...

スポンジキューブを用いた下水の生物脱窒処理

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スポンジキューブを用いた下水の生物脱窒処理
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Author(s)
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スポンジキューブを用いた下水の生物脱窒処理
田中, 育; 品田, 司; 田畑, 信一
衛生工学シンポジウム論文集, 1: 208-213
1993-11-01
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/7452
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
1-6-5_p208-213.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
北海道大学衛生工学シンポジウム
1
9
9
3
.
1
1北海道大学学術交流会館
6-5
スポンジキュープを用いた下水の生物蹴護処理
(鮒西原環境衛生研究所
田中
宵
品田苛
田畑一信一
1.はとめに
公共用水域の富栄養化対策のため,排水の窒素及びリンに関する規制が強化されつつある.
これにともなって,各処理施設では,窓素及びリンの除去を毘的とした処理法への転換が必要
とされてくる.蜜素除去においては,硝化液循環法が経済的であると言われているが,この処
理方法には以下のような問題点がある.
-磁化反応を完全に行わせるためには,滞留時間が標準活性汚減法の約 2倍必要となる
・低水温鶏〈冬季)に硝化反応が低下する
これらの問題点は,
MLSSを現状の約 2倍に保った運転を行うことでほぼ解決できるが,
これにともなって最終沈殿油の負荷が高くなるという問題点が生じてくる.
スポンジキューブ投入高濃度活性汚泥法は,微生物固定化抱体としてスポンジキューブ
05
m
mx1
2
m
mx1
2
m
m
) を 10%ないし 30% (容積比)投入しエアレーションタンクを運転する方法で
ある.微生物を高濃度に回定した担体は,エアレーションタンク内のみで滞留するので,最終
沈殿池の負荷を高めることなく,エアレーションタンク内 MLSSを高濃度に保持することが
できる.よって,エアレーションタンクや最終沈殿油の拡張を行わずに硝化液循環法への転換
が可能となる.
本実験では,スポンデキューブ投入高濃度活性汚泥法を適用した硝化液循環法が硝化及び脱
議反応に与える効果について浮遊活性汚泥を用いた硝化液循環法〈以下,標準法という)を対
照として検討した.また,本法を標準活性汚泥法で設計されている一般的な下水処理場に適用
T
N
=
l
O
m
g!l以下)を安定してクリアする可能性
した場合に目標水質 (
2.スポンジキュープ投入高濃度活性汚泥法の額要
スポンジキュープ投入高濃度活性汚泥法〈以下,
スポンジ投入法という〉は,微生物閤定化控体とし
てスポンジキューブ (
1
5
m
mx1
2
m
mx1
2捌)を 10%な
いし 30% (容積比〉エアレ…ションタンクに投入す
る方法であり,
ドイツのりンデ社より技術導入した
ものである(写真
1,写真. 2参照) .このスポ
ンジキュープに国定化される汚泥最は,一般的には
10~20g/ Q .
^
*
。
ンγである.
スポンジ投入法を適用した場合のエアレーション
タンク内全 M L SSの計算併を以下に示す.
銀M LSS (浮遊性汚泥)
2ωOmg/Q
固定化汚泥量
1
0g
/Q ・
^
*
スポンジキュープ投入率
30%
全 MLSS = 2
000x(
l0.3)+10000xO.3
0 '):;"
4
4
0
0
m
g
/史
写真. 2 スポンジキュープの涜動状滋
-208-
1
この例のように,エアレーションタンク内の全 MLSSは約 2倍になるが,スポンジキュー
ブは,エアレーションタンク内のみで滞留するので,最終沈殿池に流入する浮遊物濃度は現状
のままであり,最終沈殿池の負荷を高めることにはならない.よって,エアレーションタンク
や最終沈殿池の拡張を行わずに硝化液循環法への転換が可能となる.
また,スポンジキューブに閥定化された汚柁は常にエアレーションタンク内に滞留している
ため SRTが長くなり,硝化躍のような増殖速度の遅い微生物を多量に保持することが可能と
なる.このことは,低水温期の硝化反応の低下を補い,冬季での窒素除去の安定化を図ること
ができる.そのうえ,スポンデキューブ内は無酸素の状態を作りやすく,脱窒庇応が生じやす
いと考えられ,この点についても,処理の効率化につながる.
