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補助事業番号 16-15 補助事業名 平成16年度炭素繊維を利用した環境

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補助事業番号 16-15 補助事業名 平成16年度炭素繊維を利用した環境
補助事業番号
16-15
補助事業名
平成16年度炭素繊維を利用した環境対応型自動車部品開発等補助事業
補助事業者名
財団法人えひめ産業振興財団
1.補助事業の概要
(1)事業の目的
えひめ産業振興財団では、県内の機械(部品)製造業者等のほか、愛媛県工業技術センタ
ー、愛媛大学(工学部)、東レ(株)複合材料研究所などの研究機関の協力を得て、炭素繊維
を利用した自動車ホイールの開発に取り組むことにより、自動車の軽量化による燃費の向
上・環境負荷の軽減に寄与するとともに、電気自動車等の新エネルギー自動車の開発促進
に寄与する。
(2)実施内容等 http://www.ehime-iinet.or.jp/techno/info/keirin/keirinmain.html
ア.研究開発事業
(ア) 炭素繊維ホイールの企画設計事業
CFRPホイールのアフターマーケットでの量産販売を本事業での第一目標とし、
その基準を満たす事を前提として設計基準を設定した。また、試作品のテスト
基準については、新規素材であるCFRP ホイールでの検証するべき技術基準の規
定が現在無いため、国土交通省の定める「乗用車用軽合金製ディスクホイール
の技術基準(以下JWL基準)」または「トラックおよびバス用軽合金ディスクホイ
ールの技術基準(以下JWL-T基準)」を使用することとした。
まず、初期構造解析を行うにあたって、デザイン(意匠設計)を、一般的にア
ルミホイールの軽量化に有効な5本スポークタイプのデザインを基準として下
図のとおり作成した。
・ホイールサイズ
17×8・1/2 JJ
・ボルト穴、P.C.D P.C.D100-5H
《ここに画像1を入れる》
この設計図を基に、FEM 解析法(有限要素法)により新規素材の材料定数や定
義を入力し強度解析を行った。検討の結果、強度不十分と思われる部分に補
強(素材追加)をすることとした。
これら検討内容と、金型製作に関する機能、デザイン、強度、安全、熱、
コスト等のファクターを総合的に検討した上で金型を製作した。
(イ) 試作品の製造事業
材料は CF-SMC と GF-SMC の2種類を使用し、以下の成形条件を変えながら最
適な成形条件を探った。
・成形圧力(1500 トンプレスにより設定)
・金型温度(蒸気ボイラーにて温度を調節)
・成形時間(材料に対して圧力保持をしている時間)
・チャージ量(金型にセットする材料重量)
・材料形状(金型の各部位に材料をセットするが、その材料の形状)
不良品の殆どが、意匠面のアウターフランジ部の欠肉不良であった。材料
のチャージ量や配置方法等の成形条件を変えることで、良品を成形すること
が出来たが、バリが発生した分、所定寸法より大きく出来上がっている。
《ここに画像2を入れる》
イ.試作品の試験事業
(ア)
CFRP ホイールの圧縮試験
万能試験機でアルミホイールと CFRP ホイールのアウターフランジ面から
負荷をかけて、弾性変化を測定した結果、歪みもほぼ同じであり、アルミホ
イール相当の耐荷重性が確認できた。
(イ)
CFRP ホイールの破壊試験
CFRP ホイールを傾斜 75 度で、破壊するまでスポーク間に加重した。3ト
ンまで加重したところで、スポークとリム部の接合部から破壊が発生した。
静的荷重試験ではあるものの、衝撃試験には耐えるものと予想される。
(ウ) CFRP ホイールの空気漏れ試験
成形良品について、実際にタイヤを装着し所定空気圧まで空気を挿入し、
これを水中に沈めて空気が漏れないかどうか確認を行った。スポークとリム
部の接合部等から気泡が認められた。
(エ) テストピースによる気密試験
所定圧力により成形したテストピースを、作製した試験用治具により
