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件 名: 日仏外務・防衛閣僚会合共同記者会見概要
件 名: 日仏外務・防衛閣僚会合共同記者会見概要 日 時 平成 27 年 3 月 13 日 1947~2010 担 当 大臣官房広報課 場 所 外務省飯倉公館 備 考 日仏外務・防衛閣僚会合 1 発表事項 (岸田外務大臣) 昨年1月に続き、ファビウス外務・国際開発大臣及びル・ドリアン国防大臣 を日本にお迎えをして、2回目となります日仏外務・防衛閣僚会合「2+2」 を開催でき、大変喜ばしく思っております。また1歩、両国の、この安全保障・ 防衛協力を前進させることができたと感じています。特に、本日は「防衛装備 品・技術移転協定」を署名したこと、そして、日仏物品役務相互提供協定締結 を視野に入れた検討開始など、具体的な協力について一致したことは、大変大 きな成果であると考えています。そのほか、本年両国が相次いで直面したテロ を踏まえ、テロ対策や中東情勢等についても議論をいたしました。私からは、 邦人殺害テロ事件に際して、フランスから示された連帯に感謝するとともに、 「テロ対策の強化」、そして「中東の安定と繁栄に向けた外交の強化」、そして 「過激主義を生み出さない社会の構築支援」というわが国の今後の日本外交の 3つの包括的な取り組みについて説明をいたしました。本年は戦後70年です。 この間、日本は先の大戦の反省に立ち、平和国家として、世界の平和・安定・ 繁栄に貢献してきました。「積極的平和主義」の一環としての安全保障法制の 整備など、最近の日本の取り組みについてフランスからは歓迎の意が表明され ました。この後、予定されております、このワーキング・ディナーにおいては、 アジア、ウクライナ、ロシア、あるいは中東、アフリカ等の安全保障環境につ いて率直な議論を行う予定にしております。今回の「2+2」により、日仏が 特別なパートナー関係を基盤に協力して、積極的に国際社会に貢献する姿を示 して行きたいと考えています。私からは以上です。 (ファビウス外務大臣) 1 皆様、今回は私が外務大臣としての5回目の訪日です。そして、日本の同僚、 友人に、この新しい会合を準備して下さったことに御礼申し上げます。この会 合は、2013年6月のオランド大統領の国賓訪日、安倍総理のフランス訪問 以来、両国関係の非常に肯定的な動きの中で行われております。フランスと日 本は「特別なパートナー」関係を構築しています。その結果、防衛、テロとの 闘い、サイバー・セキュリティ、宇宙技術、エネルギーなどの様々な戦略的な 分野での協力が生まれています。日本はまた、アジアでも、フランスが最も高 いレベルでのこのような政治・防衛の対話を開く唯一の国です。これはいかに 我々が共通の価値と利益に立脚する日本とのこのパートナーシップへの特別 なレベルの信頼の証左です。我々は、例えば、海賊対策、アフリカの平和維持 活動の訓練、太平洋における自然災害の時の人道支援・災害救援、例えばヘリ コプターなどの産業面での協力などの多くの分野で共に成果を上げてきまし た。さらに一層前進するために、我々は具体的、野心的、そして必要なテーマ に取り組むことにしました。それは、今文雄から話があったばかりのテロとの 闘いであり、防衛装備品の共同開発であり、アフリカの平和維持活動能力の向 上、国際的なテロとの闘いです。我々は政府間協定に署名する決定を行い、今 それを行いました。なぜなら、御存じのように、我々は民主主義、人権、多国 間主義等の同じ価値を共有しているからです。なぜなら、我々は平和と国際法 の尊重のために行動する世界的な大国だからです。我々は、特に、アフリカや 中東において、平和のアクターとして、より重要な役割を果たそうとする日本 の意思を歓迎し、その方向において共に取り組んでいく用意があります。好ま しい状況があり、安全保障分野の協力が強化されています。それが先程の署名 した協定の目的でありこの協定は将来の協力の枠組を決めるものです。両国の 安全保障、国際社会の安全保障にも資するし、我々の防衛産業にも資するもの です。この対話は、この後もしばらく続きます。我々は、ウクライナ、サヘル、 イラク、シリア、イランなど、あらゆる種類の国際的な課題で意見交換を深め ます。これらの分野で多くの意見の収斂が見られるでしょう。最後に、現在の 状況を想起し,我々は北朝鮮という我々も非常に懸念する問題について、日本 への全面的な連帯を表明します。 (中谷防衛大臣) 2 私は今回、初めて日仏外務・防衛閣僚会合に参加をいたしました。