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Press Information
2009 年 11 月 17 日
コ ン ビ株式会社
社長:松浦 弘昌 資本金:29 億 9,192 万円
(東証第一部: 7935)
〒111-0041 東京都台東区元浅草 2-6-7
TEL:03-5828-7666 FAX:03-5828-7665
コンビ プライマリー・オーラルケア研究会が母親調査を実施
「赤ちゃんのお口とおっぱい」意識・実態調査
~母親の 3 人に 2 人は授乳について不安~
~授乳の不安の解消方法、トップは「ネットで検索」~
コンビ株式会社は、「おっぱいからはじまる口腔発育」をメインテーマに、一貫性のある乳幼児期の
用具開発と発達支援、情報発信を目的とする「プライマリー・オーラルケア研究会」(以下、P・O 研究会)
を本年 11 月 17 日(火)に発足いたしました。その活動の一環として、現在 3 歳(生後 36 ヶ月)までの子ど
もがいる母親を対象に、授乳や乳児の口腔発育に関する「赤ちゃんのお口とおっぱい」意識・実態調査
を実施いたしましたので、結果をご報告いたします。
調査では授乳に対する母親の不安や、その解消策として圧倒数がインター
ネットに頼る傾向など、現代を反映した母親と赤ちゃんの問題が顕在化しまし
た。また哺乳期は「口と舌をつかった哺乳運動」を通じて、赤ちゃんのお口が発
達する重要な時期であるにも関わらず、授乳において「口と舌の運動」を意識し
ている母親は半数未満、哺乳びんの選び方も価格や使い勝手重視となり、お
口の機能の発達は、やや軽視されている実態が明らかになりました。P・O 研究
会としては、これからも「おっぱいからはじまる口腔発育」の重要性について継
続的に支援・情報発信をすすめていく必要性を改めて認識いたしました。
【調査結果のまとめ】
●産前の母親のうち 3 人に 2 人は授乳について不安・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.2
-不安が「とてもあった」「少しあった」の合計が 65.3%に。
●母親全体の 30.5%が退院後の授乳方法の変更歴あり・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.3
-変更歴のある母親のうち「産後 3 ヶ月以内」での変更が 62.6%にものぼる。
●母乳のメリット1位「免疫物質」、ミルクのメリット 1 位「自分以外の家族も可能」・・・P.4
-「口や舌の運動」は母乳では 44.2%、ミルクでは 6.4%と大差。
●育児もネット社会。授乳の不安・不満解消に「ネットで調べた」が 1 位に・・・・・・・・・・P.5
-産後、母親全体の 2 人に 1 人が授乳方法に不安。
母乳派の 1 位「量が足りているかわからない」。ミルク派の1位「母乳の量が少ない・出ない」。
●哺乳びんを選んだ理由、「自分で調べた」は 26.7%。曖昧な理由が多数に・・・・・・・・・・・P.6
-保有する哺乳びん、価格や使い勝手を重視する傾向に。
【調査概要】
□調査期間:2009 年 9 月 28 日~10 月 1 日
□対象:全国 0 ヶ月~36 ヶ月までの子どもを持つ母親 455 人
□方法:インターネットによるアンケート回答方式
*本調査における授乳とは、母乳、ミルクを赤ちゃんに与えることを指します
■授乳の現状と母親の想い
(1)母親の 3 人に 2 人は授乳について不安。
産前の授乳に関する不安の程度を尋ねたところ、「とてもあった」「少しあった」の合計が
65.3%と、母親の約 3 人に 2 人という高い割合で不安を感じていたことが分かりました。
(図 1)
(2)産前の母親の 60.7%が、「母乳のみ」での育児を希望。