0.5MPaの空気圧をかけ圧力の低下を観測した。結果は 10 日間で 0.15MPaの
低下が見られたが、これはゴムのガスの透過性の範囲内であり、問題ないこ
とが判った。
(オ) 硬度試験
ビッカース硬さ試験機を用いて、
荷重 200g の条件で測定を行なった。
CF-SMC
のほうが Al 合金より平均値で2倍程度硬いが、ばらつきは CF-SMC では非常
に大きい。
(カ)熱膨張率測定
熱機械分析装置(TMA)を用いて試験片の熱膨張率を測定した。その結果、平
均値として 2.2×10-6 /℃が得られた。これはアルミ合金の熱膨張率 23.6×10-6
/℃の約 10 分の1である。
(キ)耐久性試験
試験 a:高温曲げ強度試験 試験 b:加熱老化耐久性試験
試験 c:耐寒試験
試験 d:冷熱繰り返し試験
試験 e:耐湿試験
試験 f:耐水試験
試験 g:耐塩水試験
これら7種類の耐久性試験を実施し、以下の結果となった。(相対比較)
《ここに表1を入れる》
データのばらつきを考慮しても、本 CF-SMC の強度と弾性率は,試験 a を除
く環境試験の影響をほとんど受けていないと結論できる。
(ク)
クリープ試験
CFRP ホイールをボルトで所定のトルクにより車体に取り付けた後に、ボル
トのゆるみが懸念されため、試験用治具を製作しテストピースに一定の荷重
をかけ、金属材料の時間の経過に伴うクリープ変形量を測定した。今回の検
査治具での歪み量の発生要因は、塑性変化と気温の変化による影響とが混在
していると考えられ、クリープ試験については再考する必要があるとの結論
に達した。
(ケ)
JWL 基 準 試 験 ・ ・ ・ JWL 基 準 に つ い て は 以 下 の ホ ー ム ペ ー ジ を 参 照
http://www.jawa.jp/download/chap04.pdf
(i)回転曲げ疲労試験
スポークとハブ部との接合箇所にき裂が発生した。
(ii)半径方向負荷耐久試験
試験前の最大タイヤ空気圧(6.0kg/cm2)に上げようとしたところ、タイ
ヤ空気圧約 5.0kg/cm2 のところで、リム部の約半分が崩壊した。
(iii)衝撃試験
落下部分はリム部まで崩壊が見られ、落下部分以外でもリム部とスポ
ーク部の接合部で断裂が発生した。
以上3種類の試験は全てが判定基準には達しておらず、CFRP の特性が生か
された製品に出来上がっていない。原因は炭素繊維とプラスチックが十分圧
着されないことでおきた機械的強度不足であると思われる。
2.予想される事業実施効果
今年度の研究成果として最も大きかったのが、CF-SMC を使ってホイール形状を成形する
ことが出来たことである。さらに、CFRP ホイールの安全基準を作るために実施した CFRP の
各種物性試験についても、大きな問題となるようなデータは出なかった。ただ、JWL 基準に
よる3種類の試験結果は全てが判定基準には達しておらず、CFRP の特性が生かされた製品
に出来上がっていないことが判明した。原因は炭素繊維とプラスチックが十分圧着されな
いことでおきた機械的強度不足であると思われる。この CFRP ホイール試作品の抱えている
この問題を解決することで、実用化の道が開けるものと考えている。対策としては、所定
成形圧を CF-SMC に均一にかけることができる金型の製作がポイントとなる。
3.事業により作成した印刷物等
成果報告書
「平成16年度炭素繊維を利用した環境対応型自動車部品開発等補助事業」
4.事業内容についての問い合わせ先
団体名:財団法人えひめ産業振興財団
住
所:791-1101
愛媛県松山市久米窪田町337−1
代表者:理事長
麻生 俊介(アソウ シュンスケ)
担当部署:新事業課(シンジギョウカ)
担当者名:森井 祐介(モリイ ユウスケ)
電話番号:089-960-1100
FAX:089-960-1105
E-mail:[email protected]
URL:http://www.ehime-iinet.or.jp
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