3.実験装置及び実験方法
3. 1 実験装置
忠男ホ
実験装翠のフロー図及び概念図を図
1.図. 2
初t
主流出水
に示す.実験は,スポンヅ投入法及び標準法の硝化
液循環法を関一条件下で運転した.実験装置は,脱
蜜槽
O
.6m
3
3
• 硝化槽 O. 6m 3 • 沈殿油 O.5m のものを
"
h制
i
l
.
H
l
l
使用した.
図. 1 実験装置のフ口一図
-……@
含んだ硝化液を返送するため,スポンジキューブは,
婦
.
硝化槽・脱窒槽を街環する.
,
1
t
d
r
d: ~γ........
3. 2 原水水質及び目標処理水質
司.柑アロヲ田島
a
n什け川什U
アロ
Z7
m
'
〈エアリフトポンプ)を用いてスポンジキュ…プを
⑤円ト
スポンジ投入法を適用した運転では,循環ポンプ
:
!
,
.
.
:
実験では,横須賀市上町浄化センターの初沈流出
水を原水とした.当処理場の流入下水,初沈流出水
・.............:。
KRtr
.
.
1
1
1
f
t
棺
の年間平均水質及び実験における自標処理水質は,
表. 1に示す通りである.
図. 2 実験装置の概創溜
3. 3 実験方法
スポンジ投入法及び標準法で硝化液循環法を運転表. 1 議入下水,初謝超自水の平均水質
した場合の処理能力を比較することを主な目的とし,
及び目標処理水質
σagbob
表. 2 鰐設ぞの通常負荷染件
ついて狩った.
また,スポンジキューブ悶定化汚犯と浮遊性汚泥
E
持イヒ槽
脱 E
草4
苦
及び標準法の汚泥の硝化速度及び脱窒速度を禅定す
流入 l
i
[
(
m
'/日)
るためのパッチ試験も行った.
BOD負荷 (
k
g
/
m
'・日)
(
K
g
/
K
g・臼)
3. 3. 1 通常負荷条件における処理比較実験
循環水:fii:比 (Q)
3
.
6
0
.
2
9
0
.
1
5- 0
.
1
9
2
.
0
実験での通常負荷条件は表. 2に示す通りである. 徳 容 lii(m')
0
.
6
0
.
6
HRT(担r
)
4
.
0
4
.
0
3. 3. 2 限界負荷条件についての実験
限界負荷条件を明らかにするために,通常負荷条
件から段暗的に流入量を増加させていった.
-209-
浮遊性汚泥濃度(悶 g
/J
1)
.500-2.0
0
0
1
.500-2.0
0
0 1
T-N負荷 (
K
g
/
m
'.日)
K
g
/
K
g
'日)
0
.
1
3
2
O
.1
3
2
0.066-0.088 0.066-0.088
下下下
同
k 一円以以以
34
d
伶 n , 色 、A
1
50
C以上の 2つの水温期に
3一2 E E
E一///
d
②の実験は. lO~150C.
・M m u n u n u
①通常負荷条件における処理比較実験
@限界負荷条件についての実験
一m m m
z
-
以下のような実験を行った.
4
.実験結果及び考察
4. 1 スポンジキュープに関する基礎調査
4
.1
. 1 汚泥の回定化状況
スポンジキューブ内部での汚泥の固定化状況を写
真. 3に示す.汚泥は,スポンジキューブの中心部
から円弧状に固定化されており,その外周部は混合
写 事 3 スポンジキューブ'内部での
汚泥の蹟徒化状況
液で満たされていた.