産前の授乳意向については、「母乳のみで」が 60.7%に対し、「ミルクのみで」は 1.5%に過ぎ
ず、「母乳で育てたい」と考えていた母親が多いことがわかりました。
(図 2)
(3)現在の授乳方法は、「母乳派」が約7割。
P・O 研究会では、いわゆる「母乳とミルクの混合栄養」で授乳している母親について、さらに
細かく「母乳中心で、状況に応じてミルクを足す」タイプと「ミルクが中心で、母乳も飲ませて
いる」タイプとに分けて考えています。
この視点で現在の授乳方法について尋ねたところ、
「母乳のみ」
(44.8%)、
「母乳中心のミルク
との混合」
(25.1%)、
「ミルク中心の母乳との混合」
(15.8%)、
「ミルクのみ」
(14.3%)となりま
した。(図 3)
「母乳のみ」と「母乳中心のミルクとの混合」の母親を合わせて「母乳派」と考えると、完全
に「母乳のみ」で育てている母親は、産前の希望よりも減少するものの、母乳中心で育てている
「母乳派(母乳のみ+母乳中心のミルクとの混合)」は 69.9%と 7 割近くとなり、多くの母親が
母乳中心の育児をしていることがわかりました。
図 1【産前の授乳に関する不安】(n=455, SA)
図 2【産前の授乳意向】(n=455, SA)
生まれてか
ら考えようと
思っていた
11.9%
とてもあった
18.3%
まったく
なかった 8.1%
あまり
なかった
26.6%
ミルクのみ
で
1.5%
65.3%
母乳のみで
60.7%
母乳と
ミルクの
混合で
25.9%
少しあった
47.0%
図 3【現在の授乳方法】(n=455, SA)
ミルク中心の
母乳との混合
15.8%
母乳中心の
ミルクとの混合
25.1%
母乳のみ
44.8%
母乳派 69.9%
0%
20%
ミルクのみ
14.3%
40%
ミルク派 30.1%
60%
2
80%
100%
■授乳方法の変更について
(4)母親全体の 30.5%が退院後の授乳方法の変更歴あり。
授乳方法の変更は、3か月未満で行なわれることが6割以上。
退院後の授乳方法の変更の有無について尋ねたところ、30.5%が「ある」という回答でした。
(図 4)また変更経験が「ある」と回答した 139 人を対象に、変更した時期について尋ねたとこ
ろ、「産後 1 ヶ月未満」が 28.1%、「1~3 ヶ月未満」は 34.5%となり、6 割以上の 62.6%の母親
が「3 ヶ月未満」で変更していることがわかりました。
(図 5)産後、母親の授乳スタイルが安定
するまでには 3 か月近くかかるケースが多いといえそうです。
(5)変更した理由は、母乳の出方や赤ちゃんの事情。
授乳方法を変更した理由では、
「母乳が出なく・少なくなった」
「母乳が出るようになった」と
いったおっぱいの状態が上位にあがりました。また、
「赤ちゃんが嫌がるようになった」
「赤ちゃ
んが受け付けてくれるようになった」といった赤ちゃん側の事情もあり、お母さんのおっぱいと
赤ちゃんの事情がうまく合えば、母乳中心に変わる可能性も十分あることがわかります。(表 1)
表 1【授乳方法の変更理由】(n=139, MA)
1位
図 4【退院後の授乳方法の変更有無】
(n=455, SA)
2位
ある
30.5%(139人)
3位
4位
ない
69.5%(316人)
5位
6位
6位
母乳が出なく・
少なくなったので
母乳が出るように
なったので
母乳が足りなく
なったので
赤ちゃんが嫌がる
ようになったので
医師や助産師に
すすめられて
赤ちゃんが受け付けて
くれるようになったので
自分の体調が優れず
図 5【初めて授乳方法を変更した時期】(n=139, SA)
(%)
40
35
30
25
20
15
10
5
0
28.1
34.5
16.5
10.8
産
後
1
ヶ
月
未
満
1
ヶ
月
か
