関す
る新規ISO規格原案
を提出、現在
NP/CD/PAS投票中
/ /
投票中
ISO/TC8の場におけ
る海洋環境に係る標
準化の動向について
調査し 今後の方針
調査し、今後の方針
を明確化した
担当
分科会
航海
環境
航海
救命防火
航海
調査研究(JIS F関係
係)
<JIS F策定に向けた調査研究>
テーマ
テ
マ
(実施期間)
2013年度の成果
年度の成果
背景
目標
JIS-1
小型高速艇アルミニウム
艤装品設計基準
(2011~2013年度)
主要ぎ装品の規格化
により中小型造船所
における設計時の負
担を軽減するため
主要艤装
装品(クロ
スビット、ハッチ、
手すり、ダビッド
手すり、
ダビ ド
等)のJJIS原案作成
クロスビット及びハッチの原
案作成に必要な数値を調査研
究により得たうえで 新規原
究により得たうえで、新規原
案の作成に着手したため、終
了。
JIS-2
防汚物質・防汚塗料の海
洋環境リスク評価法のJIS
化
(2012~2013年度)
防汚塗料に関する
ISO規格13073の国内
での運用に際し解
釈・手順を明確にす
釈
手順 明確 す
ることが必要
防汚塗料
料の環境リ
スク評価
価方法に関
するJIS
S原案作成
ISO 13073-1及び-2に対応する
新規JIS F原案の作成が完了し
た。
JIS-3
蓄電技術の標準化
(2012~2014年度)
実用化が始まってい
る新型蓄電池の利用
促進・安全確保のた
めに、統一された規
格が必要
リチウム
ムイオン電
池等新型
型蓄電池の
舶用利用
用に関する
JIS原案
案作成
大型船を対象としたJIS F「船
用電気設備 大容量リチウム
二次電池システム」の素案を
作成した。
担当
分科会
甲板機械
環境
電気設備
34
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