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先進技術・システム

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先進技術・システム
4.2 先進技術・システム
徳島におけるスマート社会構築を考えていく上で参考になると思われる先進技術・システムについ
て、以下のとおり整理した。
4.2.1 水素エネルギー
(1) 水素について
水素は、
石油や天然ガス等の化石燃料、バイオマスで発生したメタノールやメタンガスの改質や、
風力発電・太陽光発電を用いた水の電気分解等の多種多様なエネルギー源からの製造が可能であり、
エネルギーセキュリティの観点から有用である。
また、水素は、利用段階ではCO2を排出しないため、化石燃料由来の水素製造過程に二酸化炭素回
収貯留(CCS)を組み合わせた水素製造や非化石エネルギー由来の水素製造が技術的・コスト的に可
能になれば、製造から利用段階に至るまで、CO2を排出しないエネルギーとなる。
図 2.4.1 水素エネルギーの意義
出典:資源エネルギー庁資料より
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(2) 水素ステーション(NEDO水素エネルギー白書 参照)
・ 現状
国は、現在、四大都市圏を中心に2015年度内に100ヶ所程度の水素ステーションを展開することを
目指している。
現在の水素ステーションの整備費は4~5億円程度(供給能力300Nm3/hの固定式ステーションの場
合)であり、一般的なガソリンスタンド(整備費1億円程度)と比べると、非常に高額となっている
(図2.4.2)。
図 2.4.2 水素ステーション整備費の内訳
(2013 年度水素供給設備整備補助金申請額の平均値)
出典:NEDO水素エネルギー白書より
・ 今後の展開
技術開発を通じて低コスト化を進めるとともに、水素ステーションに係る規制の見直しを通じて、
より安価な設計や材料が使用できるようにすることが必要である。水素ステーションコストの低減
は、そのまま水素供給コストの低減につながる。
また、水素ステーションの適切な配置も必要である。初期段階においてユーザーに不安感や過度
な不便を感じさせないように、適切なロケーションに配置することが必要である。
国内の水素ステーションの設置見通しについては、富士経済は累積件数として2020年に519ヶ所、
2025年に1,169ヶ所と市場見通しを示している(2012年版 水素燃料電池関連市場の将来展望 富士
経済)。
またデロイトトーマツコンサルティングは、2013年8月のニュースリリースで2025年の水素ステー
ション数は日本国内で493ヶ所、日本、米国、欧州で総計3,098ヶ所と見通している。
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(3) 水素の安全性(NEDO 水素エネルギー白書 参照)
・ 水素の安全に関する規制
水素の安全に関しては、高圧ガス保安法、消防法、建築基準法、石油コンビナート等火災防止法、
道路運送車両法、道路交通法、港則法等の法律により規制されている。
・ 水素ステーションにおける安全対策
水素ステーションでは図 2.4.3 のような安全対策が施されており、漏洩防止、早期検知、滞留防
止、引火防止及び火災時の影響軽減を基本的な方針とした上で、水素ステーションを構成するそれ
ぞれの機器において対策を講じている。
また、水素ステーションの緊急時対応ガイドラインの整備も進められている。
図 2.4.3 水素ステーションの安全対策
出典:NEDO 水素エネルギー白書より
・ 燃料電池自動車における安全対策
燃料電池自動車の安全対策は、日本では「圧縮水素ガスを燃料とする燃料電池自動車等の基準」
により、安全基準が定められているほか、水素による脆化を受けない金属材料の使用、センサーを
用いた水素漏洩防止システム、火災時における水素容器の破裂を避けるための一定温度でタンク内
のガスを放出させる熱作動式の安全弁の設置などが講じられている。
また、自動車や自動車部品については、国連において統一的な基準が策定されている。
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図 2.4.4 燃料電池自動車に関する法律
出典:NEDO 水素エネルギー白書より
図 2.4.5 世界統一基準の概要
出典:NEDO 水素エネルギー白書より
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(4) 水素製造設備導入の事例
・ 川崎市(神奈川県)
川崎市は平成 27 年 4 月から、臨海部の公共施設「川崎市港湾振興会館および東扇島中公園(川
崎マリエン)
」で、東芝による自立型水素エネルギー供給システム「H2One(※注 1)
」の実証運転を
開始した。災害時を想定した水素 BCP システムや、平常時の水素エネルギーマネジメントシステム
により、完全地産地消型のエネルギー供給システムとしての展開を予定している。
※注 東芝 H2One(東芝資料参照)
自然エネルギーによる水素の製造、電気や水素の貯蔵、燃料電池による発電までをワンストップ
で行うシステム。独自の EMS による水素や電気の製造・供給管理も行うほか、コンテナサイズに収
められているため、設置も容易となっている。
川崎マリエンで導入される機種は、非常時 300 名に約1週間分の電気・温水供給が可能である。
図 2.4.6 H2One 外観図【参考資料 1】
出典:http://www.toshiba.co.jp/about/press/2015_04/pr_j2002.htm
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4.2.2 洋上風力
