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Dell PowerEdgeTM 2950と ERPパッケージ「GRANDIT®」による

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Dell PowerEdgeTM 2950と ERPパッケージ「GRANDIT®」による
デルホワイトペーパー
2007年7月
Dell PowerEdgeTM 2950と
ERPパッケージ「GRANDIT®」による
システム・パフォーマンスを測定し、
3,000名規模の中堅企業における
運用を検証する。
ソリューション・サービス本部
作成:インフォコム株式会社、デル株式会社
本書の概要
Dell PowerEdgeTM 2950は、デュアルコア インテル® Xeon® プロセッサー5160を始
めとする最新のサーバ標準技術を搭載した2U型ミッドレンジサーバです。本書で
は、Dell PowerEdgeTM 2950を使用し、完全Web-ERPパッケージ「GRANDIT®」にて
3,000名規模の企業での利用を想定した負荷試験を実施しました。その結果として
Dell PowerEdgeTM 2950がその運用において十分なパフォーマンスを発揮できること
をご紹介します。
受注・販売管理や在庫管理、生産管理、財務会計など、企業の基幹業務を担う
背景
ERPですが、その形は時代と共に変化しています。オフコンベースの統合型業務
パッケージとして提供された第1世代に始まり、クライアント/サーバベースの第2
世代を経て、今やWebベースの第3世代へと変わりつつあります。2004年5月に販
売が開始されたインフォベック株式会社の「GRANDIT®」は、コンソーシアム方式
により、業界を代表するシステム・インテグレータ企業のノウハウを集めた第三
世代ERPで、経理/債権/債務/販売/調達・在庫/製造/人事/給与/資産管理/経費の計
10モジュールにより構成されています。Microsoft .NETの採用により完全にWeb
ベースで実装されたERPで、BI(ビジネス・インテリジェンス)やEDI(電子データ交
換)、ワークフローなどを標準搭載し、多通貨機能、マルチカンパニー、柔軟な組
織変更への対応など、中堅企業向けながら大企業においても必要とされる機能
を満載したERPパッケージです。
負荷試験の
環境
本試験は、
「GRANDIT®」によるERPソリューション提供で豊富な実績と構築ノウハ
ウを持つインフォコム株式会社と共同で試験を実施しました。下図のように2台の
Dell PowerEdgeTM 2950を用意し、それぞれWebサーバとDBサーバとしてセットア
ップしています。さらに、ネットワークスイッチによって2つのサーバとクライアン
トを接続しました。
■ 負荷試験のシステム構成図
クライアント
APサーバ
PowerEdge 2950
DBサーバ
PowerEdge 2950
TM
TM
2
Webサーバによる立替交通費精算システムの同時アクセス試験
■ 実施概要
本試験は、Webサーバの処理能力の測定を目的としています。Webサーバに接続する仮想クライ
アントを用意し、ここで交通費精算入力を実施。試験毎に仮想クライアントを増加させ、最大
処理可能人数を検証しました。また、評価の指標としてサーバリソース(実行中リクエスト数/待
ちリクエスト数/CPU負荷)を測定しました。
■ 試験環境
WebサーバとしてセットアップしたDell PowerEdgeTM 2950のシステム構成は以下の通りです。
仕 様
項 目
ハードウェア
備 考
デュアルコア インテル® Xeon® プロセッサー
CPU
5160(動作周波数3GHz)×2
ソフトウェア
メモリ
16GB(2GB×8枚)
物理HDD
137GB × 6本
仮想ディスク
C: 20GB, G: 660GB
共にRAID1 構成
®
OS
Windows Server 2003 Enterprise Edition
AP
GRANDIT 1.4
■ 結果
試験は70クライアントの入力から始め、100クライアントまでは正常に処理することができまし
た。しかし、110クライアントの接続においてErrorCount※1が発生したため、クライアント数を減
らし105クライアントで試験を実施したところ正常に処理することができました。
※1 ErrorCountとは、負荷試験ツールでhttp上の1件の送信もしくは受信が30秒以上継続したこと
により、タイムアウトとして処理された仮想クライアント数を示します。
実施時刻
仮想クライアント数
エラー有無
16:33:30∼16:37:30
70
正常に全て処理
16:38:30∼16:42:33
80
正常に全て処理
16:44:00∼16:48:18
100
正常に全て処理
16:49:30∼16:54:08
110
ErrorCount※1 4件
16:55:30∼16:59:53
105
正常に全て処理
3
◆サーバリソースの測定
●
Requests Executing(実行中リクエスト)
Requests Queued(実行待ちリクエスト数)が増加しているにもかかわらず、Requests Executing
は 増 加 し て い ま せ ん 。 IISが 5.0以 上 の Requests Executing値 は デ フ ォ ル ト で 25で す
が、%Processor Time(CPU使用率)が100%を振り切ろうとするため、増加できない状態にある
と考えられます。
●
Requests Queued(実行待ちリクエスト数)
負荷集中がかかるログイン時に、Requests Queued値が増加しています。伝票入力処理をして
