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競争環境調査報告書・本文 - TOHOKUものづくりコリドー
平成 20 年度市場競争環境評価調査費 東北地域モノ作り企業の半導体製造関連分野にお ける競争環境動向(市場や競争環境の変化)を 踏まえた参入可能性等調査 - 調査報告書 - 平成 21 年3月 東 北 経 済 産 業 局 < 目 次 > 要約 I. 本調査の背景と目的 .................................................................................................... 1 1. 調査の背景・目的 ............................................................................................................. 1 2. 調査内容............................................................................................................................ 1 II. 半導体・FPD 関連分野における市場・競争環境動向 ................................................ 5 1. 市場動向............................................................................................................................ 5 2. 競争環境.......................................................................................................................... 15 III. ものづくり中堅・中小企業の参入可能性が高い部材・技術分野の現状と見通し .....21 1. 半導体・FPD 等製造装置メーカーの動向とニーズ ....................................................... 21 (1) 半導体・FPD 等製造装置の技術ロードマップ........................................................ 21 (2) 半導体・FDP 製造装置メーカーのニーズ ............................................................... 24 2. ものづくり中堅・中小企業の概況と成功モデルの紹介 ................................................. 38 (1) ものづくり中堅・中小企業アンケート調査結果...................................................... 38 (2) ものづくり中堅・中小企業の概況と成功モデル...................................................... 54 IV. 産学連携等による部材・技術分野の高度化可能性...................................................66 1. 大学等の概況 .................................................................................................................. 66 2. 域内の公的研究機関・産業支援機関等の研究概況と技術開発への取組み .................... 74 3. 地域における技術開発支援の枠組みの課題と方向性..................................................... 86 4. 産学連携による特定ものづくり基盤技術の高度化に向けて .......................................... 90 V. ものづくり中堅・中小企業の半導体・FPD 製造関連分野への参入促進に向けた方向性 と対応方策........................................................................................................................92 1. 半導体・FPD 製造関連分野への参入可能性 .................................................................. 92 2. 半導体・FPD 製造関連分野への参入促進に向けた方向性(必要条件)....................... 94 3. 行政支援機関の方向性と対応方策(競争環境整備等) ................................................. 97 VI. 参考資料 ................................................................................................................100 I.本調査の背景と目的 1.調査の背景・目的 これまで好調を維持してきた世界経済が調整局面に入り、大きな転機を迎える中、世 界の半導体・FPD 等産業が持続的発展を続けるためには新たな舵取りが求められてい る。半導体・FPD 市場は、短期的に半導体不況に陥る不確実性を伴うが、中長期的に は拡大が期待され、地域のものづくり中堅・中小企業も部材サプライヤーにとっても大 きなビジネスチャンスがあると考えられる。 東北地域においては、東芝、NEC、富士通など大手半導体デバイスメーカーに加え、 東京エレクトロン、ニコン、アルバック、アドバンテストなど世界市場において高いシ ェアを誇る半導体・FPD 製造装置メーカーが生産・開発拠点の強化を図ろうとしてお り、域内への集積の加速が見込まれる重要分野として、半導体・FPD 関連産業が一層 注目されている。とりわけ、装置関連産業を支える技術に強みがある域内のものづくり 中堅・中小企業の事業の拡大や新規参入のポテンシャルが急速に高まっており、産業界 を中心にした産学官のプラットフォーム化による半導体関連産業クラスターの形成に 向けた動きも活発化している。 こうした状況を鑑み、本調査は、関連市場における競争環境の現状と課題等を踏まえ、 特に半導体・FPD 等製造装置関連分野の競争力強化に必要な技術に強みを有する地域 のものづくり中堅・中小企業群の同分野への参入促進等を図ることで、我が国半導体・ FPD 関連産業の成長・発展に資することを目的として実施した。 2.調査内容 本調査の内容は、以下の通りである。 (1) 半導体・FPD関連分野における市場・競争環境動向 半導体製造装置分野における国際市場の動向や競争環境の変化を中心に関連の文献 等から当該分野の状況を調査・分析した。 1 (2) ものづくり中堅・中小企業の参入可能性が高い部材・技術分野 半導体・FPD 関連分野における市場・競争環境の動向や変化をふまえ、川下企業= 半導体・FPD 等製造装置メーカーのニーズ、川上企業=ものづくり中堅・中小企業の ポテンシャル等をふまえ、参入可能性の高い部材・技術分野の検討をした。また、装置 メーカーへのニーズ調査とものづくり中堅・中小企業の装置関連分野への参入事例や総 合的なポテンシャルを調査した。 (3) 産学連携等による部材・技術分野の高度化可能性 東北域内の大学・研究機関等の概況をふまえ、半導体・FPD 関連分野の産学連携に よる高度化の可能性を検討した。 (4) ものづくり中堅・中小企業の参入促進に向けた方向性と対応方策 以上の現状・課題の分析をふまえ、地域のものづくり中堅・中小企業の半導体・FPD 等製造装置関連分野への参入促進に向けた方向性と対応方策(新規参入に向けた必要条 件、競争環境整備含む)について検討した。 2 【参考:半導体・FPD 製造装置の概要】 ここでは、半導体・FPD 製造装置として、どのような装置があるかを概観する。 まず、半導体製造装置は、マスク・レチクル製造用装置、ウェーハ製造用装置、ウェー ハプロセス用処理装置、組立用装置、検査用装置、半導体製造装置用関連装置に分類され る。マスク・レチクル、ウェーハ等の部材製造から半導体製造の前工程、後工程までの工 程で多種多様な装置が活用されている(図表 I-1)。 図表 I-1 半導体製造装置分類表 分類 半導体設計用装置 参考:装置・機器例 パターン入力装置、プロッタ、エンジニアリングワークステーション、論理シュミレータ、回路シュミレータ、各種計測用 機器、ロジックアナライザ マスク・レチクル製造用装置 フォトリソ工程装置 薄膜形成・エッチング・洗浄乾燥装置 検査評価装置・その他製造装置 ウェーハ製造用装置 単結晶製造装置 ウェーハ加工装置 検査評価装置・その他製造装置 ウェーハプロセス用処理装置 露光・描画装置 電子ビーム描画装置、レーザ描画装置、パタンジェネレータ、コンタクトプリンタ、フォトリピータ、塗布装置、レジスト 剥離装置、現象・ベーキング・ディスカム装置 真空蒸着装置、スパッタリング装置、CVD装置、洗浄装置、エッチング装置、乾燥装置、スクラブ洗浄装置 欠陥検査装置、欠陥修正装置、マスク異物検査装置、外観検査装置 単結晶引き上げ装置 切断装置、ラッピング装置、ポリッシング装置、研削装置、ウェーハマーキング装置 ライフタイム測定器、結晶欠陥測定装置、加工検査装置、各種計測用装置 コンタクトプロキシミティ露光装置、投影露光装置(等倍、縮小)、電子ビーム露光装置 レジスト処理装置 塗布装置、現像装置、レジスト剥離装置、アッシング装置、ベーキング装置、レジスト安定化装置、ウェーハ周辺露光装置 エッチング装置 洗浄・乾燥装置 熱処理装置 イオン注入装置 薄膜形成装置 CVD装置 スパッタリング装置 その他薄膜形成装置 ドライエッチング装置 ウェットエッチング装置、乾式洗浄装置、湿式洗浄装置、スクラブ洗浄装置、乾燥装置、高圧噴射洗浄装置 酸化装置、拡散装置、アニール装置 大電流イオン注入装置、中電流イオン注入装置、高エネルギーイオン注入装置、ドーピング装置 検査評価装置 CMP装置 その他処理装置 組立用装置 ダイシング装置 ボンディング装置 パッケージング装置 検査評価装置・その他組立装置 検査用装置 テスティング装置 SOC&Logicテスティング装置 常圧CVD装置、SACVD、減圧CVD装置、プラズマCVD装置、MOCVD装置、ALD装置 スパッタリング装置 真空蒸着装置、シリコンエピタキシャル成長装置、化合物半導体エピタキシャル装置、めっき装置 外観検査装置、異物検査装置、ダストカウンタ、測長SEM、膜厚計、反射率測定機、オージェ電子分光装置、赤外分光光度 計、シート抵抗測定器、ライフタイム測定機、その他各種計測・分析用装置 CMP装置、CMP用洗浄装置 ウェーハマーキング装置、マーク読み取り装置、裏面研削盤、バンプめっき装置、バックグラインダ用テープ貼付機、バッ クグラインダ、バックグラインダ用テープ剥離機 スクライピング装置、ダイシング装置、ウェーハマウンティング装置 ダイボンディング装置、ハイブリッドボンディング装置、ワイヤボンディング装置、インナリードボンディング装置、アウ タリードボンディング装置、フリップチップボンディング装置 モールド装置、バリ取り装置、封止用加熱炉、半田処理装置、半田ボールマウンティング装置、リード加工機、マーキング 装置 外観検査装置、密封度試験装置、ボンドプルテスタ、X線検査装置、リード外観検査装置、各種計測用機器 ロジックテストシステム、ASICベリフィケーション装置、リニアテストシステム、ミックスドシグナルテストシステム、ア ナログテストシステム、トランジスタテストシステム、LEDテストシステム、イメージセンサテストシステム、電子ビーム テスティング装置、レーザビームテスティング装置、個別半導体テストシステム、ACパラメトリックテストシステム メモリテスティング装置 プロービング装置 ハンドラ エージング装置 メモリテストシステム プローバ ハンドラ エージング装置、バーンイン装置、IC挿入装置、IC抜取装置 その他検査装置 冷熱試験装置、温・湿試験装置、衝撃試験装置、プレッシャクッカ装置、リーク検査装置、レーザプロセッシングシステ ム、振動試験装置、各種寿命試験装置、波形分析機、各種計測用機器 半導体製造装置用関連装置 各種搬送装置 工程内ウェーハ搬送装置、工程間ウェーハ搬送装置、ストッカー 純水・薬液装置 純水製造装置、限外ろ過装置、逆浸透装置、減菌装置、薬品供給装置、スラリー供給装置、薬品純化装置、廃液処理装置 各種ガス装置 クリーンルーム装置 ガス発生装置、ガス純化装置、ガス混合装置、ガス検知装置、排ガス処理装置 クリーンベンチ、クリーントンネル、サーマルチャンバ、環境試験室、エアシャワー、パスボックス 各種制御装置、各種集中監視装置、各種治具洗浄・乾燥装置、流量制御用機器、各種テーピング装置、各種包装装置、液体 用・各種ガス用計測用機器及び各種分析用機器 その他製造関連装置 ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会 3 一方、FPD製造装置は、マスク・レクチル製造用装置、基板製造用装置、アレイ製 造用装置、カラーフィルタ製造用装置、パネル製造用装置、検査用装置等に分類される。 マスク・レチクル、ガラス基板、カラーフィルタ等の部材製造から液晶製造のアレイ形 成、パネルの実装、検査までの工程で多種多様な装置が活用されている。半導体製造装 置に比べ標準化が進んでおらず、液晶メーカーや関連メーカーによる独自の装置も多い。 (図表 I-2)。 図表 I-2 FPD製造装置分類表 分類 液晶パネル設計用装置 CAD/CAM用装置 マスク・レクチル製造用装置 描画装置 レジスト処理装置 薄膜形成・エッチング・洗浄・乾燥装置 検査評価用装置・その他 基板製造用装置 基板加工装置 基板成膜装置 洗浄・乾燥装置 熱処理装置 検査評価用装置・その他 アレイ製造用装置 PVD装置 CVD装置 陽極酸化装置 露光装置 レジスト処理装置 エッチング装置 洗浄・乾燥装置 熱処理装置 ドーピング装置 検査評価用装置・その他 カラーフィルタ製造用装置 露光装置 レジスト処理装置 薄膜形成・エッチング・洗浄・乾燥装置 着色パターン形成装置 検査評価用装置・その他 セル製造用装置 配向膜形成装置 焼成・乾燥装置 ラビング装置 シール印刷装置 スペーサ散布装置 基板貼合わせ装置 液晶注入装置 洗浄・乾燥装置 セル分断装置 偏光板貼付け装置 検査評価用装置・その他 モジュール製造用装置 モジュール製造用装置 検査用装置 電気試験装置 機能検査装置 エージング装置 検査用各種装置 プロービング装置 リペア装置・その他 液晶パネル製造装置用関連装置 各種搬送用装置 純水・薬液用装置 各種ガス用装置 クリーンルーム用装置 その他の装置 液晶パネル製造装置以外のFPD製造装置 有機EL・PDP・FEDリアプロジェクション用装置 参考:装置・機器例 パターン入力装置、プロッタ、エンジニアリングワークステーション 描画装置 塗布装置、現像装置、剥離装置、ベーキング装置 スパッタリング装置、蒸着装置、エッチング装置、洗浄・乾燥装置 マスク・レクチル欠陥検査装置、欠陥修正装置、異物検査装置、その他 切断・面取り・研磨装置 コーティング装置、ITO成膜装置 洗浄装置、乾燥装置 熱処理装置 分光透過率測定器、色度測定器、膜厚測定器、外観表面検査装置、 異物検査装置、光学試験器、うねり・粗さ測定器、その他 スパッタリング装置、蒸着装置 プラズマCVD装置、減圧CVD装置、常圧CVD装置 陽極酸化装置 レンズ投影露光装置、ミラープロジェクション露光装置、コンタクト・プロキシミティ露光装置 塗布装置、現像装置、アッシング装置、ベーキング装置、剥離装置 ウェットエッチング装置、ドライエッチング装置 洗浄装置、乾燥装置 酸化装置、アニーリング装置、レーザアニーリング装置 イオン注入装置、イオンシャワー装置、イオンドーピング装置、プラズマドーピング装置、 レーザドーピング装置 各種分析器、膜圧測定器、外観表面検査装置、異物検査装置、バスライン検査装置、その他 レンズ投影露光装置、ミラープロジェクション露光装置、コンタクト・プロキシミティ露光装置 塗布装置、現像装置、剥離装置、ベーキング装置 スパッタリング装置、蒸着装置、エッチング装置、洗浄・乾燥装置 印刷プロセス装置、電着プロセス装置、染色プロセス装置、顔料分散プロセス装置 各種分析器(分光・解像・平坦特性等)、膜厚寸法測定器、外観表面検査装置、異物検査装置、その他 ディップ塗布装置、スクリーン印刷装置、凹版印刷装置 クリーンオーブン、コンベアオーブン ラビング装置 スクリーン印刷装置 スペーサ散布装置 基板貼合わせ装置 真空注入装置、液晶滴下装置、封止装置 洗浄装置、乾燥装置 スクライブブレーク装置 偏光板・光反射板貼付け装置 配向性検査装置、透過光強度試験装置、パネル欠陥修正装置、バーンイン装置、その他 ACF貼付け装置、TAB実装(搭載)装置、COG実装(搭載)装置、COF実装(搭載)装置、PCB実装(搭載)装置 点灯表示部欠陥検査装置 透過光強度試験装置、視覚特性試験器、カラー表示品位評価装置 エージング装置 冷熱試験装置、温・湿試験装置、衝撃試験装置、各種寿命試験装置、振動試験装置 プローバ レーザリペア装置、トリミング装置、その他 基板搬送装置、積載装置、ローダ、アンローダ、搬送制御システム 純水製造装置、濾過装置、逆浸透装置、滅菌装置、薬液供給装置、排液処理装置、 薬液制御システム、安全システム ガス供給装置、ガス純化・混合装置、検知装置、排ガス処理装置、ガス制御システム、安全システム クリーンベンチ、クリーンドラフト、サーモチャンバ、環境試験室 各種制御装置、各種集中監視装置、各種治具洗浄・乾燥装置、各種包装装置、 液体・ガス用各種測定器及び分析機器、流量制御機器、その他 蒸着装置、インクジェット装置、印刷装置、封止装置、焼結装置、洗浄装置 ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会 4 II.半導体・FPD関連分野における市場・競争環境動向 1.市場動向 (1) アプリケーション市場 パソコン、携帯電話市場が成熟する中、台湾、米国メーカーによる低価格パソコンの 投入でさらなる価格破壊が進み、半導体・FPD 等の価格競争も激化している。一方、 今後の成長分野に対する不透明感が漂う中、環境・エネルギー分野において、太陽電池、 電気自動車等の中長期的な市場拡大への期待が高まっている。 例えば、太陽電池産業についてみると、国内太陽電池メーカーでは、シャープ、京セ ラ、三洋電機等が矢継ぎ早に新たな設備投資を表明し、中国のサンテック、ドイツの Q セルズ等の海外メーカーとの熾烈な競争を続けている。また、経済産業省は、「ソーラ ー・システム産業戦略研究会」を立ち上げ、我が国の太陽光発電関連産業の今後の競争 力の維持・強化を図るために、エネルギー政策のみならず、産業政策の観点からの今後 の展開の方向性について報告書(2009 年 3 月発表)をまとめた。同報告書によると、 太陽光発電の導入は、原油換算で、2005 年には 35 万 kl だが、2020 年には 350 万 kl、 2030 年には 1,300 万 kl 相当にまでなることが予測されている。中長期的には、我が国 の太陽電池セル生産量の世界シェアについて、現在の4分の1から 2020 年に3分の1 超まで引き上げることで、2020 年時点における太陽光発電関連の経済効果は最大で約 10 兆円、雇用規模も最大で約 11 万人との予測をしている。 図表 II-1 (万kl) 1400 太陽光発電によるエネルギーの導入見通し (石油換算:万kl) 1200 1000 800 600 400 200 0 2005 2020 2030 (年) 資料:経済産業省「ソーラー・システム産業戦略研究会」報告書 5 (2) 半導体・FPD市場 半導体市場について、世界半導体市場統計(WSTS)の 2008 年秋季半導体市場予測 によると、2007 年の世界市場は、2,556 億ドルと、前年比 3.2%増と低い伸びに留まっ た。2008 年は、世界的な金融危機の世界経済への影響のため伸びが鈍化し、2009 年は 2.2%減に悪化する見込みとしている。また、米国半導体工業会(SIA)によると、2008 年の世界半導体売上高は、前年比 2.8%減と IT バブル崩壊後の 2001 年以降、7 年ぶり に前年割れになるとしている。さらに、2008 年 12 月にガートナー社が発表した予測 によると、2008 年秋以降、半導体市場が急減速し、2009 年の市場規模の縮減幅はさら に大きいとの見方もあり、市場環境は一層厳しさを増している。 一方、FPD 市場については、Display Search 社の予測によると、2009 年の世界テ レビ市場が出荷金額・台数ともに前年割れになるとの見通しである。2000 年から液晶 テレビ市場が拡大し、右肩上がりの成長を遂げてきたが、初めての前年比減となり、不 透明感が増している。 図表 II-2 300.0 世界の半導体の地域別市場規模予測 (十億ドル) (予測) アジア・パシフィック 日本 欧州 米国 Worldwide(M$) 250.0 247.7 255.6 261.9 272.7 256.1 227.5 213.0 200.0 166.4 150.0 139.0 140.7 01 02 100.0 50.0 0.0 03 資料:世界半導体市場統計(WSTS) 04 05 06 07 2008 年秋季半導体市場予測 6 08 09 10 (年) (3) 半導体・FPD製造装置市場 ① 半導体製造装置市場 社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)によると、世界の半導体製造装置の販売 高は、2007 年度に 425 億ドルと 2000 年度のITバブル期に迫る勢いであった(図表 II-3)。 しかし、2008 年の秋以降、市場環境は急速に悪化している。 また、装置別の販売高についてみると、2007 年度まで、ウェーハプロセス用処理装 置の販売額が急増しており、活発な設備投資が続いていたが、現在はその反動が大きく なっている(図表 II-4)。 なお、半導体・FPD等製造装置・部材分野の国際的な業界団体であるSEMIの今後の 販売高の予測では、昨年の予測では、2010 年までに 500 億ドルに迫る見通しであった が、今年の予測は、大幅に下方修正されており、今回の市場環境の変化の激しさを物語 っている(図表 II-5、図表 II-6)。 世界の半導体製造装置の地域別販売高 図表 II-3 60,000 (百万ドル) 48,787 50,000 41,650 42,571 40,000 37,262 33,136 30,665 29,289 30,000 25,782 24,858 20,000 その他 中国 台湾 韓国 欧州 北米 日本 20,993 21,096 19,265 10,000 0 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 (年度) ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「半導体・FPD 製造装置販売統計(2007 年版)」 7 図表 II-4 60,000 世界の半導体製造装置の装置分類別販売高 (百万ドル) 半導体製造装置用関連装置 検査用装置 組立用装置 50,000 ウェーハプロセス用処理装置 マスク・レチクル&ウェーハ製造 40,000 30,000 20,000 10,000 0 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「半導体・FPD 製造装置販売統計(2007 年版)」 8 07 (年度) 図表 II-5 世界の半導体製造装置の地域別販売高予測 前年(上図)、今年(下図)の予測の比較 60.0 (十億ドル) 48.5 50.0 45.5 43.6 40.5 40.9 40.0 30.0 その他地域 中国 韓国 ヨーロッパ 台湾 日本 北米 20.0 10.0 (年) 0.0 06 50.0 07 08 09 10 (十億ドル) 42.8 40.0 31.8 30.9 30.0 24.3 その他地域 中国 韓国 ヨーロッパ 台湾 北米 日本 20.0 10.0 (年) 0.0 07 08 09 資料:SEMI 9 10 図表 II-6 世界の半導体製造装置の装置分類別販売高予測 前年(上図)、今年(下図)の予測の比較 (十億ドル) 60.0 48.5 50.0 45.5 43.6 40.5 40.9 40.0 その他装置 30.0 テスト装置 組立・パッケージング 装置 ウェーハプロセス処理 装置 合計 20.0 10.0 0.0 06 07 08 09 10(年) (十億ドル) 50.0 42.8 40.0 31.8 30.9 30.0 その他装置 24.3 テスト装置 20.0 組立・パッケージング 装置 ウェーハプロセス処理 装置 10.0 0.0 07 08 09 資料:SEMI 10 10 (年) 半導体製造装置の日本市場販売高についてみると、2007 年度は、過去最高の販売高 を記録したものの(図表 II-7)、直近では、暦年値であるが、2007 年の 1 兆 574 億円 に対し、2008 年は対前年比 46.0%減の 5,711 億円と一転して急減している。 また、日本製装置の地域別販売高についてみると、国内と台湾、韓国、中国等のアジ アが主な市場であり、2007 年度は、ファウンドリの積極的な投資により、台湾での伸 びが特に大きかったと考えられる(図表 II-8)。しかし、直近では、暦年値であるが、 2007 年の 1 兆 9,213 億円に対し、2008 年は対前年比 41.4%減の 1 兆 1,264 億円へと 急減しており、非常に厳しい状況にある。 さらに、日本製装置及び日本市場の BB レシオをみると、近年、まれに見る落ち込み 度合となっており、厳しい市場環境を示している。 図表 II-7 半導体製造装置の日本市場販売高 (%) 80.0 (億円) 12,000 販売高 前年度比成長率 10,153 61.0 10,000 60.0 49.0 41.9 8,000 10,694 10,241 7,649 7,445 40.0 19.4 -2.7 20.0 18.3 6,634 6,306 1.7 6,000 8,658 7,918 9.3 4.4 5,338 4,452 -16.6 4,445 4,000 0.0 -20.0 -40.0 -40.3 -47.4 2,000 -60.0 0 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 -80.0 07 (年度) ※無許可での転載を禁じます。 注:日本市場販売高とは、国内向け日系及び外資系企業製装置販売高 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「半導体・FPD 製造装置販売統計(2007 年版)」 11 図表 II-8 20,000 日本製半導体製造装置の地域別販売高 (億円) 18,510 18,046 17,778 18,000 15,982 16,000 15,169 14,000 12,000 13,200 11,945 11,672 11,302 10,000 8,834 8,232 8,575 その他 中国 台湾 韓国 欧州 北米 日本 8,000 6,000 4,000 2,000 0 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 (年度) 07 ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「半導体・FPD 製造装置販売統計(2007 年版)」 図表 II-9 日本製装置及び日本市場のBBレシオ 2.50 日本製装置 日本市場 2.00 1.50 1.00 1 .3 2 1 .3 1 1.18 1.16 1.08 1 .0 3 1 .0 2 0.96 0 .9 4 1.08 1.08 1.04 0.930 .9 4 1.12 1 .0 9 1 .0 7 0 .9 9 0.98 0.97 0 .9 5 0 .9 1 0 .8 7 0.86 0 .8 5 0 .8 1 0.79 0 .7 3 0 .9 9 0 .7 5 0 .8 8 0 .8 1 0.81 0.81 0.81 0.81 0 .7 60 .7 9 0 .7 30 .7 8 0.69 0.50 0.78 0.82 0.74 0 .7 0 0 .5 5 0.71 0.51 0.42 0.37 0 .3 5 0.00 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2007/ 2 3 4 5 6 7 2008/ ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会 12 8 9 10 11 12 1 2 2009/ (年月) ② フラットパネルディスプレイ製造装置 フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の日本市場販売高についてみると、 2000 年度以降、1,000 億円前後で推移し、2007 年度には 1,437 億円となっている(図 表 II-10)。また、日本製FPD製造装置の販売高についてみると、2007 年度は、前年 度比で約 30%も落ち込み、3,761 億円となっている。台湾、韓国等のアジアメーカー が設備投資の減額や先送りをしたため、販売高が急減したと見られる。 直近の 2008 年度についてみると、日本製 FPD 製造装置の販売高は、暦年値である が、2007 年の 3,786 億円に対し、2008 年は前年比 28.5%増の 4,866 億円となっている。 一方、日本市場は、2007 年の 1,790 億円に対し、2008 年は前年比 63.7%減の 650 億 円となっている。国内市場は落ち込んだものの、日本製 FPD 製造装置の販売高は増加 している。 図表 II-10 FPD製造装置の日本市場販売高 (%) (億円) 2,000 120.0 販売高 前年度比成長率 101.1 1,800 100.0 1,732 1,600 80.0 1,437 1,400 1,309 53.3 1,200 60.0 1,260 1,253 1,127 1,010 21.4 1,000 800 833 735 -11.7 1,042 20.2 20.0 3.2 0.0 -3.7 652 600 40.0 38.3 29.4 -17.1-20.0 503 -33.9 400 -40.0 -55.3 200 -60.0 0 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 -80.0 07 (年度) ※無許可での転載を禁じます。 