(1) 洋上風力について(NEDO再生可能エネルギー技術白書 参照)
陸上における適地が減少していることや,陸上と比較して洋上は風況が安定していることから、
洋上風力発電システムが注目されており、欧州を中心に大規模な洋上ウィンドファームの建設が始
まっている。
洋上風力発電は、海底に直接基礎を設置する着床式と、浮体を基礎として係留などで固定する浮
体式に分類されるが、浮体式は技術開発の段階で、実証試験用を除き、現在導入されている洋上風
力はすべて着床式である。現在、さまざまなタイプの基礎構造が考案・使用されている。
図 2.4.7 洋上風力発電の形態と水深の関係
出典:NEDO 再生可能エネルギー技術白書より
図 2.4.8 洋上風力の主要構成要素とサプライチェーン
出典:NEDO 再生可能エネルギー技術白書より
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(2) 導入事例(
「港湾における風力発電について 平成 24 年 6 月 国交省、環境省」参照)
近年、風力発電事業の大規模化及び風力発電施設の大型化により、陸域における事業箇所の確保
が難しいことから、ウィンドファームに適した水域、特に港湾区域が注目されている。
国内の港湾区域における洋上風力発電は、平成 24 年 5 月時点で 3 事例(計 14 基)があり、いず
れも護岸又は防波堤の近くに建設されている着床式である(表 2.4.24)
。
表 2.4.24 国内の港湾区域等の水域における洋上風力発電施設の設置状況(平成 24 年 5 月時点)
出典:
「港湾における風力発電について 平成 24 年 6 月 国交省、環境省」
図 2.4.9 ウィンド・パワーかみす 第1洋上風力発電所【参考資料 2】
出典:http://www.komatsuzaki.co.jp/windpower/kamisu1.php
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4.2.3 地域新電力会社(地域 PPS)
地域のエネルギー(特に電力)のマネジメントを効果的に実施するには、スマートメーターの普及
と合わせて地域・地区に電力を供給する主体・電気事業者の関与は欠かせない。
電力システム改革(電力の小売り自由化)の流れのなかで(図 2.4.10)
、自然エネルギーの地産地
消やエネルギー費用の地域内循環と地域振興などをねらいとした地方自治体など、地域が主導する特
定規模電気事業者(新電力会社、PPS)の設立・検討が広がっている(表 2.4.26、図 2.4.11~18)
。
地域の新電力会社は、エネルギーの地産地消や地域振興の他に CEMS、BEMS、HEMS を効果的に実施・
支援することが期待でき、地域のスマート化において重要な役割を果たすものであり、スマート社会
構築に資する地域密着型の地域新電力会社の広がりが期待される。
図 2.4.10 電力・都市ガス・熱供給を含むエネルギー分野の改革スケジュール
出典:資源エネルギー庁
表 2.4.25 四国を営業エリアとする新電力会社例
名称
本社
所在地
主要株主
一般家庭への
販売
株式会社エネット
東京都
NTTファシリティー、東京ガス、大阪ガス
予定あり
株式会社F-Power
東京都
(旧ファーストエスコ)
予定あり
日本ロジテック協同組合
東京都
組合員出資
-
日本テクノ株式会社
東京都
-
-
ミツウロコグリーンエネル
ギー株式会社
東京都
ミツウロコグループホールディングス
株式会社グローバルエンジ
ニアリング
福岡県
-
-
大一ガス株式会社
愛媛県
-
予定あり
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予定あり
表 2.4.26 地域が主導する新電力会社等
新電力等名称
行政
出資
群馬県中之条町
(一財)中之条電力
60%
(株)V-Power
公共施設等
再エネ、取引市場
みやま市
みやまスマートエネルギー
(株)
55%
(株)エプコ
高圧・低圧
再エネ、九電等
泉佐野市
(一財)泉佐野電力
66%
パワーシェアリング(株)
公共施設、
低圧
再エネ、取引市場
浜松市
(株)浜松新電力
8.3%
(株)NTTファシリティーズ
公共施設、
低圧
再エネ、取引市場
北上市
合同会社北上新電力
-
(株)NTTファシリティーズ
公共施設等
再エネ、取引市場
鳥取市
(株)とっとり市民電力
10%
とっとり環境エネルギーアラ
イアンス合同会社
(株)ウエストエネルギーソ
リューション
公共施設等
再エネ、中電、
取引市場
山梨県
東京電力(株)(やまなし
パワー)
-
東京電力
県内需要家
企業局水力、東電
神奈川県
湘南電力(株)
-
(株)エナリス
法人
再エネ、取引市場
自治体
事業運営・協力
供給先
図 2.4.11 中之条町(群馬県)における地域新電力
出典:中之条電力 HP 等
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電源
図 2.4.12 みやま市(福岡県)における地域新電力
出典:みやま市資料、みやま HEMS プロジェクト HP
79
図 2.4.13 浜松市における地域新電力
出典:浜松市
図 2.4.14 北上市における地域新電力
出典:NTT ファシリティーズ
図 2.4.15 鳥取市における地域新電力
出典:鳥取市
80
図 2.4.16 山梨県と東京電力の協業
出典:山梨県、東京電力
図 2.4.17 神奈川県における地域新電力
出典:
(株)エナリス、神奈川県
81
図 2.4.18 神奈川県と湘南電力の協業
出典:
(株)エナリス
82
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