4
.1
. 2 回定化汚泥量
運転鴎始から約 2
5
0日関におけるスポンジキュ
-im
ブ固定化汚泥盤の推移を関. 3に示す.固定化汚犯と
8
4は,ど
B
スポンテ投入法における浮遊性汚泥最とスポンジキ菱
4
量は 6~10g/ )2 oA;
jO ;
tγの範囲で推移した.鴎.
r
ブ劉定化汚舵量を考慮した全h
札
である.浮遊性汚泥量は,
S S援の推移
m
g
/虫であ
000~4 , 0
0
0m
g
/見
J
-
3
2
図。
1 , 500~2 , 000
るのに対し,全 MLSS最は,
3,
により, M LS Sの高濃度化が図られている.
1
0
0
5
0
2
0
0
1
5
自
経過 E数
2
5
0
(8)
図. 3 固定~12磁量の能移
と約 2倍の値を示しており,スポンジキューブ投入
5
0
0
0
ミ4
4. 2 蛸 負 荷 条 件 に お け る 処 理 能 力 比 較
水温が 10~ 1
5Cの範囲における通常負荷条件で-の
0
z
3
鵬
処理結果 (T“ N) を図. 5に示す.平均値でみると,的
2
0
0
0
原
7
.
1
<
.
のT
Nが約 30mg/史に対し,標準法の処理水は約妥
1
0
0
0
1
5
m
g
/)
2,スポンジ投入法の処理水は約 8
m
g
/見であ
った.循環水量比が 2
における計算上の T-N除去
率は 6
6.7%であるが,今回の実験における標準法の
T-N除去率は約 50%,スポンジ投入法は約 70%で
経過日数
〈臼〉
図. 4 浮世間明言量及び全MLSS
量
耐 岨 相
の搭移
あり,標準法の T-N除去率が低下している
図.
人feAF¥.
v¥議
5
0
6は,処理水の N
H4川の推移である.標準法
いると考えられる.
留 . 7は,処理水の
N
Oa
引の推移である.スポン
ジ投入法においては,約 .3~7mg/ 史の範臨で推移し
νs ν
ているのに対し,標準法では,ほぽ完全に硝化反応図. 5 通構負荷条件での処理結果(トN
)
が進行し始めた後,
N
O
a
Nは増加傾向を示し
2月
9 日以降は 10~15mg/Q の範囲で推移している.標
準法においては脱窒反応が良好に進行しておらず,
¥w
"
E
これが T-N除去率の低下につながっていると考え之
3
られる.このことは,脱窓槽内における O R Pの 健 主
2
からも裏付けられ,スポン:;投入法では O R Pがほ
E3
3
3
々
担
3
9
2
/
2
2
9
/
2
5
2
-210-
2
O
m
V前後で・あった〈図. 8参照) .スポン
3
いては,
a
ぽ
四1
0
0
m
V以下を維持しているのに対し,標準法にお
図. 6 処理水のN
H
4
N
の推移
ジ投入法においては,スポンジキューブに固定化さ
れた汚泥により, M LSSが約 2倍に増加するため,
挽蜜槽内で無酸素状態を形成しやすく,脱窒皮応を
込
0
1
E
良好に進行させる効果が現れたと考えられる.
zi O Z
4.3
〉
限界負荷余件について
,内d
円
水温が 1
0
"
-1
50Cの範囲及び目。C以上における限界
負荷条件を明らかにするために,浮遊性汚泥蚤をベ
ースとして計算した硝化槽における T
N
/
S
S負荷と硝
1
18 I
I
lJ 1
1
2
6 2
12 2
'9 2
.
'
・
1
9
化率の関係を求めた(図. 9参照) .標準法につい
2/
2
3
:
1
I5 3
1
2
3
関. 7 処理水のiN
03 Nの搭移
1
0
0
四
・日以下,スポンジ投入法については,水温が 10~
、¥込
AP
一
ては,水温が 10~ 1
50
Cの範囲で T
N
/
S
S負荷がO
.1
5
K
g
0
5C以 上 で は 下 N
/
S
S負帯が 0.3Kg/均
/
K
g
oB以下, 1
1
50
Cの範障で}
N
/
S
S
負荷が O
.15Kg/匂・日以下, 150C5m50
c
.
.
