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不確実性(統計)現象の認識と小学生・高校生・教師

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不確実性(統計)現象の認識と小学生・高校生・教師
科教研報 Vol.22 No.2
不 確 実 性 (統 計 )現 象 の認 識 と小 学 生 ・高 校 生 ・教 師 向 けの統 計 教 育 e-Stat の開 発
− 見 えるものを見 る力 と 見 えないものを見 る力 を磨 く「知 の創 造 」社 会 に向 けた e-Stat−
Recognition of child's uncertainty (statistics) phenomenon and development of e-Stat(statistics education)
for teachers , for high school students, and for school children
木村
捨雄,石内
久次
KIMURA Suteo,ISHIUCHI Hisatsugu
鳴門教育大学
Naruto University of Education
[ 要 約 ] 子どもの不確実性認識・統計認識について,基礎的な統計知識・技能は達成されているが,内
容を伴った意味の理解,データの裏に潜む背景,本質,情報を読み取る力,新しい知を創造する力の形
成は不十分である。伝統的な知識の習得,内容理解を基盤とする「資料の整理」から「資料の活用」にとど
まらず,「統計データの5段階読み」「5段階統計的探究プロセスモデル」を基盤にした「新しい知の創造社
会」に向かう統計教育の必要性を長く提唱してきた。これを実現するため,学校施設で展開されるオン・キ
ャンパス教育のみならず,学びの社会に解放し, 誰もが,いつでも,どこからでも,学習できる オフ・キャン
パス教 育 ,遠 隔 教 育 システムとして活 用 できる,小 学 生 向 け,高 校 生 向 けおよび教 師 向 けの統 計 教 育
e-Learning,e-Stat を開発公開し,鳴門教育大学から提供する。これについての報告である。
[ キ ー ワ ー ド ]新しい知の創造,統計教育,統計的探究,学習コンテンツ開発,e-Stat,Web-Learning
何 を 表 す グ ラ フ か ,グ ラ フ の 題 目 ,横 軸 (乗
1.子 どもの不 確 実 性 ・統 計 認 識 の特 質
棒 グ ラ フ を 読 み 書 き す る 単 元 (教 材 )は 小 学
る 人 , 降 り る 人 の 人 数 ), 縦 軸 (時 刻 ), そ の 単
校3年算数科の教科書で登場する。正しく棒
位が理解でき,数量を読み取り,また,数量
グラフを読み書く知識・技能は基礎基本とし
を書き入れ,グラフを作成する。加えて,乗
て大切である。社会科などの教科書・副読本
降客の最大・最小の人数やその時刻,乗降客
では,多くの資料がグラフや表を使って表さ
の 1 日 の 傾 向 な ど を 読 み 取 る 。統 計 教 育 で は ,
れている。図 1 にある棒グラフは「よしお君
それだけでは終わらない。図 1 から『この町
の町にある電車の駅の 1 日の乗降客の時刻別
はどんな特徴』を持っているかを推論・解釈
の人数」を表したものである。
することなど,データの裏に埋め込まれた情
棒グラフを読み書く知識・技能としては,
報,背景や本質的な意味を読み取る「より高
次元の情報に変換・解釈する力」を高めるこ
とが求められる。
子どもは,棒グラフから直接データ・傾向
(多 い − 少 な い , 増 え る − 減 る )を 読 み と る 正
答 率 は 高 く (同 次 元 情 報 変 換 能 力・同 次 元 情 報
解 釈 力 )( 基 礎 的 知 識 力 ), 完 壁 に 近 い 理 解 を
示す。
し か し , 内 容 を伴 った意 味 を捉 えるこ と に な
ると,その理解力,その力は落ちる(図2)
図 1 電 車 の乗 降 客 の統 計 データに基 づく創 発 的
な高 次 情 報 変 換 による「知 識 創 造 」
( 見 えるものを見 る力 )。
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科教研報 Vol.22 No.2