ら
3
ヶ
月
未
満
3
ヶ
月
か
ら
6
ヶ
月
未
満
3
6
ヶ
月
か
ら
9
ヶ
月
未
満
7.2
9
ヶ
月
か
ら
12
ヶ
月
未
満
2.9
12
ヶ
月
以
上
31.7%
26.6%
24.5%
12.9%
11.5%
10.8%
10.8%
■母乳・ミルクのメリット
(6)母乳のメリット1位は「免疫物質」(84.8%)、ミルクのメリット1位は「自分以外の家族も
可能」(75.8%)
母乳とミルクのそれぞれのメリットについてどう捉えているか、全員に尋ねたところ、母乳の
1 位は「免疫物質が含まれている」
(84.8%)で圧倒多数からの回答が得られました。次いで 2 位
「経済的である」(72.1%)、3 位「母子の絆が深まる」(71%)と続きました。(図 6)
一方でミルクのメリットは、1 位「自分以外の家族も飲ませることができる」(75.8%)、2 位
「飲んだ量が分かりやすい」
(71%)
、3 位「外出時でも人前でも飲ませることができる」
(68.4%)
となり、母乳、ミルクそれぞれに、栄養面や使い勝手の良さなど別のメリットを母親は感じてい
ることがわかりました。
(図 7)
「口や舌の運動」をメリットに選択した母親は、母乳(44.2%)、ミルク(6.4%)。
P・O 研究会で提案している「おっぱいからはじまる口腔発育」にかかわる「口や舌の運動」を
母親がどう捉えているかを見てみると、母乳については全体の 44.2%が「母乳は口や舌の運動を
促す」というメリットを認識していましたが、ミルクについてはわずか 6.4%しか、そのように
捉えていませんでした。
(図 6、7)
赤ちゃんの口腔発育は、おっぱいを飲むときに口や舌を動かす「哺乳運動」によって促進され
ますが、母乳と比べてミルクでは口や舌の運動になるという認識が少ないことが伺えます。
(%)
90
図 6【母乳のメリット】(n=455, MA)
84.8
80
72.1
70
71 69.9
59.8 58.7
60
48.8 44.2 43.3 42.4 42.2
50
40
27.5
30
12.7 11.9
20
9.2
10
図 7【ミルクのメリット】(n=455, MA)
75.8
71
68.4
50.3 47.5
40
42.2
30.3
30
20.4 18.5
20
6.4
10
6.2
5.9
3.3
1.1
0.4
そ の他
経 済 的 であ る
特 に メ リ ット は な い
消 化 ・吸 収 に 優 れ て い る
衛 生 的 であ る
4
赤 ち ゃん の口 や舌 の
運 動 にな る
赤 ち ゃん の栄 養 上
優 れ て いる
4
授 乳 時 間 が短 い
断 乳 の苦 労 の心 配
がな い
ア ル コー ル な ど の
食 事 制 限 がな い
足 り な い分 を 補 え る
腹 持 ち が良 い の で
赤 ち ゃん が良 く 寝 る
外 出 時 でも人 前 でも
飲 ま せ る こと が で き る
飲 ん だ 量 が分 か り
やす い
自 分 以 外 の家 族 も 飲 ま
せ る こと が で き る
0
0.7
そ の他
50
1.1
特 に メ リ ット は な い
60
排 卵 が な い の で自 然
な避 妊 にな る
育 児 に自 信 が持 て る
70
母 親 が癌 な ど の疾 患 に
か か り に く い 赤 ち ゃん を か わ い いと
思 う ホ ル モ ン が出 る
ダ イ エ ット に な る
80
赤 ち ゃん の情 緒 が
安定 する
寝 か し つけ が楽
(%)
赤 ち ゃん の口 や舌 の
運 動 にな る
消 化 ・吸 収 に 優 れ
て いる
産 後 の 母 体 (子 宮 )
の回 復 が早 い
ど こ で も 授 乳 が可 能
赤 ち ゃん の栄 養 上