~寸@\
以上では下 N
/
S
S負荷が 0.45Kg/託r日以下で硝化率が ;
1
0
0i
I 'tI¥廟
/¥tI___
約 90%以上を満たしていた.スポンジ投入法におい
1
5
0~tI‘// 噛 - t I
“
ては,スポンジキューブ投入の効果が現れていると
考えられるが,標準法については,脱謹槽内で脱謹
嶋
2
0
0
@
1
1a 1
1
1
3 )
;
2
6 2
;2 2
.
'S 2
:
19 2/23ν3.:23
反応が良好に進行していない代わりに硝化反応が生図. 8 脱翠槽内におげる ORP
の推移
スポンジ投入法
じていたと考えられる.つまり,
限準法
標準法における硝化槽の下 N
/
S
S 1
0
1
5
"
C
回
静噛@
申@骨骨
申
。
草花
l
O
宮
2
0
2
0
0
.
0
5
ω
Nの儲
N
H4
0
.
1
0
.
1
5
からも裏づけられ,スポンジ投
1
0
0
.
0
5
0
.
2
(kc
ノkg • 8)
T-N/ssn問
入法においては,硝化液の循環
.
4
4
E田
!
!
られる.このことは,図. 10
における脱窒槽内の
1
0
凪
A
硝化率が低下しなかったと考えさ
i
l
ひ
A 4 AAA ぬ4..
A
負荷は計算上の負荷よりも低い
負荷になっており,そのために~
1
5
"
C
i
ひ
1
5
"
C
たU
ニ
J
;
.
ÅAo令~
によって希釈された濃度に近似《回
A
品
.
t
0
.
1
T時代 /551)荷
1
0
4
.
0
.
1
5
0
.
2
(kg/kg'O)
1
5
"
C
J
;
t
上
.
-
噛隣也
也九
8
0
さ由
しているのに対し,標準法では;問
主ケ
去
三
窓
I
m
g
/立以下になっており,税護宕間
~O
2
0
構内においても磁化反応が進行
a2
~I
していたと考えられる.
a3
T.N/SS!¥時
勾
04
OS
(kg/kg・日}
~5
~I
02
a3
荷
T-N/ssn
a4
as
&6
(k./k..臼〉
図. 9 鶴{舗における T
N
I
S
s
負荷と磁{陣の関係
浮遊性汚泥量をベースとして
計算した脱護槽における T
N
/
S
S
(滞酸出樹立量をベースとして)
標準法
負荷と T-N除去率の関係を
スポンジ投入法
30
図. 11に訴す.スポンジ投入
法では,水祖が 10~150C の範閤ミ 20
で下 N
/
S
S負荷が 0.17kg/Kgo日以 5
下
, 1
5C以上では T引 /SS負荷が
0
gis
童
話
!
l
:1
0
裕
昏i
0
.
4
5
K
g
/均・日以下まで,循環水 fF
量比が 2における計算上の
T-N除去率 6
6
.
7
%以上をほぼ
,
1
m
11
1
1
f
t
!
百
図. 10 各摘における窒素譲渡η変化(代表例)
流入水
師
脱貌!詐
処理水
流入水
位
l
i
'
I苦
処理水
qL
満たしていた.標準法において
騨法
は , い ず れ の 水 濯 に お い て も 師 、 lト 1
5
'
C
品噛
骨
@
@
2
0
ト
o
.
0
.
1
0
.
0
5
1
由
0
.
0
5
0
.
2
0
.
1
5
T-N/SS負荷
においてスポンジキュープ国定
1
5
'C以上
AH皿 、 A
A
/
S
S負荷と硝化率及び T… N?"
Al
6
0
A
き
ぞ
A
醤
4
0
ト
2
0
お
2
除去率の関係を赤している.硝←。
0%以上となるための
化率が約 9
0
.
1
限界負荷条件は水温が 1
0
1
5C
LZ
L3' L~
L5
T-)l/
ssn荷 (kg/kS'臼}
@
@著書画
l
I
'
A
-
0
.
2
0
.
1
5
(
kgノkg• 0)
1
5
'C以上
1
0ト
8
0
;
E
a
0
.