注:日本市場販売高とは、国内向け日系及び外資系企業製装置販売高 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「半導体・FPD 製造装置販売統計(2007 年版)」 13 図表 II-11 日本製FPD製造装置の販売高 (%) (億円) 販売高 前年度比成長率 6,000 107.6 120.0 5,614 5,272 5,429 100.0 5,000 80.0 78.2 60.0 60.0 57.1 4,000 3,761 3,575 23.5 2,746 3,000 40.0 25.6 20.0 2,847 3.0 2,306 2,000 867 -16.0 1,541 1,387 1,000 0.0 -6.1 -13.2 -20.0 -30.7 -40.0 742-46.5 -60.0 0 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 -80.0 07 (年度) ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「半導体・FPD 製造装置販売統計(2007 年版)」 14 2.競争環境 (1) 半導体・FPDメーカー 半導体分野では、Intel、Samsung 、東芝、Texas Instruments、ST Microelectronics 等の売上高トップ企業の顔ぶれは大きく変わらないが、NAND 型フラッシュ・メモリ、 DRAM 等は供給過剰と価格下落に見まわれ、メモリ事業を主とする企業は、売上高・ 収益が急減している。例えば、独 Infineon Technologies がメモリ事業部門を分離した Qimonda が経営破綻をした他、韓国 Hynix Semiconductor の売上高も急減している。 また、エルピーダメモリは、台湾で設立されたメモリの新会社 TMC(Taiwan Memory Co)との資本・業務提携を模索している。当然、これまで堅調だった Samsung 、東 芝も例外ではなく、メモリ事業の価格下落が影響を及ぼしつつある。メモリ分野は、テ クノロジードライバとして微細化を牽引してきたが、金融危機の混迷が深まる中、さら に不透明感を増している。 国内半導体メーカーは、東芝、ルネサス・テクノロジ、NEC エレクトロニクス、富 士通、パナソニック等の大手を中心に今後も合従連衡が続くと考えられる。例えば、 2009 年に入り、2009 年 2 月には、米スパンションが破綻をし、日本法人であるスパン ション・ジャパン(NOR 型フラッシュメモリで強み)が会社更生法の適用を申請して おり、業界再編・淘汰の動きが活発化している。さらに、ルネサス・テクノロジが、 TSMC に 45nm 最先端プロセスの製造委託を進めるといった新たな動きも出ている。 一方、FPD メーカーは、2007 年~2008 年にかけて国内メーカーの大型連携・集約が 進んだ結果、直近では、再編等の大きな動きは見受けられない。 (2) 半導体・FPD製造装置メーカー VLSI Research 社によると、2007 年の半導体製造装置メーカーの上位企業のランキ ングは、Applied Materials(AMAT)、東京エレクトロン、ASML、KLA-Tencor、 Lam Research、ニコンの順である。一方、2007 年の FPD 製造装置メーカーの上位企 業のランキングは、Applied Materials、アルバック、東京エレクトロン、ニコン、日 立ハイテクノロジーズ、日立プラントテクノロジーズ、ダイフク、芝浦メカトロニクス、 キヤノン、大日本スクリーン製造の順となる。日立ハイテクノロジーズ、日立プラント テクノロジーズ、ダイフク、芝浦メカトロニクスが前年度に比べランキングを上げ、5 位以下の順位が大きく変動をしている。 なお、金融危機の影響で、ニコン、東京精密等が予定をしていた新工場の凍結をした ことに加え、宮城県に進出予定であった東京エレクトロン AT の工場計画も延期になっ ており、設備投資も急速に悪化している。 15 図表 II-12 半導体・FPD製造装置メーカーの売上高の世界ランキング(2007年) ランク 売上高(百万ドル) 半導体製造装置メーカー 2007 企業名 2004 2005 2006 2007 1 Applied Materials 7,552 6,286 8,404 8,523 2 Tokyo Electron Ltd. 4,742 4,455 5,072 6,291 3 ASML 3,074 3,160 4,538 5,145 4 KLA-Tencor 1,892 2,005 2,357 2,781 5 Lam Research Corporation 1,360 1,382 2,201 2,624 6 Nikon Corporation 1,411 1,566 1,895 2,148 7 Advantest Corporation 2,176 1,747 1,906 1,657 8 Novellus Systems, Inc. 1,337 1,302 1,637 1,555 9 Hitachi High-Technologies Corp. 1,315 1,215 1,272 1,445 10 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. 1,074 1,002 1,323 1,330 11 Canon, Inc. 1,851 1,008 1,287 1,309 12 ASM International N.V. 862 819 967 1,172 13 Varian Semiconductor Equipment 14 Teradyne, Inc. 15 Verigy Inc. 503 606 786 1,074 1,146 814 1,066 876 762 ランク FPD製造装置メーカー 2007 企業名 売上高(百万ドル) 2004 2005 2006 2007 1 Applied Materials 611 757 989 797 2 Ulvac, Inc. 803 846 954 783 3 Tokyo Electron Ltd. 834 756 860 640 4 Nikon Corporation 580 647 633 377 5 Hitachi High-Technologies Corp. 6 Hitachi Plant Technologies Ltd. 424 NA 588 525 326 378 330 291 7 Daifuku 218 254 278 276 8 Shibaura Mechatronics Corporation 269 223 278 253 9 Canon Inc. 647 1,079 591 236 10 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. 664 536 544 220 11 Toray Engineering 188 12 Semes Co.,Ltd. 136 13 Mitsuboshi Diamond Industrual Co., Ltd. 14 YAC. Co., Ltd 15 Micronic Japan Co., Ltd. 138 151 124 116 106 83 142 111 89 注:①網掛けは、日本企業。各メーカーの売上高には、製造装置とサービス・サポートの売上を含む なお、OEM 装置や販売代理業務に該当する装置の売上は含んでいない。 ②2008 年の半導体製造装置メーカーランキングの最新版は、2009 年3月にリリースされているが、 FPD 製造装置メーカーの最新データである 2007 年版で統一。2008 年は順位の変動が目立った。 資料:VLSI Research プレスリリースから作成 16 半導体製造装置別の市場規模をみると、ステッパ&スキャナ、ドライエッチング装置、 プラズマ CVD 装置、スパッタリング装置、CMP 装置、ウェーハ検査装置等の市場規 模が大きく、今後も市場拡大が見込まれている。また、各社の市場シェアをみると、半 導体製造装置では、ニコン、キヤノンがステッパ・スキャナ、東京エレクトロンがコー タ・デベロッパ、酸化・拡散炉(熱処理装置)、ドライエッチング装置、大日本スクリ ーン製造が洗浄・乾燥装置、アドバンテストがメモリテスタ等で高いシェアを確保して いる。また、液晶製造装置でも、ニコン、キヤノン、東京エレクトロン、アルバック等 が各製造工程で高いシェアを有している。 17 このように、市場・競争環境動向を外観すると、近年、業界再編・淘汰の動きが活発 化し、半導体・FPD メーカーは寡占化が着実に進展しているが、その中で、海外メーカ ーの台頭も含め、装置メーカーも厳しい状況に追い込まれており、さらなるコストダウ ン、生産性の向上が求められるようになると見られる。半導体・FPD 等製造関連市場 も、既に寡占化しつつあり、取引関係も比較的固定化していると考えられるが、技術革 新が早い分野であるため、装置メーカーも部材・加工技術とも常に新しい方向性を模索 していることから、新たな取引関係の構築可能性は今後も当然ながらあるだろう。 なお、装置メーカーへのヒアリング調査結果による具体的な市場・競争環境動向とそ れに対する対応・ニーズは以下の通りである。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 普遍的な課題として、低消費電力化、高速化、低コスト化が要求される。これらを 実現する技術として、微細化の追求、大口径化(450mm 化)、High-k などの新材 料の適用が求められる。また、これらを支える製造装置には、微細化を達成するた めの高精度装置と、工程に求められる性能を最適仕様で実現する(より簡単化され た装置)ことが必要である。 ・ 両局面の装置に共通して求められるのは、生産設備としての高信頼性、環境負荷の 低減、ランニングコストの低減、予防保全の簡単化などである。 ・ 他方で、半導体需要の大半をデジタルコンシューマ製品が担うことから、製品ライ フサイクル・需給変動の短期化に即した装置の短納期対応が必須となる。併せて、 アジア諸国に見られる産官学連携での装置の国産化が急ピッチで進んでおり、特に 汎用アプリケーションにおいては、低コスト・短納期という点で競合として再認識 せねばならない。 ・ 既存技術の組み合わせで新たな価値あるものを生み出すことも重要で、本当に良い ものを安く作り上げていくこともイノベーションと捉えている。自動車関連産業で 先行している TPM、JIT の概念が、半導体、液晶製造装置製造の必要な場面で活 かされることも有意義であろう。 ・ 材料―加工―ユニット組立-総組立-検査という一連の製造工程の中で、物流・検 査・手待ちなどのムダを徹底して無くすために、一貫生産ラインの構築も視野に入 れる必要がある(構内で協力企業各社と一緒に製造する)。また、それぞれの工程 の中で、価値を高める追求は、滞ることなく継続されねばならない。 ・ 将来を予見する中での技術開発と、基盤技術・技能の進化の掛け算で、世界最高の 製造装置づくりを継続して実践し続けたい。 18 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 装置の機械部品、モジュール等は、全て外注で加工しており、アルミやステンレス の切削加工や板金加工が主である。協力会社には、当然のことながら高度な技術を 求めているが、同じ性能でコストを低減するニーズは非常に強い。韓国、中国等の 企業からの提案もあり、要素技術部品を売り込みに来ている。結果的に動けばよい という部分に使ってみたが、品質面で問題があり、現在は使っていない。海外企業 の部材・提案は、国内企業より安いが、トータルで費用対効果を高めることは難し いと考えている。価格は、品質も含むという認識で、品質が高い協力会社にお願い をしている。 ・ 東北地域の協力会社についてみると、装置ユニットの一部は、福島県の企業に加工 から組立までを依頼している。筐体は、秋田県で折り曲げ、埼玉県で溶接・塗装ま で行っている。その他、山形県の企業には板金をお願いしている。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 中小企業として技術力を高めていくことは重要であるが、受注の波が多く、少ロッ ト多品種での物作りが必要であり、価格、納期の要求がさらに強くなっている。ま た、協力会社には、出荷検査の際に精度確保のために空調等を完備してもらうこと も求めている。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 当社は、これまで分散していた R&D 機能を一拠点に集約した。また、この拠点で は、オープンコラボレーションを志向し、自社のコア技術を公開している。3年前 に社内のコア技術を棚卸したところ多数の技術が出てきたので、知的財産権等も確 認しながら、108 のコア技術をオープンにした。 ・ 部材調達面でも情報をオープンにしており、ネット見積もりなどインターネットを 最大限活用している。特殊な加工技術等もあるが、近年は、より安く技術を調達す 19 20 III.ものづくり中堅・中小企業の参入可能性が高い部材・ 技術分野の現状と見通し 1.半導体・FPD等製造装置メーカーの動向とニーズ (1) 半導体・FPD等製造装置の技術ロードマップ ここでは、社団法人日本半導体製造装置協会(SEAJ)「2007 年度半導体製造装置 技術ロードマップ報告書」を用いて、今後の技術トレンドから一層重要度が増すと考え られるウェーハプロセス(リソグラフィー、成膜等)の主要装置分類に焦点を当て、技 術動向を分析した。 2005 年度の半導体製造装置技術ロードマップの後、High-k/metal gate、液浸露光、 45nm 製品化、MPU のマルチコア化、NAND フラッシュのテクノロジードライバ化等 が具現化され、製造装置関連技術を牽引していた。その後、ITRS2007 版では、「More More(設計ルールの縮小だけでなく、材料・構造・レイアウトで性能を高める等価的 スケーリング)」と「More than Moore(CMOS デジタル回路にアナログ素子他をコ ンパクトに融合し、新機能を創出)」の概念が再定義され、今後の製造技術・製造装置 の開発における転換が迫られている。 ① ウェーハプロセス用処理装置(リソグラフィー) SEAJの半導体製造装置技術ロードマップでは、次世代の光リソグラフィーのEUV、 EBリソグラフィーのML2(Maskless Lithography)、その他リソグラフィーのインプ リント(Imprint Lithography)など各種リソグラフィー方式の可能性や技術課題が整 理され、技術ロードマップが示されている(図表 III-1)。 光リソグラフィーにおいて、EUV への移行が技術的に実現可能であっても、マスク を含めた投資負担が非常に大きくなるため、これらを解決する技術開発ニーズがさらに 強くなっている。また、光リソグラフィーは、高いスループットが特徴であるが、電子 ビーム(EB)直描技術等の ML2 においてもスループットを改善する技術開発は確実 に進められている。インプリントは 10nm 以下の構造体を高精度で、安価かつ大量生 産を可能とする技術として注目されており、熱、室温、光インプリント等の各種方式の 技術開発が進められている。 21 図表 III-1 各リソグラフィー方式の可能性・課題 デバイス出荷の年 2007 65 53 42 2008 57 45 38 2009 50 40 34 2010 45 36 30 2011 40 32 27 2012 35 28 24 2013 32 25 21 2014 28 23 19 2015 25 20 17 NA k1(DRAM 1/2pitch) 高屈折率媒体(屈折率) 高屈折率ガラス 0.90 0.30 1.64 1.64 0.90 0.28 1.35 0.35 1.35 0.31 1.35 0.28 1.35 0.24 1.8 2.14 1.35 0.22 1.35 0.20 1.55 0.20 0.25 1.20 50W 0.25 1.11 0.25 0.93 115W 0.25 0.83 0.25 0.74 0.25 0.65 0.25 0.59 0.25 0.52 0.30 0.56 EUV NA k1値(DRAM 1/2pitch) 高効率光源(集光点出力) 波面、ミラー計測技術 熱制御、コンタミ制御 高感度レジスト 無欠陥・平坦マスク ML2 電子光学系(EO) 電子銃 アナログ技術 デジタル制御技術 アラインメント技術 データハンドリング 真空ステージ技術 マルチビーム技術 ITRS '07 DRAM 1/2pitch(nm) Flash 1/2pitch(nm) MPU gate (nm) 各方式の 量産適用可能性 クリティカル レイヤ 193nm 193nm液浸 193nm液浸+DE/DP 193nm高屈折率液浸 EUV ML2 Imprint 193nm Dry, 液浸、 DE/DP 結像系 結像系 Imprint テンプレート加工技術 重ね合せ精度 低欠陥技術 解決策あり 解決法究明中 既知の解決法無し ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「2007 年度半導体製造装置技術ロードマップ報告書」、2008 年 4月 22 ② ウェーハプロセス用処理装置(成膜等) ゲート用エッチング装置の課題と解決策候補についてみると、プラズマ源に加え、チ ャンバー内の異物や反応生成物のケミカル、物理反応に関わるチャンバー内部品の耐食 性、温度制御、表面処理等の解決策へのニーズが高いことがわかる(図表 III-2)。 図表 III-2 First Year of IC Production DRAM 1/2 Pitch 1.プラズマ源 ゲート用エッチング装置の課題と解決策候補 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 プロセスウィンドウの拡大 プラズマ分布の制御 新プラズマ源 GCIB 中性ビーム パルスプラズマ 原子層エッチング 2.エッチング室 均一なガス供給、排気 反応生成物分布の均一化 チャンバ雰囲気の安定化 異物発生源の削除 ウェーハ対向ガス供給の適正化、軸対象排気 高速排気システムとチャンバ容積の適正化、電極温度分布制御 終点検出制御されたロット間、in-situプラズマクリーニング チャンバ内部品の耐食性、表面処理 異物発生の少ないガスケミストリーの選択 チャンバ内部品の温度制御、表面処理 反応生成物の付着、剥がれの防止 ダミーウェーハレスのin-situプラズマクリーニングの適正化 チャンバ内部品の交換易化(短時間) 3.排気系 排気速度の増大 排気ポンプの大容量化、排気コンダクタンスの改善 広範囲な圧力制御 4.装置構成 装置腐食、異物成長の防止 アッシング装置と真空連結 Reseach Required Development Underway Qualification/Pre-Production Continuous Improvement ※無許可での転載を禁じます。 資料:社団法人日本半導体製造装置協会「2007 年度半導体製造装置技術ロードマップ報告書」、2008 年 4月 23 (2) 半導体・FDP製造装置メーカーのニーズ ① 調査概要 本調査では、東北地域だけではなく、国内の主要半導体・FDP 製造装置メーカーに 対して、ヒアリング調査を実施し、メーカーの事業概況、技術開発動向・技術ニーズ等 について詳細を確認した。なお、調査対象となる装置メーカーは、前述Ⅱ.や有識者及 び日本半導体製造装置協会(SEAJ)のご助言をふまえつつ、国内メーカーのシェア・ 競争力が高く、今後の市場ポテンシャルも見込まれる分野を中心に選定した。前工程の みならず、後工程、検査工程まで全工程をカバーし、幅広くニーズを収集した。 なお、ヒアリング調査では、本調査全体のアドバイザである福島県産業技術顧問の柳 田公雄氏と共に企業訪問をし、装置メーカーが抱える技術開発課題、協力会社等に求め る具体的な部材、加工精度等についてヒアリングを行った。以下では、企業名を匿名と しつつ、各装置メーカーの原稿確認を経て、公表許可が出たニーズやコメントを掲載し ている。 ② 調査結果 半導体・FPD 製造装置毎に技術ニーズを取りまとめるイメージが最も理解しやすい が、競争環境の分析でも確認をした通り、市場構造をみると、装置毎に主要メーカーに よる寡占化が進んでいるため、装置単位でニーズを整理すると企業が特定されてしまう ため、とりまとめにあたっては、装置の主要ユニットレベルで出来るだけ一般化しなが ら、ニーズの概略と全体像を示すに留めている。 例えば、半導体・FPD のウェーハプロセス用処理装置は、一般的に、チャンバー、 真空・ガス・給排水制御システム、精密駆動システム、プラットフォーム・搬送システ ム、環境制御システム、電源、エレクトロニクス制御システム等の基本ユニットから構 成されている。組立用装置、検査用装置は、精密駆動システム、プラットフォーム・搬 送システム、エレクトロニクス制御システム、実装・計測システム等の基本ユニットか ら構成されている。 まず、チャンバー系は、ウェーハ等の加工を行う容器等であり、石英、アルミ合金、 ステンレス製の真空チャンバー等がある。真空・ガス・給排水制御系は、真空・ガス・ 水等の制御管理をする機構であり、真空バルブ・ポンプ・計測分析器、ガス導入・排ガ ス処理、リークデテクター、フィールドスルー部品、フランジ・ガスケット、制御装置、 電源等がある。精密駆動系は、ウェーハの精密な制御・位置決めをする機構であり、精 密駆動ステージ、クラスターツール、静電チャック等の基板保持機構等がある。プラッ トフォーム・搬送系は、チャンバー間のウェーハ等の搬送機構であり、搬送ツール・ロ 24 ボット等がある。その他の制御系としては、環境制御システム、電源、エレクトロニク ス制御システム等の装置全体の処理制御をする機構がある。構造物は、装置の筐体やフ レーム等である。 以上をふまえ、ものづくり中堅・中小企業の参入可能性が高い部材・技術分野を検討 するため、以下の通り、主要ユニット別にものづくり基盤技術のニーズをとりまとめた。 装置メーカー毎のヒアリング調査のポイントによる詳細な生の声を含めて、装置メーカ ー等へのアプローチの際の1つのきっかけやヒントとしてご活用を頂きたい。 図表 III-3 半導体・FPD等製造装置の主要ユニット別技術ニーズ ユニットレベル 装置メーカーの技術ニーズ ・ ステンレス・アルミ加工(サブミクロンから数ミクロンレベ チャンバー系 真空・ガス・給排水制御系 ルの超精密切削・研磨)、アルミ陽極酸化(アルマイト処 理)・電解研磨、セラミックス膜コーティング(溶射)、石 英加工(切削、研磨、溶接)、難削材加工(チタン、タン グステン、モリブデン、パーマロイ、純鉄等)、異種金属 溶接、真空溶接技術 ・ 電源(高圧制御)、高精度温度制御技術、低振動・低脈 動・低発熱ポンプ製造、フランジ・配管等の精密溶接 ・ 精密位置決め技術(精密切削・研磨、溶接技術+ソフト 精密駆動系 プラットフォーム・搬送系 構造物 (筐体、フレーム等) ウエア制御)、セラミックス加工(プラズマ・腐食性ガス等 への耐性、精密平面平滑加工) ・ 精密位置決め技術(精密切削・研磨、溶接技術+ソフト ウエア制御)、アーム等の剛性・耐腐食加工 ・ 金属プレス・板金加工、めっき・塗装(大物への対応)、 溶接(歪みが少ない)、プラスチック成形 資料:装置メーカーヒアリング調査より作成 25 <装置メーカーのものづくり基盤技術ニーズ 《装置メーカーヒアリング調査 コメント集> ポイント》 ・ ものづくり基盤技術としては、溶接や機械加工等の良く知られた基盤技術以外に、 表面処理が重要であり、真空分野の表面処理には電解研磨が使用されている。電解 研磨は、真空チャンバーの大型化に伴い、大型の設備が必要である。また、真空チ ャンバーの大型化によって生じるステンレスのひずみを修正する溶接技術も重要 であり、協力会社等の仲間づくりを進めている。 ・ ハロゲンガス等への耐食性を高めるために、関連会社がアルミの陽極酸化(アルマ イト)を手がけている。 ・ 表面処理技術は、これからも非常に重要であり、食品等、別の分野へのさらなる応 用が期待される。電解研磨や陽極酸化のような既存技術以外にも、10 ナノオーダ ーの酸化膜、多層薄膜形成技術等は、多くの分野で使われるようになるだろう。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 装置の主要パーツは、加工の精度、難易度が高く、大型化への対応も求められる。 ・ 精密位置決めステージの精密加工に必要な大型の研磨技術を求めている。2m角の 部材を加工できる大型研磨機を有している企業自体が少ないが、東北地域には、大 型研磨加工機を持っている企業がおり、1.5m 角の大型部材を±3~5ミクロンの 精度で加工できる。特別に必要となる精度モノの研磨等へのニーズは高い。 ・ 筐体のプラスチック成形部品は、樹脂で出来ているが、今後、筐体の大型化に伴い、 板金加工のものになっていくだろう。その際、塗装焼付炉についても、生産対応の ため、大型設備が必要となる。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 当社の装置には、真空技術、精密加工技術、特殊な研磨、表面処理技術等が必要で ある。以前は、協力会社に技術等を指導していたが、そのレベルをさらに超えるニ ーズが出ており、鏡面加工、精密機械加工等で特殊な技術・ノウハウを持っている 26 ・ ステージが大型化している中で、セラミックを1ミクロンの平面度に確保する技術 も求めている。置き方を間違えるだけで誤差が出てしまう。以前、5ミクロンのセ ラミックス加工ができる企業を探したら、日本に1社しかなかった。 ・ 装置の主要ユニットは、20~30 ほどある。電気、機械、シャーシ系のユニット等 があり、これらを組合せて調整してはじめて性能が出てくる。当社は、ユニットま で作れるところを取引先として考えており、トレーサビリティも重視している。 ・ ユニットは、ローレベルユニット(LLU)、LLU を組み合わせたユニット、さら にユニットの組合調整まで行うユニット組立=UMA というレベルがある。中小企 業は、機械加工、めっき、ステンレス加工技術等の特徴のある技術に特化している ので、電気系、機械系、ソフトウエア系の全てをこなし、ユニット化に対応するこ とは難しい状況にある。これまでも中小企業にユニットのお願いをしたが、企業間 の利害関係もあり、1社が複数社を取りまとめるのもなかなかうまくいかず、現在 は、自社工場内に協力会社をまとめて生産する方式を採用している。 ・ 東北地域でもユニット組立のレベルまで対応できる企業は少ないが、今後、それら に対応できるような企業への生産委託も視野に入れたい。既に、東北地域の協力会 社の中には、単に加工技術だけでなく、ユニットレベルに挑戦しようとしている積 極的な中小企業もいる。ユニットレベルまで目指すことは悪いことではないが、ト ータルで運営するには良いコーディネーターが必要である。 ・ めっき、塗装では、同じ品質のものをまとめることができる企業は魅力である。め っきと塗装で問題になるのは傷になるが、これらの品質をクリアできる企業と取引 をしている。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 半導体の技術ロードマップに基づき微細化が進む中、ステージの精密位置決め技術 の精度はさらに高まっている。当社の装置でも、ステージをナノレベル制御するこ とが必要である。特に、熱膨張のないセラミックスなどレチクルを保持する材料の 加工、平面度が非常に高いミラー、XY ステージを制御するガイド(高精度ベアリ ング)等の技術が重要である。また、高圧制御をする電子・電気技術、高真空技術、 磁性がない材料による大型真空チャンバーの製作技術がポイントとなる。さらに、 高いクリーン度を実現する表面研磨技術、洗浄技術も重要となる。洗浄技術は、当 然、環境配慮の技術である。 27 ・ 電子光学系レンズの歩留まりなど要素技術面の課題は他にもある。例えば、電子ビ ームを絞る部品はなかなか良い物が出来ない。電子ビームは、本来、真円でなけれ ばならないが、少し歪むことがある。これらの原因は、センタリングのための加工 精度が出ていないことや、素材をある手順で焼結していく過程で加工の順番が異な ること等が考えられる。旋盤で削るスピードや温度も関連する。現在、加工をする と素材に歪みが出るので熱処理をするという工程を繰り返して歪みを補正してい る。これらはノウハウに近い部分で、協力会社でも人が変わると全く精度が出なく なってしまう。勝手に汎用機から自動機加工にされた場合でも加工精度が異なる。 汎用機を脈々と引き継いでいる企業が必要不可欠であり、汎用機を使える次世代を いかに育てるかという技能継承を考えている。自動機は資金が整えば対応できる が、汎用技能は 10~20 年かけてようやく手に入れられるものである。 《装置メーカー社ヒアリング調査 ポイント》 ・ 洗浄技術としては、アドバンストスプレーによるパーティクルの除去、表面張力を 小さくするための液体のニーズがある。また、ウェーハの周辺の膜を除去するベベ ルエッチングシステムも重要である。 ・ 装置の主要モジュールは、洗浄槽、搬送系等である。洗浄槽は、洗浄液をつけ、水 洗をする工程を繰り返す構造になっている。洗浄槽は、石英部材で出来ているが、 フッ化水素を使う部分では溶けてしまうので、フッ素樹脂等の耐食材料を採用して いる。フッ素樹脂等には特殊な加工技術が必要である。フッ素樹脂等の採用には、 原材料メーカーと加工メーカーとの連携が必要である。原材料メーカーには、部材 の高純度化の要求を続けている。 ・ 搬送系のロボットは、ウェーハを挟んで処理槽で扱うものもある。ロボットの設計 等は、社内で対応している。リフターは、ウェーハを 50 枚処理できるよう溝が多 数ある(加工は手作業でまさにノウハウ)。また、腐食しそうな材料では対応が難 しい。リフター等も含めて、材料面で耐性があるものへのニーズが強い。 ・ アニール装置では、フラッシュアニールが重要である。短時間で急速な温度変化を いかに制御できるかを考えており、シミュレーションが圧倒的な効力を発揮する。 当社は、ものづくりに加え、こうしたシミュレーション技術を持ち、現場とやり取 りを出来ることが強みである。空気の流れ等のシミュレーションで初めて分かるこ ともある。 28 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 装置の主要ユニットは、搬送系、温度印加系、測定系の3つである。具体的には、 搬送、ピックアップ=吸着、位置決め、温度印加(マイナス 30 度~125 度)、測 定技術等の要素技術が必要である。 ・ 半導体プロセスの微細化に伴い IC の狭ピッチ化が進んでおり、IC の供給、収納に おける位置決め精度の確保が重要である。また狭ピッチに対応した、より高精度な 位置決めによる測定技術が求められる。温度印加系では、設定温度に達するまでの 昇温時間の短縮と測定中の温度変動を抑えることが必要である。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 装置のユニット・部材では、1ミクロン以下の超精密機械加工技術が必要である。 ユニット・部材に用いられる材料は、粘りが強くて加工がしにくかったり、非常に 硬い難削材、セラミックス等の脆性材である。アルミ、チタン、タングステン、モ リブデン、ネオジウム鉄ボロン、パーマロイ(磁性シールド機能のある材料)等の 加工技術が求められる。