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海外悪性伝染病発生状況

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海外悪性伝染病発生状況
平成27年11月発行
北海道十勝家畜保健衛生所
ホームページアドレス : http://www.tokachi.pref. hokkaido.lg.jp/ds/khe/top.htm
海外悪性伝染病発生状況
<口蹄疫>
近隣国では中国と韓国で継続的に発生してい
ます。特に韓国では、昨年7月以降、188 件の発
生が確認されており(7月 23 日現在)、そのほと
んどが豚における発生です。感染した豚が排泄
するウイルス量は牛の 1,000 倍以上に達すること
もあり、感染拡大の観点からも警戒が必要です。
また、台湾では約2年ぶりとなる発生が4月に
報告されており、その後、5月にも発生がありまし
た。
これらの状況から、日本国内への口蹄疫ウイ
ルスの侵入リスクは極めて高い状況にあると考
えられます。今後も、口蹄疫侵入防止対策が必
要となりますので、農場における飼養衛生管理を
台湾における高病原性及び低病原性
徹底してください。
鳥インフルエンザの発生状況(2015 年1月~)
<高病原性及び低病原性鳥インフルエンザ>
世界的に発生が報告されており、アジアにおいても継続
的に発生しています。
台湾では、今年1月以降、958 件の発生が確認されてい
ます(10 月 21 日現在)。
韓国では、6月に一度発生が終息しましたが、9月以降、
新たに8件の発生が確認されました(10 月 22 日現在)。
中国では、家きんにおいて今年2件の発生が、香港では
4月に野鳥での発生が報告されています。
日本国内では、本格的な冬鳥の飛来シーズンを迎えるこ
とから、飼養衛生管理基準の徹底、防鳥ネットの点検などを
行い、特に野生鳥獣の侵入防止による、ウイルスの侵入防
止に努めてください。
1
『高病原性及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針』の改正について
標記指針が平成 27 年9月9日に改正されました。主な変更点は次のとおりです。
1.外国人研修生や留学生への周知
国や都道府県の取り組みとして、高病原性鳥インフルエンザの発生国から外国人研修生や留学
生として来日し、家きん飼養農場等を訪問するおそれのある者に対しても、来日前から日本におけ
る動物検疫の仕組みや本病対策の情報等を周知。
2.防疫作業従事者や発生農場の所有者に対する精神的ストレスへの対応
発生農場の所有者や、普段家きんを扱わないような防疫作業従事者に対する肉体的・精神的スト
レスへのケアへの対応について明記。
3.食鳥処理場で高病原性鳥インフルエンザが発生した際の対応
より具体的な対応が明記され、特に家畜衛生部局と公衆衛生部局の連携について、留意事項に
記載。
4.その他の主な変更点
●定点モニタリングの対象農場の選び方
●野鳥等で感染が確認された場合の対応
●疑い事例の際の農場における簡易検査を実施する羽数等の明確化
●発生に係る情報提供について
●原則として 24 時間以内の疑似患畜の殺処分完了、72 時間以内の死体の焼埋却完了に係る記
載について
●発育鶏卵の取扱いについて
●移動制限区域内に入った関連施設の制限について
●疫学関連家きんの考え方について
●防疫措置従事者の他農場への立入禁止期間の変更(短縮)
●農場監視プログラムの適用期間の変更について
●家畜保健衛生所で実施する遺伝子検査のプロトコルについて
『高病原性及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針』は、下記のURLで見る
ことができます。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/pdf/150909_hpai_guide.pdf
2
監視伝染病発生状況(H27.1 月~9 月)
<法定伝染病>
病名
ヨーネ病
腐蛆病
畜種
北海道
戸数