1
TωN/SS負荷
(
kg/kR宅日}
化汚泥最を考癒した全 M LS
'
S
川
@
2
寺
盤
制
Z
号 4
0
2
0
酪. 12は,スポンジ投入法
量をベースとして計算した
@
6
0
A
骨
ト
金.A
@
@@
説室反応が不完全であった.
包
2
A
340
g80
A
ぺ包金ム
T-N除去率は約 50%前後を推 gBa
移しており,脱蜜槽内における
スポンジ絞入法
l
Q
.1
5
'
C
1001
0
.
6
0
.
2
仏
'
0
.
3
.
.
T“N/SS且荷
戸
@
唱
:
.
0
.
4
0
.
5
'
0
.
6
(kg/kg'8)
0
図. 11 脱窓摺におけるトN
/
s
s
負荷と T-N
除去率の関係
の範留で T
-N/SS負荷が 0
.
0
7
k
g
/
(浮遊性汚泥最をベースとして)
K
g
o日以下. 1
50C以上では T-N/
S
S負荷が O
.2Kg/Kg・8以下であ
T-N除去率が
66.7%以上となるための接界負
8
0
荷条件は.*'混が 1
0
1
5Cの範 g
蜘噛
1
0
0
i
ひ-15
'
C
L問
った.また.
T-N除去率
磁化'"
¥
(
ト1
5
'
C
1
0
0
v
間
曲
間で T
-N/SS負荷が O
.0
7
k
g
/
K
g
o日
0
.
0
5
M
0
.
2
0
.
1
5
自
(kR
:/krz'B
)
1
5'C以上
1
0
0
i
:A
g
叩
幽
瞥
相知
“
一
申
請
議 2 1ト
。
-
0
.
1
T :VSS負符
e
験により脱窒速度・硝化速度を
0
.
2
l
:暗 唱
ahUM間
同
違を確認するために,パッチ試
0
.
1
5
(k.ノkR • 8)
1
5
'
CP
.
l
上
ンジキューブ題定化汚泥と浮遊
て,脱窒能力及び硝化能力の相
0
.
1
す司同 ~1/SSf~ 間
スポンジ投入法におけるスポ
性汚泥及び標準法の汚泥におい
ト四
0
.
0
5
4
.4 脱議速度及び磁化速度
'
0
:
i
!
2
0
が0
.
2
K
g
/
K
g
o日以下であった.
題
.
;
.
;
蕊
詔
0
4 耳鳴議官
お
ニ
zm
以下. 1
5C以上では T-N/SS負荷
瞬
8
0
ま
0
2
0
0
.
1
0
.
2
0
.
3
T-Nノ SSI
'
l
符
0
.
1
0
.
5
0
.
1
0
.
'
(kg/k.・
0)
0
.
2
0
.
3
T-N/SS員胃
0
.
4
0
.
5
'
(
kg/kg・S)
測定した.試験結果を図. 13
に示す.脱蜜速度及び硝化速度
のいずれにおいても,スポンジ
図. 12 トN
/
s
s
負荷と磁化率及び T.
.
,
.
.
N除去率の関係
{
全MLSS
量をベースとして)
投入法の浮遊性汚泥と標準法の汚泥では,ほぼ同様
成愛速度
な{産を示している. しかし,聞定化汚泥については. ~
浮遊性汚泥及び標準法の汚泥に対して約1.5倍 の そ
{鹿を訴していた.
5
.スポンジ投入法及び標準法での必要容劃七較
スポンジ投入法及び標準法で硝化液循環法を遠転
国
5
3
¥
Z
2
"
巨
する場合に必要となる槽容量の計算例を図. 14に
示す.計算によって求められた容量の比較から,ス
ポンジ投入法を用いることによって,標準活性汚泥
法で・設計されている一般的な下水処理場においても,
- 212
司
室l
認
ラ
ま
王
笥
1
0
1
5
2
0
水滋
2
5
3
0
(
'
C
)
図. 13 脱罷速度及び磁化適度
0
.