い枠組みの算数教育の目標は達成しているが,
近 未 来 社 会 で 要 請 さ れ て い る 「新 しい知 の創
造 」の力 に 向 け た 能 力 は 達 成 さ れ て い な い 。こ
れからの教育ではこの方向の教育が一層重要
になることは言うまでもない。
2.“新 しい知 の創 造 社 会 ”に向 かう統 計 教 育
知識集約型社会・高度情報通信化社会に象
徴 さ れ る 科 学 技 術 ,社 会 構 造 ・経 済 構 造 の 高 度
化,先端化,複雑化とグローバル化を展望し
たとき,未来を担う子ども達には「内容知」
の 上 に , 着 想 力 が よ く 客 観 的 デ ー タ (統 計 情
報 )に 基 づ い て “ 探 究 す る 力 ”, “ 合 理 的 に 判 断
す る 力 ”, “ 先 取 的 ・ 先 導 的 な 構 想 力 ”, “ 新 し
図 2 データから背 景 的 な内 容 を読 む
い 知 の 創 造 力 ”を も つ こ と が 期 待 さ れ , ま た ,
さらに,この棒グラフの全体の傾向をつか
文 化 の 多 様 化 と 分 化 化 (differentiation) を 志
み,それらの結果から『町の特性』を推論さ
向 す る 多 価 値 社 会 で は ,多 面 的 な “合 意 形 成 の
せ る 問 題 (統 計 教 育 が ね ら う 統 計 的 思 考 力:高
力 ”の 育 成 が 重 要 に な る 。加 え て ,こ れ ま で の
次 情 報 変 換 能 力・高 次 情 報 解 釈 力 )に つ い て は ,
日本の教育は伝統的に「内容知」を重視し,
正答率は半減する。データから別の情報を抽
問 題 解 決 す る ,探 究 す る ,発 見・工 夫 す る 力 ,
出したり,データの底にあってその現象を規
特にその「方法知」を軽視してきた。
定している特徴を推論し,モデル化・定式化
本研究は,統計教育に焦点を絞り,問いを
し た り , 別 の 次 元 (異 次 元 ), 高 次 の 情 報 に 変
発 し , 探 究 し 続 け , 工 夫 (発 見 )し 続 け る 「 方
換 し 解 釈 す る 力( 見 えないものを見 る力 ),こ れ
法 知 」 と し て の “問 い の 体 系 ” , “問 い の 連 鎖 ”
を『創発的なデータの読み』の力(新しい知
の プ ロ セ ス 知 を 体 系 化 し , “統 計 的 探 究 の 力 ”
を創造する力)と定義しているが(統計教育
を 育 成 す る e-Stat 学 習 コ ン テ ン ツ を 開 発 ,実
が 狙 う 本 来 的 な 目 標 ),そ の よ う な 力 量 は 低 く
践的利用の上に理論化の検証を行うことを目
な る ( 図 1 の 結 果 )。
的とする。
統計データから量の多少や増加減少の傾向
3.“統計に慣れ親しむ統計教育”から“統計で探究す
を 読 み 取 る の は ,基 礎 基 本 と し て 必 要 な こ と で
る統計教育”の e-Stat の開発と公開
あ る が ,し か し そ れ は ,デ ー タ を 言 葉 に 変 え た
に 過 ぎ ず ,「 同 一 次 元 の 情 報 変 換 に 過 ぎ な い レ
特に統計教育は,正規の教科,単元にはな
ベ ル 」の 情 報 活 用 で あ る 。よ り 重 要 な こ と は『 元
く,元来から教科の「内容知」と統計の「方
の 情 報 か ら 異 次 元 ,よ り 高 い 次 元 の 情 報 を 推 論 ,
法知」の共働による「内容に強く」かつ「方
解 釈 ,創 造 』す る こ と で あ り ,そ れ で こ そ 認 識
法に強い」力を育成することを目的とし,ク
は 深 め ら れ ,法 則 探 究 ,創 造 的 ア イ デ ィ ア の 創
ロスカリキュラムで展開され,インターネッ
発 , 「新 しい知 の創 造 」が 可 能 に な る 。 こ れ が 統
ト 利 用 の e-Learning,Web- Learning は ,教
計 教 育 が 求 め る『 高 次 元・異 次 元 情 報 変 換 』
『知
育課程や学校に規制されない学習が展開で
識創造・情報創造』の原型である。
きる大きな期待がもてるチャンスであり,シ
ステムである。
このことから明らかなように,伝統的な古
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科教研報 Vol.22 No.2
