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ITをベースとした サプライチェーン間 BPRへの取り組み

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ITをベースとした サプライチェーン間 BPRへの取り組み
ITをベースとした
サプライチェーン間
BPRへの取り組み
日本ユニシス株式会社
I&Cシステム部 コンサルテーション室
QR担当部長
金谷 範之
サプライチェーン
マネジメント・システムの背景
最近サプライチェーン・マネジメント・システム(SCM)
が脚光を浴びている。単なる取引先とのEDI(電子デー
タ交換)を指す場合や、製造業における資材調達から製
品デリバリーまでのプロセスを包含する管理システムを
意味するように、いろいろな捉え方があるが、一般的に
は次のように説明することができるのではあるまいか。
「原料・資材・商品の調達、在庫管理、生産管理、製品・
商品の販売から配送といった企業活動の全プロセスで関
わってくる川上から川下までのさまざまな取引先企業と
の関係を体系的に捉え、最も効果的な企業活動をするた
めに標準的な情報システムを使って、総合的に経営資源
20
図1 CALSによる構造改革
生産・調達・運用支援・統合情報システム
(Continuous Acquisition and Life-cycle Support / Commerce At Light Speed)
CALSのあゆみ
80年代前半
’
兵器マニュアルのペーパーレス化
(国防総省)
84∼’
’
86年
兵器の開発・調達業務の電子化
(国防総省) MIL規格
90年代初
’
米国・防衛産業の競争力の飛躍
的向上
92年
’
CALSによる米国製造業の再生
宣言(商務省)
92年以降
’
製造業を中心に国際競争力の大
幅な回復
→国の調達がCALSに
→全業種へ拡大
CALS:
情報技術の標準化
STEP:CADデータ交換のための国際規
格(ISO)
IGES:異なるメーカーCAD間でのデータ
交換時に使用する中間ファイル・フォ
ーマット(ANSI)
SGML:文書や書籍の論理構造や意味構
造をマークで記述するための言語(ワ
ープロ文書等の共通化)
MPEG:動画像のデータ圧縮の国際規格
EDIFACT:EDIの国際標準
(’
88年国連
欧州経済委員会で採択)
CII:日本国内でのEDI標準
Center for the Informatization
of Industry
ハイテク艦船
“イージス艦”
に至っては文書一式の重さが
23.5トン、宇宙ステーション・フリーダムの技術文書は
186万ページということだ。もともと兵器のマニュアル
はボリュームがあるが、その傾向はマイクロコンピュー
タの機能を組み込んだハイテク兵器になるほど著しくな
る。
こうなると一旦事故が発生すると大変だ。マニュアル
のトラブルの個所を記載したところを探すのでさえ大変
な作業になってくる。
を活用・管理するための経営手法」…と。
このような状況に危機感を持った米国国防総省は
‘80
もう少し短く分かりやすく表現したいのだが、言いた
年代前半兵器マニュアルのペーパーレス化(電子化)を進
いことを盛り込むとこんな表現になってしまう。SCM
める。マニュアルにはCADで書かれた図面があり、写
をもう少し系統的・立体的に理解するためには、「CALS」
真もワープロで書かれた文章もある。ところがCADに
と「QR」「ECR」について振り返るのが早道ではないかと
もいろいろな方式があり、マクダネル・ダグラスのもの
考えている。
と、ダッソーのものとではデータレベルでも互換性がな
い。ワープロも、例えば一太郎とMS-WORDとは互換
CALS効果の意味するところ
つい2∼3年前CALSは大いに語られ、もてはやされた。
性がないのと同様に、英文ワープロの世界もメーカが違
えば互換性がないわけだ。兵器マニュアルの電子化に着
手するためには、CADにしろワープロや写真データの
書店の一等地のコーナーにはCALS関連の図書がうず高
持ち方にしろ、まず国防総省として標準的な方式を策定
く積まれ、ビジネス関連図書のベストセラー・ランキン
する作業から着手せざるを得なかったのである。
