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平成24年度の教材・教具の紹介
平成24年度の教材・教具の紹介 平成24年度,新潟市内の特別支援学級の先生方から,貴重な教材・教具の資料を提供いただきま したので,紹介いたします。 (敬称並びに新潟市立は省略) No 所属校(平成24年度) 氏 名 1 大通小学校 丸山 裕子 「段ボール迷路であそぼう」 (生活単元学習) 2 女池小学校 風間 晴子 「形つくり」 (算数) 3 漆山小学校 石原 道彦 「ふりかえりカード」 (自立活動) 4 教材・教具名 「不器用な子どもたちを支援するグッズ」 木戸小学校 木村 杏子 5 「劇をしよう」 (生活単元学習) 6 巻北小学校 矢部 尚子 「絵あわせカード」 (国語) 7 南中野山小学校 矢野 則男 「○○ランドをしよう!」 (生活単元学習) 8 巻南小学校 板垣 菜穂子 「台ふき・ストロー届け」 (日常生活の指導) 9 金津小学校 石 由香里 「おひさまフェステイバル~迷路~」 (生活単元 学習) 10 新潟小学校 菅田 佳枝 「チョコチップバナナケーキを作ろう」 (生活 単元学習) 11 大形中学校 坂井恵美子 「熱中症にならないようにすること」 12 大形中学校 小林富美子 「お金の学習」 (数学) 13 曽野木中学校 川原 聖子 「新しい出会いや出発を大事にしよう」 (生活 単元学習) 14 東青山小学校 加藤 紀子 「算数とお友だち」 1 生活単元学習「段ボール迷路であそぼう」 新潟市立大通学校 丸山 裕子 1 指導事項 段ボール迷路作りを通して,友達とかかわったり役割を果たしたり して,迷路を完成し,一緒に遊ぶことができるようにする。 写真① 写真② 2 用意するもの ・板段ボール(105㎝×145㎝)20枚(4×4の場合) ・布ガムテープ ・段ボールカッター ・装飾用材料(色画用紙やペンなど) 3 作成上のポイント ①板段ボールを組み立てておく。写真① (迷路のサイズに合わせて,3×3か4×4) ②教室の床にビニルテープで,平面のますを用意して,まず,平面で迷 路の案を決める。 ③迷路の案にもとづき,段ボールカッターで穴を開ける。 ④屋根を付けたり装飾したりする。写真② 4 指導の実際や留意点 文化祭の共同作品として取り組み,2クラス合同で作成した。魅力的な題材,段ボールを使って,作っては遊 び,遊んではまた作り,完成まで意欲的に取り組むことができた。 数年前に,附属特別支援学校で体育,自立の教材として紹介されたものを,段ボール迷路として,アレンジし たものである。この教材の良い点は,作成途中に畳んで収納でき,また広げて作成することが簡単にできること である。また,迷路の一つの角を持ち,引っ張ると,立体を平面に畳むことができる。 迷路の案を作る過程で,順番に一つずつ穴を開け,自分の考えを伝えたり,友達と話し合ったりして,折り合 いをつける場面を意図的に設定してきた。その際に, 「アドバイスをするのはよいが,穴を開けるのは順番の人」 という約束で,みんなの意見で案を決めることができた。 自分たちも十分に楽しんだ後,文化祭にたくさんの人で遊んでもらい,大人気であった。 2 算数「形つくり」 写 新潟市立女池小学校 1 指導事項 数え棒を用いて、平面や立体の形を捉える 力を育てるときに使う。 真(カラー印刷となります) ※個人情報が載っていない写真を お願いします。 ※メールで送っていただく関係で, 形式等サイズを小さくして いただくとありがたいです。 風間 晴子 ジップ 2 用意するもの ○数え棒 ○数え棒をつなぐジョイント ○デジカメ写真 ○ラミネーター 3 作成上のポイント ○作らせたい図形の写真を撮る。 ○手順が複雑な図形は、使う部品の写真や、図形 を作る手順に沿った写真を複数枚用意する。 ○手順に沿って番号をつけたり、児童の実態に 合わせて図形の名前を書いたりする。 4 指導の実際や留意点 ① 三角や四角など簡単な形から立体まで、写真を見て作ることができる。 ② 細かい部品を使うので指先の訓練にもなる。 ③ 数え棒の色の違いが辺の長さの違いとなるため、二等辺三角形、正三角形、正方形、長方形などの図形の 理解が深まる。 ④ 数え棒を組み立てる作業から、辺や頂点に対する理解が深まり、直方体・立方体の学習に有効である。 ⑤ 形を捉える力が弱く、視覚認知力の低い児童が、喜んで学習に取り組んだ。1枚ずつ写真を見ることで手 順がわかりやすくなっていること、番号順に写真を見て組み立てていくことで、自分で作り上げたという 達成感をもち、苦手意識を軽減することができる。 3 自立活動 「ふりかえりカード」 新潟市立漆山小学校 石原 道彦 1 指導事項 ○ 学習予定を知り、見通しをもつ。 ○ マス目に合わせて丁寧に視写する。 ○ 学習内容を振り返り、自己評価する。 前もって学習内容を書 いておきます。 宿題がある場合は書い ておきます。 2 用意するもの ふりかえりカード *左図参照。 3 指導の実際や留意点 ①児童が、日付けと名前を書く。 ②「がくしゅうのないよう」欄を見て、予定を知る。 可能な児童にはもう一枚同じカードをわたし、学習内容も視 写させる。 ③学習後に、 「◎・○・△」で自己評価をする。 ④学習の様子や成果について、指導者が一言コメントを書く。 ⑤保護者への連絡や手紙の返事などがあれば、記入する。 ⑥保護者から担任に連絡や質問などがあれば、記入する。 ・記入した振り返りカードはファイルに綴じて児童に持たせます。 指導記録と連絡帳の機能も併せています。 ・サイズはB5判です。 A4版だとランドセルに入れにくいです。 ・視写は「ゆっくり、大きく」書くよう伝えています。いいかげ んな字を書いてきたら、やり直しをさせています。 ・指導のコメントは毎日びっしり記入していませんが、何か一言 書くようにしています。 4 「不器用な子どもたちを支援するグッズ」 新潟市立木戸小学校 木村 杏子 1 指導事項 ①リコーダーの導入に使用する。 ②コンパスで必要な長さを測る時に使う。 2 用意するもの ①魚の目パッド ②方眼付きの厚紙、ペン 3 作成上のポイント ①リコーダーの穴の大きさの魚の目パッド 100円均一に売っている魚の目パッドは、スポンジ状に なっていて、裏はシールになっている。リコーダーの穴 に合わせて貼ってあげると、穴の空いたスポンジを押す ことで穴をふさぐ感覚を覚えられる。 ②コンパス定規 プラスチックの定規を使い、コンパスで必要な長さを 測るのは、不器用な子にとっては難しい。10㎜方眼の厚 紙で定規を作り、厚紙に刺すことでコンパスの針が動か ないようにする。 4 指導の実際や留意点(→) 等 ①リコーダーの魚の目パッド 3年生から始まるリコーダーだが、不器用な児童にとって穴を順序よくふさぐことが難しく、良い音が出 ない。そこでリコーダーの穴の大きさに合った魚の目パッドを付けることによって、穴をふさぐ感覚をつか めたり、少ない力でふさいだりすることができる。一つずつ良い音が出せるようになっていったら魚の目パ ッドを外して練習をする。 ②コンパス定規 円や、三角形の作図の際、コンパスで長さを測るときに、定規がずれて正確に測れず、イライラしてしま う。方眼のある厚紙でコンパス定規を作り、針を厚紙に刺して固定させることで測りやすくなる。 