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第19-1号 - 武庫川女子大学

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第19-1号 - 武庫川女子大学
第19− 1 号(平成26年 7 月 2 日発行)
新科目「情報リテラシーⅠ」
が始まりました
平成26年度前期から、「情報活用の基礎」に代わって、「情報リテラシーⅠ」が始まりました。「情報
リテラシーⅠ」では、オフィスソフトの活用だけでなく、コンピューティングや情報モラル、レポー
ト作成など、大学生として身につけておいてほしい情報活用能力を広く学習します。習熟度別クラス
で授業を実施しませんが、操作技能をさらに身につけて欲しい学生のためにリメディアル講座を開い
ています。
入学生の情報リテラシーを測定する目的で、毎年プレイスメントテストを実施しています。入学者
の情報リテラシーの変化を見たいので、ここ10年間ほど同じテストを使ってきましたが、今年度は科
目が変わることもあって、新しく作成したものを使用しました。このプレイスメントテストでは目標
別に問題が配置されています。表 1 には、学習目標(大項目)別に集計した平均点をあげます。
表 1 プレイスメントテストの結果
学習目標
平均点
キータッチ以外のプレイスメントテスト問題
キータッチ(正確なキー入力)
66.8
は、全40問(各目標 5 ~ 6 問)で構成されて
コンピュータ基礎
44.3
情報通信ネットワーク
39.7
いますが、内訳としては知識問題と技能問題
が 半 分 ず つ に な っ て い ま す。 テ ス ト は、
μCamを使い「情報リテラシーⅠ」の 1 回目
情報セキュリティ・情報モラル
89.7
の授業で実施しました。 2 回目の授業では、
情報の収集・伝達
61.5
やはりμCamを使って、テスト結果に基づ
ワープロ(Word)
49.6
表計算(Excel)
49.2
プレゼンテーション
(PowerPointほか)
59.1
いて各学習目標別の学習診断を一人一人の学
生に返すとともに、リメディアル講座の受講
が必要な学生には受講する日時と教室を学生
一人ひとりに案内しました。
N=2563
表 1 によると、情報モラルやセキュリティについては高等学校までで学習してきているようで高得
点を得ていますが、コンピュータの仕組みやネットワークの知識については40%前後にとどまってい
ます。また、実際の操作技能を測ったわけではありませんがオフィスの操作についても50%程度でし
た。まだまだ基礎的な技能の補充が必要だと思われます。
このプレイスメントテストの結果、リメディアル講座の受講が必要と判断したのは233人にのぼりま
した。プレイスメントテストのうち、キータッチ(30点)と技能問題(20点)を合わせた50点の平均
点が30.47で標準偏差が5.50でした。この平均点から標準偏差を引いた24点以下をリメディアル対象と
しました。リメディアル講座は全5回実施していますが、学生によってはこれでも十分とはいえない
ようです。27年度以降、リメディアル講座をもう少し手厚くする必要があるかもしれません。
(センター長 中野 彰)
−1−
新入生の情報活用に関するアンケート
本学では、新入生を対象に「情報リテラシーⅠ」関連科目の第 1 回目の授業に情報端末などのアンケー
トを実施しています。本年度は、①情報端末、②よく利用するSNS、③ウイルス対策への意識、④ネッ
トトラブル状況の 4 項目について調査を行いました。アンケートは、情報メディア学科以外の全学科
を対象とし、2614名から回答がありました。
①情報端末
スマートフォンの所有率は昨年度の93%から
97%に 4 ポイント上昇し、ほぼ全員がスマホを
所有しています。インターネットに接続してい
るパソコンの所有率は82%でした(図 1 )。
250名います。炎上に加わったり、炎上させたこ
とがある経験者は、
全体で 9 名いました
(図 3 )
。
あなたの知らない人からメールを送られたことがある
248
親から閲覧制限を受けているのでトラブルの経験はない
120
利用したことがないのでトラブルは経験がない
81
いじめや嫌がらせ、誹謗中傷を受けたことがある
