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No.53 (2009年 7月)

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No.53 (2009年 7月)
住 貴宏(太陽圏環境部門)
インシュタインの一般相対性理論が予言する「光
が重力によって曲がる」と言う性質のために起
こります。
ある星 ( ソース ) の前を偶然別の星 ( レ
ンズ星 ) が横切るとその星の重力によって背後の
ソース星からの光は曲げられてレンズの様に集光 さ
れ、突然明るくなった様に見えます ( 図 1)。
普通
の星がレンズとなった場合、20 日程度の間に、単
調に 1 -数千倍明るくなって、また同じ速さで元
の明るさに戻っていきます。もしこのレンズ星の
周りに惑星があると、その惑星の重力の影響で単
調でない増光成分が余分に加わり ( 図 2)、この惑
星を検出できます。この方法では、従来の方法で
は困難だった、大軌道半径 (1-6 AU*1)、小質量 ( 地
球質量程度 *2) の系外惑星まで発見できます。また、
マイクロレンズ法 は 他 と 違 い 、主星 ( レンズ星 )
の光を利用しないので、暗い星の周りでも惑星を
検出でき、宇宙で最もありふれた M 型矮星 ( 赤色
太 陽 以 外 の 恒 星 を 廻 る 惑 星 ( 系 外 惑 星 ) は、
1995 年に初めて発見されてから、これまでに 300
個以上みつかっています。ほとんどの発見は、惑
星が主星である恒星の周りを回る反動でその主星
自身が“ふらつく”ところを捉える「視線速度法」
や、惑星が主星の前を横切る時に主星が一瞬暗く
なる“食”を観測する「トランジット法」による
ものです。これらの方法は、惑星が重く公転半径
が小さいほど、高い感度があり、これまで発見さ
れた系外惑星は、木星のような巨大ガス惑星が主
星の近くを高速で回っている物など、我々の太陽
系とは似ても似つかない物ばかりでした。
日本とニュージーランドの共同研究グルー
プ で あ る 我 々 MOA (Microlensing Observation in
Astrophysics) グループは、重力マイクロレンズ現
象 ( 以下マイクロレンズ ) を利用した方法で系外
惑星の探索に取り組んでいます。この現象は、ア
( 左 ) 図 1:マイクロレンズによる系外惑星検出のイメージ。主星のレンズ効果で曲がったソースからの光を惑星がさらに曲げ複雑な
増光を示す 。(右) 図 2:5.5 地球質量の系外惑星系の光度曲線 (増光率の時間変化 )。 複数実験のデータを合わせたもの 。 中央の大きな
ピークは、主星によるマイクロレンズの増光。その右、吹き出し中に拡大されている小さなピークが惑星による増光 1)。
*
1:1 AU(Astronomical Unit: 天文単位 )= 1.5×1011m。地球と太陽の平均距離。*2:地球質量 =6.0×1024 kg。
矮星 ; 0.1-0.5 太陽質量 程度の軽くて暗い星)の
周りで惑星がみつかり易くなります。
マイクロレンズは、
100万個の星を見て一ヶ月に
1 回起こる程度の非常に稀な現象です。
さらに、系
外惑星が発見される確率はこの中の1%程度と小さ
いので、毎晩 1 億個の星を長期間モニターします。
しかも、系外惑星による余分な増光のタイムスケ
ールは数時間-数日と非常に短いので、高頻度で
の観測が必要です。これらの要求を満たすため世
界中の各グループが役割分担をしています。まず
(1) サーベイグループ ( 我々 MOA と OGLE グルー
プ 2)) が星の最も密集した我々の銀河中心付近の
広範囲にわたる約 1 億個の星をモニターして、主
星による増光をみつけて警報を発信します。次に
(2) 追観測グループ (μFAN、PLANET グループ等 )
が警報を受けて世界各地で高頻度な追観測をしま
す。これらのグループは、
日本 、
ニュージーランド、
米国、ポーランド等 11 カ国の約 70 名が参加する
国際共同観測ネットワークを作っています。増光
率が数千倍にもなる場合もあるので、アマチュア
天文家の 25 cm 程度の望遠鏡も活躍しています。
我々 MOA グループは、1995 年からニュージーラ
ンドの Mt.John 天文台の 61 cm 望遠鏡でマイクロ
レンズ探査を行ってきました。2005 年には同天
文台に 1.8 m 広視野望遠鏡 3)(MOA-II、図 3) を建設
し、翌年 4 月から定常観測を開始し、世界中にマ
イクロレンズ警報を発信して、この観測ネットワ
ークをリードする立場にあります。2.2 平方度
( 月の約 10 倍、OGLE の 8 倍 ) と言う広視野を持つ
MOA-II1.8 m 望遠鏡は、マイクロレンズ探査用とし
ては史上最強の装置です。
このような観測ネットワークの下、2003 年には初
めてマイクロレンズで系外惑星を発見 4)、2005 年に
は地球の 5.5 倍と当時最も小さい質量の系外惑星を
発見 1) ( 図 2) するなど、2005 年までに 4 個の系外
惑星をみつけました。これら 4 個の系外惑星のうち、
木星質量 (318 地球質量 ) 程度が 2 個で、海王星質量
(17 地球質量 ) 程度が 2 個でした。本来惑星の質量が
大きい程検出効率は高いにも関わらず、これら 2 つ
の質量カテゴリーの検出数が同じと言うことは、海
王星質量惑星の数が巨大ガス惑星に比べて多いこ
とを意味します。まだ統計は少ないですが検出効率
を考慮して見積もってみると、M 型矮星の周りでは
約 40% (90% 信頼域は 16% 以上 ) の確率で海王星質
量惑星が存在し、その数は巨大ガス惑星の 3 倍程度
と考えられます 5)。これは、現在一般的に受け入れ
られている惑星形成モデル、
「コア集積モデル」の
予言と良く一致します 6)。コア集積モデルでは、主星