優 れ て いる
母 子 の絆 が深 ま る
経 済 的 であ る
母 乳 に は免 疫 物 質 が
含 ま れ て いる
0
■授乳方法の不安・不満内容とその解消策
(7)産後、母親の 2 人に 1 人は授乳方法に不安を感じるが、頼りにするのは「専門家」より
も「インターネット」。
現在もしくは過去に、授乳方法に不安や不満があったかどうか尋ねたところ、母親の 2 人に
1 人にあたる 50.5%は不安・不満が「ある/あった」と答えていました。
(図 8)この不安を解消
する対策について尋ねたところ、1 位「ネットで調べた」
(64.8%)、2 位「身近な人に聞いた」
(50%)、
3 位「育児雑誌での情報収集」
(37.4%)と、専門家よりネットや身近な人など、手軽に収集でき
る情報を頼りにしていることが分かりました。
(図 9)
また、「何もしなかった」という回答も 1 割以上あり、困っても特に対策をせず過ごしている
母親の存在も明らかになりました。
(8)「母乳派」の不安・不満 1 位は「授乳量が足りているかわからない」、
「ミルク派」は、 「母乳が少ない・出ない」こと
さらに「母乳のみ」
「母乳中心のミルクとの混合」
「ミルク中心の母乳との混合」
「ミルクのみ」
のそれぞれの授乳方法における不安・不満の内容をまとめてみると、「母乳のみ」「母乳中心の
ミルクとの混合」の不安・不満の1位は、いずれも「授乳量が足りているか分からない」でした。
一方で、
「ミルク中心の母乳との混合」
「ミルクのみ」の授乳方法における不安・不満の1位は
いずれも「母乳が少ない・出ない」となりました。「母乳とミルクとの混合」といっても、母乳
中心かミルク中心かによって、異なる意見を持っていることが分かります。(表 2)
なお、「母乳派」は「授乳量」と「おっぱいのトラブル」といった授乳という行動に伴う物理
的な不安・不満が多いのに対し、「ミルクのみ」の母親は「母乳をあげていないことへのストレ
ス」「周囲の反応」など精神的な不安・不満が上位となりました。母乳を十分にあげられない母
親に対しての精神的なケアも重要であるといえます。
.
図 8【授乳方法の不安・不満有無】
(n=455, SA)
図 9【不安・不満解消のための対策】(n=230, MA)
(%)
70
64.8
60
50
50
37.4
40
25.7
30
20
10.4
10.4
10
1.7
そ の他
何 も し な か った
近 く の産 院 や
母 乳 外 来 に 行 った
検 診 で専 門 家 に
相 談 した
自 分 の産 院 や
母 乳 外 来 に 行 った
育児雑誌 での
情報収集
0
身 近 な 人 に聞 いた
ある/
あった
50.5%
(230人)
ネ ッ ト で 調 べた
ない/
なかった
49.5%
(225人)
24.8
表 2【授乳方法別 不安・不満】(MA)
母乳派
母乳のみ ( n=100)
1位
授乳量が足りているか
分からない(78.0%)
2位
おっぱいが張って痛い
(66.0%)
3位
乳首が噛まれて痛い(53.0%)
アルコールなどの食事制限が
ある(53.0%)
ミルク派
母乳中心の
ミルクとの混合 (n=60)
授乳量が足りているか
分からない(65.0%)
おっぱいが張って痛い
(51.7%)
授乳が頻繁にある(51.7%)
アルコールなどの食事制限が
ある(45.0%)
5
ミルク中心の
母乳との混合 (n=38)
ミルクのみ (n=32)
母乳が少ない・出ない(76.3%)
母乳が少ない・出ない(65.6%)
授乳量が足りているか
分からない(68.4%)
経済的ではない(43.8%)
人前であげにくい(50.0%)
母乳をあげていないことへの
ストレス(34.3%)
周囲の反応(34.3%)
■哺乳びんの保有状況と選び方