6
ょにアレーションタンクや最終沈殿池の拡張を狩わず
硝国語互
に硝化液循環法への転換が可能であると考えられる.二
¥5
6.まとめ
24
①汚泥は,スポンジキュープの中心部から円弧状に♂
3
ち2
鴎定化されており,その外周部は混合液で満たされ回
ている.
②運転開始から約 2
5
0日間のスポンジキューブ固定
3
1
化汚泥量は 6
'
"1
O
g
/Q• J
.ホ
ンγであり,また,スポン日
ジキューブ国定化汚泥量を考慮、した全 MLSS景は,
浮遊性汚泥量の約 2倍となった.
1
0
1
5
2
5
2
0
水滋
3
0
(
'
C
)
図. 13 説議連度及び磁{槌度
計算条件
③通常負荷条件での処理結果は,原水の T
引が約
3
0
m
g
/見に対し,標準法の処理水は約 1
5
m
g
/Q,スポン
ジ投入法の処理水は約 8
m
g
/見であった.標準法にお
いては,処理水中に N
O
a
Nが残留した.
④標準法では,脱蜜構内で脱蜜反応が良好に進行せ
ず,代わりに硝化皮応が生じていたと考えられる.
⑤スポンヲ投入法において,スポンジキュープ国定
化汚泥最を考識した全 MLSS最をベースとして計
算した T
N
/
S
S負荷で,硝化率が 90%以上,及び,
T-N除去率 66.7%以上を満たす値は,以下の通り
である.
硝イヒ端が 90%以上
1
0
-1
5Cの範閤・・・ 0
.
0
7託g
/均・日以下
1
50C以上
・
・
・ O
.
2
0
K
g
/
K
g・日以下
T-N除去率 66.7%以 上
0
自最大汚水最
水i
l
l
1
0
.O
O
O
m
'/
目
1
5'
C
最初沈殿地続出水
B
O
D
T
N
自綴水質
B
O
D
T
目
回
1
2
0
翻g
/J
I
3
0
m
g
/J
I
1
0
m
g
/J
I
1
0
m
g
/J
I
f
標明書法 J
2.ωOmg/I
J
M LSS
fスポンジ投入法 j
ML
.SS
2
.O
O
O
m
g
/I
J
1
0g
/JI ・ ~.'W
30% (容積比}
4
4
0
0
m
g
/I
J
スポンジキューフ.部定化汚泥五
スポンヲキューブ投入事
会 MLSS
硝化速度. !止笈速度は.パッチ試験の被告参考にした.
-容 1
在比校
柄容積 3
.3
3
3
m
'
『係敏活性汚泥法j
→i
帆繍
ト→
m8.453が
指J
8
滞留告を│国 2
0
.
3
h
r
m1
→
〈』笠
r
スポンク投入法 J
古書留時Jl
U 8
.
0
h
r
4
苦容
m2
.9
7
6
m
'
滞f
f
l
B
李鵬
7
.
1
h
r
1
0
'
"1
5Cの範囲・・・ O
.0
7
K
g
/
K
g
o8以下
1
5C以上
・
・
・ 0
.
2
0託g
/ぬ・臼以下
0
0
@税蜜速度及び硝化速度を測定するためのパッチ試験の結果においては,スポンジ投入法の浮
遊性汚泥と標準法の汚泥は,ほぽ詞様な値を示した.器定化汚犯については,浮遊性汚柁及び
標準法の汚泥に対して約1.5倍の値を示していた.
⑦滞留時間が 6
8時間, M
L
S
Sが 1
5
0
0-2
0
0
0
m
gl1という標準活性汚泥法の運転方法に準じて硝化
液循環法を運転した場合,標準法においては処理水の下 N
が約 1
5
m
g
/史と目標水質(TN
=
1
0
m
g
/
l
以下)をクワアすることはできなかったが,スポンジ投入法では処理水の T
引が約 8
m
g
/虫であ
り,安定して目標水質をクザアしていた.このことから,標準活性汚柁法で設計されている
殻的な下水処理場においても,スポンジ投入法を適用することによって,エアレーションタン
クや最終沈殿油の拡張を行わずに硝化液循環法への転換が可能で-あると考え られる.
t
-213ー
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