その他、1m 以上のセラミックスは、平面度1ミクロンの 精度での加工など大型化と平滑化を同時に実現することが必要である。電源に用い られる安定性が高いアナログ回路も必要である。 ・ 周辺技術として、真空部品はすべて精密洗浄(コンタミ防止)、超高真空は真空炉 によるベークアウト、高電圧部品は SUS 複合電解研磨、異種金属溶接(YAG)、化 学研磨(チタン部品等)、コンタミ防止のラップ面(鏡面)、セラミック部品のク ラック検査(超音波探傷)、金属汚染対策(セラミック洗浄)、真空溶接、ガンド リル(水冷経路)等が必要である。検査技術・共通技術について、寸法・精度検査 技術、対真空リークチェック技術、洗浄技術、パーティクルチェック、真空シール 面の加工等が必要である。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 直近で求めている技術は、超純水対応ポンプ開発と性能評価技術、中長期的に求め 29 ・ 純水の扱いが非常に難しいので、全く新しいポンプが技術的に大きなハードルにな っている。これまで、冷凍機、ポンプメーカー、センサ関連の企業と一緒に研究開 発等をしてきている。直近、中長期ともポンプ技術は重要である。 ・ 装置の部品トラブルは非常に多いので、性能評価技術として、いかに事前に評価を してトラブルを無くしていくかが重要である。 ・ 温調機は、オリジナルの部品を使うということはあまりなく、品質は非常に厳しい 要求があるが、配管等も含めて市販品の組み合わせで対応できる。 ・ リニアモーターに使っている部品には、複合材料技術として高剛性・軽量・電磁誘 導が起こりにくい材質の開発を求めている。その他にも耐水性、低アウトガス性、 加工精度およびシール面精度を確保できることが重要であり、現在 CFRP を使用 している。CFRP は、現在、大手材料メーカーから調達しているが、CFRP 以外で も要求仕様を満たす材料がないものかと模索している。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 基幹技術は、プロセス技術、温度制御技術、コンタミネーション制御技術にある。 ・ プロセス技術としては、材料をウェーハへ安定・均一供給し、温度、圧力を適正に コントロ-ルすることで、求められる性能を達成する。また温度制御は、その制御 精度は重要で、ウェーハ面内およびバッチ内(例:100 枚/バッチ)の均一性が求 められる。 ・ 主力装置で採用しているカーボンワイヤーヒーター技術は、他社にない独自の技術 である。また、これらのコア技術を活かすためには、PM の簡単化のためのクリー ニング技術、信頼性のあるウェーハ搬送技術などの基盤技術も重要である。 ・ 東北エリアで近場にあると有難いのは電解研磨等、表面処理技術である。装置の納 期は、2~3ヶ月となっている中で、時間・物流ロスは無視できない。 ・ 協力会社からは、ガスデリバリシステム、ヒータ関連のエレメント、材料を調達し ている。また、板金の大物加工、塗装等も協力会社に依頼している。溶接技術は、 フレーム、ベルジャーを構成するフランジ、配管系等に使われる。材質の特性、構 造を踏まえた溶接工法が必要である。 30 【参考①:装置メーカーのビジネス面のニーズ】(再掲) 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 普遍的な課題として、低消費電力化、高速化、低コスト化が要求される。これらを 実現する技術として、微細化の追求、大口径化(450mm 化)、High-k などの新材 料の適用が求められる。また、これらを支える製造装置には、微細化を達成するた めの高精度装置と、工程に求められる性能を最適仕様で実現する(より簡単化され た装置)ことが必要である。 ・ 両局面の装置に共通して求められるのは、生産設備としての高信頼性、環境負荷の 低減、ランニングコストの低減、予防保全の簡単化などである。 ・ 他方で、半導体需要の大半をデジタルコンシューマ製品が担うことから、製品ライ フサイクル・需給変動の短期化に即した装置の短納期対応が必須となる。併せて、 アジア諸国に見られる産官学連携での装置の国産化が急ピッチで進んでおり、特に 汎用アプリケーションにおいては、低コスト・短納期という点で競合として再認識 せねばならない。 ・ 既存技術の組み合わせで新たな価値あるものを生み出すことも重要で、本当に良い ものを安く作り上げていくこともイノベーションと捉えている。 ・ 自動車関連産業で先行している TPM、JIT の概念が、半導体、液晶製造装置製造 の必要な場面で活かされることも有意義であろう。 ・ 材料―加工―ユニット組立-総組立-検査という一連の製造工程の中で、物流・検 査・手待ちなどのムダを徹底して無くすために、一貫生産ラインの構築も視野に入 れる必要がある(構内で協力企業各社と一緒に製造する)。また、それぞれの工程 の中で、価値を高める追求は、滞ることなく継続されねばならない。 ・ 将来を予見する中での技術開発と、基盤技術・技能の進化の掛け算で、世界最高の 製造装置づくりを継続して実践し続けたい。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 装置の機械部品、モジュール等は、全て外注で加工しており、アルミやステンレス の切削加工や板金加工が主である。協力会社には、当然のことながら高度な技術を 31 ・ 東北地域の協力会社についてみると、装置ユニットの一部は、福島県の企業に加工 から組立までを依頼している。筐体は、秋田県で折り曲げ、埼玉県で溶接・塗装ま で行っている。その他、山形県の企業には板金をお願いしている。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 中小企業として技術力を高めていくことは重要であるが、受注の波が多く、少ロッ ト多品種での物作りが必要であり、価格、納期の要求がさらに強くなっている。ま た、協力会社には、出荷検査の際に精度確保のために空調等を完備してもらうこと も求めている。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 当社は、これまで分散していた R&D 機能を一拠点に集約した。また、この拠点で は、オープンコラボレーションを志向し、自社のコア技術を公開している。3年前 に社内のコア技術を棚卸したところ多数の技術が出てきたので、知的財産権等も確 認しながら、108 のコア技術をオープンにした。 ・ 部材調達面でも情報をオープンにしており、ネット見積もりなどインターネットを 最大限活用している。特殊な加工技術等もあるが、近年は、より安く技術を調達す ることを重視している。ローコモディティは、アジアでの製造を含めてコスト低減 が必要となっており、筐体の板金加工等は、中国、シンガポール等の海外でも可能 とみている。既に、米国系装置メーカーは、シンガポールで EMS 等を活用しても のづくりを始めている。 32 【参考②:装置メーカーのニーズ】 平成 19 年度に東北経済産業局が実施した「東北地域における半導体・FPD 等製造装 置関連産業の技術開発動向調査」から、半導体・FPD 製造装置の技術開発の方向性、 装置メーカーのニーズ等の分析内容について転載をした。 《有識者ヒアリング調査 ポイント》 ・ 拡リソグラフィーィとしては、リソグラフィとエッチング、成膜をいかにつなげる かが重要。二回露光、すなわち、ダブルエクスポージャ、ダブルパターニングが注 目されている。ダブルエクスポージャが単に二回露光をするだけなので、理想形で あるが、いずれにしても重ね合わせ精度の位置決め技術が難しく、技術的な課題も 多いのではないか。一パターンを二回に分けることで位置の重ね合わせを高精度で 行うのは非常に難しい。また、一パターンを二つのパターン、特に複雑なパターン を分離するソフト技術開発も課題。 ・ 装置メーカーにとって重ね合わせ、精密位置決め技術はコア技術といえる。具体的 な技術としては、加工精度や平坦性を確保する精密加工技術、パターン認識等のソ フトウエア制御技術、高速移動を実現するモータ、高精度センサや画像処理術が重 要となる。半導体や液晶の基板の大型化に伴い、ハンドリングをする搬送技術は処 理速度を高める意味でも非常に重要である。 ・ 新材料や表面処理技術としては、チャンバーのプラズマ耐性が重要となる。新しい 半導体デバイスの材料が使われることで薬液やガスが変わり、その結果、それに対 応できる装置の部材も変化してくるので、これらの一連の流れをふまえた上での装 置の新材料の技術開発が重要となる。成膜装置では、チャンバーの表面処理技術と して、均一な成膜をすることが重視されているが、チャンバーに付着した膜が表面 から剥がれにくくなるよう、わざと表面を凸凹にする技術もある。 ・ 従来の装置に用いられる材料としては、ステンレス、アルミ、石英、セラミックス 等で限られている。装置のチャンバー等の耐プラズマに加え、軽量化のニーズも高 く、アルミ、チタンへのニーズは高い。ただし、チタンは、半導体デバイスの材料 として使われているので加工されてしまう危険性があるし、そもそもコスト的に合 わない。既存材料に添加物を入れて性能向上を図る道もあるだろう。 ・ 太陽電池や有機 EL など新たなエレクトロニクスデバイスの製造技術も半導体と似 ており、CVD、スパッタなど原理は同じだろう。FPD は基板が大型化する上、タ ーゲット材も重量が重くなるので、ターゲット交換などメンテ時にクレーンやスラ イド方式で移動をさせる大型化・重量化に対する技術が必要である。 33 ・ ITRS は、単なる微細化ではなく、用途の多様化に対応した技術開発が必要である ことを指摘。多機能化など More than Moore の領域では、製品分野によって微細 化ではなく、スループット改善がより重要となるだろう。Beyond CMOS について は、新たなデバイス構造をはじめ様々な提案がされていて、まだ先が見えない状況 にある。 ・ 液浸露光技術は、高 NA(屈折率)のレンズ、超純水を超える高屈折率液体材料、 その関連技術等の開発など研究開発ニーズは限られている。これに対し、EUV は、 多くの課題を抱えており、微細化のどの世代で実際に装置が投入されてくるのか見 極めたいところである。ただし、単独の露光装置メーカーだけで対応できる課題で はない。 ・ ML2(Maskless Lithography)技術は、スループットが大きな課題。しかし、東 京の EB 装置メーカーが、1センチ角と小さいエリアながら、シャワー式で EB が 可能となり、スループットを従来の 10 倍にまで出来るとプレス発表をした。この ようにスループットを革新的に向上する技術開発があれば、少量生産のロジック等 において ML2 が普及する可能性もある。 ・ ナノインプリンティング技術は、半導体産業の経験からすると、直接コンタクトを することで欠陥が多くなることをはじめ様々な問題に直面するだろう。CMP 装置 も当時は既存プロセスの常識から考えて導入されるとは考えられなかったが、現 在、定着をしているように、ナノインプリントについて装置メーカーや材料メーカ ーも開発を進めているのでブレイクスルーする可能性はある。 ・ リリソグラフィーダブルパターニングだけでなく、組立・実装における「3次元」 のように他の技術分野にわたる技術がキーワードになりつつある。ウェーハ/チッ プを積層し、貫通孔を空ける技術等は、ウェーハプロセスにおけるエッチング技術 につながってくる。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 短期的な技術開発ニーズとしては、真空と常圧(ガスと液体)、ロボティクス、エ レキ、ソフト関連技術等がキーワードとして挙げられる。 ・ 中長期的な技術開発ニーズとしては、新材料開発、装置部材の材料変更によるイノ ベーションがキーワードである。半導体プロセスにおける膜形成の新材料だけでは なく、製造装置のバルク材料、コーティング材、表面処理の変更などこれまでにな かった材料による技術開発が重要である。チャンバー等のプラズマ耐性があるのか 34 ・ 半導体、液晶だけではなく、今までに無いエレクトロニクス関連デバイスの製造装 置や製造技術の技術開発ニーズもある。既存技術では使われていなかった部材が活 用できる可能性がある。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ エッチャーの構成要素としては、プロセスチャンバー、真空系、ガス系、搬送系、 制御系、構造物がある。これは、POR(Process Of Record=認定品・指定品)の制 約を受け、置き換え難易度が高い順に並べている。 <参考:エッチャーの構成要素と購入基準> 構成要素 購入基準 1 プロセスチャンバー =エッチング反応容器 アルミ加工 精度、キズ アルマイト処理 膜均一・均質性、プラズマ耐性、不純物汚染 セラミック系膜コート 膜均一・均質性、プラズマ耐性、不純物汚染 サセプター 1,2,3複合技術、温度制御、RF、価格、 2 真空系 =反応容器、搬送室を減圧制御。 →1mTorr-1Torrの圧力に制御。 ドライポンプ,TMP 排気容量・速度、価格 ゲートバルブ 耐久信頼性、パーティクル、リーク、価格 APC(圧力制御器》 耐久信頼性、パーティクル、リーク、価格 圧力計 信頼性、価格 真空バルブ、配管 耐久信頼性、パーティクル、リーク、価格 3 ガス系 =プロセスガスを精度良く流量制御 MFC 精度、応答性、パーティクル、価格 ガスBox 小型、パーティクル、価格 バルブ、配管 耐久信頼性、パーティクル、リーク、価格 4 搬送系 =Waferを反応室へ出し入れ 制御・システム 信頼性、パーティクル、価格 搬送ロボット 小型、精度、応答性、耐久信頼性、パーティクル、価格 5 制御系 =装置全体の処理制御 RF,マッチャー 応答性、MTBF、価格 システム制御系 総合信頼性(ハード・ソフト)、価格 プラズマ分析器 感度、信頼性、価格 温調器 精度、信頼性、価格 6 構造物 =フレームや板金などの構造物 フレーム、板金 納期、価格、品質(キズ等による返品率》 資料:装置メーカー資料より作成 35 ・ プラズマ耐性に貢献できる新しい技術やアイデアは常に求めているが、良い材料は なかなか見つかっていない。 ・ プロセスチャンバーのサセプターは、ウェーハ全面への均一な処理が必要となるた め、1社で対応できるものではなく、固有の技術を持った複数の協力会社と対応し ている。 ・ ウェーハ全面を均一に加工するために、高周波電力を一様にかけたり、温度管理を 一様にしたり、ガス分散を一様にすることに貢献するような差別化技術や真空容器 の真空を高速に制御することに貢献する差別化技術を求めている。これらの要求に 応える材料・技術として、寿命とコストも含めて解決できることが重要である。 ・ プロセスチャンバーの真空容器に関連した表面処理については、酸化イットリウム (Y2O3)膜でプロテクトしている。セラミック系膜コートは非常に重要。当初は、 セラミックのバルクを使っていたが、現在は、セラミックを溶射している。溶射で は剥がれやすかったが、技術的な改良を重ねて使えるレベルにしている。 ・ 真空系では、溶接技術が重要である。現在、電子ビーム溶接をしているが、それに 代わる差別化技術への要求もある。 ・ 半導体・液晶製造装置に関連する難易度が高い技術開発は重要であるが、装置製造 の生産性を高める技術開発も合わせて重要である。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 露光装置は、光源による強大なエネルギーによって、レンズ内の熱の分布が変わる など局所的な温度安定化に貢献するような技術を求めている。 ・ レンズのガラスの材料開発については、硝材供給メーカーと連携をして情報交換を 進めている。エキシマ光源は高エネルギーなのでガラスへのダメージが大きいこと からレンズ劣化を防ぐための改良が進んでいる。 ・ ArF 液浸は、高 NA、純水を超える液体の研究開発が模索されているが、現段階で 使えるものは出ていない。このため、現在はダブルエクスポージャに注目し、粗い ままで二回露光をする技術開発を進めている。しかし、二回露光をするために、生 産性を2倍にしたり、位置合わせ、重ね合わせ精度を現状値から数分の1のレベル に持っていくことが課題になる。当社としては、32nm 以降の微細化対応は、EUV が最有力であると考えている。 ・ 装置の新材料や表面処理技術に対する技術開発ニーズは高く、コンタミレスへの対 36 応が求められる。 ・ FPD については、インクジェット方式など代替技術開発の可能性もあるだろう。 《装置メーカーヒアリング調査 ポイント》 ・ 中長期的な技術開発ニーズとしては、半導体に光が融合するシリコンフォトニクス があり、長期的に戦略として要素技術開発を進めて行きたい。光通信バブルがはじ けてから厳しい状況にあるが、光技術をどう組み入れていくかがポイントである。 ・ 今後の半導体試験装置を考えるとテスタの高速化、小型化は必須である。それらに 必要な要素技術を開発していく必要があるが、例えばフォトモス、MEMS、半導 体などの各スイッチも高速化、小型化が求められる。MEMS スイッチは、東北大 学と連携して強化をして実力もついてきたが半導体スイッチ実現には技術課題が まだまだ多い。 ・ 既存デバイスのアセンブルではなく、自社で独自のデバイスや複合部品を開発し、 カスタマイズをしていくことが重要である。 ・ テラヘルツ領域の技術開発も重要。セキュリティ、ライフサイエンス分野等の応用 製品を開発し、新規ビジネスにつなげていきたい。どの分野が伸びるかを絞り込ん でいく予定である。 37 2.ものづくり中堅・中小企業の概況と成功モデルの紹介 (1) ものづくり中堅・中小企業アンケート調査結果 ① 調査実施概要 1.調査項目 昨年度調査項目に、以下の項目を追加した。 【調査項目追加の目的】 半導体・FPD 製造装置メーカー等の川下メーカーへのアピールポイントを追加した。 【追加項目】 公開対象(ガイドブックに掲載する)項目として、以下の項目を選択式および自由記入 式で尋ね、「特記事項」という大枠を設定し、対応している等の回答があった事項のみガ イドブックに掲載した(対応していない/0 件の場合は掲載しない)。 ■特記事項 ○品質管理対応状況 1.ISO9001 認証取得 2.その他( ) 3.対応していない ○環境対応状況 1.ISO14001 認証取得 2.RoHS 指令準拠 3.特定企業のグリーン調達基準に対応(→具体的な企業名(差し支えなければ) ) 4.その他( ) 5.対応していない ○知的財産権出願・取得状況 ※無い場合は「0」と入力いただく 出願中 登録(取得)済 1.特許 件 件 2.実用新案 件 件 3.意匠 件 件 ○共同製品/技術開発・共同受注グループへの参加状況 参加 会名称 ホームページ URL 状況 (代表的なもの 1 つ) (あれば) 共同開発グループ 共同受注グループ 38 2.調査対象 以下の合計 1,229 事業所 (1)昨年度または一昨年度回答事業所 ①昨年度回答事業所 389 事業所 267 事業所 公開(ガイドブックへの掲載)希望は様々(公開・非公開・無回答のいずれか)。 ②昨年度回答無で一昨年度“半導体製造装置への関与実績と関心”が共に無しまたは無回 答の事業所 47 事業所 昨年度回答が無く、かつ一昨年度“半導体製造装置への関与実績・今後の関心”につい て、「半導体製造装置関連事業に関わっておらず、関心もない」と回答したか無回答だっ た事業所(昨年度データベースには掲載していないが、一昨年度の回答データは手元に有 している)。 ③昨年度回答無だが一昨年度回答事業所 75 事業所 昨年度回答が無かったが一昨年度は回答があった事業所で②以外の事業所(⇒“半導体 製造装置への関与実績・今後の関心”について、「半導体製造装置関連事業に関わってい る」または「半導体製造装置関連事業に関わったことはないが、関心がある」と回答した 事業所)。 公開(ガイドブックへの掲載)希望は非公開・無回答のいずれか(一昨年度“公開”希 望だった事業所も、昨年度の公開希望は確認できなかったので“無回答”に変更したため)。 (2)今年度新たに調査対象とする事業所 「TOHOKU ものづくりコリドー 840 事業所 光産業関連企業集積」(2008 年 3 月)、「東北の自 動車関連企業マップ」(東北経済産業局、2007 年 3 月 31 日)掲載事業所の中から、昨年 度または一昨年度に本調査に回答していない事業所を、以下の条件で抽出して調査対象と した。(なお、これらの中には、昨年度までに調査対象としながら回答を得られなかった 事業所が含まれている可能性がある。) 調査対象の検討を行う前に、まず各マップ等の調査項目が異なることから、昨年度デー タベースと同じ項目は合わせ、異なる項目は別欄を設けることにより、一つの事業所が複 数のリストに掲載されている場合に最大限の情報を手元に残すことができるようにした。 その際、情報の出所を明記するようにした。また、住所等における英数字の表記が全角で あったり、逆にカタカナが半角であったりしたリストについては、英数字は半角、カタカ ナは全角に変換し、統一を図った。 その上で、下記の条件に該当する事業所を調査対象から除外し、839 事業所を抽出した。 39 【上記マップ等掲載事業所のうち調査対象から除外した事業所】 ○企業でない法人 財団法人、学校法人、社会福祉法人 <大手企業> ○東北に進出している東北域外資本の大手自動車製造業関連企業 関東自動車工業(株)、トヨタ自動車東北(株)、(株)ミクニ、アイシン東北(株)、アル プス電気(株)、(株)キリウ山形、セントラル自動車(株) ○その他の大手企業の関連企業/事業所 事業所名に次の文字が含まれる場合は基本的に※除外:日立、東芝、松下、パナソニ ック、NEC、ニコン、ルネサス、パイオニア、ソニー、クラリオン、TDK、アル パイン、リコー、日本パーカライジング、古河電工、住友ゴム、ヒロセ電機、日ピス、 スタンレー、スミダ(コーポレーション)、JUKI ※文字が含まれていても、ウェブサイトを調べ、関連が無い場合は除外していない。 <製造が主たる事業では無い事業所> ○「TOHOKU ものづくりコリドー 光産業関連企業集積」掲載事業所のうち〔企業 分類〕が「商社」である事業所 ○販売、商業を主たる事業としている企業/営業所、商業 事業所名に次の用語が含まれる場合は除外:販売、物産、商事、商会、セールス、 営業所 <本調査の対象外> ○半導体デバイスメーカー 事業所名に次の用語が含まれる場合は除外:デバイス、セミコンダクタ、ディスプ レイ ○「TOHOKU ものづくりコリドー 光産業関連企業集積」掲載事業所のうち〔もの づくり階層〕が「製品/システム」(川下)のみである事業所 ○自動車の完成品/車体/ブレーキ/シート等のメーカー 事業所名に次の用語が含まれる場合は除外:自動車、カー、車体、ブレーキ、シー ト ○製鉄業 事業所名に次の用語が含まれる場合は除外:製鉄/製鐵、製鉄所/製鐵所 ○繊維製造業 事業所名に次の用語が含まれる場合は除外:繊維、ニット 40 <その他の視点> ○同一企業の事業所が東北地域内に複数ある場合はいずれか一つを抽出 基本的には本社工場など中心的な事業所を抽出。ただしウェブサイトを見てもどれ が中心的事業所か判断できない場合やいずれの事業所も同程度の位置付けの場合は、 いずれかを任意に抽出した。 ○同一住所に関連企業/事業所が複数ある場合はいずれか一つを抽出 調査を開始した後で希望を受けて 1 事業所追加したため、最終的には今年度新たに調査 対象とした事業所は 840 事業所となった。 41 ② 調査結果 回答事業所を、半導体等製造装置関連分野への関与・関心から、「1 関わっている(関 わったことがある)」「2 関わったことはないが関心がある」「1+2 以外計」「3 関わ っておらず関心もない」の 4 つに分け、特に、前者 2 つの選択肢を回答した事業所の 特徴について分析した。 a) 半導体等製造装置関連分野への関与・関心 回答事業所(企業)の半導体等製造装置関連分野への関与・関心状況をみると、半導 体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業所が 47.0%と 半分近くを占めている。一方、「関わったことはないが関心がある」事業所は 27.3%、 「3 関わっておらず関心もない」事業所は 22.6%で「無回答」と合わせて概ね 4 分の 1 を占めている。(図表 III-4) 図表 III-4 半導体等製造装置関連分野への関与・関心(単数回答) 半導体等製造 装置関連事業 に関わってお らず、関心も ない 22.6% 無回答 3.1% 半導体等製造 装置関連事業 に関わってい る(関わった ことがある) 47.0% 総数 421 半導体等製造 装置関連事業 に関わったこ とはないが、 関心がある 27.3% 42 b) 所在地 事業所(企業)の所在地についてみると、半導体等製造装置関連分野に「関わってい る(関わったことがある)」事業所群の比率は、全体の比率に比べて岩手県で特に高く、 山形県、福島県でも高くなっており、岩手県では、半導体等製造装置関連産業が重要な 産業となっていることがうかがえる。事業所数では、ものづくり企業の集積が厚い福島 県が 70 事業所と圧倒的に多く、以下、岩手県に 44 事業所、山形県に 35 事業所が立地 している。一方、「関わったことはないが関心がある」事業所群の比率は、全体の比率 に比べて福島県で特に高く、次いで宮城県で高くなっている(図表 III-5)。 所在地(単数回答) 図表 III-5 所在県 青森県 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 岩手県 24 5.7 11 5.6 5 4.3 8 7.4 7 7.4 宮城県 75 17.8 44 22.2 19 16.5 12 11.1 12 12.6 秋田県 73 17.3 23 11.6 21 18.3 29 26.9 27 28.4 山形県 34 8.1 15 7.6 10 8.7 9 8.3 7 7.4 福島県 70 16.6 35 17.7 17 14.8 18 16.7 18 18.9 無回答 145 34.4 70 35.4 43 37.4 32 29.6 24 25.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 c) 主要業種 企業の最も主要な業種についてみると、半導体等製造装置関連分野に「関わっている (関わったことがある)」事業所群では、全体の比率に比べて特に「精密機械器具」の 比率が高く、「一般機械器具」でも若干高くなっている(図表 III-6)。 一方、「関わったことはないが関心がある」事業所群においては、「プラスチック製 品」の比率が全体の 2 倍近く高く、「金属製品」「電子部品・デバイス」でも高くな っている(図表 III-6)。既に半導体等製造装置関連分野に関わっている事業所とは異 なる業種を主要業種としている事業所から、半導体製造装置関連分野に高い関心が寄せ られていることがわかる。 図表 III-6 業種分類(単数回答) F5 主要業種 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 ゴム製品 金属製品 窯業・土 その他 輸送用機 精密機械 プラス 一般機械 電気機械 情報通信 電子部 石製品 器具 チック製 器具 器具 品・デバ 械器具 品 イス 58 13.8 33 16.7 13 11.3 12 11.1 10 10.5 88 20.9 38 19.2 27 23.5 23 21.3 23 24.2 3 0.7 2 1.0 0 0.0 1 0.9 1 1.1 38 9.0 13 6.6 15 13.0 10 9.3 8 8.4 43 13 3.1 2 1.0 4 3.5 7 6.5 7 7.4 75 17.8 56 28.3 8 7.0 11 10.2 8 8.4 27 6.4 5 2.5 14 12.2 8 7.4 7 7.4 4 1.0 1 0.5 2 1.7 1 0.9 1 1.1 81 19.2 28 14.1 27 23.5 26 24.1 23 24.2 11 2.6 7 3.5 1 0.9 3 2.8 3 3.2 20 4.8 12 6.1 3 2.6 5 4.6 3 3.2 無回答 3 0.7 1 0.5 1 0.9 1 0.9 1 1.1 d) 業務内容 事業所(企業)の業務内容についてみると、半導体等製造装置関連分野に「関わって いる(関わったことがある)」事業所群では、全体に比べて「営業・販売」「保守・メ ンテナンス」「設計・デザイン」「企画・研究開発」を業務としている事業所の比率が 特に高い(図表 III-7)。半導体製造装置関連分野に関わるには、これらの業務を手が けることが重要であると考えられる。 一方、「関わったことはないが関心がある」事業所群では、全体に比べて「製造(加 工、組立)」を業務としている事業所の比率が若干高い。 図表 III-7 業務内容(複数回答) F6 業務内容 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 企画・研 設計・デ 製造(加 検査 究開発 ザイン 工、組 立) 97 23.0 56 28.3 23 20.0 18 16.7 17 17.9 157 37.3 85 42.9 40 34.8 32 29.6 29 30.5 403 95.7 186 93.9 113 98.3 104 96.3 91 95.8 調達・購 営業・販 保守・メ その他 買 売 ンテナン ス 121 28.7 63 31.8 39 33.9 19 17.6 19 20.0 116 27.6 61 30.8 35 30.4 20 18.5 18 18.9 128 30.4 76 38.4 25 21.7 27 25.0 24 25.3 75 17.8 47 23.7 15 13.0 13 12.0 12 12.6 18 4.3 10 5.1 4 3.5 4 3.7 4 4.2 無回答 4 1.0 1 0.5 1 0.9 2 1.9 2 2.1 e) 事業形態 事業所(企業)の事業形態を、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わっ たことがある)」事業所群では、全体に比べて「発注者支給の図面をもとに部材加工・ 製造」「発注者仕様で自社設計し、部材を加工・製造」している事業所の比率が特に高 くなっている(図表 III-8)。「自社で設計開発し、製造は外注」や「最終製品を開発 製造し、他社ブランドで販売」している比率も若干高い)ものの、半導体製造装置関連 分野の事業形態は、いわゆる“下請”が主であることがわかる。 