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ロタウイルスワクチン接種事業 中間報告書(PDF)

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ロタウイルスワクチン接種事業 中間報告書(PDF)
ロタウイルスワクチン接種助成事業
活動報告書
2012.1-2012.12
2013年3月
気仙地域ワクチン接種基金
特定非営利活動法人HANDS
「気仙地域ワクチン接種基金」趣旨
「気仙地域ワクチン接種基金」は、2011年12月に日本小児科学会気仙地区小児保健医療支援プロジェ
クト・ワーキンググループと特定非営利活動法人HANDSにより設立されました。
2011年3月11日の東日本大震災と大津波により、壊滅的な打撃を受けた気仙医療圏(岩手県大船渡市、
陸前高田市、住田町)において、乳幼児の感染症の蔓延を予防し、被災されながら不安の中で育児を
続ける保護者の皆さまの負担軽減と、限られた小児医療機関と小児科医に過度な負担がかかる事態を
避けることを目的に、乳幼児の健康増進に資する予防接種支援事業と保護者の皆さまへの保健教育な
どをおこなっています。
2012年1月から、乳幼児の重症胃腸炎の原因となるロタウイルスワクチンの無料接種事業を開始し
ました。気仙地域の生後6週から24週までの全乳幼児を対象に、1回14,000円の予防接種2回分を全額
補助しています。2012年の1年間で、延べ753人の子どもにワクチン接種を実施することができました。
震災後に気仙地域で生まれた赤ちゃんの8割以上が接種していると推測されます。
気仙地域ワクチン接種基金
委員長
委員会
中村安秀(大阪大学大学院人間科学研究科国際協力論教授/
特定非営利活動法人HANDS代表理事)
委員
岩田欧介(久留米大学医学部小児科学)
江原伯陽(エバラこどもクリニック
院長)
大木智春(岩手県立高田病院小児科)
篠原
都(特定非営利活動法人HANDSマーケティング・オフィサー)
千田勝一(岩手医科大学小児科教授)
西原三佳(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻 助教)
渕向
透(岩手県立大船渡病院小児科)
松石豊次郎(久留米大学医学部小児科学教授)
横田雅史(特定非営利活動法人HANDS事務局長)
-2-
2012年1月~12月までの
ワクチン接種件数
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
接種件数
合計
大船渡市
43
60
41
30
37
41
44
47
47
49
42
45
526
陸前高田市
14
21
11
8
12
18
11
24
18
15
18
14
184
住田町
4
5
3
2
2
3
3
6
4
3
4
4
43
合計
61
86
55
40
51
62
58
77
69
67
64
63
753
岩手県気仙地域の
ロタウイルスワクチン推定接種率
ロタウイルスワクチン接種率は、全国では14.9%、岩手県では14.4%と推定
主なご協力団体
「頑張ろう東北!救児募金」(赤ちゃん成育ネットワーク)
認定NPO法人
世界の子どもにワクチンを 日本委員会(JCV)
寄 付 金 総 額 : 11 , 3 3 5 , 9 0 0 円
(2012年12月時点)
ワクチン接種費総額【2012年1月~12月】:10,542,000円
-3-
ロタウイルスワクチン無料接種事業 効果
中間まとめ 2013年1月
 気仙地域ロタウイルスワクチン無料接種事業は80%以上と高い接種率で行われています。
 本事業は、ロタウイルスワクチン以外のワクチン事業についても、対象者に対する早期接種、
また同時接種等について積極的に進める契機となりました。
 ワクチン接種率には費用助成の程度が関係していることが推定され、今後事業の有効性について
検証する必要があります。
 2012年は岩手県気仙地域においてはロタウイルスの大きな流行はありませんでした。ただ、ロタ
ウイルスワクチン感染状況や事業実施の有効性に関する検証を行うには、少なくともさらに1年
は継続が必要とされています。
「気仙地域ロタウイルスワクチン接種助成事業の現状と課題」渕向透(岩手県立大船渡病院小児科)
-4-
ロタウイルス胃腸炎・ワクチンについて
ロタウイルス胃腸炎は乳幼児に多くおこる感染性胃腸炎のひとつで、冬後半から春にかけて流行す
るロタウイルスというウイルスが原因です。
ロタウイルス胃腸炎は激しい下痢や嘔吐によって脱水をおこしやすく、特にからだが小さな赤ちゃ
んは急激に脱水がすすむため重症化しやすく、すぐに適切な処置をしないと命に関わることもありま
す。(ロタウイルス胃腸炎で入院する小児の3割が0歳児、4割が1歳児。)また、ロタウイルスは