スマートフォン
他人の書き込みに対し、炎上に加わったことがある
82.0
タブレット(iPad、Surface など)
13.0
携帯電話(ガラケー)
10.1
インターネットに接続していないパソコン
5
いじめや嫌がらせ、他人を誹謗中傷したことがある
5
あなたの発言が炎上したことがある
4
特定の人の個人情報を書き込んだことがある
1
未回答
16
(名)
8.7
図 3 SNSやメール、掲示板などの利用で、トラブル
や迷惑行為に関係した経験(のべ人数)
電子書籍端末(Kindle、Kobo など) 2.1
未回答
12
ネットショッピングなどで騙されたことがある
96.7
インターネットに接続しているパソコン
38
0.4
(%)
図 1 自由に使える情報端末(複数回答)
②よく利用するSNS
意見や感想を表現したり、情報を共有する目
的でよく利用するSNSでは、LINEが約96%、次
にTwitterが約78%を占め、Youtubeなどの投
稿サイトやFacebookは 2 割の学生が利用して
いるようです(図 2 )。
LINE
ブログ(ameblo など)
ミクシィ
他人の個人情報流出を常に意識している
77.9
8.9
著作権について、あまり意識したことがない
個人情報についてあまり意識したことがない
3.6
0.9
23.0
15.8
肖像権を尊重することを常に意識している
3.6
未回答
49.4
著作権を尊重することを常に意識している
23.2
0.3
76.3
ネットには人がいることを常に意識している
26.1
自己紹介サイト
79.1
自分の個人情報流出を常に意識している
96.4
Twitter
投稿サイト(VINE,Youtubeのような
動画、インスタグラムのような写真など)
Facebook
ゲームサイト(モバゲーなど)
ネットへ書込むときの意識では、他人や自分
の個人情報を流さないことを意識している学生
が約 8 割と多いのですが、ネットの先に人間が
いることを意識する学生は半数と少ないようで
す。また、今回の調査から、著作権を常に尊重
することや肖像権を常に意識することがない学
生が 8 割程度いました(図 4 )。
未回答
(%)
8.0
4.4
0.7
(%)
図 4 ネットへ書込むときの意識(複数回答)
図 2 よく利用するSNS(複数回答)
③ウイルス対策への意識
情報端末のウイルス対策では、あまり意識し
ていない約35%、全く意識していない約 4 %を
加えると、学生全体の4割がウイルス対策に関
心が薄いようです。
④ネットトラブル状況
トラブルの未経験者2275名(87%)から、全
体の13%程度が何らかのトラブルや迷惑行為に
関係した経験を持っていることがわかりまし
た。知らない人からメールを送られた学生は約
インターネット利用に潜む脅威も日常的なも
のとして現れてきていることが今回の調査から
もよくわかります。
情報教育研究センターが提供する「情報リテ
ラシーⅠ」の授業では、情報のセキュリティや
マナーに関することも学びますので、リスクヘッ
ジを具体的に考える力を養うことができます。
情報教育研究センターでは今後も調査、教育
活動、情報配信を通して、学生や教職員の意識
を高め、情報モラルの向上に努めていきます。
−2−
(助手 岡田由紀子)
スポーツ情報戦略
最先端ITがコーチの意思決定を支える
昨年度からプロコーチとして本学バレーボール部を率い
る今井啓介コーチが、 2 シーズン目の今期ITを積極的に活
用し、関西学生春季リーグ 2 部全勝優勝を果たし、 1 部復
帰を果たした。
Data Volleyと呼ばれるバレーボール世界トップチーム
が活用する情報分析ソフトを用いて、コート外で分析を行
う学生アナリストから、相手チームの攻撃パターン、スパ
イクのコース……等、刻々と変化するゲーム情報がベンチ
の林鈴華コーチに無線で送られる(写真 1 )。「自分の目に
入る情報と、送られてくる情報とを総合して判断していま
す」と今井コーチ。
ハンドボール部では、今年度からヘッドコーチに就任し
写真 1
た松木優也プロコーチを、コートサイドから健康・スポー
ツ科学科講師の小笠原一生先生が情報支援している。元国立スポーツ科学センター研究員の小笠原先
生は、情報戦略スタッフとして国際大会で活躍した実績を持つ。コート外で分析した前半の情報は、ハー
