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第2 微生物の制御対策(PDF:101KB)
第2 微生物の制御対策 まず、はじめに食品の安全性を考える上で、最も重要なのは「食中毒予 防」です。予防するには、原因となる微生物(細菌やウイルス)を制御す る方法について知っておく必要があります。 カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌、病原 性大腸菌、ウエルシュ菌、ボツリヌス菌など、皆さんがよく聞かれる名前 がたくさんあります。このような微生物が引き起こす食中毒は、食中毒全 体の約90%を占めています。 人命に直接影響を及ぼす食中毒を予防するには、これらの微生物をどの ように制御するかにかかっています。 【ちょっと一言!】 微生物について この手引でいう「微生物」とは、食中毒の原因となる細菌とウイルスの ことです。 1 微生物制御の条件 微生物が増えるには、 制御するには、 ○栄養分 ○施設・設備の清潔と乾燥 ○水分 ○食品の加熱・冷却工程管理 ○温度 ○食品の迅速な処理 が必要 が重要 ここがポイント! 微生物が増えるには、①栄養分 ②水分 ③温度 の3つの条件が必要 です。 ですから、施設・設備を清潔に保ち、乾燥することが必要です。また、 食品の加熱・冷却工程の管理、適温保存、すばやく食品を処理することが 微生物を制御するために重要となります。 2 食品衛生の三原則 微生物が原因となる食中毒の多くは、食品や体内で増えた微生物そのも のや微生物が出す毒素によって発生します。そのため、食品に微生物を「つ - 5 - けない、ふやさない、ころす」ことが重要です。 ○「食中毒予防の三原則:つけない、ふやさない、 ころす」を守ることが必要です。 ここがポイント! (1)つけない 食品を取り扱う場所、設備、機械・器具を微生物に汚染させないこと が重要なチェックポイントとなります。 まず、機械・器具、備品や製造室の床に食品の残さが残らないように 洗浄・殺菌して十分乾燥させることと従業員の手指の洗浄・殺菌により 微生物による汚染を防ぐことができます。 (2)ふやさない 食品には、微生物を飛躍的に増殖させる栄養分と水分があります。い くら清潔な環境で食品を製造しても増殖に適した温度に長時間放置して おくと爆発的に増加していきます。すばやく作業してすばやく冷蔵庫に 入れることが大事です。 微生物の多くは、10℃以下の温度ではあまり増えません。食品を保 存する際は冷蔵や冷凍保存し、微生物を増やさないことが大切です。 (3)ころす 微生物の多くは30℃∼45℃でよく増殖しますが、65℃以上では 増えませんし、80℃以上では、ほとんどの微生物が死滅します。 このため、加熱により微生物を殺すことができますが、十分に食品に 熱がとおったのを確認しなければ殺菌したことにはなりません。 栄養 水分 温度 - 6 - こんなに なっちゃ った!?