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教育大字附属4、等確定フ0−ルの水生昆虫
奈良自然■情事巨 第460号 1994年5月25日 630奈良市高畑町 奈良教育大学自然教育演習室発行 加.0742−27−9207 八ツ藤 (春日大社境内、5月16日) 5月16日寛在、通常のフジの花は終わりました。しかし、春日大社若宮の本殿に向 かって左側のナギの大木(胸高直径討皿はど)に絡んでいるフジは少し盛りを過ぎた ものの、まだ美しく咲いています。このフジの老樹は古くからり\ツ藤」という名で 知られている有名なフジです。 このフジは、八重咲きで、雄しべや雌しべが花糾ヒしており、多数の花びらが重な って咲き、通常のフジの花とはまったく形が異なっています。花期が遅いこと、花の 色が濃いこともこのフジの特教です。八ツ藤という名の起こりは、このフジの茎が大 きくノやつに分かれているからという説がありますが、そのようには見えません。八重 咲きのフジという意味の八重藤から転じたものという解釈もあります。 (]帥l尚史) ハッサクの花 (奈良教育大学、5月18日) 私の研究室の南側に植わっている2本のハッサクの木が花を咲かせ、甘い香りがた だよっています。5月18日現在、開いている花、すでに散った花とともに少数の蕾も 残っています。昨年はたくさんの花が咲きましたが、今年は少なく、不作の年のよう です。研究室の北側の畑右こ植わっているユズも現在、同様な花をっけていますも バツサ外砿島県因島市田熊町の浄土串か境内で1860年に住職が見つけた偶発実生 から生まれたものです。そのため、ハッサクはかつて因島の名産でした。私は因島高 校の出身ですが、母校の周りにたくさんのハッサクが植わっていたことを覚えていま す。郷里は因島の隣の弓削島ですが、この島にもハッサクが多く、わが家にもバツサ クの畑があり、執正月休みには収穫を手伝ったものです(ハッサクはミカンより も遅く、正月前険に収穫します)。ハッサクは昭和30年ごろまでは限られた地域で栽 培されていたのですが、現在は広く普及し、奈良市内でもよく見かけるようになりま した。 (:旧II鞄か 教育大字附属4、等確定フ0−ルの水生昆虫 仕事の休みを利用して、水生昆虫採集をするために久々に奈良に帰ってきた私は5 月20日の朝、まず附属小学校のアールで採集を試みました。採れた昆虫は、コシマゲ ンゴロウ、オオミズスマシ、ミズスマシ、コガムシ、ヒメガムシでした。 これらは水族館に持ち帰り飼育する予定です。(鳥羽水族館飼育研究部 上岡岳〉 ー919− 春日山でリスを巨雷撃 5月20日朝7時半頃、ノネズミの調査のため、飛鳥中学校の前から柳生街道に入り、 上に向かっていました。人家がとだえた所から少し行くと、能登川に橋がかかってい ます。この橋を越えてすぐのところでリスに会いました。木の根元で何か食べ物を探 しているようで、7m近くまで近づくことができました。双眼鐘を持っていなかった のが残念です。 翌日も同じようを調査をし、リスに会えることを期待したのですが、見ることはで きませんでした。 (前島都子) ミゾカタ£/ 5月21日 最折、天気の良い日には奈良駅から教育大学まで歩いて来るようにしている。今日 も時間があったので散歩がてらぶらぶらと歩いて来た。明るい新緑だった木々の棄も 少し色が濃くなってきたようだ。興福寺の北側をぬけ、国立博物館の前庭に入る。そ こから浅茅ケ原へ向かう道の講の横に、面白い形の花を見つけた。幅1.5cmくらいの 小さな白っぽいピンクの花だった。図鑑で調べるとミゾカタシというキキョウ科の植 物と分かった。他にアゼムシロなどとも言われるらしく、その名の通り田の畦や溝辺 に多いらしい。 (丸山健「郎) キタ.スイカミキリ 5月22日、笠置の家の庭に生えているヨモギの茎の先の方が何本もしおれているの を見つけました。おそら6一一9mと小型のキクスイカミキリの仕業でしょう。丹桔こ めて作っているキクが同じようにやられてしまうので、御存じの方もあるかと思いま す。 図鑑によると、「成虫は4月ごろから現われ、ヨモギやキク類の若い茎の皮を幅1 m、長さ15瓜n内外の縦長にかじって食べる。5月下旬から交尾、産卵を始め6月下旬 ころまで続く。キクの茎の先端から10CⅡlほど下によった所に、2本の環状のかみ傷を 約1cm間隔につける。これが終わると下向きになって、その中間に点状の小さいかみ 傷をつけ、また上向きになって、この傷に産卵管をさし入れて茎の中に1卵を産みつ ける。産卵加工を受けた茎は環状の傷から上がしおれてたれ下がり、上の環状の傷か ら上は数日で枯れる。約10日後貯化した幼虫はこのしおれた茎を食べた後、次第に下 方に食い入り、老塾するころには根に入る。幼虫が醇化する前に加工の跡を目じるL に卵をつみとれば、被害はそれだけでおさまるが、しおれた茎をひっぼってとると、 ほとんどの場合上の環状の傷からちぎれて、卵の産み込まれた部分はちゃんと茎に残 っているから、それではなんにもならない。幼虫は8月下旬ころには根の中で輔にな り、9月中旬∼10月上旬には羽化し、そのまま根の中に止まって春をまっている。」 とのことです。 翌々日の24日、奈良教育大学構内のヨモギでもしおれた茎をたくさん見つけました。 お詫びと訂正:自然情報第伍6号の百足の記事の上から∋行目、「歴史的環境にめ ぐまれるだけであんく」は「めぐまれるだけでなく」のワープロ打ち間違いでした。 −920−