ッ ズ ”(http://www.stat.go.jp/kids/index.htm)
A 児 童 生 徒 向 け の 統 計 教 育 e-Stat 開 発
小 学 生 ,中 学 生( 開 発 中 ),高 校 生 向 け に は ,
は,膨大な最新の官庁統計データを使い,そ
次の3つの統計教育の目標を実現する統計教
れを学校教育用に体系的に纏め上げた第1段
育 e-Stat を 開 発 す る 。
階 の e-Stat で ,官 庁 統 計 デ ー タ を 子 ど も に 近
(1) “統 計 に 慣 れ 親 し む ”統 計 教 育 e-Stat
づけ,
「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」で の「 調 べ 学 習 」
e-Stat 活 用 の 利 点 で は 次 の 2 つ が あ る 。
で活用できる環境を整えたと言えよう。
① “生 き た 統 計 情 報 ”を 提 供 す る e-Stat
(2) “統計で考え,判断し,モデル化し,意志決定する力”
② 統 計 の 知 識 と 統 計 の 論 理 (基 礎 基 本 )の 習
を育てる統計教育 e-Stat
得 を 支 援 す る e-Stat
統計に関する基礎基本としての,統計的知
一 般 に 子 ど も も 市 民 も 新 聞 や TV を 通 し て
識・技 能 の 習 得 の 目 標 を 前 提 に ,統 計 教 育 は ,
統計を読み,使うことも多く,その有用性は
統 計 教 育 の 具 体 的 目 標「 基 本 5 大 目 標 と 5 大
無意識に認識しているが,一般に,統計は数
能 力 目 標 」 を 掲 げ て い る (木 村 , 2002) 。 こ の
値の羅列で,分かりづらい,近寄り難いもの
中の目標 1 から 4 に相当する学習コンテンツ
との印象を与えている。最近の諸官庁の白書
開 発 , e-Stat 構 築 が 第 2 の 段 階 で あ る 。
は読みやすいものに変わりつつあるが,それ
<基本 5 大目標>
でも,特に膨大な官庁統計は専門家や業務担
1 確 か な “ 数 量 的 デ ー タ ”( 情 報 ) に 基 づ い て
(調 査 ・ 観 察 ・ 実 験 ), そ れ ら を 加 工 ・ 処 理
当者以外は近寄り難い存在である。
社 会 ,経 済 ,産 業 ,交 通 ,文 化 ,人 口 な ど ,
し ,新 し い 解 釈 ,情 報 を 獲 得 す る ,そ の 感
あ り と あ ら ゆ る 世 界 の , 日 本 の , 地 域 の “生
性,能力,意欲関心を育成する。
き た 社 会 の 実 態 ”を 把 握 し 表 す 統 計 は 極 め て
○ 5 大 能 力 目 標 (統 計 データの5段 階 読 み)
貴 重 な 知 的 財 産・そ の リ ソ ー ス で あ る が ,そ
① 変 動 す る 現 象 の 確 か な “数 量 的 デ ー
の最新の統計データを用いて社会の実態を
タ ”(情 報 )か ら 一 定 の “傾 向・予 測・規 則 性 ”
分 か り や す く 伝 え る ,“生 き た 統 計 情 報 ”を 提
を 見 出 だ す 力 〔傾 向 ・予 測 ・規 則 性 読 み〕
供 す る e-Stat 開 発 , 実 用 に 供 す る こ と が で
② 一 つ の デ ー タ で な く ,い ろ い ろ な デ ー
き れ ば ,児 童 生 徒 ,広 く 市 民 に と っ て ,社 会
タ (情 報 )を 多 面 的 ・ 多 角 的 に “関 係 づ け ”,
の 姿 ,経 済 の 姿 ,産 業 の 姿 ,教 育 の 姿 ,文 化
“関 連 づ け ”比 較 し ,“よ り 深 い 知 識・認 識 ”
の 姿 等 の 把 握 が 容 易 に で き ,的 確 な 判 断 が で
を 探 究 す る (力 )〔関 係 づけ読 み〕
き る と と も に ,統 計 認 識 の 向 上 ,社 会 の 発 展
③ デ ー タ ・ 情 報 (グ ラ フ ・ 表 )か ら そ の 背
の 基 盤 に な っ て い る 統 計 の 意 義・重 要 性 ,統
後 に 潜 む 本 質 ,仕 組 み (構 造 ,機 能 )を 発 掘 ,
計調査への協力意識の啓発醸成は大きく期