5 生活単元学習「劇をしよう」 新潟市立木戸小学校 木村 杏子 1 指導事項 ①テレビでセリフを提示する時に使う。 ②目標を立て、それを評価するために使う。 2 用意するもの ①テレビ,パワーポイント、てぶくろの絵本 ②ホワイトボード、紙、マグネットシート 3 作成上のポイント ①セリフスライド 言語面で課題を抱えた児童や、人前での発表に自信が 持てない児童も安心して取り組めるように、パワーポイ ントで作成したセリフスライドをテレビで映し出す。児 童の実態に合った提示の仕方に変えることができる。 ②目標シート、評価マグネット 自己評価をするために、花丸、丸、三角のマグネット を作り、目標シートの横に評価を貼るようにする。児童 の写真カードもあると良い。 4 指導の実際や留意点(→) 等 ①セリフスライド セリフスライドが出ていると、安心して劇に取り組むことができる。児童の向かい合わせにテレビを置き、 タイミングよくセリフを提示する。セリフだけでなく、名前を提示したり児童によって色分けをしたりすれ ば誰の出番なのかを知ることができ、見通しがもちやすい。文字認識の弱い児童には写真、セリフを覚えた 児童には先頭の文字だけなど、実態に応じて提示の仕方を変える。言い回しにくいセリフは、随時言いやす いように変える。 ②目標シート、評価マグネット(これはどの単元でも使えます) 表現力を高めるために、目標を立てて自分で評価する活動を取り入れる。客観的な評価ができるように劇の 様子をビデオで撮影し、自分や友達の演技を振り返ることが有効。自分の演技が分かるだけでなく、友達の良 さにも気付くことができる。評価をすることで、達成感を得たり、向上心が生まれたりする。児童会祭りや参 観日など、発表の場があると意欲も増す。 6 国語「絵合わせカード」 新潟市立巻北小学校 矢部 尚子 1 指導事項 写 真(カラー印刷 ※個人情報が載ってい 季節、行事に関するものの名前を覚える学習で使用 2 用意するもの ①厚紙1セット30~40枚 8cm×11cmほどの大きさ ②学習目的に合わせたかわいいイラスト ①に②を貼る 3 作成上のポイント 裏返しにした時にすけて見えないように ある程度の厚さの紙にする。何度も使うので丈夫な厚 めの紙がよい。 4 指導の実際や留意点(→) 等 ① フラッシュカードのようにカード絵を見ながら、名称を教えたり、それに関することを話し合ったりす る。 ② 神経衰弱や貝合わせのように裏返したカードをめくっていき、同じカードを当てると当てた札をもらう ことができる。2枚ずつ組であるのでババ抜き形式もできる。 *季節・行事「春シリーズ」 「夏シリーズ」 「秋シリーズ」 「冬シリーズ」 「クリスマスシリーズ」 「お正月」 「動物シリーズ」 「乗り物シリーズ」など様々な用途で使用可能。 7 生活単元学習「○○ランドをしよう!」 新潟市立南中野山小学校 矢野 則男 1 指導事項 ゲーム遊びをするとき使う。 2 用意するもの 段ボール箱,絵の具・マジック,ボール 等 3 作成上のポイント ①「PKシュート」 ゴールキーパー(大きさは工夫する)を可動式 にし,児童が動かせるようにする。 ③ 玉入れ」 ゴールの箱に穴を開けておくとボールを取り出 さなくてよく、他のゴールに連続して入ってポイ ント加算になり楽しめる。 4 指導の実際や留意点 ①交流及び共同学習として 本単元は、 「ゲームランドを作って楽しんだ後,交流学級の友だちを招待しよう」という活動であった。 「話 し合い→準備・制作→練習→本番」という単元計画は,見通しがもちやすく主体的・意欲的に活動する姿が見 られた。友だちを招待した後に嬉しそうにチケットの枚数を数えたりもらった手紙を読んだりする様子が見ら れ,成功体験や満足感を味わうことができた。 ②わかって動ける環境作り 単元計画や会場の写真,ゲーム屋の進行メモ(ルール説明や声かけ)等の支援ツールを個に応じて準備した り,MTとSTの役割分担や支援内容を明確にしたりすることで,全児童が主体的に活動できるようにした。 ゲーム屋の練習では,学級集団の人数が少なく盛り上がりにくいので,級外職員に協力してもらい,客役にな ってもらう場面を設定した。 8 日常生活の指導「台ふき・ストロー届け」 写 板垣 菜穂子 1 指導事項 毎日の給食で使う「台ふき」牛乳を飲むのに必要な 「ストロー」を各クラスに届ける。自分たちができるこ とを行い,働くこと及び他の人の役に立つことの意義 を感じさせる。 真(カラー印刷となります) ※個人情報が載っていない写真を お願いします。 ※メールで送っていただく関係で, 形式等サイズを小さくして いただくとありがたいです。 新潟市立巻南小学校 ジップ 2 用意するもの かごを置く台・かご(クラス分)・台ふき・ストロー・ス トローケース・ストローホルダー 3 作成上のポイント かごを置く台・ストローホルダーは,支援学級児童も 通常学級児童も,見てすぐに置き場所が分かるよう な配慮。 4 指導の実際や留意点(→) 等 昼休みに,支援学級児童が回収された台ふきを洗濯機で洗い,清掃の時間に干す。翌日登校 後,支援学 級児童全員で,決められたクラスの台ふきを4つ折りにたたんで,お届け用のか ごに入れる。及び,人数 分のストローを数えてタッパーに入れ,同じくお届け用のかごに入 れる。ストローは,30 の束・10 の束・ 1 本ずつバラに分けて箱に入れておく。 交流学級の朝の会に出かけるときに,担当のクラスの入り口外に設置されたフックに掛けて来る。給食終 了後,通常学級当番が,使用済みの台ふきと空のタッパーが入ったかごを支援学級の所定の場所に届ける。 9 生活単元学習「おひさまフェスティバル~迷路~」 新潟市立金津小学校 石瀬 由香里 指導事項 段ボールカッターの使い方・迷路のパターンと組み立て方。 用意するもの 迷路 段ボール1m×1m×1m位を15個。 作成上のポイント 通る道を決めたら、段ボールカッターで切り抜く。迷路の通路にビ ニールひもや紙テープを飾る。 迷路は「行き止まり」などのトラップを用意すると楽しいので15 個以上がよい。 指導の実際や留意点 迷路の道筋は平面の紙にいくつかのパターンを書いておき、何度も迷路をたどらせて遊ばせる。平面で迷路をし た経験から、楽しめる迷路はどれかについて話し合い、選ばせる。作成中は段ボール同士をつながないでおき、た たんで少ないスペースに片付けることができる。実際に遊ぶ時は段ボール同士をつなぎ合わせて動かないようにす る。迷路の中は適度に暗くした方がおもしろい。迷路に入ってから出るまでのタイムでランキングをつけて大勢で 遊ぶことができる。子ども祭りの出店としても使える。 10 生活単元学習「チョコチップバナナクッキーを作ろう」 新潟市立新潟小学校 菅田 佳枝 1 指導事項 チョコチップバナナクッキーを作ることができる。 2 用意するもの ・ホットケーキミックス ・バター ・バナナ ・卵 ・チョコチップ ・レモン汁 ・ボール ・フォーク ・木べら ・スプーン ・オーブン ・クッキングペーパー 3 作成上のポイント <作り方> ①バナナをフォークでつぶし、レモン汁をかける。 ②①に卵の黄身と溶かしたバターを入れて混ぜる。 ③②にホットケーキミックスとチョコチップを入れて粉 っぽさがなくなるまで混ぜる。 ④クッキングペーパーに③の生地をスプーンですくって 落とす。 ⑤170℃のオーブンで15~20分焼く。 