の周りにガスや塵からなる原始惑星系円盤ができ
ます。その塵が徐々に集まってコアを作り惑星の種
になり、それにさらに塵やガスが集まって惑星へと
成長します。
「主星が大きいと原始惑星系円盤も大
きくなり、より大きな惑星ができ易い。逆に軽い M
型矮星では、小さな惑星ができ易い」という理論的
予測をマイクロレンズによって初めて観測で確か
めたわけです。
その後、
「我々の太陽系に良く似た惑星系」を発
見しました。2006 年 3 月 28 日、OGLE グループ
から、マイクロレンズ事象 OGLE-2006-BLG-109
に惑星と思われる微かな信号を発見したと連絡が
あり、ただちに MOA を含む世界中の 11 台の望遠
鏡が追観測を開始し、4 月 5 - 8 日に惑星の増光を
捉えらました ( 図 4)。
この複雑な増光現象を解析した結果、我々から
5 千光年 *4 の距離にある太陽の半分の重さの恒星
と、その周りに地球の軌道半径の 2.3 倍、4.6 倍の
距離で周回するそれぞれ木星の 0.71 倍、0.27 倍の
質量の 2 個の系外惑星が発見されました。これは、
我々の太陽系をそのまま約半分に縮小した構成と
なっています。また、2 つの惑星の表面温度は 85
K/60 K 程度と推定され、木星 / 土星の温度よりそれ
ぞれ 30%低いだけです。
上述の「コア集積モデル」では、巨大ガス惑星
*3
図 3:MOAII 1.8 m 望遠鏡。
*
3:太陽質量 (M ☉ )=2.0 × 1030 kg。*4:1 光年 =9.5 × 1012 km。我々から銀河系中心までは 26000 光年 。
( 左 ) 図 4:木星 / 土星に似た惑星を持つ惑星系イベントの光度曲線。複数実験のデータを合わせたもの。ピーク 1,2,3,5 は土星質
量惑星 1 個による増光。ピーク 4 は、木星質量惑星 1 個による増光。( 右 ) 図 5:発見された“太陽系に良く似た惑星系”の概念図。
太陽系を約半分にした大きさ。2 つの惑星が、太陽系の木星 / 土星と同じ様にスノーラインの外側。M ☉ : 太陽質量。MJ: 木星質量。
は温度が十分低い外側で形成されると予想されてい
ます。原始惑星系円盤は主星からの輻射で暖めら
れていますが、その温度がスノーラインと呼ばれる
約 170 K 以下になると水蒸気が氷となって岩
石 コ アに凝縮して成長し易くなります。大きなコ
アにはその重力によってガスが集積し、巨大ガス惑
星が形成され易くなります。太陽系ではスノーラ
インは 2.7 AU にあたり、その内側には水星、金
星、地球、火星と小型の岩石惑星のみで、外側に
は木星、土星と巨大ガス惑星があります。今回発
見された惑星系でも、2 つの巨大惑星は主星の温
度から推定されるスノーラインの外側でした。惑
星の成長は内側の方が早いので、内側の方が大き
なガス惑星ができます ( 木星は土星より大きい )。こ
れも今回発見の惑星系と同じでした。マイクロレ
ンズにより初めて発見された、複数惑星を持つ惑
星系が我々太陽系にそっくりであったとなると、こ
の様な系はありふれた存在なのかもしれません。
さらに、我々は最も小さい主星の惑星系を発見し
ました。2007 年 5 月 24 日、マイクロレンズ事
象 MOA-2007-BLG-192 を発見し、その中に惑星に
よる微かな信号を捉えました。解析の結果、この
レンズは、我々から約 3300 光年の距離にある、太
もしくは、ぎりぎり星になれた程度の小さくて暗
い M 型矮星であると分かりました。褐色矮星か M
型矮星かどうかは、数年後にハッブル宇宙望遠鏡
での追観測で決着する予定です。褐色矮星で原始
惑星系円盤は最近観測にかかりつつありますが、
実際の惑星観測は世界で初めてです。
マイクロレンズは、他の系外惑星検出法とは違
ったタイプの惑星系を発見して来ました。これまで
の結果は、我々の太陽系形成を解釈するために
作られたコア集積モデルを支持する物でした。も
しこのモデルが正しいなら、太陽系の様な惑星系
が宇宙では一般的であることになります。今年始
めには、トランジット観測専用衛星「ケプラー」
が NASA によって打ち上げられ、数年の内に地球
質量の惑星を ( もしあれば ) 発見すると期待され
ています。
ケプラーはマイクロレンズより内側の、
1 天文単位以下の軌道の惑星に感度があり互いに
相補的です。今後数年は、ケプラーとマイクロレ
ンズによる第二の地球発見を目指したチャレンジ
が繰り広げられるでしょう。さらに、NASA では
現在マイクロレンズによる系外惑星探査専用衛星
を打ち上げる計画が提案されています。もしこれ
が実現すれば 2014 年以降、地球質量惑星を約 150
個 ( 全ての星に 1 個地球質量惑星があると仮定し
た場合 ) も発見され、宇宙における「地球」の存在
量などの理解がより進むことになるでしょう。
+3
陽質量の 6−2 %と非常に軽い星の周りを地球の
+5
3−
倍の重さの惑星が回っている系であることが
分かりました。軌道半径は、地球の軌道半径のお
よそ 0.6 倍で金星と同じ位でした。この惑星系の
主星は、これまでにみつかった惑星系の中で最も
軽い天体です。太陽質量の 8%以下の天体は褐色
矮星と言われ、軽すぎて内部で核反応が十分に起
きず自分で光ることのできない“恒星になり損ねた”
星です。今回の観測では、
主星はこの褐色矮星か、
参考文献
1) Beaulieu, J. P., et al., Nature, 439(2006)437, 2)
, 3) 村 木 綏: 日 本 物 理 学 会 誌 , 60(2005)943, 4)
Bond, I. et al.: Astrophys. J., 606(2004)L155, 5) Gould, A. et al.:
Astrophys. J., 644(2006)L37, 6) Ida, S. & Lin, D. N. C.: Astrophys.