44 図表 III-8 事業形態(複数回答) F7 事業形態 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 最終製品 を開発製 造し、自 社ブラン ドで販売 最終製品 を開発製 造し、他 社ブラン ドで販売 102 24.2 51 25.8 25 21.7 26 24.1 25 26.3 54 12.8 29 14.6 15 13.0 10 9.3 10 10.5 自社仕様 の部品を 製造し、 不特定 ユーザに 販売 47 11.2 20 10.1 14 12.2 13 12.0 11 11.6 発注者仕 様で自社 設計し、 部材を加 工・製造 205 48.7 106 53.5 54 47.0 45 41.7 40 42.1 発注者支 給の図面 をもとに 部材加 工・製造 自社で設 その他 計開発 し、製造 は外注 302 71.7 152 76.8 82 71.3 68 63.0 58 61.1 43 10.2 26 13.1 8 7.0 9 8.3 9 9.5 無回答 36 8.6 13 6.6 11 9.6 12 11.1 10 10.5 3 0.7 1 0.5 1 0.9 1 0.9 1 1.1 f) 事業所(企業)の強み 事業所(企業)の強みについてみると、半導体等製造装置関連分野に「関わっている (関わったことがある)」事業所群では、「高精度の加工力」を強みとして挙げている 事業所の比率が全体を大きく上回って高く、以下、「設計デザイン力」「高信頼性」 「高 度な設備力」も高くなっている(図表 III-9)。半導体製造装置関連に関わるには、第 一に機械加工等による高精度な加工技術力が重要であり、次に設計技術や設備も重要で あることがわかる。一方、「関わったことはないが関心がある」事業所群は、他の事業 所群に比べ、「品質管理能力」「コスト対応力」「短納期への対応力」のいわゆるQCD を挙げている比率が特に高く、その他、「量的変動への対応力」「一貫生産能力」を挙 げている割合も高い。 図表 III-9 事業所(企業)の強み(複数回答) F8 会社の強み 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 高信頼性 品質管理 コスト対 短納期へ オンリー 高精度の 一貫生産 技術・工 能力 応力 の対応力 ワン技術 加工力 能力 程統合力 力 128 30.4 65 32.8 34 29.6 29 26.9 24 25.3 124 29.5 53 26.8 41 35.7 30 27.8 28 29.5 95 22.6 31 15.7 35 30.4 29 26.9 27 28.4 166 39.4 77 38.9 51 44.3 38 35.2 33 34.7 76 18.1 38 19.2 17 14.8 21 19.4 19 20.0 139 33.0 81 40.9 33 28.7 25 23.1 22 23.2 139 33.0 68 34.3 42 36.5 29 26.9 26 27.4 F8 会社の強み 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 高度な設 量的変動 企画提案 設計デザ 営業販売 その他 備力 への対応 力 イン力 力 力 41 9.7 23 11.6 10 8.7 8 7.4 6 6.3 47 11.2 18 9.1 19 16.5 10 9.3 7 7.4 45 34 8.1 22 11.1 8 7.0 4 3.7 4 4.2 29 6.9 20 10.1 5 4.3 4 3.7 4 4.2 12 2.9 5 2.5 2 1.7 5 4.6 3 3.2 10 2.4 3 1.5 2 1.7 5 4.6 5 5.3 無回答 9 2.1 2 1.0 1 0.9 6 5.6 5 5.3 83 19.7 42 21.2 23 20.0 18 16.7 16 16.8 g) 主要製品・製造(加工組立)内容のPRポイント 主要製品・製造(加工組立)内容に関するPRポイント(3 つまで回答可)をみると、 半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業所群では、 全体に比べて「顧客の有力なパートナー」の比率が特に高く、次いで「隙間市場におけ るニッチトップ」の比率が高くなっている(図表 III-10)。半導体製造装置関連分野 においては、“下請”の事業形態が主であることもあり、顧客にとって欠かせない存在 となっていることをPRポイントと認識している事業所が多い一方、ニッチトップの技 術を有する事業所もみられる。 図表 III-10 主要製品・製造(加工組立)内容のPRポイント(3つまでの複数回答) GQ1 PRポイント(全体) 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 国内市場 海外市場 隙間市場 顧客の有 その他 における における における 力なパー 高シェア 高シェア ニッチ トナー トップ 90 21.4 43 21.7 24 20.9 23 21.3 21 22.1 23 5.5 11 5.6 5 4.3 7 6.5 7 7.4 49 11.6 29 14.6 13 11.3 7 6.5 5 5.3 271 64.4 144 72.7 73 63.5 54 50.0 48 50.5 無回答 71 16.9 30 15.2 21 18.3 20 18.5 19 20.0 30 7.1 8 4.0 6 5.2 16 14.8 13 13.7 h) 中核的な技術 最も主要な中核的な技術をみると、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関 わったことがある)」事業所群では、全体に比べて「金属材料加工」と「FA メカトロ 技術」の比率が高い。 一方、半導体等製造装置関連分野に「関わったことはないが関心がある」事業所群は、 全体に比べて「電気・電子材料技術」「プラスチック加工技術」を最も中核的な技術と する比率が高くなっている。 中核的な技術を小分類で 3 つまで回答した合計でみると、半導体等製造装置関連分 野に「関わっている(関わったことがある)」事業所群では、「2-2 切削・砥粒加工技 術」の比率が特に高く、次いで「2-3 特殊加工技術」、「2-7 板金加工技術」、FA メ カトロ技術では「8-2 産業機械製造技術」「8-4 生産機械製造技術」となっており( 図表 III-12)、最も主要な中核的な技術大分類の傾向と一致している。半導体製造 装置関連分野に関わるには、これらの技術蓄積が重要であることがうかがえる。 46 図表 III-11 最も主要な中核的な技術分類(大分類)(単数回答) GQ2-1a 中核的技術/大分類 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 材料技術 金属材料 プラス 無機材料 新素材加 化学・薬 電気・電 加工技術 チック加 加工技術 工技術 品技術 子材料技 工技術 術 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 15 3.6 7 3.5 4 3.5 4 3.7 4 4.2 187 44.4 97 49.0 47 40.9 43 39.8 39 41.1 30 7.1 5 2.5 14 12.2 11 10.2 10 10.5 13 3.1 6 3.0 3 2.6 4 3.7 2 2.1 7 1.7 6 3.0 1 0.9 0 0.0 0 0.0 4 1.0 2 1.0 2 1.7 0 0.0 0 0.0 49 11.6 18 9.1 20 17.4 11 10.2 11 11.6 GQ2-1a 中核的技術/大分類 測定・分 極限技術 その他の 無回答 FAメカト 情報・ソ デザイ 技術 ロ技術 フトウェ ン・設計 析・検査 技術 技術 ア技術 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 図表 III-12 51 12.1 33 16.7 12 10.4 6 5.6 6 6.3 4 1.0 2 1.0 1 0.9 1 0.9 1 1.1 12 2.9 4 2.0 4 3.5 4 3.7 4 4.2 3 0.7 2 1.0 1 0.9 0 0.0 0 0.0 7 1.7 5 2.5 2 1.7 0 0.0 0 0.0 23 5.5 6 3.0 4 3.5 13 12.0 13 13.7 16 3.8 5 2.5 0 0.0 11 10.2 5 5.3 中核的な技術分類(小分類)(3つまでの複数回答) 中核的技術小分類(合計の事業所数が10以上のもののみ) 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 2-1 素材 2-2 切 2-3 特殊 2-4 鋳造 2-6 プレ 2-7 板金 2-9 接合 2-11 表 2-12 溶 製造技術 削・砥粒 加工技術 技術 ス加工技 加工技術 技術(溶 面処理技 接技術 加工技術 術 接以外) 術 12 2.9 5 2.5 3 2.6 4 3.7 4 4.2 75 17.8 52 26.3 12 10.4 11 10.2 11 11.6 31 7.4 21 10.6 4 3.5 6 5.6 4 4.2 10 2.4 4 2.0 4 3.5 2 1.9 2 2.1 27 6.4 8 4.0 11 9.6 8 7.4 7 7.4 33 7.8 18 9.1 9 7.8 6 5.6 4 4.2 12 2.9 7 3.5 2 1.7 3 2.8 3 3.2 20 4.8 10 5.1 6 5.2 4 3.7 2 2.1 17 4.0 7 3.5 5 4.3 5 4.6 5 5.3 3-1 射出 3-2 その 3-3 二次 成形技術 他の成形 加工技術 加工技術 12 2.9 2 1.0 7 6.1 3 2.8 3 3.2 15 3.6 2 1.0 6 5.2 7 6.5 6 6.3 中核的技術小分類(合計の事業所数が10以上のもののみ) 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 7-1 光・ 7-2 薄 7-3 回路 7-4 実装 7-6 その 8-2 産業 8-4 生産 8-7 自動 10-3 製 13 その 無回答 電子部品 膜・半導 製造技術 技術 他技術 機械製造 機械製造 組立技術 品企画設 他の技術 技術 体技術 技術 技術 計技術 17 4.0 7 3.5 6 5.2 4 3.7 4 4.2 13 3.1 7 3.5 6 5.2 0 0.0 0 0.0 16 3.8 4 2.0 6 5.2 6 5.6 6 6.3 11 2.6 6 3.0 5 4.3 0 0.0 0 0.0 47 10 2.4 3 1.5 4 3.5 3 2.8 3 3.2 26 6.2 16 8.1 7 6.1 3 2.8 3 3.2 27 6.4 17 8.6 8 7.0 2 1.9 2 2.1 11 2.6 5 2.5 3 2.6 3 2.8 3 3.2 12 2.9 7 3.5 3 2.6 2 1.9 2 2.1 29 6.9 8 4.0 7 6.1 14 13.0 13 13.7 88 20.9 40 20.2 20 17.4 28 25.9 20 21.1 11 2.6 3 1.5 6 5.2 2 1.9 2 2.1 i) 企業・大学等との連携の希望 他の企業や大学等との連携の希望を尋ねた結果をみると、最も主要な中核的な技術に ついては、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業 所群は、「取引先(顧客)との連携」を希望する比率が全体に比べて高く、「大学との 連携」を希望する比率は低い。半導体製造装置関連分野においては、“下請”の事業形 態が主であることから、顧客との連携が重要であることがうかがえる。 中核的な技術を 3 つまで回答したうちの最も主要な中核的な技術以外の技術につい ても、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業所群 は、「取引先(顧客)との連携」を希望する比率が全体に比べて高い。 一方、「関わったことはないが関心がある」事業所群は、「協力会社との連携」「公 設試験場との連携」を希望する比率が全体に比べて高い。 図表 III-13 最も主要な中核的な技術に関する企業・大学等との連携希望(複数回答) GQ2-1c 中核的技術/企業・大学との連携希望 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 図表 III-14 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 取引先 協力会社 公設試験 大学との 高等専門 その他機 特に連携 無回答 (顧客) との連携 場との連 連携 学校との 関との連 の希望は との連携 携 連携 携 ない 133 31.6 65 32.8 37 32.2 31 28.7 30 31.6 26 6.2 11 5.6 5 4.3 10 9.3 9 9.5 18 4.3 9 4.5 3 2.6 6 5.6 6 6.3 18 4.3 7 3.5 6 5.2 5 4.6 4 4.2 1 0.2 0 0.0 1 0.9 0 0.0 0 0.0 3 0.7 2 1.0 1 0.9 0 0.0 0 0.0 70 16.6 33 16.7 15 13.0 22 20.4 22 23.2 152 36.1 71 35.9 47 40.9 34 31.5 24 25.3 それ以外の中核的な技術に関する企業・大学等との連携希望(複数回答) GQ2 それ以外の中核的技術/企業・大学との連携希望 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 取引先 協力会社 公設試験 大学との 高等専門 その他機 特に連携 無回答 (顧客) との連携 場との連 連携 学校との 関との連 の希望は との連携 携 連携 携 ない 53 12.6 31 15.7 13 11.3 9 8.3 8 8.4 25 5.9 13 6.6 8 7.0 4 3.7 3 3.2 48 10 2.4 2 1.0 5 4.3 3 2.8 2 2.1 15 3.6 9 4.5 2 1.7 4 3.7 4 4.2 2 0.5 1 0.5 0 0.0 1 0.9 1 1.1 13 3.1 4 2.0 7 6.1 2 1.9 1 1.1 30 7.1 17 8.6 7 6.1 6 5.6 6 6.3 296 70.3 130 65.7 80 69.6 86 79.6 75 78.9 j) 半導体等製造装置分野への事業展開の状況 半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業所群に対 して、関わっている(関わったことがある)代表的な装置を一つ尋ねたところ、回答は下 記の通り多岐にわたっているが、「半導体製造装置用関連装置」「その他の半導体製 造・検査装置」がそれぞれ 1 割強と最も大きな割合を占めており、「露光・描画装置」 が 1 割弱でそれに次いでいる(図表 III-15)。 図表 III-15 関わっている(関わったことがある)半導体等製造装置(単数回答) 装置名 半導体製造・検査装置 1 マスク・レチクル製造用装置 2 ウェーハ製造用装置 3 露光・描画装置 4 レジスト処理装置 5 エッチング装置 6 洗浄・乾燥装置 7 熱処理装置 8 イオン注入装置 9 CVD装置 10 スパッタリング装置 11 検査評価装置 12 CMP装置 13 バックグラインダ 14 ダイシング装置 15 ボンディング装置 16 パッケージング装置 17 検査評価装置 18 テスティング装置 19 プロービング装置 20 ハンドラ 21 エージング装置 22 半導体製造装置用関連装置 23 その他の半導体製造・検査装置 液晶・有機ELパネル製造・検査装置 24 マスク・レクチル製造用装置 25 基板製造用装置 26 アレイ製造用装置 27 カラーフィルタ製造用装置 28 パネル製造用装置 29 検査用装置 液晶パネル製造装置用関連装置(搬送/純水 30 /薬液/ガス/クリーンルーム装置) 31 有機EL用装置 その他の液晶・有機ELパネル製造・検査装 32 置 無回答 全体 49 n % 2 17 19 1 6 11 10 4 6 6 2 0 1 2 7 4 3 3 7 5 2 21 21 1.0 8.6 9.6 0.5 3.0 5.6 5.1 2.0 3.0 3.0 1.0 0.0 0.5 1.0 3.5 2.0 1.5 1.5 3.5 2.5 1.0 10.6 10.6 2 8 0 2 4 3 1.0 4.0 0.0 1.0 2.0 1.5 3 1 1.5 0.5 3 12 198 1.5 6.1 100.0 k) 品質管理・環境対応状況 品質管理対応状況、環境対応状況については、いずれも、半導体等製造装置関連分野 に「関わっている(関わったことがある)」事業所群に特に際立った特徴はみられない。 唯一、環境対応状況のうち、「特定企業のグリーン調達基準に対応」について、半導体 等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業所群の比率が全体 に比べて若干高くなっている。それ以外は、むしろ半導体等製造装置関連分野に「関わ ったことはないが関心がある」事業所群の方が高い傾向がみられる(図表 III-16)。 ただし、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」事業 所群が高い比率で有している「2-2 切削・砥粒加工技術」を中核的な技術として有する 事業所では、「ISO9001 認証取得」と「特定企業のグリーン調達基準に対応」してい る比率が高い。 既に半導体製造装置関連分野に関わっている事業所は、特定の顧客からの“下請”の 事業形態が主であることから、認証取得等に取り組む必要性はあまり高くないのかもし れない一方で、半導体等製造装置関連分野に今後関わりたい意向を持つ「関わったこと はないが関心がある」事業所においては、品質管理対応や環境対応に積極的に取り組む 意識の高い事業所の割合が高いことがうかがえる。 図表 III-16 品質管理対応状況、環境対応状況(複数回答) GQ5-1 品質管理対応状況 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 ISO9001 その他 認証取得 73 17.3 37 18.7 26 22.6 10 9.3 10 10.5 20 4.8 11 5.6 7 6.1 2 1.9 2 2.1 対応して 無回答 いない 25 5.9 13 6.6 6 5.2 6 5.6 6 6.3 305 72.4 137 69.2 77 67.0 91 84.3 78 82.1 GQ5-2 環境対応状況 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 ISO14001 RoHS指令 特定企業 その他 認証取得 準拠 のグリー ン調達基 準に対応 59 14.0 25 12.6 23 20.0 11 10.2 11 11.6 50 42 10.0 22 11.1 14 12.2 6 5.6 6 6.3 45 10.7 27 13.6 14 12.2 4 3.7 4 4.2 22 5.2 14 7.1 7 6.1 1 0.9 1 1.1 対応して 無回答 いない 16 3.8 12 6.1 2 1.7 2 1.9 2 2.1 301 71.5 132 66.7 78 67.8 91 84.3 78 82.1 l) 共同開発・受注グループへの参加状況 共同製品/技術開発グループへの参加状況、共同受注グループへの参加状況について は、いずれも、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったことがある)」 事業所群に特に際立った特徴はみられない。全体に「参加している」との回答が少ない ため、詳細な分析は難しいが、むしろ半導体等製造装置関連分野に「関わったことはな いが関心がある」事業所群の方が参加比率は高くなっている(図表 III-17)。 図表 III-17 共同開発・受注グループへの参加状況 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 51 GQ5-4 共同開発グループへの参 加状況 参加 不参加 無回答 7 1.7 3 1.5 4 3.5 0 0.0 0 0.0 27 6.4 16 8.1 8 7.0 3 2.8 3 3.2 387 91.9 179 90.4 103 89.6 105 97.2 92 96.8 GQ5-4 共同受注グループへの参 加状況 参加 不参加 無回答 6 1.4 1 0.5 5 4.3 0 0.0 0 0.0 27 6.4 16 8.1 8 7.0 3 2.8 3 3.2 388 92.2 181 91.4 102 88.7 105 97.2 92 96.8 m) 取引先(顧客)の数と所在地 取引先(顧客)数をみると、際立って大きな違いではないが、半導体等製造装置関連 分野に「関わっている(関わったことがある)」事業所群は、「関わったことはないが 関心がある」事業所群よりも、やや取引先(顧客)数が多い傾向がみられる。(図表 III-18)。取引先(顧客)事業所所在地をみると、半導体等製造装置関連分野に「関わ っている(関わったことがある)」事業所群では、青森県、岩手県、山形県の比率が全 体に比べて高く、「関わったことはないが関心がある」事業所群では、宮城県、福島県 の比率が高い。後者は、「関わったことはないが関心がある」事業所が宮城県と福島県 に高い比率で立地しているためと考えられるが、「関わっている(関わったことがあ る)」事業所の比率は岩手県、山形県、福島県で高いことから、取引先(顧客)所在地 として青森県の比率が高い点は興味深い。また、「関わったことはないが関心がある」 事業所の取引先(顧客)事業所所在地として「近畿」と「海外」の比率が高いことも注 目される。 図表 III-18 取引先(顧客)の数と事業所所在地 HQ1-1 取引先数 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 1社 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 2~5社 5~10社 10~20社 20~30社 30~50社 50~100 未満 未満 未満 未満 未満 社未満 16 3.8 2 1.0 4 3.5 10 9.3 10 10.5 34 8.1 11 5.6 10 8.7 13 12.0 11 11.6 33 7.8 12 6.1 12 10.4 9 8.3 8 8.4 45 10.7 25 12.6 11 9.6 9 8.3 8 8.4 34 8.1 19 9.6 11 9.6 4 3.7 3 3.2 100社以 上 44 10.5 17 8.6 12 10.4 15 13.9 15 15.8 47 11.2 25 12.6 12 10.4 10 9.3 8 8.4 81 19.2 41 20.7 21 18.3 19 17.6 17 17.9 福島県 北海道 関東 無回答 87 20.7 46 23.2 22 19.1 19 17.6 15 15.8 HQ1-1 取引先/事業所所在地 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 青森県 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 岩手県 22 5.2 15 7.6 1 0.9 6 5.6 4 4.2 宮城県 45 10.7 27 13.6 8 7.0 10 9.3 10 10.5 57 13.5 22 11.1 19 16.5 16 14.8 13 13.7 秋田県 20 4.8 11 5.6 3 2.6 6 5.6 6 6.3 山形県 41 9.7 24 12.1 10 8.7 7 6.5 6 6.3 56 13.3 25 12.6 20 17.4 11 10.2 10 10.5 3 0.7 0 0.0 0 0.0 3 2.8 2 2.1 HQ1-1 取引先/事業所所在地 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 中部 北陸 30 7.1 15 7.6 7 6.1 8 7.4 7 7.4 近畿 11 2.6 4 2.0 4 3.5 3 2.8 3 3.2 52 中国・四 九州・沖 海外 国 縄 43 10.2 18 9.1 16 13.9 9 8.3 8 8.4 3 0.7 2 1.0 0 0.0 1 0.9 1 1.1 11 2.6 7 3.5 3 2.6 1 0.9 1 1.1 無回答 12 2.9 2 1.0 7 6.1 3 2.8 2 2.1 105 24.9 57 28.8 22 19.1 26 24.1 21 22.1 225 53.4 108 54.5 62 53.9 55 50.9 51 53.7 n) 協力会社の数と所在地 協力会社数については、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わったこと がある)」事業所群は、「関わったことはないが関心がある」事業所群よりも、数が多 い傾向が顕著にみられる(図表 III-19)。 協力会社事業所所在地をみると、半導体等製造装置関連分野に「関わっている(関わ ったことがある)」事業所群では、岩手県、秋田県、山形県の比率が全体に比べて高く、 「関わったことはないが関心がある」事業所群では、宮城県、福島県の比率が高い。後 者は、「関わったことはないが関心がある」事業所が宮城県と福島県に高い比率で立地 しているためと考えられるが、「関わっている(関わったことがある)」事業所の比率 は岩手県、山形県、福島県で高いことから、秋田県に協力会社事業所が立地している比 率が高い点は興味深い。また、「関わったことはないが関心がある」事業所では、取引 先(顧客)だけでなく協力会社事業所所在地についても「海外」の比率が高くなってい る。 図表 III-19 協力会社の数と所在地 HQ1-2 協力会社数 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 1社 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 2~5社 5~10社 10~20社 20~30社 30~50社 50~100 未満 未満 未満 未満 未満 社未満 15 3.6 6 3.0 4 3.5 5 4.6 5 5.3 56 13.3 23 11.6 16 13.9 17 15.7 15 15.8 59 14.0 23 11.6 25 21.7 11 10.2 10 10.5 42 10.0 17 8.6 12 10.4 13 12.0 12 12.6 28 6.7 16 8.1 5 4.3 7 6.5 5 5.3 25 5.9 19 9.6 2 1.7 4 3.7 4 4.2 100社以 上 26 6.2 11 5.6 8 7.0 7 6.5 6 6.3 無回答 28 6.7 17 8.6 4 3.5 7 6.5 7 7.4 142 33.7 66 33.3 39 33.9 37 34.3 31 32.6 HQ1-2 協力会社/事業所所在地 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 青森県 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 岩手県 16 3.8 6 3.0 3 2.6 7 6.5 5 5.3 宮城県 35 8.3 21 10.6 7 6.1 7 6.5 7 7.4 46 10.9 17 8.6 18 15.7 11 10.2 10 10.5 秋田県 29 6.9 19 9.6 5 4.3 5 4.6 5 5.3 山形県 福島県 55 13.1 31 15.7 14 12.2 10 9.3 10 10.5 73 17.3 34 17.2 28 24.3 11 10.2 9 9.5 北海道 5 1.2 0 0.0 2 1.7 3 2.8 2 2.1 HQ1-2 協力会社/事業所所在地 全体 合計 GQ3 半導体等 製造装置関連 分野への現状 の関与・今後 の関心(統 合) 1関わっている(関 わったことがあ ) 2関わったことはな いが関心ある 1+2以外計(=3+ 無回答) 3関わっておらず関 心もない 421 100.0 198 100.0 115 100.0 108 100.0 95 100.0 中部 北陸 11 2.6 4 2.0 4 3.5 3 2.8 3 3.2 近畿 5 1.2 2 1.0 1 0.9 2 1.9 2 2.1 53 中国・四 九州・沖 海外 国 縄 11 2.6 4 2.0 1 0.9 6 5.6 6 6.3 2 0.5 2 1.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 1 0.9 0 0.0 0 0.0 無回答 8 1.9 1 0.5 5 4.3 2 1.9 1 1.1 179 42.5 90 45.5 42 36.5 47 43.5 40 42.1 関東 101 24.0 46 23.2 27 23.5 28 25.9 26 27.4 (2) ものづくり中堅・中小企業の概況と成功モデル 東北域内には、半導体・FPD 製造装置メーカーのヒアリング調査によって明らかに なった、金属・セラミックス・石英の精密加工技術等のものづくり基盤技術に対するニ ーズに柔軟に対応できる中堅・中小企業が存在している。 まず、金属を中心にした精密加工技術では、東北各地域に特徴ある企業が多く存在し ている。山形県の伊藤製作所は、難削材の加工に柔軟に対応している。山形県の斎藤マ シン工業は、真空溶接技術に強みがある。宮城県のティ・ディ・シーは、あらゆる材質 に対応した超精密鏡面加工に強みある。岩手県の千田精密工業も幅広い高精度部品の溶 接、機械加工に強みがある。秋田県のマシンマックス、山形県のニクニ山形工場等も大 物の機械加工等に対応が出来る。電解研磨・無電解めっき等では、秋田県の秋田化学工 業、山形県のスズキハイテック、福島県のサンビックス等の評価が高い。 セラミックスの精密加工技術では、宮城県の日本セラテック、日本ファインセラミッ クス、東北セラミックス等の有力企業が集積している。セラミックス業界の雄である京 セラに対し、各社の得意分野を生かした連携や横のつながりが強みになっている。 石英の精密加工技術では、福島県から山形県にかけて福島県の信越石英、クォーツリ ード、アトック、アトム、山形県の東ソー・クォーツ等の有力企業が集積している。福 島県の江信特殊硝子須賀川工場のように再生事業を展開する例もある。秋田県の三共光 学工業は、レンズ等の加工に強みがある。 その他、精密位置決め技術を持つ企業も存在する。福島県の竹内精工は、装置の位置 決めに必要なリニアベアリングに強みがある。 さらに、装置メーカーからのニーズが高かったユニット、モジュール対応に柔軟に対 応している企業もいる。青森県の東北三吉工業は、大型 MC による機械加工と溶接技 術を武器に、装置メーカーの課題解決に貢献している。岩手県の東北精密、ワイ・デー・ ケーの YDK メカトロニクス、小林機械等も装置メーカーのニーズに対応をしている。 一部、ユニットレベルを超えて、製造・検査装置メーカーとして、秋田県のインスペッ ク、山形県のエムテックスマツムラ、ハイメカ、東北精機工業、山形クリエィティブ等 がものづくり基盤技術の強みを武器に事業を展開している。インスペックは、安川電機 グループに入る動きもあるが、装置メーカーのユニット化、総合組立へのニーズに柔軟 に対応しようとしている。 また、技術開発だけではなく、特徴的なビジネスモデルを持つ企業群も存在する。宮 城県のアルファニーは、半導体製造装置のフィールドサポート事業を展開している。岩 手県の北上精密は、メンテナンス事業を強化しており、サービス面も含めた事業展開の 必要性を示している。福島県のアサカ理研は、技術開発を目的とした産学連携だけでな く、経営学的なテーマによる産学連携を実践している。