頭数
十勝
戸数
頭数
牛
123
460
58
205
めん羊
蜜蜂
1
1
1
2
1
0
1
0
発生市町村
浦幌町、音更町、芽室町、広尾町、
士幌町、新得町、清水町、足寄町、
帯広市、大樹町、豊頃町、本別町、
幕別町、陸別町
中札内村
<届出伝染病>
病名
畜種
牛ウイルス性
下痢・粘膜病
牛ウイルス性
下痢・粘膜病
(疑症)
牛伝染性
鼻気管炎
牛白血病
破傷風
破傷風(疑症)
気腫疽
サルモネラ症
北海道
十勝
戸数
頭数
戸数
頭数
牛
70
192
65
72
牛
16
58
15
56
浦幌町、芽室町、広尾町、士幌町、
足寄町、大樹町、幕別町、陸別町
牛
1
93
1
93
上士幌町
牛
172
370
43
43
更別村、士幌町、足寄町、帯広市、
池田町、陸別町
牛
馬
牛
牛
牛
豚
牛
牛
馬
豚
豚
6
1
1
1
7
1
1
2
20
9
4
6
1
1
2
31
1
1
2
35
134
655
0
0
0
0
4
1
1
0
0
1
0
0
0
0
0
27
1
1
0
0
1
0
新得町、帯広市、豊頃町
帯広市
上士幌町
牛丘疹性口炎
ネオスポラ症
馬鼻肺炎
豚丹毒
豚流行性下痢
豚流行性下痢
(疑症)
バロア病
豚
1
80
0
0
蜜蜂
34
809
1
2
チョーク病
蜜蜂
74
1,183
6
34
3
発生市町村
音更町、芽室町、広尾町、士幌町、
鹿追町、上士幌町、清水町、
足寄町、大樹町、中札内村、
幕別町、陸別町
帯広市
豊頃町
大樹町、本別町、上士幌町、
更別村、清水町、音更町
防疫演習及び防疫訓練の実施について
口蹄疫や高病原性及び低病原性鳥インフルエンザの発生時に備え、主に関係機関職員を対象とした防
疫演習及び訓練を実施しています。また、家保職員のスキルアップを図るため、机上・実地での訓練を定
期的に実施しています。本年度の実施状況及び予定は次のとおりです。
対象
関係機関
月日
演習・訓練名
内容
4/28
十勝総合振興局家畜
各関係機関、獣医師等 74 名が出席。防疫体制の基本事項確
伝染病防疫演習
認、防疫衣の着脱訓練を実施。
市町村別口蹄疫防疫
口蹄疫防疫の基本事項についての確認、防疫衣の着脱訓練、
訓練(浦幌町)
町の防疫体制の確認等を実施。
市町村別口蹄疫防疫
調整中
10/26
2月
訓練(鹿追町)
十勝家保・
振興局
9/9
十勝家保職員防疫訓
口蹄疫疑い事例発生時の、農場における現地調査、牛の保定、
練
写真撮影、画像データ送信、病性鑑定材料採材、飼養者への防
疫措置説明等について職員訓練を実施。
10/7
高病原性及び低病原
農林水産省が作成した架空の発生情報を元に、振興局と家保が
性鳥 インフ ルエ ンザ 連携して防疫体制構築に係る資料を作成。
机上演習
市町村別口蹄疫防疫訓練は引き続き募集します。
希望される市町村は当所までお問い合わせください。
BSE 検査室からのお願い
牛海綿状脳症(BSE)に関する特定家畜伝染病防疫指針等の改正により、死亡牛のBSE検査体制の変
更から半年が経過しました。十勝管内東西2か所の BSE 検査室の検査頭数は予想どおり、昨年の約 30%
減で推移しており、これまでの結果は全て陰性です。また、今のところ BSE を疑う「特定臨床症状」を示す牛
の届出もありません。
しかし、両耳ともに個体識別耳標が脱落し、個体の特定が困難な事例が見られます。
この場合、確認作業のため検査を一時中止して、飼養者や指示書を発行した獣医師に耳標が脱落
した経緯を確認することになります。
耳標が脱落した場合、次のような方法で個体が分るようにして搬入して下さい。
1

脱落した耳標や個体識別番号を記載した札を紐などで牛体に付ける

ペイントスプレーで個体識別番号を牛体背面または腹面に書き込む。

飼養者あるいは獣医師により個体確認したことを示す登録証あるいは繁殖台帳の写しを添付し、
指示書に耳標が脱落している旨書き添える。
※ 理由の如何を問わず牛の耳標を取り外す行為は法令違反となりますので、絶対にやめてください。
4
平成 27 年度家畜伝染病予防法第5条に基づく上半期の検査結果・今後の予定
平成27年度上半期の検査結果
