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『Loopamp® P450 タイピング試薬キット』新発売のお知らせ
News Release 平成 16 年 12 月 17 日 ‘栄研’ 各 位 会社名 栄研化学株式会社 代表者名 代表取締役社長 黒住 忠夫 コード番号 4549 東証 1 部 『Loopamp® P450 タイピング試薬キット』新発売のお知らせ 栄研化学株式会社(本社:東京都文京区、以下 栄研化学)は、栄研化学の遺伝子増幅 技術 LAMP 法#1を利用し、薬物代謝関連遺伝子であるチトクローム(Cytochrome) P450 CYP2C19 遺伝子、並びに CYP2C9 遺伝子の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism;SNP)#2をタイピングするための研究用試薬キット 3 項目を 12 月 24 日に新発売いたします。 新発売する 3 項目 『Loopamp®P450 タイピング試薬キット(CYP2C19*2)』 『Loopamp®P450 タイピング試薬キット(CYP2C19*3)』 『Loopamp®P450 タイピング試薬キット(CYP2C9* 3)』 チトクローム P450(CYP)# 3 は肝臓に存在する酵素で、薬物代謝の主たる働きを 担っております。個人の薬物応答性、副作用発現の相違は薬物代謝酵素の遺伝子多型 に起因し、CYP は主に臨床で使用される薬物の約 8 割を代謝・解毒することから、 投与された薬物の体内動態は個人の CYP の代謝能に影響されることが明らかになっ てきております。 特に CYP2C19 遺伝子、並びに CYP2C9 遺伝子では、臨床的に代謝能の変化を 示す遺伝子多型が明らかとなっており、そのタイピング結果は薬物治療の用量調整に 関する重要な情報と期待されております。このため、オーダーメイド医療あるいは 医薬品開発などへの利用が広がりつつあります。 本 3 項目の試薬キットは、それぞれ LAMP 法原理の応用として開発した SNP タイピング原理を用いて、精製ゲノム検体を鋳型に CYP2C19 遺伝子の SNP である *2 allele(スターツーアリル)、*3 allele(スタースリーアリル)、CYP2C9 遺伝子の SNP である*3 allele(スタースリーアリル)をタイピングする試薬キットです。 検体から抽出された DNA の増幅から遺伝子型の判定までを一連の操作のなかで行う ことができ、市販のリアルタイム蛍光測定装置を用いて 60℃、35 分反応させるだけ で迅速にタイピングできます。 栄研化学は、今後、医療機関や製薬企業との間で研究データを取得し、オーダー メイド医療の普及に貢献いたします。 以上 [製品概要] 製品名:『Loopamp®P450 タイピング試薬キット(CYP2C19*2)』 『Loopamp®P450 タイピング試薬キット(CYP2C19*3)』 『Loopamp®P450 タイピング試薬キット(CYP2C9* 3)』 希望納入価格:各 60,000 円(1キット、税別) 包 装:1キット 24 テスト分 貯 法:−20℃に保存 販 売:栄研化学株式会社 【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】 栄研化学株式会社 広報部 TEL:03(3813)5405 、FAX:03(3813)2206 、e-mail:[email protected] ホームページ http://www.eiken.co.jp 【製品に関するお問い合わせ先】 栄研化学株式会社 マーケティング統括部 遺伝子検査チーム TEL:03(3634)2165 、FAX:03(3634)2636 、e-mail:[email protected] 【用語解説】 LAMP 法 #1 栄研化学が 1998 年、PCR 法に代わる遺伝子増幅技術として、独自に開発した 新しい遺伝子増幅法です。反応は、サンプルとなる遺伝子、プライマー、鎖置換 型 DNA 合成酵素、基質等を同一容器に入れ、一定温度(60∼65 ℃)で保温するこ とにより、増幅から検出までを 1 ステップの工程で行うことができます。鋳型が RNA の場合でも、逆転写酵素を添加するだけで DNA と同様に増幅が可能です。 増幅効率が高く、DNA を 15 分∼1 時間程度で 109∼1010 倍に増幅することができ、 また、極めて高い特異性をもつため、目的とする DNA 配列の存在を増幅産物の 有無で判定することができます。(詳細 http://loopamp.eiken.co.jp/) なお、「Loopamp®」は、栄研化学の LAMP 法製品のブランドネームです。 # 2 一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism;SNP) 遺伝子情報を担う塩基の配列は、個人・種族間でわずかに異なっており、これに より個体差・種族差が生まれると考えられています。このような遺伝子の違いを 多型と言います。多型の中で、一つの塩基だけが異なっているもの(一塩基の欠失、 挿入、置換)を特に一塩基多型(SNP)といいます。SNP はゲノム上に広く、比較 的均一に存在するため、病気のかかりやすさや、薬効、副作用などを知る手がかり として、ゲノム創薬における重要な指標となっています。 # 3 チトクローム P450(CYP)と薬物代謝 CYP は,代謝反応の約 80%に関与していて、薬の代謝で重要な役割を担ってい ます。この CYP には、遺伝子の多型があることがわかっています。その中でも、 CYP の酵素活性がないか極端に低い人は代謝が遅く、poor metabolizer(PM)と 呼ばれます。PM は、少ない量で効果が現れ経済的である一方、副作用も出やす いということになります。逆に、CYP の酵素活性が高く、代謝が早い人は、薬が 効きにくく extensive metabolizer(EM)とよばれます。CYP は個人差のほかに 人種差もあることがわかっています。 CYP に関する情報が臨床の場で活用されるようになれば、患者ごとの適切な 薬物治療につながると考えられています。また、臨床開発(治験)においても、 PM かどうかがわかれば効率化が図れ、CYP の遺伝子型に関するデータにより 薬の有効性と安全性の信頼性も高まると考えられます。