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南紀白浜空港周辺における物件等設置の制限
南紀白浜空港周辺における物件等設置の制限 和歌山県 南紀白浜空港管理事務所 平成24年12月 南紀白浜空港周辺における物件等設置の制限 1.制限表面 航空機が飛行場に安全に離着陸できるためには、飛行場周辺の一定の空間を無障害の 状態にしておく必要があります。この空間の底面を制限表面といい、制限表面上に出る 物件の設置は原則禁止されています。(航空法 第49条) 制限表面は、飛行場の種類等によって内容/範囲が異なりますが、南紀白浜空港の制 限表面は、進入表面/転移表面/水平表面から構成され、その概要は以下のとおりです。 (1)進入表面 航空機の離陸直後及び最終進入時の直線飛行の安全を確保するために必要な表 面です。 進入表面は、その投影面が着陸帯の短辺から延長方向に長さ 3,000m、その末端 の幅が 750mの長さによって囲まれる平面で、40 分の 1 勾配(2.5%勾配)を有して います。 (2)転移表面 航空機が着陸のための進入を誤ったときの脱出の安全を確保するために必要な 表面です。 転移表面は、着陸帯の長辺及び進入表面の斜辺に接し、着陸帯の外側上方へ 7 分 の 1 勾配(14.2%勾配)を有する平面で、その末端は水平表面との接線です。 (3)水平表面 通常、航空機が着陸の際には、衝突を避けるために一定の場周経路をまわって進 入しますが、その安全を確保するために必要な表面です。 水平表面は、飛行場の標点(北緯 33 度 39 分 44 秒 東経 135 度 21 分 52 秒 WGS-84) の垂直上方 45mの点を中心にした半径 3,000mの円周に囲まれた平面です。 ※制限表面の下限 ①進入表面、転移表面の下限は、滑走路中心線及びその延長線に直角な水平線をす べて含む面であって、その投影面が着陸帯と一致するものの短辺および長辺です。 (着陸帯には縦横断勾配が付いています。下限は着陸帯末端高ではなく、滑走路中 心線高が基準となります。) ②進入表面、転移表面、水平表面の投影面が一致する部分は、これらのうち最も低 い表面が下限です。 南紀白浜空港周辺における物件等設置の制限 2.航空保安無線施設 空港には、電波により航空機の航行を援助するための施設が設置されています。航空 法施行規則第97条にその種類が分類されていますが、南紀白浜空港には、VOR/D ME、ILS(LOC/T-DME)が設置されています。 これらの近傍に大型建造物や無線施設が設置されると、電波障害による性能低下を引 き起こす可能性があります。 航空法には、電波障害の観点からの規制はありませんが、性能低下は航空機の航行の 安全性確保に重大な影響を及ぼしますので、物件の設計段階において協力をお願いする ことがあります。 (1)VOR/DME (VHF Omnidirectional Radio Range/Distance Measuring Equipment) VORは、超短波全方向式無線標識のことで、航空機に方位情報(磁北に対する 方位)を提供する施設です。 DMEは、距離測定装置のことで、航空機から装置までの距離情報を提供する施 設です。 これらは、空港西側の場外に一緒に設置/運用されています。 (2)ILS(LOC/T-DME) (Instrument Landing System) (Localizer/Terminal-Distance Measuring Equipment) ILSは、計器着陸用施設のことで、最終進入中の航空機に対し、正確な進入経 路を提供する施設から成ります。 南紀白浜空港では、滑走路南側末端付近に設置され、LOCが進入方向(左右の ずれ)を、T-DMEが、距離情報を提供しています。 南紀白浜空港周辺における物件等設置の制限 3.照会/手続き (1)制限表面上に出る物件について 物件等が制限表面上に出ることは原則禁止されていますが、水平表面に係るもの で下記の物件については、空港設置管理者(和歌山県知事)の承認により設置でき る場合があります。(航空法第49条、同法施行規則第92条の2) 1)仮設物 2)建築基準法第33条の規定により設けなければならない避雷設備 3)地形又は既存物件との関係から航空機の飛行の安全を特に害しない物件 詳細につきましては、空港管理事務所までご照会ください。 (2)制限表面に近接する物件について 制限表面の上には出ないが、著しく近接する物件については、航空法第51条で、 航空障害灯の設置が規定されています。 「著しく近接する」とは、制限表面と制限表面から6m下方にある平面との間に 存在することとされています。 なお、転移表面においては、6m下方にある平面と、着陸帯の長辺を含み水平面 に対し着陸帯の外側上方へ 10 分の 1 勾配(10%勾配)を有する平面のうち、いずれか 高い平面と制限表面の間に存在することとされています。 (3)航空障害灯及び昼間障害標識について 1)航空障害灯及び昼間障害標識の規定 制限表面近接物件のほか、高さ60m以上の物件等に航空法第51条、第51条 の2で、航空障害灯/昼間障害標識の設置が規定されています。 なお、一定の条件を満たし国土交通大臣の許可を得た物件はこれらの設置を免除 されます。(同法施行規則第127条、127条の2、128条、132条の2、 132条の3、132条の4、238条) 2)設置等に関する連絡・相談窓口 国土交通省大阪航空局保安部航空灯火・電気技術課 TEL 06-6949-6211(合同庁舎代表) FAX 06-6949-3590 URL/HP http://www.ocab.mlit.go.jp/news/sign までお願いします。 (4)航空保安無線施設への影響について 空港管理事務所に連絡いただければ調整いたしますが、相談窓口は下記のとおり 国土交通省 大阪航空局 大阪空港事務所 システム運用管理センター 航空管制技術官 (TEL 06-6843-1297) 南紀白浜空港の規格と制限表面 飛行場の種類 着陸帯の等級 飛 a 長さ 場 b 幅 の c 長さ d 幅(非計器用) 行 陸上飛行場 C級 2,000m 滑走路 45m 2,120m 着陸帯 規 格 誘導路 進入区域 安 150m 幅 30m、9m e 長さ 3,000m d 内側底辺の長さ f 外側底辺の長さ (非計器用) 150m 750m 全 進入表面の勾配 g 非計器用 転移表面 h 勾配 i 半径の長さ j 標点からの高さ 40分の1 表 7分の1 面 3,000m 水平表面 45m(標点の高さ=T.P+89.4m) 南紀白浜空港制限表面区域図 転移表面 水平表面 進入表面 この地図は、国土地理院長の許可を得て、同院発行の数値地図 50000(地図画像)を複製したも のである。 (承認番号 平 19 総複、第466号)