前回の会 合からの進展を踏まえつつ、両国の防衛協力を更に一段階前に進めるための忌 憚のない有意義な意見交換を行いまして、ファビウス外務大臣及びル・ドリア ン国防大臣と信頼関係を深めることができました。私からは、安全保障法制の 整備に係る、わが国の取組みを中心とした日本の防衛政策について説明をいた しました。また、安全保障法制の整備によりまして、わが国の重要なパートナ ー国であるフランスとの協力関係が、更に高まることを期待する旨を述べまし た。ファビウス及びル・ドリアン両大臣からは、国際の平和と安定の促進にお いて、より積極的な役割を果たすことを目指す日本の決意と取り組みに対する 支持をいただきました。次に、防衛分野における両国の協力については、今般 の防衛装備品・技術移転協定の署名を契機として、両国間で防衛装備・技術協 力を進展させることを確認をいたしました。このほか、海洋安全保障分野や、 太平洋における協力を強化をしていくことで一致をいたしました。わが国が、 本年5月末からCTF151、これは第151連合任務部隊でございますが、 この司令官を務める予定であることに対して、ファビウス及びル・ドリアン両 大臣からは、歓迎の意の表明をいただきました。今後、日仏間で緊密に連携を し、本日議論した内容を着実に進展をさせ、日仏防衛協力に更に強化をもたら すとともに、国際社会の平和と安定及び繁栄のため、民主主義、法の支配とい った普遍的価値を有するフランスとともに取り組んでまいりたいと思ってお ります。以上です。 (ル・ドリアン国防大臣) 皆様、こうしてまた岸田外務大臣にお会いすることができて嬉しく思ってお ります。岸田大臣とは何回もお会いしております。2014年の1月にパリで、 最初の「2+2」でお目にかかりました。そしてまた、中谷防衛大臣とは初め てお会いして大変嬉しく思っております。そして、明日はまた、防衛相会談が あります。そして私は、フランス共和国の国防大臣として、集団的自衛権、自 衛隊の平和維持活動における役割の深化に関する日本の安保法制が進展に関 する説明を大変興味深くお伺いしました。これらの方向性は日本が平和と安全 保障の分野でより大きな位置を占めるものであり、全面的に賛同します。そし て、昨年から防衛装備品・技術の移転を可能とする協定署名という大きな一歩 3 が踏み出されました。これは大きな一歩です。フランスは、アジアでは日本と だけ結んでいます。岸田外務大臣から言及があったように、この協定は、今や できるだけ早期に後方支援の提供に関する協定によって強化されなければな りません。この協定は二国間のオペレーション強化のために不可欠のものです。 中谷大臣からも新しい段階の協力において関心を占めるであろう大きな課題 について言及がありました。もちろん、今や法的な枠組みが定められたので、 防衛装備品・技術移転を実施に移さなければなりません。特に、海洋分野に関 する二国間の行動の強化があります。我々は、CTF151及びEUのアタラ ンタ作戦の行動により、特にアデン湾における海賊の撲滅を確認することがで きます。しかし、警戒を維持すべきであり、海賊及びテロとの闘いのために、 海上安全の分野において我々の経験、ノウハウを共有すべきです。我々にとっ て特に興味深く思われる協力の道筋は、海上安全保障に資する海洋における協 力であり、特にギニア湾及びアフリカの他の地域における海上安全保障に資す る海洋における協力です。我々はこの点を取り上げることになるでしょうし、 この方向で協働を続けていく考えです。同様に、南太平洋での共同のオペレー ション、訓練を継続していきます。特に先週行われた南十字星作戦には日本側 が参加し、歓迎されました。これらすべては、同じ考えの下、二国間の協働を 強化することを確かなものにしました。平和と安全保障のためということが引 き続き行われる議論にとって重要なものです。 2 質疑応答 Q:日本側の両大臣にお伺いします。今回の防衛装備品協力協定の署名を踏 まえて、無人システム分野をはじめとする協力を探っていくとのことです が、具体的にどのような装備品・技術での協力を想定しているでしょうか。 協力の枠組みや役割分担、用途についても現在のイメージを教えてくださ い。また、日仏では、防衛装備品の輸出管理に関する協議の枠組みもあり ますが、どのように機能させ、実効性をどう担保していくお考えでしょう か。紛争当事国などへの流出はどのように防ぎますでしょうか。最後に、 パリでの銃撃事件やシリアでの日本人人質殺害事件を受け、日仏はテロ対 策でどのような協力を進めて行くのでしょうか。 