J., 626(2005)1045, 7) Gaudi, B. S. et al.: Science 319(2008)927, 8)
Bennett, D. P. et al.: Astrophys. J., Sep. 684(2008)663 所長退任にあたって
藤井 良一
この度、理事・副総長に就任することとなり、
3 月 31 日をもって所長を退任いたしました。所
内外の多くの方々の温かいご支援とご指導を頂
き、4 年間に渡り太陽地球環境研究所 ( 以下研究
所 ) の運営に当たることができたことを、深く
感謝申し上げます。一方、研究所では今、次期
中期計画を作り、全国共同利用の見直しが行わ
れている重要な時期にありますが、このような
時に所長の職を離れることは、これまでご支援
を頂いた皆様や所員の方々に対し、大変申し訳
無く思っております。
私が名古屋大学に異動して参りましたのは、
1992 年の 4 月で、第 32 次南極地域観測から帰
国して 1 週間後でした。初代所長の小口先生や
松浦先生のご指導で、研究所の将来計画の一つ
であった、北極における IS レーダー計画に参画
させて頂きました。当初は日本独自のレーダー
を建設する計画でしたが、最終的には 1996 年、
極地研究所を代表機関として EISCAT(European
Incoherent Scatter:欧州非干渉散乱 ) 科学協会 に
加盟することになりました。これは、研究所や
極地研究所、文部科学省の方々の大変な努力の
賜物でしたが、計画推進の中心であった松浦先
生が若輩者の私に多くの裁量を与えて下さり、
熱情とやりがいを持って全力で働けたことは得
難い経験で、深く感謝しています。それ以来、
所内では野澤さんを実行部隊の中心にして、全
国共同利用を進め多くの成果を得てきたこと、
国際的にも EISCAT 科学協会の中で重要な役割
を果たしてきていることは、大きな誇りであり、
同僚達に感謝し、今後の更なる発展を期待して
います。
独 立 法 人 化 し て か ら 間 も な い 2005 年 に 所
長に就任し、研究面では、国際協同研究計画
CAWSES(Climate and Weather of the Sun-Earth
System)「太陽地球系の気候と天気」を中心と
した第 1 期中期計画の推進を柱としてまいり
ました。前所長のご尽力で獲得できた特別教
育研究経費を用いて、通常の運営費交付金で
は整備できない、太陽風観測装置や北海道レ
ーダー等の大型観測機器の製作設置を行うこ
とができました。今後、これらの機器を用いて、
世界をリードする研究が行われることを期待
したいと思います。又、本年度からは大学間
連携も始めることができ、複数の研究機関が
協力して、今まで以上に共同研究・共同利用
が進展し、STP 分野が発展することを期待い
たします。
組織・体制面では、当時、豊川と名古屋に分
かれていた研究所の移転統合問題が、長きに
わたって大きな課題となっていましたが、こ
の実現に向けて取り組みました。そして、移
転に伴う研究活動への影響など、犠牲になる
ものを最小限に抑える最大の努力をしながら
段階的に計画を進め、2008 年、名古屋キャン
パスへの仮移転をひと段落させることができ
ました。全学との連携の強化など、研究所の
発展に大きな一歩となったと確信しておりま
す。まだ仮住まいで、教授会を開く場所もな
いのが現状ですが、今後研究スペースや設備
等もより良いものにできればと思います。
すべての基本は人のやる気だと思います。各
自が職種によらず各々の仕事に誇りを持ち、
自分たちが研究所を動かすという強い自覚を
持つことで、積極的に活動が支えられていく
と思います。研究所が今後益々太陽地球系科
学およびその周辺領域の科学で先導的な役割
を果たすこと、共同研究共同利用拠点として
学界の発展に貢献することを祈念いたします。
皆様には、今まで以上にご支援とご指導をお
願い申し上げます。
「国際」と「海外」
津田 敏隆(運営協議委員)
京都大学生存圏研究所
太陽地球系物理や地球大気環境を扱う学問分
野では、自然界の動きを肌で知ることが基本だ
と私は考えています。研究室に閉じこもってパ
ソコンのキーボードを叩いているだけでは理解
が進みません。国内はもとより海外の研究フィ
ールドに出向いて、観測をすることが研究推進
の原動力になっています。
私が初めて海外観測に参加したのは 1977 年
で、ペルーに 1 ヶ月間出かけました。米国が磁
気赤道上に建設したヒカマルカレーダーを使っ
て成層圏の風速を観測しました。今振り返ると
のんびりしたもので、実験の待ち時間に小型セ
スナ機でナスカの地上絵を見に行ったのを覚え
ています。1980 年と 1983 年にはカリブ海に浮
かぶプエルトリコのアレシボレーダーによる実
験を行いました。擂鉢状のくぼ地に建設された
直径 300 mのアンテナ反射面に、大きさもさる
ものながら発想の大胆さに驚きました。
赤道レーダーの候補地を探すため、1985 年に
加藤先生、深尾先生と初めてインドネシアに出
かけました。国内では、3 年がかりで信楽に建
設していた MU レーダーが稼動し始めていまし
た。東西に 5000 km 以上にわたって地理赤道上
に広がるインドネシアで、数年かけて建設候補
地を西はスマトラからボルネオを経て東端のパ
プアニューギニアまで飛び回り、熱帯大気の激
しい動きを体感しました。その後、インドネシ
アを中心とするアジアオセアニア域の海外拠点
で気球やレーダーによる大気観測を行い、その
成果として得られた赤道大気の力学特性に関し
て欧米諸国をはじめ各国の研究者と国際共同研
究を進めています。
回想はともかく、本題に移りますが、私は「国
際」と「海外」が必ずしも同義ではないことが、
かねがね気になっています。
アジア諸国との「国際」共同研究では、我々
は観測装置類を日本から「海外」に持ち出し、
観測実施に協力を得ています。そもそも観測点
を求める際に、自然条件 ( 例えば赤道直下 ) が
先行するので、共同研究相手の有無は二の次で
す。しかし、そこに研究組織があるならば、そ
のインフラを都合よく利用してきたのです。観
測データは共有するにしても、高度なデータ解
析や先端研究課題の追求は主に日本側で行って
きました。その結果、先進国と発展途上国との
間で、資源・エネルギー等の不等配分に関して
紛糾している「南北問題」が、地球惑星科学に
も生じかねない事態になっていると危惧しま
す。
観測データを基礎に研究成果を共に解釈し、
最先端の科学テーマについて共同研究すること
が重要です。各国に研究グループ、指導者を育
成し、これらを束ねて高度人材ネットワークを
構築して連携を深めることで、はじめてアジア
での国際共同研究が実現すると考えています。
こういった、いかにも高所から見下ろした態
度でいるうちに、韓国、台湾はもとよりインド
や中国等も独自に学問レベルを持ち上げ、日本
を飛び越して欧米と国際共同研究を進めていま
す。例えば、近年インドから米国地球物理学会
(AGU) 系の論文誌への投稿が増え、国際会議で
のプレゼンスも高まっていることは、多くの方
が実感されていると思います。
アジアでの先進国として科学技術を先導して
いたのに、と昔語りにならないためには、若
手研究者・学生を中心に交流を進め、アジア
における学術推進のリーダーシップを維持す
る努力が要ります。例えば、京都大学の地球惑
星科学専攻が 2003 - 2007 年度に実施した 21
世紀 COE プログラム「活地球圏の変動解明」
(KAGI21) の一環として、我々はインドネシア
のバンドン工科大学で毎年 2 週間にわたるサマ
ースクールを開催しました。アジア諸国を中心
に 40 - 50 名の若手を集め、合宿形式で座学、
フィールド研修さらに衣食をともにしました。
また、2008 - 2010 年度には日本学術振興会の
アジア・アフリカ学術基盤形成事業の一課題と
して大気圏観測に関する集中講義、セミナーお
よびワークショップをインドおよびインドネシ
アで実施しています。
こういった地道な capacity building を行う
と同時に、コミュニティの組織化も重要だと
思います。近年、国内あるいはアジア域の地
球惑星科学の学界における総合的な情報交換
と意見集約を目指して、AOGS(Asia Oceania
Geosciences Society) お よ び 日 本 地 球 惑 星 科
学連合 (JPGU) が創設されています。AGU 総
会参加のためにサンフランシスコに出かける
のも有益でしょうが、AOGS や JPGU を盛り
立てていくことが大切だと思います。
Catching Pc1 Waves
Viacheslav (Slava) Pilipenko, Visiting Professor
from Space Research Institute, Moscow(Russia)
I was invited as a visiting professor to work
during February-May 2009 in the Division
headed by Prof. K. Shiokawa. My research
in Nagoya University was related to the
analysis of the data from the array of induction
magnetometers recently deployed by STEL.