フタイム中に松木コーチの携帯へ送信され、後半の戦術変更へ活かされている(写真 2 )。
「送られたデータから、前半に自分たちの防御戦術が効
果的に機能し、相手のエース封じ込めに成功していること
と、部分的に防御がずれていたことが分かった。後半はさ
らに次の防御戦術を試すことと、ずれていた防御位置を修
正する決断ができた」と松木コーチ。
バスケットボール部でも、情報分析に力を入れている。
2005〜2009年度までの 5 年間支援コーチとして情報分析を
担った川上あゆみコーチは、日本女子バスケットボール界
のトップリーグに情報戦略スタッフとして招聘されてい
る。Sportscode Proと呼ばれる世界標準の映像情報分析
写真 2
ソフトウエア(写真 3 )を自由自在に操る川上コーチは、
ユニバーシアード大会の日本代表チームにも情報戦略ス
タッフとして 2 度帯同し、日本の勝利に大きく貢献した。
スポーツの世界でもIT活用は急速に進んでいる。
「経
験に基づいたコーチの勘」に「客観的情報」がプラス
されることによって、より明確な意思決定が可能にな
る。
「情報収集→情報分析→意思決定→情報共有」と
いう流れをシステム化できるかが、勝敗を大きく左右
する時代を迎えている。
本学で最先端のスポーツITを学んだ学生が、情報戦
略スタッフという新しい職域で活躍することにも期待
している。
写真 3
(健康・スポーツ科学科 坂井和明)
−3−
情報教育研究センターからのお知らせ
★無線LAN(Wi-Fi)のご利用について
キャンパス内の各所に、無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイントが設置されています。
ノートパソコンやスマートフォンなど無線LAN対応の情報端末を接続し、学内LANのアク
セスやインターネットの利用ができます。
利用可能場所には、
このシールを貼って
います。
【利用可能場所】
中央キャンパス
附属図書館 全フロア
南館 1 F 東側
日下記念マルチメディア館 1 F メディアホール、
3 F~ 6 F オープンスペース
公江記念館 キャリアセンター
公江記念講堂 1 ~ 5 F、
地下 1 F アゼリア DeliciousVisionコーナー
クリステリア 2 F、 3 F
浜甲子園キャンパス
薬学部総合薬学教育研究棟 2 F オープンスペース
薬学部実習棟 1 F 食堂、 2 F 談話室
▼Wi-Fiを利用するには…
MWU-netのID/パスワードをお持ちの方が、利用できます。
(Wi-Fi接続後、MWU-netのID/パスワードの入力が必要になります。)
▼Wi-Fiに接続するには…
接続したい端末に設定が必要です。
設定方法は、
「センターホームページ」→「学内専用ページ」→「無線LANアクセスサービス」を
参照してください。ただし、附属図書館は接続方式が違いますので、ご注意ください。
本年度センタースタッフの紹介
<教材開発支援室>
中井 岡田 村上
ご質問・ご要望は、お気軽にお問合せください。
<オープンフロア・サービスカウンタ>
橋本 高 板上 三島 永井 大西
[編集後記]
今年度からセンターニュースは年2回の発行となりました。タイムリーな内容を適切な媒体で発行
するために、Webコンテンツの配信やチラシの発行と合わせて情報発信をしてまいります。LINEを
はじめとするSNSも日常の通信媒体として学生、教職員の生活の中に定着してきており、インター
ネットに潜む脅威もますます現実味を帯びてきました。いかにして脅威から身を守りながらITと付き
合うかが 重 要なテーマですが、この方 面の情 報 発 信と
武庫川女子大学 情報教育研究センター
啓 発もセンターの 今 後の 課 題ではないかと思います。
日下記念マルチメディア館 2 F
これからも情 報 教 育 研 究センターからの情 報にご 注目
連絡先:3601、3611~3616(情報システム室)
ください。(K. N)
−4−
非常勤講師
岩﨑德子先生
Iwasaki Noriko
本学情報メディア学科の卒業生。
共通教育の情報科目や
情報SAを育成する
授業を担当中。
科目名でパワーポイントの練習などを想像する人が多いかも
しれませんが、そうではなく「筋トレ」をテーマにしています。