グにはCALS関連の著作が必ず顔を出していた。
F-16型ジェット戦闘機のマニュアル一式が3、500冊、
こうして図1にあるような、情報技術の標準化がなさ
れていった。
21
STEP ( Standard for the Exchange of Product
model data ) はCADデータ交換のための規格であり、
ークが、間違いやミスによるロスを決定的に排除し、後
IGES ( Initial Graphics Exchange Specification )
戻りをなくし、コラボレーション(協創)効果を高め、ス
は中間ファイル・フォーマットを標準的に定めたもの、
ケジュール管理を徹底させ、結果として全体のコストを
SGML(Standard Generalized Markup Language)はワ
押さえ、生産性を驚異的に向上させたのである。こうし
ープロ文書の共通化を図るための言語である。情報技術
て米国防衛産業の競争力は飛躍的に向上していった。
の標準化に目処がついたとき、米国国防総省は兵器の開
これを見ていた米国商務省は、
‘92年に標準情報技術
発・調達を電子化することを決め、そのために「MIL規
をベースとしたネットワークによる生産・販売方式を米
格」を提示した。軍の調達に応じようとすれば標準情報
国製造業復権の切り札として取り入れるわけである。こ
規格を使って開発・調達せざるを得ないわけだ。こうし
の恩恵を最も受けたのが、日本に押されていた米国自動
て標準情報技術を使った生産やEDIが普及していく。こ
車産業であろう。クライスラーの復活はアイアコッカの
れが初期の「CALS」の歩みである。
サクセス・ストーリーとして語られているが、実は
CALSの採用は予期せぬ副次的な効果を産むことにな
CALSの効果によるものだ。こうしてCALSはコンカレ
る。大型案件の開発・生産には複数の企業がジョイント・
ント・エンジニアリングを可能にし、本格的エレクトロ
ベンチャーとして参画する。彼らは標準情報技術を使っ
ニック・コマースの時代の幕を開いた。
て企業間でCADデータをやりとりし、中枢コンピュー
もともとCALSは軍の兵站をサポートするシステムを
タへ設計書ファイルを読みにいき、進捗を報告し、設計
意味していた。それが生産・調達・運用支援・総合情報シ
変更の通知を受けるわけである。
ステムとして使われたが、最近は「Commerce At Light
図2 米国にみるQRの拡大・進化・発展のプロセス
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このような標準情報技術をベースとした生産ネットワ
Speed」、つまりエレクトロニック・コマース(EC)の同
ンになるが、まとまった量(ロット)を発注せざるを得ず、
義語のように使われている。しかし、ここで指摘したい
納期までの時間は長くなる。また一度発注すれば仕様変
のは
“CALSは標準的な情報技術を使って、関連する企
更は難しく、感性やセンスといった高付加価値への対応
業間・サプライチェーンをシステム的に結合し、生産・調
も一般的には難しい。このような輸入品に対抗するため
達・販売の仕組みを飛躍的に効率向上させる”
ということ
には、「消費者が望むものを、必要なときに、必要な量、
だ。
適切な場所へ、競争力のある価格で、提供する仕組みを
作る」ことが極めて有効になってくる。つまり、「シーズ
QR登場の背景とBPR効果
一方、
‘80年代前半の米国繊維・ファッション産業は
景気後退期にあり、消費の冷え込み、ウオルマート、K
ン立ち上がり当初に必要な最低量の商品を市場に投入
し、日々の売れ行きや消費者の反応を見ながら追加補
充・改善ができる仕組みを作る」ことが
“勝ち残りのプロ
グラム”
となる。
』
マートなど、ディスカウンターの台頭による低価格戦争
だが、このような仕組みを作り上げるには、サプライ
とこれに起因する中南米・東南アジアからの輸入品の急
チェーンの一部分しか担当しない1つの企業だけの試み
増、そしてこれに対抗するために製造業のコスト削減を
と努力だけでは不可能である。つまり、糸から商品が消
狙った海外脱出とそれに伴う国内の空洞化…といったよ
費者に渡るまでのサプライチェーンに関わる、すべての