Comparative analysis with data records from
other Japanese magnetometer groups has
proved that their instruments are much behind
the STEL sensors in sensitivity. Nonetheless,
nowadays there are more than hundred magnetic
stations are operating world-wide already. What
new can this relatively small array provide?
The existing magnetometer arrays are well
suited for monitoring of intense magnetic
variations (e.g., substorms) and long-period
ULF waves. However, the high-frequency part
of ULF spectra (from fractions of Hz to a few
Hz) cannot be detected by these magnetometers
because of their low sensitivity and cadence.
At the same time, in this relatively narrow
band (Pc1/Pi1 according to ULF nomenclature)
a surprisingly vast "zoo" of various
electromagnetic "species" can be observed.
Though many of them are known to ULF wave
physicists, their basic mechanisms are not fully
understood yet.
Sumo is the only sport where I can compete with my
STEL colleagues.
(IAR). An intriguing idea to use the IAR signatures
for the spectroscopy of the top-side ionosphere, not
easily available to in-situ observations, requires a
realistic model describing EMIC wave interaction
with the entire ionosphere-atmosphere-ground
system. Commonly used approximation of the thin
ionosphere cannot be applied in the IAR frequency
range. New numerical MATLAB-driven model, in
which the profile of plasma constituents is derived
from IRI-2007 model, of ULF wave interaction
with realistic ionosphere has been developed
jointly by Moscow and STEL groups. This model
has been validated by comparison of Pc1 waves at
low-Orbiting US micro-satellites ST5 in the top-side
ionosphere and on the STEL station Athabasca
(Canada). Pc1 wave emissions on the ground were
much longer and had amplitudes at ~1000 km away
from the satellite footpoint of about 2 orders of
magnitude smaller than amplitudes observed by the
satellite. The re-normalized ground spectral power
densities with account of Pc1 attenuation upon the
ionospheric propagation were found to be consistent
with power densities observed at satellite altitudes
and wave distortions predicted by the new model.
For long-period ULF waves the ionosphere can
be imagined as an opaque window reflecting the
wave structure in the magnetosphere. For Pc1
wave the role of the ionosphere is fundamentally
different. Owing to their small spatial wavelength
Pc1 waves can be trapped into the ionospheric
waveguide and resonator. The occurrence of
natural resonators and waveguides leads to the
possibility of wave energy accumulation in certain
regions, and can form a narrow-band resonant
structure of ULF emissions, which can be used
for "hydromagnetic spectroscopy" of the space
environment. Non-monotonic height distribution of
Alfven velocity in the top-side ionosphere results in
the formation of the ionospheric Alfven resonator
One of possible IAR energy source may be related to the
lightning discharges. However, the existing theoretical
estimates of relative contribution from the world
thunderstorm centers and near-by lightnings to the
are still waiting an adequate interpretation and
understanding.
mid-latitude electromagnetic field in IAR frequency
range are not consistent with the observational
results. In the nomenclature of ULF emissions the
band between Schumann resonance (~8 Hz) and
typical Pc1 waves (~1 Hz) was commonly neglected,
until the studies with sensitive instruments have
discovered Pc1 impulses and noises related to lightning
phenomena. ULF electromagnetic waves in the cavity
ground-ionosphere can couple to MHD modes due
to Hall conductivity, which results in excitation of
IAR. The new model of ULF wave interaction with
realistic ionosphere has been expanded to account for
excitation of electromagnetic field by sources not just
above, but below the ionosphere also. The comparison
of the theoretical predictions with the synchronous data
from STEL station Moshiri and National Lightning
Detection Network is in progress now. Hopefully, this
study will unite more closely the geomagnetism, space
physics, and atmospheric electricity.