東成エレクトロビームは、福島 県の郡山テクニカルセンターを拠点として広域連携を進めている。 54 以下では、装置メーカー等のニーズに柔軟に対応し、半導体等製造関連分野で独自の 技術力や経営力を武器に成功をしている地域のものづくり中堅・中小企業を「成功モデ ル」として紹介する。 図表 III-20 地域のものづくり中堅・中小企業の成功モデル 企業名 東北三吉工業 斎藤マシン工業 株式会社 株式会社 所在地 一覧 主要技術・事業等 青森県三戸郡 溶接・機械加工 山形県天童市 真空溶接 株式会社 伊藤製作所 山形県山形市 難削材加工 株式会社 日本セラテック 宮城県仙台市 セラミックス加工 株式会社 クォーツリード 福島県郡山市 石英加工 株式会社 アルファニー 宮城県仙台市 装置フィールドサポート 株式会社 アサカ理研 福島県郡山市 金属リサイクル・精密洗浄 株式会社 北上精密 岩手県北上市 メンテナンス 東京都西多摩郡 レーザー加工・溶接(福島県郡 東成エレクトロビーム株式会社 郡山テクニカルセンター 山市を拠点に広域連携) 注:この他にも企業ヒアリング調査を実施したが、景況感による業績の悪化等も含めて諸事情により掲 載を見送った企業がある。 55 等製造装置メーカーとも取引をしており、 今後も需要の変化に柔軟に対応する方針で、 東北三吉工業株式会社 (青森県三戸郡) 自動車、食品、航空分野等への展開も見込 んでいる。 また、八戸工業大学、青森県工業総合研 究センター八戸地域技術研究所等と産学 企業・事業概要 官共同研究も進めている。例えば、八戸地 ・設立:1977 年 域技術研究所とは、溶接技術のさらなる高 ・資本金:3,000 万円 度化に向け、レーザー溶接、超音波溶接技 ・従業員数:137 名 術等に関する研究開発を行っており、レー ・主要製品技術:精密板金加工、塗装、ワ ザー溶接では実証機で検証を進めている。 イヤーカット超微細加工、大型製缶加工、 さらに、摩擦攪拌接合(FSW)、超音波 真空装置生産ライン組立、プレス金型の設 溶接等にも注目しており。東北大学の研究 計製作 会等に若手技術者を参加させるなど、人材 育成にも注力している。今後は、ワイヤー 主要技術・製品の強み 放電加工技術も高度化を考えたい。 その他、進出企業のネットワークとも情 液晶、半導体製造装置関連事業に関連し、 薄板容器から大型真空容器まで幅広い溶接、 報交換を密にしたり、八戸地域高度技術振 タレットバンチプレスとレーザー加工によ 興センターの会合等に積極的に出席をし る少量、短納期対応、精密ワイヤーカット たり、企業間ネットワークづくりにも余念 加工等に強みがある。特に、装置の大型化 がない。 に対応し、大型のマシニングセンタによる 独自のビジネスモデルや経営力 機械加工と溶接の両方の技術を備えている ことが特徴である。 当社は、「企業は人なり」を経営理念とし 例えば、真空チャンバーの溶接技術は、 て、正社員を重視しており、厳しい時代に どのような順番でやっていくかなど技能・ なったからこそ、外部講師に依頼し、地道 ノウハウや経験が必要である。加工をする に人材育成を進めている。 と大きな歪がでるので、20 ミリ厚が必要で また、液晶、太陽電池パネル等の最先端 もさらに厚い材料を使うなど経験が求めら 技術分野の仕事に携わっていることを社員 れる。 に伝えることでやる気を高めている。 さらに、ISO(ISO9001、ISO14001) 連携・ネットワークの概況と今後の見通し OHSAS18001 等によって品質、環境、労 働安全衛生マネジメントを推進しており、 現在、アルバック東北をはじめアルバッ 品質・納期管理、生産性を高めている。 クグループ全体と取引をしているが、さら に同グループ以外の東北地域の主な半導体 56 連携・ネットワークの概況と今後の見通し 斎藤マシン工業株式会社 (山形県天童市) 以前、産学連携の場として山形大学若手 研究者のネットワークである「YARNS」に 関わったことがあり連携の重要さを認識、 企業・事業概要 現在は産学金連携の場として「パーティ ・設立:1963 年 21」に参加、情報交換を中心に異業種交流 ・資本金:1,000 万円 を進めている。 ・従業員:40 名 民間企業は2社だけだが、山形大学の研 ・主要事業:真空装置部品の設計・加工・ 究者、地域の銀行、工業技術センター等が 組立、食品関連機械部品及び電子顕微鏡 参加しており、こうした広範囲なネットワ 等の電子応用装置部品の機械加工・組立 ークにより、今後何らかの成果が出るもの と期待しており、当社における次世代の事 主要技術・製品の強み 業展開につながってくると見ている。 オンリーワン技術としてステンレス加 独自のビジネスモデルや経営力 工、溶接技術が中核的な技術であり、真空 分野に特化し、真空チャンバー等の真空装 異業種交流の集まり「JOPA」(ジョイン 置部品の加工組立に強みがある。 ト・パーティー)活動の中でモデルケース 具体的なワークとしては医療・ナノテク として始めた 5S 活動では、当社独自の「心 技術に関わる分析装置としての電子顕微 の 5S 活動」としてボトムアップの活動を 鏡。デジタルカメラ・携帯電話などで利用 行なった結果、予想も付かないような短期 される薄膜形成装置や半導体関連の真空 間で成果を上げたことで、会社全員の一体 チャンバーと付帯部品を手がけている。 感が強まり、昔と今では全く異なる会社に 各種機械による部品加工・溶接工程・組 なったとメンバーから評された。 み立て・クリンルーム内でのヘリウムリー 現在は 5S 活動に続いて工場のショール クディテクター(真空漏れ検査装置)によ ーム化を目指して「TP5S 活動」(トヨタ生 る製品評価まで社内に取り込んで来たこ 産方式+5S の造語)を展開している。 とで、真空技術全般に対応するノウハウを これらは安定した品質の製品作りに反映す 蓄積することができ、高品質の製品作りを ると共に技術の継承、ノウハウの共有化に 行なっている。 役立っており、エンジニア集団としての当 また近年、設計会社との連携により設計 社の方針を後押しするものとなっている。 から最終組立まで可能となり、より広範囲 な事業拡大を目指している。 57 リード角やねじれ角を確認して製作する。 また、表面の粗さを顕微鏡で、波打って 株式会社伊藤製作所 (山形県山形市) いないかチェックする。熟練した社員が、 可否を確認する。寸法計測は、自社保有の 3次元測定器で行っており、表面の粗さ精 度は1ミクロン以下で対応可能である。 企業・事業概要 ・設立:1947 年 連携・ネットワークの概況と今後の見通し ・資本金:4,000 万円 ・従業員:52 名 外部の協力会社に依頼をして、当社でユ ・主要事業:半導体製造装置部品、自動車 ニットや完成品として顧客に納品してい 用機能商品、空圧式トルクシリンダー、建 る。半導体製造装置向けの流体制御機器、 機、産業機械、繊維機械部品の製造 建設機械のエアシリンダー等もユニット 化した状態で納品をしている。例えば、エ 主要技術・製品の強み アシリンダーは、材料、ボルト等の部分品 を調達し、機械加工、アルマイト、塗装処 半導体製造装置用精密バルブ部品等の 精密機械加工、精密部品組立が強みである。 理をしてユニット化している。 その他、事業多角化のため、工業技術セ チタン、ステンレス等の難削材の超精密加 ンターと、中古タイヤを有効活用した植木 工技術を確立し、安定的な生産を可能とす 鉢の特殊な切断・加工機を共同開発し、特 ることにより、低コストでの部品供給を実 許、実用新案も出願した実績もある。 現している。精密機械部品の素材調達~機 械加工~表面処理~組立~検査までの一 独自のビジネスモデルや経営力 貫対応が可能である。 エッチング装置の流体制御機器は、ステ 生産管理については、TPS の 4 つのプロ ンレス精密加工の仕上がり状態によって ジェクトを推進している。大手企業の OB 流路に流れる気体や溶媒のスピード等に に講師として指導をしてもらい、無理、無 影響を与えるため、うねり等もあってはな 駄、ムラを省いている。 らない。また、L字の継ぎ手を段差なくつ また、ISO9001 は、時間もお金もかかる なげるには、切削油、刃物、切削速度等を ので、単なる資格の取得ではなく、社内の 総合的に判断する必要があり、独自のノウ 意識を変えて実のあるものにしている。う ハウになっている。油メーカー、刃物メー まく活用すれば、社員教育のための有効な カー等とも相談をしながら、より早く、安 ツールとなりうる。これまでも顧客からの く、精度よく加工する厳しい要求に対応し 工場監査があったが、ISO9001 を取得した ている。切削工具と油は、当社の技術者の ことで簡便になった。 勘と経験、現場の実体験をもとにメーカー のエンジニアが切削理論をもとに材料の 58 連携・ネットワークの概況と今後の見通し 株式会社日本セラテック (宮城県仙台市) 圧電セラミックスは、位置決め=ポジシ ョナー、モーターを使用したステージシス テムとして用いられている。熊本大学の久 企業・事業概要 保田先生とは、2001~2002 年にステージ ・設立:1987 年 の軽量化に向けた共同研究開発をした。サ ・資本金:18 億 2,652 万円 ブミクロン台の加工とナノ台の制御によ ・従業員数:491 名 り世界最高レベルの XY ステージの開発に ・主要製品技術:半導体・液晶用部品、真 成功しており、セミコンウエストの展示会 空チャック、静電チャック・ヒータ、耐磨 にも何年か連続で出展をした。 耗部品、耐熱部品、その他精密機械部品等 また、東北大学との産学連携によって の各種ファインセラミックス 「超緻密・耐食性に優れるセラミックス 膜」の技術開発に成功したことを発表して 主要技術・製品の強み いる。プラズマ溶射技術には、複合的な技 術や Y2O3 を超える材料が求められる。溶 半導体・FPD 製造装置では、主として露 射技術に加え、他のコーティング・材料技 光装置とプロセス装置に関わっている。 術と組み合わせていくことが必要である。 半導体露光装置では、真空チャック、ス 実験室レベルでは既に成果が出ている。 テージ、MMC(複合材)のベース、液晶 引き続き、Y2O3 以外の種々のタイプの 露光装置では、MMC ベース等を手がけて 開発、石英、シリコン、セラミックス、金 いる。 属、セラミックスと金属の複合材料など多 プラズマエッチング装置は、耐プラズ 様な基材に対象を拡大し、付加価値の向上 マ・耐食、不純物・コンタミ抑制が必要と を目指している。 なる中、セラミックスは、大型化対応、コ スト等も考えると、これからは膜技術の確 独自のビジネスモデルや経営力 立が必須となる。溶射のコーティングにつ いて、CVD、PVD 等の他の薄膜技術と比 同業種の地域企業とは友好的な関係に べながら、技術を組み合わせて、コストと あり、それぞれの得意分野を活かした横の のバランスを図ろうとしている。 つながりを持っている。 セラミックスは、材料技術と加工技術の また、当社は、測定を重視している。自 コンビネーションが重要であり、形状と剛 社で測定器を購入し、揃えるようになって 性、熱膨張特性など顧客の要求特性に応じ から、精度保証と技術向上の両面で相乗効 て対応することになる。 果が出ている。 59 連携・ネットワークの概況と今後の見通し 株式会社クォーツリード (福島県郡山市) 親会社の装置メーカーとは、技術開発部 隊との人事交流もある。例えば、親会社の 開発部隊にどうしたら製品がコンパクトに 企業・事業概要 なるか・効率が改善されるか等を提案し、 ・設立:2001 年 採用されている。 ・資本金:9,500 万円 産学連携については、大学から研究用に ・従業員:88 名 使う石英製品で、こうしたものを作って欲 ・主要事業:石英ガラス製品の加工事業(半 しいという要望等に合わせ、試作段階の製 導体洗浄装置向け石英槽および関連部品の 品製作を行っている。 製作加工、半導体製造装置向け石英製品の 近い将来のビジネスチャンスは、試作段 製作加工)、スライス事業(液晶用大型マス 階から参画するところにある。 クブランクス材料の切断加工) 独自のビジネスモデルや経営力 主要技術・製品の強み 新規事業部では、太陽電池関連事業を手 郡山工場では、6~12 インチウエハの洗 がけている。太陽電池パネルの主原料であ 浄装置に使われている石英ガラス製処理 る多結晶シリコンのインゴットの製造や 槽(石英槽)、チャック、ガイド、インライ 切断、関連部材の提供をする。例えば、太 ンヒーター等を製造している。石英槽の加 陽電池シリコン用ハイブリット坩堝(るつ 工では、±5µm の精度が要求される。 ぼ)は、約 80 センチ角の大きさであり、坩 いわき工場では、炉心管(二重管)、リ 堝そのものから不純物がシリコンに混入 ングボード等の製造をしている。 することを抑えられるので、シリコンイン 石英で精度の高い同じものを作ること ゴットの歩留まり向上に貢献する。 は難しかったが、当社は、歩留まり向上、 シリコンインゴットのクロスワイヤーカッ 均一な品質のつくり込みの技術を向上さ トは、四角いシリコンインゴットを同時に せ、その品質は顧客から評価されている。 複数個セットし、156mm 角サイズのブロッ 面精度・寸法精度・角精度を出すための クを一気に切り出すことが出来る。ワイヤ 最後の仕上げは手作業であり、ノウハウの ースライサーによる高精度な切断面は、研 塊である。生産効率を高めるために、カー 削時間低減に貢献し、生産時間は従来の約 ボン製の高性能治具を独自開発し、他社と 2分の1になった。ワイヤーには、0.65mm の差別化を図ろうとしている。溶接や焼鈍 のピアノ線を用いており、研磨剤を用いて の工程で人間の動作を道具に置き換えて、 時間をかけて少しずつカットする。 精度向上や均一的な作り方を徹底するこ とで付加価値を高めることが重要である。 60 バイス工場の製造ラインの特異性な環境か らもフィールドエンジニアの効率的な配置、 株式会社アルファニー (宮城県仙台市) エリアサポートにおいて濃密なサービスサ ポート対応ができないのが実情であり、エ ンジニア自身も次世代の装置とは違う成熟 した装置へのスキル習得は対応が困難な状 企業・事業概要 況である。当社は Close to Customer の観 ・設立:2003 年 点から地場で痒いところに手が届く企業が ・資本金:1,500 万円 あれば装置メーカーと協業してパートナー ・従業員:10 名 化を図る事が出来ると考えサービスを展開 ・事業概要:半導体製造装置の総合エンジ している。いわば、ものづくり産業と雇用 ニアリング&フィールドサポート、特殊無 ビジネスのニッチビジネスである。 電解めっきコーティング等の各種技術開 発販売。 連携・ネットワークの概況と今後の見通し 主要技術・製品の強み 特殊無電解処理めっきコーティングは、 装置のアウトオブシステム(ガスパネルや 大手半導体製造装置メーカーのフィール ポンプ、配管等)の配管に生成物と言われ ド・サービスエンジニアの責任者として装 るホワイトパウダー等が付着し目詰まりを 置の立ち上げ、トラブルシューティング、 おこすことで稼働率、生産性を下げる原因 メンテナンス、イールドマネジメント(歩 のひとつが挙げられる。その改善案として 留まり向上)等を手がけてきた。 これら生成物等が付着しにくくするための フィールドエンジニアは、エッチャー、 解決としてこの技術を提案した。これらは、 CVD、スパッタ、RTP 等は、電気、化学、 めっき技術を有する地域企業と連携をしな ガス、ソフトウエア、メカトロニクスなど がら技術開発をしたものである。 複雑かつ多種多様なスキルを求められその 半導体製造装置内のシステムは、複合的 技術の習得には時間がかかる。 なブラックボックス的技術が多数存在して 半導体装置メーカーは顧客である半導体 おるゆえ装置内部への対応は難しいが、装 デバイスメーカーからより多くの新しいプ 置への供給ファシリティー関連であれば、 ロセス技術に貢献するべくウエハーの大口 この技術提案をしてデバイスメーカーの装 径化による対応など数多くの課題を求めら 置の稼働率、生産性向上に貢献することが れており、New プロダクトと称される装置 できると考えた。 への研究開発に日々奮闘している。よって 大手半導体製造装置メーカーとしては、8 インチ以下の現状成熟されたプロダクトへ フィールドサポートの対応は、New プロダ クトへのフォーカスにより手が回らず、デ 61 独自のビジネスモデルや経営力 異業種を含め良い事業・技術を見極めな がら、モノづくりとしては当面はファブレ スで事業を展開するが、将来的にはメーカ ーになりたいと考えている。 実際には、水面下で様々なことに取り組 んでいるが、オリジナルの技術が構築され るまではと現在正規なホームページ等は作 成しておらず、情報も公開していない。事 業のきっかけは、やはり人脈によるところ が大きいが、異業種交流会、セミナー等様々 な場所に顔を出し、同じ規模の他の企業オ ーナーと独自のスタイルツールにて情報交 換をしている。話ができれば、お互いのビ ジネススタイル、考え方等興味を持っても らえることが多い。企業情報は、意識的に 収集してためておいて、何かあればどの企 業とマッチングができるかを常に考えてい る。 62 当社のコア技術は、母材のダメージを極 力抑えた薬液による選択的剥離技術であ 株式会社アサカ理研 (福島県郡山市) る。抑制剤を入れて溶解の速度をコントロ ールする。精密洗浄の経験をもとに防着板 洗浄手法について逆提案することもある。 もうひとつのコア技術として独自に開発 企業・事業概要 した高効率な溶媒抽出法による精製技術 ・設立:1969 年 を有する。その他、白金系の精製技術の開 ・資本金:504,295,600 円 発も進めている。 ・従業員:137 名 ・主要事業:貴金属事業、環境事業、シス 連携・ネットワークの概況と今後の見通し テム事業 独立した研究開発部門があり、高純度銅 主要技術・製品の強み 粉の開発に際しては、佐賀大学との連携実 績がある。県のハイテクプラザとは、同機 塩化第二鉄液の製造販売、エッチング廃 関が中心となり進めている研磨剤からの 液からの銅回収から事業をスタート。その 希土類の回収についての共同研究に、福島 後、プリント基板や電子部品の製造工程か 大学共生システム理工学部の研究者と共 ら発生する不良品や屑からの貴金属の回 に参画し、産学官連携を実施した実績があ 収事業を展開している。貴金属事業部とし る。 て、貴金属の回収に加え、精密洗浄、機能 なお、現在、太陽電池セルの再生事業に 部品リサイクル(水晶発信子の再生等)等 も参入し、また光触媒関連への事業展開も を手がけている。水晶発信子の再生は、製 模索している。 品不良の水晶素板を回収・再生する事業で ある。現在、回収している金属は、金、銀、 独自のビジネスモデルや経営力 白金、パラジウム、ルテニウム、及び銅等 数種類に上る。 福島大学経済学部とは、30 代前半の若手 洗浄事業は、電子部品のドライめっきに 研究者チームと共同研究を実施したこと よる薄膜で汚染された防着板、マスク等の もある。具体的には、当社が実験役となり、 治具を精密洗浄し、再生している。顧客か 「エンパワーメントを推進する為のマネ ら部品を宅急便で送ってもらい、短納期対 ジメントに関する研究」の共同研究を実施 応で納品をする。防着板は、表面をあらし している。これからは技術だけでは競争に た状態にするもの、また、マスクは表面を 勝てないと考え、バランススコアカードを 滑らかにするもの等洗浄技術が要求され はじめ経営学的な様々な要素を取り入れ る。なお、鉱山会社は、各社とも炉を用い ることにした。 た熔錬であるのに対し、当社は溶液を用い た溶錬である点が異なる。 63 製造装置のメンテナンスを手がけること となった。その際、精密加工や金型製作の 株式会社北上精密 株式会社北上エレメック NSテクノサービス株式会社 (岩手県北上市) 技術を持つことから、精度が要求されるフ ォト工程の装置(具体的にはステッパとコ ーター・デベロッパ)を担当することとな った。 その後、イオン注入装置も手がけること となり、さらに温暖化ガス削減のためのガ 企業・事業概要 (表題の 3 社の順番に) スの除害装置についても、関西の装置メー ・設立:1972 年、1973 年、2007 年 カーが東北でのメンテナンスを引き受け ・資本金:4,100 万円、7,400 万円、500 万 てくれる会社を探しており請け負うこと となった。 円 現在では、フォト工程の装置、イオン注 ・従業員:63 名、64 名、18 名 ・主要事業: (株式会社北上精密)金型の製 入装置、ガスの除害装置のメンテナンスサ 作、精密切削工具の製作、半導体製造装 ービスを複数の大手半導体デバイスメー 置のメンテナンス カーに提供している。メンテナンスノウハ (株式会社北上エレメック)金型の製作、 ウは、長年のメンテナンス経験の中で蓄積 プラスチック射出成形、半導体製造装置 しており手順書も自社で作成している。 近年はさらに、工作機械のメンテナンス のメンテナンス 業務にも進出している。 (NS テクノサービス株式会社)半導体製 造装置および工作機械のメンテナンス・ 連携・ネットワークの概況と今後の見通し オーバーホール 通常、工程毎に担当を分けているが、電 主要技術・製品の強み 源ユニット、真空ユニットなど技術分野毎 に見て、他の技術を持つ企業と情報交換し、 誘致企業である上尾精密株式会社北上 工場(現・シチズン東北株式会社)の協力 自社では受けられないニーズがあった場 工場として、時計部品の精密加工で創業し、 合に連携し合う関係を構築しようとして その後 1980 年から大手半導体デバイスメ いる。 ーカー岩手工場の協力工場として、半導体 独自のビジネスモデルや経営力 の後工程組立に携わるようになった。 半導体の後工程組立に携わる中で、必要 顧客ニーズに応じて順次、事業分野を広 に迫られて金型の製作技術や半導体製造 げ、技術も獲得してきた。3社体制で今後 装置のメンテナンス技術を獲得。1994 年 も顧客ニーズに柔軟に対応していく意向 頃に大手半導体メーカーの岩手工場が前 である。 工程専門工場に切り替わる際に、前工程の 64 ト」という名称の広域ネットワークを構築 し、特に高レベルな需要があった際に連携 東成エレクトロビーム株式会社 (東京都西多摩郡) している。 *他の4社は、株式会社スズキプレシオン(栃 木県) 、株式会社クリスタル光学(滋賀県) 、 株式会社中村超硬(大阪府)、株式会社ビー 企業・事業概要 エムティー(福岡県)。 ・設立:1977 年 また、公設試験研究機関や大学、行政機 ・資本金:8,500 万円 関とも積極的に交流し、産学官連携による ・従業員:100 名 技術開発にも取り組んでいる。 ・主要事業:電子ビーム溶接加工、各種レ ーザー加工 独自のビジネスモデルや経営力 主要技術・製品の強み 常に最新鋭の加工装置を導入し、加工ニ ーズを持つ顧客企業に対し、顧客企業に代 電子ビームやレーザーを用いた材料加 わって開発段階での試作・実験や量産前の 工の受託が中心事業で、最新鋭の加工設備 段階の部品生産を請け負っている。 を用いた、最高レベルの電子ビーム溶接加 これにより、工作機械メーカーにとって 工および各種レーザー加工(切断、溶接) は“最新鋭機械のショールーム”となり、加 を行う技術を有している。 工ニーズを持つメーカーにとっては“第二 ISO9001、JISQ9100、ISO14001 の認 の研究所・実験室”となって高額な加工装置 証を取得している他、航空・宇宙部品に求 を取り揃えることなく高レベルの加工を められる高品質・高精密加工にも対応でき 可能にする。工作機械メーカー、顧客企業、 るとして Nadcap(国際特殊工程認証シス 自社の三者がメリットを得られる“三方一 テム)も取得している。 両得”のビジネスモデルを特徴としている。 半導体製造装置関連では、真空チャンバ また、その際、顧客企業とは秘密保持契 ーの溶接をおこなっている。 約を締結し、最先端の開発情報を他社に絶 対に流さないことで信頼を得ている。 連携・ネットワークの概況と今後の見通し その中で蓄積したノウハウを活かし、加 特定の技術に強みを持つ地域の中小企 工装置を導入したいメーカーに対して、最 業とネットワークを形成し、材料から加工、 適な加工装置を選定し、加工条件を導出し 組立まで顧客企業のニーズに一括して対 て加工ノウハウを提供し、販売後の専用の 応できる体制をとっている。 治工具の製作・販売や保守サービスまで行 うトータルエンジニアリングサポートも それとは別に、全国に散らばる自社とは 提供している。 異なる分野で最高レベルの加工技術を持 つ中小企業と5社で「ファイブテックネッ 65 IV.産学連携等による部材・技術分野の高度化可能性 東北域内の大学・研究機関等の概況をふまえ、半導体・FPD 製造装置関連部材・技術分 野の産学連携による高度化の可能性を検討した。 1.大学等の概況 半導体・FPD 製造装置関連分野で具体的な技術開発を進めている研究室は限られて いるが、東北大学の大見教授、須川教授、白井准教授は、国内外で半導体・FPD 関連 分野におけるトップレベルの研究室で、地域のものづくり中堅・中小企業等も含めて産 学連携を積極的に推進している。また、東北地域は、材料・加工等のものづくり基盤技 術に関わる研究者のポテンシャルが高い。例えば、溶接学会の東北支部が活発に活動を しており、東北大学の粉川教授、佐藤准教授を中心に、岩手大学の中村教授等も深く関 わっている。 さらに、地域のものづくり中堅・中小企業との接点という観点からは、東北大学の厨 川教授、堀切川教授、山形大学の高橋教授、野長瀬教授等がシーズと目利き力によって、 企業マッチングや産学連携で成果を上げている。 その他、域内の大学・高専等は、産学連携による技術開発だけでなく、人材育成も注 力 を し て い る 。 例 え ば 、 東 北 大 学 の 産 学 連 携 製 造 中 核 人 材 育 成 事 業 、 MAST21 (Materials Strategy 21)、八戸高専など大学・高専による人材育成事業等が成果を 上げている。技術開発のみならず、それら支える人材育成や地域連携の深化に向けた取 り組みが期待できる。 図表 IV-1 東北地域のものづくり中堅・中小企業と産学連携のポテンシャルが見込まれる 大学の研究者(例) 研究者名 斎藤 正博 所属・役職 八戸工業大学 工学部 機械情報技術学科 教授・学科長 松崎 晴美 八戸工業大学 工学部 機械情報技術学科 教授 佐藤 松雄 八戸工業大学 工学部 機械情報技術学科 教授 岩渕 明 岩手大学大学院 工学研究科 金型・鋳造工学専攻 機能工学専攻、工学部 機械工学科 フロンティア材料 教授、工学部附属金型技術研究 センター長 清水 友治 岩手大学大学院 工学研究科 66 准教授 (岩渕研究室) 堀江 皓 岩手大学大学院 工学研究科 教授 中村 満 岩手大学大学院 工学研究科 金型・鋳造工学専攻 大見 忠弘 東北大学未来科学技術共同研究センター 教授 白井 泰雪 東北大学未来科学技術共同研究センター 准教授 須川 成利 東北大学大学院 工学研究科 内田 龍男 東北大学大学院 工学研究科 電子工学専攻 教授. 厨川 常元 東北大学大学院 工学研究科 ナノメカニクス専攻 ナノテクノロジー 講座 ナノ加工学分野 教授 (大見研究室) 教授 教授・センター長 堀切川 一男 東北大学大学院 工学研究科 粉川 博之 東北大学大学院 工学研究科 材料システム工学専攻 教授 佐藤 裕 東北大学大学院 工学研究科 材料システム工学専攻 准教授 山本 修 秋田大学 工学資源学部 附属環境資源学研究センター 村岡 幹夫 秋田大学 工学資源学部 機械工学科 小山 清人 山形大学 理事・副学長(社会連携・情報・国際交流担当)、工学部 能高分子工学科 高橋 幸司 教授 准教授 准教授 機 教授 山形大学大学院 理工学研究科 物質化学工学専攻 教授、ものづくり 技術経営学専攻長、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長 城戸 淳二 山形大学大学院 理工学研究科 機能高分子工学専攻 杉本 俊之 山形大学大学院 理工学研究科 電気電子工学専攻 教授 准教授、 YURNS 代表幹事 野長瀬 裕二 山形大学大学院 理工学研究科 ものづくり技術経営学専攻 小野 浩幸 山形大学大学院 理工学研究科 ものづくり技術経営学専攻 地域共同研究センター 教授 教授、 副センター長 小沢 喜仁 福島大学 共生システム理工学類 教授 副学長 佐藤 理夫 福島大学 共生システム理工学類 教授 産業システム工学専攻長 注:三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング(株)がヒアリング調査および文献調査の結果に基づきリスト アップしたもの。半導体・FPD 製造装置関連分野を専門とする研究者に限らない。 【東北大学 大見研究室による産学連携・人材育成の取り組み】 1 【産学連携への取り組み(半導体製造装置・部品・材料含めて製造方式全般)】 ・ 複数の国の先導的開発計画のプロジェクトリーダーとして、企業と連携しながら技 1東北経済産業局「東北地域における半導体・FPD等製造装置関連産業の技術開発動向調査」を参照。 67 ・ 第1期 DIIN プロジェクトで民間から受け入れた資金で未来情報産業研究館を建 設、クリーンルーム、製造装置・部品・材料等の要素技術を開発した。2007 年 4 月~の第2期 DIIN プロジェクトでは、さらに多数の民間企業から研究員を受け入 れて、精力的に共同研究を遂行中である。 ・ DIIN プロジェクトは、大見研究室の産学連携プロジェクトで、共同研究は、基本 的には大学と関係各社が開発テーマごとに個別に推進しており、企業間の秘密は守 られている。 【人材育成の取り組み】 ・ 極めて高度な技術を幅広く身につけ、製造現場でそれを駆使でき、全体最適を遂行 できる志あるリーダーの育成を目指したカリキュラムを 2005~2006 年度に経済産 業省「産学連携製造中核人材育成事業」の採択を受けて開発した。 ・ 企業から受け入れている研究員に対して年間を通した実習を継続していると共に、 座学の集中講座を、2008 年 1 月に発足させた「UCT 研究会」の活動の一環で 2008 年度から年 1~2 回行う。 【東北大学粉川研究室による摩擦攪拌接合(FSW)の研究開発】 1.粉川研究室の概要 ①研究室メンバー ・ 粉川 博之 教授 ・ 佐藤 裕 准教授 ②研究テーマ:材料システム工学 接合界面制御学 ・ 溶接・接合および表面改質部の組織および特性制御(アーク、レーザ、電子ビーム) ・ 摩擦攪拌接合・摩擦攪拌プロセッシング(アルミニウム合金、マグネシウム合金、 鉄鋼材料、ニッケル合金、チタン合金、異種材料) ・ 粒界工学制御材料の開発 (ステンレス鋼、ニッケル合金、耐熱耐食材料) 68 2.摩擦撹拌接合(FSW)の研究概要と方向性 ・ 摩擦攪拌接合(FSW)をした接合部の組織・特性および接合メカニズムを研究し ており、最終的には、特性の向上、接合の信頼性、プロセスの改善を目指している。 対象となる材料は、アルミニウム、マグネシウム、鋼、チタン、ニッケル等である。 ・ 最近は、鋼系が多くなっている。鉄系の FSW の研究が出来る研究室は、日本でも 数が少ないので、共同研究等の話が多い。 ・ FSW は、溶けない、歪が小さい、異材接合も可能、接合面の前処理が不要、シー ルドガスが不要、均質微細組織、機械的特性が良いといった特徴がある。 ・ 鋼用の接合ツール材料は、多結晶立方晶窒化硼素 pcBN が最も広く使用されている が、最近はタングステン系やモリブデン系の材料も候補になっており、特許等も出 している。