(9)9 割以上が哺乳びんを保有、選択理由は「なんとなく」「もらったから」と曖昧。
哺乳びんの保有率は、「持っている」
(81.6%)、
「持っているが使っていない」(13.8%)とい
う結果でした。授乳方法に関わらず、ほとんどの母親が哺乳びんを保有しています。
(図 10)
さらに哺乳びんの選択理由を尋ねたところ、「なんとなく」、「もらったので選んでいない」な
ど、曖昧な理由が大半を占め、明確な選択基準がないままに哺乳びんを選んでいることが明らか
になりました。一方、「自分で調べてよいと思ったから」は 26.7%に留まりました。(図 11)
(10)哺乳びんは、使い勝手や価格など利便性を重視。
使用している哺乳びんについては、9 割以上の母親が満足していることがわかりました。満足
している理由のトップ 3 は、1 位「値段が手ごろ」(34.5%)、2 位「サイズが適切」
(32.2%)、
「洗浄や消毒が楽」
(31.0%)と、使い勝手の良さが上位に。機能性については、
「母乳と同じよ
うに飲める」(26.0%)、「あごの発達によい」(12.6%)と、利便性より低い回答となりました。
(図 12)
図 10【哺乳びんの保有状況】(n=455, SA)
図 11【哺乳びんの選択理由】(n=434, SA)
使っている人を良く
見かけるから
1.6%
持っているが使っ
ていない
13.8%
繰り返し購入し
やすいから
1.6%
どこにでも売って
いるから
7.4%
持っていない
4.6%
その他
1.8%
自分で調べてよいと
思ったから
26.7%
人に薦められ
たから
8.3%
病院で使っていたの
と同じもの
だから
もらったので
10.4%
選んでいない
20.1%
持っている
81.6%
(%)
40
35
図 12【哺乳びんに満足している理由】(n=342, MA)
34.5
32.2
31
30
26.6
25
26
20
14.6
15
13.5
12.6
7.6
10
2.6
5
2
3.8
そ の他
冷 め やす いから
母 乳 よ り も良 く飲 む
から
腕 や手 が疲 れ な い
デ ザ イ ンだ か ら
赤 ち ゃん の あ ご の発 達
に良 い か ら
6
デ ザ イ ンが かわ い い
から
外 出 時 の持 ち 運 び が
便 利 だ から
母 乳 と 同 じ よ う に飲 め
る から
壊 れ にく いから
洗 浄 や消 毒 が楽 だ か ら
サ イ ズ が適 切 だ か ら
値 段 が手 ご ろ だ か ら
0
なんとなく
22.1%
■今回の調査から
授乳は母子コミュニケーションとお口の発達の基礎づくり
聖マリア学院大学看護学部 教授/歯学博士
松原まなみ先生
今回の調査では、授乳に関して不安や悩みを抱えているお母さんが多いことが
改めて明らかになりました。お産や育児用品の情報はあふれているものの、授
乳に関する必要な情報があまり届いていないのではないでしょうか。
たとえば、授乳方法を変更した人の 6 割以上が出生後 3 ヶ月未満で変更しており、「母乳が出る
ようになった」「赤ちゃんが飲めるようになった」という理由を挙げるお母さんが多くいること
からも分かるように、母乳での授乳には母子ともに習熟が必要で、3 ヶ月くらいはお互いが試行
錯誤を繰り返しながらだんだんにできるようになっていくものです。
また、不安や悩みがあるとき、インターネットを活用している人も多いようですが、自己診断で
は解決できない場合もあります。たとえば、本当に母乳が足りていないのか、赤ちゃんが飲めて
いないのかどうかは、とくに第1子の場合、お母さん自身で判断するのは難しいので、赤ちゃん
とお母さんの様子をよく診てくれる助産師や母乳外来などの専門家に相談することをお勧めし
ます。
赤ちゃんにとっておっぱいを飲むことは、栄養や免疫を受け取り母親との絆を確認するだけでな