A strong point of Nagoya University is that apart from
many world-known professors in space physics, it has
many promising and gifted students. I have a long-time
educational experience in various US and European
universities, and I must say that STEL students are
more devoted to their studies, they have a higher "team
spirit", and work harder than their US/European peers.
I was glad to have a chance contribute a little in their
education: during my staying I have presented to
graduate students the course "Secrets of the physicist's
kitchen", describing simple tools which physicists
use in their everyday work. This course is now freely
available as a set of PDF files to any interested student.
I was charmed by Japan and its people since my first
visit to the old STEL branch in Toyokawa many years
ago. The recent visit also has become the best part
of my life during last years: friendly and cooperative
atmosphere, permanent readiness of all staff to help,
excellent working and living conditions. In general, I
believe that Japan gives a good example for the whole
world what a country can achieve if it will rely not upon
rich natural resources or cheap immigration labour,
but on the hard and persistent work of its people.
In my opinion, the physics of Pc1 waves experiences
a revival nowadays . Many previous seemingly
well-established paradigms have been substantially
revised or even rejected thanks to recent multi-satellite
missions. New ground facilities, such as rapid-run
auroral camera operated by STEL, discovered new
ULF features of the auroral electrodynamics that
わたしたちの研究所はその名の通り、ある
種の「環境」を研究対象としています。この
「環境科学」はいうまでもなく応用科学の一分
野ですが、天文学などの歴史ある由緒正しき
(?)応用科学と比べると、時に奇妙な状況に
出くわします。中でも、
「政策」と強くリンク
した「目的指向」の研究が意識されているこ
とは、奇妙に感じることの一つです。
そこでは、解決すべき課題(「 目
的 」) が 明 確 に 規 定 さ れ、 課
題解決に向かって研究者と資
源を大量に投下すると同時に、
結果として、その分野の研究レ
ベルが大きく引き上げられるとい
うものです。これは、一見、健全な科学
の発展方向に感じますが、少し立ち止まって
考えてみると、いくつかの疑問や不安が頭を
よぎります。なかでも、
「目的」の種はどこ
から生まれ、そして「目的」を達成した後ど
うなるのか、という疑問は、環境科学を生業
とする研究者や、特に、それをめざす学生に
少なからず影響を与えると思います。例えば、
約 30 年前に発見された「オゾン層破壊」の問
題は、およそ 20 年間の「目的指向」の研究に
よってメカニズムの多くが解明され、政策的
な対応がなされた結果、大局的には課題を解
決したとみなされ、解決すべき「目的」から
はずれていき、同時に多くの研究者は次の課
題へと移っていきました。
ここで、
「目的」の種をまくのはだれかとい
うことになります。大きな課題を掲
げた「目的志向」の取り組みが
研究者をひきつけるのは間違い
有りませんが、その種もまた
研究者自身からしか生まれま
せん。研究の第一歩が課題の設
定にあるのなら、まさに「種」を
まく部分が必要です。しかもその種は
どこからともなく湧いてくるのではなく、脈々
とつづく研究が土台となっているのだと思う
のです。そういう意味で、
「目的指向」の研究
が本当に次の種を生み出せるのかが、
「環境科
学」が由緒ある科学として成立していくため
のポイントではないでしょうか。
長濵 智生
(大気圏環境部門 准教授)
2009 年度各委員会の構成
任期 : 2008 年 4 月 1 日- 2010 年 3 月 31 日
○ : 委員長 ● : 幹事
運営協議会
所 外 委 員
共同利用委員会
所内委員
小野 高幸 ( 東北大学大学院理学研究科 ) 笹野 泰弘 ( 国立環境研究所 )
佐藤 夏雄 ( 情報 ・ システム研究機構国立極地研究所 )
湯元 清文 ( 九州大学宙空環境研究センター )
津田 敏隆 (京都大学生存圏研究所)
櫻井 隆 (自然科学研究機構国立天文台)
梶田 隆章 ( 東京大学宇宙線研究所 )
熊谷 博 (情報通信研究機構)
星野 真弘 (東京大学大学院理学系研究科)
杉山 直 ( 名古屋大学大学院理学研究科 )
河野 明廣 ( 名古屋大学大学院工学研究科 )
柴田 隆 ( 名古屋大学大学院環境学研究科 )
所 外 委 員
松見 豊
水野 亮
塩川 和夫
伊藤 好孝
菊池 崇
荻野 瀧樹
所内委員
小池 真 (東京大学大学院理学系研究科)
○菊池 崇
