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「航空安全プログラム」(案)の骨子
別 添 「航空安全プログラム」(案)の骨子 ※主語のない文章の主語は、全て、民間航空の安全の監督者たる国土交通省航空局である。 序文 x 国際民間航空条約第 19 附属書の規定に従い、国土交通省設置法に基づき作成する。 x 本プログラムは、国土交通省航空局が民間航空の安全を監督する者(以下「航空安全 当局」という。)として講ずべき対策等について網羅的に定めたものである。 定義 第1章 (省略) プログラムの目的 x 本プログラムは、旅客、乗務員、地上職員及び一般市民の安全の確保を第一義的な目 的とする。 x 附属書の改正の場合のほか、毎年一回、民間航空の安全の状況等を踏まえ、見直す。 第2章 航空安全当局の安全方針と取組 1.航空安全当局の安全方針 x 航空安全の確保は、全ての活動において優先されるべき大前提である。 x 監督下にある全ての航空活動について最大限の安全が確保されるよう、方針・法令等 を策定して継続的に見直し、安全性向上に努める。 2.航空安全当局の取組 x 「民間航空の安全に係る航空法規の策定、遵守状況の確認」、 「安全リスクの管理」、 「安 全パフォーマンスの監視・測定」、「安全に関する取組の改善」等を実施する。 3.民間航空の関係行政機関との役割及び協調 x 運輸安全委員会が行う航空事故及び重大インシデントの調査、気象庁が行う航空気象 業務並びに警察庁等が行う捜索救難業務は、本プログラムの適用外とし、航空安全当 局は、必要に応じ、担当行政機関と情報共有等を図る。 第3章 航空法規等への違反に係る不利益処分等の執行方針 x 航空法規等への違反(以下「違反」という。)に係る不利益処分等は、違反の内容及び それによる安全リスクに見合ったものとし、当該事象の恣意性・隠蔽性・報告の自主 性・反復性及び改善措置の実施の有無も検討の上判断する。 x 安全管理システム(以下「SMS」という。 )確立支援のため、業務提供者※が違反(航 空事故及び重大インシデントに係るものを除く。)をした場合、当該業務提供者と対話 を行い、適切な是正措置等が示されれば、当該違反に係る不利益処分及び厳重注意そ の他これに類する行政指導を実施しない(特例)。 x ただし、当該違反を、意図的に行っていた場合、隠蔽していた場合及び繰り返してい た場合は、本特例の対象外とする。 ※「業務提供者」とは、本邦航空運送事業者、認定事業場、指定航空従事者養成施設、公共用飛行場及び航空 管制等航空機の運航に関する指示・支援業務の実施機関のうち、SMSの確立が求められているものをいう。 第4章 安全リスクの管理 1.業務提供者における安全リスクの管理 x 別途SMS要件規程を策定し、業務提供者に対して安全リスクの管理※(安全指標及び 安全目標値の設定を含む。)の実施を求める。 x 航空安全当局は、各業務提供者の安全指標及び安全目標値について、業務特性を表し ているか、測定可能か、現在よりも改善したものであるか否かを確認する。 2.航空安全当局における安全リスクの管理 x 航空安全当局は、安全リスクの管理の原則を自らにも適用する。 x 安全指標及び安全目標値を別途設定し、民間航空の安全パフォーマンスの監視等を実 施して、民間航空の安全の傾向を把握する。 ※「安全リスクの管理」とは、安全に関する情報を収集・分析してハザードを特定し、当該ハザードに係る安全 リスクを把握し、必要に応じ、低減策を実施し、その有効性を評価するという取組を循環的かつ継続的に実 施することである(原則)。 第5章 安全の保証 1.安全監督の枠組み x 安全に関する航空法規の策定及びこれに基づく処分等を実施する。 x 適切に安全が確保されるよう、航空法規に基づき報告徴収及び検査等を実施する。 x 業務提供者における安全リスクの管理状況について監視し、及び評価する。 x これらの監督が適切かつ効果的に行われるよう、内部評価を実施する。 2.安全情報の収集、分析及び関係者との共有 x 顕在する、又は潜在する民間航空の安全に関する情報を確実に収集するため、航空法 規に基づき義務報告制度を確立する。 x 航空の安全上の支障を及ぼす可能性があったと思われる事象等の情報を幅広く収集す るため、自発報告制度を確立する。 x 自発報告制度の運営主体は、不利益処分等の懸念を排除するため、航空局及び主たる 報告対象者以外とする。航空安全当局は、同制度に報告された情報のうち、個人等が 特定される情報を知ったとしても、当該情報のみにより不利益処分等を実施しない。 x 収集した安全情報は、会議等を開催して分析し、分析結果は関係者と共有する。 3.安全リスクに応じた安全監督 x 様々な安全情報を活用して民間航空の安全の傾向を把握し、安全リスクがより大きい と考えられる分野又は対象に対して、より重点的に監査を実施するなど、安全リスク に応じた安全監督を実施する。 第6章 安全の促進 1.航空安全当局内部に対する取組 x 航空安全当局における担当課等は、会議の開催、データベースの共有等を通じ情報共 有、意思疎通及び調整を図る。 x 担当職員に対し、必要となる教育訓練を実施する。 2.航空活動関係者に対する取組 x 組織安全文化の醸成を促進するとともに、航空活動関係者と双方向の意思疎通を図る。