接合時にツールの摩耗や破損が生じにくいツール材料が望まれるが、ツ ールと被接合材料との反応や摩耗等の残存物が接合部特性に問題を生じさせない ツール開発というニーズがある。 3.半導体製造装置事業への応用可能性、東北地域のポテンシャル ・ 液晶製造装置の銅パッキングプレート(内部に冷却水路を設けた放熱板)に FSW を用いている。短期間に従来の電子ビーム溶接から一気に FSW に置き換わってい る。 ・ 現在、FSW がステンレス鋼に適合するか、接合ツールの開発を含めて研究をして いる。ステンレス鋼の FSW は、今後、適用範囲が出てくると思うが、まだオース テナイト系ステンレス鋼では課題も多い。特に、オーステナイト系ステンレス鋼で は FSW で接合後、腐食に敏感な部分が出来てしまうことが問題である。これらの 課題をクリアできれば、高品質な接合部特性から一気に普及するのではないか。 ・ ステンレス鋼の FSW は、ツール開発が最大の課題である。ツールさえ良いものが できれば、溶融溶接に比べて非常に優れているのですぐに普及するとみている。こ こ数年でツールが大幅に改善されているので、企業の関心も高まっているのであろ う。2000 年頃に pcBN 製ツールが開発され、その後、鉄鋼の FSW に関する様々 な適用研究が行われてきた。日本国内では、2004~2005 年頃から鉄鋼メーカーも 強い関心を持っている。 ・ FSW は、半導体製造装置メーカーでも使いたいと思っている企業は多いと考えて いる。また、地域のものづくり中堅・中小企業等が関心を持っている。 69 【東北大学 MAST21(Materials Strategy 21)】 ・ MAST21(Materials Strategy 21)は、東北大学マテリアル・開発系による材料分 野に特化した産学連携の窓口である。東北大学マテリアル・開発系が有する高度な 学問・技術を集積し、企業に役立つための積極的な情報を提供している。 ・ MAST21 の主な活動は、コンサルティング及び各種サービス、フォーラム開催、 最新研究成果の情報発信、会社説明会、大学院学生への教育支援、教育・研究基盤 整備等である。具体的には以下のような活動を推進している。 ① コンサルティング及び各種サービス ・ 会員企業からのお問い合せに対する情報提供・技術相談を行い、専攻の研究者と産 業界との連携・強力を推進する。 ② フォーラム開催 ・ MAST21 フォーラムを年1回開催。東北大学における材料研究の最新情報を紹介 するとともに、企業の研究者との意見交換を推進する。 ③ 最新研究成果の情報発信 ・ 会員企業に対し、活動報告書として、学部卒業論文・大学院修士論文研究の概要を 年1回送付する。 ④ 会社説明会 ・ 会員企業だけの会社説明会を開催し、学生新規採用に向けての優先的な人材交流の 場を提供する。 ⑤ 大学院学生等への教育支援 ・ 大学院後期課程進学者への就学支援、海外国際会議、海外研修などの参加のための 渡航費用援助を行い、大学院学生の材料研究及び国際化を支援する。 ⑥ 教育・研究基盤整備 ・ 学生実験、工学研修等に用いる実験装置等の研究教育基盤整備を行う。 70 〔参考〕域内の大学・高専・工業高校を核とした人材育成事業 2 図表 IV-2 中小企業産学連携製造中核人材育成事業、高等専門学校等を活用した 中小企業人材育成事業、工業高校実践教育導入事業の実施拠点 中小企業産学連携製造中核人材育成事業 AOMORI 弘前大学大学院 理工学研究科 8 1 1 医用マイクロシステム開発を先導するマイスターの育 成 〔FS調査:H19〕 2 自己革新型ものづくり企業群育成に必要な重層的産 業人材育成事業 〔H17~H19〕 3 半導体・ディスプレイ産業にお ける次世代中核リー ダー育成事業 〔H17~H18〕 4 次世代産業基盤となる MEMS (微小電気機械システ ム)関連産業人材システム 〔H18~H19〕 5 次世代医療関連産業中核人材育成のための実践的 教育システム 〔H18~H19〕 6 非鉄製錬産業及びこれと技術基盤を共有する資源リ サイクル産業の中核人材育成事業 〔H19~H20〕 八戸工業高等専門学校 八戸市 弘前市 6 小坂町 IWATE 小坂製錬㈱ (財)国際資源大学校 岩手大学大学院 工学研究科 AKITA 2 14 盛岡工業高校 盛岡市 秋田市 6 高等専門学校等を活用した中小企業人材育成事業 秋田大学工学資源部 環境物質工学科 14 花巻市 花北星雲高校 8 機械加工分野における高い技能・技術を持ったエキス パートの育成プログラム 〔H18~H20〕 9 北上川中流域における自動車関連産業力強化に対応 する組込ソフト・品質管理技術に関する人材育成プロ グラム 〔H18~H20〕 岩手大学北上サテライト 北上市 産業技術短期大学校庄内校 酒田工業高校 酒田市 2 14 奥州市 14 一関市 9 14 水沢工業高校 一関工業高等専門学校 一関工業高校、千厩高校 気仙沼市 10 15 気仙沼向洋高校 栗原市 6 細倉金属鉱業㈱ 大崎市 2 仙台電波工業 高等専門学校 10 4 3 4 5 6 仙台市 YAMAGATA 黒沢尻工業高校 名取市 15 8 MIYAGI アルプス電気㈱技能研修所 ㈱メムス・コア 宮城県産業技術総合センター 石巻市 15 石巻工業高校 東北大学 3 NICHe 4 大学院工学研究科 5 大学院医工学研究科 6 多元物質科学研究所 宮城県工業高校 仙台工業高校 工業高校実践教育導入事業 宮城工業高等専門学校 14 北 上川 流 域も のづく り人材育成推進事業 〔H19~ H21〕 15 地域産業の中核となる統合力を持った産業人材育成 推進事業 〔H19~H21〕 18 会津ものづくり人財育成事業 ~ものづくりあいづっこ 宣言21~ 〔H19~H21〕 米沢市 米沢産業育成事業運営委 員会(米沢商工会議所) 喜多方市 2 18 喜多方工業高校 会津工業高校 会津若松市 居住・作業環境の安全・快適・省エネルギーに係る分 析・対処及び組込みシステム設計・開発に関する PBL による問題解決型ローダー教育プログラム 〔H18~ H20〕 18 FUKUSHIMA H19.8.23現在 産業人材政策課 2東北経済産業局「東北地域における半導体・FPD等製造装置関連産業の技術開発動向調査」を参照。 71 図表 IV-3 産学連携製造中核人材育成事業の取り組みと成果 ○ 産業競争力の強化と新たな人材育成システムの確立を目指し、大学・企業等が連携し て製造現場の中核的人材を育成するため、より実践的な内容を加えた新たな教育プログ ラムの開発に対して助成する制度。17年度~21年度までの制度。 ○リーダー半導体・ディスプレイ産業における次世代 中核育成事業(平成18年度で終了) 管理法人:㈱テクノロジー・アライアンス・グループ 再委託先:東北大学 推進指導者:大見教授(東北大・半導体分野) ○自己革新型ものづくり企業群育成に必要な重層的産 業人材育成事業 管理法人:(財)東北産業活性化センター 再委託先:岩手大学・アルプス電気㈱・ 米沢商工会議所 推進指導者:岩渕教授(金型) 堀江教授(鋳造) ◆次世代産業基盤となるMEMS(微小電気機械システ ム)関連産業人材育成システム 管理法人:㈱インテリジェント・コスモス研究機構 推進指導者:桑野教授、江刺教授(東北大) *非鉄製錬産業及びこれと技術基盤を共有する資 源リサイクル産業の中核人材育成事業 管理法人:(社)資源・素材学会 推進指導者:中村教授(東北大多元物質科学研) ◆次世代医療関連産業中核人材育成のための実践 的教育システム 管理法人:東北大学 推進指導者:山口教授(東北大・バイオロボティクス) 全国の採択実績 17年度36件採択、うち東北で2件採択○ 18年度10件採択、うち東北で2件採択◆ 19年度新規31件提案、うち東北で1件採択 * 弘前大学「医用マイクロシステム開発人材」はFS調査費確保 具体的な成果と課題 ○ 産業クラスターの重点分野のテーマが採択。 ○18年4月、岩手大学大学院に「金型・鋳造専攻科」が開設。社会人入学と長期インターンシップが特長。 資料:東北経済産業局 産業人材政策課 資料 図表 IV-4 高専等を活用した中小企業人材育成の取り組み ○ 高等専門学校の設備や技術を活用し、地域の中小企業のニーズに応じた講義と実習 を実施し、中小企業の若手技術者を育成する仕組み作りを支援する。 (H19年度2.5億円) ◇北上川中流域における自動車関連産業力強化に 対応する組込ソフト・分析)技術に関する人材育成ス テップアップ事業 管理法人:(財)岩手県南技術研究センター 推進指導:一関工業高等専門学校 ◇機械加工分野における高い技能・技術を持ったM エキスパートの育成プログラム 管理法人:㈱八戸インテリジェントプラザ 推進指導:八戸工業高等専門学校 ◇仙台・宮城地域における居住・作業環境の安 全・快適・省エネルギーに係る分析・対処と、組 込システム設計・開発に係るPBLによる問題解 決型人材育成プログラム 管理法人:(財)みやぎ産業振興機構 推進指導:宮城工業高等専門学校 仙台電波工業高等専門学校 18年度事業の具体的な成果 八戸→ 7社12名が受講 一関→ 26企業82名が受講。宮城県北 の企業も 受講 仙台→ 14企業17名が受講、PBLに派 遣企業から高い評価 講師は高専の教授以外に大学教授や民 間企業の技術担当部長らが参加。 全国の採択実績 18年度30件採択、うち東北で3件採択 19年度31件採択、うち東北で3件採択 資料:東北経済産業局 産業人材政策課 資料 72 図表 IV-5 工業高校実践教育導入事業の取り組み ○ 地域の産業界と工業高校の協力の下、工業高校への実践的教育の導入を促進すると ともに、地元産業界への就職にも直結。 (H19年度新規2.9億円 23地域文科省と共同採択) ◇北上川流域における実践教育導入事業 管理法人:(財)いわて産業振興センター 実施校:黒沢尻工業高校、盛岡工業高校他 ◇仙台・宮城地域における実践教育導入事業 管理法人:みやぎ工業会 実施校:仙台工業高校、石巻工業高校、気仙 沼向洋高校他 ◇実践教育の具体的な内容 ・企業講師による授業 ・インターンシップ ・教員の企業研修・ ・企業見学(教師・生徒・親) ・小中学校との連携→ものづくり興味喚起 ・ロボットコンテスト等 ◇会津・喜多方地域における実践教育導入事業 管理法人:NPO教育・雇用研究機構 実施校:会津工業高校、喜多方工業高校 全国の提案状況 19年度23件採択、うち東北で3件採択 資料:東北経済産業局 産業人材政策課 資料 73 2.域内の公的研究機関・産業支援機関等の研究概況と技術開発への取組み (1) 調査実施概要 域内の各県公設試験研究機関の半導体等製造装置分野に関連する研究の実施状況と 実施体制について、文献調査および照会を実施した。 (2) 調査結果 ① 青森県工業総合研究センター 図表 -IV-6 八戸地域技術研究所 域内の公設試験研究機関における関連研究への取り組み状況 研究機関名 青森県工業総合研究センター 八戸地域技術研究所 所在地 〒039-2245 URL http://www.aomori-tech.go.jp 青森県八戸市北インター工業団地 1-4-43 半導体等製造装置に係るものづくり基盤技術に関する研究の実施状況と実施体制 ○熱歪の少ない接合技術の開発 ・内容:従来 TIG で行っていた金属板の溶接にレーザーを用いる事により、低歪化するこ とを目的としている。 ・研究実施部署:機械システム研究部 +県内企業 ○セラミックス上金属薄膜と金属線の接合技術 ・内容:鉛高含有はんだで接合している金属薄膜と金属線との接合を、レーザーを用いて 代替する研究開発。 ・研究実施部署:機械システム研究部 a) 青森県工業総合研究センター +県内企業 八戸地域技術研究所がコア研究室となり推進してい る「青森県地域結集型共同研究事業」 東北大学の内田龍男教授が研究統括。 大画面フラットパネルディスプレイの創出をテーマにした「高性能表示素子の開 発研究」「薄膜トランジスタ基幹技術の創出」を研究。 半導体のみならず液晶関連分野での産学官連携にまで広がりがある。 74 図表 -IV-7 青森県地域結集型共同研究事業の概要 資料:青森県地域結集型共同研究事業ホームページ b) 青森県工業総合研究センターが参加した「地域新生コンソーシアム研究開発事業」 プロジェクト名 総括研 (管理法人) 究代表 [委託期間] 者 研究実施機関 小型超高精細液晶ディスプレイの開発 (財)21あ 東芝メディア機器(株)、東北大学、弘前大学、東北化学 ((財)21あおもり産業総合支援センター) おもり産 薬品(株)、アンデス電気(株)、エーアイエス(株)、メルコ・ディ [平成18~19年度] 業総合 スプレイ・テクノロジー(株)、青森県工業総合研究センター、 支援セン 八戸工業高等専門学校、(財)NHKエンジニアリングサービ ター ス、三鷹光器(株)、(株)エルグベンチャーズ ナノ微細構造を有する酸化物半導体薄膜 アンデス 青森県産業技術開発センター、青森県機械金属技術研 による超高度光触媒の開発 電気(株) 究所、八戸工業高等専門学校物質工学科、(株)八戸イ ((株)八戸インテリジェントプラザ) ンテリジェントプラザ、アンデス電気(株) [平成11年度] 75 ② 地方独立行政法人 岩手県工業技術センター 岩手県工業技術センター 研究機関名 地方独立行政法人 所在地 〒020-0852 URL http://www.pref.iwate.jp/~kiri/ 岩手県盛岡市飯岡新田3-35-2 半導体等製造装置に係るものづくり基盤技術に関する研究の実施状況と実施体制 ○光学用金型へ高離型機能を付与する表面処理技術の開発(H18~20) ・内容:光学用極微細形状の金型に、耐久性ある離型膜を成膜する表面処理技術の開発 ・研究実施部署:材料技術部 + 県内企業 ○ZnO 単結晶基板の応用に関する研究(H18~20) ・内容:ZnO 単結晶基板評価方法の確立と、SAW デバイス、圧力センサや光通信用光制 御素子など応用製品の開発 ○高品質 As-grownMgB2 膜を利用した高感度磁気センサ及び高周波フィルタ素子の開発 (H18~20:JST 重点地域研究開発推進事業) ・内容:高い転移温度と優れた表面平坦性を有する高品質 MgB2 薄膜を作成し、簡便に取 り扱うことのできる高感度磁気センサと、小型で高精度の高周波用超伝導フィル タ素子の開発 ○表面プラズモンを利用した局所ラマン分光による半導体表面の微量分析(H18~20: NEDO 産業技術研究助成事業) ・内容:従来の光学分光測定の空間分解能を超える表面プラズモンを利用した局所ラマン 分光システムを構築し、半導体表面に吸着した微小なパーティクルの化学分析 ○火炎検知用紫外検出器の開発(H19:JST シーズ発掘試験) ・内容:炎から発せされる特定赤外線を検知する赤外線検知タイプの ZnO 単結晶基板を 利用した火災検知器の開発 ○シンチレーターを用いた高速フォトン検出器の開発とエネルギー弁別 X 線 CT への応用 (H20~21:いわて戦略的研究開発支援事業) ・内容:酸化亜鉛のシンチレーター付き高速検出器と電荷有感型増幅器等を用いて X 線を 弁別し、分子レベルのイメージングを目的とした次世代 CT システムの開発 ・研究実施部署:上記は全て電子情報技術部 + 県内企業 76 a) 地方独立行政法人 岩手県工業技術センターが参加した関連研究テーマの「地域新生 コンソーシアム研究開発事業」 プロジェクト名 総括研究 (管理法人) 代表者 研究実施機関 [委託期間] 超小型ZnO紫外線センサの研究開発 岩手県工業 岩手大学、岩手県工業技術センター、(株)岩手情報 (財団法人いわて産業振興センター) 技術センター システム、(有)ライトム (株)ミクニ (株)ミクニ、東京電波(株)、岩手県工業技術センター [平成17~18年度] ZnO単結晶を利用したグロープラグ一体型 燃焼圧センサの開発 (財団法人いわて産業振興センター) [平成19年度] ③ 宮城県産業技術総合センター 研究機関名 宮城県産業技術総合センター 所在地 〒981-3206 URL http://www.mit.pref.miyagi.jp/ 宮城県仙台市泉区明通 2-2 半導体等製造装置に係るものづくり基盤技術に関する研究の実施状況と実施体制 ○通電加熱焼結法(SPS)を用いた機能性多孔質体の開発 ・内容:原料粉末のサイズ、形状などを選定し、通電加熱焼結の諸条件を最適化すること により、用途に応じて気孔を任意に制御した多孔質体の開発。 本開発技術を用いることにより、薄い IC 基板に対してもダメ-ジのない搬送・ 加工固定用の真空チャックなどへの応用が可能となる。 ・研究実施部署:材料開発・分析技術部 ○SiCの超精密研削加工技術の開発(H19~H20) ・内容:軽量で高剛性のSiC焼結体は、半導体製造装置関連の主要部品(エアースライ ド、搬送アーム)として、また、単結晶SiCは次世代半導体素子材として高い 注目を集めており、SiCに要求されている超精密鏡面研削加工技術の開発を行 っている。 ・研究実施部署:材料開発・分析技術部 ○超精密加工技術の実用化研究(H20~H24) ・内容:半導体製造装置の主要部品やミラー等の光学部品の素材として注目されるセラミ 77 ックスの超精密研削加工技術の開発のほか、MEMS のガラスパッケージを製造 するためのインプリント技術、MEMS およびそのパッケージに穴・溝を加工す るための微細切削加工技術を開発し、実用化を進める。 ・研究実施部署:材料開発・分析技術部 a) 宮城県産業技術総合センターが参加した関連研究テーマの「地域新生コンソーシア ム研究開発事業」等 プロジェクト名 総括研 (管理法人) 究代表 [委託期間] 者 研究実施機関 次世代高機能SiCを用いた半導体製造装 日本ファ 日本ファインセラミックス(株)、東北セラミック株式会社、(株) 置・高精度部品の開発 インセラミ 仙台ニコン、東北大学、横浜国立大学、宮城県産業技 ((株)インテリジェント・コスモス研究機構) ックス(株) 術総合センター パラレル研削方式による高精度非球面光 東北大 東北大学大学院工学研究科、防衛大学校、宮城県産 学素子創成技術の研究開発 学大学 業技術総合センター、山形県工業技術センター、(株)リー ((株)ICR) 院工学 ド開発研究所、ミクロン精密(株)、(株)東京ダイヤモンド工 [平成11年度] 研究科 具製作所仙台工場、リコー光学(株)、(株)仙台ニコン、オリ [平成17~18年度] ンパス光電子(株)会津事業所、機械技術研究所 絶縁体の放電加工原理に基づいた、高精 東北セラ 東北セラミック(株)、日本ファインセラミックス(株)、新潟プ 度・高機能モールド金型用セラミックス素材 ミック(株) レシジョン(株)、長岡技術科学大学、宮城県産業技術総 とその加工技術の開発 合センター 【戦略的基盤技術高度化支援事業】 ((株)ICR) [平成19年度~21年度] 高品位高速非球面ガラスレンズ成形装置 アルプス アルプス電気(株)、東北大学大学院工学研究科、エムテ 並びに金型の開発と実用化 電気 ックスマツムラ(株)、東芝機械(株)、山形県工業技術セン 【地域イノベーション創出研究会開発事業】 (株) ター、宮城県産業技術総合センター ((株)ICR) [平成20年度~21年度] 78 ④ 秋田県産業技術総合研究センター 研究機関名 高度技術研究所 秋田県産業技術総合研究センター 高度技術研究所 あら や まちあざ さ ぬ き 所在地 〒010-1623 URL http://www.rdc.pref.akita.jp/ 秋田県 新 屋 町 字 砂奴寄4-11 半導体等製造装置に係るものづくり基盤技術に関する研究の実施状況と実施体制 ○半導体製造検査に関わる精密位置決めの研究 ・内容:高速・高精度位置決め用アクチュエータ及びシステムの研究開発 半導体産業において 65nm 以下の配線ピッチを実現するためには、3位置精度が正規 分布状にばらついた場合、99.7%の確立において 0.1nm の安定した位置決め精度と生産 性を向上させるために不可欠な高速な動作との両立が、製造及び検査装置には要求される。 このような高速で高精度な位置決めを実現するため、積層型圧電素子の大きな発生力と高 速性を応用したアクチュエータと空気静圧軸受けと推力変動のないボイスコイルモータ (VCM: Voice Coil Motor)を組み合わせた動作領域の大きなアクチュエータ及びその制御 技術とシステム化の研究開発を行なっている。 1. 積層型圧電素子と変位拡大機構を用いた Nano-Motion Actuator の研究開発 最大変位:50m,位置決め精度:0.1nm (3),立ち上がり時間:40s (1nm ステップ) [平成 12 年度採択:秋田県地域結集型共同研究事業“次世代磁気記録技術と脳医療応用 技術開発”] 2. 直動型空気静圧軸受けと VCM を組み合わせた Linear actuator の研究開発 最大変位:100mm,位置決め精度:0.1nm (3),立ち上がり時間:27s (1nm ステップ) [平成 16 年度採択:地域新生コンソーシアム研究開発事業“高速・ナノスキャニングス テージの開発”] 3. Nano-Motion Actuator の技術を応用した X-Y 平面型走査ステージ(Nano-Motion Stage)の研究開発 最大変位:100m 平方,位置決め精度:0.1nm (3),立ち上がり時間:60s (10nm ス テップ) [平成 17 年度採択:戦略的共同研究プロジェクト推進事業(秋田県単)「半導体露光 装置用“高速・高精度アクチュエータ”の開発」] 4. Nano-Motion Actuator の応答性と位置決め精度を維持しながら、最大変位量を向上 するため、目標位置までの高速な移動と目標値に対する位置決め精度及び安定性を 独立させて制御することを目的とする研究開発 最大変位:500m 以上,位置決め精度:0.1nm (3),立ち上がり時間:100s 以下(10nm ステップ) [平成 20 年度採択:重点分野研究開発プロジェクト事業(秋田県単)「半導体製造検 査用2ステップ圧電素子型アクチュエータの開発」] 79 ・研究実施部署:ナノメカニカル技術開発グループ a) 秋田県産業技術総合研究センターが参加した関連研究テーマの「地域新生コンソー シアム研究開発事業」 プロジェクト名 総括研 研究実施機関 (管理法人) 究代表 [委託期間] 者 次世代光ディスク対応球面収差補正液晶 秋 田 大 秋田大学、秋田県立大学、秋田工業高等専門学校、秋 デバイスの開発と実用化 学 工 学 田県産業技術総合研究センター、(株)大久保製作所、三 (財団法人あきた企業活性化センター) 資 源 学 共光学工業(株)、(株)アキタ電子システムズ、比内時計工 [平成17~18年度] 部 業(株) ⑤ 山形県工業技術センター 研究機関名 山形県工業技術センター 所在地 〒990-2473 URL http://www.yrit.pref.yamagata.jp 山形県山形市松栄二丁目 2-1 半導体等製造装置に係るものづくり基盤技術に関する研究の実施状況と実施体制 ○超精密加工技術・評価技術の開発【超精密加工テクノロジー開発支援事業】 ・内容: 砥石の高精度、高能率 R 成形技術を確立しセラミックス、光学ガラスや超硬合 金の溝加工および曲面加工において加工精度の向上をはかる。 ・研究実施部署:超精密技術部 ○高硬度金型材・脆性材料の超精密微細加工技術の開発【超精密加工テクノロジー開発支 援事業】 ・内容: 非球面上に微細溝を有する光学素子用金型の成形を可能にする工具の機上成形 技術、金型寿命の大幅な向上が期待できる超硬合金等の高硬度材の超精密加工技術、脆 性材料を効率的で高品位に加工する技術を確立する。 ・研究実施部署:超精密技術部 ○ 特殊加工による微細堆積加工技術の開発【超精密加工テクノロジー開発支援事業】 ・ 内容:CNT 複合めっき技術などのウエットプロセスおよび大気圧プラズマ CVD などのドライプロセスを利用した機能性被膜の形成技術を確立し、高付加価値な超精密 80 ・ 研究実施部署:超精密技術部 ○低干渉光を用いた光計測応用技術の開発 ・内容:干渉性の低い光源を用い、高精度、非接触でかつ加工機上で動作可能な形状計測 装置を開発する。 ・研究実施部署:電子情報技術部 ○MEMS 型可動グレーティングを用いた高精度3次元計測技術の開発 ・内容: MEMS 技術により小型の可動グレーティングを開発し、これを組み込んだフー リエドメイン型干渉計を構築する。 ・研究実施部署:電子情報技術部 a) 山形県による関連研究への取組「超精密加工テクノロジー開発支援事業」 H15~18 に実施した超精密加工テクノロジープロジェクトの技術成果を発展させ るとともに、超精密加工テクノロジーセンターを拠点とした産学官共同研究の推 進と、金型・精密加工技術研究会との連携による関連企業の技術指導等による成 果の普及等を推進。 超精密加工・評価技術、微細加工技術、非接触・加工機上計測をテーマとして掲 げており、加工技術から計測技術までを総合的にカバーした取り組みになってい る。 図表 -IV-8 山形県 超精密加工テクノロジープロジェクト推進事業(H15~18) 【目 的 】 県内の製造品出荷額が多い電気機械や一般機械等の「ものづくり産業」において、今後 の成長分野を支える技術競争力を強化するため、超精密加工技術の精度をナノレベルまで 高めて技術基盤の形成を図る。 【手 段 、手 法 】 ①超精密加工テクノロジーセンター(H16.4 開所:工業技術センターが運営)を拠点と して、新規分野の製品開発のため、県内企業や大学等研究機関との産学官共同研究を 進める。 ②金型・精密加工技術研究会(H13.6 設立)と連携し、技術指導等により関連企業への普及 を図る。 ③事業期間は平成 15~18 年度。なお、超精密加工技術の企業への更なる成果普及及び製 品開発支援のため、平成 19 年度からも事業を実施する予定。 81 【概 要 】 (1) 「高精細加工技術の開発」 複雑な形状の材料をナノレベルの精度で加工できる技術 開発を行う。 ・硬脆材料の小径深穴加工(H15~16 年度国庫補助事業採択)。微細三次元立体形状加工。 (2) 「新素材、脆性材料等の超精密加工技術の開発」 加工が困難な材料の加工を可能に する技術開発を行う。 ・石英ガラスやサファイヤ等の高品位溝加工。セラミックス、超硬合金等の自由曲面加工。 (3) 「光ヘテロダイン計測法を用いた超精密加工支援技術の開発」 非接触・加工機上計測 の技術開発を行う。 ・工具等の摩耗を加工中に非接触で計測する装置開発。 (4) 公募型研究開発事業の採択 ①・地域新生コンソーシアム研究開発事業〔ものづくり革新枠〕:平成 17 年度~「次世 代情報家電・自動車用高度部材の生産技術の開発」(機上形状計測の原理と計測装置開 発) ② NEDO「産業技術研究助成事業」:平成 18 年度~ 「CNT 複合めっき被膜を用いた高性能・高寿命電着工具の開発」 ③ JST 研究成果活用プラザ宮城「事業化可能性試験」:平成 18 年度 「放電加工用低消耗・微細形状電極の開発」 【実 績 ・成 果 】 平成 15 年度 「超精密加工テクノロジーセンター」整備、超精密加工機・測定機 11 機種新設 年度 成果普及 H16 H17 ・共同研究 8 件 ・共同研究 9 件(地域コンソ含) ・ORT 研修 8 人 ・ORT 研修 11 人 ・製造企業技術者研修 ・製造企業技術者研修 2 テーマ 13 人 4 テーマ 112 人 H18 ・共同研究 10 件 (地域コンソ含) ・ORT 研修 9 人 ・製造企業技術者研修 4 テーマ 107 人 (1) 高 精 細 加 工技術 ・石英ガラスの微細穴加工 (直径 0.1 ㎜、深さ 2 ㎜) ・光学素子成形用金型の試 作加工 ・セラミックスの小径深穴加工 (直径 0.1 ㎜) 加工工具の特許を共同出願 ・微細な三次元立体形状加工と して回折格子用金型等を試作 82 ・石英ガラス等への微細な曲 線溝加工技術の確立 ・加工面粗さ 10nm、形状精 度 50nm 以下の微細形状 精密金型の実用化 (2) 新 素 材 超 ・光学ガラスの微細角溝加工 ・角溝加工をより高精度化にする 精密加工技 による島残し加工 術 (0.1×0.1 ㎜角×1.2 ㎜高さ) ・超砥粒砥石の高精度R成形技 ・金型材料等の自由曲面加 ・天体望遠鏡用反射鏡など 術及び高硬度材の曲面加工技 工で加工面粗さ 10nm、形 術(加工面粗さ 20nm)を確立 状精度 50nm を達成 曲面加工技術を確立 (3)非接触・加 工機上計測 砥石成形技術を確立 ・サファイヤ等への欠けやバリの ・計測装置の実験機試作によ ・機上搭載可能な小型計測装 る精度検証、小型化検討 置試作、実機上での計測実験 ない溝加工の確立 ・加工装置上計測により加工 精度の向上を実証 ※ORT(On the Research Training の略。職員によるマンツーマン研修) 資料:山形県資料 ⑥ 福島県ハイテクプラザ 研究機関名 福島県ハイテクプラザ 所在地 〒963-0215 福島県郡山市待池台 1-12 URL http://www.fukushima-iri.go.jp 半導体等製造装置に係るものづくり基盤技術に関する研究の実施状況と実施体制 ○小型液晶ディスプレイ用内面拡散反射板の製造方法の開発(平成 16~19 年度) ・内容:次世代携帯映像機器等に用いられる半透過型液晶パネルの高輝度内面拡散反射板 の製造技術について、高速ミーリング法、振動切削法等により、極微細なディン プルパターンを形成する方法を確立し、高性能な内面拡散反射板を開発した。 ・研究実施部署:研究開発部生産・加工科、県内企業3社 ○電解作用を用いたバリ取り技術の開発(平成 19~20 年度) ・内容:半導体製造装置で高精度が要求されるステンレスチューブについて、電解砥粒研 磨を応用して端面のエッジを高精度に仕上げる方法を開発した。 ・研究実施部署:研究開発部生産・加工科、県内企業 1 社 ○マイクロめっき法による磁気エンコーダ用微細磁気スケールの開発 ・内容:フォトリソグラフィーと磁気めっきを用いて数十μm 台の磁性材料ブロックを等 間隔に配置することにより、高温、放射線耐性の高い磁気スケールを作製した。 ・研究実施部署:研究開発部生産・加工科、県内企業 1 社 ○精密機器のための微細溶接技術による応用製品の開発 ・内容:マイクロプラズマ溶接法を応用し、半導体製造装置で要求されるサブミリ厚の極 薄板部品の溶接技術を確立した。この方法により、高精度溶接ベローズや圧力セ ンサー、ガスフィルターを開発した。 ・研究実施部署:いわき技術支援センター機械・材料科、県内企業 3 社 83 a) 福島県ハイテクプラザが参加した関連研究テーマの「地域新生コンソーシアム研究 開発事業」 プロジェクト名 総括研 研究実施機関 (管理法人) 究代表 [委託期間] 者 液晶用高品位内面拡散板製造法の開発 (株)アン 福島県ハイテクプラザ、(株)アンデスインテック、フガク工機 ((財)福島県産業振興センター) デスインテ (株)、パーフェクトン(株) [平成18~19年度] ック b) 福島県と県内市町、企業と工業高校が連携した関連研究における人材育成への取組 平成 18 年度、東北経済産業局からの支援を受けて「人財育成支援調査事業」を実 施した。柳田福島県顧問を委員長に、事務局を福島県が務め、委員として会津工 業高校と喜多方工業高校、会津若松市、喜多方市、会津美里町の2市1町、富士 通セミコンダクターテクノロジ、スパンシオン、オンセミコンジャパン、東京エ レクトロンと地域の中小企業3社が参加し、5回の議論を重ねた。 平成 19 年度からは、企業と工業高校が連携して実践的な人材育成事業を展開する 「工業高校実践教育導入事業」に採択され、会津地域と半導体を中心としたもの づくり産業をフィールドに「会津ものづくり人財育成事業」を本格的に進めてい る。 