うに、今日の日本に大変よく似た状況にあった。
企業が、パートナーシップをベースに戦略的に連携し、
各企業は、さまざまなリストラや情報システムを駆使
した改善努力を行ったが、問題の本質が企業の枠組みを
無駄を省き、1つの企業体として有機的に結合し協創す
ることが必要になってくるからである。
超えた構造的なものであっただけに、1社だけの努力で
そのためには情報システムの基本的な技術の部分が共
は大した成果を上げるには至らなかった。このような状
通化(標準化)されていることと、さらに、企業間をまた
況下、コンサルタント会社カートサイモン・アソシエー
がった最適な仕事の流れをゼロ・ベースで設計し、それ
ツが発表した次の調査データは米国繊維産業の構造改革
を標準的な情報システムで実現するBPR(ビジネス・プロ
に大きなヒントを与えるものであった。
セス・リエンジニアリング)が不可欠になる。
①糸から商品になって店頭に並ぶまでのサプライチェー
標準的な情報システムは
“勝ち残りプログラム”
を作り
ンにかかる時間は平均66週間、そのうち生産に必要
上げるための、すべてのベースとなるものであった。発
な時間は11週間、残る55週間は滞留時間であり、こ
注や納品データのもととなるバーコードやデータ伝送の
れがロスの大きな原因になっている
手順などが、サプライチェーンを構成する企業間で共通
②サプライチェーンに要する時間が66週間 ( 1年4カ月
のものが使われなければ効率が悪いし、多くの無駄・ロ
弱)も必要なことから
“見込み生産”
にならざるを得ず、
スが発生することになる。つまり、多くの企業間で小売
結果としてプロダクトアウト的供給体制になり、売れ
店頭の売上や在庫を、色・サイズ別といった単品(SKU)
残り、見切り(マークダウン)、欠品(機会損失)などの
レベルで把握し、その情報をEDI(電子データ交換)で川
ロスが発生し、これらのロスの総額が全売り上げの
上(生産・加工業者)にフィードバックすることが重要だ
26%にもなる
が、その基本となるバーコードやデータの伝送方式がバ
このレポートをもとにミリケン社(テキスタイル)やデ
ラバラでは対応処理が大変になるわけである。また、物
ュポン、カートサイモン・アソシエイツが中心になって
流に関しても各企業独自のコード体系や処理方法を採っ
競争力回復のために次のような戦略プログラムを提唱す
ていたのでは、そこと取引する企業は相手先企業ごとに
る。
対応システムを作らざるをえず、その無駄なコストは最
『海外からの輸入品は人件費が安くつく分コストダウ
終的には消費者が負担することになる。
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米国の凄さは、これらの情報システムのベースとなる
たダイナミック補充システム(DRS)、リアルタイム・ベ
基本的な部分の標準化を民間のボランタリー団体が行っ
ースで相手方の在庫情報を把握するRTI、小売店頭での
ていることだ。UPCコード(日本のJANに相当)によるソ
作業負荷軽減を狙ったフロアレディ・マーチャンダイジ
ースマーキング、X.12による標準EDI、物流バーコー
ング、出荷ラベル(SCM)と事前出荷通知(ASN)による検
ドのUCC128、4レベルPLU方式POS、UPCデータベー
品レス・システム…etcが有名だ。
ス・サービス機構などの標準仕様ともいうべき情報技術
これらはすべて相手先企業とのパートナーシップをベ
とインフラが整備されていった。標準商品コードである
ースに開発された
“戦略プログラム”
であり、QRの成果
UPCの普及とそのデータベース・サービス会社の機能に
そのものでもあった。
より、全商品について全米レベルのPOSデータ分析が
このように米国で誕生したQRは、サプライチェーン
できるし、X.12を使えば、どの企業とも標準方式のEDI
に関わる企業がパートナーシップをベースに、標準的な
でデータのやりとりが可能になってくる。
情報技術を活用してサプライチェーンを、
“ショート、
米国で飛躍を遂げた企業はこのような標準仕様の情報
技術とインフラをベースに、消費者が求める商品を、適
スリム、スピーディ(3S)”
にBPRすることが究極の狙い
である。