導 き だ す (力 )〔モデル化 ・定 式 化 読 み〕
待 で き る 。こ れ に よ り ,市 民 へ の 情 報 公 開 の
④ デ ー タ (グ ラ フ・表 )か ら 直 接 に は 得 ら れ
意義,その基盤をなす統計の社会への還元,
ない全く新しい次元の情報・知識に変換生
統計の社会的有用性,統計的認識の重要性,
成 し ,発 見 す る (力 )〔新 情 報 生 成 ・発 見 読 み〕
そ の 普 及 や 啓 発 に 寄 与 す る こ と が で き る 。子
⑤ 実 態 デ ー タ・情 報 を 基 礎 に ,そ れ を 超
ど も も 市 民 も ,ま ず “統 計 に 慣 れ 親 し む ”こ と
えてより高次の情報に変換生成し,独創
が 重 要 で あ る 。統 計 に 慣 れ 親 し め ば ,統 計 を
的 な 知 識 ・ 情 報 , 考 え を 創 造 す る (力 )〔知
使って客観的に社会認識を高める力を育む
識 創 造 読 み,情 報 創 造 読 み〕
こ と に な り ,統 計 の 意 義 ,統 計 の 重 要 性 の 理
2 獲得された知識・情報に基づき,客観的・
解を高めることに寄与することが期待され
合 理 的 に 考 え , 推 論 し , 判 断 し , “意 志 決
る 。 総 務 省 統 計 局 の “な る ほ ど デ ー タ for キ
定 す る ”力 を 育 成 す る 。
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科教研報 Vol.22 No.2
3 得 ら れ た 情 報・知 識 を 伝 え る 人 に 納 得 で き
B 教 師 の た め の 統 計 教 育 研 修 講 座 e-Stat
るように,説得力ある形に作り上げる力
独自の教科を持たずに,教科と共働して統
(説 得 的 情 報 表 現 力 )を 育 成 す る 。
計教育を推進する鍵は,なんと言っても教師
4 多価値的な問題・認識に対する社会的な
の教材観,授業を進める姿勢以外にない。統
“合 意 形 成 す る ”力 を 身 に つ け る 。
計教育の重要性を認識し,どのように統計教
5 “と ら え る − あ つ め る − ま と め る − よ み と
育 を 実 践 化 す る か ,教 師 教 育 に か か っ て い る 。
る − い か す ”の 5 段 階 の 統 計 的 探 究 プ ロ セ
教 師 の た め の 統 計 教 育 の 研 修 講 座 が e-Stat
ス モ デ ル に 基 づ い た 問 題 解 決 能 力 (統 計 的
で実現されれば,全国の教師はいつでも,ど
探 究 能 力 )を 育 成 す る 。
こ か ら で も ,誰 で も 勉 強 が で き る こ と に な り ,
コンテンツ開発に先立ち,これまで授業設
統 計 教 育 の 大 き な 推 進 力 に な る 。こ の 中 に は ,
計・授業実践の理論モデルとして展開してき
当 然 ,教 師 に 参 考 に な る 統 計 教 育 の“授 業 実 践
た 統 計 的 探 究 プ ロ セ ス モ デ ル (と ら え る − あ
事 例 集 ”e-Stat が 含 ま れ る 。
つ め る − ま と め る − よ み と る − い か す )を 科
学的探究,科学的認識論から「方法知」とし
てより精緻なものへと昇華するための再検討
を行った。例えば,人口統計ピラミッドを見
て先進国,中進国,途上国の特質の違いを発
見しながら,それらの国の食糧生産統計から
その国の特徴・傾向を分析把握し,それらを
関連付けると食料自給率の低さという関係を
導きだし,世界の食料危機問題を客観的科学
的 に 探 究・獲 得 し て 行 く 。そ の 子 ど も 達 の “問
い ”を 発 し 探 究 を 進 展 さ せ る「 問 い の 連 鎖 」を
解 析 し ,そ れ を 支 援 す る 5 段 階 か ら な る 3 階
層 〔 A 現 象 探 索 層 (① 傾 向 ・ 特 徴 把 握 探 究 層 ,
② 多 面 的 発 散 化 − 焦 点 化 収 束 化 探 求 層 ),B 仮
説 形 成 探 究 層 (③ 関 係 分 析 層 ,④ 複 合 的 関 連 づ
け 分 析 層 ), C 概 念 化 法 則 化 探 究 層 (⑤ 因 果 関
図 3 統 計 教 育 e-Stat の公 開 ページ