平成 19 年度には、会津工業高校と喜多方工業高校の生徒が、富士通セミコンダク ターテクノロジ、オンセミコンジャパンと連携して複数の製品を開発し、「セミ コン・ジャパン」に出展した。高校生による出展は、同展示会史上でも初めての ことで注目を集めた。出展した製品は、“持ち替えなくて良い直角ドライバー” “大中小 3 種類を1本にした3段組6角レンチ”“自動手袋はめ機”など。“直 角ドライバー”は、富士通からのニーズに応えて生徒達でアイデアを出して開発 した。“3段組6角レンチ”は、富士通が部品まで製造して、両校の生徒が富士 通の工場に行って組立をした。“自動手袋はめ機”は教員の発案で開発したもの で、既存製品はあるものの構造が複雑でメンテナンスが大変であるのに対し、本 製品は構造がシンプルな点が優れている。半導体製造工場に限らず病院などでの 利用が期待されるとのことである。 84 図表 -IV-9 福島県の「会津ものづくり人財育成事業」」の概要 ・産学官で地域ぐるみ の連携体制を構築 ・大企業と地元中小 企業が連携 ・福島県半導体関 連産業協議会が バックアップ 会津ものづくり人財育成委員会 【企業】 ・半導体を中心とし たものづくり企業 ・福島県半導体関 連産業協議会 【行政】 福島県 会津若松市 喜多方市 会津美里町 【大学等】 県内理工系大学 県ハイテクプラザ 東北大学 【専門高校】 会津工業高校 喜多方工業高校 ・自治体が広域連携 ○企業の研修施設を活用した高度な実習の実施 →富士通LSIテクニカルセンターを想定 ○企業、生徒、教員による研究会の開催 →成果をセミコンジャパンに出展検討、産産連携の促進 ○企業設備の寄付により、工業高校の設備を高度化 ○長期インターンシップの実施(10日程度) →ものづくりを実際に体験し、技術と社会人基礎力を養成 ○企業技術者による実践的授業の実施 →地元企業経営者の苦心談や地元企業が求める技術等に ついて授業を行う 大学 小学生 ・会津人の強み(人柄、勤勉 性)を活かした人材育成 あいづっこ宣言二十一 ものづくり 一 ものづくりを楽しみます 二 みんなでつくります 85 五 後始末をきちんとします 資料:福島県商工労働部「福島県の半導体関連産業振興施策について」 四 失敗してもくじけません 会津ものづくり人財育成委員会 三 工夫してつくります インターンシップ、企業見学、 マスコミとの連携、イベント 等でものづくり産業をPR いけません 地元ものづくり企業 へ就職、地元企業の 競争力UP・取引拡大 ものをそまつにしては 工業高校の魅力向 上、ものづくりに興味 がある生徒の入学 ○産業界が求める若年技術 者の育成 ○地域経済の活性化と雇用 の促進 ○工業高校の魅力向上 六 夢に向かってがんばります 高校生による出前授業 等でものづくりの楽しさ をPR 地元企業 工業高校 中学生 ・地域の強い産業を 活かすため、同じ経 済圏の自治体が一 丸となり人材育成 (人材の自給自足) 3.地域における技術開発支援の枠組みの課題と方向性 東北各県において、技術開発支援に向けたプラットフォームとして協議会が相次いで 立ち上がっている。2007 年 3 月に福島県で「福島県半導体関連産業協議会」、2008 年 3 月には岩手県で「いわて半導体関連産業集積促進協議会」、2008 年 11 月には宮 城県「みやぎ高度電子機械産業振興協議会」が相次いで設立されている。 以下では、先行している福島県、岩手県の技術開発支援の取組みについて紹介をする。 なお、「みやぎ高度電子機械産業振興協議会」も、今後、協議会が特に注力すべき市場 分野として、「半導体製造装置(太陽電池製造装置を含む)」「医療・健康機器」「エ ネルギーデバイス」の3市場を重点分野として取組みを活発化させている。 (1) 福島県における技術開発支援体制 福島県では、2007 年 3 月に、県内外の半導体関連企業、大学等の研究教育機関、行 政機関が一体となってネットワークを形成し、取引の促進、新製品新技術の開発、人材 育成など半導体関連産業の振興を図るため、「福島県半導体関連産業協議会」を設立し た。 協議会の設立に加えて、前述した、企業と工業高校が連携して実践的な人材育成事業 を展開する「工業高校実践教育導入事業」を進めている他、地元の中堅・中小ものづく り企業と半導体製造装置メーカーや半導体デバイスメーカーとの取引を促進する「川上 川下ネットワーク構築支援事業」にも取り組んでいる。さらに、これら施策を含めた半 導体施策のロードマップを県として構築し、半導体関連産業の振興を包括的に進めてい る。 図表 IV-10 「福島県半導体関連産業協議会」の概要 〔設立年月〕 2007 年 3 月 28 日 〔会員〕 半導体関連企業、教育機関、産業支援機関等 112 団体 〔活動内容〕 ・重要課題を解決するための部会組織の立上げ ・県外との新たな取引、交流の促進 ・企業、大学等の交流による取引拡大、イノベーションの創出 資料:福島県資料 86 図表 IV-11 福島県の「川上川下ネットワーク構築支援事業」の概要 半導体関連産業の国際競争力強化 川上企業 川下企業 川上川下フォーラム ①自動機 提案力向上 (株)メカテック (株)茶木エンジニアリング (株)いわき精機 ②金属加工 (株)アトム、東成エレクトロビーム(株)、 (株)スター精機、 (有)テクノサンショウ ③セラミック・石英ガラス 福島セラミック(株)、江信特殊硝子 (株)、 参画 (株)アトック、 (株)クオーツリード ④表面処理 (株)エム・ティ・アイ、(株)サンビックス ⑤材料 (株)クレハ、信越半導体(株)、 東京応化工業(株) シーズ ⑥メンテナンス (株)メカテック、第一通信工業(株) ⑦組込みソフトウェア (株)MAソリューションズ、(株)NCE 良質な調達 川上川下フォーラム の開催 川上・川下交流会 ・半導体クラスター セミナーの開催 ・半導体製造工程研 究会の開催 販路開拓事業 ・半導体ビジネス 研究会の開催 ・内覧会の開催 ①半導体製造装置メーカー 東京エレクトロン(株) 参画 ニーズ ②半導体デバイスメーカー 富士通(株) 富士通セミコンダクター・テクノロジー (株) SpansionJapan(株) アルス電子(株) 首都圏企業 ニーズ・シーズ調査 東北地域企業 東北地域企業 参画 ジョイント・コーディネータ 柳田公雄氏、佐々木政司氏 協力 連携 推進機関 (財)福島県産業振興センター 福島県半導体関連産業協議会 東北経済産業局、福島県, 市町村、大学、支援機関, 公設試等(東北大学、 福島県ハイテクプラザ、 東北各県公設試ほか) 支援 資料:福島県商工労働部「福島県の半導体関連産業振興施策について」 図表 IV-12 福島県の半導体施策のロードマップ 半導体関連産業振興に向けて取り組みを拡大・深化 競争力強化 H20~ H19 H18 ・県半導体 協議会設立 ・人財育成 調査 ・産学官の危機感とビジョン共有 ・ネットワーク構築開始 ・ネットワーク の構築 ・人財育成事 業立ち上げ ・半導体関連ク ラスター形成 ・より豊かな福 島県の実現へ ・企業の提案力、 開発力、競争力UP ・実践的なスキル を持つ人財を供給 ・川下企業の競争力強化を通じ、 自動車、医療、航空機、バイオ等 先端産業へ波及 ・企業誘致 ・研究会の継続開催(福島県半導体関連産業協議会内に設置) ・人財育成活動(デュアル、企業連携、設備高度化等)の強化 ・情報発信(セミコンジャパン等)を強化 ・東北大学等との連携による新技術・新製品の開発、事業化支援 ・福島県半導体関連産業協議会等との連携による取引拡大支援 ・工業高校実践教育導入事業による産学連携・人材育成支援 ・展示会(セミコンジャパン等)等での情報発信 ネットワーク拡大・構築、人財育成 資料:福島県商工労働部「福島県の半導体関連産業振興施策について」 87 (2) 岩手県における技術開発支援体制 岩手県は、競争力ある地域産業の活性化を図り、自立した地域経済基盤を確立するた め、県民所得の向上や地域雇用の拡大に大きく寄与する「ものづくり産業」の集積を促進 している。なかでも、自動車関連産業と半導体関連産業を戦略産業分野と位置付け、こ れらの産業の集積を通じて、基盤技術・産業人材の集積・高度化を進め、国際競争力あ る高度部材供給基地の形成により、あらゆる「ものづくり産業」に強みを発揮する岩手県 (連峰型の産業集積)の実現を目指している。 半導体関連産業については平成 20 年 3 月に設立した産学官のプラットフォーム組織 「いわて半導体関連産業集積促進協議会」を母体として、川上川下企業の連携交流の機 会拡大と新たな受注開拓、要素技術の高度化と独自技術の確立、企業技術者と新たなも のづくり人材の育成、太陽光発電・照明等の成長分野、医療機器・自動車等との連携、 農業など新たな分野との連携模索など、岩手の強みを生かした取り組みを進めている。 図表 IV-13 岩手県の「ものづくり産業成長戦略」 資料:岩手県商工労働観光部科学・ものづくり振興課資料 88 図表 IV-14 「いわて半導体関連産業集積促進協議会」の概要 資料:岩手県商工労働観光部科学・ものづくり振興課資料 89 4.産学連携による特定ものづくり基盤技術の高度化に向けて 半導体等製造装置に係る主要ユニットに関わるものづくり基盤技術及び地域の中 堅・中小企業の保有技術や大学・研究機関の蓄積等をふまえて判断をすると、今後さら なる高度化が求められる特定ものづくり基盤技術は、優先度順に①精密位置決め技術 (精密加工を含む)、②溶射技術、③溶接技術、④真空技術の4つと考えられる。以下、 技術毎に高度化の方向性と具体的なイメージをまとめた。 図表 IV-15 「中小ものづくり高度化法」の特定ものづくり基盤技術と半導体等製造 装置メーカーのニーズとの関係 技術分野 装置メーカーのニーズ が高い分野 1 組込みソフトウェアに係る技術 2 金型に係る技術 3 電子部品・デバイスの実装に係る技術 4 プラスチック成形加工に係る技術 5 粉末冶金に係る技術 6 溶射に係る技術 7 鍛造に係る技術 8 動力伝達に係る技術 9 部材の結合に係る技術 10 鋳造に係る技術 11 金属プレス加工に係る技術 ○ 12 位置決めに係る技術 ◎ 13 切削加工に係る技術 ◎ 14 織染加工に係る技術 15 高機能化学合成に係る技術 16 熱処理に係る技術 17 溶接に係る技術 18 めっきに係る技術 19 発酵に係る技術 20 真空の維持に係る技術 ○ ◎ ◎ ○ 注:◎は高度化の可能性が高いと考えられるものづくり基盤技術群。 資料:中小企業庁資料、ヒアリング調査から作成 90 図表 IV-16 半導体等製造装置主要ユニットに係るものづくり基盤技術の高度化 の方向性 基盤技術名 高度化の方向性 具体的なイメージ ①精密位置決め技術 精密切削・研削・溶接技術 ・ 圧電セラミックスによるアクチュ 等をベースにして、ソフト ウエア等で補正制御を加 えた複合的技術の高度化 エータ等の高度化。 ・ モーションコントロールとしてガ イド、搬送ロボット等の高度化。 ・ 大型ステージの開発による高度 が必要。 化。 ②溶射技術 ③溶接技術 ④真空技術 CVD、PVD 等と比べ、安 ・ セラミックス溶射技術と他のコー 価であるが、信頼性が劣る ティング技術との組合せによる信 溶射技術の高度化が必要。 頼性の向上。 歪みを極小化するととも ・ 摩擦攪拌接合(FSW)等によるス に、コスト低減・生産性向 テンレスの接合に向けた加工ツー 上に向けた高度化が必要。 ルの開発。 真空物の大型化に伴う溶 接、難削材加工技術の高度 化が必要。 ・ 大型化に対応した真空溶接技術の 向上。 ・ 難削材加工技術の開発。 91 V.ものづくり中堅・中小企業の半導体・FPD製造関連分野へ の参入促進に向けた方向性と対応方策 以上の現状・課題の分析をふまえ、地域のものづくり中堅・中小企業の半導体・FPD 等製造装置関連分野への参入促進に向けた方向性と対応方策(新規参入に向けた必要条 件、競争環境整備含む)について検討した。 1.半導体・FPD製造関連分野への参入可能性 ここでは、装置メーカーのニーズ調査や地域のものづくり中堅・中小企業へのヒアリ ング調査等をふまえ、市場・競争環境動向からみた参入可能性及びターゲットとなる参 入領域についてまとめた。 (1) 市場・競争環境動向からみた参入可能性 近年、半導体・FPD メーカーの寡占化が進む中で、装置メーカーもさらなるコストダ ウン、生産性の向上が求められるようになると見込まれる。半導体・FPD 等製造装置 市場は、既に寡占化しつつあり、取引関係も比較的固定化していると考えられるが、技 術革新が早い分野であるため、部材・加工技術とも常に新しい方向性を模索している。 半導体・FPD 関連産業は、金融危機の影響を大きく受けて、短期的に低迷を余儀な くされることがあっても、エレクトロニクス産業の要であり、今後の新興国市場の勃興 や電気自動車、太陽光発電等の環境・エネルギー産業の立ち上がりでさらなる飛躍を遂 げる可能性が高く、厳しい時代の今こそ耐えて生存競争に勝ち残れば、独自技術・ノウ ハウを持った企業として国内外を問わず、存在感ある企業になることが出来る。 この際、技術力がいかにあろうとも経営的に持続可能でなければ問題であるため、経 営力を併せもった総合的なポテンシャル向上に向けた取組みが必要である。東北地域に おいても、こうした総合的なポテンシャルを有する有力企業群が育ちつつあるが、まだ 絶対数は少ない状況にある。しかし、東北地域に、この危機を乗り越え、真の実力派企 業が増えて、連携による外部効果が本格的に現れてくれば、国内外を代表するものづく り基盤技術の集積地域として存在感が高まってくるだろう。 (2) ターゲットとなる参入領域 半導体・FPD 製造の前工程装置メーカーの技術開発ニーズに対応するものづくり基 盤技術は、新素材など大学等のサイエンスベースの知見を十分に活かした高度化が求め られる領域である。参入障壁は高いが、それを乗り越えると、競合企業との差別化を図 92 り、競争優位につながる可能性が高い。一方、後工程・検査工程の装置メーカーの技術 開発ニーズに対応したものづくり基盤技術は、金属加工技術が中心で、前工程の装置に 比べると、相対的に参入障壁が低いと考えられるが、精密駆動系等を中心に大学等の知 見をもとに高度化を図れる領域もある。 また、主要ユニット別にみると、装置の筐体やフレーム等の構造物であれば、板金加 工、溶接、プラスチック成形、めっき等で地域のものづくり中堅・中小企業が関わる余 地がある。しかし、これらの加工は既に外注化が進んでおり、価格競争も厳しく、装置 メーカーも海外企業との取引を含めてさらなる低コスト化が志向しており、技術開発に よる高度化の余地も少ない。海外企業の品質に見劣りはあるので、品質面で勝負をする という選択肢もあるが、海外企業の改良スピードも速く、計測技術等が飛躍的に進歩し ている現在であれば、品質だけで勝負をすることも難しくなりつつある。 装置のプラットフォーム・搬送系、精密駆動系は、前工程・後工程・検査装置のいず れでも共通であり、精密位置決め技術等が求められる。精密位置決め技術は、電子・ソ フトウエア等による制御が必要となるが、その前提として、精密切削・研磨等の高精度 の加工技術がものを言うため、本来、地域のものづくり中堅・中小企業が関わる余地は 多い。しかし、既に装置メーカーからの外注比率は高まっていることに加え、装置メー カーとしても競争力の源泉として、一定程度は内製化する動きもあるため、新規参入の 余地は大きいとは言えない。ただし、単独技術による参入は厳しいが、ユニット化、モ ジュール化を図り、装置メーカーの大幅なコスト低減、生産性向上に資する提案があれ ば、ビジネスの拡大の可能性もある。なお、構造物とは異なり、技術開発の高度化の余 地は大きく、特に精密駆動系のステージや静電チャック等の基板保持機構は、材料から 加工技術まで多様な組合せによる一層の高度化が可能である。 真空・ガス・給排水制御系、チャンバー系、は、前工程装置に特有であり、多種多様 な材料と加工技術による最適化が求められている。フランジ・配管等の溶接等も含めて、 地域のものづくり中堅・中小企業が関わる余地はあるが、真空ポンプやゲートバルブな ど特定部材も多く、ビジネスとしての参入領域は限られると考えられる。しかし、配管 内の無電解めっきなど技術開発の高度化の余地はあり、デバイスの製造ラインの生産性 のボトルネックとなっている点を解決することは可能である。 チャンバー系は、半導体等製造装置の心臓部・中核的なユニットであり、地域のもの づくり中堅・中小企業が既に関わっている例もあるが、ビジネスとしての参入障壁は最 も高いと考えられる。当然のことながら、技術開発の高度化の余地も大きく、プロセス 技術を理解しながら、歪みが少ない溶接技術やセラミックス溶射によるコーティング技 術など新たな材料にまで遡った提案、材料と新たな加工の最適な組合せ等を検討するこ とが求められる。 93 2.半導体・FPD製造関連分野への参入促進に向けた方向性(必要条件) (1) ユニット化、モジュール化への対応 装置メーカーのニーズをふまえると、東北地域のものづくり中堅・中小企業には、個 別のものづくり基盤技術の高度化のみならず、半導体等製造装置の生産性向上に資する ユニット化、モジュール化への対応が必要である。また、装置メーカーの技術・企業の コーディネート、技術の複合的な組合せへの対応ニーズは高く、広域連携の活用等も有 用であると考えられる。 (2) コンタミ対応、検査・測定機能の充実 コンタミ度や加工精度について、装置メーカーの許容レベルと中小企業が考えている レベルにはかなりの隔たりがあった。ものづくり中堅・中小企業が、鏡面加工をしたと 言っても粗さが全く異なっていたり、洗浄したといいながら、全くコンタミ対策が出来 ていなかったという例もある。 ある地域のものづくり中堅企業は、検査・測定装置を充実させてから、事業がうまく 機能するようになったとしており、自社あるいは大学、公設試験研究機関等の外部資源 を活用しながら、検査・測定機能を充実させることが重要である。 このことは、公設試験研究機関等の検査・測定装置の充実が、地域のものづくり中堅・ 中小企業の技術レベルや信頼性の向上に資するものであり、取引拡大や発展に寄与する ものになる可能性を示している。 (3) QCDEの総合的なポテンシャルの向上 装置メーカーは、ものづくり中堅・中小企業に対し、高度な技術力に加え、品質向上、 コスト低減、短納期・スピード対応、環境負荷の低減(QCDE)も含めた総合的なポテ ンシャルの向上を求めていた。半導体・FPD 等製造装置は、付加価値の高さゆえ、こ れまでコスト低減、生産性という観点から総合的なポテンシャル向上への要求は他業種 に比べて決して高いとは言えない状況だったが、装置メーカーの意識改革が急速に進ん でおり、それらを高めることが重要である。 (4) 品質面の連携から技術開発、さらにはマネジメント面の連携へと進化 ある装置メーカーは、中小企業をパートナーとして考え、技術開発から付き合いを始 めたが、なかなか上手くいかず、品質向上の取組みを強化した結果、意識が高まり、技 術提案等が出やすい企業体質になったとしている。従来のように技術開発による連携か ら入るのではなく、品質向上等の取組みによる連携で関係性を深めた上で、装置メーカ 94 ーのより高度なニーズを捉え、技術開発につなげていくという方法が最も効率的かつ効 果的な連携スタイルと考えられる。 さらに、技術開発の連携だけでなく、大学等の経営学部とのマネジメント面の共同研 究等の先進的な取組みを進めている地域企業もおり、従来の連携の枠を超えた新たな取 組みの動きも見られた。変化が激しい半導体・FPD 関連分野においては、今後、技術 に加え、マネジメント面での連携を推進することが重要である。 (5) アプリケーションに一喜一憂せず、中核的な技術力との相性や連続性を見極めた 「すり足型」の横展開 パソコンや携帯電話のようなわかりやすいキラーアプリケーションが見えにくくな っている中で、今後の成長分野として太陽電池、電気自動車等が連携した複合的なアプ リケーションが勃興してくると考えられる。しかし、ものづくり中堅・中小企業は、や みくもに情報収集をして、非連続的で不確実性の高いアプリケーションに振り回されて 一喜一憂するのではなく、中核的な技術との相性や連続性を十分に見極めた「すり足型」 の横展開を図ることが重要である。例えば、太陽電池製造装置は、半導体・FPD 製造 装置で技術力とビジネス力を培ってさえいれば、大きな参入障壁を感じることなく関わ ることが出来る。自社の中核的な技術は、当然分かっているつもりで、既に思考停止に なっていることも多い。中核的な技術の見極め作業は、遠回りのように見えるが、真の ニーズを確実に捉える近道である。 (6) フィールドサポート、メンテナンス等の関連企業との接点をきっかけに真のニー ズに接近 半導体・FPD 製造関連分野では、中長期的な市場拡大が見込まれながらも、コスト 要求が厳しさを増しているため、川下企業による装置部材等のメンテナンスに対するニ ーズが着実に高まっている。 しかし、半導体・FPD 関連川下企業のフィールドサポートやメンテナンスには既に 関連会社が連なっており、ものづくり中堅・中小企業による参入余地が大きいとは考え にくい。むしろ、メンテナンス等を直接ビジネスとするのではなく、既にメンテナンス に関わっている企業群との接点や連携を模索しながら、これらを足がかりとして信頼と 実績を得て、装置メーカーやデバイスの本音や真のニーズを確認できる関係を構築する ことが重要である。 既に、いわて半導体関連産業集積促進協議会(I-SEP)では、半導体メーカーや半導 体製造装置メーカーの協力と理解を得ながら、半導体製造装置のメンテナンス分野にお いて地域企業との WinWin 関係の構築を目指し、「半導体製造装置メンテナンス参入 研究会」を立ち上げている。東北地域の半導体工場は、300mm の最先端ラインだけで 95 なく、旧世代のラインも多く存在するため、地域に柔軟で小回りの利くフィールドサポ ート、メンテナンス等のニーズは高いと考えられる。 (7) 最先端技術による次世代装置と既存技術の組合せによる革新的装置の技術開発 につながる接点の模索 半導体メーカー等のマスクコストの増大による投資負担に加え、製品の市場投入まで の時間の短縮が求められる中、電子ビーム(EB)直描技術やインプリント技術等のマ スクレスリソグラフィーのような破壊的なイノベーションの可能性を見極めながら、次 世代を見据えた装置群に必要な技術開発を進めることが重要である。 例えば、EB 技術は、長年研究が続けられてきたが、スループットの課題の解決が難 しく、アプリケーションは限られていた。しかし、2009 年 2 月には、日米欧の関連企 業によって「eBeam イニシアティブ 」が発足し、課題解決に向けたインフラが整いつ つある。また、米検査装置大手の KLA-Tencor 社も、米国防省高等研究計画局(DARPA) と反射型電子ビーム・リソグラフィの研究を進め、EB を並列照射する方式でスループ ットの向上を目指しており、各社が次世代の最先端技術を見据えた技術開発の動きが活 発化している。 一方で、装置メーカーからは、最先端技術の追求だけではなく、既存技術の組み合わ せで新たな価値あるものを生み出すことも重要で、本当に良いものを安く作り上げてい くこともイノベーションであるとの指摘があった。近年、自動車産業に比べ、遅れをと っていた装置メーカーによる生産性向上の取組みも本格化しているため、革新的装置開 発に向けたコスト要求等の前提条件を十分にふまえる必要がある。 96 3.行政支援機関の方向性と対応方策(競争環境整備等) (1) 川上・川下企業の実効的なマッチング支援、段階的な対応 半導体・FPD 関連分野のデバイス、製造装置メーカー等の川下企業は、地域の中小 企業に高度な技術と提案力を求めているものの、情報の秘匿性・機密性が高いがゆえ、 自社のニーズを明らかにするインセンティブも少なく、そもそもニーズを明らかにする ような場が少ないと考えられる。よって、現段階ではある程度クローズなマッチングや 技術開発の支援スキームが必要である。 このため、相互の信頼関係を強化するためには、参加メンバー等をある程度絞ったク ローズな場で、装置メーカーのキーパーソンを講師としたニーズ説明会の開催が必要で ある。既に、行政主導で、地域外の装置メーカーから、材料や加工精度まで具体的かつ 詳細なニーズを説明するニーズ説明会等が開催されており、地域のものづくり中堅・中 小企業も高い関心を持ち、積極的に参加している。 川下メーカーとしては、高度な加工精度や技術を有するものづくり中堅・中小企業と のマッチングが簡単に進み、コラボレーションがスムーズに進展するとは考えておらず、 高いターゲットを決めて共有をしながら、すり合わせつつ、徐々に目標に近づけること が現実的と見ている。例えば、1ミクロン以下の加工精度、脆性材や取り扱いをしたこ ともないような難削材の高精度加工が必要とされた時に、地域のものづくり中堅・中小 企業は、自社の技術レベルでは到底対応できないとしてすぐに諦めるのではなく、将来 必要とされる高い技術・品質レベルを獲得する好機と捉えて、挑戦をしようとする気概 が求められる。川下メーカーも決して諦めない、こうした気概を心待ちにしている。 行政支援機関としては、品質、メンテナンス等いずれの領域からもでまずは装置メー カーとのビジネス上の接点を持った上で、本丸である技術開発で繰り返し提案を続けて いくような地域のものづくり中堅・中小企業群を見極めながら、それらの企業群を束ね て、装置メーカー等が欲している総合的なものづくり力の組合せを提供できるような土 台作りを進めるべきである。既に、地域における川上のものづくり中堅・中小企業群を 束ねて、川下メーカーとのマッチングを進める動きも出ているが、積極的に手を挙げて くる企業を中心に訪問ミッションを組成しつつも、こうした技術提案が必要ではないか という仮説提案型のミッションづくりを強化することが必要である。川下メーカーのニ ーズとのマッチングやコーディネートは非常に難しく、より専門性のあるコーディネー ターを育成していくことが重要である。また、川下メーカーのモチベーションが高まる ような仕組みを構築することも併せて重要である。 さらに、地域のものづくり中堅・中小企業が、中長期的を見据えた次世代装置開発、 半導体メーカーも巻き込んだフィールドサポート・メンテナンス等を足がかりにし、半 導体・FPD 業界のコンタミレス等の特殊事情や特有の取引・商慣行にも慣れた上で、 97 大学・公的研究機関等の知の蓄積を活用し、前工程装置メーカーを中心にした難度が高 く、差別化を図ることができる技術開発に挑戦する素地を整えるような「段階的な対応 モデル」が必要である。 (2) 装置メーカーのニーズとサプライチェーンの「見える化」と戦略的なマッチング 装置メーカーのヒアリング調査を進めていると、東北地域内にも隠れた実力派企業が 多く存在することを改めて確認をすることが出来た。装置メーカーは、グローバルな事 業最適化を図っているので、協力会社も特定地域へのこだわりなど全くないが、本調査 で改めて尋ねてみると、結果的に東北地域の協力会社とのつながりが大きかったという 企業もあった。現在は、大物高精度加工やコスト面でのメリットを感じての外注が多い と考えられるが、今後は、ユニットレベルでの発注の高度化や技術共同開発の連携も増 えてくると見込まれる。 本調査では、主要装置メーカーが集積している関東地域と東北地域のサプライチェー ンのつながりが想定以上に密であると考えられ、同じく半導体・FPD 産業の集積地で ある九州地域とは異なる優位性を持っていることが明らかになった。例えば、北関東地 域には、群馬のアドバンテスト、栃木・埼玉熊谷のニコン、栃木のキヤノン等の装置メ ーカーの拠点があるため、結果的に東北地域に対してサプライチェーンが広がりを見せ ていると考えられる。まずは、東北地域とのつながりの濃さを鑑みながら、ビジネスベ ースで相乗効果が高い大手川下メーカーとの戦略的なマッチングを図ることが有効か つ効率的であると考えられる。 (3) 業界団体等との連携の緊密化と拠点機能整備 半導体・FPD 関連の業界団体(SEAJ 等)は、人材育成、安全教育、知的財産など 豊富な支援メニューを有しているが、地域のものづくり中堅・中小企業にとってはまだ 敷居が高いものとなっているため、業界団体等との人的交流・連携の緊密化を図り、東 北地域における拠点機能の整備を進めることは重要である。 特に、業界団体等が充実させている人材育成支援事業のようにソフトの支援機能を強 化し、費用対効果を高めることが必要である。比較的、企業の関心を取り付けやすい人 材育成支援事業に加え、今後、業界の高度な技術、取引関係、競争環境の複雑化の中で、 知的財産の処理等の問題も増えてくると考えられるため、将来を見据えた仕込みの事業 についても腰をすえ、着実に強化を図る必要がある。 (4) 地域のものづくり「実力派小規規模企業」の維持とネットワーク化 企業ヒアリングの中で、従業員が数名の小規模企業で高い技術力を有している企業の 存在が指摘された。こうした小規模企業は、ホームページ等の情報も充実しておらず、 98 行政等のアンケート調査にも積極的に回答しない。口コミで紹介され、黙々と日々の業 務をこなしている可能性が高い。特に、半導体製造関連分野において要求される高度な 技術に対応できる企業は限られるが、金融危機の影響による厳しい市場環境が続く中で、 こうした小規模企業は事業承継もままならい状況にあると考えられる。一度失ったもの づくり基盤技術を取り戻すことは容易ではないので、こうした実力派小規模企業群を下 支えし、地域の底力を維持することは急務である。 (5) 地域ものづくり中堅・中小企業と公設試験研究機関との連携強化 東北域内では、大学のみならず、公設試験研究機関による半導体・FPD 製造装置に 関連する研究・技術開発が進められている。具体的には、青森県工業総合研究センター 八戸地域技術研究所では、「セラミックス上金属薄膜と金属線の接合技術」「熱歪の少 ない接合技術の開発」、宮城県産業技術総合センターでは、「SiC の超精密研削加工技 術の開発」「微細切削加工技術の開発」「通電加熱焼結法(SPS)を用いた機能性多孔 質体の開発」「高硬度材料の超精密鏡面研削加工技術」、秋田県産業技術総合研究セン ター高度技術研究所では、「半導体製造検査に関わる精密位置決めの研究」、山形県工 業技術センターでは、超精密加工テクノロジー開発支援事業として「超精密加工技術・ 評価技術の開発」「高硬度金型材・脆性材料の超精密微細加工技術の開発」「特殊加工 による微細堆積加工技術の開発」等が進められていた。 このように公設試験研究機関は、ものづくり基盤技術に係る実効性の高い研究開発を 進めていることに加え、技術開発等への志が高く、企業との連携にも熱心で地域の顔に さえなっている有力研究者も存在するので、競争と協調のバランスを取りながら、従来 の枠組みを超えた広域連携を強化することが求められる。 以上 99 VI.参考資料 ◆アンケート調査の調査方法(詳細) (1)調査手法 今年度は、初めての試みとして、回答をウェブ上で記入いただくウェブ調査とした。ウ ェブ調査のメリットは多数あるが、主なものとしては以下がある。 ウェブ調査のメリット ○過去の回答結果を表示させることができる(最大のメリット) ・変更がなければ再記入の必要が無く、調査対象者の回答労力が軽減される。 ・調査対象者が過去の回答を参照しながら変更・追記により回答できる。 ○回答ミスが無くなる 手書きのアンケートでは、本来数字を書いてほしい場所に文字が書かれていたり、1つ だけ選択してほしい設問に対して複数の回答がされていたりといった回答ミスがしばしば 起こりがちだが、ウェブ調査であれば、警告するようにできるため、回答ミスが無くなる。 ○回答漏れが無くなる 必ず回答してほしい設問は、回答漏れを警告するようにできるため、回答漏れが無くな る。また、ウェブ調査の傾向として、一般に回答者が自由記入欄に多く入力する傾向があ るため、記述量が増えることが期待できる。 ○回答入力時の手書きの読み間違い・入力ミスが無い 手書きの調査票から入力すると、どうしても読み間違いや入力ミスが生じてしまう可能 性をぬぐえないが、本人が入力しているため、それが無くなる。 ○回収状況をほぼリアルタイムに把握できる 郵送途上、開封作業途中、入力作業中等のタイムラグが発生しないため、専用のパスワ ードを入力して回答する方法をとれば、どの調査対象者がいつ回答したかをほぼリアルタ イムに把握できる。 ○未回答事業所に絞って督促状を発送できる 回収状況の把握にタイムラグがほぼ無いことから、一定の時点(○月○日○時時点)で 未回答の事業所に絞って、督促メールを送ることができる。 (2)案内方法 ①案内手段 昨年度または一昨年度に回答のあった事業所のうちE-mailアドレスの分かる事業所(注)に 対してはE-mailで連絡し、E-mailアドレスの分からない事業所および今年度新規に調査対 象とした事業所については案内状を郵送で送付した。また、調査開始後に調査対象に追加 100 した 1 事業所についてはE-mailで連絡した。なお、Emailで連絡した事業所のうち一部の事 業所については、先方希望により、郵送でも連絡した。 (注)“E-mail アドレスの分かる事業所”とは、昨年度「窓口 E-mail」に記入がある事業所または、 昨年度あるいは一昨年度に「(アンケートに回答を記入した)記入者 E-mail」に記入があ る事業所。 ②案内状の送付先 案内状は、できる限り個人宛で送る方が回答率の向上に結びつくため、昨年度または一 昨年度に回答のあった事業所については(E-mail 連絡先、郵送先ともに)、「お問い合せ 窓口」に記載があった場合は「お問い合せ窓口」宛(担当者名の記載があった場合は担当 者宛、部署名の場合は部署宛)に送付した。「お問い合せ窓口」に記載が無かった場合は 「記入者」宛に、いずれも分からない場合は「代表者」宛に、それも分からない場合は「事 業所名+御中」で送付した。 今年度新規に調査対象とした事業所については、調査開始後に調査対象に追加した 1 事 業所を除き、全て「事業所名+御中」で送付した。 ③案内方針 今年度は、より積極的・主体的に回答してもらうため、“アンケートへのご協力のお願い” という「依頼状」ではなく、“企業 PR に役立つガイドブックへの掲載を希望する企業を募 集します”という内容の「案内状」を送った。 (3)回答ウェブ画面の設計仕様 ①各事業所専用の回答ウェブ画面の提供 全ての事業所について、当該事業所専用の回答ウェブ画面を用意した。これにより、ど の事業所が回答済みかを随時把握することが可能となった。 なお、回答画面は、暗号化通信によりセキュリティ完備を図った。 ②回答ウェブ画面の場所の連絡方法 E-mail での連絡先については、Email 文中に各事業所の識別情報を組み込んだ URL を 記載し、各事業所は、そこをクリックするだけで、各事業所の専用画面にアクセスするこ とができるようにした。 昨年度または一昨年度に回答のあった事業所のうち E-mail アドレスの分からない事業所 および今年度新規に調査対象とした事業所に対しては、郵送した案内状中に記した URL の 画面において、各事業所個別の ID と事業所名を入力してもらって当該事業所であることを 確認した上で専用画面にアクセスしてもらった。 101 ③過去回答の表示方針 回答者の入力負荷を軽減するため、昨年度または一昨年度に公開を希望した事業所の <基本項目>と<ガイドブック掲載項目(公開項目)>については、回答ウェブ画面上の 回答欄に過去の回答を表示した。 しかしながら、万一の誤配送、事業所毎の個別 ID の他事業所への漏洩による情報流出を 回避するため、<非公開項目>は、公開を希望したか否かにかかわらず表示しなかった。 また、公開を希望しなかった事業所については、<基本項目><ガイドブック掲載項目(公 開項目)><非公開項目>のいずれも表示しなかった。 ただし、<基本項目>のうち一般にウェブサイト等で公開されている事業所名、代表者 氏名、住所、電話番号、FAX 番号、ホームページアドレス(URL)、本社所在地(東北 6 県以外の場合)に関しては、公開を希望しなかった事業所および今年度新規に調査対象と する事業所についても、あらかじめ把握している限りの情報を表示した。これは、これら の項目が入力ミスの起こりやすい項目である一方、全ての事業所について統一的な表記で 把握したい項目であるためと、少しでも回答者の負荷軽減を図るためである。 ④模範回答イメージの掲載 回答者に模範的な回答例を知ってもらうため、回答ウェブ画面上に、昨年度のガイドブ ック掲載項目(データベース公開項目)への模範的な回答例として、回答量が多く内容的 にも充実している1事業所(具体的には、(株)千田精密工業)の回答を(あらかじめ当該事 業所の許可を得た上で)掲示した。 また、郵送先事業所については、案内状を郵送する際、上記昨年度ガイドブック掲載項 目(データベース公開項目)への回答例とガイドブック表紙のコピーを同封した。 ⑤回答必須設定に関する方針 ウェブ調査では、回答漏れを警告するように設計することで回答漏れを防ぐことができ る。一方で、エラーメッセージがあまり多く出ると回答者の回答意欲をそぐのも事実であ る。本調査では、仮に無回答が多い設問が生じたとしても、回収サンプル数を増やす方針 を採ることとし、回答必須の項目は極力少なくすることとした。 (4)付加的調査目的 調査結果のうち福島県内事業所に関するものについては、本調査に加えて、「『TOH OKUものづくりコリドー』重点産業分野融合領域における基盤技術高度化モデル調査」 にも活用された。 102 4.調査対象事業所数と調査方法のまとめ 昨年度または一昨年度に回答のあった事業所か今年度新規に調査対象とする事業所か、 および E-mail アドレスが分かるか分からないかでマトリックス上に事業所数および上述し た調査方法を整理すると、以下の通りである。 調査対象事業所数 全体 合計 1,229 事業所 E-mailアドレスの分かる(注 1) E-mail アドレスの分からない 事業所(301 事業所) 事業所 福島県内 福島県外 福島県内 福島県外 185 事業所 281 事業所 647 事業所 (1,229 事業所) 116 事業所 (928 事業所) 昨年度または 300 事業所 89 事業所 一昨年度回答 E-mail で連絡 案内状を郵送して連絡 事業所 E-mail 文中の URL をクリックし 案内状中の URL において個別 ID (389 事業所) て専用画面にアクセス を入力して専用画面にアクセス 画面には過去回答を表示(注 2)(注 3) 画面には過去回答を表示(注 2)(注 3) 福島県内 福島県外 福島県内 116 事業所 184 事業所 23 事業所 福島県外 66 事業所 新規事業所 1 事業所 839 事業所 (840 事業所) E-mail で連絡 案内状を郵送して連絡 E-mail 文中の URL をクリックし 案内状中の URL において個別 ID て専用画面にアクセス を入力して専用画面にアクセス (注 3) 画面の回答欄はブランク 画面の回答欄はブランク(注 3) 福島県内 福島県内 福島県外 258 事業所 581 事業所 0 事業所 福島県外 1 事業所 (注 1)“E-mail アドレスの分かる事業所”とは、昨年度「窓口 E-mail」に記入がある事業所また は、昨年度あるいは一昨年度に「(アンケートに回答を記入した)記入者 E-mail」に記入 がある事業所。両方に記入がある場合は、「窓口 E-mail」を優先した。 (注 2)過去回答を表示するのは、昨年度または一昨年度に公開を希望した事業所の<基本項目> と<ガイドブック掲載項目(公開項目)>のみ。 (注 3) ただし、<基本項目>のうち一般にウェブサイト等で公開されている事業所名、代表者 氏名、住所、電話番号、FAX 番号、ホームページアドレス(URL)、本社所在地(東北 6 県以外の場合)に関しては、全事業所について、あらかじめ把握している限りの情報を表 示している。 103 5.案内状 次ページ以降に、案内状を掲載する。 (1)案内状 ①昨年度または一昨年度に回答のあった事業所のうち E-mail アドレスの分かる事業所に対 する E-mail による案内状 □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□ 「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」 情報更新・拡充のご案内 □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□ 昨年度・一昨年度は、東北経済産業局「東北地域ものづくり中堅・中小企業 の企業情報ガイドブック調査」に御協力を賜り、誠にありがとうございました。 この度、「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」に若干の 設問を追加し、第3回目の更新・拡充を行うこととなりました。 つきましては、ぜひご回答の更新をいただけましたら幸いです。 ご回答の更新は、インターネットの画面上に貴社の過去のご回答が表示され ますので、ご確認いただき、必要に応じて変更・加筆・削除をいただくだけで 簡単におこなっていただけます。(ただし、非公開項目は表示されません。) 回答〆切は12月19日(金)です。 *〆切日までにご回答が無かった場合は、昨年度または一昨年度にご回答 いただいた内容を、そのまま利用させていただきますので、ご了承のほど よろしくお願いいたします。 景気情勢も厳しい折、東北地域のものづくり企業の皆様に少しでもお役に 立てることを望んでおります。 積極的なご回答をお待ち申し上げております。 ★★★★★ 下記のホームページアドレス(URL)にアクセスし、「東北地域半導体等関連 ものづくり企業ガイドブック」ご回答画面から回答を入力・送信してください。 「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」ご回答画面アドレス https://secure.esumi.jp/research/2061591/?uid=E999999&pass=abcde 104 ※アドレスは1行です。メールソフトの設定により改行されている場合は、 アドレスをコピーし、ブラウザのアドレス欄に貼付してください。 ※回答途中のページを「お気に入り」登録されても、途中ページへ直接 アクセスすることはできません。 再開する場合は、必ずアンケートトップページから行ってください。 ※貴社のご回答が他人に見られることは無いようセキュリティ完備されており ますので、安心してご利用いただけますが、手書きでのご回答をご希望の 場合は、下記の連絡先までご連絡ください。 なお、本ガイドブックは、次の調査の一環として行うもので、お寄せいた だいた情報は調査報告書に活用させていただきますが、その際には、回答は 統計的に処理し、個別企業名が特定される形で公表することはございません。 ・「平成20年度東北地域モノ作り企業の半導体製造関連分野における 競争環境動向を踏まえた参入可能性等調査」 ・「『TOHOKUものづくりコリドー』重点産業分野融合領域における 基盤技術高度化モデル調査」(福島県内事業所のみ対象) また、ガイドブックに掲載して公開することを希望するとご回答いただいた 情報以外はガイドブックに掲載せず、東北経済産業局により適切な管理を いたします。 非公開情報が、今後の情報更新のご連絡および東北経済産業局の各種支援 制度等のご案内以外の目的に使用されることはございません。 ─────────────────────────────────── ■「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」に関する お問い合せ・ご連絡先 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 政策研究事業本部 経済・社会政策部 電話:03-6711-1241(月~金 10:00~17:00) Email:[email protected] FAX:03-6711-1291 *本調査は三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)へ委託して おこなっております。 同社とは秘密保持契約を交わしておりますので、安心してご回答を お寄せ下さい。 ─────────────────────────────────── ■「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」の趣旨に関する お問い合せ先 105 経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 情報・製造産業課 〒980-8403 宮城県仙台市青葉区本町3丁目3番1号 電話:022-215-7236 FAX:022-223-2658 E-mail:[email protected](石川) ------------------------------------ 《お預かりしている個人情報の取扱について》 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 本ご案内は、昨年度または一昨年度に「東北地域半導体等関連ものづくり企業 ガイドブック」作成のために行いました「東北地域ものづくり中堅・中小企業の 企業情報ガイドブック調査」にご回答いただいた事業所にお送りしています。 皆様の個人情報は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)の Web ページに 掲載致しております「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」 <ご参考 http://www.murc.jp/profile/privacy.html>に従い適切に取り扱いま す。 【利用目的】 お預かりしている個人情報は、本ご案内の発送、ガイドブックの制作および調査 の集計と分析のために利用させていただきます。また、東北経済産業局に提供し、 今後の情報更新のご連絡および各種支援制度等のご案内に利用させていただきま す。 ガイドブックに掲載して公開することを希望するとご回答いただいた情報以外は ガイドブックに掲載せず、個別企業名が特定される形で公表することはございませ ん。 【預託】 お預かりしている個人情報は、集計・発送作業等のために(株)エスミに預託して おります。(株)エスミは十分な個人情報保護の水準を備えており、契約等によって 保護水準を守るよう定め、適切に取り扱います。 【お問い合せ先】 お預かりしている個人情報の開示、削除等のお申し出、その他のお問い合わせに つきましては、上記「お問い合せ・ご連絡先」までご連絡ください。 ②昨年度または一昨年度に回答のあった事業所のうち E-mail アドレスの分からない事業所 に対する郵送による案内状 ③今年度新規に調査対象とした事業所に対する郵送による案内状 106 !封筒は捨てないでください! (ID番号等が必要になります) 「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」 情報更新・拡充のご案内 平成20年11月 経済産業省 東北経済産業局 情報・製造産業課 東北経済産業局では、これまで、東北地域のものづくり企業およびソフトウエア業、設計・デザイン 業の企業の皆様から、主要製品・技術とそのPRポイント、中核的技術の内容、強み・特徴など、通常 の企業情報データベース等では把握できない具体的な情報をお寄せいただいてそれを冊子「東北地域半 導体等関連ものづくり企業ガイドブック」に取りまとめ、東北地域内外の半導体製造装置メーカーをは じめとする最終製品メーカーに広く配布し、東北地域の中堅・中小企業の皆様の力量をPRすることで、 皆様の新規取引開拓のお手伝いをさせていただき、ご好評いただいてまいりました。 昨年度・一昨年度は、本ガイドブック作成のための「東北地域ものづくり中堅・中小企業の企業情報 ガイドブック調査」に御協力を賜り、誠にありがとうございました。 この度、「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」に若干の設問を追加し、第3回目の 更新・拡充を行うこととなりました。 つきましては、ぜひご回答の更新をいただけましたら幸いです。 ご回答の更新は、インターネットの画面上に貴社の過去のご回答が表示されますので、ご確認いただ き、必要に応じて変更・加筆・削除をいただくだけで簡単におこなっていただけます。(ただし、非公 開項目は表示されません。具体的な回答方法は、裏面をご覧ください。) *貴社のご回答が他人に見られることは無いようセキュリティ完備されておりますので、安心してご利用いただけ ますが、手書きでのご回答をご希望の場合は、裏面の連絡先までご連絡ください。 回答〆切は12月19日(金)です。 *〆切日までにご回答が無かった場合は、昨年度または一昨年度にご回答いただいた内容を、そのまま 利用させていただきますので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。 なお、本ガイドブックは、次の調査の一環として行うもので、お寄せいただいた情報は調査報告書に 活用させていただきますが、その際には、回答は統計的に処理し、個別企業名が特定される形で公表す ることはございません。 ・「平成20年度東北地域モノ作り企業の半導体製造関連分野における競争環境動向を踏まえた参入可能性等調査」 ・「『TOHOKUものづくりコリドー』重点産業分野融合領域における基盤技術高度化モデル調査」(福島県内事業 所のみ対象) また、ガイドブックに掲載して公開することを希望するとご回答いただいた情報以外はガイドブック に掲載せず、東北経済産業局により適切な管理をいたします。非公開情報が、今後の情報更新のご連絡 および東北経済産業局の各種支援制度等のご案内以外の目的に使用されることはございません。 景気情勢も厳しい折、東北地域のものづくり企業の皆様に少しでもお役に立てることを望んでおりま す。 107 積極的なご回答をお待ち申し上げております。 【ご回答方法】 下記のホームページアドレス(URL)にアクセスし、「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブ ック」ご回答画面から回答してください。 「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」ご回答画面アドレス(SSL 暗号化通信) https://secure.esumi.jp/murc/ 画面の《ID欄》に、封筒の宛名ラベルに印刷されているID番号を入力して回答を開始してください。 回答〆切は12月19日(金)です。 ※封筒の紛失等でIDが不明な場合は、[email protected] まで貴社名と所在県をご連絡いただくか、下記 お問い合せ先までご連絡いただければIDをお知らせします。 【「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」の回答方法等に関するお問い合せ・ご連絡先】 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 政策研究事業本部 経済・社会政策部 電話:03-6711-1241(月~金 10:00~17:00) FAX:03-6711-1291 *本調査は三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)へ委託しておこなっております。同社とは秘密保持契約 を交わしておりますので、安心してご回答をお寄せ下さい。 【「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」の趣旨に関するお問い合せ先】 経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 情報・製造産業課 〒980-8403 宮城県仙台市青葉区本町3丁目3番1号 電話:022-215-7236 FAX:022-223-2658 《お預かりしている個人情報の取扱について》 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 本ご案内は、昨年度または一昨年度に「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」作成のために行いました「東北地域 ものづくり中堅・中小企業の企業情報ガイドブック調査」にご回答いただいた事業所にお送りしています。皆様の個人情報は、三菱 UFJリサーチ&コンサルティング(株)の Web ページに掲載致しております「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」 <ご参考 http://www.murc.jp/profile/privacy.html>に従い適切に取り扱います。 【利用目的】お預かりしている個人情報は、本ご案内の発送、ガイドブックの制作および調査の集計と分析のために利用させていた だきます。また、東北経済産業局に提供し、今後の情報更新のご連絡および各種支援制度等のご案内に利用させていただきます。ガ イドブックに掲載して公開することを希望するとご回答いただいた情報以外はガイドブックに掲載せず、個別企業名が特定される形 で公表することはございません。 【預託】お預かりしている個人情報は、集計・発送作業等のために(株)エスミおよび印刷会社に預託しております。両社は十分な個 人情報保護の水準を備えており、契約等によって保護水準を守るよう定め、適切に取り扱います。 【お問い合せ先】お預かりしている個人情報の開示、削除等のお申し出、その他のお問い合わせにつきましては、上記「お問い合せ・ ご連絡先」までご連絡ください。 108 !封筒は捨てないでください! (ID番号等が必要になります) 「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」 新規掲載企業募集のご案内 平成20年11月 経済産業省 東北経済産業局 情報・製造産業課 東北経済産業局では、これまで、東北地域のものづくり企業およびソフトウエア業、設計・デザイン 業の企業の皆様から、主要製品・技術とそのPRポイント、中核的技術の内容、強み・特徴など、通常 の企業情報データベース等では把握できない具体的な情報をお寄せいただいてそれを冊子に取りまとめ、 東北地域内外の半導体製造装置メーカーをはじめとする最終製品メーカーに広く配布し、東北地域の中 堅・中小企業の皆様の力量をPRすることで、皆様の新規取引開拓のお手伝いをさせていただき、ご好 評いただいてまいりました。 この度、本冊子「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」の第3回目の更新を行うに当 たり、新たに本冊子への掲載を希望される企業を募集することとなりました。 本ガイドブックには、東北地域内に事業所を有し(本社は他地域にあっても構いません)、ものづく りおよび設計・デザイン、ソフトウエア開発、画像処理に取り組んでいる企業であれば、どなたでも掲 載可能です。 また、本ガイドブックは、主に全国の半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー、液晶製造装置メ ーカーを対象として配布いたします。既にこれらメーカーと取引されている企業のみならず、これから これらメーカーと取引を開始したいと希望している企業の掲載も歓迎しています。 掲載にかかる費用は無料ですので、ぜひご回答をお寄せいただけましたら幸いです。 回答〆切は12月19日(金)です。 なお、本ガイドブックは、次の調査の一環として行うもので、お寄せいただいた情報は調査報告書に 活用させていただきますが、その際には、回答は統計的に処理し、個別企業名が特定される形で公表す ることはございません。 ・「平成20年度東北地域モノ作り企業の半導体製造関連分野における競争環境動向を踏まえた参入可能性等調査」 ・「『TOHOKUものづくりコリドー』重点産業分野融合領域における基盤技術高度化モデル調査」(福島県内事業 所のみ対象) また、ガイドブックに掲載して公開することを希望するとご回答いただいた情報以外はガイドブック に掲載せず、東北経済産業局により適切な管理をいたします。非公開情報が、今後の情報更新のご連絡 および東北経済産業局の各種支援制度等のご案内以外の目的に使用されることはございません。 ご回答は、インターネット上で簡単におこなっていただけます。(具体的な回答方法は、裏面をご覧 ください。) *貴社のご回答が他人に見られることは無いようセキュリティ完備されておりますので、安心してご利用いただけ ますが、手書きでのご回答をご希望の場合は、裏面の連絡先までご連絡ください。 景気情勢も厳しい折、東北地域のものづくり企業の皆様に少しでもお役に立てることを望んでおりま す。 積極的なご回答をお待ち申し上げております。 109 【ご回答方法】 下記のホームページアドレス(URL)にアクセスし、「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブ ック」ご回答画面から回答してください。 「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」ご回答画面アドレス(SSL 暗号化通信) https://secure.esumi.jp/murc/ 画面の《ID欄》に、封筒の宛名ラベルに印刷されているID番号を入力して回答を開始してください。 回答〆切は12月19日(金)です。 ※封筒の紛失等でIDが不明な場合は、[email protected] まで貴社名と所在県をご連絡いただくか、下記 お問い合せ先までご連絡いただければIDをお知らせします。 【「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」の回答方法等に関するお問い合せ・ご連絡先】 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 政策研究事業本部 経済・社会政策部 電話:03-6711-1241(月~金 10:00~17:00) FAX:03-6711-1291 *本調査は三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)へ委託しておこなっております。同社とは秘密保持契約 を交わしておりますので、安心してご回答をお寄せ下さい。 【「東北地域半導体等関連ものづくり企業ガイドブック」の趣旨に関するお問い合せ先】 経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 情報・製造産業課 〒980-8403 宮城県仙台市青葉区本町3丁目3番1号 電話:022-215-7236 FAX:022-223-2658 《お預かりしている個人情報の取扱について》 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) 本ご案内は、「東北の自動車関連企業マップ」(東北経済産業局、2007 年 3 月 31 日)、「TOHOKU ものづくりコリドー光産業関連 企業集積」(2008 年 3 月)掲載事業所にお送りしています。皆様の個人情報は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)の Web ページに掲載致しております「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」に従い適切に取り扱います。<ご参考 http://www.murc.jp/profile/privacy.html> 【利用目的】お預かりしている個人情報は、本ご案内の発送、ガイドブックの制作および調査の集計と分析のために利用させていた だきます。また、東北経済産業局に提供し、今後の情報更新のご連絡および各種支援制度等のご案内に利用させていただきます。ガ イドブックに掲載して公開することを希望するとご回答いただいた情報以外はガイドブックに掲載せず、個別企業名が特定される形 で公表することはございません。 【預託】お預かりしている個人情報は、集計・発送作業等のために(株)エスミおよび印刷会社に預託しております。両社は十分な個 人情報保護の水準を備えており、契約等によって保護水準を守るよう定め、適切に取り扱います。 【お問い合せ先】お預かりしている個人情報の開示、削除等のお申し出、その他のお問い合わせにつきましては、上記「お問い合せ・ ご連絡先」までご連絡ください。 110 (2)督促状 E-mail アドレスの分かる事業所のうち督促状発信時点で未回答の事業所に対してのみ、 督促状を送信した。 6.発送回収状況 (1)発送回収日 2008 年 11 月 25 日(火) ○Email による案内状発信日 *一部配信エラー等により後日配信した先あり ○郵送による案内状発送日 2008 年 11 月 26 日(水) ○Email による第 1 回督促状発信日 2008 年 12 月 15 日(月) ○案内状に記載の〆切日 2008 年 12 月 19 日(金) ○Email による第 2 回督促状発信日 2008 年 12 月 22 日(月) ○実際の回収〆切日 2008 年 12 月 26 日(金) (2)発送回収状況 今年度は、回答更新の意志の無い場合は回答を更新しなくてもよいこととし、回答更新 の無かった場合は、昨年度または一昨年度の回答内容をそのまま利用した。 発送数 全体 421 今年度回答更新/新規回答 154 今年度回答無更新 267 合計 389 今年度回答更新 122 今年度回答無更新 267 計 300 スの分かった事 今年度回答更新 109 業所 今年度回答無更新 191 合計 1,229 有効回答率 総計 昨年度または一昨 総計 有効回答数 389 年度回答事業所 E-mail ア ド レ E-mail ア ド レ 計 300 計 89 スが不明だった 今年度回答更新 13 事業所 今年度回答無更新 76 合計 32 新規事業所 E-mail ア ド レ 計 合計 89 840 総計 34.3% 合計 100.0% 計 100.0% 計 100.0% 合計 38.1% 計 1 計 1 計 100.0% 計 839 計 31 計 36.9% スの分かった事 業所 E-mail ア ド レ スが不明だった 事業所 111 平成 20 年度 市場環境評価調査費 東北地域モノ作り企業の半導体製造関連分野における 競争環境動向(市場や競争環境の変化)を踏まえた参入可能性等調査 調査報告書 平成 21 年 3 月 発 行 : 経済産業省 東北経済産業局 地域経済部 〒980-8403 仙台市青葉区本町 3 丁目 3 番 1 号 電話:022(263)1111(代表) 情報・製造産業課 FAX:022(223)2658 調査委託先 : 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 ※無許可の転載・掲載を禁じます。