時、適量、適所、適価で提供する仕組みをサプライチェ
ーン間企業の協創により実現していった。
このようなサプライチェーンを通しての業務改革・
BPRをQRと呼んだが、この
“QRアプローチ”
が必ずし
も当初から全米の企業に受け入れられたわけではない。
一方米国の食品・雑貨業界ではUPCコードの採用は
‘73年からスタートし、現在では、ほとんどすべての商
すでにSIS(戦略情報システム)で情報武装しているとこ
品にUPCのバーコードがソースマーキングされている。
ろなどは、「今さらなにを…」といった調子であったし、
また受発注には早くからEOSが採用されるなど、業務
商品コードが5桁では服種・色・サイズといった付帯デー
効率化への対応は早かった。しかしサプライチェーンに
タまで表現できないといったような理解不足、誤解、抵
関係する企業がパートナーシップをベースにBPRを追
抗、戸惑い、拒否反応などが、あらゆる局面であったの
求するといった動きには発展しなかった。だが、繊維フ
は事実だ。しかし小売業を中心にQRに取り組んだ多く
ァッション産業のこれまで述べてきたような構造改革の
の有力企業が、単なる社内業務の改善にとどまらず、在
成果、そして繊維産業に追随しQRの効果を上げていっ
庫の削減、売れ筋へのタイムリーな対応、欠品の減少、
たインテリア・ファブリックス産業など住居関連用品の
見切りロスの削減といった目覚しい成果を上げるように
業界の動向は食品業界に大きなインパクトを与える。
なると、これに追随する企業が増えてくる。こうして米
改革運動のキックオフの役目を果たしたのは、メーン
国のQRは拡大していき、トータルとして米国の繊維産
州のスーパーマーケット
“ショーズ”
のオーナー、D.ジェ
業の競争力は回復していったのである。
ンキンスであり、それに賛同し、いち早く高度な情報シ
米国は、サプライチェーンを通して消費者が望む商品
を、適時、適量、適所、適価で提供し、消費者にとって
ステムでサプライチェーン間の新しい仕組み作りに乗り
出したのがウオルマートであった。
利益にならない無駄な部分を排除する仕組みを構築する
食品業界の小売業を中心とした構造改革の方向は、繊
過程において、さまざまな戦略的なアプローチを生み出
維/ファッション産業や住居関連業界とまったく同じで
していった。
あるといっても差し支えないと思われる。改革の方向は
POSデータを小売からベンダヘ提供する代わりに、
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ECRの概念とその狙い
1つの企業だけの努力というより、
『サプライチェーン
提供された方が商品の補充・品揃えに責任を持つVMI(ベ
に関連する複数の企業が、パートナーシップをベースに
ンダ主導在庫管理)、自動補充に販売予測数値を加味し
標準的な情報技術と情報インフラの上に、ミスやロスを
図3 QRとECRの発展過程
削減し競争に勝ち残るための戦略的な仕組みを作り効果
を上げていく』
という複数企業の
“協創”
によるものであ
る。
こうした繊維・ファッション産業へのキャッチアップ
という形でスタートした食品業界の動きを、QRに対し
て「ECR」(Efficient Consumer Response)と呼んでい
る。
(図3参照)
QRもECRも基本的なコンセプトが同じであるだけに
“両者を統合し「TCR」(Total Consumer Response)と呼
んだら…”
という働きかけもなされたが、まだ実現には
至っていないようだ。
これからの情報システムへの期待
話は変わるが現在稼働している我々の情報システム
は、汎用機やオフコンをベースに10年、いやそれより
ずっと以前に開発されたものが多いと思われる。稼働シ
ステムの内容が陳腐化してきたことと、ハードウェアの
老朽化への対応のためコンバージョンを重ね、それに建
25
て増し方式のシステム構築を行ったことによりシステム
イヤも多い。
が、つぎはぎ的迷路状態になっていること、2000年対
しかし初期のどちらかといえば、その企業単独の全社
応ができていないことなどにより、新しい情報技術やイ
システムを対象としたERPと違い、最近は関連する企
ンフラ(インターネット/イントラネット、マルチメディ