係 的 探 究 , 一 般 化 探 究 層 )〕 の 仮 説 的 な “階 層
型 統 計 的 探 究 ナ ビ ゲ ー シ ョ ン ”(“ 問 い の 体 系
4.小 学 生 向 け統 計 教 育 e-Stat
化 ”モ デ ル )と し て 構 築 す る 。
こ の 学 習 コ ン テ ン ツ は ,「 統 計 と は 何 か 」
(3) “ 統 計 で 探 究 す る 力 ” を 育 て る ( 統 計 的 探 究
「統計を教える」ことを直線的・直接的に目
プ ロ セ ス ) 統 計 教 育 e-Stat
指すのではなく,教育,統計教育の本来の目
第 3 段 階 へ の 発 展 は , “統 計 を 作 り , 統 計 を
標 で あ る「 統 計 で 考 え る 」
「統計的なものの見
用 い て 考 え 判 断 す る ”総 合 的 な 「 方 法 知 」 と し
方・考え方」を自学自習していく学習コンテ
て の 統 計 的 探 究 プ ロ セ ス の 力 を 高 め る e-Stat
ンツを目標に作成,開発した。問題,解答,
へ と 発 展 す る こ と が 期 待 さ れ る 。そ れ が 開 発 さ
教師の指導ポイントから構成されている。
れ れ ば ,総 合 的 な 学 習 の 時 間 の「 調 べ 学 習 」で
これは全国統計教育研究協議会の研究部
有 効 に 活 用 さ れ ,新 し い 能 力 を も つ 児 童 生 徒 の
会の共同作業で木村の設計モデルに従って協
育成に学校教育,教育界に大きな力となる。
力して開発したものである。
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<小 学 生 向 け統 計 教 育 e-Stat の構 成 >
<高 校 生 向 け統 計 教 育 e-Stat の構 成 >
<1年 生 >
1部 統 計 で知 る,統 計 でとらえるとは? −どんな特 徴 ,性
質 があるのだろうか−( 木 村 捨 雄 ・ 垣 花 京 子 )
・ た の し い お た ん じ ょ う 日 き ゅ う し ょ く( よ む ・ つ く る )
1.1 現 象 を 知 る , 理 解 す る と は ? ( 理 論 で 知 る , デ
<2年 生 >
ータで知る)
・ お父 さんお母 さん大 すき(つくる)
1.2 統 計 デ ー タ で 知 る 世 界 と は ? − 持 続 可 能 な 社
・ わ す れ も の し ら べ( つ く る )
会について−
<3年 生 >
1.3 統 計 と は ? ( 統 計 の 定 義 と 性 質 )
・ す ず し い ぼ う し は ど れ か な( よ む・ つ く る )
1.4 統 計 調 査 に は ど ん な も の が あ る の か ? ( 政 府 統
・ 思 いやりのある友 だち∼3年 生 の友 達 調 べ∼(よむ)
計調査,民間統計調査,研究統計調査)
<4年 生 >
1.5 国 に は ど ん な 統 計 調 査 が あ る の か ? ( 指 定 統 計
・ 朝 食 ち ゃ ん と た べ て い る ? ( よ む)
調査,承認統計調査,届出統計調査)
・ フ ィ ン ラン ド の 子 ど も た ち の 遊 び ( よ む)
2部 データを集 めよう(統 計 調 査 の企 画 設 計 と実 施 )
<5年 生 >
(村瀬康一郎・垣花京子・木村捨雄・倉井庸維)
・ 旅 客 数 と 乗 り 物 の 利 用 は ど う 変 わ った か( よ む )
2.1 ど う や っ て 統 計 デ ー タ を 集 め る か ? ( 統 計 調 査
・ 湖 や 沼 を 汚 れ か ら 救 お う ∼ 千 葉 県 ・ 手 賀 沼 ∼( よ む )
のための基礎知識)
・ 私 の県 の米 と野 菜 の生 産 は(よむ)
2.2 統 計 調 査 は ど の よ う に 進 め た ら よ い か ? ( 統 計
・ 交 通 事 故 から身 を守 る(よむ)
調査の企画・設計)
<6年 生 >
2.3 い ろ い ろ あ る 統 計 調 査 と は ? ( 統 計 デ ー タ の 特
・ 科 学 技 術 で 世 界 に 貢 献 を ( よ む)
色による統計調査の分類)
・ おとしよりの健 康 と暮 らしを考 えよう(よむ)
2.4 信 頼 性 の あ る 標 本 調 査 を ど の よ う に 行 う か ?