検査内容
市町村数
検査戸数
検査頭羽数
結果
肉用牛のヨーネ病
4
47
1,773
1 戸 8 頭患畜発生
乳用牛のヨーネ病
6
164
14,997
6 戸 18 頭患畜発生
乳用牛の結核病
6
167
15,338
全頭陰性
乳用牛のブルセラ病
6
167
15,373
全頭陰性
家きんサルモネラ感染症(ひな白痢)
2
3
430
全羽陰性
高病原性及び低病原性鳥インフルエンザ
2
3
30
全羽陰性
蜜蜂の腐蛆病
15
26
892
全群陰性
~検査の円滑な運営にご協力いただいた関係者の皆様、ありがとうございました~
平成 27 年度の今後の予定
検査内容
市町村名
検査期間
検査戸数
検査頭羽数
士幌町
10 月
18
1,923
上士幌町
10 月~11 月
27
7,043
芽室町
11 月~12 月
25
3,890
大樹町
11 月~12 月
18
1,700
幕別町(忠類)
H28 年 1 月~2 月
24
1,855
肉用牛のヨーネ病
更別村
11 月
26
905
家きんサルモネラ感染症
新得町
11 月
1
100
乳用牛の結核病・ブルセラ病・
ヨーネ病
~これから検査が始まる関係者の皆様、検査の円滑なる運営にご協力お願いします~
日射病・熱射病発生状況
平成 27 年度十勝管内の発生状況(頭羽数)
例年、日射病・熱射病の発生状況
発生日
乳用牛
7月 11~15 日
1
8月1~7日
4
調査にご協力いただき、ありがとうご
ざいます。
今年度は、2つの時期に発生があ
肉用牛
1
採卵鶏
肉用鶏
325
2,812
827
3,285
りました。
十勝管内における日中最高気温
(℃)
日中最高気温が、30℃以上 40
35
の日が続くことが予想される場 30
合は、 熱射 病対策 をしま しょ 25
20
う。
15
40
35
30
25
20
15
7/8
7/11 7/14 7/17 7/20
5
7/29
8/1
8/4
8/7
十勝管内における BVD ウイルス感染症対策
~BVD ウイルス感染症とは~
BVD(牛ウイルス性下痢)ウイルスの感染による症状の総称で、感染時期により症状が異なります。
BVD ウイルス感染症が農場内で発生した場
合、1頭につき最大で約9万円の経済被害が生
哺育・育成牛 : 下痢、肺炎
経産牛 : ①繁殖障害(胚死滅による不受胎)
②異常産(流死産、奇形)
じるとの報告があり、十勝管内でも各地で発生
③持続感染牛を娩出
が報告されています
「持続感染牛=PI 牛」 という問題
母子に感染
母牛が妊娠中(胎齢 30~150 日)に BVD ウイ
ルスに感染すると、胎子が PI 牛となる場合があ
ります。
PI 牛は生存中、常に、非常に多量のウイルス
出生牛は PI 牛→汚染源
を鼻汁や尿に排出し続け、農場内を恒常的に
汚染し、生産性の低下を招きます。
PI 牛に治療法はなく、多くは1才未満で粘膜
病等により死亡しますが、外見上、健常牛と見
分けがつかない場合も多く、発見後、速やかな
とう汰が推奨されます。
母牛は回復
十勝管内での清浄化への取組み
平成 27 年8月より、十勝農業協同組合連合会主導のもと、牛ウイルス性下痢・粘膜病清浄化対策
がオール十勝での取組みとして始まりました。対策の柱は、『PI 牛淘汰』と『ワクチン接種』です。病気
に対する生産者の理解はもとより関係機関の熱意を持って、清浄化を目指して推進していきます。
管内公共牧場で小型ピロプラズマ病が発生
昨年、発生の無かった管内公共牧場2カ所で小型ピロプラズマ病(小型ピロ)が発生しました。
【A 牧場】:6月末から、重度の貧血、流産、死亡牛が発生。血液検査で、入牧牛の 95%が小型ピロ陽性。
【B 牧場】:7月末から、貧血、死亡牛が発生。抽出牛の血液検査で、90%が小型ピロ陽性。
両牧場とも、直ちに ①入牧牛への殺ダニ剤投与、②発症牛は生産農場へ戻し、治療、③放牧地周辺
の草刈り の対策を行い以後の発生はありません。
近年、本病の発生がなく、ダニ対策を実施していない公共牧場での感染が増加傾向にあります。
~入牧・放牧時には定期的に殺ダニ剤塗布を行いましょう~
6
サルモネラ症に注意!