インフルエンザ、突発性発疹に次ぐ、小児の脳炎・脳症の原因でもあることが報告されています。
しかし今のところロタウイルス自体に効く薬はなく、下痢や嘔吐を薬で止めることもしないため、
かかったらこまめな水分補給で脱水を防ぎ、自然に治っていくのを待つしかありません。通常、症状
がおさまるまで7日程度必要とされ、他の胃腸炎よりも回復に時間がかかります。
感染力が強く、重症化しやすいロタウイルス胃腸炎から小さな赤ちゃんを守るためにWHO(世界保
健機関)などではワクチン接種を推奨しています。
ロタウイルス胃腸炎予防ワクチンは、ロタウイルスの病原性を弱めて増殖させ、精製してからシロ
ップ状にした飲む生ワクチンです。接種対象は生後6週から24週までの赤ちゃんで、2回の接種が有効
とされています。
【東海新報
2012年1月20日】
-5-
気仙地域に住む皆さまからの声
岩手県立大船渡病院小児科・副院長
渕向
透医師
東日本大震災から2年が過ぎましたが、私たちの住む岩手県気仙地区は津波被害からの復旧が遅れ
ています。この地が子どもを産み、育てることができる街として再生するように、
私たちは今生まれてくる子どもたちや若い親たちを支えていく必要があります。
現在気仙地区で行われているロタウイルスワクチン接種助成事業は、高い接種率で
行われています。本事業が今後も継続できるように、皆さまのご協力をお願いいた
します。
陸前高田市民生部健康推進課
副主幹
松木
祐子氏
陸前高田市では、2年前の震災で医療機関や医師、市の職員等多くの市民を失いました。特に医
療機関や医師が不足したなかで、子どもたちが病気になると保護者も大変ですが、医療機関にもか
なりの負担がかかります。今回このような支援をしていただいたことで、ロタウイル
スに感染する子どもたちも非常に少なくなり、医療機関の負担もかなり軽減されて
います。また、医療費の軽減にもなっています。陸前高田市の接種状況は非常に高
い接種率となっていて、できれば継続していただけると大変ありがたく思っており
ます。サービスが充実し、安心して生み育てやすい環境ができることが、陸前高田
市の人口減の歯止めにもつながると思っています。
ロタウイルス胃腸炎予防ワクチン接種にきていた保護者の方々(岩手県立大船渡病院)
~多くの「ありがたい」という声が届いています~
「子どもにはできるだけワクチンを受けさせたいと思っています」
「上の子どもがロタウイルスに感染したときに、病気の母に感染し、さらにいとこにも感染したこと
があり、びっくりしました。そのときは、わたしが仕事を休んで家族の看病をしました。」
「上の子のときにはロタワクチンがなく、かかってしまってひどかったので、この子のときにできた
のを知って受けに来ました。」
-6-
HANDSは陸前高田を中心によりよい子育て環境づくりを応援しています
ロタウイルス胃腸炎予防ワクチン無料接種事業に伴い、ロタウイルス胃腸炎予防ワクチンの啓発、
保護者の健康知識の向上、医療機関の負担軽減等を目的として、以下のような活動をおこなっています。
●啓発イベント「ちいさなテントサーカス」開催(2012年9月29日・30日)
〔主催:NPO法人HANDS・認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを
日本委員会〕
冬のロタウイルスの流行が始まる前に、より広くワクチンの
無料接種を気仙地域の市民の方々に知っていただくため、親子が
集まるイベントを開催。被災地に遊び場が不足している状況もあ
り、多くの親子が大船渡・陸前高田の会場に訪れました。
また、当日の様子や無料接種について
地元紙で大きく取り上げられました。
【東海新報
2012年9月30日】
●第2回子育てシンポジウム(2012年10月6日)〔主催:NPO法人HANDS〕
震災後、応援の医師が医療支援にはいっている陸前高田市。数年後支援が
終了し、医療過疎の状態になってしまったら、どのように地域の小児医療を
守っていくのか。一関市で地域医療のモデルをつくりあげた藤沢病院の事務
長と藤沢病院を支える会をゲストに迎え、市民・県立高田病院副院長大木医
師・陸前高田市関係課課長が集まり、藤沢の例を学びながら今後の陸前高田
の医療と地域の関わりについて話し合いました。
●こども健康サロン開催(2012年11月30日ほか)〔主催:NPO法人HANDS〕
これからの地域小児医療を守る主体である住民と保健医療者がともに集い、
子どもの病気や発育について保健医療者から学んだり、住民と保健医療者が
互いを知るゆるやかなコミュニケーションの場となることをめざして連続開
催で企画しています。
第1回目は2012年11月に陸前高田市・大隅つどいの丘商店街内のスペースで、「子どもとワクチン」をテー