業(サプライチェーン)とEDIを介して連携するSCM
ア、パソコンを主体としたオープン・システム等)を採用
(Supply-Chain Management)の概念を取り込んだシス
して全面的にシステムを見直し、再構築をしたいという
テム化が求められている(ERP2と呼ぶこともある)。も
(図4参照)
はや1つの企業単独のシステム化では、BPR効果は大し
このようなシステム環境への対応として最近ERPと
たものにはならない。サプライチェーンを通じてスリム
S C M の概念が持ち出されるようになった。E R P
でショート、スピーディな仕組みを構築することが必要
(Enterprise Requirement Planning)は、製造業のMRP
になってきたわけだ。これまで述べてきたようにCALS
(Material Requirement Planning:生産計画に合わせて
やQR、ECRの流れに沿ったシステム化が今まさに求め
必要資材をジャスト・イン・タイムで調達し製造過程を効
られているのである。
ところが多い。
率化する手法)を企業の全領域へ拡大したもので、「全社
の経営資源を把握しそれを経営計画に基づき最適配分
し、それぞれの事業の進捗を管理・補正する手法」といっ
た意味で使われている。最近はそのシステム化アプロー
サプライチェーン間BPRを
目指した取り組み
チとしてオブジェクト指向の技術を取り入れ、ソフトウ
ェア部品を多く揃えてパッケージ化対応しているサプラ
図4 情報システム技術の発展とシステム化の変遷
26
中小企業庁のこれまでの情報化支援策は中小企業がコ
ンピュータ・システムを導入したり、ソフトウェアを開
発した場合、税制面で優遇策を講じたり、システム化資
のか今から楽しみである。
厳しい状況に置かれた国内産業の復活をかけた取り組
金を補助するといった直接的施策がほとんどであった。
みが、サプライチェーン間のBPRを推進するシステム
しかし平成9年度から次のような野心的かつ効果的施策
化という試みで開始されている。システム・コンサルタ
がIPA(情報処理振興事業協会)を通しての事業として講
ントとして、このような業界全体での全国ベースの取り
じられている。
組みにお手伝いをさせて頂けることに、大きな喜びを感
(製
『同一業種の日本を代表する業界団体が
“製・配・販”
じている。
造・卸・小売)でコンソーシアムを組み、それぞれの団体
傘下の企業から選出された代表委員が集まり、製・配・販
を一気通貫する形で業務プロセスのBPR案を抽出し、
それをもとに製・配・販各レベルの企業システムをモデル
化し業務アプリケーション・パッケージを作成する』
とい
ったものである。
作られるソフトウェアは、Windows95/NTベースの
ハードウェアで稼働するものであり、できあがったシス
テムは廉価でその業界に普及させるという方針がある。
つまり国の予算で中小企業向けに、製造―卸―小売とい
うサプライチェーン間BPR対応システムを作ろうとい
う企てである。日本を代表する特定業種の製造・卸・小売
の業界団体が集まって、取引方法や、物流、決済にいた
る企業活動全体のあり方について話し合い、最適・合理
的な方法をサプライチェーン間で抽出し、それをもとに
システム化するという画期的な施策である。
日本ユニシスは、この施策に協力し平成9年度はユニ
フォーム業界の、平成10年度はカーテン・カーペット業
界のサプライチェーン間BPR案抽出作業を「BOIM」を使
ってお手伝いさせて頂いている。ユニフォームでは27
名の製・配・販の代表委員が5カ月間、延べ40日にわたる
「BOIM」を使った作業を通じて、サプライチェーンのあ
るべき姿とシステム化要件を抽出した。この作業を通じ
て描き出されたBPR案については別途報告させて頂く
として、現在それに基づく業務パッケージをイントラネ
ットの技術を用いて開発中である。ノート型パソコンと
携帯電話を活用したモバイル・コンピューティングによ
る営業支援業務システムなど、かなり画期的なシステム
が完成しそうだ。
カーテン・カーペット業界では現在36名の代表委員に
よる作業が始まっている。これもどのような成果が出る
27
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