中村 卓司 (情報 ・ システム研究機構国立極地研究所) ●増田 智
丸山 隆 ( 情報通信研究機構 ) 松見 豊
宗像 一起 ( 信州大学理学部 )
長濱 智生
河野 英昭 ( 九州大学大学院理学研究院 )
塩川 和夫
北 和之 ( 茨城大学理学部 )
野澤 悟徳
秋岡 真樹 ( 情報通信研究機構 )
松原 豊
柴田 祥一 ( 中部大学工学部 )
徳丸 宗利
篠原 育 ( 宇宙航空研究開発機構 )
荻野 瀧樹
山岸 久雄 ( 情報 ・ システム研究機構国立極地研究所 )
共同利用専門委員会
専門委員会
大気圏専門委員会
所外委員
所内委員
○北 和之 ( 茨城大学理学部 )
小川 英夫 ( 大阪府立大学大学院理学系研究科 )
笠井 康子 (情報通信研究機構 )
村田 功 ( 東北大学大学院環境科学研究科 )
小池 真 ( 東京大学大学院理学系研究科 )
梶井 克純 ( 首都大学東京都市環境学部 )
●松見 豊
水野 亮
長濵 智生
電磁気圏専門委員会
○丸山 隆 ( 情報通信研究機構)
石井 守 ( 情報通信研究機構 )
田口 聡 ( 電気通信大学電気通信学部 )
宮岡 宏 ( 情報 ・ システム研究機構国立極地研究所)
中村 卓司 ( 情報 ・ システム研究機構国立極地研究所 )
●塩川 和夫
野澤 悟徳
大塚 雄一
大山伸一郎
太陽圏専門委員会
○秋岡 眞樹 ( 情報通信研究機構 )
中川 朋子 ( 東北工業大学工学部 )
柴田 祥一 ( 中部大学工学部 )
花岡庸一郎 ( 自然科学研究機構国立天文台 )
大山 真満 ( 滋賀大学教育学部 )
永田 伸一 (京都大学大学院理学研究科附属天文台)
羽田 亨 ( 九州大学総合理工学研究院 )
長谷部信行 ( 早稲田大学理工学術院総合研究所 )
●松原 豊
伊藤 好孝
徳丸 宗利
総合解析専門委員会
○篠原 育 ( 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部 )
河野 英昭 ( 九州大学大学院理学研究院 )
能勢 正仁 ( 京都大学大学院理学研究科 )
横山 央明 ( 東京大学大学院理学系研究科 )
中村 雅夫 ( 大阪府立大学大学院工学研究科 )
品川 裕之 ( 情報通信研究機構 )
●関 華奈子
増田 智
菊池 崇
荻野 瀧樹
海老原祐輔
ジオスペース研究センター総合観測委員会
ジオスペース研究センター運営委員会
所 外 委 員
末松 芳法
平原 聖文
篠原 育
山岸 久雄
今村 隆史
中村 俊夫
所 外 委 員
所内委員
所内委員
○宗像 一起 (信州大学理学部)
●西谷 望
湯元 清文(九州大学宙空環境研究センター)
徳丸 宗利
山岸 久雄 (情報 ・ システム研究機構国立極地研究所)
塩川 和夫
巻田 和男 (拓殖大学工学部)
増田 公明
津田 敏隆 (京都大学生存圏研究所)
長濵 智生
荻野 瀧樹
(自然科学研究機構国立天文台)
○荻野 瀧樹
(東京大学大学院理学系研究科)
●阿部 文雄
(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部)
西谷 望
(情報・システム研究機構国立極地研究所)
松見 豊
(国立環境研究所)
塩川 和夫
(名古屋大学年代測定センター)
増田 公明
徳丸 宗利
増田 智
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研究代表者
2009 年度共同利用研究採択一覧
年度共同利用研究採択一覧
2009
所属機関
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職名
職名
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所属機関
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研究課題
研究課題
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12
研究代表者
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所属機関
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職名 職名
研究課題
研究集会名
2009 年度計算機利用共同研究採択一覧
年度計算機利用共同研究採択一覧
2009
研究代表者
研究代表者
所属機関
所属機関
職名 職名
13
研究課題
研究課題
研究代表者
所属機関
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職名
研究課題
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2009 年度データベース作成共同研究採択一覧
研究代表者
所属機関
職名
研究課題
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さいえんすトラヴェラー
名物は白菜と角煮?-台湾出張記
総合解析部門 三好 由純
ついて議論を行いました。また、会合の合間
には、陳教授が所長を務められている國立成
功大學の電漿與太空科學中心 (Plasma and Space
Science Center) という施設を見学させていただ
きました。ここでは、科学衛星搭載用の粒子計
測器の開発に向け、風間さんや藤川さんも参加
されてクリーンルームなどの整備が着々と進ん
でいます。すでに、過去 10 年ほどの間に、台
湾は地球観測衛星などを着実に開発・運用して
きていますが、今後、宇宙科学の衛星開発も本
格化させていこうという熱気が伝わってきまし
た。
ところで、日本から台湾南部にある台南市
に行くには、まず台湾北部の台北にある空港
に降り立ち、そこから新幹線に乗って台湾国
内を移動します。会議前日の日曜日に台北に
到着後、新幹線の時間までの空き時間を利用
して、浅村助教と世界 4 大博物館の一つであ
る台北・國立故宮博物院を見学してきました。
約 2 時間の短い時間の滞在でしたが、高校生
の頃から見たいと思っていた王義之の書をは
じめ、多くの美術品を楽しむことができまし
た。特に、3 代にわたって一本の象牙を外か
ら彫刻し、いくつもの球を重ねた象牙多層球
という美術品は、現在でもその制作方法は分
かっていないとのことで、ため息の出るよう
な見事さでした。また、事前に台湾在住の藤
川さんから浅村助教に、「故宮博物院の名物
は、白菜と角煮!」という情報があり、これ
はきっと故宮博物院内のレストランの隠れた
名物料理に違いない・・と楽しみにしていま