マに開催。小さな子どもをもつ保護者・民間子育て支援団体スタッフの14名と大船渡病院・渕向透医師、岩手
医大病院・谷藤幸子医師が参加し、保護者の方々の積極的な学びの姿勢と活発なやりとりが印象的な時間とな
りました。
-7-
<事務局・お問い合わせ>
特定非営利活動法人HANDS
〒113-0033
東京都文京区本郷3‐20‐7
TEL:03‐5805‐8565
山の手ビル2F
FAX:03‐5805‐8667
E-mail:[email protected]
Webサイト:http://www.hands.or.jp/
引き続き、気仙地域ワクチン接種基金の活動にご協力をお願いします。
■ご支援金振込先
*通信欄に「ワクチン事業への支援」の旨ご記載ください
郵便口座:00170-6-409760
口座名義:特定非営利活動法人HANDS(トクテイヒエイリカツドウホウジン
ハンズ)
特定非営利活動法人 HANDS(Health and Development Service)
〒113-0033 東京都文京区本郷 3-20-7 山の手ビル 2F
TEL 03-5805-8565, FAX 03-5805-8667
URL: http://www.hands.or.jp/
E-mail: [email protected]
気仙地域ワクチン接種基金
ご協力のお願い
気 仙 ワ ク チ ン 接 種 基 金 が 2012 年 1 月 か ら 開 始 し た ロ タ ウ イ ル ス ワ ク チ ン 無
料 接 種 事 業 に は こ れ ま で 多 大 な る ご 支 援 を 賜 り 、 1 年 間 で 延 べ 753 人 の 子 ど
もたち(出生比:8 割以上に相当)がその恩恵を受け、幸いにも重症な胃腸
炎の蔓延もなく現在に至っております。
保護者にとって高額な任意ワクチン接種料金が無料になることは、今後へ
の見通しを持ちにくい被災後の暮らしのなかで、育児における経済的かつ精
神的負担を軽くしている旨の声も多く聞かれ、被災自治体や小児医療機関の
方々も、本事業の継続を強く希望しておられます。
本基金といたしましても、任意のロタウイルスワクチン接種の無料化を実
現した先駆例として、広く効果を発信することで、日本全土で政府負担によ
る予防接種支援がおこなわれるよう呼びかけてまいりたいと考えております。
これまでのご支援にあらためて御礼申し上げますとともに、ぜひ今後とも
本事業へのご理解と継続的なご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し
上げます。
■ 募 集 額 : 平 成 25 年 1 月 ~ 平 成 26 年 3 月
ロタウイルスワクチン助成
( 対 象 : 生 後 6 週 か ら 24 週 ま で の 乳 児 約 500 人 )
約 1,500 万 円
気仙ワクチン接種基金
事務局
特 定 非 営 利 活 動 法 人 HANDS
代表理事
中村安秀
<振込先>
■郵便振込の場合
00170-6-409760
特定非営利活動法人 HANDS(トクテイヒエイリカツドウホウジン ハンズ)
*通信欄に「気仙ワクチン寄付」の記載をお願い致します。
■銀行振込の場合
三菱東京 UFJ 銀行 本郷支店
普通0091876
気仙地域ワクチン接種基金 高松知文(ケセンチイキワクチンセツシユキキン タカマツ
トモフミ)
裏面の「寄附申込書」にご記入のうえ、ご返送(FAX または郵送)ください。
恐れ入りますが、下記までお送りください。
FAX 番号:03-5805-8667
【ご郵送の場合】〒113-0023 東京都文京区本郷 3-20-7
NPO 法人 HANDS 宛(気仙地域ワクチン接種基金事務局)
【E-mail の場合】「[email protected]」宛で件名を「気仙ワクチン寄付」として
各項目をお送りください。
気仙地域ワクチン接種基金
寄附申込書
■寄 附 名
気仙地域ワクチン接種基金
■寄附目的
気仙地域(大船渡市、陸前高田市、住田町)における
乳幼児を対象にした予防接種事業を支援するため
寄附金額
金
円
■寄附者様のご連絡先
氏名
(法人の場合は法人名
及び代表者氏名)
氏名フリガナ
〒
住所
電話
E-mail
※下記について、それぞれどちらかを○でお囲みください。
:
要
・
不要
2)お名前(法人の場合は、法人名)の公表の可否 :
可
・
不可
3)HANDS メールニュース(活動報告等)の送信
:
要
・
不要
4)HANDS 会報や活動レポートの送付(郵送)
:
要
・
不要
1)領収書の返送
※税金控除にはなりません
※いただきました情報は、厳重に取扱い、上記の目的以外には利用いたしません。
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