いる時間帯は、Requests Queued値は10以下で推移しています。
●
Processor Time(CPU使用率)
105クライアントまでは、%Processor Timeが試験の途中でピークを抜け、Requests Queuedも解
消されているようにみられます。これは、ログイン時の一時的な負荷集中を除けば、正常な稼
動が望めるものと受け取れます。
■ 負荷試験結果 交通費精算(WEBサーバ)
4
DBサーバによる給与計算処理の負荷試験
■ 実施概要
本本試験は、DBサーバの処理能力の測定を目的としています。3,000名分のダミー社員について、
月次の給与計算処理を想定、その処理時間を測定しました。また評価の指標としてサーバリソ
ース(CPU負荷/ディスクキュー数/メモリページング)を測定しています。
サーバ
構 成
項 目
仕 様
備 考
デュアルコア インテル® Xeon® プロセッサー
CPU
5160(動作周波数3GHz)
×2
ハードウェア メモリ
物理HDD
Webサーバ
16GB(2GB×8枚)
137GB × 6本
仮想ディスク C: 20GB, G: 660GB
ソフトウェア
共にRAID1 構成
OS
Windows Server 2003® Enterprise Edition
AP
GRANDIT 1.4
CPU
デュアルコア インテル® Xeon® プロセッサー
5160(動作周波数3GHz)
×2
ハードウェア
メモリ
16GB(2GB×8枚)
物理HDD
137GB × 6本
共にRAID1 構成
仮想ディスク C: 20GB, G: 660GB
DBサーバ
RAID5 構成
G: 480GB
ソフトウェア
OS
Windows Server 2003® Enterprise Edition
DB
Microsoft ® SQL ServerTM 2000 Developer Edition
AP
GRANDIT 1.4
■ 結果
ダミー社員3,000名分の処理においては22分10秒でDBサーバ/Webサーバ共に正常終了しました。
実施時刻
経過時間
Webサーバ上の結果
DBサーバ上の結果
10:28:00∼10:50:10
22分10秒
正常に処理終了
正常に全て処理
5
◆サーバリソースの測定
●
%Processor Time(CPU使用率)
3,000名分の給与計算において、最大約25%のCPUリソースを消費しています。これは、単純計
算で3,000名規模の企業3社の同時給与計算処理が可能と考えられます。
●
Avg. Disk Queue Length(平均ディスクキュー長)
処理開始15∼22分までに著しいディスクキューが発生しています。これは、更新処理によるデ
ータの反映時にディスクの書き込み処理で遅延が出たものと考えられます。
●
Pages/sec(ページング/秒)
本検証では、秒間当たりページング数は限りなく0に近く、一般的なしきい値といわれる5を超
えることはありませんでした。メモリ容量は充分と考えられます。
■ 負荷試験結果 給与計算(DBサーバ)
6
まとめ
Webサーバによる立替交通費精算システムの同時アクセス試験では、105クラ
イアントのアクセスに対し、全て正常に処理することができました。また、
DBサーバによる給与計算処理の負荷試験では、3,000名分の処理を22分10秒で
完了することができました。これらの結果から、従業員3,000名規模の中堅企
業においては、Dell PowerEdgeTM 2950がストレスなく運用するのに十分なパフ
ォーマンスを示せることが証明できました。特にDBサーバでの給与計算処理
においては、最大でも約25%のCPUリソースの消費にとどまっており、3,000名
規 模 の 企 業 3社 の 同 時 処 理 も 可 能 と 思 わ れ 、 Dell PowerEdgeTM 2950が
「GRANDIT®」を使用する上で最適なプラットフォームであることを示しています。
加えて「GRANDIT®」は、日本の商習慣に即して開発されています。容易かつ低
コストで導入できるという点や、必要な機能がひとつにパッケージされてい
るというだけでなく、多通貨に対応するなどグローバルERPであるという特長
をも併せて持っています。これらは導入コストのみならずTCOの削減にもつな
がる重要なポイントです。ベンチマークおよび動作検証済みのDell PowerEdgeTM
2950との組み合わせによって「GRANDIT®」の性能は最大限に引き出され、中堅
企業の皆様にとって理想的なERPソリューションを実現することでしょう。
本書の内容は予告なく変更されることがあります。
本書は、情報提供のみを目的に執筆されたものであり、誤字脱字や技術上の誤りには責任を負いません。本書の内
容は執筆時現在のものであり、明示的または暗黙的を問わず、いかなる内容も保証いたしません。
©2007 Dell Inc. ©2007 デル株式会社 All rights reserved.(版権所有)
デルから書面による許可を得ずに本書を複製、転載することは、いかなる場合も禁止します。
本書で使用している商標:Dell、DELLのロゴマーク、PowerEdgeは、米国Dell Inc.の商標です。
「GRANDIT®」は、インフォベック株式会社の登録商標または商標です。
本書では、マークや名前を届け出た実在のもの、もしくは、その製品のいずれかを参照するため、その他の商標、商
号を使用している可能性があります。Dell Inc.は、Dell以外の商標や商号における権益の要求に一切応じません。
内容の一部は、インフォコム株式会社、インフォベック株式会社に著作権があります(2007 年)
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