・ 世 界 の子 どもたちを救 おう∼ユニセフの活 動 を通 して∼
(母集団と標本,標本調査と標本抽出)
( よ む)
3部 データを整 理 し,まとめよう(データの整 理 )
・ 自 分 の歯 大 切 にしてる?(よむ)
(木村捨雄・金児正史・青山和裕)
・ 世 界 人 口 と食 料 供 給 (よむ)
3.1 目 的 に あ っ た デ ー タ 整 理 , ま と め を ど う 進 め る
・ 発 明 発 見 の 輸 出 大 国 を め ざ そ う( よ む )
か?(データ整理)
3.2 集 め た デ ー タ を 表 に 整 理 し よ う ( 表 の 表 し 方 と
きまり)
3 . 3 データをグラフに表そう(グラフの表し方ときまり)
4部 データを加 工 ,分 析 して,標 本 の特 性 を探 ろう,知 ろう
(データ解 析 の基 礎 )( 金 児 正 史 ・ 木 村 捨 雄 )
4.1 散 ら ば り の あ る デ ー タ を ど う ま と め る か ? ( 分
布 の 型 を も と に し て「 標 本 の 特 性 」を と ら え る )
4.2 分 布 の 中 心 的 な 傾 向 を ど う と ら え る か ? ( 集 団
の特性:代表値)
4.3 統 計 デ ー タ の 散 ら ば り 具 合 を ど う と ら え , 表 す
か?(散布度:分散,標準偏差)
4.4 2 つ 以 上 の 統 計 デ ー タ の 関 係 , 関 連 を と ら え る
には?(相関関係)
5部 統 計 は“確 かな統 計 データ”をどのように確 保 ,保 証 して
いるのか?( 標 本 ,母 集 団 と代 表 的 分 布 ,統 計 的 推 定 ・
検 定 ,サンプリング)( 木 村 捨 雄・青 山 和 裕・倉 井 庸 維 )
5.1 統 計 デ ー タ と 分 布 , 母 集 団 パ ラ メ ー タ は ど ん な
関係があるのだろうか?
5.2 標 本 平 均 , 分 散 の “平 均 ”は ど の よ う な ふ る ま い
を す る の だ ろ う か ?( 標 本 ,標 本 分 布 と 期 待 値 )
5.3 統 計 デ ー タ の 結 果 を 信 頼 で き る も の と 考 え る
図 4 小 学 生 向 け学 習 コンテンツの一 部
(6年 生 科 学 技 術 で世 界 に貢 献 を)
には?(統計的推定)
5.4 “ 同 じ , 違 う ” と 統 計 は ど の よ う に 判 断 す る の
か?(統計的仮説検定)
5.5 統 計 デ ー タ , 標 本 の 信 頼 性 を ど の よ う に 確 保 す
5.高 校 生 向 け統 計 教 育 e-Stat
るのか?(標本抽出法:サンプリング)
統 計 現 象( 不 確 実 性 現 象 )と は ? に 始 ま り ,
6部 統 計 で捉 える捉 え方 の論 理 とは?(統 計 的 知 識 獲 得
統計で捉える捉え方とその知識,そして,統
の論 理 )( 木 村 捨 雄 )
6.1 統 計 で 知 る , 統 計 で と ら え る
計によって知識を獲得する論理にわたる,6
6.2 統 計 の 6 つ の 基 本 性 質 ( 統 計 の 論 理 )
部 構 成 の 本 格 的 な 統 計 講 座 の e-Stat で あ る 。
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<教 師 向 け統 計 教 育 e-Stat の構 成 >
<短 編 版 > ( 木 村 捨 雄 ) 簡 潔 に 統 計 教 育 を 知 る
・統 計 の 見 方 1( 見 え る も の を 見 る
る力)
し方
見えないものを見
多面的・柔軟な統計データの見方・解釈の
−「高い付加価値」の知識・情報を生む統計
の見方・解釈のし方−
・統 計 の見 方 2
計的解釈
創 造 的 な「 高 度 情 報 変 換 」を め ざ す 統
− 「 知 の 創 造 」( 知 識 創 造 ・ 情 報 創 造 ) の
統計教育−
・ 統 計 の見 方 3と大 切 さ( 統 計 的 探 究 )
統計的探究プロセス:とらえる−あつめる−まとめ
る−よみとる−いかす
−八つ手の葉は本当に8枚なの?の探究−
・ 今 ,なぜ統 計 教 育 が必 要 なのか?