く、後のお口の発達の基礎づくりでもあります。実は赤ちゃんは母乳を飲むときに、ただ吸って
きゅう てつ
いるのではなく、舌と下あごをダイナミックに動かして飲んでいます。この動き( 吸 啜運動)
は口やあごにとっては相当な運動を必要とし、楽に飲める哺乳びんに慣れてしまうと、母乳を嫌
がってしまうのです。「乳頭混乱」は、「赤ちゃんが飲まない・嫌がる」原因のひとつです。
このように、哺乳びんは授乳における重要なサポート役であるにもかかわらず、上手な使い方を
しないと「母乳」と併用することができなくなってしまうこともあります。ところが、きちんと
選ぶ意識のあったお母さんは 3 割以下という結果でした。赤ちゃんのお口のために、経済性や利
便性だけでなく、機能面にも注意して選んでほしいものです。
授乳はお母さんと赤ちゃん相互の大事なコミュニケーション。専門家や哺乳びんなどのサポート
ツールを上手に活用して、大切な授乳タイムを思いきり楽しんでほしいと思います。
【哺乳びん選びのチェックリスト】
人工乳首(赤ちゃんのお口のために)
■ 母乳のように口を大きくあけ、下あごをよく動かして飲めるもの
■ 飲むときに一定の時間がかかるもの/逆さにしたときにミルクがもれないもの
本体(安全とお手入れのために)
■ プラスチック製の場合は、環境ホルモンの心配のないもの
■ お出かけ用と自宅用を別に考える(お出かけ用は多め、自宅用は少なめ)
松原まなみ先生 プロフィール
島根県出身
看護師
助産師
保健師
歯学博士
京都大学医療技術短期大学部専攻科卒業後、北野病院(大阪)にて助産師として勤務。その後、千葉大学看護学
部に編入し、同大学院研究科看護学専攻へ進学。看護学修士号取得。京都大学、鳥取大学などで看護教育経験の
後、母乳コンサルタントとして助産院開業。その間、朝日大学歯学部小児歯科学講座にて研究生を経て、2001 年、
博士号(歯学)取得。岡山県立大学助教授、福岡県立大学看護学部教授を経て、現在、聖マリア学院大学教授。
7
■プライマリー・オーラルケア研究会とは
コンビは、『生まれた直後から 3 歳頃までの口まわりの発育(口腔発育)を統合的に考えることが、その後
の子どもの成長のために重要』と考え、一連の発育に関わる口腔ケアを「プライマリー・オーラルケア」と
位置づけています。
そして、これまで行なってきた哺乳研究(哺乳運動など)、育児研究などで得られた様々な成果を、さらに
口腔発達領域全般の研究へと拡大・発展させる為に、様々な専門分野の先生方との学際的な
インターディシプリナリー
(interdisciplinary)研究を推進すべく、2009 年 11 月に「プライマリー・オーラルケア研究会」を発足させま
した。
本研究会では、「おっぱいからはじまる口腔発育」をメインテーマとした一貫性のある研究を通じて、乳幼
児期の用具開発と発達支援、情報発信に努めて参ります。
【団体概要】
正
式
発
研
名
称
足
究
内
:『プライマリー・オーラルケア(略称:P・O)研究会』
:2009 年 11 月 17 日 (http://www.combi.co.jp/company/po/index.html)
容
:「おっぱいからはじまる口腔発育」をメインテーマとした、
専門諸分野の学際的な研究。
運
営
体
制
:本研究会は口腔発達領域を 4 分科会制として推進。
「小児歯科・成育歯科分科会」
「母乳育児分科会」
え ん げ
「摂食・嚥下分科会」
「手とお口の協調運動分科会」
主 席 研 究 員 :松原 範宜
≪コンビ株式会社≫
報道各位からのリリースに関するお問い合わせ先
経営企画部 広報担当
安藤・須田
TEL:03-5828-7607/FAX:03-5828-7662
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