A(中谷防衛大臣):私の方からは、1点目の防衛装備品・技術協力に関す るお尋ねにお答えをいたします。残りのお尋ねにつきましては、岸田外務 4 大臣からお答えをいたします。まず、フランスとの防衛装備協力について は、昨年5月の日仏首脳会談時に発出された日仏共同声明において、「防 衛装備協力については、両国は無人システムをはじめとするいくつかの分 野において協力する共通の関心を特定した」とされております。この無人 システムについては、これまで防衛省・自衛隊では、危険な任務や長期間 の単調な任務などにおける隊員の安全確保や負担軽減を目的とした無人 機の研究開発を実施しており、日仏間でも、例えば、水中の捜索や監視な どの係る無人システムについての関心を共有をいたしております。しかし ながら、具体的な協力候補案件については、現在、昨年1月の日仏外務・ 防衛閣僚会合で設置された防衛装備品協力委員会において引き続き協議 中でございます。今回署名をしました「防衛装備品・技術移転協定」は、 無人システム分野におけるものを始めとする具体的な協力プロジェクト を実施する場合に、適正な防衛装備移転を確保するものでありまして、こ れを契機にして、今後、具体的な協力案件の特定に向けて協議を加速して まいりたいと思っております。以上です。 A(岸田外務大臣):私の方からは、輸出管理、テロ対策についてお答えを させていただきます。まず防衛装備品の輸出管理については、日仏間で設 置された協議の枠組みがありますが、この枠組みを通して、両国の輸出管 理制度や、認識を調和させていきたいと考えます。また、紛争当事国など への流出防止につきましては、第三国への移転に際して、輸出国の事前同 意を義務付けることにより、これを担保していると考えています。そして、 テロ対策についてですが、「2+2」、この共同発表にあるとおり、この「暴 力的過激主義の予防」、また、「テロリストネットワークの形成対策」、ま た、 「外国人テロ戦闘員の流出入対策」及び「その資金源対策」 、この4点 につきまして、日仏で共に取り組んで行きたいと考えます。以上です。 Q:質問は、フランスのファビウス大臣、ル・ドリアン大臣にお願いします。 防衛装備品・技術移転に関する政府間協定は、当然、両国にとって利益が あるわけですけど、フランス側から見て大きな利益は何でしょうか。日本 とこの協定を結ぶ場合、これは純粋に技術を目的としたものでしょうか。 その場合には、どのような種類の技術にフランスは興味、利益を見出して いるのでしょうか。また、ル・ドリアン大臣、さらに、この協定だけでな 5 く、追加的な進展が期待できる、後方支援の提供に関する新たな協定に触 れられました。もう一つの協定についても御説明いただけますか。 A(ファビウス外務大臣):私の方から始めて、その後、友人で、同僚であ るル・ドリアン大臣の方から補足していただきましょう。確かにこの協定 は、仏日両国にとって利益があるものです。日本とフランスの共通点とい うのは、どちらも非常にハイテクの国であるということです。ですから 我々が、より緊密に一緒に仕事をしようとする際に、当然この技術の問題 は扱うべきです。それがまさに政府間協定の場合です。この協定では、技 術移転が行われる時には、この技術移転が他の国に適用されることはない という保証、技術に関する一種の相互保護が規定されています。そして、 これは様々な分野で適用されます。おそらくル・ドリアン大臣が後方支援 その他について、これから補足してくださるでしょう。 A(ル・ドリアン国防大臣):今の御質問の2つの面、ローラン・ファビウ ス大臣の話に少し補足しますと、まず技術移転に関してシンプルに、実際 的に見ていくべきだと思います。機雷除去等の無人システムの例を挙げま しょう。なぜなら、合意しているテーマだからです。仏日は海洋国であり ます。ですから、両国ともどちらも似たような脅威があります。そして、 この分野でのハイテク企業が仏日にあります。ですから一緒に仕事をすれ ば、WIN-WINの技術的な解決策が見つかるのではないでしょうか。 国にとっても、企業にとっても。この精神の下に、今般政府間の協定が署 名されたのです。他にもいろいろなテーマがありますけれども、まず一番 端緒となったところから話すべきでしょう。それから、後方支援の提供に 関して、二国間の協力、防衛交流を円滑化するものです。友好国の間で長 期的に協力し合うための支援です。交流の際のより良い運用性を可能にす るものであり、信頼の証です。この新しい協定は、年末までには実現でき ればと、私は期待しております。 以 6 上