...

Manila Water Company 課題 戦略 成果 IFCの役割

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

Manila Water Company 課題 戦略 成果 IFCの役割
2013年度 Financial Times/IFC共催 Sustainable Finance Awards
インクルーシブ・ビジネス部門 最終選考候補
Manila Water Company
会社概要
Manila Water Companyは上下水道サービスを提供する会社です。1997年に国営のマニラ首都圏上下水道公社(MWSS)が
民営化され、同社がマニラ首都圏東部における事業権を国際競争入札で獲得して以来、23の市町村で620万人以上の人々
にサービスを提供しています。Manila Waterはフィリピンの他の自治体やベトナムにも事業を拡大しており、さらには気候変動適
応プログラムも運営し、その運営は国内および国際基準に準拠しています。
BOP層へのインパクト
低所得層の顧客170万人(全顧客数の27%)にサービスを提供し、6,600以上の零細企業が上下水道システムの修繕や管理
を担当
課題
戦略
▪▪ 不十分でむらのある水へのアクセスや配水
管の老朽化による漏水といった1990年代
のマニラにおける水道網システムの危機
▪▪ 1997年当時、引き継いだ顧客基盤310万
人のうち、26%のみが24時間の水道サービ
スに、わずか3%が下水処理サービスへのア
クセスを持つ
▪▪ 低所得層の世帯は公共の水道から汲んだ
り、配水車や露天商から水を購入したり、あ
るいは違法に水道管から水を引くことで、水
を確保する
▪▪ 政府が上下水道システム運営の民営化を
決定したことで、Manila Waterが上下水道
設備の建設および運営を行う
▪▪ 低所得層の顧客には手頃な価格の料金
と、柔軟な支払いプランを提供
▪▪ 地方自治体から建設許可手数料の免除、
補助金の小額支給、建設作業員の派遣な
どの協力を得て、設備建設の費用を削減
▪▪ 地域コミュニティーが水道メーターのモニタリ
ングや料金の回収、設備の維持に携わる
成果
▪▪ BOP層に属する170万人を含む620万人
以上の顧客にサービスを提供し、そのサー
ビス提供地域のうち99%で水へのアクセス
を24時間可能にする
▪▪ マニラ首都圏東部で展開する事業の
EBITDA(金利・税金・償却前利益)が、赤字
だった1997年から2012年には100億フィリ
ピンペソにまで増加
▪▪ 全体で4,611キロメートルの水道管が敷か
れ、38の下水処理施設が建設され、無収
水率は63%から12.2%まで減少
IFCの役割
▪▪ 2003年に6,000万ドルの長期融資を提供
し、2005年には1,500万ドルの資本参加を
行い、2013年に1億ドルの追加融資を提供
▪▪ IFCのアドバイザリー・サービスがManila
Waterのコーポレート・ガバナンスの改訂お
よび持続可能な成長戦略の策定を支援
し、同社は環境および社会面での成果を
毎年一般に公開する最初のフィリピン企業
となる
▪▪ IFCの関与が市場における信頼を高
め、2005年の同社IPOの一助となる
▪▪ 飲料水の国内品質基準を100%達成
Manila Waterのインクルーシブ・ビジネスモデル
Manila Waterのプログラム『貧しい地域社会にも水を(Tubig Para Sa Barangay:TPSB)』は、低所得者層にも水道サービスへの
アクセスを提供することを目的としています。これは、サービスを十分に受けていない低所得層の世帯でも安全で信頼できる水
に対しては料金を支払う意思があるということ、そして、こうした世帯に水を届けることで新しい市場を開拓すると同時に、水道
管への不法接続など非効率なコストの削減につながるという、投資対効果を精査した結果に基づいたプログラムです。TPSBで
は、給水システムの設計と運営において地域社会を取り込むべく、地方自治体および地域密着型の組織とのパートナーシップ
を利用しています。
Manila Waterは水道メーターを公共の場に並べて見えるように設置することで、水道メーターの監視を容易にし、水の使用状
況や料金の透明性を高め、地域コミュニティーが主体となって管理できるようにしました。インフォーマルな居住地域または土
地の所有権が問題になっている極めて所得の低い地域では、一括計測やコスト分担プログラムによって連帯責任による自己
監視を実施しています。地域コミュニティーは集金、メーターの監視、および設備の維持に担当者を割り当てるか、選出するこ
とで、地域に雇用を創出できます。さらに、Manila Waterは同社のサプライヤーである零細企業や、時にはそのサプライチェー
ンを超えた範囲で企業に少額出資を行っています。こうした取り組みによって、地域コミュニティーの当事者意識や責任感が
高まり、その結果、水道システムの整備を行き届かせ、期限内の料金支払いを促進し、盗水を防止することにつながります。ま
た、同社はサービスの行き届かない地域の学校や病院、刑務所、商店街、孤児院に手洗い場や水飲み場をつくるプログラムも
展開しています。詳しくはwww.manilawater.comをご参照ください。
Fly UP