4 指導の実際や留意点(→) 等 ☆用意するものや作り方の手順をパワーポイントや拡大投影機を使っ て、順次示し、確認できるようにする。 ☆最初はクラスのみんなで協力して作る。 次のときには3人グループ、 その次のときには2人グループと人数を減らしていき、最後には1 人でも作ることができるように繰り返して行う。 ☆1人で作ることができるようになったら、家庭でも余暇の時間に作 ることができるようにしていきたい、家族や友達をもてなす活動に つなげていきたい。 11 「熱中症にならないようにすること」 新潟市立大形中学校 坂井惠美子 1 指導事項 ①中症とは何かを知らせる。 ② 分の平熱を計測する。 ③熱中症の予防方法を知らせる。 2 用意するもの ①温計(20秒用) ②体温記入表(左表) 3 作成上のポイント ①37.5℃以上になると休養する必要があ るので、37.5℃以上を赤色で強調する。 ②体育祭の競技が終了し、少し休憩した 後の時刻を計測時刻に設定する。 4 指導の実際や留意点(→) 等 ①体温の計り方 脇の下にしっかり挟まないと30秒以上音がしないので、挟み直すことを約束する。 ②計測値の記入 数値だけでは上昇の様子が分かりにくいので、数直線に●を付けた。体温の推移がよく分かり、37.5℃ に近づくと木陰で休む時間を自分で多く取ったり、水分を取ったりすることができた。通常学級の生徒 が体調をくずしていく中、最後まで体調を維持することができたので、この表は効果があったと思われ る。 12 数学 「お金の学習」 新潟市立大形中学校 教材の用途 ①1円玉、10円玉など金種が分からない生徒に使う。 ②お金の単位が分からない生徒に使う。 用意するもの ①デジカメ写真、ラミネート、A4版の紙 ②模造のお金 作成上のポイント 図① デジカメで撮影する時ははっきりした映像を使う。 (インターネット の画像の方が簡単で、しかもいい映像があるのでお勧めします。 ) 三つの穴はラミネートをしてからカッターで開ける。 画像の上に金種の呼び方を入れるのを忘れない。シートはA4版の 縦半分の大きさにする。 図② A4の紙を縦半分に切る。これが問題用紙になる。その上に シートを重ね穴に三桁の数字を書く。シートを一段ずつ下げて 図のように7問から8問くらい作る。 図③ 指導の実際や留意点 図③ 問題用紙の上にシートを重ねる。1円の位から 数字の数のお金を下に並べる。次に10円、 100円の位の数字を下に並べる。 並べた後に金額を声に出して確認する。 5円玉、50円玉等の使い方が分からない生徒には、 1円玉、10円玉、100円玉だけを使うように指 示する。5円玉、50円玉が使える生徒には、5円 玉や50円玉を使ってと指示をする。お金は図4の ように分かりやすいように金種を分けて置く。 できれば本物を使って練習すると効果的です。 シートを使わなくても数字だけでできるようになっ たら、千円の位に挑戦する。 図① 図② 図④ 小林 富美子 13 生活単元「新しい出会いや出発を大事にしよう」 新潟市立曽野木中学校 川原 聖子 1 指導事項 ① クラスの友達とのコミュニケーションづくり② 授業 中の発言や姿勢に注意しよう 2 用意するもの 色画用紙・テープ・マーカー・輪ゴム・マッチ棒 3 作成上のポイント ① 文字を少なくし、絵を大きくする。 ② 指で絵のパーツが簡単に動くようにする。 ③ 絵を大きく描いて離れても見やすくする。 ④ 動物バージョンも作成し、複数で遊んだり親しみを持た せたりする。 4 指導の実際や留意点 お互いに異なった小学校を卒業して、初めて中学校で出会う仲間がいる。その 出会いの瞬間を大切にするために、人との出会いで大切なことの一つとして「い い表情(笑顔) 」が大事であることを知らせる。