サルモネラ症は夏から秋の発生が多い傾向にありますが、一年を通して発生が認められます。
今年度のサルモネラ菌分離状況は、表のとおりで、監視伝染病の血清型(サルモネラ・ティフィムリウム、
サルモネラ・ダブリン)の発生も認
められています。
主な感染経路は、菌を含んだ動
サルモネラ菌分離状況(平成 27 年4月~10 月 23 日)
症状
件数
発症
7
血清型
畜種(件数)
Typhimurium
乳用牛(1)
物の糞便や、菌に汚染した飼料・
O4:i:-
乳用牛(1)、肉用牛(1)、豚(2)
環 境 か ら の 経 口 感 染で、 発 熱
Dublin
乳用牛(1)
(40-42℃)、下痢、肺炎などの症
Weltevreden
肉用牛(1)
O4:i:-
乳用牛(3)、肉用牛(1)
状を引き起こします。
保菌
4
サルモネラの侵入を防ぐために!
◆ 健康な家畜を導入し、導入後は一定期間隔離して状態を確認 しましょう!
◆
消毒槽、消毒帯を設置し、車両、人による菌の持ち込みを防止しましょう!
◆
野生動物(カラス、キツネ、ネズミ等)が牛舎へ侵入しないようにしましょう!
感染の拡大を防ぐために!
◆ 異常牛の早期発見と隔離 に努めましょう!
下痢、発熱に加えて風邪のような症状にも注意が必要です。
◆ 牛舎を定期的に清掃・消毒 しましょう!
塩素系消毒剤、石灰等が有効です。踏込消毒槽の消毒液はこまめに交換しましょう。
飼槽やウオーターカップ等、牛が口にするところは特に注意が必要です。
◆
牛舎環境を快適に保ち、良質な飼料を与えることにより、牛の免疫力を強く保ちましょう!
サルモネラ症を疑う場合は直ちに獣医師の診察を受けてください
7
冬に向けて・・・牛の呼吸器病対策を!!
日毎に朝晩の冷え込みが厳しさを増し、冬支度に忙しい季節がやってきました。人間と同じように、家畜も季
節の変わり目は体調を崩しやすくなります。
これからの季節は気温の変化だけではなく、『放牧が終わり舎飼いになる』『飼料
の質・量が変わる』など、牛にも様々なストレスがかかり、特に呼吸器病の発生が多く
みられます。
本格的な冬がやってくる前に飼養環境を見直してみましょう。
見直しポイント
牛舎のすき間風は?
風の吹き込み口をふさぎましょう。難しい場合は、牛体に直
接風が当たらないような工夫をしましょう。
敷料は乾燥してる?
湿った環境では牛体も冷えてしまいます。特に子牛は保温管
理が重要です。床替えしていない牛床は、湿った布団と同じ
です。濡れた布団で眠りたくありませんよね。牛も同じです。
畜舎の換気は十分?
寒さ対策のため、冬季は換気不足になりがちです。
糞尿から発生する『アンモニア』、乾草等から出る『ほこり』
は粘膜を刺激し、呼吸器病を誘発します。
特にアンモニアは人間が立った状態では気づきにくいので、
普段『牛が休む場所』で『牛の頭の高さ』に座ってみてくだ
さい。
飲み水は?
水を飲もうとしたら凍っていて飲めなかった…、ということ
はありませんか?
北海道十勝家畜保健衛生所
〒089-1182
帯広市川西町基線 59 番地6
TEL:0155-59-2021
FAX:0155- 59-2571
【夜間・休日】TEL:0155-26-9005(十勝総合振興局)
東部 BSE 検査室
西部 BSE 検査室
〒089-1372
〒081-0035
中札内村元札内東 2 線 51 番地4
新得町字上佐幌西3線49
TEL:0155-63-6338
TEL:0156-64-0050
FAX:0155-63-6339
FAX:0156-64-0051
※家畜衛生「とかち」は、ホームページにも掲載(PDF ファイル)していますのでご利用ください。
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