した(ガイドブックにも載っていなかったの
です)。ところが、レストランは閉館時間に
近く、すでにオーダーストップ。がっかりし
ながら、博物院 3 階のある展示室に入ったと
ころ、そこにはヒスイで造られた白菜と、天
然の石から造り出した本物そっくりの豚の角
煮があり、多くの観光客でにぎわっていまし
た。名物の白菜と角煮、それは故宮博物院の
二大至宝「翠玉白菜」と「肉形石」だったの
です。思わず、徒然草を思い出しました。
2009 年の 3 月に、台湾・台南市にある國立
成功大學に出張する機会がありました。現在、
日 本 の STP コ ミ ュ ニ テ ィ で は、ERG そ し て
SCOPE と呼ばれる科学衛星を 2010 年代に打ち
上げる計画を進めています。今回の出張は、こ
れらの衛星計画に関して台湾側との協力関係と
サイエンスの議論を進めるためのもので、日本
からは宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究本
部の藤本教授、浅村助教、長谷川助教と、私が
参加し、また、現在台湾で研究されている日本
人の風間さん、藤川さん、斎藤美穂さんと現地
で合流しました。
今回訪れた國立成功大學は、台湾の英雄・鄭
成功にちなんで名づけられた大学で、台湾屈指
の総合大学です。キャンパスを散策してみまし
たが、学生がサークル活動をしている様子や、
原付で通学している様子、コンビニエンスス
トアで買い物している様子などは日本の大学で
見かける光景とまるで同じで親しみを感じる一
方、とても広い緑豊かなキャンパスと、歴史的
な建造物をキャンパスの中にきちんと残してい
る様子は、うらやましくも感じました。
会合には、日本の STP コミュニティでもお
なじみの國立成功大學の陳秋榮 (Frank Cheng)
教授とそのグループのほか、台湾の宇宙科学
の研究者が数多く参加され、ERG、SCOPE に
向けた科学課題や今後の協力の可能性などに
國立成功大學前の交差点。たくさんの学生が原付に乗
って、信号待ちをしているところ。
15
2008 年度 博士号取得者
Study of isolated proton auroral arcs related to Pc 1 geomagnetic pulsations
at subauroral latitudes
サブオーロラ帯での孤立プロトンオーロラアークと Pc 1 地磁気脈動の研究
坂口 歌織
近年、人工衛星による地球大気のグローバル撮像
磁気脈動が常に同期して出現する事を明らかにした。
から、オーロラ帯よりさらに低緯度側のサブオーロ
ラ帯と呼ばれる領域にプロトンオーロラの発光領域
また人工衛星による粒子観測データも考慮した包括
的な解析から、地球上空の高度 20000 km 付近のプラ
が存在することが確かめられている。本研究ではこ
ズマポーズで Pc1 脈動の起源であるイオンサイクロ
のオーロラの発光メカニズムを解明するため、カナ
トロン波動が発生し、エネルギーの高いプロトンを
ダのアサバスカ観測点に設置した高感度全天カメラ、
共鳴散乱した結果、孤立オーロラを発光させている
誘導磁力計の観測データを用いて、サブオーロラ帯
のだろうということが分かった。また局所的に出現
の夜空に局所的に現れる「孤立プロトンオーロラ」
する孤立オーロラの描像は、波動と粒子の共鳴領域
について調べた。地上観測ならではの、時間・空間
分解能の高い観測データは、孤立オーロラと Pc1 地
が空間的に局在化していることを示唆している。
Ionospheric convection-electric field effects on polar lower-thermospheric
wind dynamics
電離圏対流電場が極域下部熱圏大気ダイナミクスへ与える影響
津田 卓雄
地上 100 km 以上の大気は、その一部が電離し
場効果の定量的評価は十分ではなく、その効果が、
た状態(中性大気と電子・イオンが混ざり合った
中性風変動を起こす大きさかどうかについては
状態)にある。一般に中性大気は電場の影響を受
あまり知られていない。本研究では、欧州非干渉
けないが、この領域の中性大気は、電場の影響を
受けたイオンと衝突して、電場の影響を受けるこ
散乱スヴァールバルレーダーの観測データを用い
て、下部熱圏高度(高度 100 - 130 km 付近)の中
とが考えられる。これまでのレーダー・人工衛星
性風変動に対する電場効果の大きさを求めて評価
等の観測結果から、極域では、オーロラ活動に伴
し、電場効果が、夏期の極域下部熱圏中性風に対
う電場効果が中性大気の運動(中性風)を変化さ
して重要な影響を与えていることを初めて定量的
せていることが指摘されてきた。その一方で、電
に実証した。
Study of auroral broadband electrons during storm-time substorms based on
multispacecraft observations
磁気嵐中のサブストームにおける複数衛星観測に基づいた広エネルギー帯オー
ロラ電子降り込みの研究
中島 章光
地球磁気圏から電離圏へ降りこんでオーロラを
大する。その結果として、磁気圏から電離圏へ大
光らせる粒子のフラックス量は、磁気嵐の時に増
量のエネルギーが流入することとなる。このエネ
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ルギー流入過程を解明するには、オーロラ粒子の
ある "broadband electrons(BBEs)" について調査を
加速・加熱過程を調べることが重要であるが、多
行った。磁気圏や電離圏を飛翔する複数の衛星と
様な特徴を示す磁気嵐時のオーロラ粒子につい
地上で取得された観測データから、磁気嵐主相中
のサブストームに伴い、局所的に 10 分程度の間、
て完全に理解するためには、未だ研究例が不足し
ている。本研究では、磁気嵐時に、オーロラオー
バル低緯度側で広いエネルギー範囲(50 eV - 30
内部磁気圏と電離圏上部の二つの高度で急激な
keV)にわたり電子フラックスが増大する現象で
れている、という描像が示唆された。
オーロラ電子の加速・加熱が起き、BBEs が生成さ
Study on the dynamics of O+ ions in the Earth’s magnetosphere during
geomagnetic storms
磁気嵐時の地球磁気圏における酸素イオンダイナミクスに関する研究
姚 尭
最近の衛星観測により、電離圏起源の O+ イオンは磁
磁気嵐時に太陽風条件と低エネルギー O+ イオンの変動
との関係は FAST 衛星の観測データを使って調べた。リン