プレゼンは何回も繰り返し練習してやっと身に付くもので
す。しかも、社会に出てからの実際のプレゼンはいろんな年齢、
階層の人を納得・共感させなければなりません。だからこの授業
では共通教育のよさを活かし、学科も学年も違う人達にプレゼン
を繰り返すことでプレゼン力をつけることができる、つまり、
実践を想定した筋トレというコンセプトで授業をしています。
様々なことをしていますが、この前は「エレベーターピッチ」というもの
を使って授業をしました。本来の意味は自社サービスや商品について短時間
で話すことなんですが、この授業では30秒で自己アピールつまり自分をプ
レゼンして、ほかの学生に評価してもらうというサイクルを1日で5回繰り
返しました。さすがに5回もすると学生もくたくたで、まさに筋トレです。
考え抜いたプレゼンを行うために連帯責任があるチーム制にしています
が、各メンバーから異なる意見が出ることで良いものを作っていくという相
互作用も狙っています。
リポーター・編集
小谷 友里菜
私の授業は基本的にチェックインで始まりチェックアウトで
終わります。これは、30秒くらいの短い時間で今日あった出
来事、自分の体調など他愛のない事を相手に話す、準備運動の
ようなものです。
実際に授業に参加
する情報SAからは
「自分自身の成長を
感じられる!」とい
う声が出ています。
プレゼンでその場だけいい評価を受けようとしていると、絶
対に本番で失敗してしまいます。「筋トレ」中に何回失敗して
もいいから、チェックインで自分の状態を明らかにし、ありの
ままの自分を出してプレゼンに挑むことが大事なんです。
編集:大日3A小谷友里菜 大日2B二宮葵
発行:平成26年7月2日 情報教育研究センター
1つは学生に自主的に動いてもらうことですね。先生が全ての情報を与えてく
れるという感覚の学生が多いように思うので、今後「もっと深く学びたい」と思
うテーマに向かって動けるようになるための訓練のような授業を行っています。
それを積み重ねることで、社会に出てから必ず役に立つと思います。
2つ目は学生の名前をできるだけ早く覚えることです。学生を名前で呼べる
と、コミュニケーションが取れて授業を進めやすくなります。
最後に、授業で扱う事柄は「何故そうなのか」を説明するようにしています。先生の言葉だからと全て鵜呑み
にせず学生に自分で判断してほしいので、そのための情報をいつも提示したいと思っています。
プレゼンや人前に立つことが苦手な人にこそ受けてほしいですね。学校の中は守られているので、あまり傷付くこ
とがありません。しかし傷付くことを知らない状態で社会に出て、大事な場面で失敗してしまったら大変です。面接
など、大切な場面でつまずかないようにこの授業で練習してもらえればと思っています。
情報SA
小鍋 静菜
基本的に裏方の仕事をしているので、学生の動向をよく見る
ようになり観察力が上がったように思います。先生の見えない
ところをカバーしようと思い、注意深く周囲を見渡すようにな
りました。また何か問題が生じた時はもう一人のSAとお互いに
フォローし合うので、協調性が身に付いたように感じます。
情報SA
浅田 美波
やはり、SAがいると安心感があります。自分の目の届かないところをちゃんと見ておいてくれて、私や学
生に配慮して動いてくれるので授業がやりやすくなります。また私としてはあまりSAの活動には指示したく
ないので、基本的にはSAは放任しています。SAには自発的に動く力を養ってもらえればと思っています。
お知らせ
今回ご紹介した授業「プレゼンで鍛える情報表現力」
を実際に見学してみませんか?
授業後は授業に関する研究協議が行われますので、
ぜひご参加ください!
情報教育研究センター主催・ FD推進委員会後援
「情報SAと授業改善」研究会
対象者:本学全教職員・学生
日 程:7月21日(月)
①4限/授業参観「プレゼンで鍛える情報表現力」
・科目担当者 本学非常勤講師 岩﨑德子 氏
・情報SA 大心4A浅田美波、大情2D小鍋静菜
②5限/研究協議「情報SAと授業改善」
・進行 情報教育研究センター長 中野彰
編集
二宮 葵
場
所:中央図書館6階 C-604
「アクティブラーニングスタジオ」
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