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瓜生まり子さん

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瓜生まり子さん
第11回「ハンガリー旅の思い出」2014年コンテスト作品
瓜生まり子さんの作品
パプリカ克服の旅
友人と今年の海外旅行はどこへ行こうかと2時間本屋のガイドブックコーナーで悩んで決めたハンガ
リー旅行。正直、ハンガリーってブダペストという地名とエリザベートだけで他に印象がなかった。でも、以
前から何となく気になっていた。大して調べる事もなく、まずは航空券を予約。どうせ乗り継ぐならウィーン
に1泊して好きな電車でハンガリーへ移動することにした。それからガイドブックを読んで、目に留まったの
は「ワインセラーが70軒もあり、試飲やグラスワインが破格という美女の谷があるエゲル」「洞窟温泉のあ
るミシュコルツ」。同時に私が唯一食材で食べられないパプリカが名産と知り、ショックを受けた。予約済
なので、こうなったら、パプリカを好きになって帰ってくる!!と宣言して、10月12日からウィーン1泊、エゲ
ル3泊、ブダペスト3泊、ミシュコルツ&センテンドレ日帰りの旅へ出発した。
ウィーンから2時間50分、ブダペストの東駅で乗り換えて、エゲルまで更に1時間50分の電車のチケット
を購入。元々、東駅での乗換時間が11分しかなかったのに、まさかの電車遅延で乗換時間が1分となっ
てしまった。電車の扉が開いた瞬間、30代女性2人が大きなスーツケースを転がしてダッシュ!!私達の
走りっぷりに5、6人の方が声援を送ってくれたが、お礼を言う余裕もなく、8番ホームから1番ホームへ走
るも間に合わず、乗継失敗。2時間後の電車に変更した。エゲル行きの車内は10月という時期もあって
か、1両に5人前後しか乗っておらず、かなり年季の入ったローカル電車。ガラガラなのに私のすぐ後ろに
座った青年が、なんだか怖く感じた。エゲルに到着したのは、予定より2時間遅い18:50。もう真っ暗で、怖
い青年が後ろにいるのに駅にタクシーがいなかったらどうしよう・・・とドキドキしながら、出口に並んで大
きなスーツケースを下ろそうとすると、怖かった青年がとびきりの笑顔で手伝うと言い、2人分のスーツ
ケースを下ろし、「エゲルを楽しんで!」と爽やかに去っていった。「何!?あの笑顔!!こんなに優しい
なら早く言ってよ。ブダペストから警戒しちゃったじゃない!」と笑えてきて一気に気が抜けた。駅にはタク
シーが2台止まっていて、無事、エゲル城入口にある素敵なアパートホテルに到着した。
【美女の谷】
エゲル2日目、町中を観光後、念願の美女の谷へミニトレインで移動する。
開いているセラーは20軒程。雰囲気は様々でよく分からないので、試飲を快く受け入れてくれる6軒で飲
み比べてみた。普段飲まないセミスイートの白ワインとスイートの赤ワインが気に入り、グラスで数杯頂い
た結果、同じセラーに居た方々と盛り上がる。ワインを楽しむという目的でいるから、仲良くなるのは早
い。
地元のおじ様達と楽しくお話。
近くの方に頂いたチーズ、ナッツ、生パプリカ、パンのおつまみ
嫌いだ ったパプリカは日本とは品種が違い、みずみず しくて美味しい!
セラーの中も見せてもらい、ペット ボトルに入れる方法を実演してく れた可愛いお姉さん。
ワイン6本と樽型ペットボト ル2個を購入。樽型は旅行中に飲み切る 用。
【ミシュコルツ&洞窟温泉】
エゲル3日目、エゲルのバスターミナルからミシュコルツへ。
バスターミナルにある時刻表が分かりづらく、ネットで時刻表検索。便利な時代に感謝!