<本 格 版 >
第 1章 『新 しい知 の創 造 』社 会 に向 けての子 どもの統 計 リ
テラシー −賢 い市 民 になる子 どものための統 計 教
育 と授 業 設 計 −( 木 村 捨 雄 )
第1節 児童生徒の統計データ・統計グラフに対する
理 解 の 特 色 − 知 識・理 解 の 目 標 は 達 成 し て い
るが「知の創造」力は低い−
図 5 高 校 生 向 け学 習 コンテンツの一 部
(1部 1.3 統 計 とは?)
第2節 多い統計データ・統計グラフを活用した社会
科関連教科書 −地理,公民,歴史−
第3節 統計データ(統計グラフ・統計表)をどのよ
6.教 師 向 け統 計 教 育 e-Stat
うに読むか? −統計教育における統計デー
統計教育とは何かに始まり,統計教育の目
タの5段階読み−
第4節 「新しい知の創造・情報の創造」を目指す統
標,統計教育カリキュラムの設計ガイド,実
計教育カリキュラム −5段階統計的探究プ
践事例,統計グラフコンクールについて,具
ロセスに基づく統計教育の授業実践−
体的な事例をまじえた授業設計理論と実践を
第5節 『新しい知の創造』社会に向けた統計教育と
統計リテラシー
盛 り 込 ん で あ る e-Stat で あ る 。
第 2章 統 計 教 育 の授 業 実 践 事 例
土 の子 学 習 「守 ろう 私 たちの今 切 川 Part1&2」
(徳島県板野郡北島町立北島南小学校)
第 1 節 実 践 例 1 5 年 「 守 ろ う 私 た ち の 今 切 川 part1 」
第 2 節 実 践 例 2 5 年 「 守 ろ う 私 た ち の 今 切 川 part2 」
第 3章 統 計 グラフコンクール( 坂 谷 内 勝 )
第1節 統計グラフ全国コンクールとは
第2節 コンクール作品の作り方
第3節 コンクールの応募方法と審査方法
〔参考・引用文献〕
木 村 捨 雄 他 監 修 (1988) 統 計 教 育 の 新 し い 展 開 ,
全国統計教育研究協議会, 筑波出版会.
木 村 捨 雄 (1991) 「 情 報 活 用 」 か ら 「 情 報 創 造 」 の
教 育 , 科 教 研 報 ,Vol.5,No.4,pp.33-38.
木 村 捨 雄 他 監 修 (1999) 統 計 的 探 究 マインドの育
成 で支 える総 合 的 学 習 の時 間 , 教 科 の『統 計 情
報 教 育 の理 論 と授 業 実 践 の展 開 』 Teacher's
Guide, 全 国 統 計 教 育 研 究 協 議 会 , 筑 波 出 版 会 .
木 村 捨 雄 他 編 著 (2005) 進 む情 報 化 新 しい知 の
図 6 教 師 向 け学 習 コンテンツの一 部
(短 編 版 統 計 の見 方 2)
創 造 社 会 の統 計 リテラシー, 東 洋 館 出 版 .
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