グカレントとプラズマシート領域での O+ イオンの密度と
気嵐時リングカレントの重要なソースであることが明ら
かになった。一方、この O+ の供給はどこからくるのか、
リングカレントに注入される O+ はどういうメカニズムで
圧力の変動に対して、太陽風動圧も重要な役割を果した。
加速されているのか、O+ の卓越と太陽風条件との関係に
ついて等の問題は、未だ解明されていない。本研究では、
総合的に太陽風条件と低エネルギー (< 28 keV) O+ イオン変
また、新発見として、太陽風動圧の擾乱も一つの重要なファ
クタとして分かった。また FAST 衛星で観測した MIBS の
統計解析結果によって、磁気嵐時に O+MIBS は O+ イオン
動との関係、統計的にマルチイオンバンド構造 (MIBS) に
を電離圏から内部磁気圏へ供給し、磁気嵐時のリングカレ
ついてを調べた。
ントの発達に寄与すると考えられる。
新入スタッフあいさつ
瀨川 朋紀 (全学技術センター)
2009 年 4 月に着任しました。いまは総合解析部門を中心に UNIX 系機器
の運営維持管理や研究支援を実施しております。みなさまから信頼される
当研究所の技術者になれるよう日々精進してまいりたいと思います。どう
ぞよろしくお願いいたします。
山﨑 高幸 (全学技術センター)
2009 年 4 月に着任しました。私はこれまで半導体回路設計や望遠鏡周りの電
子機器を使った測定や制御を行ってきました。学生時代から太陽に興味を持
ち日食観測等に関わってきたので、太陽から地球までを扱う第一線の研究機
関で働けることに大変喜びを感じております。体を動かすことが好きで、仕
事の合間に野球やジョギングをしています。幅広い知識を身に付け高い要望
に応えられる技術者を目指しますので、よろしくお願いします。
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堀 智昭 (ジオスペース研究センター・特任助教)
2009 年 5 月 1 日付けで着任しました。この 4 月まで、総合解析部門で
研究員をやっておりまして、人工衛星や地上レーダー・磁場観測のデー
タ解析を通して、地球磁気圏や電離圏のプラズマの流れ ( 対流 ) に関する
研究をしていました。今回はそれとは少し毛色が異なり、これまで世話
になってきた観測データたちをまとめ上げて、他研究機関とも連携した
現代風のデータベースを構築するという課題に取り組みます。皆さんと
の協力の下に作り上げるデータベースが、将来にわたって価値あるもの
となるように、私自身全力で取り組む所存です。よろしくお願いします!
【協力研究員】
2009.4.30 退職
新堀 淳樹(総合解析部門) 2009.5.31 退職
姚 尭(総合解析部門) 【GCOE 研究員】
2009.3.31 退職
栗原 宜子(電磁気圏環境部門) 2009.4.1
採用
津田 卓雄(電磁気圏環境部門)
三塚 岳(太陽圏環境部門)
【日本学術振興会特別研究員】
2009.4.1
採用
西村 幸敏(SPD) 間瀬 剛(DC)
【技術専門職員】
2009.3.31 退職
池神 優司(全学技術センター)
【技術職員】
2009.4.1
採用
瀨川 朋紀(全学技術センター)
山﨑 高幸(全学技術センター)
【事務補佐員】
2009.3.1 採用
池田 れい子(鹿児島観測所)
2009.3.13 退職
林 タミエ(鹿児島観測所)
2009.3.31 退職
坂本 典子(大気圏環境部門)
2009.4.1 採用
田中 巳絵(大気圏環境部門) 【技術補佐員】
2009.3.31 退職
山田 良実(太陽圏環境部門)
2009.4.1
採用
池神 優司(母子里観測所)
河野 貴久(ジオスペース研究センター)
異 動
【教 員】
2009.3.31 退職
藤井 良一 (電磁気圏環境部門・所長)
2009.4.1 –5.31 就任 所長事務取扱 松見 豊 2009.4.1 就任 副所長
荻野 瀧樹
2009.5.1 採用 特任助教
堀 智昭(ジオスペース研究センター)
2009.6.1 就任 所長
松見 豊
【招へい教員】
2009.4.1 - 2010.3.31
渡邉 堯(茨城大学・名誉教授)
平原 聖文(東京大学・教授)
小寺 邦彦
常田 佐久(国立天文台・教授)
川原 琢也(信州大学・准教授)
【外国人研究員】
2008.12.26 - 2009.2 .20 客員教授 Bond, Ian
(マッセー大学・上級講師)
2009.2 4. - 2009.5 .30 客員教授 Pilipenko, Vyacheslav
(ロシア科学アカデミーモスクワ地球物理研究 所・主任研究員)
【研究員】
2009.3.31 退職
天野 孝伸(総合解析部門)
2009.4.1
採用
宮下 幸長(総合解析部門) 2009.4.30
退職
堀 智昭(総合解析部門)
2009.5.1
採用
新堀 淳樹(総合解析部門)
【研究機関研究員】
2009.4.1
採用
和田 龍一(大気圏環境部門) STEL ニュースダイジェスト
学生優秀発表賞受賞
田中舘賞を塩川教授が受賞
辻裕司さん(総合解析部門)
が学生優秀発表賞(Outstanding
Student Paper Award) を 受 賞 し
ま し た。 対 象 発 表 は "Stormtime electric fields in the mid-latitude
ionosphere observed by ground
magnetometers and the Akebono satellite"、2008 年 12 月
15 - 19 日にサンフランシスコ(アメリカ)で開催
された米国地球物理学連合(AGU)Fall Meeting 2008 で
発表したものです。
「光学観測機器を用いた
オーロラと超高層大気変動に
関する研究」で塩川和夫教授
(電磁気圏環境部門)が、地球
電磁気・地球惑星圏学会の田
中舘賞を受賞しました。これ
は、地球電磁気学および地球
惑星圏科学において顕著な学術業績をあげた研
究者に贈られるもので、5 月 18 日、同学会の第
125 回総会で表彰されました。
編集:名古屋大学太陽地球環境研究所 出版編集委員会 〒 464-8601 愛知県名古屋市千種区不老町 F3-3(250) TEL 052-747-6306 FAX 052-747-6313
STEL Newsletter バックナンバー掲載アドレス:http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/doc/news_book_j.htm
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