言葉でいくら説明しても分から ないので、 絵の中の顔のパーツを動かして遊びながら、 眉や口を動かして見せる。 眉や口を上げたり下げたりすると、表情が一変する。表情の変化を知って、自分 も同じようにやってみたり、 友達と関わり合ったりしながら掲示物に触れていた。 同様に、 毎日の授業の中でも姿勢の大切さに触れる。 姿勢が悪いことに気付くと、 互いに声を掛け合って注意する様子が見られた。 教室が和やかでいながら、ルールづくりが同時にできた。 動物バージョン 「割り算をしよう」 足し算・引き算・かけ算は意欲的に計算するが、割り算の意味がな かなか理解できなかった。そこで、割り算の役割がものを分けること であることをカードにして毎回暗誦した。(「図1」) 「図1」 答えの出し方は一つではないことを知らせる。 「式をつくる・筆算で 計算する・絵で数を表す」などの方法を示す。自分の答えが不安で、 計算ができなくなることがあるので、 「ぼくの答えは、○○です。どう 思いますか?」などと仲間に投げかけることを全体のルールにした。 (「図2」) ←「図2」 文章問題を解くときは、お金 に置き換えて考えさせたり (「図3」)、登場人物を設定した り、一人がどれだけもらえるか を食べ物で分けてみたりする と(「図4」) 、イメージをもた せやすかった。最後まで問題に 取り組むことができた。 ←「図 3」 14 算数「算数とおともだち」 ※個人情報が 新潟市立東青山小学校 加藤 紀子 1 指導事項 ① 算数に親しむことができるようにさせる。 ② 算数の学習のパターンを身に付けさせる。 ③ 今,どの学習しているかが分かるように示し集中が 続くようにさせる。 2 用意するもの ① オルガンなどの鍵盤楽器 ②↓のカード ③ ラミネートした掲示物 ④ CD「ドラえもん九九の歌」 (小学館) ⑤ 九九の段を書いた厚紙 3 作成上のポイント ① ラミネートしておくと,カード類は長期間使用できる 。また,その上にホワイトボード用のマジックで記入 することもできる。シートに磁石を付けると,いつで もすぐに黒板に掲示することができる。 ② CD終了後に,九九カードは,子どもたちに1の段か ら順にまとめるようにさせるために子どもの手に入 る大きさに作成する。 4 指導の実際や留意点(→) 等 ① 算数の授業の始めの20分程度を,算数の歌,百玉そろばん,九九,計算カード(フラッシュカード)を 全員で行う。その後は, 「がんばりタイム」と称し,個別の授業に入る。それらの学習順を示した用紙は, 算数になると掲示する。また,今,学習をしていることは何かが分かるように,↓カードで示す。 ② 算数の歌は「先生とおともだち」の歌を替え歌にした。最後の「ギュッギュッギュッ」では,隣の友だち と手をつなぐようにする。 ③ 百玉そろばんは, 「順番数え→逆順→2跳び→5跳び→10跳び→目をつぶって音だけ→瞬間移動」と,リ ズミカルに進める。時々指名して,気持ちが切れないようにする。 ④ このCDの九九は,比較的ゆっくりに流れて,唱えやすい。また,子どもたちはドラえもんが好きなので, 楽しく学習できる。全部の段を歌うのは集中が続きにくいので, 「○の段」と書いたカードを配布し,役割 分担をする。しかし,楽しいリズムなので一緒に歌う子が多い。 ⑤ 計算カードは,大きな計算カードを使用する。全員に言わせたり,一人一人に言わせたりする。また,飽 きないように,枚数を多くしすぎない。 国語も同様の方法で進める。例えば, 「しりとり→全員で詩の朗読→聞くテスト→片仮名テスト」など,順 を決めておくと次に何をするか分かり,子どもたちが学習しやすくなる。