バスはボロボロだったけど、景色も良く、途中の町は建物が可愛くて車窓からでも楽しめた。1時間半で
ミシュコルツに到着。
簡単にミシュコルツ観光をした中でもマジャール正教会は、圧倒された。キリストの一生が描かれたイコ
ンが88枚あってガイドブックに出ている写真とは比べ物にならない迫力。併設されているミュージアムの
方に教会を見学したいと伝えると鍵を持って教会へ行き、2人の為でも扉を開けてくれる。ゆっくり見学を
したら、お布施(見学料)300Ftを置いてねと促される。300Ftでは申し訳ないくらい予想以上の満足感が
得られた。
入口の鍵はおもちゃかと思うほど、大きく てかわいらしい。ぶら下がっているのが、普通の鍵サイズ。
バスターミナルに戻り、洞窟温泉行きのバスに乗り換え、20分程で公園の中に到着。バスを降りると特
に案内表示もないので、GPSを使って、5分程で洞窟温泉に辿り着く。
夏場は外もあるようだけど、この日の気温13度、さすがに閉まっている。建物の中に入ると水着姿のま
まレストランで食事をしている方で賑わっていた。ロッカールームは男女同じだけど、上下が空いているト
イレのような個室が沢山あって、その中で着替える。鍵付キャビンではないので、個室の外にあるロッ
カーに荷物を入れて鍵を閉める。
いざ、洞窟温泉へ!とっても幻想的で素敵だけど、水が冷たい!!流れるプールのように時々、水流
が早くなったり、橋の上からシャワーのようにお湯が流れてきたり、プラネタリウム風の暗い部屋があった
りで30~40分程楽しめた。洞窟以外に33℃と35℃の温泉もあって、少し温まることも出来て安心した。温
まった頃、マッサージを20分お願いしたが、2000Ft前後で安い。
治療の為にこのマッサージだけを受けに来る方もいるようで洋服姿の方が5名程待っている待合室を水
着のまま通り、個室に案内されて、上手なマッサージで更に体が温まった。
オイルやクリームが付いているので温泉には戻れず、そのままシャワーを浴びて洞窟温泉終了。バス
ターミナルに戻り、そこから往路より快適で綺麗なバスでエゲルに戻った。マッサージのおかげかエゲル
に着くまで体がポカポカで、旅の疲れが取れてスッキリした。
【ブダペストへ】
翌日、ブダペストへ移動。
ミシュコルツ往復のバスが便利で心地良かったので、ブダペストへは電車ではなく、バスで移動する事
にした。
ホテルでタクシーを呼んでもらったが、運転手さんが無愛想でちょっと怖い。外れかなと思っていると降
りる時、とびきりの笑顔でバスの乗り場までスーツケースを運んでくれる親切ぶり。まただ!と2人でキュ
ンとした。
そういえば、エゲル滞在中、かなりの確率で始めは無愛想だけど親切で、少し話し始めると皆さん、とっ
ても素敵な笑顔を返してくれた。むやみに笑顔を振りまかない感じが逆に好印象。エゲルは、そんな優し
い人々、外れのないレストラン、美女の谷、観光スポット全てが気に入って、ブダペストへ移動するのが嫌
だなと思ったくらいリラックス出来る町だった。
ブダペスト到着後は、のんびりモードから、観光モードに切り替えて、主要の観光地を巡り。見どころも
多く、夜景も素敵で、子供鉄道で癒されて、センテンドレの町並みも印象的で書き出したら止まらないけ
ど、私はフォアグラ、マンガリッツア豚、パーリンカ体験が自分達らしい思い出になった。
【フォアグラとマンガリッツア豚とパーリンカ】
フォアグラを頂くと決めていたレストランへ行ってみるとディナーは1週間先まで予約で満席だけど、明日
のランチなら大丈夫と言われ、ランチにフォアグラとなった。
エゲルでマンガリッツ豚を食べ損ない、ブダペストではマンガリッツア豚を!と意気込んでいたので、感
じの良いこのレストランで頂くことにした。
そこに常連らしいスーツ姿の男性2人がお店の方に「大きなお腹になったわね」と言われながら、隣の
席についた。確かに美味しいものを食べすぎたであろうお腹・・・この方々が常連なら、このお店美味しい
かもと期待が膨らむ。
前菜の後、フライパンに4つのフォアグラ!フォアグラにはトカイワインが合うとお隣の2人に教えて頂
き、舌鼓を打つもさすがに2つ目のフォアグラは苦しい・・・
その後、食べられる国宝のマンガリッツア豚登場。ソースが絡みやすいし、クリーミーなマッシュポテトと
よく合って美味しい。でも、フォアグラでかなり苦しくなっていたので、別の日にもう一度頂きたかった。
お隣の方も同じくフォアグラだったので、ハンガリー料理についてお話した結果、パーリンカをおごって
頂くことに!!パーリンカって果物から造られる蒸留酒で40度以上あるとガイドブックに書いてあったけ
ど?!と戸惑うもお店の方にも薦められ、たぶんアプリコットとピーチのパーリンカを1杯ずつ頂いた。そ
の時は強いお酒にフラっとしたけど、後に残らず、午後の観光に影響なし。これまた気に入ってしまった。
フォアグラ、マンガリッツア豚、パーリンカにも魅了され、ここでもお店の方々、隣席の方の優しさに触
れ、「あ~幸せだなぁ」と何度も呟いていた。
フラ イパン に4つのフォ アグラ 。
他にも美味しい食事は沢山!
【10日経って】
ハンガリーから帰国して10日。まだまだ興奮冷めやらず、纏まりのない旅行記となってしまいましたが、
旅行を決めた時には未知の国だったハンガリー。清潔感のある街々、優しい人々、料理の美味しさ、他
の欧州諸国にない魅力を多く感じ、ハンガリーって何があるの?という質問に熱く語っている自分がいま
す。この10日間に4回、グヤーシュスープを作りましたが、やはり美味しく作れません。またハンガリーに
行かなければ!と作る度に考えています。そして、ハンガリー産のパプリカが食べたい!
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